親子支援プログラム - さいたま市教育委員会

親子支援プログラム
∼ 親子のコミュニケーションを深めます ∼
さいたま市教育委員会
親子支援プログラムについて
∼親子のコミュニケーションを深めます∼
Ⅰ
趣旨
社会の急激な変化に伴い、不登校、いじめ、暴力行為など生徒指導に
関わる問題が多様化、複雑化しています。これらの問題の背景として、
人間関係の希薄さが指摘されています。
そうした中、本市では子どもたちに、人と接する際に必要な姿勢・態
度、感情のコントロールの仕方など、疑似体験等を通して学ぶ「人間関
係プログラム」の授業を市立全小・中学校(小学校3年生から中学校1
年生)で実施しております。
さらに、子どもたちが、学校で学んだ人間関係を構築するスキルを、
日頃の家庭生活の中で活用するためには、家庭における親子のふれあい
やコミュニケーションを増やすことが重要であると考えています。
しかし、親子のふれあいが希薄な家庭もあり、子どもの接し方がわか
らない、親が子どもとの人間関係をうまく構築できないと悩むケースも
見られます。
そこで、親が積極的に子どもとかかわり、子どもとのコミュニケーシ
ョンを深めていくためのスキル(技術)が習得できるプログラムを提供
するものです。
Ⅱ
目的
親が子どもと接する際の、子どもの気持ちの受けとめ方や子どもの視
点に立ったとるべき態度、子どものやる気に応じた言葉のかけ方など、
子どもとの人間関係を適切に構築する能力を高め、子どもとのコミュニ
ケーションを深めるためのスキル(技術)の習得を目指します。
Ⅲ
プログラムの構成
1 ウォーミングアップ・エクササイズ
<エクササイズ>
(1)雰囲気づくり
「誕生日チェーン」、「聖徳太子ゲーム」、
「探偵ごっこ」
(2)自己開示・信頼体験
「肩もみエンカウンター」
、
「サイコロトーキング」
「トラストウォーク(1)
」
、「トラストウォーク(2)」
「四つの窓」、
「無人島SOS」
2 メイン・エクササイズ
<スキルの習得>
(1)子どもの気持ちの受けとめ方
①
話を聴く態度
「他己紹介」、「相手が元気の出る話の聴き方」
、
「明確化」
② 子どもへの同調・共感
「子どもからのメッセージ」、「見知らぬわが子」
「心象スケッチ」
、
「子どもの長所の棚卸」
(2)子どもとのかかわり方
① スキンシップ
「背中合わせの会話」
、
「自由歩行・握手」
、
「人と人とのぬくもり」
② 交流分析
「エゴグラム」
③ 子どもへの声かけ方
「ふわふわ言葉とチクチク言葉」
「ディスカウントとストローク」
④ 叱り方・ほめ方
「叱り方・ほめ方」
⑤ 親子での活動
「親子での活動をとおしての理解」
(3)家庭での対応
「親子の対話の基本」
Ⅳ
プログラムの展開例
活 動
内
容
留意点
ウォーミングアップ
<エクササイズ>
*保護者と契約を結ぶ
(1)雰囲気づくり
○秘密を守る
「誕生日チェーン」、「聖徳太子ゲーム」
○指示に従う
「探偵ごっこ」
○自己開示を行う
(2)自己開示・信頼体験
▲振り返り
「肩もみエンカウンター」
参加した保護者が、自分の思いを自由に
「サイコロトーキング」
言え、自己開示・自己表現しても受け入
「トラストウォーク(1)」
れられる集団づくりを目指したエクサ
「トラストウォーク(2)」
サイズを行います。
「四つの窓」
「無人島SOS」
<スキルの習得>
(1)子どもの気持ちの受けとめ方
①
メ
イ
ン
話を聴く態度
・傾聴スキル
「他己紹介」
▲振り返り
「相手が元気の出る話の聴き方」
親が子どもの気持ちになって考
「明確化」
え、子どもの気持ちを理解したり、
② 子どもへの同調・共感
子どものよさを再発見します。
「子どもからのメッセージ」
「見知らぬわが子」
「心象スケッチ」
・同調スキル
「子どもの長所の棚卸」
▲振り返り
子どもとの
(2)子どもとのかかわり方
接し方を振
