参考資料(PDF:304KB)

(資料1)
新型インフルエンザに関する基礎知識
1. 新型インフルエンザとは
本来、ヒトには感染しないはずの鳥インフルエンザウイルスが人に感染して増殖する
タイプに変化を起こし、その後、ヒトからヒトに感染できるようになったものをいいま
す。これは新しいタイプのウイルスのため、免疫を持っている人は今のところ存在して
いません。また、流行シーズンも冬季に限ったものではないといわれています。そのう
え、予防接種のワクチンは新型インフルエンザウイルスが確認されないと製造すること
ができません。
そのため、新型インフルエンザであることが判明した時点で、世界的規模の感染の広
がり(パンデミック)が予想され、世界中で警戒されています。
平成21年4月にメキシコや米国等で確認された新しい豚インフルエンザ(H1N1)
については、感染症法第6条第7号に規定する新型インフルエンザ等感染症に位置づけ、
感染の拡大を防止する様々な対応が国際的な連携のもとに開始しました。この新型イン
フルエンザは、その遺伝子が豚インフルエンザのものに似ていることから、確認当初は
豚インフルエンザと呼ばれました。その後の研究で、今回のインフルエンザウイルスが
豚インフルエンザウイルスの遺伝子のほかに、鳥インフルエンザウイルス及びヒトイン
フルエンザウイルスの遺伝子も持つことが確認されています。
2. 新型インフルエンザの予防
新型インフルエンザが出現した場合でも、通常のインフルエンザと同様の予防策が重
要になります。
外出後の手洗い、マスクの着用、新型インフルエンザ流行地へ出向くことを控える、
人混みや繁華街への外出を控えることに加え、日頃の生活の中で十分な休養とバランス
のよい食事をとって体力・免疫力を高めておくことが必要です。
さらに、新型インフルエンザが国内で発生した場合には、感染の機会を減らすために、
手洗いを励行し、不要不急の外出や集会を避けるなどの予防策を実施していただくこと
になります。
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3. 新型インフルエンザの症状
新型インフルエンザの症状の程度については、現在の段階では予測が困難ですが、高
病原性鳥インフルエンザの症状として東南アジアなどでの発症例では、発熱、咳などの
ヒトの一般的なインフルエンザ症状と同様の症状に加え、下痢を認めた例もありました。
また、致死率が60%以上ときわめて高く、肺炎が主な死因となっています。
ちなみに平成21年4月発生の新型インフルエンザの症状は、突然の高熱、咳、咽頭
痛、倦怠感に加えて、鼻汁・鼻閉、頭痛等であり季節性インフルエンザと類似している
といわれています。ただし、季節性インフルエンザに比べて、下痢や嘔吐が多い可能性
が指摘されています。
また、7日以内に新型インフルエンザが蔓延している国又は地域に滞在もしくは旅行
をした、感染者と2メートル以内に接近した等の情報は診断の参考になります。
症状等から新型インフルエンザに感染していると医師が疑う場合は、詳細な遺伝子検
査(PCR)等を行うことにより、確定診断をすることが可能です。
≪ヒトの一般的なインフルエンザ症状≫
38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身の症状に加え、咳、のどの痛
みなどのカゼ症状がみられることがあります。また、気管支炎、肺炎、小児では中
耳炎、熱性けいれんを併発するという重症化もインフルエンザの特徴です。
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(資料2)
食料品や生活用品の備蓄
新型インフルエンザが発生した場合には、感染を避けるために、極力自宅で過ごしま
しょう。また、物資の流通が停滞することが想定されますので、新型インフルエンザの
発生前から食料品や生活用品の備蓄、医薬品やインフルエンザ対策物品等を準備してお
くことをお奨めします。
以下に準備をしておくものを紹介します。乳幼児・病気療養者・介護が必要な方がい
る家庭では、以下に紹介した以外にも必要なものをご準備ください。
なお、水道水は通常どおり供給します。
