ハズバンダリートレーニングってなんだ?

ハズバンダリートレーニング
ってなんだ?
大牟田市動物園
〇 伴 和幸
2016.11.01 ロータリークラブ向け発表 @大牟田市 だいふくビル
バン カズユキ
伴 和幸
1987年生まれ
2009年4月~2011年3月
東海大学大学院(修士) 深海魚を研究
2011年4月~2015年1月
横浜・八景島シーパラダイス
担当: ジンベエザメ,鯨類,鰭脚類,ペンギン,
ホッキョクグマ,ラッコなど
2015年3月~
大牟田市動物園
担当: ライオン,トラ,ヤマアラシ,
ラマ,ムフロン,キツネ,エミュー,インコ
1941年開園
飼育スタッフ
飼育数:55種,約250個体
飼育員:11名
総面積:44,000 ㎡
獣医師:2名
入園者数:約20万人/年
平均年齢:約26歳
※大牟田市の人口:約12万人
リニューアル:24年前(半分)
“古くて小さい地方の動物園”
2013年ゾウの飼育をやめる
珍しい動物,特になし
◇ 種数・個体数を削減
◇ 高齢動物の増加
1個体に掛けられる
労力やスペースが増加
⇒より密なケアが可能
動物福祉の科学を伝える動物園
へ方向性を転換
YOMIURI ONLINE(2015)
「動物園老いる人気者」
積極的に情報を公開
動物福祉とは?
『動物の身体的,心理的な幸福の状態.
動物福祉への配慮は,動物を飼育するすべて
の者にとっての責務である』(行動生物学辞典 第1版)
※科学的な知見に基づいて,幸福の状態を規定
当園では配慮の手段として,
ハズバンダリートレーニングなどを
取り入れる
その他の概念
動物愛護:より情緒的
動物の権利:動物の利用を認めない
トレーニングのイメージ?
・アメとムチ?
・過酷な減量?
・動物福祉
・教育
長谷川編(2013)
さらに
問題あり
・異常行動の発現
・繁殖率の低下など
ハズバンダリートレーニングとは?
『飼育動物の心身の健康管理に
必要な行動を動物に協力
してもらいながら行う訓練』
科学的なトレーニング
体罰・減量は不要
欧米を中心とした諸外国
⇒広く普及
Cutting (2013)
ホッキョクグマの採血
国内では一部の種,一部の担当者に限定されてきた
⇒近年,広まりつつある
楠田ほか(2014)
キリンの採血
Otaki et al., (2015)
クマ科動物の採血
国内の動物園にとって創成期?!
大牟田市動物園は積極的に取り組む
先進的な動物園
レッサーパンダ 体温測定
ジャガー 爪切り
ライオン ワクチン接種
ケヅメリクガメ 体重測定
マンドリル 採血
カピバラ エコー検査
麻酔
ドラマやアニメ
一瞬でバタッ!
現実
太い針を突き刺す
・痛み
・恐怖 苦痛
トレーニングによって麻酔なしでできる
処置や検査もある
ツキノワグマ ― 開口
トラ ― 採血(全体)
トラ ― 採血(獣医視点)
マンドリル ― 採血
採血
・ライオン
・トラ
・サバンナモンキー
・マンドリル
・ゴマフアザラシ
・ツキノワグマ
・レッサーパンダ
・キリン
・ラマ
・オオカンガルー
日本初!
これからのハズバンダリートレーニング
一部の種に対する,
一部の担当者の特別な取り組みではなく,
多くの種に対する,
多くの担当者の一般的な取り組みへ
個人の知識・技術を園で共有・蓄積
園全体での取り組みが必要不可欠
“古くて小さい地方の動物園”は
国内に無数にある
当園でできること
≒似たような“古くて小さい地方の動物園”にできること?
当園の取り組みを積極的に公開すると・・・
“古くて小さい地方の動物園”の可能性を示唆できる?
“古くて小さい地方の動物園”のモデルケース
になれば,日本の動物園を変えていける?!
※個人の考えです
これからも当園の挑戦を続けていくために・・・
良き理解者・賛同者になっていただきたい!
応援をお願いいたします!
具体的な方法
・遊びに行く
・話題にする
・動物園サポーターになる
etc…
ちょっとしたことが大きな力に!