2014年11月1日発行 - 社会福祉法人 聖母の家

2014年11月1日発行
聖母の家の将来構想の計画試案にとりかかるために
社会福祉法人 聖母の家
理事長 植木 存
聖母の家の誕生の源流は、カトリックの先人たちが昭
和 39 年に現在地を確保したことにはじまります。以来、
約半世紀が過ぎました。一粒の福祉の種が現在地に蒔か
れてから、今日では、①児童期から成人期にわたる二
つの入所施設(障害児入所施設、障害者支援施設)、②
両施設における短期入所及び放課後等デイサービス、日
中一時支援などの在宅系障害福祉サービス、③グループ
ホームによる地域生活支援、④本人と家族を支え関係者
をつなぐ相談支援と多岐にわたる諸事業へと広がってき
ました。
これを機会に、聖母の家の約半世紀の歴史を生活と支
援の両面を関係的に振り返るとともに、聖母の家の今後
は、どのようにあればよいのかを検討・整理していきた
いと考えます。
一つは、利用者が心豊かに幸せに暮らしていけるよう
にするには、現在の暮らしの拠点である施設生活のあり
ようや生活支援がどのようにあればよいのかという振り
返り・気づき・描きを大切にしていきたいということ、
二つには、障害のある人が辿ってきた現在までの歴史を
省みて、これから障害のある人たちが歩む歴史を共に創
造していく方向や手段・方法、支援技術等を実践を通し
て編み出していく職員の共同作業(チームワーク)の営
みを大切にしていきたいこと。この二つの軸を基点とし
検討整理にとりかかっていきたいと考えます。
私たち聖母の家が直面している課題は、(…今井・椎
葉 両施設長の論稿と重なり合いますが)
Ⅰ.障害児入所施設のあり方です。児童福祉法の第
63 条の 2(在所期間の延長の特例)が撤廃される法改
正に伴い、平成 30 年 3 月までの間のみなし有効期間内
に過齢児(児童年齢を超えた人)の移行先を確実に確保
しなければなりません。30 年 4 月に過齢児が在籍すれ
ば、児者混合施設となり、やがては障害者支援施設への
転換を余儀なくされることが予測されます。私たちはこ
の事態を存亡の危機に立つ障害児入所施設と捉えていま
す。障害児入所施設は決して歴史的使命を終えたのでは
なく、三重県における障害福祉政策の根幹をなす圏域に
おける社会的養護・児童期発達支援の拠点です。一法
人・一施設の個別努力だけでは「児童のための児童の施
設への現実化への道」を開くには非常に困難です。障害
児入所施設の存続維持のために、私たち事業者とともに
政策の軸足を定めた三重県のリーダーシップと圏域市町
の取り組みが重要です。とくに今年は正念場にあたる節
目の年です。「みえ障がい者共生社会づくりプラン」=
三重県障害者計画(基本法)+三重県障害福祉計画(支
援法)の第四期計画の策定は平成 26 年度にあたります。
計画対象期間は平成 27 ~ 29 年度です。まさに「30 年
3月問題」をどのように政策化するのかが問われていま
す。障害福祉行政の皆さんとともにこの「30 年3月問題」
を共有し、「児童のための児童の施設への現実化への道」
をめざして努力していく所存です。
Ⅱ.次は、障害者支援施設の改修整備に係る課題です。
当時建設された建物は、今では旧旧基準にランクされ、
大人の人の暮らしの場としては非常に狭く老朽化も進ん
でいます。豊かな暮らしの土台をなす施設空間の改修整
備は大きな課題です。長期在所化や加齢に伴う心身機能
の低下が危惧される中、暮らしの場を拠点として日中活
動の場・余暇社交の場、そして市民的生活様式のありよ
うや多様な市民的生活体験を積み重ねていく心豊かで幸
せな生活をめざして、利用者・保護者のみなさんと連帯
して施設空間整備のありようを検討していく所存です。