1. 食料品の例
長期保存可能なものを、2週間分をめどに備蓄しておきましょう。また、賞味期限の
チェックも忘れないでください。
米、乾麺類(うどん、そば、そうめん等)、切り餅
コーンフレーク・シリアル類、乾パン
常温保存のレトルト・フリーズドライ食品
各種調味料
冷凍食品(家庭での保存温度・停電に注意)
インスタントラーメン、即席めん、缶詰、菓子類
ペットボトルや缶入りの飲料、スポーツドリンク
乳児用調整粉乳、離乳食
2. 日用品・医療品の例
生活用品、自宅で応急処置ができるもの、常備薬等を準備しておきましょう。継続し
て治療薬を使用している方については、主治医にご相談ください。
また、強い解熱剤(例:ボルタレン、ポンタール及びこれらと同様の成分の入ってい
るもの)は、インフルエンザ脳症の予後を悪化させるので、必ずかかりつけの医師・薬
剤師に相談してから用いてください。
台所・浴槽洗剤、洗濯用洗剤、石けん、シャンプー、リンス
トイレットペーパー、ティッシュペーパー、保湿ティッシュ
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生理用品(女性用)、紙おむつ
ペットフード
ビニール袋(大・中・小)
マスク(不繊布製マスク)、体温計、ゴム手袋、水枕・氷枕
漂白剤(次亜塩素酸)、消毒用アルコール、ペーパータオル
常備薬(胃腸薬、痛み止め、ビタミン剤等)、処方薬(治療薬)
絆創膏、ガーゼ、コットン、湿布薬
カセットコンロ、カセットガスボンベ
懐中電灯、乾電池、ラジオ
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(資料3)
関連ホームページ
≪国・埼玉県の情報≫
■世界保健機関(WHO)
トップページ
http://www.who.int/en/
インフルエンザ関連
鳥インフルエンザ関連
http://www.who.int/csr/disease/influenza/en/
http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/
■内閣官房ホームページ(新型インフルエンザ対策)
http://www.cas.go.jp/jp/influenza/index.html
■厚生労働省ホームページ(新型インフルエンザ対策関連情報)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
■国立感染症研究所感染症情報センター(高病原性鳥インフルエンザ関連情報)
http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html
■厚生労働省検疫所ホームページ
http://www.forth.go.jp/
■埼玉県ホームページ(新型インフルエンザ関連情報)
http://www.pref.saitama.lg.jp/site/newinflu/
≪所沢市の情報≫
■所沢市ホームページ
http://www.city.tokorozawa.saitama.jp/
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(資料4)
医療機関のかかり方
急な発熱と咳やのどの痛みなどの症状がある
ふつうの風邪なのか、季節性インフルエンザなの
か、新型インフルエンザなのかわからない状態
かかりつけ医に電話で
かかりつけ医がいない場合は
問い合わせ、受診に
ついての指示を受ける。
埼玉県所沢保健所、所沢市保健センター、消
防本部医療機関案内に受診先の相談
かかりつけ医・一般医療機関に必ず マスクを着用 して受診
症状の程度や基礎疾患等の状態により、医師から指示を受ける。
自宅療養
入院療養
【受診の注意】
‹ 糖尿病等の代謝性疾患の方、呼吸器(肺・気管支等)や腎臓の慢性疾患を持って
いる方、人工透析を受けている方、妊娠中の方は、あらかじめ、主治医に相談し
てから、受診してください。
‹ 新型インフルエンザ流行時には、極力外出を避ける必要があるため、熱がなく、
一般的な風邪症状のみであれば、受診をせずに、自宅療養することが感染予防に
