2012 年度 早稲田大学社会科学部 社会デザイン実習2 課題2 私の好きな雑誌 ツーリングプランを考える 「タンデムスタイル」 ひまつぶしの一つに 「ビッグコミックスピリッツ」 思考のプロセスを知る 「デザインノート ~デザインのメイキングマガジン~」 徹頭徹尾ファッション誌 「sweet」 おすすめプランで旅案内 「OZ Magazine」 饒舌な誌面デザイン 「zipper」 マニアックな魅力が満載 「世界の傑作機 別冊 F-14 トムキャット」 意味のある余白 「ブレーン」 イタリアファンに送る 「イタリアが好き」 私の旅のおとも情報誌 「『るるぶ』情報版」 ハイクオリティ広報誌 「雲のうえ」 町 凌介 ……… 2 高元 徹 ……… 4 椙元 勇季 ……… 6 鶴間由衣花 ……… 8 斉藤真智子 ……… 10 熊倉茉唯夏 ……… 12 小坂 達広 ……… 14 上岡 巧 ……… 16 原 由子 ……… 18 渡辺 遥 ……… 20 佐藤 洋一 ……… 22 16 Apr. 2012 ハイ クオ リ テ ィ 広報誌 !! ツーリングプランを考える 「タンデムスタイル」 発行:株式会社クレタパブリッシング A4 146 ページ 僕は「バイク」を「旅」の相棒として捉えている。 もちろん、ある程度カスタムは施しているが、一番の 喜びはバイクでツーリングに行くこと。 400cc 以下のバイクにクローズアップした『U400』 (同社出版)、アメリカンタイプのバイクなどのカスタ ムにクローズアップした『カスタムバーニング』や『バ イキチ』なども読まないわけではないが、興味のない タイプのバイクや、価値観の違うカスタム、スポーツ バイク向けのライディングテクニックなどにページが 割かれ、旅にはあまりクローズアップされず、中には アメリカンバイクやそのライダーのイメージを下げて いるものもある。 そんな中、『タンデムスタイル(以下本誌とする)』 は一味違う。本誌は初心者から中級者用に毎号バイク 用語を掲載(これは同社出版の U400 にもある)したり、 さまざまなツーリング企画を載せていたりと、バイク で旅をすることを中心に記事が書かれている。自分の ツーリングプランの参考にもなり、その幅を広げるこ とに役立っている。 既に自身が行ったことのある道を紹介していても、 本誌の記事から違った見方や楽しみ方を知ることで、 違うルートで再度同じ場所を訪れたり(ほったらかし 温泉日の出ツーリングを例に:R411 奥多摩ルート・ R20 宮ヶ瀬ダム清川村 R246 ルート)、場所が近けれ ば(多少強引に)同じツーリングプランに組み込んだ り(伊豆を例に:秩父富士山西伊豆ツーリング、湘南 箱根伊豆高原ツーリングなど)するきっかけになり、 充実した旅の実現をサポートしてくれる。本誌は中身 を読んでいて一番楽しい。ツーリングプランを考える だけでわくわくしてくる。 ちなみに、類似雑誌に Bikejin(枻出版社)があるが、 表紙や記事・文字レイアウトにもともとあまり惹かれ ず(別冊の『ツーリング完全ファイル』などは購入す る)、直感で合わない、おもしろくないと感じた。 (町凌介) 私が好きな雑誌 雲のうえ 23 ハイクオリティ広報誌 !! 『雲のうえ』 編集: 『雲のうえ』 編集委員会 牧野伊三夫、有山達也、大谷道子 発行者:北九州市にぎわいづくり懇話会 「 『雲のうえ』という情報誌がおすすめ。スター フライヤーで手に入りますよ」 (中略)読んでみ ると、これはいい!美しくも柔らかな文で、北九 州市のさまざまな魅力をスケッチしている。バッ クナンバーも手に入れよう。 手練の書き手である知人のつぶやきがきっか けで、取り寄せたのが『雲のうえ』だった。 そう、 『雲のうえ』は北九州市の広報誌である。 全てのバックナンバーを入手した訳ではないの で、内容的なことはあまり語れないが、編集上 いくつか特徴があるのはすぐにわかる。 ① 写真が奇麗、しかも大胆 凝視を誘う写真がほとんどである。あえてス トレートに説明することを避けているようだ。こ の種の自治体の広報誌にあるような「絵はがき」 的な写真を意図的に避けているといってよい。 しかも、1ページ裁ち落としという使い方は当た り前だ。 ② 文字が読みやすい。余白が多い 限られた誌面であるが、文字エリアの比率が 低い。結果的に余白となる部分が多いので、文 字が読みやすい。しかも文字は大きめだ。北九 州ほどの町であったなら、自治体としては、い ろいろと盛り込みたい情報もあるだろうに、ぐっ と抑制している感じがひしひしと伝わってくる。 ③抑制の効いたサプライズ 広報誌であり、機内誌でもあるこの雑誌は、 「一見さん」に向けて読ませねばならない。まず 表紙が予想を覆すものばかりだ。 「何これ?」と 思わせておいてよく見ると、なかなか深いので ある。心をつかんで、もう一歩内側にみんなを 引き入れることに成功している。 しかも薄いので、 「どこを読もうか」と迷うことがない。北九州ま での短時間のフライトできれいに読み切れる。 案の定、この雑誌は大変評判で、バックナン バーはほとんど払底している。この評判を聞き つけた対岸の下関市も、最近広報誌に力を入れ 始めているという。 「予算など含めてどのように運営しているの か」 、 「発行元と編集との関係」など疑問は尽き ない。全国にはまだまだこうしたぴりりとスパイ スの利いた雑誌がわんさとあるに違いない。 (佐藤洋一) 22 私が好きな雑誌 ⇦表紙 標準的な誌面⇩ ⇦『雲のうえ』に触発 された下関市の広報誌 『083』 これが目次ページで あります。大胆!⇒ タンデムスタイル 「ビッグコミックスピリッツ」 ひまつぶしの一つに 発行者 小学館 B5 390 ページ スピリッツと私の出会いはよく覚えていないが大学 生活にも慣れ始めた一年生の初夏の頃だったと思う。 ヤングサンデーとスピリッツが合併して現在のスピ リッツという雑誌になった。漫画雑誌はよく読むほう だが、掲載されている漫画を全部読む雑誌はこのスピ リッツぐらいである。この雑誌の魅力は一重に「漫画 の質」だと考えている。よって今回は以下に2つの漫 画を取り上げて魅力を伝えたい。 ①闇金ウシジマくん トゴ(十日で五割)の利子でお金を貸す金融屋のウ シジマが主人公。さまざまな境遇をもった債務者の破 綻する様子をリアル?に描く。 同じ金融屋の漫画として『なにわ金融道』『ミナミ の帝王』などがあるが、それらと確実に違う点は「リ アルでありそうなエグイ描写」があるという点である。 例えばあることがきっかけで全身に入れ墨をされる、 強制収容所へ連行され人間扱いされず働かされるな ど。このように書くと笑ってしまうようなことも、こ の漫画読んでいると「本当にあるかも、そしてそれは 近く自分の身に降りかかることかもしれない」と思わ されてしまうのである。それに比べたら『ミナミの帝 王』で「アホンダラ」と罵られながらボコボコニされ るシーンなどかわいいものである。 「借りたお金はちゃ んと返す」ということ当たり前のことを再認識させら れる漫画である。 ②おやすみプンプン 鳥?のような姿をした少年プンプンが幼馴染の愛子 ちゃんや家族、友人との関わりの中で成長する姿を描 く。プンプンの独白で基本的に物語は進み、誰もが一 度は経験したであろう悩みや葛藤を非常に巧みに描い ている。 そしてこの漫画で一番特徴的なことは主人公である プンプンとその家族が鳥のような姿をしているという 点である。しかし彼らは宇宙人でもなく周りの人達か らは人として扱われている。これは物語の肝となる部 分であると思うので実際に読んで、みなさんなりに考 えていただきたい。(高元徹) 4 私が好きな雑誌 ↑ 数有る中で気に入っているデザインの表紙 るるぶ 情報版 21 私の旅のおとも旅行情報誌! 『るるぶ』情報版 編集:小川由美子 発行:竹浪 譲 版型AB版 私は旅行に行くのが好きですが同時に 旅行雑誌をペラペラめくるときがすご き好きです。数ある旅行雑誌の中でも 「るるぶ」を選ぶ理由は4つです。 第一に‘店舗の情報量が多い’ことで す。特に飲食店の情報量が他者に比べ て多い気がします。実際「るるぶ」を 見て行ったお店にはずれがないことも 好きな理由の一つです。 第二に、地図が活用しやすいことです。 ドライブ用マップでなく、ピンポイン トの観光地のマップはただ地図だけで なく建物などが立体的に描かれていて とてもわかりやすくて好きです。 