Ⅲ.三つ目の課題は、グループホーム等の新しい生活
づくりをめざす資源の創設です。大人の生活づくりとし
ての新しい住まいの場であるグループホームは、当面は、
二つの入所施設(障害児入所施設、障害者支援施設)利
用者の移行先として位置づけられます。
自立生活運動から生まれた「私たちのことを、私たち
抜きに決めないで」(Nothing about us without us !)と
いう当事者の主体性を引き継ぎ、障害は個人ではなく社
会の側にあるという障害の捉え方=「社会モデル」に基
づく障害者の視点から作られた障害者権利条約の基本的
考え方は「権利性」の協調です。まさに「権利性の時代」
に立つ私たちの福祉実践が求められています。
私たちは、障害のある人、ひとり一人の個別の事情・
現実を入所利用という形で引き受けていますが、それは
同時に、利用する人の生命・生活・人生に最も深いとこ
ろで関わりつづける援助実践です。障害のある人が自分
の人生の主人公として、今をよりよく生きることができ
るように寄り添いつつ、障害のある人・家族とともに明
日の希望と夢を語る連帯性が私たちの仕事の基本的な立
ち位置・姿勢であると考えます。
白杖や盲導犬は視覚障害の人の生活の補助具であり、
身体の一部です。身体の不自由な人の補装具や車椅子も
同様です。では、知的障害のある人の補助具といえば、
まず私たち支援者です。補助具である私たちは、人の身
になる心を持つ補助具、人権感覚を磨き合う補助具とし
て「支援は義務」である自覚を共有して、機能しなけれ
ばならないと考えています。
また、他人の助けを必要とする状態であっても自己決
定権や選択権をはじめとする権利が公的・社会的に保障
されるなら、自分の人生の主人公として人格的に自立し
ているという自立観と、自己決定・選択の権利行使の主
体である障害のある人が、社会参加やQOLを高めてい
く手段や方法としてさまざまな支援を要請していると受
け止め、自己決定権とは可能な限り本人の自己決定を引
き出すことを要求する権利であると捉えなおす援助観が
必要です。
しかし、私たちの、障害のある人、ひとり一人の願い
やサインを読み取り、見抜いていく支援技術の力は、ま
だ不十分であることを認めつつ、その人に必要な支援技
術を編み出していく努力を継続的に積み上げていくこと
が、障害のある人から与えられた「支援技術の開発要求」
課題に応えていくことにつながっていくのだと思いま
す。
既存の支援に人を当てはめるのではなく、その人に必
要な支援を編み出していく。これがなければ支援が人か
ら離れてしまうのではないか。支援が作業化してしまう
のではないか。振り返りと気づき、そして障害当事者か
らの学びが何よりも求められています。
グループホームは、これまでの家庭か施設(病院)か
の狭い選択肢から脱して、地域生活の可能性を切り拓い
てきました。そこでの暮らしは、個別性と自由度が高い
と評価されますが、この評価や成果はグループホームに
特化されるものではなく、グループホームが入所施設の
延長線上(ミニ施設)ではないということも踏まえて、
入所施設の豊かな暮らしのありようもまた検討していく
ことが大事な課題です。
障害者支援施設の生活環境の改修整備、グループホー
ム等の資源づくりは、二つの入所施設(障害児入所施設、
障害者支援施設)利用者の次なる大人の暮らしへの移行
の幅を広げていくことにつながります。建物議論や実現
可能性、制度の枠内に縛られることなく、利用者の豊か
な生活や支援のありようについて自由闊達に広く希望を
語り合うことを将来構想や計画づくりの出発点にしたい
と考えます。
支援技術や資金力と、そして制度の行方を注視しなが
ら!
