特 許 公 報 特許第5782194号

〔実 20 頁〕
特 許 公 報(B2)
(19)日本国特許庁(JP)
(12)
(11)特許番号
特許第5782194号
(45)発行日
(P5782194)
(24)登録日 平成27年7月24日(2015.7.24)
平成27年9月24日(2015.9.24)
(51)Int.Cl.
A23G
FI
4/00
(2006.01)
A23G
3/30
C08L 83/16
(2006.01)
C08L
83/16
請求項の数11 (全30頁)
(21)出願番号
特願2014-531915(P2014-531915)
(86)(22)出願日
平成24年9月19日(2012.9.19)
インターコンチネンタル
(65)公表番号
特表2014-526276(P2014-526276A)
ンズ
(43)公表日
平成26年10月6日(2014.10.6)
アメリカ合衆国ニュージャージー州079
(86)国際出願番号
PCT/US2012/056003
36,イースト・ハノーバー,ディフォレ
(87)国際公開番号
WO2013/043653
(87)国際公開日
平成25年3月28日(2013.3.28)
審査請求日
平成26年4月30日(2014.4.30)
(31)優先権主張番号
61/537,734
(32)優先日
平成23年9月22日(2011.9.22)
(33)優先権主張国
米国(US)
(73)特許権者 508351303
グレート
ブラ
エルエルシー
スト・アベニュー100番
(74)代理人 100116872
弁理士
藤田 和子
(72)発明者 ストリート
イギリス国
グラハム
レディング
ーヴ
ティー.
アールジー1
バークシャー
レーン ハンターズ
2エヌエイチ
ケーツグロ
ウォーフ
1
1
審査官 名和
大輔
最終頁に続く
(54)【発明の名称】光分解性ガムベース、光分解性ガムベースを含むチューインガムおよびその製造方法
1
2
(57)【特許請求の範囲】
前記ブロック共重合体が、プロトン核磁気共鳴分光法に
【請求項1】
よって測定して、前記ブロック共重合体の重量に基づい
エラストマー、および、
て、0.1∼10重量%の前記メチルフェニルシランを
式(I)の構造を有する酢酸ビニルとメチルフェニルシ
含む、請求項1または2のいずれか1項記載の光分解性
ランとのブロック共重合体、を含む、光分解性ガムベー
ガムベース組成物。
ス組成物。
【請求項4】
【化1】
前記ブロック共重合体が、50,000∼200,00
0原子質量単位の重量平均分子量を有する、請求項1∼
3のいずれか1項記載の光分解性ガムベース組成物。
10
【請求項5】
前記エラストマーが、ポリイソブチレン、ブチルゴム、
ブタジエン−スチレンゴムおよびその組合せからなる群
(式中、mおよびpは、1∼500の範囲の整数であり
から選択される、請求項1∼4のいずれか1項記載の光
、nは、2∼100の範囲の整数である。)
分解性ガムベース組成物。
【請求項2】
【請求項6】
光分解性ガムベースが、前記光分解性ガムベースの総重
クロロフィル、ならびに誘導体(例えばクロロフィリン
量に基づいて、5∼30重量%の前記ブロック共重合体
、フェオフィチン、ピロフェオフィチンおよびフェオホ
を含む、請求項1記載の光分解性ガムベース組成物。
ルビド)からなる群から選択される少なくとも1つの追
【請求項3】
加成分をさらに含む、請求項1∼5のいずれか1項記載
( 2 )
JP
3
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4
の組成物。
含むチューインガムおよびその製造方法に関する。
【請求項7】
【背景技術】
硬化綿実油、硬化ダイズ油、硬化カノーラ油、硬化オリ
【0002】
ーブ油、硬化グレープシード油、硬化ピーナッツ油、硬
チューインガムは、通常、水不溶性ガムベース、ならび
化ヒマワリ油、硬化ベニバナ油、硬化パーム油、硬化カ
に甘味料、天然または人工フレーバー、ならびに特定の
カオバター、水素化ココナッツ油、硬化パーム核油、動
感覚的および物理的性質を提供する目的に合わせた多様
物性脂肪、糖の脂肪酸エステルおよびリン脂質からなる
な添加剤を含有する。水不溶性ガムベースは、所望の咀
群から選択される少なくとも1つの非粘着誘導成分をさ
嚼性および粘着性をチューインガムに提供する。
らに含み、前記ガムベースが、前記非粘着誘導成分の不
【0003】
在下と比較して、前記非粘着誘導成分の存在下で分解性 10
不適切に処分されたチューインガムの食塊は、地面およ
の増加および/または粘着性の低下を示す、請求項1∼
びその他の表面に付着する可能性があり、そこでは食塊
6のいずれか1項記載の光分解性ガムベース組成物。
は一般に環境による分解に対して抵抗性である。そのよ
【請求項8】
うなガムのゴミは不快であり、その除去は困難で費用が
メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体、メ
かかり得る。
チルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体のエー
【0004】
テルまたはエステル、メチルビニルエーテルと無水マレ
チューインガムが噛まれている時、ガムはその粘弾性の
イン酸とマレイン酸のターポリマー、ポリスチレンと無
性質を維持することが望ましい。しかし、噛まれたガム
水マレイン酸の共重合体、ポリスクシンイミド、エチレ
が捨てられる時にはその粘着性および弾力性の特性は望
ンと無水マレイン酸の交互共重合体、およびその組合せ
ましくなくなる。一部の研究者らは、チューインガムの
からなる群から選択される少なくとも1つの水吸収促進 20
粘着性は、ガムベースを作成する間にエラストマーを溶
成分をさらに含む、請求項1∼7のいずれか1項記載の
解するために使用される溶媒に起因するとし、溶媒をガ
光分解性ガムベース組成物。
ムベースから除外することを提案した。例えば、Abd
【請求項9】
el−Malikらによる特許文献1は、エラストマー
前記エラストマーは、ガムベースの重量に基づいて35
をゼインなどの可塑化されたタンパク質性物質に置き換
重量%以上95重量%以下である、請求項1から8のい
えることによってエラストマー溶媒の必要性を除去する
ずれかに記載の光分解性ガムベース組成物。
。しかし、可塑化されたタンパク質性物質のチューイン
【請求項10】
ガム製品への組み込みは、多くの場合風味を損ない、よ
エラストマー、
って消費者の容認性の見地からは望ましくない可能性が
式(I)の構造を有する酢酸ビニルとメチルフェニルシ
ある。
ランとのブロック共重合体、および
30
【0005】
少なくとも1つの甘味料をブレンドする工程を含む、光
さらに、歯または口腔内補綴物にくっつかないガム製品
分解性チューインガムの調製方法。
が、Cherukuriらによる特許文献2において報
【化2】
告された。しかし、これらのガム製品はなお、捨てられ
たチューインガムの食塊の問題を解決していない。これ
らは環境表面に付着するほど十分粘着性なままであり、
分解するのが遅い。
【先行技術文献】
【特許文献】
(式中、mおよびpは、1∼500の範囲の整数であり
、nは、2∼100の範囲の整数である。)
【0006】
40
【特許文献1】米国特許第5882702号明細書
【請求項11】
【特許文献2】米国特許第4518615号明細書
前記ブレンドする工程が、前記エラストマーと前記ブロ
【発明の概要】
ック共重合体とを事前にブレンドしてエラストマー事前
【発明が解決しようとする課題】
ブレンドとする工程、および前記エラストマー事前ブレ
【0007】
ンドと前記少なくとも1つの甘味料をブレンドする工程
したがって、日光、熱およびその他の物理的要因を含む
を含む、請求項10記載の方法。
環境要因に触れると分解するチューインガム組成物が必
【発明の詳細な説明】
要とされている。また、上記の問題に対処するどんな解
【技術分野】
決策も、チューインガム組成物の風味、噛みごたえ性(
【0001】
chewy
本発明は、光分解性ガムベース、光分解性ガムベースを 50
に悪影響を与えてはならない。
nature)、または放出プロフィール
( 3 )
JP
5
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6
【課題を解決するための手段】
。約2∼約100の範囲内で、nは、約5∼約80、具
【0008】
体的には約10∼約70、より具体的には約15∼約7
一実施形態は、エラストマー、および、式(I)の構造
5であり得る。
を有する酢酸ビニルとメチルフェニルシランとのブロッ
【0014】
ク共重合体、を含む、光分解性ガムベース組成物である
ブロック共重合体の中で、ポリメチルフェニルシランの
。
各々のブロックは、ポリマー鎖の両端の少なくとも1つ
【化1】
の酢酸ビニルモノマーに共有結合している。ブロック共
重合体は、線状の共重合体であっても分枝状の共重合体
であってもよいことは理解されるであろう。
10
【0015】
驚くことに、酢酸ビニルとメチルフェニルシランとのブ
ロック共重合体の添加が、光分解特性をガムベースに与
えることが見出された。驚くことに、約5∼約30重量
(式中、mおよびpは、1∼500の範囲の整数であり
%のブロック共重合体を含むガムベースは、かかるブロ
、nは、2∼100の範囲の整数である。)
ック共重合体を含まないガムベースと比較して、光分解
【0009】
の影響をより一層受けやすいことが見出された。理論に
別の実施形態は、エラストマー、mおよびpが1∼50
縛られるものではないが、ブロック共重合体中のシラン
0の範囲の整数であり、nが2∼100の範囲の整数で
(−Si−Si−)結合が、日光のUV成分を吸収して
ある、上の式(I)の構造を有するブロック共重合体、
分解し、その結果ガムベースの分解を引き起こすと考え
および少なくとも1つの甘味料を含む光分解性チューイ 20
られる。粘弾性に関して、ブロック共重合体を含有する
ンガム組成物である。
ガムベースは、ブロック共重合体として同じ量のポリ酢
【0010】
酸ビニルポリマーを含有するガムベースの粘弾性と同等
さらに別の実施形態は、エラストマー、mおよびpが1
の粘弾性を有する。さらに、ブロック共重合体のガムベ
∼500の範囲の整数であり、nが2∼100の範囲の
ースへの添加は、ガムベースを用いて作成されたチュー
整数である、上の式(I)の構造を有する酢酸ビニルと
インガムの風味、食感、噛みごたえ性およびその他の望
メチルフェニルシランとのブロック共重合体、ならびに
ましい特性に悪影響を及ぼさない。
少なくとも1つの甘味料をブレンドする工程を含む、分
【0016】
解性チューインガムを調製する方法である。
ガムベースは、光分解特性をガムベースに与えるために
【図面の簡単な説明】
適量の酢酸ビニルとメチルフェニルシランとのブロック
【0011】
30
共重合体を含有する。一部の実施形態では、ガムベース
【図1】酢酸ビニルとメチルフェニルシランとのブロッ
は、ガムベースの総重量に基づいて、約5∼約30重量
ク共重合体の様々な構造形態を示す図である。
%のブロック共重合体を含有する。約5∼約30重量%
【発明を実施するための形態】
の範囲内で、ブロック共重合体は、約10∼約25重量
【0012】
%、具体的には約15∼約20重量%であり得る。ブロ
一部の実施形態では、エラストマー、mおよびpが1∼
ック共重合体が約5重量%未満で存在する場合、それは
500の範囲の整数であり、nが2∼100の範囲の整
ごくわずかの光分解特性を提供する。また、ブロック共
数である、上の式(I)の構造を有する酢酸ビニルとメ
重合体が30重量%を上回る量で存在する場合、それは
チルフェニルシランとのブロック共重合体を含む、光分
ガムベースおよびそれから作成したチューインガムのフ
解性ガムベース組成物が提供される。
【0013】
レーバー、食感およびその他の望ましい特性に悪影響を
40
及ぼす。
本明細書において、用語「酢酸ビニルとメチルフェニル
【0017】
シランとのブロック共重合体」とは、少なくとも2つの
ブロック共重合体は、望ましいレベルの光分解特性をガ
ブロックのポリ酢酸ビニルと少なくとも1つの中間ブロ
ムベースに与えるために適量のメチルフェニルシランを
ックのポリメチルフェニルシランを含むマルチブロック
含有する。一部の実施形態では、ブロック共重合体は、
共重合体をさす。ブロック共重合体は、mおよびpが1
プロトン核磁気共鳴分光法によって測定して、ブロック
∼500の範囲の整数であり、nが2∼100の範囲の
共重合体の重量に基づいて、約0.1∼約10重量%の
整数である、上の式(I)の構造を有する少なくとも1
メチルフェニルシランを含有する。約0.1∼約10%
つの単位を本質的に含有する。1∼500の範囲内で、
の範囲内で、メチルフェニルシランは、約0.5∼8重
mおよびpは、約20∼約400、具体的には約50∼
量%、具体的には約1∼約5重量%であり得る。
約300、より具体的には約60∼約250であり得る 50
【0018】
( 4 )
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7
8
ブロック共重合体は、約50,000∼約200,00
適した非粘着誘導成分としては、硬化綿実油、硬化ダイ
0原子質量単位の重量平均分子量を有する。約50,0
ズ油、硬化カノーラ油、硬化オリーブ油、硬化グレープ
00∼約200,000の範囲内で、分子量は、約60
シード油、硬化ピーナッツ油、硬化ヒマワリ油、硬化ベ
,000∼約150,000、具体的には約75,00
ニバナ油、硬化パーム油、硬化カカオバター、水素化コ
0∼約125,000であり得る。
コナッツ油、硬化パーム核油、動物性脂肪、糖の脂肪酸
【0019】
エステルおよびリン脂質が挙げられる。ガムベースは、
一部の実施形態では、光分解性ガムベースは、光分解を
非粘着誘導成分の不在下と比較すると非粘着誘導成分の
促進する少なくとも1つの追加成分をさらに含む。適し
存在下で分解性の増加および/または粘着性の低下を示
た追加成分としては、クロロフィル、およびクロロフィ
す。非粘着誘導成分は、ガムベースの重量に基づいて、
ルの誘導体、例えばクロロフィリン、フェオフィチン、 10
約5∼約40重量%の量で存在し得る。約5∼約40重
ピロフェオフィチンおよびフェオホルビドなどが挙げら
量%の範囲内で、少なくとも1つの加水分解促進成分は
れる。少なくとも1つの追加成分は、ガムベースの重量
、約10∼約35重量%、具体的には約15∼約30重
に基づいて、約0.1∼10重量%の量で存在し得る。
量%であり得る。
約0.1∼約10%の範囲内で、追加成分は、約0.5
【0023】
∼約8重量%、具体的には約1∼約5重量%であり得る
式Iのブロック共重合体、追加の光分解促進成分、吸水
。
促進成分、加水分解促進成分および非粘着誘導成分をガ
【0020】
ムベースに添加することにより、ガムベースはいくつか
一部の実施形態では、光分解性ガムベースは、咀嚼後の
の環境条件の影響を受けやすくなる。そのようなガムベ
ガムベースの吸水特性を促進する、少なくとも1つの吸
ースは、日光、雨、足で踏まれること(foot
水促進成分をさらに含む。適した吸水促進成分としては 20
ll)、掃除またはその他の環境的要因に触れると分解
、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体;
する傾向がより強い。そのようなガムベースはどのよう
メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体のエ
な天候でも分解をされやすいので、それは全天候分解性
ーテルまたはエステル;メチルビニルエーテルと無水マ
ガムベースと呼ぶことができる。