どの地に行ってもこれを持ち歩けば大 丈夫です。 第三にデザインです。中や表紙に使用 されている写真がきれいで特に最近の 「るるぶ」は表紙の写真に力を入れて いる気がします。他社の旅行雑誌より も目を引き付けられる表紙のデザイン になっていると思います。また近年「 るるぶ」は10年前くらいのものに比べ 文字の量が減りかわりに図や吹き出し、 キャラクターの挿入んなどの工夫が増 えました。疲れない程度に読める感じ が良いです。ターゲットを私達、若者 世代にしているようにも思います。 第四にその地域の歴史や建造物の解説 がわかりやすくついていることです。 ちょこっとし所に結構詳しく由来など が書いてあるので簡単な歴史の勉強に なります。 何も知識がない状態で行くのと少しの 知識があるのでは大違いです。 ↑ 豊富な食べ物情報 ↑ 建物がり立体的に描かれている地図 ↑ 標準的な紙面 総ページ数:93ページ お城の開設 → 暇があるとつい眺めてしまいます。 (渡辺 遥) 20 私が好きな雑誌 ビッグコミックスピリッツ 「デザインノート ~デザインのメイキングマガジン~」 思考のプロセスを知る 出版社:誠文堂新光社 28.4 × 22cm 約 13 頁 アートディレクターやクリエイターなどの仕事を、 にクリエイターの写真が裁ち落としで使われている場 その制作プロセスを辿りながら、紹介するデザイン雑 合がほとんどだが、その写真が案外素敵だったりもす 誌。以下好きな理由。 る。( 椙元勇季 ) ①豊富なテーマ 毎号一つのテーマに沿って全体の記事が組まれてお り、そこで取り扱われるデザインの分野は多岐にわた る。例えば、広告、グラフィック、映像、WEB、エディ トリアル、タイポグラフィ、などなど。ちなみに個人 的に好きな号トップ 3 は、 <1> No.1「20 人のアートディレクター」、 <2> No.13「アートディレクターが魅せるロゴ&タ イポグラフィ」、 <3> No.21「18 人の女性クリエイター」。 ②比較的購入しやすい値段 同 じ 出 版 社 か ら「 ア イ デ ア 」 と い う 素 敵 な グ ラ フィックアート雑誌が出ているのだが、それは結構高 い (3000 円くらい )。それに比べると、それなりに手 頃な値段 (1600 円くらい。これでも高いけど ) で手に 入るし、内容も充実しており結構読み応えがあるので お気に入り。金欠の自分にとってはデザインの勉強 ( 勉 強といっても、かなり気軽に読める雑誌 ) のための心 強い味方。 ③内容 この雑誌は、制作におけるプロセス、とりわけ「思 考のプロセス」にスポットを当てており、作品の完成 形だけでなく、そこに至るまでの案出しの過程など が細かく紹介されている。プロがどういった考え方で 一つのプロジェクトに取り組んでいるのか、そのメ ソッド的なものを垣間見ることができる。またインタ ビュー記事も多く組まれているため、デザインという 行為や仕事に対する彼ら姿勢とかポリシーみたいなも のも知ることができる。この点が、ただの作品集や DTP 系デザイン雑誌との大きな違いではないかと…。 ④紙面の構成 作品そのものの表現を殺さないように、全体のレイ アウトは比較的シンプルに構成されているため、読み やすく、その点も評価できる。各扉ページは、基本的 6 私が好きな雑誌 イタリアが好き 19 「イタリアが好き」 イタリアファンに送る 発行所:イタリアが好き委員会 発行人:松本浩明 B4 全 51 ページ 「人が好き。旅が好き。出会いが好き。愛することが 好き。楽しいことが好き。」 身近な周りの人や今いる場所を大事にすること。そ ういう当たり前のことを忘れかけた時にほっとさせて くれる1冊ではないだろうか。お勧めです。(原由子) そんな自分の「好き」にまっすぐに、「わくわく」 に素直に生きていけたなら、それはきっと素敵な人生 に違いない。 上記の文句は今回ご紹介するフリーペーパーのボ ディコピーである。陽気に、でもちょっといい加減に、 自分の「好き」なモノ・コト・ヒトを大事に生きてい る「イタリア人」の料理を特集した雑誌である。イタ リアファンが送る、イタリアファンのための雑誌。