児童福祉補法改正にともなう
障害児入所施設存亡の危機
あゆみ施設長 今井公平
平成 24 年度児童福
祉法が改正されまし
た。第 63 条「在所期
間の延長の特例」(退
所させられることに
よって本人の福祉が
著しく損なわれる場
合 ) の 撤 廃 で す。 第
31 条(在所期間の延
長 ) は そ の ま ま で、
措置延長の行政判断
(児童相談所)で 20 歳までは認められています。
第 63 条の撤廃は、児童福祉法の施行以来、
実に半世紀が経過しています。日本知的障害者
福祉協会も願っていたことです。それは、福祉
施策の歴史の中で、地域資源の創設やサポート
体制を含む成人期以降のステージ(家庭支援も
含む暮らしの基盤)が著しく立ち遅れたために、
政策的に問題の先送りをし、児童施設に転嫁し
てきた歴史だからです。第 63 条の撤廃を契機
として、児童から成人期への移行の暮らしの場
の優遇的な地域資源の創設のための施策が打ち
出され具現化すると期待してのことです。
しかし、第 63 条の撤廃を控えた平成 23 年
度の県による説明は、①「障害児施設として維
持」②「障害者施設への転換」③「障害児施設
と障害者施設の併設」を選択して欲しいという
ものでした。一法人・一施設の選択に一任しよ
うとしました。平成 18 年度から三重県障害福
祉室主導で、三重県下には過去9つ程の障害児
入所施設がありましたが、現在は4つしかない
ことを踏まえて、今後のあり方検討会を有識者
を座長にむかえ、三知協会長も含め、児童相談
所、4障害児入所施設で検討を繰り返し、過齢
児の移行の問題、地域移行推進事業、各施設の
障害者支援施設における現
状の課題と将来の展望
のぞみ施設長 椎葉栄穂
【現状の課題】
障害者支援施設(通
称: の ぞ み 寮 ) は、
昭 和 58 年 4 月 に 40
名定員として開設さ
れ ま し た。 こ れ が 現
在の男子寮の建物で
す。 さ ら に 4 年 後 の
昭 和 62 年 4 月 に は、
定 員 増 の た め に(40
名から 80 名定員へ)
増築したのが、現在の女子寮の建物となります。
また、利用者は現在、男性 42 名(平均年齢 44
歳)
・女性 38 名(平均年齢 45 歳)の 80 名となっ
ています。
のぞみ寮は、開設から今年で 31 年を迎えま
した。当時の制度では、利用者1人あたりの床
面積が 3.3 平米以上(畳2畳分)で設けられま
した。しかし、現在は大きく異なります。平成
15 年の支援費制度で 6.6 平米以上(畳4畳分)
と変更され、さらに平成 18 年の障害者自立支
援法で 9.9 平米以上(畳6畳分)として新たに
設けられました。平成 21 年4月に男子寮を増
築した通称はげみ寮(個室 10 部屋)の1人あ
たりの床面積は 6.6 平米ですが、その他の居室
は全て 3.3 平米の基準の4人部屋が大半となっ
ています。この大きさは、布団やベッドを置く
と空間はほとんどなく大変小さいものです。こ
適正定員等が議論され、平成 20 年には提言が
まとめられました。過齢児(20 歳を迎えても「在
所期間の延長の特例」を根拠に障害児入所施設
にくらしている成人)の移行の問題は、グルー
プホーム等の暮らしの場の優遇的な創設と優先
的な移行が必要であると提言されていてのこと
だったからです。「障害児施設の位置づけは、三
重県としての障害福祉施策の根幹にかかわる重
要なことであるがゆえに、あり方検討会で提言
がまとまられたのではないのですか」という質
問に、
「4施設ともに障害児施設として維持して
欲しい」との回答があったことを思い返します。
第 63 条が撤廃されたことに付随して、見な
し有効期間いわゆる「30 年 3 月問題」がセッ
トされたことが、
「存亡の危機に立つ障害児入所
施設」と捉えています。平成 30 年 3 月の時点