レイン酸とマレイン酸のターポリマー;ポリスチレンと
【0024】
無水マレイン酸の共重合体;ポリスクシンイミド;エチ
上記のブロック共重合体およびその他の成分のほかに、
レンと無水マレイン酸の交互共重合体、およびその組合
ガムベースには、エラストマーとして有用な、任意の数
せが挙げられる。適した吸水促進成分は、さらにPCT
の適したさらなるポリマーも含まれ得る。ガムベース中
出願公開であるSoperらの国際公開第2007/0
の適したさらなるエラストマーの説明となる例には、天
61888(A1)号、国際公開第200800233
然および合成エラストマーならびにゴムの両方、例えば
7(A1)号、国際公開第2008103816号、お 30
、植物由来物質、例えばチクル、クラウンガム、ニスペ
よびHarrisらの国際公開第2010/12534
ロ、ロサジンハ(rosadinha)、ジェロトン、
2(A2)号に記載されている。少なくとも1つの吸水
ペリロ、ニガー・グッタ、ツヌー、バラタ、グッタペル
促進成分は、ガムベースの重量に基づいて、約0.1∼
カ、レチカプシ、ソルバ、グッタケイ(gutta
約15重量%の量で存在し得る。約0.1∼約15重量
ay)、および同類のものなど、ならびにそれらの組合
%の範囲内で、少なくとも1つの吸水促進成分は、約1
せが含まれる。合成エラストマーには、高分子量および
∼約10重量%、具体的には約4∼約8重量%であり得
低分子量エラストマーが含まれる。有用な高分子量エラ
る。
ストマーには、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリイ
【0021】
ソプレン、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレ
一部の実施形態では、ガムベースは、少なくとも1つの
ン共重合体、ポリエチレン、その組合せ、および同類の
加水分解促進成分をさらに含む。適した加水分解促進成 40
ものが含まれる。有用な低分子量エラストマーには、ポ
分としては、タルク、炭酸カルシウム、炭酸塩含有充填
リブテン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ならび
剤、第二リン酸カルシウムおよびその組合せが挙げられ
にそれらの組合せが含まれる。
る。少なくとも1つの加水分解促進成分は、ガムベース
また、適したガムベースには、ビニルポリマーエラスト
の重量に基づいて、約5∼約35重量%の量で存在し得
マー、例えばポリ(酢酸ビニル)(PVA)、ポリエチ
る。約5∼約35重量%の範囲内で、少なくとも1つの
レン、ビニル共重合体エラストマー、例えば酢酸ビニル
加水分解促進成分は、約10∼約30重量%、具体的に
とラウリン酸ビニルの共重合体、酢酸ビニルとステアリ
は約15∼約25重量%であり得る。
ン酸ビニルの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共重合
【0022】
体、ポリ(ビニルアルコール)およびその組合せも含ま
一部の実施形態では、ガムベースは、少なくとも1つの
れ得る。用いる場合、ビニルポリマーの重量平均分子量
非粘着誘導成分をさらに含む。
50
fa
k
は、約3,000から約94,000原子質量単位に及
( 5 )
JP
9
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10
び得る。ビニルポリマー、例えばポリ(ビニルアルコー
クス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、微
ル)およびポリ(酢酸ビニル)は、約8,000∼約6
結晶性ワックス、脂肪ワックス、ソルビタンモノステア
5,000原子質量単位の重量平均分子量を有し得る。
レート、獣脂、カカオバター、プロピレングリコール、
さらに、上記の高分子量および低分子量、天然および合
および同類のものなども、ガムベースに組み込んで、多
成エラストマー、ならびにゴムの任意の組合せをガムベ
様な望ましい食感および稠度特性を得ることができる。
ースとして用いることができる。エラストマーは、ガム
用いたワックスは、約60℃よりも低い、特に約45∼
ベースの重量に基づいて、約35∼約95重量%の量で
約55℃の融点を有し得る。低溶融ワックスは、パラフ
存在し得る。一部の実施形態では、ガムベースには、ポ
ィンワックスであり得る。ワックスは、ガムベースの総
リイソブチレン、ブチルゴム、ブタジエン−スチレンゴ
重量に基づいて、約6∼約10重量%、特に約7∼約9
ムおよびその組合せからなる群から選択されるエラスト 10
.5重量%の量でガムベース中に存在することができる
マーが含まれる。
。低融点ワックスに加えて、より高い融点を有するワッ
【0025】
クスを、ガムベースの重量に基づいて、ガムベース中に
また、ガムベース組成物は、従来のエラストマー可塑剤
約5重量%までの量で使用することができる。そのよう
およびエラストマー成分を軟化させるのを助ける軟化剤
な高溶融ワックスとしては、蜜ろう、植物ワックス、米
も含有することができる。例えば、可塑剤としては、テ
ぬかワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワッ
ルペン樹脂、例えばα−ピネン、β−ピネン、および/
クス、ポリエチレンワックス、微結晶性ワックス、石油
またはd−リモネン由来のポリマー;ロジンまたは改質
ワックス、および同類のもの、ならびにその混合物が挙
ロジンまたはガム(例えば水素化、二量体化または重合
げられる。
ロジンなど)のメチル、グリセロールまたはペンタエリ
【0027】
トリトールエステル、あるいは前述の樹脂の少なくとも 20
ガムベースには有効量の増量剤、例えば無機補助剤がさ
1つを含む組合せ;部分水素化木もしくはガムロジンの
らに含まれてよく、これは充填剤および食感付与剤とし
ペンタエリトリトールエステル;木もしくはガムロジン
て役立ち得る。適した無機補助剤としては、炭酸カルシ
のペンタエリトリトールエステル;木ロジンのグリセロ
ウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウ
ールエステル;部分二量体化木もしくはガムロジンのグ
ム、ケイ酸アルミニウム、タルク、リン酸三カルシウム
リセロールエステル;重合木もしくはガムロジンのグリ
および同類のものが挙げられ、これは充填剤および食感
セロールエステル;トール油ロジンのグリセロールエス
付与剤として役立ち得る。これらの充填剤または補助剤
テル;木もしくはガムロジンのグリセロールエステル;
は、ガムベース中に様々な量で使用され得る。具体的に
部分水素化木もしくはガムロジン;木またはロジンの部
は、充填剤の量は、使用した場合、ガムベースの重量に
分水素化メチルエステル;および同類のものを挙げるこ
基づいて、約15∼約40重量%、具体的には約20∼
とができる。前述のエラストマー可塑剤の任意の組合せ 30
約30重量%の量で存在することになる。
を用いてエラストマーベース成分を軟化するかまたはそ
【0028】
の粘着性を調節することができる。エラストマー可塑剤
本明細書において、用語「ガム」、「チューインガム」
は、ガムベースの約5∼約75重量%、具体的にはガム
および「バブルガム」は、同義的に使用され、あらゆる
ベースの約45∼約70重量%の量で使用することがで
ガム組成物を含むことを意味する。チューインガム組成
きる。
物に関して、かかる組成物は、ガムベース、少なくとも
【0026】
1つの甘味剤、および様々な添加剤を含有する。
一部の実施形態では、ガムベース組成物は、エラストマ
【0029】
ー軟化剤をさらに含有する。一部の実施形態では、軟化
一般に、チューインガム組成物は、水不溶性のガムベー
剤は、ガムベースの約30重量%までの量、具体的には
ス部分および追加の配合成分(添加剤としても公知)を
ガムベースの約3∼約20重量%の量で存在する。適し 40
含むバルク部分を含む。ガムベースは、所望のベースの
た軟化剤としては、ラノリン、パルミチン酸、オレイン
種類、所望のガムの稠度、および、最終のチューインガ
酸、ステアリン酸、脂肪酸、ステアリン酸ナトリウム、
ム製品を作成するために組成物中で使用されるその他の
ステアリン酸カリウム、グリセリルトリアセテート、グ
成分などの様々な要素によって大いに変動し得る。一部
リセリルレシチン、モノステアリン酸グリセリル、モノ
の実施形態では、チューインガムベースは、約5∼約9
ステアリン酸プロピレングリコール、モノ−、ジ−およ
0重量%の量で存在し、ここで重量%は、チューインガ
びトリグリセリド、アセチル化モノグリセリド、グリセ
ム組成物の総重量に基づく。約5∼約90の範囲内で、
リン、レシチン、ジアセチン、ならびにそれらの組合せ
水不溶性ガムベースは、約10∼約50重量%の量で存
が挙げられる。その他の適した軟化剤にはワックスが挙
在し得、具体的には、ガムベースは、約15∼約40重
げられる。ワックス、例えば、天然および合成ワックス
量%の量で存在し得、さらにより具体的には、ガムベー
、硬化植物油、石油ワックス、例えばポリウレタンワッ 50
スは、約20∼約30重量%の量で存在し得る。
( 6 )
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【0030】
化により調製される。得られる水素化デンプン加水分解
本明細書において、用語「水溶性」は、25℃で少なく
物は、単量体、二量体、および多量体の糖類の混合物で
とも1g/Lの水溶性を有する化合物を包含する。本明
ある。これらの様々な糖類の比が、様々な水素化デンプ
細書において、用語「水不溶性」は、25℃で少なくと
ン加水分解物に様々な特性を与える。水素化デンプン加
も1g/L未満の水溶性を有する化合物を包含する。
水分解物の混合物は、フランスのRoquette
【0031】
reresよりLYCASINの商標名、および米国ニ
一部の実施形態では、エラストマー、mおよびpが1∼
ュージャージー州Fair
500の範囲の整数であり、nが2∼100の範囲の整
nc.よりHYSTARの商標名で市販されている。
数である、上記の式(I)の構造を有するブロック共重
【0035】
合体、ならびに少なくとも1以上の追加の配合成分を含 10
「高甘味度甘味料」は、本明細書において、重量ベース
む光分解性チューインガム組成物が提供される。適した
で(on
追加の配合成分には、甘味剤、香味料、フレーバー調節
糖(スクロース)の少なくとも100倍、具体的には重
剤、フレーバー増強剤、芳香剤、清涼化剤(クーラント
量ベースで砂糖の少なくとも500倍の甘味を有する薬
)、温感剤、着色剤、息清涼化剤、口腔湿潤剤、保水剤
剤を意味する。一部の実施形態ではは、高甘味度甘味料
、酸味料、緩衝剤、刺痛剤、口腔ケア剤、咽頭ケア剤、
は、重量ベースで砂糖の少なくとも1,000倍、より
薬物、抗酸化剤、防腐剤、ならびにそれらの組合せが含
具体的には、重量ベースで砂糖の少なくとも5,000
まれる。一部のこれらの追加の配合成分は、2以上の目
倍である。高甘味度甘味料は、広範囲の材料から選択さ
的を果たし得る。例えば、スクロース、ソルビトール、
れることができ、それには、水溶性の天然および人工甘
その他の糖アルコール、ならびにそれらの組合せなどの
味料、水溶性甘味料の誘導体、ジペプチド系甘味料、お
甘味剤も、充填剤として機能し得る。前述の追加の配合 20
よびタンパク質系甘味料が含まれる。2以上の高甘味度
成分の少なくとも1つを含む組合せが使用される場合が
甘味料を含むどんな組合せも使用され得る。1以上の高
多い。
甘味度甘味料は、前述の甘味料または甘味剤の1以上と
【0032】
さらに組み合わせることができる。高甘味度甘味料は、
一部の実施形態では、チューインガムには、甘味をガム
初期の甘味の噴出および/または長時間の甘味感覚を提
組成物に与えるための甘味剤が含まれる。甘味剤には、
供するために、多様な別個の物理的形態、例えば当技術
砂糖甘味料、シュガーレス甘味料、高甘味度甘味料、ま
分野で公知の形態で使用され得る。それに制限されない
たは前述の甘味剤の少なくとも2つの組合せが含まれ得
が、そのような物理的形態には、遊離形態(例えば、噴
る。
霧乾燥または粉末状)、ビーズ状の形態、カプセル化形
【0033】
態、および前述の形態の組合せが含まれる。
砂糖甘味料は、通常、糖類を含む。適した砂糖甘味料と 30
【0036】
しては、単糖、二糖および多糖、例えばスクロース(砂
特定の甘味剤に制限されないが、代表的なカテゴリーお
糖)、デキストロース、マルトース、デキストリン、キ
よび例としては、(1)水溶性甘味剤、例えばジヒドロ
シロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラク
カルコン、モネリン、ステビオサイド、レバウジオシド
トース、フルクトース(レブロース)、ラクトース、転
A、レバウジオシドB、レバウジオシドC、グリチルリ
化糖、フラクトオリゴ糖シロップ、部分加水分解デンプ
ジン、ジヒドロフラベノール、ならびに糖アルコール、
ン、コーンシロップ固形物、例えば高フルクトースコー
例えばソルビトール、マンニトール、マルチトール、モ
ンシロップ、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
ナチン、およびL−アミノジカルボン酸アミノアルケン
【0034】
酸(aminoalkenoic
適したシュガーレス甘味料としては、糖アルコール(ま
アミド(例えばZannoらに対する米国特許第4,6
たはポリオール)例えばソルビトール、キシリトール、 40
19,834号に開示されるものなど)または前述の少
マンニトール、ガラクチトール、マルチトール、硬化イ
なくとも1つを含む組合せ、(2)水溶性人工甘味料、
ソマルツロース(イソマルト)、ラクチトール、エリト
例えばサッカリン、可溶性サッカリン塩、すなわちナト
リトール、水素化デンプン加水分解物、ならびにそれら
リウムまたはカルシウムサッカリン塩、シクラメート塩
の組合せが挙げられる。適した水素化デンプン加水分解
、アセスルファム塩、例えば3,4−ジヒドロ−6−メ
物としては、Verwaerdeらに対する米国特許第
チル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2
4,279,931号に開示されるもの、およびソルビ
−ジオキシドのナトリウム、アンモニウムもしくはカル
トール、水素化二糖、三糖以上の水素化多糖、またはそ
シウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3
の混合物を含有する、様々な水素化グルコースシロップ
−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカ
剤および/または粉末が挙げられる。水素化デンプン加
リウム塩(アセスルファム−K)など、サッカリンの遊
水分解物は、主にコーンシロップの制御された接触水素 50
離酸形態、または前述の少なくとも1つを含む組合せな
a
per
F
LawnのLonza、I
weight
basis)砂
acid)エステル
( 7 )
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ど、(3)ジペプチド系甘味料、例えばL−アスパラギ
’,6’−テトラデオキシガラクト−スクロース;4,
ン酸由来甘味料、例えばL−アスパルチル−L−フェニ
6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース、または
ルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)およびS