そ の名も「イタリアが好き」である。 本誌は毎号、イタリアの『ひとつの州の「食」を通 して、そこに住む人々の日常に迫る(本誌 3p)』、年 4回発行のフリーペーパーである。今回提出した写真 は 2011 年 1 月に発行された第 7 号「ピエモンテ特集」 から、抜き出したものだ。(ちなみにピエモンテとは 2006 年の冬季五輪を開催した都市 “ トリノ ” を擁する、 イタリア北部の州である)『「食」を通して』とある通 り、紙面には、肉汁滴る牛ステーキやウサギの肉をつ めたラヴィオリ、ズッキーニがたっぷり入ったパイ等、 美味しそうな料理が並ぶ。ただし普通の料理雑誌と違 うのはレシピが中心ではないということだ。むしろレ シピはほとんど載っていないといっても良い。写真付 きで掲載された 25 品の料理のうち、レシピが添えら れていたのは 5 品程度であった。 オリーブオイルやトマトの分量の代わりに本誌に 載っているのは、そのレシピに関わる「人」の生き方・ 暮らし方である。ピエモンテ号の巻頭特集「ピエモン テーゼの3家族」では、ヴェッリョ家、トレイ家、ト ディスコ家、それぞれのお家の定番のおかずを紹介し つつも、その中で、にぎやかで働き者なマンマの様子 や息子を見守るやさしい両親の姿等、その土地の「人」 の姿が克明に描かれている。(原由子) 18 私が好きな雑誌 デザインノート 「sweet」 徹頭徹尾ファッション誌 発行所 株式会社宝島社 A4 変型版 314 ページ 私がこの雑誌を好む理由は、自分の好きなファッ ションの系統に合致していること、付録として裁縫の しっかりしたかわいいものが手に入ること、内容が分 かりやすいこと、読むとおしゃれな気分になれること、 目標を与えてくれることが挙げられる。 この雑誌は、洋服がおしゃれに見えるように、ペー ジ一枚一枚がおしゃれに仕立てられている。紙面の文 字の多くは英語で書かれていて、多くのフォントが使 われている。モデルの写真もひとつひとつが写真集の ように見応えがある。この雑誌は多くの他の雑誌にあ るような、娯楽のページ(恋愛体験談など)は無く、 一貫してファッションの話題で構成されている。が、 飽きがこない。それはレイアウトの多様さと、写真の 美しさ、ページの見やすさに起因するものだと思う。 また、わりかし大人向けの雑誌だが、メイクの基本 などおしゃれ初級者が聞きたくてもいまさら聞けない ような内容を含んでいるだけではなく、上級者にはあ らたなおしゃれを提案してくれるというように多くの 女性が喜ぶようなコーナーがある。私は正直言って ファッションには疎い人間であるため、毎度毎度あり がたい記事がある。そして、しばしばさらに上級の ファッションを見てチャレンジ精神を喚起させられ る。それが楽しいのである。 さて、この雑誌で扱われている洋服やアクセサリー 類は、学生にとっては高価に感じられるようなものを 掲載されていることが多い。たとえばグッチ、ルイヴィ トンなどのような高級ブランドである。正直言えばと てもじゃないが、一般庶民の私がやすやすと買えるも のではない。だが私はその高級ブランドのアイテムの 写真が並べられているページをじっくりと眺める。な ぜなら、それを見ることで勤労意欲が湧くし、その高 級ブランドを、お金をためて買ってそれが似合うよう な美しい女になりたいということを自然に思わせてく れるからだ。だから、現段階で縁のなさそうな高級ブ ランドを多く載せているところも好きなところかもし れない。(鶴間由衣花) 8 私が好きな雑誌 ブレーン 17 意味のある余白 「ブレーン」 発行:株式会社クレタパブリッシング 判型:A4 ページ数:145 ~ 146 ブレーンの素晴らしいところは、その綺麗さにある と思う。 私の中の雑誌のイメージというのは、とにかく騒が しいものだ。異常といえるほどポップな色を配り、所 狭しと情報が乱立している。それに比べブレーンは白 い余白が多く、他の雑誌と比べるとなんだか閑散とし てさえ見える。もちろん、人によって好みは分かれる が、私はこのブレーンの閑散具合を、すっきりという 言葉でポジティブにとらえている。