で、
過齢者が残れば①
「障害児施設としての維持」
の選択は消滅し、③「障害児施設と障害者施設
の併設」を経て、やがて②「障害者施設への転
換」となることは明白の事実です。第 63 条の
撤廃の本来の意義とは真逆に、またしても具現
化する施策も打ち出されずに、児童の基準で建
設された環境の中に留めることになってしまい
ます。マイナスの歴史を繰り返してはいけませ
ん。これは障害児に対する権利侵害といっても
過言ではないでしょう。
聖母の家・障害児入所施設においても、平成
12 年度当初は、定員 65 名に対して、90%が過
齢児で、40 歳を超える成人の利用者も暮らして
いました。本来の児童施設としての役割や機能、
専門性とは何かを日々の支援の中で、実感とし
て感じ取れる環境ではありませんでした。聖母
の家法人としても、障害児入所施設本来の機能
の回復と、過齢児の成人施設や地域移行を目的
として、グループホームの増設や、平成 23 年
度にはケアホーム 3 棟の新築、平成 24 年度には、
障害児入所施設の老朽化に伴う耐震化改築工事
での新棟の完成を経て、聖母の家・障害児入所
施設は、現在定員 55 名で、在籍児童は全員隣
接の特別支援学校に通っています。高等部から
専攻科(2 年間課程)に進学をし、2 年間課程
の 2 年生(20 歳)が 6 名在籍しています。保
護者・学校との進路懇談会と実習・施設・児童
相談所・福祉課・相談支援等の関係者進路検討
会・入退所検討委員会を繰り返す中で、暮らし
の場と、日中の作業所等の場を、決めていきま
すが、グループホーム等の暮らしの場の資源は
四日市市をみても、ここ 2、3 年、申請自体は減っ
ていないが、市の予算がないとのことで、認可
されていないことと、一般住宅をグループホー
ムとすることは、消防法の強化等、施設と同等
の基準をクリアしなければならず、現実的には
不可能の実態があります。
障害者支援施設に関しては、どこの施設も待
機登録者が非常に多く、空が出ないのが現実で
す。今年度退所予定の内 3 名は、障害者支援施
設に待機をかけながらも、在宅にトライするこ
とを決断していただいています。一年一年を有
効に、そしてひとり一人の利用者の進路を切り
開いていくことが重要になります。平成 30 年
3 月までには、25 名の進路を切り開いていかな
ければなりません。一法人一施設で抱えこめる
課題でもありません。市町に一任しても市町が
援護の実施責任を果たすことは現実的に困難で
す。市町・圏域での取り組みに県のリーダーシッ
プとバックアップが求められています。平成 26
年度は「みえ障がい者共生社会づくりプラン」
第4期(平成 27 年度~平成 29 年度)の障害福
祉計画が策定される年度です。まさしく、30 年
3 月問題をどのように政策化するかが問われて
います。障害児入所施設の存亡の危機に賛同し
ていただいている議員さんから、県議会と市議
会でも訴えていただいています。
障害児入所施設の役割は終わったのでしょう
か。障害があるないに関わらず人は、18 歳もし
くは 20 歳に人生の節目をむかえて、大人の環
境に巣立っていくことで、成人として大人とし
ての成長をしていくものではないでしょうか。
のか、
という疑問を長年持ち続けています。
また、
れが1点目の課題です。
受け入れる側としても、日々異なるショートス
2点目の課題は、男子寮・女子寮共に2階建
テイ利用者の状態により日課を変更せざるを得
てですが、高齢化による身体的な衰えのために
なくなり、多くの入所利用者に対してご迷惑を
階段昇降ができなくなり、危険を伴うため2階
での生活が困難になる方が増えてきています。 おかけする場面もあります。つまり、支援員と
しても「支援のし辛さ」を感じるところです。
エレベーターがないため、その場合は当然1階