その組合せが挙げられる、(5)タンパク質系甘味料、
chlatterらに対する米国特許第3,492,1
例えば、サウマオココス・ダニエリ(thaumaoc
31号に記載される材料、L−α−アスパルチル−N−
cous
(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−
またはその組合せ、および(6)アミノ酸系甘味料が挙
D−アラニンアミド水和物(アリターム)、L−アスパ
げられる。
ルチル−L−フェニルグリシンおよびL−アスパルチル
【0037】
−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエ
一部の実施形態では、甘味剤には、ソルビトール、マン
ステル、L−α−アスパルチル−L−フェニルグリシン 10
ニトール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム塩
メチルエステル、L−α−アスパルチル−L−2,5−
、ならびにそれらの組合せが含まれる。甘味剤は、所望
ジヒドロフェニルグリシンメチルエステル、L−アスパ
のレベルの甘味に応じて適量で存在することができる。
ルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン;L
一部の実施形態では、甘味料は、チューインガム組成物
−α−アスパルチル−2,5−ジヒドロフェニルアラニ
の約35∼約80重量%の量で存在する。チューインガ
ンメチルエステル、L−アスパルチル−L−(1−シク
ム組成物の約35∼約80の範囲内で、この量は約45
ロヘキセン)−アラニン、N−(N−(3,3−ジメチ
∼約75重量%であり得、具体的には、この量は約50
ルブチル)−L−α−アスパルチル)−L−フェニルア
∼約65重量%であり得る。
ラニン(phenylalamine)メチルエステル
【0038】
(ネオテーム)、またはその組合せ、(4)水溶性甘味
一部の実施形態では、チューインガム組成物は、1以上
料の誘導体、例えばステビオサイドの誘導体、レバウジ 20
の香味料(風味物質、フレーバー(flavor)また
オシドAの誘導体、レバウジオシドBの誘導体、レバウ
は着香剤としても公知)をさらに含むことができる。適
ジオシドCの誘導体、通常の砂糖(スクロース)の塩素
した香味料としては、当技術分野で公知の人工および天
化誘導体、例として、例えば、スクラロースの製品名で
然香味料、例として、合成フレーバー油、天然着香芳香
公知のクロロデオキシスクロースまたはクロロデオキシ
族化合物(flavoring
ガラクトスクロースの誘導体などのクロロデオキシ糖誘
および/または油、含油樹脂、植物、葉、花、果実、お
導体など;クロロデオキシスクロースおよびクロロデオ
よび同類のもの由来の抽出物、ならびに前述の香味料の
キシガラクトスクロース誘導体の例としては、1−クロ
少なくとも1つを含む組合せが挙げられる。限定されな
ロ−1’−デオキシスクロース;4−クロロ−4−デオ
い代表的なフレーバーとしては、油、例えばスペアミン
キシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクト
ト油、シナモン油、ウィンターグリーンの油(サリチル
フラノシド、4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロ 30
酸メチル)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、ア
ース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピ
ニス油、ユーカリ油、タイム油、シダーリーフ油、ナツ
ラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルク
メグの油、オールスパイス、セージの油、メース、苦扁
トフラノシド、4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオ
桃の油、カッシア油、および柑橘油(レモン、オレンジ
キシガラクトスクロース;1’,6’−ジクロロ−1’
、ライム、グレープフルーツ、バニラを含む)、果実エ
,6’−ジデオキシスクロース;1,6−ジクロロ−1
ッセンス(リンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、
,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシル−4−
ラズベリー、ブラックベリー、サクランボ、プラム、パ
クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシド;
イナップル、アプリコット、バナナ、メロン、トロピカ
4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシ
ルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイ
ル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−
ヤ、ハチミツレモン、および同類のものを含む)、なら
フルクトフラノシド、または4,1’,6’−トリクロ 40
びにそれらの組合せなどが挙げられる。具体的な香味料
ロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース
は、ペパーミント、スペアミントなどのミント類、人工
;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガ
バニラ、シナモン誘導体、および様々な果実フレーバー
ラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D
である。
−フルクトフラノシド、または4,6,6’−トリクロ
【0039】
ロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース;
人工、天然、および合成果実香味料の例としては、ココ
6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデ
ナッツ、ヤズ(yazu)、スダチ、メントール、甘草
オキシスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオ
、カラメル、ハチミツ、ピーナッツ、クルミ、カシュー
キシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロ
、ヘーゼルナッツ、アーモンド、パイナップル、イチゴ
ロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド
、ラズベリー、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、
、または4,6,1’,6’−テトラクロロ4,6,1 50
サクランボ、シナモン、ペパーミント、ウィンターグリ
danielli)、タウマチン、タリン、
aromatics)
( 8 )
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ーン、スペアミント、ユーカリ、およびミント、果実エ
、トウガラシ、ナツメグ、バジル、マジョラム、ローズ
ッセンス、例えばリンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、ブ
マリー、ベイリーフ、およワサビなど;アルコール性フ
ルーベリー、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム
レーバー、例えばワイン、ウィスキー、ブランデー、ラ
、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、アプ
ム、ジン、およびリキュールなど;花および野菜フレー
リコット、ウメ、サクランボ、ラズベリー、ブラックベ
バー、例えばタマネギ、ニンニク、キャベツ、ニンジン
リー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、
、セロリ、マッシュルーム、トマト、およびその任意の
ザクロ、パパイヤ、および同類のもの由来のものなど、
組合せなどが挙げられる。一般に使用される香味剤とし
ならびにそれらの組合せが挙げられる。
ては、個別に用いられようと混合して用いられようと、
【0040】
ミント類、例えばペパーミント、メントール、スペアミ
その他の種類の香味料としては、様々なアルデヒドおよ 10
ント、人工バニラ、シナモン誘導体など、および様々な
びエステル、例えば、酢酸シンナミル、桂皮アルデヒド
果実フレーバーが挙げられる。また、フレーバーは、特
、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビ
にミントフレーバーを清涼化剤と組み合わせて用いる場
ル、蟻酸オイゲニル、p−メチルア二ソール(meth
合に、息清涼化特性をもたらすことができる。一部の実
ylamisol)、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベ
施形態では、組成物は、果汁をさらに含むことができる
ンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスア
。
ルデヒド(甘草、アニス)、桂皮アルデヒド(シナモン
【0042】
)、シトラール、すなわちα−シトラール(レモン、ラ
風味物質は、多くの別個の物理的形態で使用することが
イム)、ネラール、すなわちβ−シトラール(レモン、
できる。そのような物理的形態には、液体および/また
ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバ
は乾燥形態が含まれる。一部の実施形態では、風味物質
ニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、すなわ 20
は、遊離(非カプセル化)形態、噴霧乾燥形態、凍結乾
ちピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニ
燥形態、粉末形態、ビーズ状の形態、カプセル化形態、
ラ、クリーム)、α−アミルシンナムアルデヒド(香辛
切片、小片、およびその混合物であり得る。噴霧乾燥形
料のきいたフルーティーなフレーバー)、ブチルアルデ
態で用いる場合、液体を噴霧乾燥することなどの適した
ヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、
乾燥手段が用いられてよい。あるいは、風味物質は、水
チーズ)、シトロネラール(変性、多くの種類)、デカ
溶性材料、例えばセルロース、デンプン、砂糖、マルト
ナール(柑橘類)、アルデヒドC−8(柑橘類)、アル
デキストリン、アラビアガムなどに吸収させてもよいし
デヒドC−9(柑橘類)、アルデヒドC−12(柑橘類
、カプセル化してもよい。さらに他の実施形態では、風
)、2−エチルブチルアルデヒド(液果類)、ヘキセナ
味物質は、シリカ、ゼオライト、および同類のものに吸
ール、すなわち、トランス−2(液果類)、トリルアル
着させてもよい。風味物質の粒径は、粒子の最長寸法と
デヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルムアルデ 30
して計算して3mm未満、2mm未満または具体的には
ヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール
1mm未満であってよい。天然風味物質は、約3μm∼
、すなわち、メロナール(メロン)、2,6−ジメチル
2mm、具体的には約4μm∼約1mmの粒径を有し得
オクタナール(緑色の果実)、2−ドデセナール(柑橘
る。香味料は、使用する芳香の所望の濃度に応じて、ガ
類、マンダリン)、ならびにそれらの組合せなどが挙げ
ム組成物の0.01∼約30重量%の量で使用される。
られる。
具体的には、香味料の含有量は、ガム組成物の約0.2
【0041】
∼約3重量%の範囲である。
その放出プロフィールを管理することのできるその他の
【0043】
可能性のあるフレーバーとしては、ミルクフレーバー、
一部の実施形態では、チューインガムには、フレーバー
バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレー
調節剤および/またはフレーバー増強剤がさらに含まれ
バー、ヨーグルトフレーバー、バニラフレーバー、紅茶 40
る。フレーバー調節剤は、別の成分の特徴を補完するか
またはコーヒーフレーバー、例えば緑茶フレーバー、烏
または打ち消す、それ自体の特徴を付与することができ
龍茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレ
る。例えば、フレーバーは、フレーバー調節剤またはフ
ーバーなど、ミントフレーバー、例えばペパーミント、
レーバー増強剤、例えばバニラ、バニリン、エチルマル
スペアミント、およびハッカなど;香辛料のきいたフレ
トール、フルフラール、プロピオン酸エチル、ラクトン
ーバー、例えばアギ、アジョワン、アニス、アンジェリ
、ならびにそれらの組合せなどの封入により、さらなる
カ、フェンネル、オールスパイス、シナモン、カモミー
甘い香調を有するように配合され得る。フレーバー調節
ル、マスタード、カルダモン、キャラウェー、クミン、
剤は、使用する芳香の所望の濃度に応じて、ガム組成物
クローブ、コショウ、コリアンダー、サッサフラス、セ
の約0.01∼約30重量%の量で使用され得る。具体
イボリー、山椒、シソ、ジュニパーベリー、生姜、スタ
的には、フレーバー調節剤の含有量は、ガム組成物の約
ーアニス、セイヨウワサビ、タイム、タラゴン、ディル 50
0.2∼約3重量%の範囲内である。
( 9 )
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【0044】
ム製品組成物の種類、個々のフレーバー、用いるガムベ
フレーバー増強剤は、それ自体の独特のフレーバーまた
ース、および所望のフレーバーの強さのような要因に対
は芳香知覚をもたらさずに、元の材料のフレーバーまた
する好みの問題であり得る。よって、香味料の量は、最
は芳香知覚を強化、補足、変更または向上させる材料で
終製品において所望の結果を得るために変動してよく、
ある。一部の実施形態では、フレーバー増強剤は、フレ
そのような変動は、過度の実験を必要としない当業者の
ーバー、甘味、酸味、旨味、コク味、塩味またはその組
手腕の範囲内である。
合せの知覚を強化、補足、変更または向上させるように
【0048】
設計される。フレーバー増強剤は、使用する芳香の所望
一部の実施形態では、チューインガムは、天然および合
の濃度に応じて、ガム組成物の約0.01∼約30重量
成香味剤、例えば天然野菜成分、着香性の芳香族化合物
%の量で使用され得る。具体的には、フレーバー増強剤 10
および/または油、精油、エッセンス、抽出物、粉末、
の含有量は、ガム組成物の約0.2∼約3重量%の範囲
食品グレードの酸、含油樹脂、ならびに植物、葉、花、
内である。
果実、および同類のもの由来の抽出物など、ならびにそ
【0045】
れらの組合せを含む芳香剤を含有する。芳香剤は、液体
例となるフレーバー調節剤またはフレーバー増強剤とし
形態であっても粉末形態であってもよい。芳香剤は、使
ては、グリチルリチン酸モノアンモニウム、甘草グリチ
用する芳香の所望の濃度に応じて、ガム組成物の約0.