意味のある空白で あること、意味のある余地であることは明らかである からだ。十分な余地をとることで、文章が読みやすく なる。 また、ブレーンの特性として、写真が非常に多く使 われている。その写真の魅力を際立たせるためにも、 余白は必要であるのだ。また、先ほど記述した通り、 ブレーンは写真が多い。また、ブレーンは広告系の雑 誌というくくりではあるが、広告を作る具体的ノウハ ウなどの記事は無く、発想法などとても感覚的な記事 が多い。 まさに ” 百聞は一見に如かず ” な記事作りだ。クリ エイター向きとでもいうとわかりやすいのかもしれな い。とにかく、ぱらぱらと眺めているだけでも楽しい のである。 この雑誌に載っている広告の企画も楽しいものが多 いが、この雑誌はその広告の楽しさを損なわせること 無く、読者に届けようとしているに違いない。価格は 1200 円とそれなりに高い雑誌ではあるが、紙質もそ れなりの良いものを使っているし、レイアウトも考え 練られて作られているように思える出来で、納得のい く価格だ。ぜひみなさんには一度、本屋で手に取って ぱらぱらと眺めてほしい。毎号の表紙も、いつも良い もので目を引く。表紙を見るだけでこの雑誌の素晴ら しさがわかる。大半を占める、グラフィックを一切邪 魔すること無い、見出しの入れ方にその一片が垣間見 れる。特に今月の5月号の表紙は、私の個人的な感性 にとても響いているもので、zine 作成にて真似てみた いと思っていたりする。(上岡巧) 16 私が好きな雑誌 sweet 9 「OZ Magazine」 おすすめプランで旅案内 発行人 新井俊也 編集人 古川誠 A4 変型判 190 ページ 今回私がおすすめするのは 「OZmagazine」という 観光地やカフェ・雑貨などを紹介する雑誌である。こ の雑誌に出会ったのはちょうど大学受験勉強真っ盛り のとき。塾から帰り、バス待ちの間入ったコンビニで 見つけた。どこにも遊びに行けず勉強ばかりだったが、 これを読んで終わったらここに行きたい、これを食べ たいと妄想…いや想像を膨らませた。地元横浜でも知 らない店や場所ばかりで気がつけば毎晩バスが来るま でのこの時間が私の息抜きとなっていた。では、本題 の魅力についてあげていきたい。 ぜひ探してみてほしい。 時間がない、お金がないときもこの雑誌一冊で一日 遊んだ気分になれること間違いなしである。 ( 斉藤真智子 ) ①写真が多い。 店や食事、雑貨などとにかく写真が沢山載っている ことだ。むしろメインは写真で説明文はサブだともい える。また、この写真がとてもうまく撮られているの である。 ②おすすめプランが書いてある。 ただの説明だけではなく、おすすめプランが紹介さ れている。たとえば「カップルで行きたいカフェ」や「女 子会で行くなら」また「母子でゆっくり」など。誰と どこに行くかわくわくしたり、彼女のために最高の デートをシミュレーションできるだろう。 ③お財布にもやさしい non-no など女性向けファッション雑誌は大体一冊 700 円前後する。豪華な付録がつくと 800 円近くす るときもある。また、かわいいと思う洋服があっても ブランド品だと軽く万単位のものもある。学生にはな かなか遠い存在である。その点 OZ は 500 円ほどで、 「1000 円以下でおいしいランチ」など読者のお財布を 考慮した特集が組まれている。これなら雑誌の中で憧 れたことも実践に移しやすいのではないだろうか。 以上、あまりデザインに特化した紹介はできなかっ たが、一度は読んでみたいと思っていただけたのでは ないか。でも今月号は鎌倉特集だし東京住みの私には ・・・ と思った方も大丈夫。OZ はバックナンバーを注文 することができる。吉祥寺や銀座の特集号もあるので 10 私が好きな雑誌 世界の傑作機 別冊 15 「世界の傑作機 別冊 F-14 トムキャット」 マニアックな魅力が満載 発行者:株式会社文林堂 ページ数:128 ページ 両親の影響で子供の頃から飛行機が好きで、様々な 図鑑を眺めていた。その中でも特に魅力を感じたのは 戦闘機で、特に F-14 であった。合理的でいながら、 第四世代戦闘機(F-22 など)に比べるとまだかろうじ て、機械が機械らしくいられた時代の傑作である。 