の居室に変更となりますが、1階の居室も限ら
れていますので、ショートステイ(短期入所) 【将来の展望】
障害者支援施設(のぞみ寮)は、当然のこと
の方が利用する居室を使用していくか、4人部
ながら「暮らしの場」です。利用者の平均在所
屋を5人部屋として使用するしか手立てがあり
年数は、男子が 24 年、女子が 22 年と大変長い
ません。
です。長い間この環境で慣れているから「良い」
そして、3点目がショートステイの受け入れ
のではなく、少しでも「より良い暮らし」「豊か
課題です。現状としては、男子寮・女子寮共に
な暮らし」を目指していくのが私たち支援員の
1日最大4名ずつ(定員の1割である8名)の
務めです。そのためには、前述した3点を改善
受け入れで予約調整をしており、月平均すると
していくことが喫緊の課題であると考えます。
男子寮では 13 名~ 18 名、女子寮では8名~
どのような形であれ、42 名・38 名という大き
11 名の方が利用されています。このように、地
な集団生活ではなく、その中でも小集団化でき
域の方のニーズは非常に高いものとなっていま
る「暮らしの場」を検討していきたいです。そ
す。利用日数は、1泊から7泊の間で利用され
のためには現在より多くの職員が必要となって
る方がほとんどですが、様々な理由で自宅に帰
きますが、利用者の暮らしがより豊かな暮らし
れず、定員に空きがなく施設にも入所できない
方を数年間受け入れているケースもあります。 になるということは、同時に職員も支援がしや
すい環境になるということにも繋がり、どちら
課題としては、多くの方が入所されている場所
にとってもプラスになると感じます。
に時々宿泊をするということ、個室がなく4人
私たち支援員(職員)が抱える課題の多くは、
部屋(同部屋)であるということ等で、慣れる
建物(ハード面)や人員(ソフト面)、制度等に
のに大変時間がかかります。これは、私たち障
よりすぐに改善できないことが多いですが、1
害がない者にとっても同様だと思います。慣れ
日でも早く1人でも多くの方の暮らしが豊かに
ないために、不安定につながることも多く、職
なるよう今後も精一杯努めていきたいと思いま
員を増やしたりマンツーマン対応をすることが
す。
あります。ショートステイという制度は必要だ
と感じていますが、果たして利用する方にとっ
て障害者支援施設が適切な場所(環境)である
共同生活支援事業所らいふ(グループホーム)の紹介
グループホームの支援内容
共同生活支援事業 「わかば」「つばさ」「さくら」「さくらんぼ」「あすか」「大地」「大空」「虹」
グループホーム(以下 GH)の支援は『障
可能な範囲で実現できるように努め、支援はわかりやすく、その人
害のある人が地域で共同して自立した日
のペースや理解に合わせるように気をつけています。生活していく
常生活や社会生活をおくる事ができるよ
上で時に社会のルールを踏み外してしまう事もありますが、地域生
うに、家事等身の回りのお手伝いや、社
活を継続できるように一緒に困り、これからを一緒に考えています。
会における困りごと等の相談を受け、苦
基本的には「できる部分は自分でする」を大切にしています。苦手なところ、不十分なところを支援(促し、確認、介助)します。
食事
金銭の代行管理
各GHには世話人や支援員が毎日入り、台所で食事を作り提供しています。
家賃等の必要経費の支払い、年金の受給などの代行管理をし、3 ヶ月に 1 度
世話人と支援員の配置を国は定めていますが、利用する側からす
基本的には朝、夕の提供になります。また、食事は必要に応じて刻んだりペー
本人や後見人にお知らせしています。
手な部分をお手伝いするサービス』とし、
れば同じ「身近な人」です。当事業所としてはそれほど業務の区別
スト状にするなど人に合わせた提供をし、必要な方には介助をしています。
