案 - 鳥栖市

(案)
(仮 称 )健 康 ス ポ ー ツ セ ン タ ー 整 備 基 本 方 針
~健康長寿日本一を目指して~
鳥栖市
健康福祉みらい部
スポーツ振興課
(仮称)健康スポーツセンター整備基本方針
【策定にあたって】
鳥栖市民プールは、昭和54年の開設以来、夏休み期間中の気軽に水に親しめるレク
リエーション施設として、幼児や小学生及びその保護者を中心に多くの市民に利用され
てきました。
一方で、建設後35年を経過しているプールは、プール槽本体をはじめスライダープ
ールやプールサイドなどの老朽化が著しく、これ以上の補修では対応が難しくなってい
ます。
さらに、高齢化社会の進展に対応して、市民の健康・体力づくりや生きがいづくりに
つながる環境整備が求められています。
現在の鳥栖市民プールに代えて整備する新しい施設に対して、これからの鳥栖市に必
要な施設のあり方や、整備方針を検討するための資料として、(仮称)健康スポーツセン
ター整備基本方針を策定しました。
【目次】
Ⅰ 新しい施設整備の背景となる現状と課題
1.これまでの経緯・・・・・・・・・・・・・・2
2.利用状況・・・・・・・・・・・・・・・・・3
3.現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・4
Ⅱ 新しい施設の基本的な考え方
1.鳥栖市総合計画における位置づけ・・・・・・5
2.将来人口推計・・・・・・・・・・・・・・・6
3.新しい施設整備事業のコンセプト・・・・・・7
4.新しい施設に求められる機能・・・・・・・・8
Ⅲ 全体計画
1.施設概要・・・・・・・・・・・・・・・・・9
2.管理・運営方針・・・・・・・・・・・・・・10
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(仮称)健康スポーツセンター整備基本方針
Ⅰ 新しい施設整備の背景となる現状と課題
1.これまでの経緯
鳥栖市民プールは、次の事業主体により昭和54年3月に完成しました。
・鳥栖市による整備
プール敷地西側(スライダープール、変形プール、チビッ子プール等)
・(旧)雇用促進事業団による整備
プール敷地東側(管理棟、50mプール、観客スタンド等)
完成後は、全体を市民プールとして鳥栖市が管理運営を行っています。
なお、雇用促進事業団整備箇所は、平成14年11月に鳥栖市が有償譲渡を受けま
した。
【施設の概要】
・所 在 地:鳥栖市宿町893番地1
・敷地面積:10,433㎡
・工
期:昭和53年10月20日~昭和54年3月30日
・事 業 費:417,577千円
施 設 名
内 容
面積(㎡)
管理棟
鉄骨平屋建(事務室・更衣室・シャワー室等)
294.0
50mプール
オールアルミ8コース(水深1.2m~1.4m)
850.0
スライダー
プール
ステンレスオールアルミ(水深0.5m)
スライダー2段 ・30m(高さ8.7m)
140.2
・10m(高さ2.2m)
変形プール
オールアルミ(水深0.8m~1.0m)
853.1
チビッコプール
ステンレス(水深0.3m~0.5m)
142.8
観客スタンド
鉄筋コンクリート造
189.0
身障者スタンド
鉄筋コンクリート造
40.0
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(仮称)健康スポーツセンター整備基本方針
2.利用状況
鳥栖市民プールは、毎年7月1日から8月31日の2か月間、期間中は原則とし
て無休で開場しています。これまでの利用者の推移については、平成8年度以降は
平均して期間中約33,000人、1日当たり約530人に利用いただいています。
利用者数に関しては増加傾向にあり、これは子供たちに人気のスライダープール
があり、かつ小学生だけでも安全に遊べる監視体制をとっていることに加え、低料
金(高校生以上200円・中学生以下100円)であることから、市民はもとより
近隣自治体からの来場者も多いことが原因として考えられます。
なお、平成26年度の入場者数は3万人を切っていますが、これは期間中雨が多
く、さらに台風接近が相次ぐなどの天候不順が原因と考えられます。
市民プール来場者の推移
(人)
45,000