ルリチン酸ジン、シトラス・アウランチウム(Citr
01∼約30重量%の量で使用され得る。具体的には、
us
芳香剤の含有量は、ガム組成物の約0.2∼約3重量%
aurantium)、アラピリダイン、アラピ
リダイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒド
の範囲内である。
ロキシメチル)ピリジニウム−3−オール)内塩、ミラ
【0049】
クリン、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネ 20
一部の実施形態では、チューインガムは、清涼化剤を含
マ酸、シナリン、グルピリデイン(glupyrida
有することができる。清涼化剤は、クーラントとしても
ine)、ピリジニウム−ベタイン化合物、ネオテーム
知られ、口腔内、鼻腔内、または皮膚で清涼化もしくは
、タウマチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タ
リフレッシュ効果を提供する添加剤である。本明細書に
ガトース、トレハロース、マルトール、エチルマルトー
おいてメチル系クーラントには、メントールおよびメン
ル、フィロズルチン、バニラ抽出物、バニラ含油樹脂、
トール誘導体が含まれる。メントール(2−(2−プロ
バニリン、サトウダイコンエキス(アルコール性抽出物
ピル)−5−メンチル−1−シクロヘキサノールとして
)、サトウキビの葉のエッセンス(アルコール性抽出物
も公知)は、人工的な形態で、またはペパーミント油な
)Gタンパク質共役受容体(T2RおよびT1R)に応
ど供給源から自然に利用可能である。メントール誘導体
答する化合物、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
には、メンチルエステル系およびメンチルカルボキサミ
一部の実施形態では、糖酸、塩化ナトリウム、塩化カリ 30
ド系清涼化合物、例えばメンチルカルボキサミド、N−
ウム、硫酸水素ナトリウム、または前述の少なくとも1
エチル−p−メンタンカルボキサミド、コハク酸モノメ
つを含む組合せが使用される。その他の実施形態では、
ンチル、コハク酸モノメンチル、グルタル酸モノメンチ
グルタミン酸、例えばグルタミン酸一ナトリウム、グル
ル、2−ピロリドン−5−カルボン酸メンチル、3−メ
タミン酸一カリウム、加水分解植物性タンパク質、加水
チルマレイン酸モノメンチル、酢酸メンチル、乳酸メン
分解動物性タンパク質、酵母抽出物、ならびにそれらの
チル、サリチル酸メンチル、2−イソプロパニル−5−
組合せなどが含まれる。さらなる例としては、アデノシ
メチルシクロヘキサノール、3−L−メントキシプロパ
ン一リン酸(AMP)、グルタチオン、およびヌクレオ
ン−1,2−ジオール、メンタン、メントン、メントン
、例えばイノシン一リン酸塩、イノシン酸二ナトリウム
ケタール、メントングリセロールケタール、グルタル酸
、キサントシン一リン酸、グアニル酸一リン酸、ならび
メンチルエステル、N−エチル−p−メンタン−3−カ
にそれらの組合せが挙げられる。コク味を与えるさらな 40
ルボキサミド(WS−3)など、またはその組合せが含
るフレーバー増強剤組成物のさらなる例も、Kurod
まれる。さらなるメンチル系クーラント、具体的にはメ
aらに対する米国特許第5,679,397号に含めら
ンチルカルボキサミドが、Bardsleyらに対する
れる。
、米国特許第7,923,577号に記載されている。
【0046】
【0050】
チューインガムの一部の実施形態では、甘味は、香味料
メンチル系クーラントと組み合わせて、またはその不在
および/またはフレーバー調節剤もしくはフレーバー増
下で使用することのできるその他の清涼化剤としては、
強剤に由来してもよい。
例えば2−メルカプト−シクロ−デカノン、2∼6個の
【0047】
炭素原子を含むヒドロキシカルボン酸、キシリトール、
本明細書で用いられる香味料、フレーバー調節剤および
エリトリトール、α−ジメチルコハク酸、メンチル乳酸
/またはフレーバー増強剤の量は、最終のチューインガ 50
塩、N−2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタン
( 10 )
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アミドなどの非環状カルボキサミド、ならびにそれらの
、チューインガムの重量の約6重量%までの量で組み込
組合せなどが挙げられる。さらなる清涼化剤としては、
まれてよい。例えば、二酸化チタンは、チューインガム
Kazimierskiらの米国特許出願公開第201
の重量の約0.1∼約2重量%、具体的には、約0.1
1/0070171(A1)号および同第2011/0
5∼約1重量%の量で組み込まれてよい。また、適した
070329(A1)号に記載される1−tert−ブ
着色剤としては、食物、薬物、および化粧品用途に適し
チルシクロヘキサンカルボキサミドが挙げられる。第1
た天然の食用色素および染料が挙げられる。
の清涼化合物、第2の清涼化合物、および摂取可能な非
【0054】
極性溶媒を含む清涼組成物が、Furrerらの米国特
適した着色剤としては、アナットー抽出物(E160b
許出願公開第2011/0091531(A1)号に記
載されている。
)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、乾燥
10
したビート(ビート粉末)、ビートルート赤/ベタニン
【0051】
(E162)、ウルトラマリンブルー、カンタキサンチ
清涼化剤は、所望のレベルの清涼化強度に応じて適量で
ン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)
存在し得る。一部の実施形態では、清涼化剤は、チュー
、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン
インガム組成物の約0.01∼約1.5重量%の量で存
(violanxanthin)(E161e)、ロー
在する。
ドキサンチン(E161f)、カラメル(E150(a
約0.01∼約1.5重量%の範囲内で、清涼化剤は、
∼d))、β−アポ−8’−カロテナール(E160e
約0.05∼約1.25重量%であってよく、具体的に
)、β−カロテン(E160a)、αカロテン、γカロ
は、清涼化剤は、約0.1∼約1重量%の範囲であって
テン、β−アポ−8カロテナールのエチルエステル(E
よい。
160f)、フラボキサンチン(E161a)、ルテイ
【0052】
20
ン(E161b)、コチニール抽出物(E120)、カ
温感剤は、温かいという感覚信号を使用者に与えること
ルミン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E1
が公知の幅広い種類の化合物から選択され得る。これら
22)、銅クロロフィリンナトリウム(E141)、ク
の化合物は、温かさの認知感覚を特に口腔において提供
ロロフィル(E140)、焼成し部分的に脱脂し加熱調
し、多くの場合、フレーバー、甘味料およびその他の官
理した綿実小麦粉、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブ
能成分の知覚を増進する。有用な温感化合物の中に含め
ドウ色抽出物、ブドウ果皮抽出物(エノシアニナ)、ア
られるのは、高砂香料工業株式会社(日本、東京)供給
ントシアニン(E163)、ヘマトコッカス藻類粗粉、
のバニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−10
合成酸化鉄、酸化鉄および水酸化鉄(E172)、果汁
00)、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリル
、野菜汁、乾燥藻類粗粉、タゲテス(万寿菊(Azte
アルコールエチルエーテル、バニリルアルコールn−プ
c marigold))粗粉および抽出物、ニンジン
ロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエー 30
油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカ含油樹脂
テル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリ
、ファフィア属酵母、リボフラビン(E101)、サフ
ルアルコールn−ペンチルエーテル、バニリルアルコー
ラン、二酸化チタン、ターメリック(E100)、ター
ルイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシ
メリック含油樹脂、アマランス(E123)、カプサン
ルエーテル、ギンゲロール、ショウガオール、パラドー
チン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E16
ル、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン
0d)、FD&Cブルー#1、FD&Cブルー#2、F
、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモ
D&Cグリーン#3、FD&Cレッド#3、FD&Cレ
ジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピルアル
ッド#40、FD&Cイエロー#5およびFD&Cイエ
コール、イソアミルアルコール、ベンジルアルコール、
ロー#6、タートラジン(E102)、キノリンイエロ
グリセリン、ならびにそれらの組合せである。温感剤は
ー(E104)、サンセットイエロー(E110)、ポ
、所望のレベルの温感強度に応じて適量で存在すること 40
ンソー(E124)、エリスロシン(E127)、パテ
ができる。一部の実施形態では、温感剤は、チューイン
ントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)
ガム組成物の約0.01∼約1.5重量%の量で存在す
、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E
る。約0.01∼約1.5重量%の範囲内で、温感剤は
175)、顔料ルビン/リソールルビンBK(E180
、約0.05∼約1.25重量%であってよく、具体的
)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(
には、温感剤は約0.1∼約1重量%であってよい。
E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN
【0053】
(E151)、グリーンS/酸ブリリアントグリーンB
着色剤(着色剤(colorants)または着色剤(
S(E142)、FD&Cアルミニウムレーキ、ならび
colorings)としても公知)は、チューインガ
にそれらの組合せが挙げられる。着色剤は、所望のレベ
ムに望ましい色を作り出すために効果的な量で使用され
ルの着色強度に応じて適量で存在することができる。一
得る。適した着色剤としては、顔料が挙げられ、これは 50
部の実施形態では、着色剤は、チューインガム組成物の
( 11 )
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21
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約0.005∼約1.25重量%の量で存在する.約0
ドラン、コンニャク、キトサン、キシログルカン、βグ
.005∼約1重量%の範囲内で、着色剤は、約0.0
ルカン、ファーセレラン、ガティガム、タマリン、およ
1∼約1重量%であり得、具体的には、温感剤は、約0
び細菌ガムが含まれ得る。口腔湿潤剤には、修飾天然ガ
.02∼約0.8重量%であり得る。
ム、例えばアルギン酸プロピレングリコール、カルボキ
【0055】
シメチルローカストビーンガム、低メトキシルペクチン