この雑誌との出会いは中学生の時である。今まで見 てきた航空機関係の書物、雑誌の中で群を抜いて素晴 らしい。そして美しい。 戦闘機の魅力はさておき(というか、それは 800 文 字では到底足りるはずもない)そろそろ本題『何が素 晴らしいのか』に入る事としたい。 いや、少し待とう。何故なら、随分とマニアックと いう声が聞こえてきたからだ。もちろんだがしかし、 殆どの人間はひとつくらい何かマニアックな趣味趣向 を持っているものだろう。それがいいのではないか。 さて、文字稼ぎもこれくらいにして、今度こそ本題 へ向かうとしよう。 雑誌だと思わずにはいられない。 3.コンセプト 現在はすべての部隊から F-14 は退役した。その引 退記念号としての『世界の傑作機別冊』なのである。 最後に少しだけそれを受け継いだ F/A-18 の特集ペー ジがくまれていたのも良い。(小坂達広) 1.各部隊紹介 全 128 ページ中、42 ページから 79 ページの間は、 アメリカ海空軍の F-14 を所有している(していた) 全 28 部隊を、1 部隊見開き 1 ページで、その概略と 写真を使って紹介している。 見開き 1 ページでそれぞれの部隊のストーリーが完 結しているという点と、見開き 1 ページを使ったデザ インと迫力(ページをまたいだ大きな写真が印象的) いう面で、参考写真にあげたものだけでなく、それぞ れのページがとても魅力的である。 2.データ F-14 の詳しい歴史やちょっとした小話(マニアには たまらない)、元搭乗員のインタビューや、詳細な機 体データの記載など、マニアにとってはたまらないコ ンテンツに溢れている。特に設計図をモチーフにした ような F-14A、F-14B、F-14D の 3 機種を比較した図 面のページは何度見ても飽きない。 「F-14 のすべてがここにある!」とまでは思わない が、しかしある種「資料」としての面すらもっている 14 私が好きな雑誌 OZ Magazine 11 饒舌な誌面デザイン 「zipper」 発行社:祥伝社 A4 ワイド 176 ページ Zipper は青文字系雑誌という部類に入ります。青文 字系とは、原宿などで多く見かける個性的で同性受け するファッションのことです。男子ウケより個性を重 視するのが特徴です。 私が好きな雑誌として Zipper を選んだ理由の一つ に、誌面のデザインの可愛さがあります。今まで読ん だファッション誌の中では、Zipper が一番デザインに 凝っていると思います。フォントやちょっとしたイラ ストなどが可愛く、色使いもポップで、モデルやファッ ションなどをとても引き立てています。例えば、他の 雑誌では写真や切り抜きをそのまま並べるところを、 背景を作って柄を付けたり、フォント一つでもデザイ ン性のあるものを使用しています。ファッションの テーマによってデザインもガラリと変わります。今回 Zipper を久しぶりに買いましたが、デザイン面で最初 に思い浮かぶ雑誌は今なお Zipper です。 Zipper を選んだ他の理由は、アパレルショップのマ ネキンとは異なった、モデル自身の個性と感性を大事 にしたファッションです。他のファッション誌のモデ ルにももちろん個性はありますが、Zipper はそれがひ と際強いと思います。そのためモデルによってファッ ションスタイルはほぼ定まっています。ファッション の系統がモデルによって様々なことも魅力の一つで す。A-2 からもわかるように、カジュアル・ガーリー・ フェアリー・ボーイズ・キッズなど、幅広いファッショ ンスタイルが展開されています。 また、モデルだけでなくスナップも個性的なファッ ションで登場します。少し奇抜なファッションも他 では無いスタイルなので、新鮮でおもしろいです。 Zipper を読む意義は、ファッションの参考というより むしろ、ファッションを楽しんでいる人を見て自分で もさらに楽しみたくなるところにあるのではないかと 思います。 12 私が好きな雑誌 zipper 13
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