フランス学術情報(平成 23 年 8 月分) 平成 23 年 8 月 8 日 ストラスブール研究連絡センター ●「l’Institut international de l’énergie nucléaire (I2EN)の設立」 2011 年 6 月 27 日、フランス高等教育・研究大臣 Valèrie Pècresse 氏(当時)と経済・財務・産業大 臣付産業・エネルギー・デジタル経財大臣 Eric Besson 氏は、議員や地方政府代表者、高等教育 機関関係者、産業界代表者同席の下、サクレーのフランス原子力庁での l’Institut international de l’énergie nucléaire (I2EN)の開所式に参加した。 I2EN は、2010 年 3 月 8 日、サルコジ大統領が民間原子力エネルギーへのアクセスに関する国 際会議でその構想を発表したことに基づいて設立された。その目的は、フランスが原子力エネルギ ー分野において、国際的に開かれたトレーニングを英語で行うことにある。具体的には、10 年間で 1 万 3,000 人のエンジニア、1 万人の上級技術者を養成し、2010 年から 2011 年には、原子力工学、 原子力学、エネルギーの 3 分野で 1,014 人の学生(うち外国人学生 183 人)が受講することになっ ている。 すでに、2008 年以降、英語による 3 つの修士課程、原子力エネルギー修士課程(パリ第 11 大学、 パリテク、シュペレック、エコール・ソントラル・パリ、原子力科学技術学院(INSTN))、原子力エネル ギー・マテリアルサイエンス修士課程(グルノーブル国立理工科学院に設置されたエコール・フェル マ)、ナント鉱山学校における原子力修士課程が開始されている。 参考資料 ・ フランス高等教育・研究省 HP(2011 年 6 月 27 日) http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid56698/biographie-de-laurent-wauquiez.html ・Le Monde 紙「Vendre la technologie française in english」(2011 年 6 月 15 日) ●「エコテク 2011」 エコロジー・持続可能開発・運輸・住宅大臣 Nathalie Kosciusko-Morizet 氏、高等教育・研究大 臣 Laurent Wauquiez 氏、経済・財務・産業大臣付産業・エネルギー・デジタル経済大臣 Eric Besson 氏は、2011 年 7 月 20 日、環境テクノロジーに関する 23 の研究・開発プロジェクトを選出したと発表 した。選ばれたプロジェクトは、特に各地域の空気、水、土壌、廃棄物等の汚染の予防と測定、対 策の分野を対象としている。 エコテク 2011 は、環境産業をより盛んにするために、経済・財務・産業省、環境・エネルギー管理 庁(AMEME)、中小企業庁(OSEO)によりプロジェクトの募集が行われ、4,240 万ユーロが支給され る予定である。 また、フランス国立研究機構(ANR)でも同様の企画がほぼ同時に行われており、12 プロジェクト に対し合計 1,100 万ユーロが支給される。 参考資料 ・ フランス高等教育・研究省 HP(2011 年 7 月 27 日) http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid56915/annonce-des-resultats-de-l-appel-a-projetseco-industries-ecotech-2011.html ●「第一回 Opération Campus(大学施設改善施策)委員会の開催」 フランス高等教育・研究大臣 Laurent Wauquiez 氏は、2011 年 7 月 19 日、第一回「Opération Campus」(大学施設改善施策)委員会を開いた。参加したパリ地域以外の 9 大学学長は、2008 年 に開始された同プロジェクトの進行状況の報告及び今後の施設改善計画の発表を行った。参加し た 9 大学は、エクス・マルセイユ大学、ボルドー大学、グルノーブル大学、リール地域の大学、ロレ ーヌ地域の大学、リヨン地域の大学、モンペリエ地域の大学、ストラスブール大学、トゥールーズ大 学である。2012 年初頭までに 35 の改修工事の開始が予定されているが、これまでに例えば次のよ うな施設改善が行われた。 -エクス・マルセイユ大学の大学宿舎建設 -モンペリエの4つの大学宿舎の改築 -ボルドー大学の託児所建設 -ストラスブール大学の緑のキャンパス作り -リヨン地域における大学スポーツ施設の改善 120 プロジェクトに対し、20 億ユーロが 2012 年の初め に支給される予定である。本プロジェクトは、ハーバード 大学、ケンブリッジ大学、ハイデルベルグ大学と競える ような 21 世紀の大学キャンパス作りを行い、学生、教職 員や研究者に最も良い環境を提供することを目的とし ている。 参考資料 ・DNA 紙「Opération Campus: Les avancées du projet strasbourgeois」(2011 年 7 月 20 日) ・フランス高等教育・研究省 HP(2011 年 7 月 19 日) http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid56908/premier-comite-de-pilotage-de-l-operationcampus.html http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid56910/discours-d-introduction-comite-de-pilotage -de-l-operation-campus.html ・フランス高等教育・研究省 HP(2011 年 7 月 12 日) http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid56024/l-operation-campus-plan-exceptionnel-en-f aveur-de-l-immobilier-universitaire.html ●「第 12 回フランス競争力拠点(クラスター)プロジェクトの選考結果」 フランス国防・退役軍人大臣 Gérard Longuet 氏、エコロジー・持続可能開発・運輸・住宅大臣 Nathalie Kosciusko-Morizet 氏、経済・財務・産業大臣 François Baroin 氏、労働・雇用・厚生大臣 Xavier Bertrand 氏、農業・食料・漁業・農村地域・国土整備大臣 Bruno Le Maire 氏、高等教育・研 究大臣 Laurent Wauquiez 氏、経済・財務・産業大臣付産業・エネルギー・デジタル経済大臣 Eric Besson 氏は、2011 年 8 月 2 日、第 12 回フランス競争力拠点(クラスター)プロジェクトについて、132 件の申請のうち、55 クラスターから提案された 79 プロジェクトを選出し、合計 7,300 万ユーロを支給 すると発表した。 今回提案されたプロジェクトの具体的な例として、以下のものが挙げられる。 -航空産業:航空機の客席を快適にするための新しい設備の開発 -エネルギー:太陽光電池生産の基本装置の開発 -マテリアル:自動車産業のための触媒生産プロセス -生活関連:アルコールを使わない新しい香水の開発 -農業:穀物をサイロで貯蔵する際の昆虫に対する保護 -環境:カルスト地形の増水の監視及び管理システム -健康:経頭蓋磁気刺激法へのロボットシステム開発 競争力拠点(クラスター)は、同一地域の企業、研究機関、大学が一体となり、共同研究を行うこ とで、雇用・イノベーションを促進し、企業の活動力を増進することを目的としている。さらに、フラン スの世界における経済競争力を高め、世界の企業にとって魅力ある国を目指す。 参考資料 ・フランス高等教育・研究省 HP(2011 年 8 月 2 日) http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid57133/poles-de-competitivite-resultats-du-12e-ap pel-a-projets.html ・フランス競争力拠点(クラスター)HP http://competitivite.gouv.fr/politique-des-poles-471.html
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