一棟あたりの人数は 2 人から 10 人まで
はしていません。この他、管理者と支援をマネージメントするサー
で、一般住宅と同じような地域にあるこ
ビス管理責任者を配置しています。支援は必要な時間に合わせてい
となどの要件があります。聖母の家では
ます。[図 3]
賃貸の一軒家 GH が 5 軒、建設した法人
児童入所施設の子ども、成人入所施設の方、地域にお住まいの方、
所有の GH が 3 軒、合計 8 軒を運営しています。賃貸型の GH は[図
多くの方の期待が寄せられるサービスではありますが、賃貸型のG
1]にあるように、四日市市内に点在しており、車で支援しています。
Hは消防基準法や建築基準法等の関係で基準に見合った内容で事業
法人所有のGHは事業所のある敷地に隣接しています。
を運営する事が難しく、新たに建設するには資金面の難しさがあり
GH のサービスは、
「住む」事を主な対象としています。ですので、
ます。また現在の報酬単価では、運営も決して楽なものではありま
朝と夜の支援と土日の支援が主になります。日中は「働く」事が困
せん。そのような課題も含め、四日市圏域(四日市市、菰野町、川
難な人は、就労に向けた訓練等をする「福祉就労(就労継続 B 型や
越町、朝日町)の自立支援協議会の生活支援部会に参加しながら、
就労継続 A 型)」や、生活支援や軽作業等広く提供できる「生活介護」
同じようにGHを運営する事業所や関係機関、市町と一緒に考えて
という別の事業所のサービスを利用しています。[図 2]
いけるよう努めています。
支援の上では、利用しているみなさんの意思をなるべく汲み取り、
【図 1】事業所と各 GH までの移動時間
わかば
らいふ所長 清水正義
掃除や片付けなど
外出、余暇
自分でしていただきますが、しばらく確認しないととんでもない事になって
要望を聞いて、月に 2 回ほど他の希望者を募って実施しています(カラオケ、
いる場合もあります。進んで台所やお風呂の掃除をしてくれる人もいます。
ぶどう狩り、動物園等)。また、年に 2 回旅行に行ったり、忘年会や誕生会
などもしています。買い物も自分で行けない人は付き添いをし、支払いのお
【図 2】働く(日中活動)と住む(生活)のイメージ
手伝いもします。シティーロードレースなど市民として行事、障害者団体の
レクリエーションにも参加しています。
さくらんぼ
【日中活動の場】
あすか
【生活の場】
つばさ
10 分
20 分
5分
15 分
事業所
一般就労、福祉就労
10 分
3分
さくら
おふろ
グループホーム
みなさん毎日入りますが、促しや確認をしないと入らない人もいます。
体調不良や旅行等の休みの希望を出したり、困りごとの調整などもしていま
【一般就労】
食品関係、高齢者施設のリネン関係、養鶏所などで働い
ています。長い人だと 20 年勤めています。
大地
職場との連携
通院
一人で行く人もいますが、基本的に付き添いをしています。症状や状態を本
す。自分で通えない人は送迎もしています。場合によっては退職の手続き、
再就職の為にハローワークを通じた活動も支援します。
人に代わりに伝えたり、医者からの内容を聞き、その後の支援に反映させて
【福祉就労】
います。
その人に合わせた内容で、一般就労を目指した訓練等を
行う就労継続 A 型(最低賃金を保証する雇用契約あり)、
おおぞら
虹
就労継続 B 型(工賃の支払い)、生活介護(日中の身の
薬の代行管理
回りの介護を含む、軽作業や余暇活動の提供)があります。
処方された薬を看護師と協力して日付を入れるなどして管理し、のみ忘れの
ないように服薬時に渡すようにしています。
【図 3】世話人、支援員の勤務態勢
時間
生活場面
6:00
7:00
8:00
9:00
起床
朝食
出勤
10:00
16:00
帰宅
17:00