例となる息清涼化剤としては、クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛
、またはその組合せが含まれ得る。修飾されたセルロー
、フッ化亜鉛、硫酸亜鉛アンモニウム、臭化亜鉛、ヨウ
スには、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロ
化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、グ
ース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキ
ルコン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、コハク酸亜鉛、蟻酸亜鉛、
シプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシ
クロム酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ジチオン酸 10
プロピルセルロース(MPC)、またはその組合せが含
亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸銀、サリチル酸亜鉛、グリセロリ
まれ得る。口腔湿潤剤は、所望のレベルの強度に応じて
ン酸亜鉛、硝酸銅、クロロフィル、銅クロロフィル、ク
適量で存在することができる。一部の実施形態では、口
ロロフィリン、硬化綿実油、二酸化塩素、βシクロデキ
腔湿潤剤は、チューインガム組成物の約0.01∼約2
ストリン、ゼオライト、シリカ系物質、炭素系物質、ラ
重量%の量で存在する。約0.01∼約2重量%の範囲
ッカーゼなどの酵素、ならびにそれらの組合せが挙げら
内で、口腔湿潤剤は、約0.05∼約1.25重量%で
れる。息清涼化剤は、様々なアルデヒドおよびアルコー
あり得、具体的には、口腔湿潤剤は約0.1∼約1重量
ルと同様に精油を含むことができる。息清涼化剤として
%であり得る。
使用される精油としては、スペアミント、ペパーミント
【0057】
、ウィンターグリーン、サッサフラス、クロロフィル、
同様に、口腔の水和の知覚を提供することのできる保水
シトラール、ゲラニオール、カルダモン、クローブ、セ 20
剤を含めることができる。そのような保水剤には、グリ
ージ、カルバクロール、ユーカリ、カルダモン、コウボ
セロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、エ
クエキス、マジョラム、シナモン、レモン、ライム、グ
リトリトール、キシリトール、ならびにそれらの組合せ
レープフルーツ、オレンジの油、およびその組合せを挙
が含まれ得る。さらに、一部の実施形態では、脂肪が口
げることができる。桂皮アルデヒドおよびサリチルアル
腔湿潤の知覚を提供することができる。そのような脂肪
デヒドなどのアルデヒド類を使用することができる。そ
には、中鎖脂肪酸トリグリセリド、植物油、魚油、鉱油
の上、メントール、カルボン、イソ−ガリゴール(is
、ならびにそれらの組合せが含まれ得る。保水剤は、所
o−garrigol)、およびアネトールなどの化学
望のレベルの強度に応じて適量で存在することができる
物質は、息清涼化剤として機能し得る。息清涼化剤は、
。一部の実施形態では、保水剤は、チューインガム組成
所望のレベルの強度に応じて適量で存在することができ
物の約0.01∼約2重量%の量で存在する。約0.0
る。一部の実施形態では、息清涼化剤は、チューインガ 30
1∼約2重量%の範囲内で、保水剤は、約0.05∼約
ム組成物の約0.01∼約2重量%の量で存在する。約
1.25重量%であり得、具体的には、保水剤は、約0
0.01∼約2重量%の範囲内で、息清涼化剤は、約0
.1∼約1重量%であり得る。
.05∼約1.25重量%であり得、具体的には、息清
【0058】
涼化剤は、約0.1∼約1重量%であり得る。
適した酸味料としては、酢酸、クエン酸、フマル酸、塩
【0056】
酸、乳酸および硝酸、ならびにクエン酸ナトリウム、重
例となる口腔湿潤剤としては、酸および塩などの唾液刺
炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウムも
激剤が挙げられ、それには、酢酸、アジピン酸、アスコ
しくはカリウム、酸化マグネシウム、メタリン酸カリウ
ルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン
ム、酢酸ナトリウム、ならびにそれらの組合せが実例と
酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒
して挙げられる。酸味料は、所望のレベルの強度に応じ
石酸、および前述の酸の塩が含まれる。口腔湿潤剤には 40
て適量で存在することができる。一部の実施形態では、
、水和して口腔表面に付着し、口腔湿潤感覚を与える親
酸味料は、チューインガム組成物の約0.1∼約3重量
水コロイド物質が含まれ得る。親水コロイド物質は、植
%の量で存在する。約0.1∼約3重量%の範囲内で、
物浸出液、シードガム、および海藻抽出物などの天然に
酸味料は、約0.5∼約2.5重量%であり得、具体的
存在する材料を含んでもよいし、あるいはそれらはセル
には、保水剤は、約0.75∼約2重量%であり得る。
ロース、デンプン、または天然ガム誘導体などの化学修
【0059】
飾された材料であってもよい。さらに、親水コロイド物
例となる緩衝剤としては、重炭酸ナトリウム、リン酸ナ
質には、ペクチン、アラビアガム、アカシアガム、アル
トリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水
ギン酸、寒天、カラゲナン、グアーガム、キサンタンガ
酸化カリウム、タンニン酸ナトリウム、トリエタノール
ム、ローカストビーンガム、ゼラチン、ゲランガム、ガ
アミン、クエン酸、塩酸、クエン酸ナトリウム、ならび
ラクトマンナン、トラガカントガム、カラヤガム、カー 50
にそれらの組合せが挙げられる。緩衝剤は、所望のレベ
( 12 )
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ルの強度に応じて適量で存在することができる。一部の
の例としては、パパイン、クリラーゼ(krillas
実施形態では、緩衝剤は、チューインガム組成物の約0
e)、ペプシン、トリプシン、リゾチーム、デキストラ
.01∼約2重量%の量で存在する。約0.01∼約2
ナーゼ、ムタナーゼ、グリコアミラーゼ、アミラーゼ、
重量%の範囲内で、緩衝剤は、約0.05∼約1.25
グルコースオキシダーゼ、およびその組合せが挙げられ
重量%であり得、具体的には、緩衝剤は、約0.1∼約
る。
1重量%であり得る。
【0063】
【0060】
適した口腔ケア剤としては、予防効果の向上を実現し、
一部の実施形態では、ひりひりする(tingling
口腔ケア配合成分をより化粧品的に許容可能にする界面
)感覚を提供することができる。刺痛剤(tingli
活性剤が挙げられる。口腔ケア剤として使用される界面
ng
活性剤には、組成物に洗浄性および発泡性を付与する洗
agents)には、ジャンブ、およびジャンブ 10
またはサンショオールなどの材料から抽出したアルキル
浄材料が含まれる。適した界面活性剤としては、ステア
アミドが含まれる。刺痛剤は、所望のレベルの強度に応
リン酸ナトリウム、リシンオレイン酸ナトリウム、ラウ
じて適量で存在することができる。一部の実施形態では
リル硫酸ナトリウム、高級脂肪酸モノグリセリドモノス
、刺痛剤は、チューインガム組成物の約0.01∼約2
ルフェートの水溶性塩、例えば硬化ココナッツ油脂肪酸
重量%の量で存在する。約0.01∼約2重量%の範囲
のモノ硫酸化モノグリセリドのナトリウム塩など、高級
内で、刺痛剤は、約0.05∼約1.25重量%であり
硫酸アルキル、例えばラウリル硫酸ナトリウムなど、ア
得、具体的には、刺痛剤は、約0.1∼約1重量%であ
ルキルアリールスルホン酸塩、例えばドデシルベンゼン
り得る。
スルホン酸ナトリウムなど、高級アルキルスルホ酢酸塩
【0061】
、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、1,2−ジヒドロキ
適した口腔ケア剤としては、息清涼化剤、歯漂白剤、抗 20
シプロパンスルホネートの高級脂肪酸エステル、ならび
菌剤、歯石灰化剤、う歯抑制剤、局所麻酔剤、粘膜保護
に、低級脂肪族アミノカルボン酸化合物の実質的に飽和
剤(mucoprotectants)、染色除去剤、
した高級脂肪族アシルアミド、例えば脂肪酸、アルキル
歯口清掃剤、漂白剤、減感剤、歯再石灰化剤、抗菌薬、
もしくはアシルラジカル中に12∼16個の炭素を有す
虫歯予防剤、プラーク酸緩衝剤、界面活性剤および歯石
るものなど、および同類のものが挙げられる。最後に言
予防剤、ならびにそれらの組合せが挙げられる。そのよ
及したアミドの例は、N−ラウロイルサルコシン、なら
うな配合成分の例としては、加水分解剤(タンパク質分
びにN−ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルサル
解酵素を含む)、研磨剤、例えば水和シリカ、炭酸カル
コシン、およびN−パルミトイルサルコシンの、ナトリ
シウム、重炭酸ナトリウムおよびアルミナなど、その他
ウム、カリウム、およびエタノールアンモニウム塩であ
の活性染色除去成分、例えば表面活性剤(陰イオン性界
る。
面活性剤、例えばステアリン酸ナトリウム、パルミチン 30
【0064】
酸ナトリウム、硫酸化オレイン酸ブチル、オレイン酸ナ
界面活性剤に加えて、口腔ケア配合成分の例には、抗菌
トリウム、フマル酸塩、グリセロール、水酸化レシチン
剤、例えばトリクロサン、クロルヘキシジン、クエン酸
、ラウリル硫酸ナトリウムなどを含む)ならびにキレー
亜鉛、硝酸銀、銅、リモネン、塩化セチルピリジニウム
ト剤、例えばポリリン酸塩など(一般に歯石制御配合成
、ならびにそれらの組合せが含まれ得る。
分として用いられる)が挙げられる。口腔ケア配合成分
【0065】
の例としては、ピロリン酸テトラナトリウムおよびトリ
虫歯予防剤には、フッ化物イオン源、例えばフッ化ナト
ポリリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ピロリン酸
リウム、フッ化カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、
ナトリウム酸、キシリトール、ヘキサメタリン酸ナトリ
フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化カリウム、モノフ
ウム、ならびにそれらの組合せも挙げることができる。
【0062】
ルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズ、フッ化第一
40
スズカリウム、ヘキサフルオロスズ酸ナトリウム、クロ
その上、適した口腔ケア剤としては、過酸化物、例えば
ロフッ化第一スズなど、ならびにそれらの組合せが含ま
過酸化カルバミド、過酸化カルシウム、過酸化マグネシ
れ得る。さらなる虫歯予防剤の例は、Reynolds
ウム、過酸化ナトリウム、過酸化水素、および過酸化二
に対する米国特許第5,227,154号、Green
リン酸など、ならびにそれらの組合せが挙げられる。一
bergに対する同第5,378,131号、およびH
部の実施形態では、硝酸カリウムおよびクエン酸カリウ
olmeらに対する同第6,685,916号に含めら
ムが含まれる。その他の例には、カゼイングリコマクロ
れる。口腔ケア剤は、所望のレベルのケアに応じて適量
ペプチド、カルシウムカゼインペプトン−リン酸カルシ
で存在することができる。
ウム、カゼインホスホペプチド、カゼインホスホペプチ
【0066】
ド−非結晶リン酸カルシウム(CPP−ACP)、およ
一部の実施形態では、口腔ケア剤は、チューインガム組
び非結晶リン酸カルシウムが含まれ得る。さらにその他 50
成物の約0.01∼約2重量%の量で存在する。約0.