40,000
35,000
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
区分別来場者割合
小中学生女
24%
小中学生男
26%
平成 26 年利用者
27,405 人の内訳
一般女
17%
一般男
19%
乳幼児女
7%
乳幼児男
7%
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(仮称)健康スポーツセンター整備基本方針
3.現状と課題
①施設の老朽化
開設以来、利用される市民の安全性確保を第一に考えて施設の保全改修に努めて
きており、これまで数回にわたり、大掛かりな改修工事を実施しています。
【主な改修履歴】※1千万円以上の工事
・平成 元 年度
変形プールサイド改修工事
・平成 3 年度
50mプールサイド改修工事
・平成 8 年度
市民プール大規模改修工事
・平成10年度
市民プール循環装置漏水改修工事
・平成19年度
プール塗装改修工事
その他修理等を含め、これまで2億7千万円以上の改修経費を支出しています。
近年、施設の老朽化が目立つようになっており、ここ数年はシーズン前にプール
槽本体の塗装やプールサイドの補修を毎年実施しています。
しかし、プール槽本体塗装の際に行う研磨により、ステンレスやアルミ製のプー
ル本体が削られた結果、これ以上の再塗装は難しくなってきています。
さらに、子供たちに人気のスライダープールも、階段部分の老朽化が著しいこと
から、現在の市民プールは、早晩閉鎖せざるを得ない状況です。
②運営期間・対象者の限定
鳥栖市民プールは屋外プールであり、チビッコプール、スライダープール等、レ
ジャー性の高い設備が充実していますが、前頁のとおり運営期間が夏季に限定され
ていることに加えて、利用者層は小中学生以下に偏っています。
また、50mの競泳用プールが備わっており、競技用としての用途もある一方で、
水泳教室やフィットネスプログラムの提供がないなど、気軽に参加できる運営形態
となっておらず、特に健康増進を目的としている一般の利用者にとっては使いにく
いものとなっています。
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(仮称)健康スポーツセンター整備基本方針
Ⅱ 新しい施設の基本的な考え方
1.鳥栖市総合計画における位置づけ
本市においては、「スポーツで
明日へ運ぼう
愛と夢」をスローガンに掲げ、
平成3年8月にスポーツ都市宣言を行い、さらに、平成23年3月に「第6次鳥栖
市総合計画」を策定し、スポーツに親しめる環境整備のために基本目標を掲げ、そ
の実現のための方策を進めています。
鳥栖市総合計画における位置づけは、次のとおりです。
【
ま
ち
づ
く
り
の
基
本
構
想
・
基
本
目
標
】
基本構想では、「まちづくりの基本目標」の一つに「学ぶ意欲と豊
かなこころを育むまち」を掲げ、
「日常的にスポーツを楽しむ機会や
プロスポーツ観戦による競技力の向上、地域の一体感の醸成など、市
民生活にスポーツの浸透を図ることで、健康づくりや生きがいづく
りにつなげます。」としています。
【
リ
ー
デ
ィ
ン
グ
プ
ロ
ジ
ェ
ク
ト
】
基本計画では、特に取り組むべき重要な事業及び課題の解決
策等、鳥栖市の魅力を高める取り組みを『リーディングプロジ
ェクト』と位置付けています。
その一つ「多様な文化が息づくまちづくりプロジェクト」で
は、「鳥栖市は平成3年に「スポーツ都市宣言」を行い、これ
まで積極的にスポーツの振興を行ってきました。市民が、スポ
ーツを楽しみ、さわやかな汗を流すことが、健全な心身の発達
を促し、健康で充実した、生きがいのある生活につながりま
す。
」としています。
【
分
野
別
計
画
】
分野別計画では、基本目標・リーディングプロジェクト
に基づき、
「スポーツに親しめる環境をつくります」の取
組のもと、次の視点を踏まえスポーツの振興を図ること
としています。
(1)スポーツを「する・親しむ・見る・出場する・応援
する・支える」機会の充実を図ります。
(2)スポーツ施設の整備・利用促進を図ります。
(3)スポーツ団体・指導者の育成を行います。
このように、鳥栖市総合計画では、市民が身近なところで気軽にスポーツに親しみ、
