手羽先で学ぶ 骨と筋肉と恐竜のヒミツ

手羽先で学ぶ
骨と筋肉と恐竜のヒミツ
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愛媛県立医療技術大学 佐川 輝高
●どんな観察・工作なの ?
恐竜の子孫であるニワトリの手羽先を使って、骨と筋肉の観察、骨格標本の工作をします。また、出来
上がった骨格標本を見ながら鳥や恐竜と人間の手をくらべてみます。
●観察・工作のしかたとコツ
⑴ 筋肉繊維の観察……手や足が動くのは骨にくっついた筋肉が伸びたり縮んだりしているからです。
では、筋肉はどのような姿をしているのでしょうか?生物顕微鏡で観察してみましょう。筋肉は見え
やすいように0.1%メチレンブルー水溶液で染色してあります。倍率40xで筋肉の繊維、そして倍率
を400xに上げるとその中に縞模様が見えます。
⑵関節の観察……骨と骨との継ぎ目を関節といいます。ここが ちょうつがい の役目をしているので、
筋肉の動きにあわせて、手や足を曲げたり伸ばしたりすることができるのです。関節のようすはレン
トゲンを使わないと見ることが難しいですが、ここでは、ちょっと工夫をした手羽先と赤外線をつ
かって観察をしてみます。
⑶ 骨の中の観察……1本1本の骨の中はどうなってい
ると思いますか?切断している骨が用意してありま
す。ルーペで切り口や骨の表面を観察してみてくだ
さい。
⑷ 骨格標本の工作……1人1組ずつ手羽先骨格標本
の組み立てセットを用意しています。こちらの指示
にしたがって、間違えないように組み立ててくださ
い。今回は時間が無いので、台紙にセロハンテー
写真:赤外線でみた関節
プで骨を貼り付けてもらいますが、おうちに帰って
から、接着剤をつかって立体骨格標本として組み立てなおすこともできます。
⑸ 恐竜のヒミツ……ちょっとした骨の違いで、鳥や恐竜と人間の手の動きや活動が違うものになっ
ているといわれています。さて、どこに違いがあるでしょうか?作った標本を見ながら想像してみま
しょう。
●気をつけよう
顕微鏡で観察する際、プレパラートの縁で手を切らないように気をつけてください。セロハンテープカ
ッター台を使うときは、手を切らないように、あわてずに作業してください。
●もっとくわしく知るために
・盛口満著「フライドチキンの恐竜学」p.24 p.62、p.96 p.106 ソフトバンククリエイティブ(2008年)
・岩藤英司著「大人のワクワク実験 インドア編」p.75 p.84 小学館 (2011年)
・真鍋真監修「恐竜の世界へ。ここまでわかた!恐竜研究の最前線」p.29 p.33 阪急コミュニケーシ
ョンズ
青少年のための科学の祭典 2012 全国大会
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