( 13 )
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01∼約2重量%の範囲内で、口腔ケア剤は約0.05
の薬物には、咳、感冒、またはインフルエンザに一般に
∼約1.25重量%であり得、具体的には、口腔ケア剤
関連する少なくとも1つの症状の寛解に使用されたか、
は、約0.1∼約1重量%であり得る。
または有用であることが示された要素、化合物または物
【0067】
質が、単独または併用で含まれる。「咳、または感冒ま
咽頭ケアまたは咽頭を緩和する(throat−soo
たはインフルエンザ症状の治療のための薬物」には、そ
thing)配合成分には、鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、
の他の源、例えばアレルギー、有害な環境条件、および
麻酔薬、粘滑薬、粘液溶解薬、去痰薬、鎮咳薬、および
同類のものなどから生じる感冒様またはインフルエンザ
防腐剤が含まれる。一部の実施形態では、ハチミツ、プ
様症状の治療にも有用な薬物が含まれることは当然理解
ロポリス、アロエベラ、グリセリン、メントールおよび
される。感冒、感冒様、インフルエンザ、およびインフ
その組合せを含む咽頭緩和剤が用いられる。咽頭ケア剤 10
ルエンザ様症状は、本明細書において、咳、鼻感冒、鼻
は、所望のレベルのケアに応じて適量で存在することが
づまり、上気道感染、アレルギー性鼻炎、耳炎、副鼻腔
できる。一部の実施形態では、咽頭ケア剤は、チューイ
炎、くしゃみ、ならびに感冒、インフルエンザ、アレル
ンガム組成物の約0.01∼約2重量%の量で存在する
ギー、有害環境条件、および同類のものに関連する不快
。約0.01∼約2重量%の範囲内で、咽頭ケア剤は、
感、疼痛、発熱および全身倦怠感を含む。
約0.05∼約1.25重量%であり得、具体的には、
【0070】
咽頭ケア剤は、約0.1∼約1重量%であり得る。
咳、または感冒またはインフルエンザ症状の治療のため
【0068】
の薬物の一般的なカテゴリーの例としては、抗ヒスタミ
薬物をチューインガム製品に含めることができる。限定
ン薬、鬱血除去薬(交感神経作用薬)、鎮咳薬(咳止め
されない説明実例となるカテゴリーおよび具体的な例と
薬)、抗炎症剤、ホメオパシー薬、去痰薬、麻酔薬、粘
しては、抗ヒスタミン薬、鬱血除去薬(交感神経作用薬 20
滑薬、鎮痛薬、抗コリン薬、咽頭緩和剤、抗菌剤、およ
)、鎮咳薬(cough
suppressants)
び抗ウイルス薬が挙げられる。これらの薬物の一部は、
、去痰薬、麻酔薬、鎮痛薬、粘滑薬、抗菌剤、抗ウイル
2以上の目的にかなう。別に指定のない限り、これらの
ス薬、抗炎症剤、制酸薬、抗真菌薬、化学療法薬、利尿
薬物の製薬上許容される塩およびプロドラッグも含まれ
薬、心理療法薬、ホメオパシー薬、抗コリン薬、咽頭緩
る。感冒または咳の同じまたは異なる症状に対する活性
和剤、抗嘔吐薬、心血管薬、様々なアルカロイド、緩下
を有する2以上の薬物は、組み合わせて一緒に使用され
薬、食欲抑制薬、ACE阻害剤、抗喘息薬、コレステロ
得る。
ール低下薬、抗うつ薬、止瀉薬製剤、抗高血圧薬、抗脂
【0071】
質薬、ざ瘡薬、アミノ酸製剤、抗尿酸血薬(anti−
例となる抗ヒスタミン薬としては、アザタジン、ブロモ
uricemic
ジフェンヒドラミン、ブロムフェニラミン、マレイン酸
drugs)、タンパク同化製剤、
食欲刺激薬、骨代謝調節剤、避妊薬、子宮内膜症管理薬 30
ブロムフェニラミン、カルビノキサミン、マレイン酸カ
、酵素、クエン酸シルデナフィルなどの勃起不全治療薬
ルビノキサミン、シメチジン、クロロフェニラミン、マ
、妊娠促進薬、胃腸薬、ホメオパシー療法薬、ホルモン
レイン酸クロルフェニラミン、デクスクロルフェニラミ
、動揺病処置薬、筋弛緩薬、骨粗しょう症製剤、分娩誘
ン、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、ド
発薬、副交感神経遮断薬、副交感神経刺激薬、プロスタ
キシラミン、フェニンダミン、フェニラミン、フェニル
グランジン、呼吸器薬、鎮静薬、ブロモクリプチンまた
トロキサミン、ピリラミン、プロメタジン、トリプロリ
はニコチンなどの禁煙補助薬、振戦製剤、泌尿器薬、抗
ジン、ロラタジン、ラニチジン、クロルシクリジン、テ
潰瘍薬、制吐薬、高および低血糖薬、甲状腺および抗甲
ルフェナジン、フマル酸クレマスチン、ジメンヒドリナ
状腺製剤、子宮弛緩薬(terine
ート、マレイン酸ピリラミン(prilamine
relaxan
ts)、赤血球増殖薬(erythropoietic
drugs)、粘液溶解薬、DNAおよび遺伝子修飾 40
m
aleate)、塩酸トリペレナミン、クエン酸トリペ
レナミン、パモ酸ヒドロキシジン、塩酸ヒドロキシジン
薬、ならびに、機能性食品、微量栄養素、ビタミンおよ
、乳酸シクリジン、塩酸シクリジン、塩酸メクリジン、
び補酵素を含む栄養補助食品が挙げられる。別に指定の
アクリバスチン、塩酸セチリジン、アステミゾール、塩
ない限り、これらの薬物の製薬上許容される塩およびプ
酸レボカバスチン、セチリジン、ならびにそれらの組合
ロドラッグも含まれる。これらの薬物の一部は、2以上
せが挙げられる。
の目的にかなうことができる。随意の薬物の前述の種類
【0072】
の組合せが使用され得る。同じまたは異なる症状に対す
例となる鬱血除去薬としては、レボプロポキシフェンナ
る活性を有する2以上の薬物は、組み合わせて一緒に使
プシレート、ノスカピン、カルベタペンタン、カラミフ
用され得る。
ェン、クロフェディアノール、プソイドエフェドリン塩
【0069】
酸塩、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、
咳、または感冒またはインフルエンザ症状の治療のため 50
ジフェンヒドラミン、グラウシン、フォルコジン、ベン
( 14 )
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ゾナテート、エフェドリン、エピネフリン、レボデスオ
ルフェンタニル、アスピリン、サリチルアミド、サリチ
キシエフェドリン、オキシメタゾリン、ナファゾリン、
ル酸ナトリウム、アセトアミノフェン、イブプロフェン
プロピルヘキセドリン、キシロメタゾリン、ならびにそ
、インドメタシン、ナプロキセン、アトリン(atri
れらの組合せが挙げられる。
n)、イソカム(isocome)、マイドリン、アキ
【0073】
ソタール(axotal)、フィリナール(firin
鎮咳薬は、咳嗽を軽減するのに役立つ。鎮咳薬の例とし
al)、フレニリン(phrenilin)、麦角およ
ては、コデイン、ジヒドロコデイン、ヒドロコドンおよ
び麦角誘導体(ウィグレイン(wigraine)、カ
びヒドロモルホン、カルベタペンタン、カラミフェン、
フェルゴット、エルゴスタット、エルゴマル(ergo
酒石酸水素ヒドロコドン、クロルフェジアノール(ch
mar)、ジヒドロエルゴタミン)、イミトレックス、
lorphedianol)、ノスカピン(nosca 10
ならびにそれらの組合せが含まれる。
rpine)、デキストロメトルファン、ならびにそれ
【0077】
らの組合せが挙げられる。
抗コリン薬には、ホマトロピン、アトロピン、臭化水素
【0074】
スコポラミン、L−ヒヨスチアミン、ベラドンナのL−
去痰薬には、グアイフェネシン、アニスの実、アカネグ
アルカロイド、ベラドンナアルカロイドのチンキ、臭化
サ、フキタンポポ、ニワトコ、ゴールデンシール、グリ
水素ホマトロピン、ホマトロピンメチルブロミド、メト
ンデリア、ヤナギハッカ、ラングウォート、マリン、セ
スコポラミン、アニソトロピン、フェノバルビタールを
ネガ、スーヤ、タイム、クマツヅラ、グリセリルグアヤ
含むアニソトロピン、クリンジニウム(clindin
コール塩、抱水テルピン、N−アセチルシステイン、ブ
ium)、グリコピロレート、ヘキソサイクリウム(h
ロムヘキシン、アンブロキソール、ドミオドール、3−
exocyclim)、イソプロパミド、メペンゾラー
ヨード−1,2−プロパンジオールおよびセイヨウミザ 20
ト、メタンテリン、オキシフェンシクリミン(oxyp
クラ、塩化アンモニウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化グ
hencyclimine)、プロパンテリン、トリジ
リセロール、グアイヤコールスルホン酸カリウム、ヨウ
ヘキセチル、ジサイクロミン、スコポラミン、アトロピ
化カリウム、クエン酸ナトリウム、ならびにそれらの組
ン、ジサイクロミン、フラボキサート、イプラトロピウ
合せが含まれる。
ム、オキシブチニン、ピレンゼピン、チオトロピウム、
【0075】
トルテロジン、トロピカミド、トリメタファン、アトラ
麻酔薬には、エトミデート、ケタミン、プロポフォール
クリウム、ドキサクリウム、ミバクリウム、パンクロニ
、およびベンゾジアゼピン類(benodiazapi
ウム、ツボクラリン、ベクロニウム、スキサメトニウム
nes)(例えば、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム
塩化物、ならびにそれらの組合せが含まれる。
、クロラゼプ酸(clorezepate)、ハラゼパ
【0078】
ム、フルラゼパム、クアゼパム、エスタゾラム、トリア 30
粘滑薬には、フキタンポポ、コンフリー、トウモロコシ
ゾラム、アルプラゾラム(alprozolm)、ミダ
の毛、シバムギ、亜麻仁、アイルランドコケ、ラングウ
ゾラム、テマゼパム、オキサゼパム、ロラゼパム)、ベ
ォート、甘草、ゼニアオイ、ウスベニタチアオイ、マリ
ンゾカイン、ジクロニン、ブピバカイン、エチドカイン
ン、オートミール、パースリピアート、アカニレ、なら
、リドカイン、メピバカイン、プラモキシン(prom
びにそれらの組合せが含まれる。
oxine)、プリロカイン、プロカイン、プロパラカ
【0079】
イン(proparcaine)、ロピバカイン、テト
抗菌剤には、アミノグリコシド、セファロスポリン、マ
ラカイン、ならびにそれらの組合せが含まれる。その他
クロライド、ペニシリン、キノロン、スルホンアミド、
の有用な薬剤には、アモバルビタール(amobart
およびテトラサイクリンの抗生物質の種類の範囲内のも
ital)、アプロバルビタール、ブタバルビタール、
のが含まれる。具体的な例となる抗生物質としては、ナ
ブタルビタールメホバルビタール、メトヘキシタール、 40
フシリン(naficillin)、オキサシリン、バ
ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビ
ンコマイシン、クリンダマイシン、エリスロマイシン、
タール、チオペンタール、パラル(paral)、抱水
トリメトプリム−スルファメトキサゾール、リファンピ
クロラール、エトクロルビノール、グルテチミド(cl
ン、シプロフロキサシン、広域ペニシリン、アモキシシ
utethimide)、メチプリロン(methpr
リン、ゲンタマイシン、セフトリアゾキソン(ceft
ylon)、エチナメート、メプロバメート、ならびに
riazoxone)、セフォタキシム、クロラムフェ
それらの組合せが含まれ得る。
ニコール、クラブラン酸(clavunate)、スル
【0076】
バクタム、プロベネシド、ドキシサイクリン、スペクチ
鎮痛薬には、オピオイド類、例えばモルヒネ、メペリジ
ノマイシン、セフィキシム、ペニシリンG、ミノサイク
ン(mepidine)、デンタニル(dentany
リン、β−ラクタマーゼ阻害剤;メジオシリン(mez
l)、スフェンタニル(sufentranil)、ア 50
iocillin)、ピペラシリン、アズトレオナム、
( 15 )
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29
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30
ノルフロキサシン、トリメトプリム、セフタジジム、ダ
抗真菌薬には、例えば、ケトコナゾール、フルコナゾー
プソン、ネオマイシン、アジスロマイシン、クラリスロ
ル、ナイスタチン、イトラコナゾール、クロミトラゾー
マイシン、アモキシシリン、シプロフロキサシン、およ
ル(clomitrazole)、ナタマイシン、エコ
びバンコマイシンが挙げられる。
ナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、チアベ
【0080】
ンダゾール、チオコナゾール(tiaconazole
抗ウイルス薬は、ウイルス、例えばピコルナウイルス、
)、ボリコナゾール、テルビナフィン、アモロルフィン
インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス、単純ヘル
、ミカファンギン(micfungin)、アムホテリ
ペスウイルス、帯状疱疹ウイルス、エンテロウイルス、
シンB、ならびにそれらの組合せが含まれる。
水痘ウイルスおよび一般的な感冒に関連するライノウイ
【0084】
ルスなどの生物活性を特異的にまたは一般に調節する。 10
化学療法薬には、シスプラチン(CDDP)、プロカル
例となる抗ウイルス薬としては、アシクロビル、トリフ
バジン、メクロレタミン、シクロホスファミド、カンプ