健康的な生活を送ることを目指しています。
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(仮称)健康スポーツセンター整備基本方針
2.将来人口推計
鳥栖市の人口については、平成27年3月末で71,813人ですが、国の機関
をはじめ各種調査結果では、今後も人口増加が予測されており、第6次鳥栖市総合
計画では、平成32年の目標人口を75,000人としています。
一方で、一世帯当たりの世帯人員は2.63人から2.30人にまで減少するとと
もに、平成32年にほぼ4人に1人が高齢者となるなど、今後も少子高齢化が一層
進行することが予測されています。
第6次鳥栖市総合計画における目標人口推計
区 分
総人口
平成22年
平成32年
68,339人
75,000人
0~14歳(年少人口)
11,609人
17.0%
10,784人
14.4%
15~64歳(生産年齢人口)
43,573人
63.8%
45,528人
60.7%
65歳以上(老年人口)
13,157人
19.2%
18,688人
24.9%
世帯数(1世帯当たり人口)
25,988世帯
2.63人
32,608世帯
2.30人
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(仮称)健康スポーツセンター整備基本方針
3.新しい施設整備事業のコンセプト
日本は長寿大国です。その一方で、生活習慣病や寝たきりの高齢者の増加への対
応が課題となっています。
鳥栖市においても、前頁のとおり少子高齢化の急速な進行が予測されていること
から、幅広い世代の市民が、自分に合ったスタイルで健康づくりや生きがいづくり
を行うことが、生活習慣病や老後の寝たきり防止につながります。
そのために、新たな施設を含む体育施設の整備・充実を図り、子どもから高齢者
まで幅広い世代が健康・体力増進、ストレス解消などいつでもスポーツを楽しめる
環境を整え、長寿大国日本において、市民が健康的で生き生きとした生活を送るこ
とができる「健康長寿日本一」を目指します。
幅広い世代の市民が利用する新しい施設には、プールに加えて他の機能を併設し
た複合的な施設、年間を通じていつでもスポーツを楽しめる施設など、新たな健康
づくりの場としての性格が求められています。
特に、水が有する浮力と身体への適度な負荷が、高齢者の健康・体力づくりやリ
ハビリテーションに適していることから、高齢者を中心にすべての市民が使いやす
い施設とすることも求められます。
この結果、新しい施設整備の方向性は次の3点に集約できます。
①シーズン型から通年型のプール施設への更新
②他の健康づくり施設の併設による魅力、利便性、利用機会の向上
③水中運動教室開催などの、ソフト面の充実や利用向上への取り組み強化
以上のことをふまえ、新しい施設の事業コンセプトは次のとおりとします。
事 業 コンセプト
水 に親 しむ
子 どもから大 人 まで幅 広 い世 代 が、安 全 で気 軽 に水 に親 しめ る施 設
健 康 ・体 力 づくり
幼 児 から高 齢 者 まで、健 康 ・体 力 づくりを図 ることができる施 設
運 動 を通 じた交 流
水 中 運 動 や体 操 を通 じた交 流 により、幅 広 い層 が1年 中 楽 しめる施 設
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(仮称)健康スポーツセンター整備基本方針
4.新しい施設に求められる機能
事業コンセプトをふまえ、新しい施設に求められる機能は、以下の点が考えられ
ます。
①気軽に水に親しめる施設
子供から高齢者まで、多くの市民が安全に水に親しみ、また誰でも気軽に利用が
できる施設となるよう配慮します。
②健康・体力づくりの場として利用できる施設
幅広い世代が、様々な種類のプールや運動施設を利用することにより、健康・体
力づくりが出来る施設となるよう配慮します。
③高齢者や障害のある人に配慮した施設
高齢者や障害のある人を含め、誰もが使いやすい施設となるようユニバーサルデ
ザインに配慮します。
④市民の水泳大会等の開催に配慮した施設
市民の水泳大会等が開催できるようにコース数、水深等の確保に配慮します。