18:00
19:00
夕食
お風呂
21:00
0:00
困りごとや悩みごとの相談
職場、ホームの仲間、恋愛、様々な事を聞いて、対応できることはしています。
勤務
【早番】朝の支援から通院等
【遅番】昼から夜の支援まで
【両方】朝と夕の支援を分けて
【夜勤】夕方から翌朝まで
【日勤】土日の余暇支援
事務的な代行
年金、医療費等、行政諸手続きを代行し、結果をお知らせしています。
【年齢】
20 代… ……… 1 名
40 代… ……… 4 名
50 代… ……… 2 名
定員 7 名
【就労先】
一般就労…… 5 名
生活介護…… 1 名
求職活動中… 1 名
【年齢】
30 代… ……… 1 名
40 代… ……… 3 名
50 代… ……… 3 名
定員 7 名
【就労先】
一般就労…… 3 名
就労継続 A 型…… 1 名
就労継続 B 型…… 2 名
生活介護…… 1 名
【年齢】
20 代… ……… 2 名
40 代… ……… 4 名
50 代… ……… 1 名
定員 7 名
【障害支援区分】
区分 2………… 1 名
区分 3………… 1 名
【年齢】
20 代… ……… 2 名
定員 5 名
【就労先】
就労継続 A 型…… 1 名
就労継続 B 型…… 1 名
生活介護…… 2 名
求職活動中… 1 名
【障害支援区分】
区分 4………… 3 名
区分 5………… 3 名
区分 6………… 1 名
【年齢】
40 代… ……… 5 名
50 代… ……… 2 名
【就労先】
就労移行…… 1 名
生活介護…… 6 名
定員 7 名
【障害支援区分】
区分 3………… 1 名
区分 4………… 4 名
区分 5………… 2 名
【年齢】
30 代… ……… 1 名
40 代… ……… 3 名
50 代… ……… 3 名
【就労先】
就労継続 A 型…… 1 名
生活介護…… 6 名
定員 7 名
【障害支援区分】
区分 4………… 3 名
区分 6………… 4 名
虹
さくらんぼ
定員 2 名
【就労先】
一般就労…… 1 名
就労継続 A 型…… 2 名
就労継続 B 型…… 4 名
【年齢】
30 代… ……… 1 名
40 代… ……… 2 名
50 代… ……… 2 名
大空
さくら
【障害支援区分】
区分 2………… 1 名
区分 3………… 3 名
区分 4………… 2 名
区分 5………… 1 名
【障害支援区分】
区分 3………… 3 名
区分 4………… 1 名
区分 5………… 1 名
大地
つばさ
【障害支援区分】
区分 2………… 1 名
区分 3………… 3 名
区分 4………… 3 名
あすか
わかば
【障害支援区分】
非該当……… 2 名
区分 2………… 2 名
区分 3………… 1 名
区分 4………… 1 名
【年齢】
50 代… ……… 5 名
60 代… ……… 1 名
70 代… ……… 1 名
【就労先】
一般就労…… 1 名
生活介護…… 1 名
【就労先】
生活介護…… 7 名
定員 7 名
聖母の家まつり
平成 26 年 10 月 19 日(日)
聖母の家まつりは、「地域の皆様と
聖母の家が一体になり、誰もが楽し
める祭りになれば」という想いを込
めて企画しています。そこで今年度
の聖母の家まつりは、地域の皆様に
「聖母の家」をもっと身近に感じてい
ただけたらという願いから広報を出
しました。そのためか多くの方にご
来場いただき、楽しさいっぱいで開
催する事ができました。この祭りが
「心のバリアフリーへの架け橋」とな
れば幸いです。
最後になりましたが、地域の皆様、
ご出演、ご出店、その他ご協力して
くださいました皆様に心より御礼申
し上げます。
聖母の家地域交流委員
破裏拳ミキサーズ様
佐藤酒店様
さくらカフェ様
縫製班
ネクスト様
笹川おやじ倶楽部様
福祉の店様
三重県警察様