なります。
‹ 感染拡大の状況により、重症・軽症の別なく自宅療養になることも考えられます。
(「家庭での看病の仕方」参照)
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(資料5)
家庭での看病のしかた
家族に感染の可能性があった場合でも、感染が広がっている状況では自宅療養になる
ことがあります。自宅で看病をする方法についてだけでなく、看病する人が感染しない
ように予防することも重要になります。
1.二次感染(他の家族への感染)の予防
家庭内の感染拡大を防ぐことが大切です。看病のために体調を崩して抵抗力が低下す
ることも防がなくてはなりませんので、感染者だけでなく、看病をする家族自身の健康
管理(栄養・休養)も忘れてはなりません。
○
手洗い、うがい等の実施
・手洗い・うがいを頻繁に行ない、コップ、タオルは共用しない。
○
マスク、ビニール(ゴム)手袋の着用
・看病をする際にマスク・使い捨て手袋を着用する。
・マスク・手袋の外側部分には触れないようにして捨てる。(マスク、手袋は
使用のたびに捨てること=ビニール袋に入れて不燃ごみ)
○
看病をする家族の健康管理
・栄養(食事)・・・バランスのとれた食事を一日三食しっかり摂る。
・休養(睡眠)・・・まとまった睡眠をとることができない場合は、昼寝等の
仮眠をする。
・看病をする家族の健康観察(感染の可能性を含む)には、十分留意する。
2.看病のしかた
可能であれば、患者の部屋と家族が過ごす部屋を別にする。看病は特定の方が行い、
他の家族はできるだけ患者の部屋に入らないようにする。また、患者はトイレ等以外に
は、むやみに部屋を出ないようにする。
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(1) 部屋の環境整備
○
季節や天気によるが、1時間に数回の換気をする。
○
窓を開ける際には、外に人がいないことを確認する。
○
湿度60%程度が望ましい。乾燥している場合は、加湿器の使用、ぬれたバス
タオルを部屋に干す。
(2) 看護
①
熱があるとき
○
クスリ以外でも氷枕(アイスノン等)で熱を下げる効果がある。
・当てるところ・・・額、首、わきの下、足の付け根
○
②
解熱時に多量の発汗が見られることが多いため、パジャマの着替えをさせる。
咳が続いているとき
○
患者にマスクを着用させ、飛沫を防ぐ。
○
楽な姿勢を取らせる。
・仰向けでなく、横向きの姿勢で、胸を両手で押さえる。
・座った姿勢で座布団を前かがみに抱える。
○
③
飲み物や食べ物は、咳がおさまったことを確認してから食べさせる。
クスリの服用のしかた
○
病院でもらったクスリや日頃から飲んでいる治療薬の飲み方は、医師の指示に
従う。
○
④
市販のクスリを購入するときは、年齢、症状を伝え、薬剤師に相談する。
全身状態の観察
○
体温測定
・最低でも1日3回は測定し、記録する。
○
尿・便の状態の観察
・排尿回数が減り、尿の色が濃くなってきたら水分不足(脱水状態を見極める
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ことができる。)
・下痢がある場合は、何日間続いていたかを記録する。
○
症状のチェック
・頭痛、関節痛、腹痛、息苦しさ、咳等の状態を見る。
・意識の状態を見る。
・飛び降りなどの異常行動を防ぐために、行動観察をする。
○
クスリによると思われる症状に注意する。
・発疹等のアレルギー症状
顔・全身・口の中等を観察し、異常症状を見逃さない。
・次のような症状が認められるときは、すぐに医療機関を受診する。
≪受診が必要となる症状≫
小児
大人
・ 呼吸が速い、息苦しそうにしている
・ 呼吸困難また息切れがある
・ 顔色が悪い(土気色、青白いなど)
・ 胸の痛みが続いている
・ 嘔吐や下痢が続いている
・ 嘔吐や下痢が続いている
・ 落ち着きが無い、遊ばない、反応が ・ 3日以上、発熱が続いている
鈍い
・ 症状が長引いていて悪化してきた
・ 症状が長引いていて悪化してきた
⑤
食事・飲み物の摂らせ方
○
食べ物
・消化の良いもの(おかゆ、スープ、よく煮たうどん)
