アジア通貨の現状と見通し - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
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<臨時レポート>
アジア通貨の現状と見通し
多くのアジア新興国で通貨や株価が下落しています。こうした動きが加速したのは、米連邦準備制度理
事会(FRB)のバーナンキ議長が金融緩和の縮小に言及した 5 月下旬以降のことです(図表 1)
。緩和縮
小が始まると、米金利の上昇に伴い新興国から米国へ投資資金が戻っていくことが想定されるためです。
中でもインドとインドネシアの通貨安・株安が目立っており、足元、インドルピーは対米ドルで過去最
安値、インドネシアルピアは約 4 年ぶりの安値まで下がっています。両国に共通するのは「双子の赤字」
、
つまり経常収支の赤字(貿易赤字など)と財政赤字ですが、特に重要なのは経常赤字です。経常赤字国は
海外からの投資資金に頼らざるを得ず、そうした資金の流出入には不安定なところがあるからです。イン
ドについては構造的な双子の赤字国ですが、インドネシアは昨年に赤字国に転じた上、中国向け資源輸出
の低迷もあり、今年 4-6 月期にはGDP比で過去最大規模にまで経常赤字が膨らんでいます。
今後の見通しですが、インドルピーとインドネシアルピアは、5 月以降ほどではないにしても引き続き
下落基調が予想されます。米金融緩和の不透明感がすぐに晴れるとは考えにくいほか、国内景気も力強さ
を欠いているためです。そうした中、両国とも自国通貨安を食い止めようとしていますが、金融引き締め
(通常は通貨高要因)を行うと国内景気を冷え込ませてしまう恐れがあるなど、政策運営では難しいジレ
ンマに直面しています。また、為替介入(米ドル売り)の原資となるのは外貨準備(図表 2)ですが、両
国ともに最近それがやや減少していることも、簡単には通貨安を防ぎ切れないことの背景となっています。
ほかの主なアジア通貨を見ておくと、タイバーツも経常赤字の拡大懸念から売られやすくなっています。
マレーシアは経常黒字国ではあるものの黒字幅は急速に縮小しているほか、債券市場において海外投資家
の比率が高いことも不安材料です。他方、フィリピンでは内需(消費や投資)が底堅いほか、海外からの
送金も堅調であるため、通貨ペソの下落余地は比較的限られそうです。また、韓国と台湾は中国の影響を
受けやすいものの、韓国は経常黒字国であるほかウォンの割安感が更なる通貨安を抑えそうです。台湾ド
ルは底堅い動きが見込まれます。台湾の経常黒字は大きく、外貨準備も極めて潤沢です。なお、中国人民
元については管理相場であるため極端な上下動は今後も考えにくいでしょう。
以上のように、アジア通貨については一段安が想定されるものの、変動幅は国によってまちまちとなり
そうです。そのため各国の経常収支や外貨準備、景気動向などが重要ですが、最も大きな影響を与えるの
は米金融政策とこれに伴う海外投資家の動きでしょう。とはいえ、アジア各国の経済(財政や外貨準備な
ど)はかつてに比べ格段に堅固となっていることから、1997-98 年に生じたような通貨危機にまで至る可
能性は低いとみられます。ただ、米国や日本の金融緩和が前例のない規模で行われているだけに、アジア
通貨はそれら先進国の政策によって振り回されやすくなっていることには注意する必要があるでしょう。
図表1.各国通貨(対米ドル)と株価の騰落率
10
図表2.外貨準備の対GDP比
(2013年5月22日から8月21日まで)
(%)
通貨
90
株価
80
5
(%)
1998年6月
2012年末
2013年6月
70
60
0
50
-5
40
30
-10
20
-15
10
0
-20
インド インドネ
シア
タイ
マレー フィリピン
シア
韓国
台湾
インド インドネ
シア
中国 (日本)
(注)株価は以下を使用。CNX NIFTY指数(インド)、ジャカルタ総合指数(インドネシア)、SET
指数(タイ)、FTSEブルサマレーシアKLCI指数(マレーシア)、フィリピン総合指数(フィリピン)、韓国
総合株価指数(韓国)、加権指数(台湾)、上海/シンセン CSI300指数(中国) 、TOPIX(日本)
(出所)ブルームバーグよりデータ取得し、しんきん投信作成
(2013.8.22 チーフエコノミスト
タイ
マレー フィリピン
シア
韓国
台湾
(出所)ブルームバーグよりデータ取得し、しんきん投信作成
辻 佳人
E-Mail : [email protected])
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中国 (日本)
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 投資信託に係るリスクについて
投資信託は、株式や債券等の値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替リスク
もあります)に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、預金と異なり
投資元本が保証されているものではありません。運用による損益はすべて投資者の皆
様に帰属します。
また、投資信託は、個別の投資信託ごとに投資対象資産の種類や投資制限、取引市
場、投資対象国等が異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資
に当たっては交付目論見書や契約締結前交付書面をよくご覧ください。
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 ご換金時の費用・・・信託財産留保額 上限 0.3%
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費用、有価証券売買時の売買手数料等及び外貨建資産の保管等に要する費用は、フ
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上記に記載しているリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定してお
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