よくあるご質問 (日経平均高配当株 50 指数について) 株式会社 日本経済新聞社 ( 2017 年 1 月 10 日 版 ) QA-HDY-J-20170110 日 経 平 均 高 配 当 株 50 指 数 《指数について》 ■ 高配当利回り銘柄を選んで指数にするのはどういう効果があるのですか? 配当利回りの高い銘柄への投資は、取得コスト=株価に比べて投資家が受け取る配当額が大 きいことを意味しますから、①投資効率が良い、②業績がしっかりしていれば相対的に割安株 に投資しているという見方ができます。こうした銘柄を選別し集めることで、指数としての分 散効果を通じて、高配当利回り銘柄への投資戦略の効果がより安定的に得られることが期待で きます。 ■なぜ日経平均銘柄を対象としたのですか?その他銘柄選定の特徴は? 市場全体の中から単に「配当利回りが高い」という視点だけで銘柄を選定することもできま すが、長期の株式投資のベンチマークとしての利用、あるいは連動運用金融商品への投資を想 定 し た 場 合 、売 買 流 動 性 、市 場 代 表 性 な ど さ ま ざ ま な 観 点 か ら 銘 柄 を 吟 味 す る 必 要 が あ り ま す 。 ご 承 知 の と お り 日 経 平 均 株 価 は 日 本 市 場 を 代 表 す る 225 銘 柄 か ら な る 株 価 指 数 で す 。市 場 流 動性やセクターのバランスなど市場を代表するにふさわしい銘柄としての選定プロセスを経て いますから、いわば事前に適格な銘柄をフィルタリングしてあるといえます。また、多くの投 資家の目に触れており、いわば開示に対する姿勢や内容がしっかりしていると考えられる銘柄 の中から選ぶという点で、長期投資のモノサシとしての資質も備えています。 日 経 平 均 高 配 当 株 50 指 数 は「 日 経 平 均 構 成 銘 柄 の 中 か ら 高 配 当 利 回 り の 50 銘 柄 を 選 ぶ 」と い う 基 本 コ ン セ プ ト に 加 え て 、 銘 柄 選 び の う え で は 、「 直 近 3 期 連 続 最 終 赤 字 の 銘 柄 は 採 用 し な い 」、「 各 月 末 時 点 で 見 て 無 配 予 想 に 変 更 さ れ た 銘 柄 は 除 外 す る 」 な ど 、 こ の 指 数 の 構 成 銘 柄 としてふさわしいかどうかも選定条件に加えています。 日経平均構成銘柄の市場代表性を土台に、こうした形でさらにきめ細かく銘柄選びをするプ ロセスを組み込んだことにより、市場全体から高流動性と高配当利回りという両面を兼ね備え た銘柄を選んだ結果とほぼ同じ効果が得られることを確認しています。 ■ な ぜ 50 銘 柄 と し た の で す か ? 日 経 平 均 株 価 を 構 成 す る 225 銘 柄 の 中 で 、配 当 利 回 り 上 位 100 銘 柄 は 日 経 平 均 構 成 銘 柄 の 平 均 値 よ り 配 当 利 回 り が 高 い 銘 柄 と 考 え ら れ ま す 。 さ ら に 225 銘 柄 の 約 4 分 の 1 に 相 当 す る 50 銘 柄 に 絞 り 込 む こ と で 配 当 利 回 り を 高 め ま し た 。50 銘 柄 よ り 少 な く す る と 指 数 に お け る 1 銘 柄 当たりの構成比率(ウエート)が高くなり特定の銘柄の減配や株価急落などの影響をより受け や す く な り ま す 。 リ ス ク の 分 散 効 果 が 低 く な り ア ン バ ラ ン ス に な り か ね な い こ と か ら 50 銘 柄 としました。 ■ こ の 指 数 の 計 算 方 法 と し て 、価 格 平 均 方 式 や 時 価 総 額 ウ エ ー ト 方 式 を 採 用 せ ず 、配 当 利 回 り をウエートとした理由は?またこの指数の配当利回りウエート方式とは? Copyright © Nikkei Inc. All rights reserved. 2 株 式 市 場 の 動 向 を 映 す 指 数 と し て は 、日 経 平 均 株 価 の よ う な 価 格 平 均 方 式 や 、TOPIX の よ う な 時 価 総 額 加 重 平 均 方 式 の 指 数 が 一 般 的 で す 。 た だ 日 経 平 均 高 配 当 株 50 指 数 は 、 高 配 当 銘 柄 の 投 資 効 果 を よ り 鮮 明 に 映 す こ と を 目 的 と し た 指 数 で す か ら ( 後 掲 、「 ス マ ー ト ベ ー タ 型 指 数 」 参 照 )、そ の 効 果 を 高 め る た め に は「 配 当 利 回 り の 大 き さ 」そ の も の を 銘 柄 ご と の ウ エ ー ト に す ることが合理的です。