ご協力を頂きました皆さまに 、心より御礼申し上げます。
聖母 の家
朗読を楽しむ会あゆみの会様
日印食品開発様
サイレントブラスアンサンブル様
すみれ様
笹川地区協議会あそびの学校様
さくらの樹・さくら会
MARCIA 様
JAF 様
聖母の家学園 PTA 販売促進部様
ポント デ エンコントロ様
鈴鹿音神太鼓様
社会福祉法人わかたけ様
聖母の家生活介護事業所
夢ピエロ様
ご寄付・ご支援ありがとうございました
サンディスク株式会社様
四日市シルバー人材センター様
(株)フォークローバーダスキンはぎ様
株式会社キング観光 サウザンド生桑店様
モリエール様
古川ゆり子様
シャトレーゼ笹川店様
聖母の家の福祉をつくる会様
四日市浴場組合様
さくらの樹保護者会様
四日市飲料旅組合様
聖母の家保護者会様
笹川おやじ倶楽部様
平成 27 年度 正規職員採用について
聖母の家では正規職員の募集を随時行っています。障害
者福祉へ就職をお考えの方、ぜひ聖母の家で働いてみませ
また、非正規職員の募集も随時行っております。
【お問い合せ】
んか?待遇等の詳しい事はHPに載っておりますので、ご
社会福祉法人 聖母の家 TEL..059-321-2855 覧ください。
担当:事務局長 木村
http://www.seibonoie.com
お願い
施設では利用者の生活に必要な物が不足しがちです。各ご家庭で不要になったソファ、学習机、自転車、CD ラジカセな
どがありましたらご連絡ください。取りにお伺いさせて頂きます。
聖母の家の福祉をつくる会(後援会)にご入会ください
利用者の生活環境整備・施設の改修整備・グルーフプホー
ムの資源づくりに等の基金にご協力ください。
【年会費】
一般会員 1 口 3,000 円
私たち聖母の家の事業を後援する『聖母の家の福祉をつ
くる会』にご入会いただき、ご支援を賜りたく存じます。
どうか宜しくお願い申しあげます。
賛助会員 1 口 10,000 円
【郵便振込】
口座名 聖母の家の福祉をつくる会 00850-2-103808
連絡先 聖母の家事務局 TEL.059-321-2855
地域との交流
3月 16 日にあずま太鼓さんが来ていただいて、和太鼓の演奏をして頂きました。太鼓の迫力のある演奏に皆さん感動さ
れていました。演奏後には太鼓に触れ合う機会もあり、皆さん大喜びで太鼓を叩いて音を奏でていました。
社会福祉法人 聖母の家
さくらの樹
公共交通機関のご案内
近鉄四日市駅下車
三重交通バス「笹川テニス場行き」
「聖母の家前」下車徒歩 5 分
障害児入所施設「あゆみ」
障害者支援施設「のぞみ」
共同生活支援事業「わかば」、「つばさ」、「さくら」
「さくらんぼ」、「あすか」、「大地」、「大空」、「虹」
地域生活支援センター
相談支援事業「陽だまり」、「希」
〒 510-0961 三重県四日市市波木町 398-1
法人事務局代表 / TEL.059-321-2855 FAX.059-321-2859
地域生活支援事業所 / TEL.059-320-1939 FAX.059-335-3041
ホームページ / http://www.seibonoie.com
E-mail / [email protected]
ミルクロード
聖母の家
笹川ジャブ
笹川クリニック
南部丘陵公園
県立総合医療センター
追分
至津
近鉄内部線
日永5南
松泉町
1
23
至 名古屋
編集後記
み ら い も 20 号 に な り ま し た。
20 号という事で「みらい」1
号から再度読み直してみまし
た。1号が 2002 年に発行され
たので、12 年間で変わった事
もありますが、利用者の方の事
を伝えよう、という気持ちは変
わっていません。今後も「みら
い」が利用者の方の事、聖母の
家の事を分かりやすく伝えてい
けれるものになれば、と思って
います。
発行担当 聖母の家 広報委員会