ルリジン、イドキソルジン(idoxorudine)
トテシン、イフォスファミド、メルファラン、クロラム
、ホスカルネット、ガンシクロビル、ジドブジン、ジデ
ブシル、ブスルファン(bisulfan)、ニトロソ
オキシシトシン、ジデオキシイノシン、ジピリダモール
ウレア(nitrosurea)、ダクチノマイシン、
、スタブジン、シドホビル、ファムシクロビル、バラシ
ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プ
クロビル、バルガンシクロビル、アシクロビル、ジダノ
リコマイシン(plicomycin)、マイトマイシ
シン、ザルシタビン、リフィマンタジン(rifima
ン、エトポシド(VP16)、タモキシフェン、タキソ
ntadine)、サキナビル、インジナビル、リトナ
ール、トランスプラチナ、5−フルオロウラシル、ビン
ビル、リバビリン(ribavarin)、ネルフマビ
クリスチン、ビンブラスチンおよびメトトレキサートな
ル(nelfmavir)、アデホビル、ネビラピン、 20
らびにそれらの類似体または誘導体変異体、ならびにそ
デラビルジン、エファビレンツ、アバカビル、アマンタ
れらの組合せが含まれる。
ジン、エムトリシタビン、エンテカビル、テノホビル、
【0085】
ザナミビル、オセルタミビル、ICI
130,685
利尿薬には、限定されるものではないが、アセタゾラミ
、インプルシン(impulsin)、プレコナリル、
ド、ジクロフェナミド、メタゾラミド、フロセミド、ブ
ペンシクロビル、ビダラビン、サイトカイン、ならびに
メタニド、エタクリン酸、トルセミド、アゾセミド、ム
それらの組合せが挙げられる。
ゾリミン、ピレタニド、トリパミド、ベンドロフルメチ
【0081】
アジド、ベンズチアジド、クロロチアジド、ヒドロクロ
抗炎症剤には、アスピリンを含むサリチル酸誘導体、ア
ロチアジド、ヒドロフルメチアジド、メチクロチアジド
セトアミノフェンを含むパラミノフェノール誘導体(p
、ポリチアジド、トリクロルメチアジド、インダパミド
araminophenol
、メトラゾン、キネタゾン、アミロライド、トリアムテ
derivatives 30
)、インドメタシンを含むインドールおよびインデン酢
レン、スプリオノラクトン(sprionolacto
酸、スリンダクおよびエトドラク(etodalac)
ne)、カンレノン、カンレノ酸カリウム、ならびにそ
、トルメチンジクロフェナクおよびケトロラックを含む
れらの組合せが含まれる。
ヘテロアリール酢酸、イブプロフェン、ナプロキセン、
【0086】
ケトプロフェン、フェノプレン(fenopren)、
心理療法薬には、ソラジン、セレンチル、メラリル、ミ
ケトロラク(ketorlac)、カルプロフェン、オ
ラジン(millazine)、ティンダル、ペルミチ
キサプロジンを含むアリールプロピオン酸誘導体、メフ
ル(permitil)、プロリキシン、トリラホン、
ェナム酸、メクロフェナム酸を含むアントラニル酸、な
ステラジン、スプラジン(suprazine)、タラ
らびにピロキシカム、テノキシカム、フェニールブタゾ
クタン、ナバン、クロザリル、ハルドール、ハルペロン
ンおよびオキシフェンタトラゾン(oxyphenth 40
(halperon)、ロキシタン、モーバン、オーラ
atrazone)を含むエノール酸が含まれる。
ップ、リスパダール、アルプラゾラム、クロルジアエポ
【0082】
キシド(chlordiaepoxide)、クロネゼ
制酸薬には、シメチジン、ラニチジン、ニザチジン、フ
パム(clonezepam)、クロラゼプ酸(clo
ァモチジン、オメプラゾール、ビスマス制酸薬、メトロ
rezepate)、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼ
ニダゾール制酸薬、テトラサイクリン制酸薬、クラリス
パム、オキサゼパム、プラゼパム、ブスピロン、エルバ
ロマイシン(clarthromycin)制酸薬、ア
ビル(elvavil)、アナフラニール、アダピン、
ルミニウム、マグネシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸
シネクアン、トフラニール、スルモンチール、アセンジ
カルシウムの水酸化物およびその他の炭酸塩、ケイ酸塩
ン、ノルプラミン、ペルトフラン、ルジオミール、パメ
、リン酸塩、ならびにそれらの組合せが含まれる。
ロール、ビバクチル、プロザック、ルボックス、パキシ
【0083】
50
ル、ゾロフト、エフェクサー、ウェリブトリン(wel
( 16 )
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ibutrin)、サーゾーン、デシレル、ナルジル、
ラアミノ安息香酸(paraminobenzoic
パルネート、エルデプリル、ならびにそれらの組合せが
acid)、カルニチン、ビタミンC、ビタミンDおよ
含まれる。
びその類似体、ビタミンAおよびカロテノイド、レチノ
【0087】
イン酸、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB6 、ビタ
食欲抑制薬には、ベンズフェタミン、ジエチルプロピオ
ミンB1
ン、マジンドール、フェンジメトラジン、フェンテルミ
述の機能性食品の少なくとも1つを含む組合せを使用す
ン、フーディア、麻黄、およびカフェインが含まれる。
ることができる。
さらなる食欲抑制薬は、商業的に次の商標名である:ア
【0089】
ディペックス(Adipex)、アディポスト(Adi
使用することのできる具体的な随意のさらなる薬物とし
post)、ボントリル(Bontril)PDM、ボ 10
ては、カフェイン、シメチジン、ラニチジン、ファモチ
ントリル・スローリリース、ディドレックス(Didr
ジン、オメプラゾール、ジクロニン、ニコチン、ならび
ex)、ファスティン(Fastin)、イオナミン(
にそれらの組合せが挙げられる。
Ionamin)、マザノール(Mazanor)、メ
【0090】
ルフィアット(Melfiat)、オベニックス(Ob
薬物は、所望の目的に適した投薬レベルに応じて適量で
enix)、フェンダイエット(Phendiet)、
存在することができる。一部の実施形態では、薬物は、
フェンダイエット−105、フェンテルコット(Phe
チューインガム組成物の約0.01∼約2重量%の量で
ntercot)、フェントリド(Phentride
存在する。約0.01∼約2重量%の範囲内で、薬物は
)、プレギン(Plegine)、プレリュー(Pre
、約0.05∼約1.25重量%であり得、具体的には
lu)−2、プロファスト(Pro−Fast)、PT
、薬物は、約0.1∼約1重量%であり得る。
105、サノレックス(Sanorex)、テニュエ 20
2
、ならびにそれらの組合せが挙げられる。前
【0091】
ート(Tenuate)、サノレックス、テニュエート
抗酸化剤としては、β−カロテン、酸味料、例えばビタ
、テニュエート・ドスパン(Tenuate
Dosp
ミンC、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソー
an)、テパニル(Tepanil)Ten−Tab、
ル、ブチル化ヒドロキシトルエン、ビタミンE、カルノ
テラミン(Teramine)、ザントリル(Zant
シン酸、ロスマノール、ロスマリジフェノール、および
ryl)およびその組合せ。
同類のものなどの天然および人工の抗酸化剤が挙げられ
【0088】
る。抗酸化剤は、所望の目的に応じて適量で存在するこ
機能性食品および微量栄養素には、ハーブおよび植物性
とができる。一部の実施形態では、抗酸化剤は、チュー
薬品、例えば、アロエ、コケモモ、アカネグサ、カレン
インガム組成物の約0.01∼約2重量%の量で存在す
デュラ、トウガラシ、カモミール、キャッツクロー、エ
る。約0.01∼約2重量%の範囲内で、抗酸化剤は、
キナセア、ニンニク、ショウガ、イチョウ、ゴールデン 30
約0.05∼約1.25重量%であり得、具体的には、
シール、様々な人参、緑茶、ゴールデンシール、ガラナ
抗酸化剤は約0.1∼約1重量%であり得る。
、カバカバ、ルテイン、イラクサ、トケイソウ、ローズ
【0092】
マリー、ノコギリヤシ、セイヨウオトギリソウ、タイム
防腐剤には、チューインガム製品の有効期間を改善する
、カノコソウなど、ならびにそれらの組合せが含まれる
あらゆる天然および合成の防腐剤が含まれる。適した防
。また、ミネラル補給剤、例えば、カルシウム、銅、ヨ
腐剤としては、プロパン酸、安息香酸、およびソルビン
ウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン
酸が挙げられる。
、亜鉛、セレン、ならびにそれらの組合せなども含まれ
【0093】
る。加えることのできるその他の機能性食品としては、
チューインガム組成物の成分の各々の相対量は、チュー
フラクト−オリゴ糖、グルコサミン、ブドウ種子エキス
インガム組成物の特定の成分の独自性(identit
、コラエキス、ガラナ、麻黄、イヌリン、フィトステロ 40
y)、ならびに、チューインガム組成物の所望のフレー
ール、植物性化学物質、カテキン、エピカテキン、エピ
バーによって決まることになり、それは当業者によって
カテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキ
容易に決定される。
ンガレート、イソフラボン、レシチン、リコピン、オリ
【0094】
ゴフルクトース、ポリフェノール、フラバノイド、フラ
本明細書に開示されるチューインガム組成物は、コーテ
バノール、フラボノール、およびサイリウムならびにピ
ィングされていてもされていなくてもよく、スラブ、ス
コリン酸クロムおよびフェニルプロパノールアミンなど
ティック、ペレット、ボールおよび同類のものの形態で
の体重減少剤が挙げられる。ビタミンおよび補酵素には
あってよい。ガム組成物の様々な形態の組成は類似する
、水または脂溶性ビタミン、例えばチアミン、リボフラ
ことになるが、配合成分の比に関して変動してよい。例
ビン、ニコチン酸、ピリドキシン、パントテン酸、ビオ
えば、コーティングされたガム組成物は、より低い割合
チン、葉酸、フラビン、コリン、イノシトールおよびパ 50
の軟化剤を含むことができる。ペレットおよびボールは
( 17 )
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、チューインガムコアを有し得、それは硬いシェルを作
独特の製品特徴を得ることもできる。コーティングは、
るために糖溶液または無糖溶液のいずれかでコーティン
存在する場合、チューインガム組成物がコーティング自
グされている。スラブおよびスティックは、通常、チュ
体を通して見えないようにいくつかの不透明な層を含ん
ーインガムコアよりも柔らかい食感になるように配合さ
でよく、それは所望により美観、食感および保護の目的
れる。一部の例では、ヒドロキシ脂肪酸塩またはその他
のためにさらなる1以上の透明な層で覆われてよい。外
の界面活性剤活性物質がガムベースに軟化作用を有し得
側のコーティングは、少量の水およびアラビアガムを含
る。界面活性剤活性物質がガムベースに有し得る、可能
有することもできる。このコーティングはさらにワック
性のある望ましくない軟化作用を調節するために、通常
スでコーティングされ得る。コーティングは、各々の塗
よりも硬い食感を有する(すなわち一般に用いられる従
布の間に乾燥させながら、コーティング溶液を連続して
来の軟化剤よりも慣用されない)スラブまたはスティッ 10
塗布することによって適用されてよい。コーティングが
クガムを配合することが有益であり得る。
乾燥する時、それは通常不透明となり、通常白色である
【0095】
が、その他の着色剤が添加されてもよい。ポリオールコ
中心部が充填されたガムは、別の一般的なガム形態であ
ーティングは、ワックスでさらに被覆され得る。このコ
る。ガム部分は、上記のものに類似した組成および製造
ーティングは、着色されたフレークまたは斑点をさらに
様式を有する。しかし、中心部充填物は、一般に水性液
含むことができる。
またはゲルであり、それは加工中にガムの中心に注入さ
【0101】
れる。また、中心部充填ガムは、所望によりコーティン
コーティングは、ガム片の熱安定性を向上させ、ガム製
グされてよく、様々な形態、例えば棒付きキャンデーな
品が中央充填ガムである場合に液体充填物が漏れること
どの形態に調製されることができる。
を防ぐのを助けるように配合されてよい。一部の実施形
【0096】
20
態では、コーティングには、ゼラチン組成物が含まれて
一部の実施形態では、エラストマー、上記の式(I)の
よい。ゼラチン組成物は、40重量%水溶液として添加
構造を有する酢酸ビニルとメチルフェニルシランとのブ
されてよく、コーティング組成物の約5∼約10重量%
ロック共重合体、および少なくとも1つの甘味料をブレ
、より具体的にはコーティング溶液の約7∼約8重量%
ンドすることを含む、光分解性チューインガムを調製す
でコーティング組成物中に存在してよい。ゼラチンのゲ
る方法が提供される。
ル強度は、約130ブルーム∼約250ブルームであっ
【0097】
てよい。
一部のその他の実施形態では、本方法は、エラストマー
