2012年1月

フランス学術情報(平成 24 年 1 月分)
平成 24 年 1 月 13 日
ストラスブール研究連絡センター
●「第 10 回 Irène Joliot-Curie 賞表彰」
2011 年 12 月 20 日、フランス高等教育研究大臣 Laurent Wauquiez 氏と EADS (European
Aeronautic Defence and Space Company : 欧州航空宇宙防衛会社) Executive CEO の Louis
Gallois 氏は、第 10 回 Irène Joliot-Curie 賞を 3 名の優れた女性研究者に授与した。
-「2011 年女性研究者」賞:Dr. Anne-Marie Lagrage(CNRS 主任研究員、グルノーブル・ジョセ
フ・フーリエ大学、宇宙物理学)
-「女性若手研究者」賞:Prof. Laure Saint-Raymond(パリ・ピエール・マリー・キュリー大学、エコ
ール・ノルマール・シュペリエール教授、応用数学)
-「女性企業家」賞:Dr. Pascale Vicat-Blanc (リヨン・Lyatiss CEO、高速ネットワーク、グリッドコン
ピューティング)
Irène Joliot-Curie 賞は、フランス高等教育研究省がフランスにおける女性研究者の科学技術へ
の貢献を奨励する目的で 2001 年に創設し、2004 年以来毎年 EADS の協力を経て、優れた女性研
究者の表彰を行っているものである。
参考資料
・フランス高等教育・研究省 HP(2011 年 12 月 20 日)
http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid58826/remise-des-prix-irene-joliot-curie-2011.ht
ml
●「卓越した研究設備”Equipements d’excellence”の採択について」
2011 年 12 月 20 日、フランス高等教育研究大臣 Laurent Wauquiez 氏と投資委員会委員長 René
Ricol 氏は、高機能の研究設備を購入・維持する資金を支援する” Equipements d’excellence”の第
二回募集分について 270 件の応募のうち 36 件の採択(採択率 13%)を発表した。本プロジェクトは
1 件につき、100 万から 2,000 万ユーロの中規模な研究設備を支援する。
本選考は、カナダ Hydro-Québec 研究所長の Prof. Phillippe Le Prestre が委員長を務め、国際審
査会によって行われた。2020 年までに 2 億 1030 万ユーロが支給される。選抜された 36 プロジェク
トの内容は、コンピューター・数学 6%、人文・社会科学 14%、地学・生態・環境 17%、物質・エネル
ギー39%、生命・健康 25%となっている。
第一回及び第二回で採択された研究室のフランス全土における分布は図のとおりである。これ
によって、採択されたプロジェクトの研究室は各分野における最先端の研究装置を購入でき、世界
レベルでの研究を実現するための第一歩となろう。
第一回 第二回 分野
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物質・エネルギー
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生命・健康
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地学・生態・環境
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コンピューター・数学
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人文・社会科学
参考資料
・ フランス高等教育・研究省 HP(2011 年 12 月 20 日)
http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid58837/210-3-millions-d-euros-pour-les-36-laureat
s-de-la-deuxieme-vague-de-l-appel-a-projets-equipex.html
・DNA 紙(2011 年 12 月 20 日) 「L’heure des étrennes」
●「医師不足解消のための医学部生増加」
フランス労働・雇用・厚生大臣 Xavier Bertrand 氏、高等教育研究大臣 Laurent Wauquiez 氏、労
働・雇用・厚生大臣付特命担当大臣 Nora Berra 氏は、2011 年 12 月 8 日、医師不足解消のために、
大学医学部の第 2 学年への進級者数を増加させることを決定したと述べた。
まず、医学部生の数は 2001 年には 4,300 名だったところ、2011 年には 7,400 名となった。加えて、
医学部第 2 学年、第 3 学年への他学部専門課程からの移行者数が 300 名から 500 名に増加した。
これにより将来の医師数が増加し、より地域間、分野間でバランスのとれた医師の配属が可能とな
る。しかし、 関係者からは医師数の増加によって医学教育の質が低下するのではないかという懸
念の声もある。
医療の質を向上させるため、5 ヶ年計画で次のようなイニシアティブがとられている。
-医学部生を指導する監督者の増加:2010 年 11 月時点で 3,500 名だったところ、2011 年 11 月
には 5,300 名、2012 年には 7,000 名とする。
-複合領域のメディカルセンターを支援するプログラムの設置。
-奨学金の増加。
-特に医師の足りない分野において、退職した医師が今後も働けるような仕組みづくり。
-書類作成作業の軽減。
参考資料
・フランス高等教育・研究省 HP(2011 年 12 月 8 日)
http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid58690/augmentation-du-numerus-clausus-pour-le
s-etudiants-en-medecine.html
●「外国人学生のフランス国内での就職」
2011 年 5 月 31 日にフランス内務・海外県・海外領土・地方自治体・移民大臣 Claude Guéant 氏、
労働・雇用・厚生大臣 Xavier Bertrand 氏が発表した移民政策に関する通達によって、フランス国内
で資格を取った外国人学生のその後の滞在が非常に厳しいものとなった。そのため、フランスの国
立大学、グランゼコール、・エンジニアリングスクールそれぞれの学長協会は、同大臣らと会談し、
同通達の改正を求めてきた。また、産業界からも同様の意見が出されていた。
2012 年 1 月 12 日、Guéant 大臣、Bertrand 大臣及びフランス高等教育研究大臣 Laurent Wauquiez
氏は、少なくとも修士課程を修了し、専門スキルを持った外国人学生のフランス国内での就職が可
能となるよう新たな通達を出した。各県庁に対しても、こうした外国人学生に対する滞在許可証等
の更新について配慮するよう求めた。
参考資料
・フランス高等教育・研究省 HP(2012 年 1 月 12 日)
http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid59024/circulaire-relative-a-l-acces-des-etudiants-e
trangers-au-marche-du-travail-francais.html
・Le nouvel Observateur HP(2012 年 1 月 12 日)
http://tempsreel.nouvelobs.com/etudiants-etrangers-chasses/20120112.OBS8633/etudiants-etrangersla-nouvelle-circulaire-sur-le-point-d-etre-adoptee.html
・France 24 HP (2011 月 12 月 22 日)
http://www.france24.com/fr/20111222-medef-circulaire-gueant-immigration-etudiant-etranger-diplo
me-embauche-entreprise-competitivite-critique
・内務・海外県・海外領土・地方自治体・移民省通達(2011 年 5 月 31 日)
“Maitre de l’immigration professionnelle“
・Le Monde 紙(2012 年 1 月 5 日)
“Claude Guéant présente une circulaire atténuée sur les étudiants étrangers“
・DNA 紙(2012 年 1 月 12 日)
“Circulaire Guéant sur les étudiants étrangers: Les modifications demandées sont « raisonnables » “