ただ連動運用を意識した場合、日経平均構成銘柄であっても、市場流動 性( 売 買 の し や す さ )に は 差 が あ り 、こ の 点 を 加 味 す る こ と も 重 要 で あ る と の 判 断 か ら 、 「配当 利回り」そのものではなく、直近 1 年間の売買代金の大きさも加味したウエート(配当利回り が高くても、市場流動性が(日経平均銘柄の中で)相対的に低い場合は、指数への組み込み度 合いを下げる)を採用しました。 ■ 予想配当利回りはどのような予想値を使っていますか。その数値を見ることができますか。 日経の記者予想値を用いています。予想配当利回りの値は、日経新聞朝刊・証券 1 面「クロ ー ズ ア ッ プ 日 経 平 均 株 価 」( 火 曜 日 か ら 土 曜 日 付 、 証 券 営 業 日 の 翌 日 の 朝 刊 ) に 掲 載 し て お り 、 日経平均構成銘柄の予想配当利回りを一覧できます。日経新聞・電子版で各銘柄の予想配当利 回りを見ることもできます。 ■ ス マ ー ト ベ ー タ 型 と の 解 説 が あ り ま し た が 、ス マ ー ト ベ ー タ 型 と は ど ん な 指 数 で し ょ う か ? 最近注目を集め、 「 賢 い 指 数 」と も い わ れ る「 ス マ ー ト ベ ー タ 」型 の 指 数 に つ い て は 、そ の 呼 び名を含めてさまざまな議論があります。専門用語を使って言うと、これまでの指数が主に市 場 全 体 の 値 動 き を 映 す『 マ ー ケ ッ ト ベ ー タ 』に 反 応 し た の に 対 し 、そ の 他 の 要 因( フ ァ ク タ ー ) に反応する指数がスマートベータと言うことになります。よりかみ砕いて言えば、①銘柄の選 定プロセスで、単に売買代金などの市場での売買状況だけを尺度として銘柄を選定しない、② 指数の計算方法として主流である(浮動株考慮済みを含む)発行済み株式数でウエート付けし た時価総額方式の算出ではない、といった従来型の指数とは異なるものをスマートベータ指数 と い う こ と が 多 い よ う で す 。 日 経 が JPX( 日 本 取 引 所 グ ル ー プ ) と 共 同 開 発 ・ 運 営 す る 「 JPX 日 経 イ ン デ ッ ク ス 400」も 自 己 資 本 利 益 率( ROE)を 選 定 尺 度 の 一 つ に 用 い て い る と こ と か ら 、 スマートベータ型に分類されることもあります。 日 経 平 均 高 配 当 株 50 指 数 は 、 ① 配 当 利 回 り の 大 き さ で 銘 柄 を 選 定 、 ② 配 当 利 回 り に 市 場 流 動性を加味したウエートを使って指数を算出、という点で、スマートベータ型指数の要件を満 たしているといえます。 《銘柄選定について》 ■ 定 期 入 れ 替 え ル ー ル に よ れ ば 銘 柄 が 一 度 に た く さ ん 入 れ 替 わ る 可 能 性 が あ り ま す が 、指 数 の 連続性や銘柄入れ替えのインパクトなどに問題が生じることはないですか? 本指数は高配当利回り銘柄で構成される指数として期待される効果を維持するために、時価 総額方式など、マーケットを表す指数と比べ、多くの銘柄が入れ替わる傾向があります。この ため、一度にインパクトが大きくなりすぎないよう工夫をしています。具体的には、定期入れ 替 え ル ー ル に お い て 、既 採 用 銘 柄 が 配 当 利 回 り の 上 位 100 位 ま で に 入 っ て い る 場 合 は 、非 採 用 銘柄よりも優先的に採用し、入れ替えの銘柄数を抑制する措置(バッファールール)を取り入 Copyright © Nikkei Inc. All rights reserved. 3 れています。 ■ 50 銘 柄 を 選 ぶ の に 対 し て 、 既 採 用 銘 柄 が 優 先 さ れ る 100 位 と い う 位 置 は 高 配 当 利 回 り 銘 柄 という領域にいると考えられるのでしょうか? 過 去 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン で は 、日 経 平 均 構 成 銘 柄 の 中 で 100 番 目 に 予 想 配 当 利 回 り が 高 い 銘 柄 の 利 回 り は 日 経 平 均 構 成 銘 柄 の 利 回 り 平 均 値 を 安 定 的 に 上 回 っ て い ま し た 。そ の た め 100 位 までにとどまっていれば、その銘柄を高配当利回り銘柄として採用し続けても指数としての特 徴は維持できるものと判断しました。 ■ 株 価 が 著 し く 下 落 し た 場 合 は 採 用 し な い と あ り ま す が 、ど の よ う な 場 合 を 想 定 し て い る の で しょうか? 