① スキンシップ
*スキンシップで身体に
り返り、子ど
「背中合わせの会話」
触れるため、同性同士の
もへの理解
「自由歩行・握手」
組合せが望ましい
を深めつつ、
「人と人とのぬくもり」
▲振り返り
子どもへの
② 交流分析
*エゴグラム
対応を考え
「エゴグラム」
*場面設定
えます。
③ 子どもへの声かけ方
*ロールプレイング
「ふわふわ言葉とチクチク言葉」
▲振り返り
「ディスカウントとストローク」
④ 叱り方・ほめ方
*叱り方・ほめ方のポイ
⑤ 親子での活動
ント
「親子での活動をとおしての理解」
(2) 家庭での対応
① 親子の対話の基本
プログラム実施上の留意点
○
参加者が安心できる雰囲気をつくります。
安心でき、受け入れられていると感じる雰囲気づくりを心
がけます。受け入れられ認められる中で、自分自身を見つめ
直すことができます。自分を見つめ直すことができたとき、
「参加してよかった」と感じるからです。
○
つながるためのウォーミングアップを行います。
参加者は、お互い知らない場合がほとんどです。したがっ
て、最初は、緊張をほぐしたり、参加者同士が打ちとけ合う
ための活動(ウォーミングアップ)から始めます。
○
参加者と契約を結びます。
「この場での話については秘密を守ること」
、
「体験講座の
時間は指導者の指示に従うこと」
、
「意見、考えを素直に率直
に話すこと」の三つの契約を結びます。
○
参加者の構成によってエクササイズを選択します。
構成的グループエンカウンターでは、参加者の年齢や男女
比、リレーションの深まり等に応じて、エクササイズを選択
します。
○
エクササイズのやり方、留意点を簡潔明瞭に参加者へ示しま
す。
○
エクササイズの終了後、
「わかちあい」を行います。
「どんな気持ちがしましたか」「どんなことに気付きまし
たか」と参加者に質問します。その際、その発言を受容・支
持し、自己主張、自己開示、自己表現する大切さ、楽しさを
参加者に体験してもらうことが重要です。
○
講師も時と場合により、エクササイズに参加し、参加者に自
己開示の範を示します。
○
その他、参加者の実情に応じて、プログラムの構成を変える
よう配慮します。
活動パターン(例)
パタ
活動内容
ーン
ウ ォ ― ミ ン 雰囲気づくり
グアップ 自己開示・信頼体験
1
メイン
10
肩もみエンカウンター
10
子どもからのメッセージ
子どもとのかかわり方
「子どもへの声のかけ方」
ディスカウントとストロー
30
ク
20
2
3
聖徳太子ゲーム
15
子どもの気持ちの受けとめ方
「子どもへの同調・共感」
子どもの長所の棚卸
20
子どもとのかかわり方
「交流分析」
エゴグラム
10
子どもとのかかわり方
「子どもへの声のかけ方」
ディスカウントとストロー
30
ク
家庭での対応
親子の対話の基本
15
誕生日チェーン
10
聖徳太子ゲーム
15
人と人とのぬくもり
15
子どもとのかかわり方
「スキンシップ」
ウ ォ ― ミ ン 雰囲気づくり
グアップ 自己開示・信頼体験
メイン
探偵ごっこ
子どもの気持ちの受けとめ方
「子どもへの同調・共感」
親子での活動
4
間(分)
相手が元気の出る話の聴き
25
方
ウォ―ミン
雰囲気づくり
グアップ
メイン
所要時
子どもの気持ちの受けとめ方
「話を聴く態度」
ウォ―ミン
雰囲気づくり
グアップ
メイン
エクササイズ名
「親子での活動をとおしての理
解」
40
誕生日チェーン
10
トラストウォーク
10
子どもの気持ちの受けとめ方
「話を聴く態度」
他己紹介
15
子どもの気持ちの受けとめ方
「子どもへの同調・共感」
子どもからメッセージ
20
子どもとのかかわり方
「スキンシップ」
背中合わせの会話
10
子どもとのかかわり方
「子どもへの声のかけ方」
ふわふわ言葉とチクチク言
20
葉
叱り方・ほめ方
叱り方・ほめ方
20