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2016年3⽉7⽇
⽇本株ファンドマネージャーの視点
『円安に戻るのが最⼤のサプライズ!』
※このレポートでは、⽇本株ファンドマネージャーが注⽬しているトピックなどを毎週お届けします。
⼤⼿証券会社のアナリストを中⼼に企業業績の下⽅修正が相次いでいます。特に、今期の業績だけではなく、来
期の業績を円⾼修正したために、⼤幅下⽅修正しているケースが製造業を中⼼に⽬⽴ち始めています。肌感覚で
は⽇本の株式市場は、来期業績ベースの為替前提は1⽶ドル110円の円⾼⽔準であり、即ち来期減益を⼀度は織り
込んだと⾔えるでしょう。
仮に1⽶ドル120円台の円安に戻れば⽇本企業の来期の営業利益は1桁後半の増益となるのがコンセンサス予想で
した。営業利益で1桁後半の増益になれば、EPS(1株当たりの当期利益)は法⼈税の実効税率の低下や、企
業の増配・⾃⼰株取得などの積極的なROE向上姿勢により⼗分に2桁増益が可能となってきます。低バリュ
エーションに加え、2桁増益のモメンタムにより、⽇本の株式市場は⼤変魅⼒的な市場に様変わりするでしょう。
⽇経平均株価の2万円台回復も視野に⼊ってくることが期待されます。
注⽬すべき事は、円⾼修正によりアナリストが企業業績の下⽅修正と同時にレーティングや⽬標株価を引き下げ
始めているという事です。全てのアナリストが強気でみていた銘柄でも⾜元の株価の短期リバウンドを好機とみ
て、レーティングの引き下げを⾏い始めています。この流れは今後も継続する可能性が⾼いと思います。中には
為替の前提変更だけを要因としたレーティングの引き下げ銘柄もあり、これは、逆に⾔うと、今後為替が円安に
戻った時にはレーティング引き上げの可能性もある将来のポジティブ要因だと思います。
では今後、円安になるためにはどの様な要因があるのでしょうか?想定される円安要因は以下のものが考えられ
ます。
①世界的なリスクオフ⼼理が弱まること
・中国を始めとする新興国の景気減速懸念が後退。
・原油価格の下落に⻭⽌めがかかる。
②⽶国経済が緩やかな利上げを継続できる環境にあること
③⽇銀による更なる追加の⾦融緩和
・マイナス⾦利幅の拡⼤。
・ETF買い⼊れ枠の増額など、追加の量的緩和。
④消費税再増税の凍結
・代替財源はマイナス⾦利下における国債の増発。
・財政規律に疑問符が付くことによる円売り材料の発⽣。
円安になるには、①の世界的なリスクオフ⼼理の後退が最も重要であり、これだけで1⽶ドル120円台に戻る可能
性は⼗分にあると思います。さらに、上記のその他の円安要因が加われば、為替は急速に円安修正される可能性
が⾼くなるでしょう。現時点でのベストケースは新年度スタートの4⽉から1⽶ドル120円台になっていることで
しょう。円⾼修正を織り込んだコンセンサス予想がある中で、逆に円安に振れることになれば、それは最⼤のポ
ジティブサプライズとなるでしょう。
株式運⽤部
⼩出 修
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