⑤環境に配慮した施設
設備に省エネルギー仕様の製品を積極的に採り入れるなど、環境にやさしい施設
となるよう配慮します。
⑥安全・衛生管理に配慮した施設
施設における安全管理、救護・救命用具の整備、監視体制の整備、緊急時の処置
などハード、ソフト両面に配慮します。
⑦経済的で効率的な維持管理ができる施設
デザイン優先ではなく、経済的で効率的な維持管理ができる施設となるよう配慮
します。
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(仮称)健康スポーツセンター整備基本方針
Ⅲ 全体計画
1.施設概要
以上のことから、新しい施設は以下の点を基本に検討することとします
① 建設地
建設予定地については、スポーツ・文化施設が集中している市民公園内とし、敷
地の利用状況から現在の市民プール北側芝広場とします。
※別添「
(仮称)健康スポーツセンター建設予定地位置図」参照
② プールの形態
プールの形態については、年間を通じて利用できる新たなスポーツ施設を整備す
る必要があることから、屋内温水プールを建設することとします。
③ プールの種類
プールの種類については、25mプールに加えて子ども向けプールを配置します。
なお、プールの配置については、安全性と利便性に配慮するよう、設計の際に検討
します。
④ 管理諸室及び付属施設
管理諸室及び設置を推進する主な付属施設は、次の点に配慮しながら設計の際に
検討します。
〔管理諸室〕
・事務室、更衣室、トイレ等を備え、省エネルギーやバリアフリーを考慮。
〔付属施設〕
・トレーニングマシンを設置するトレーニングルーム
・軽スポーツやダンス、研修ができる多目的ホール
・プール利用後に体を温め、トレーニング後の汗を流すための浴室
・高齢者や障害者に配慮したトイレや更衣室
・水泳大会や見学者のためのギャラリー席
⑤ 供用開始時期
現在の市民プールは、老朽化が進行していることからできるだけ早期に新しい
施設を整備する必要がある一方で、他自治体の温水プールの事例では、設計から
開業まで少なくとも約3年を要しています。
このため、設計において施設の詳細な検討を進めるとともに、並行して運営面
の検討を行うことにより、平成30年度中の供用開始を目標とします。
なお、新しい施設の供用開始に伴い、現在の市民プールは閉鎖します。
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(仮称)健康スポーツセンター整備基本方針
2.管理・運営方針
新しい施設には、これまで示したとおり、プールや多目的ホール等を利用したス
ポーツ・運動への参加機会を創出し、幼児から高齢者まで多様な世代が、通年利用
できることが求められています。
この目的を達成するためには、施設(ハード)と運営(ソフト)の両輪が有機的
に連動することが必要不可欠です。
そのために、本事業のコンセプトにも掲げていますが、運営(ソフト)面の充実
や利用向上への取り組みを強化し、市民に「使ってもらえる」施設であることを目
指します。
以上を踏まえ、新しい施設の管理・運営方針を、以下の方向で検討することとし
ます。
① 子どもから大人まで気軽に利用できる運営形態
成人向けプログラムや、親子で参加できるイベントの提供など、多くの世代が
新しい施設に親しむ機会を創出する。また、水を通じた交流を図るため、子ども
から大人まで幅広い年代の市民が、施設を気軽に利用できるように配慮する。
② 健康・体力づくりのプログラムを充実させ、高齢者の利用を促進
今後増加が見込まれる高齢者が、健康・体力づくりのため、継続的にプールや
トレーニングルーム、多目的ホールを利用できるよう、水中運動やリハビリプロ
グラムなどの高齢者向けプログラムを充実させる。
③ 水泳・水中運動を通じ、スポーツに親しむ「きっかけ」の仕掛けづくり
競技としての水泳に加え、生涯スポーツとしての水泳、健康づくりのための水
中運動、レクリエーション目的など、多様化する市民の価値観に対応しつつ、施
設への来場を通じてスポーツに取り組むきっかけづくりのできるサービスを提
供する。
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