・少しずつ様子を見ながら与える。
・無理強いはしない。
○
飲み物
・脱水症状を防ぐために、1日1.5~2リットルを目標に水分補給をする。
・スポーツ飲料、水、お茶をいつも飲めるように枕元に用意しておく。
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(3) 消毒、排泄物の処理
○
感染者が触れた所(トイレを含む)はすべて消毒する。
・市販の塩素系漂白剤(ハイター等)を300倍に薄めてドアノブ等を拭く。
○
鼻汁、痰などの排泄物は直接触れないようにティッシュで拭き取り、ビニール
袋に入れてしっかり封をして廃棄する。=可燃ごみ
○
汚物の着いた衣類、シーツは、漂白剤で消毒してから洗濯をする。
(4) その他
○
インフルエンザ症状が出てから5~7日間で他者への感染の危険性がなくな
るといわれています。
≪自宅療養期間の目安≫
・ 発熱、咳、のどの痛み、鼻水・鼻づ
まりなどの症状が続いている場合
・ 発症後5日以内に症状がなくなっ
た場合
できるだけ外出をしない。
症状が始まった日から7日目ま
で、または熱が下がった日から2
日間はできるだけ自宅で療養す
る。
・ 発症後、6日以上症状が続く場合
熱が下がった日から2日間は、で
きるだけ自宅療養する。
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(資料6)
所沢市新型インフルエンザ対策検討会議設置要綱
(設置)
第1条
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第
114号)第6条第7項に規定する新型インフルエンザ等感染症の発生に備え、市民の
安全と安心を確保することを目的として、新型インフルエンザ対策を協議するため、
所沢市新型インフルエンザ対策検討会議(以下「検討会議」という)を設置する。
(所掌事務)
第2条
検討会議は、次に掲げる事項について協議するものとする。
(1)新型インフルエンザ対策行動計画に関すること。
(2)その他新型インフルエンザ対策に必要な事項に関すること。
(組織)
第3条
検討会議は、委員10人以内で組織し、次に掲げる者のうちから市長が委嘱又
は任命する。
(1)知識経験を有する者
(2)関係行政機関の職員
(3)市の職員
(4)その他市長が必要と認める者
(任期)
第4条
委員の任期は、委嘱又は任命の日から第2条に規定する事項について必要な審
議を終了する日までとする。
(委員長及び副委員長)
第5条
検討会議に、委員長及び副委員長各1人を置き、委員長にあっては委員の互選
により、副委員長にあっては委員長の指名により、これを定める。
2
委員長は、会務を総理する。
3
副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるとき、又は欠けたときは、その
職務を代理する。
(会議)
第6条
検討会議は、委員長が招集し、これを主宰する。
(関係者の出席)
第7条
委員長は、必要があると認めるときは、委員以外の出席を求め、説明又は意見
を聴くことができる。
(庶務)
第8条
検討会議の庶務は、保健センター成人保健課において処理する。
(その他)
第9条
この要綱に定めるもののほか、検討会議に必要な事項は、委員長が別に定める。
附
則
この要綱は、平成21年5月1日から施行する。
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(第3条関係)
所沢市新型インフルエンザ対策検討会議委員名簿
役職名及び所属名
氏
名
社団法人 所沢市医師会 会長
吉川
哲夫
防衛医科大学校 内科学2教授
厚生労働省 新型インフルエンザ専門家会議委員
川名
明彦
埼玉県 所沢保健所 医幹
庄野
禎二
所沢市 自治連合会 副会長
宮田
一晴
所沢市 消防本部 救急課長
荒幡
憲作
所沢市 市民医療センター 総務課長
桑原
茂
所沢市 市民医療センター 看護科長
合田
潤子
所沢市 総合政策部危機管理課 主幹
新井
徹也
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