【0102】
およびブロック共重合体をプレブレンドしてプレブレン
前述およびその他の実施形態は、特許請求の範囲の効果
ドを調製し、そしてプレブレンドを少なくとも1つの甘
的な範囲を制限するものでない以下の実施例によってさ
味料とともにブレンドすることを含む。
30
らに説明される。実施例中ならびに明細書および特許請
【0098】
求の範囲全体にわたって、すべて部および百分率は、特
光分解性チューインガム組成物は、当業者に公知の標準
に断りのない限り、最終の組成物の重量による。
的な技法および機器を用いて調製され得る。一部の実施
【実施例】
形態に従って有用な装置は、チューインガム製造分野で
【0103】
周知の混合および加熱装置を含み、そのため、具体的な
実施例1および比較1
装置の選択は、当業者には明白であることになる。
【0104】
【0099】
実施例1は、酢酸ビニルとメチルフェニルシラン(me
一部の実施形態では、ガム片は、水性コーティング組成
hylphenyl
物でコーティングされてよく、それは当技術分野で公知
体を含有する光分解性チューインガムである。比較1の
の任意の方法によって適用されることができる。コーテ 40
チューインガムは、ブロック共重合体を含有しない。
ィング組成物は、ガム片全体の約10∼約50重量%の
(A)ポリ(酢酸ビニル−ブロック−メチルフィニル(
量で存在し得る。約10∼約50重量%の範囲内で、コ
METHYLPHYNYL)シラン)の調製
ーティング組成物の量は、約20∼約40重量%、具体
【0105】
的には約25∼約35重量%であり得る。
ブロック共重合体を調製するため、32,600の重量
【0100】
平均分子量および3.0の多分散指数を有する5gのポ
外側のコーティングは、硬いかまたはバリバリするもの
リメチルフェニルシランを、清潔な乾燥したシュレンク
であってよい。一部の実施形態では、外側のコーティン
管に加えた。15mLのキシレンおよび95gのメタク
グには、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、
リル酸メチルを、管に加えた。乾燥窒素ガスをパージす
イソマルト、または別の結晶性ポリオールが含まれる。
る間に、6回の凍結−解凍サイクルによって酸素を除去
スクロースも使用されてよい。また、香味料を添加して 50
した。次に、混合物を95℃まで加温し、200∼35
silane)のブロック共重合
( 18 )
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35
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0nmの紫外(UV)光で約10分間照射して重合を開
約45℃の融点をもつ硬化綿実油をミキサーに添加し、
始した。混合物を95℃でさらに120分間保持し、2
約10分間混合する。次に、トリアセチンを添加し、1
00∼350
0分間混合する。次に、タルクを添加し、約10分間混
ナノメートルの紫外線でさらに10分間
照射した。混合物を95℃でさらに120分間維持した
合する。
。次に、溶液を酸素源にさらして反応を停止させた。共
【表1】
重合体生成物は、冷メタノールによる沈殿によって得た
。ポリマー生成物をさらなる冷メタノールおよび水で洗
浄した。ゲル浸透クロマトグラフィー分析により、重量
平均分子量が150,000であり多分散指数が3.5
である共重合体の形成を確認した。酢酸ビニルとメチル 10
フェニルシランとのブロック共重合体の形成は、H
MRにより確認した。H
1
1
N
NMR結果は、ブロック共重
合体が1.2重量%のメチルフェニルシランおよび98
.8重量%のポリ酢酸ビニルを含有することを示した。
共重合体は、図1に示される多くの構造の1つを有し得
る。図1中で、ポリ酢酸ビニルのブロックは、塗りつぶ
された四角形1で示され、メチルフェニルシランのブロ
(C)実施例1および比較(COMPRISION)1
ックは、−Si−Si−鎖で示される。
チューインガムの提案される調製
(B)実施例1および比較1ガムベースの提案される調
【0110】
製
20
実施例1および比較1チューインガムは、表2に列挙さ
【0106】
れる組成物に従って調製される。チューインガムを調製
実施例1および比較1のガムベースは、表1に示される
するために、対応するガムベースを約175℃の温度で
組成物に従って調製される。ガムベースを調製するため
溶融させる。溶融すると標準的なミキサーに入れ、追加
に、最初にマスターバッチ(咀嚼したエラストマー)を
の配合成分、すなわち、ソルビトール、マンニトール、
以下の通り調製する:
キシリトール、アセチル化モノグリセリド、グリセリン
【0107】
、クーラント、カプセル化された食品グレードの酸、レ
エラストマー、すなわちポリイソブチレン、およびブチ
シチン、粉末および液体フレーバー、アセスルファムK
ルゴムを、表1に示される割合で標準的なミキサーに入
、およびアスパルテームを添加し、約20分間十分に混
れる。エラストマーを、約130℃に加熱する。加熱し
合する。
たエラストマーを約15分間混合する。次に、約70℃ 30
【表2】
の融点をもつ硬化綿実油を徐々に添加して、エラストマ
ーと約90分間混合する。次に、モノステアリン酸グリ
セロールをミキサーに添加し、エラストマーとともに約
20分間混合して混合物を均質化する。マスターバッチ
はこのようにして調製する。次に、ガムベースをマスタ
ーバッチから調製する。
【0108】
実施例1のガムベースを調製するために、酢酸ビニルと
メチルフェニルシランとのブロック共重合体を別の標準
的なミキサーに入れ、約130℃に加熱する。上記プロ 40
セスに従って調製したマスターバッチを次にブロック共
重合体に添加し、約15分間混合する。次に、約45℃
の融点をもつ硬化綿実油をミキサーに添加し、約10分
実施例3−実施例1および比較1の分解性に対する提案
間混合する。次に、トリアセチンを添加し、10分間混
される試験
合する。次に、タルクを添加し、約10分間混合する。
【0111】
【0109】
下に記載される実験は、ガムベースの光分解特性を評価
比較1ガムベースを調製するために、ポリ酢酸ビニルを
するために実施され得る。
別の標準的なミキサーに入れ、約130℃に加熱する。
【0112】
上記プロセスに従って調製したマスターバッチを次に、
実施例1および比較1のチューインガム製品の個々の片
ポリ酢酸ビニルに添加し、約15分間混合する。次に、 50
を、Erweka
DRT−1チューインガム機の2枚
( 19 )
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のナイロンネットの中に入れる。顎間のギャップは、2
は、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体
.5mmに設定する。次に、片を20mLの脱イオン水
、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の
中、1分あたり40ストロークで30分間機械的に咀嚼
エーテルまたはエステル、メチルビニルエーテルと無水
させて食塊を形成する。
マレイン酸とマレイン酸のターポリマー、ポリスチレン
【0113】
と無水マレイン酸の共重合体、ポリスクシンイミド、エ
実施例1および比較1の噛んだガムの食塊を、屋外のコ
チレンと無水マレイン酸の交互共重合体、およびその組
ンクリートスラブの上に7日間置く。屋外のコンクリー
合せからなる群から選択される少なくとも1つの吸水促
トスラブは直射日光を受ける。屋外のコンクリートスラ
進成分をさらに含み、かつ/または(ix)光分解性ガ
ブは環境条件をシミュレートする。チューインガムの食
ムベースは、タルク、炭酸カルシウム、炭酸塩含有充填
塊を、7日の期間の終わりに視覚的かつ物理的に調べて 10
剤、第二リン酸カルシウムおよびその組合せからなる群
、それぞれの光分解特性を評価することができる。
から選択される少なくとも1つの加水分解促進成分をさ
【0114】
らに含む。
一実施形態では、光分解性ガムベース組成物は、エラス
【0116】
トマー、および式(I)の構造を有する酢酸ビニルとメ
一実施形態では、分解性チューインガム組成物は、エラ
チルフェニルシランとのブロック共重合体を含む。
ストマー、式(I)の構造を有するブロック共重合体、
【化2】
および少なくとも1つの甘味料を含む。
【化3】
(式中、mおよびpは1∼500の範囲の整数であり、
nは2∼100の範囲の整数である。)
(式中、mおよびpは1∼500の範囲の整数であり、
【0115】
nは2∼100の範囲の整数である。)
様々な実施形態では、(i)光分解性ガムベースは、ガ
【0117】
ムベースの総重量に基づいて、約5∼約30重量%のブ
一実施形態では、光分解性チューインガムを調製する方
ロック共重合体を含み、かつ/または(ii)ブロック
法は、エラストマー、式(I)の構造を有する酢酸ビニ
共重合体は、プロトン核磁気共鳴分光法によって測定し
ルとメチルフェニルシランとのブロック共重合体、およ
て、ブロック共重合体の重量に基づいて、約0.1∼約
び少なくとも1つの甘味料をブレンドすることを含む。
10重量%のメチルフェニルシランを含み、かつ/また 30
【化4】
は(iii)ブロック共重合体は、約50,000∼約
200,000原子質量単位の重量平均分子量を有し、
かつ/または(iv)エラストマーは、ポリイソブチレ
ン、ブチルゴム、ブタジエン−スチレンゴムおよびその
組合せからなる群から選択され、かつ/または(v)光
(式中、mおよびpは1∼500の範囲の整数であり、
分解性ガムベースは、光分解を促進する少なくとも1つ
nは2∼100の範囲の整数である。)もう一つの実施
の追加成分をさらに含み、かつ/または(vi)追加成
形態では、上記ブレンドする工程は、エラストマーとブ
分は、クロロフィル、ならびにクロロフィリン、フェオ
ロック共重合体とを事前にブレンドしてエラストマー事
フィチン、ピロフェオフィチンおよびフェオホルビドな
前ブレンドとする工程、ならびにエラストマー事前ブレ
どの誘導体からなる群から選択され、かつ/または(v 40
ンドと少なくとも1つの甘味料とをブレンドする工程を
ii)光分解性ガムベースは、硬化綿実油、硬化ダイズ
含む。
油、硬化カノーラ油、硬化オリーブ油、硬化グレープシ
【0118】
ード油、硬化ピーナッツ油、硬化ヒマワリ油、硬化ベニ
この記載された説明は、本発明を開示するために、かつ
バナ油、硬化パーム油、硬化カカオバター、水素化ココ
当業者に作成および使用できるようにするために例を使
ナッツ油、硬化パーム核油、動物性脂肪、糖の脂肪酸エ
用する。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲に
ステルおよびリン脂質からなる群から選択される少なく
よって定義され、当業者の思い浮かぶその他の例が含ま
とも1つの非粘着誘導成分をさらに含み、上記ガムベー
れる可能性がある。そのようなその他の例は、それらが
スは、非粘着誘導成分の不在下と比較して非粘着誘導成
特許請求の範囲の文字言語と異ならない構造要素を有す
分の存在下で分解性の増加および/または粘着性の低下
る場合に、またはそれらが特許請求の範囲の文字言語と
を示し、かつ/または(viii)光分解性ガムベース 50
事実上異ならない同等の構造要素を含む場合に、本特許
( 20 )
39
JP
5782194
B2
2015.9.24
40
請求の範囲内にあるものとする。
本発明を説明する文脈において(特に以下の特許請求の
【0119】
範囲の文脈において)、用語「a」および「an」およ
すべての引用特許、特許出願、およびその他の参照文献
び「the」および同様の言及の使用は、本明細書にお
は、参照によりその全文が本明細書に援用される。しか
いて特に明記されるか、または文脈によって明らかに否
し、本願中の用語が援用される参照文献と矛盾するかま
定される場合を除いて、単数形と複数形の両方を網羅す
たは対立する場合は、本願の用語が援用される参照文献
るものと解釈される。さらに、用語「第1」、「第2」
の対立用語に優先する。
および同類のものは、本明細書において順序、量、また
【0120】
は重要性を示すものではなく、むしろ1つの要素を別の
本明細書に開示されるすべての範囲は端点を含み、その
要素と区別するために使用されることである点にさらに
端点は独立に互いに組み合わせ可能である。本明細書に 10
注意されるべきである。量に関して使用される「約」と
開示される各々の範囲は、開示される範囲内の任意の点
いう修飾語は、述べられた値を含み、文脈によって指示
または下位範囲の開示を構成する。
される意味を有する(例えば、それは特定の量の測定値
【0121】
に関連する誤差の程度を含む)。
【図1】
────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献
特表2009−529317(JP,A)
特表2009−504195(JP,A)
特開2005−314712(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
A23G
Thomson
1/00−9/52
Innovation