具体的な数値基準は設定していませんが、例えば、不祥事など社会的影響の大きいニュース は、企業業績に大きなマイナスの影響を与えるとの思惑からその企業の株価はすぐに大きく下 落することがあります。ただ、配当予想は、減配や無配などの形で直ちに変更されない場合が あり、株価だけが急落した場合には、結果的に予想配当利回りが急激に高くなることがありま す。そのような場合などを想定しています。 ■ 過 去 の 遡 及 算 出 は 、指 数 公 表 開 始 後 に 実 施 さ れ る 定 期 銘 柄 選 定 に 用 い る よ う な「 バ ッ フ ァ ー ルール」を設けず、別方法によると書かれていますが、過去も、指数公表開始後のような銘 柄選定ルールによった場合、どのぐらいの銘柄入れ替えが生じるかの試算は実施しました か? 過去の遡及算出は既採用銘柄を優先的に採用する「バッファールール」を用いていません。 そ の た め 、「 バ ッ フ ァ ー ル ー ル 」 を 適 用 し た 場 合 に 比 べ て 毎 年 平 均 し て 9 銘 柄 程 度 、 入 れ 替 え 銘柄数が多くなっています。 ■ 配 当 利 回 り ウ エ ー ト 方 式 の 場 合 、先 回 り や 連 動 運 用 の 買 い 自 体 が 利 回 り を 下 げ て し ま う 可 能 性はありませんか? 連動運用の資産規模によります。時価総額ウエート方式に比べれば影響がでやすいと考えら れ ま す が 、本 指 数 で は 直 近 1 年 間 の 売 買 代 金 の 相 対 的 な 大 き さ を 指 標 化 し た 流 動 性 係 数 を 加 味 することによって、単に配当利回りの多寡だけをウエートとした方法に比べて、その影響を抑 える工夫をしています。 《データその他について》 ■ 日経平均・配当指数という指数がありますが、なにが違いますか。 日 経 平 均 高 配 当 株 50 指 数 は 日 経 平 均 構 成 銘 柄 の う ち 配 当 利 回 り が 高 い 50 銘 柄 を 保 有 し て い た場合の株式投資収益を表します。したがってこの指数自体は高配当利回り銘柄への投資戦略 を映す株価指数であるとともに、高配当利回り株の一面でもある割安株の株価動向を知ること Copyright © Nikkei Inc. All rights reserved. 4 もできます。 一 方 、日 経 平 均・配 当 指 数 は 日 経 平 均 株 価 を 構 成 す る 225 銘 柄 の す べ て を 1 年 間 保 有 し て い た 場 合 に も ら え る 一 株 配 当 の 額( 日 経 平 均 の 算 式 で 換 算 )を 示 す 年 単 位 の 指 数 で す 。日 経 平 均 ・ 配当指数の最終値を年ごとに比較することで、日経平均全体で配当が増えたか減ったかの傾向 を知ることができます。 ■ 高配当利回り株の指数といいますが、指数としての予想配当利回りはどのくらいですか。 2017 年 1 月 10 日 時 点 で は 3.05%と 、東 証 1 部 加 重 平 均 1.91%に 比 べ 、1 ポ イ ン ト 以 上 高 い 水準となっています。 ■ 日経平均株価と配当利回りや指数の値動きを比較したいのですが、データはありますか? 日経平均株価については、本サイト「日経平均プロフィル」の「アーカイブ」や同指数の専 用 ペ ー ジ な ど で 調 べ る こ と が で き ま す 。 一 方 、 日 経 平 均 高 配 当 株 50 指 数 に つ い て は 、 同 指 数 の専用ページに関連するデータが掲載されます(配当利回りは今後掲載予定)ので、両ページ から取得した数値を比較して分析することができます。 日経平均株価のアーカイブページ http://indexes.nikkei.co.jp/nkave/archives/summary 日経平均株価の専用ページ http://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/profile?idx=nk225 日 経 平 均 高 配 当 株 50 指 数 の 専 用 ペ ー ジ http://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/profile?idx=nk225hdy ■ その他に質問があるときはどうしたらよいですか 本サイト「日経平均プロフィル」のページ下部の「お問い合わせ」にあるメールアドレスま でお問い合わせください。お問い合わせに対しては、極力、早期のご返答に努めますが、状況 により多少の日数をいただくことがありますことをご了承ください。 Copyright © Nikkei Inc. 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