平成25年度 (PDFファイル)

平成 25 年度
事 業 計 画 書
重点目標
1.立正大学・学園の全体像の検討
2.学事・教育改革へ向けた取り組み
3.研究活動の活性化と社会・地域連携の展開
4.入口・出口戦略の充実と外部要件に対する各種対応の迅速化と戦略化
5.付属中高・準付属校、ならびに高大連携の強化
6.内外友好団体との連携の推進
7.施設課題・整備への取り組み
8.学園機構改革、ならびに大学事務組織の変革
9.財務の健全化と平成 25 年度予算編成方針
10.140 周年記念勧募事業の展開と 150 周年事業への継承
平成 25 年 3 月
目
次
-1-
1.立正大学・学園の全体像の検討
1-1.キャンパス構想
(1)1万人体制
(2)熊谷キャンパスの活性化
(3)平成 30 年代を見据えた「都心大学」への道筋づくり
1-2.教育、研究上の諸課題への対応
(1)教育体制
(2)研究体制
(3)事務局体制
(4)その他(含む、障がいのある学生支援など)
1-3.学園振興政策プロジェクト
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2.学事・教育改革へ向けた取り組み
2-1.質保証の充実(含む、自己点検評価、FD・SD 活動)
(1)不断の教育システムの改善と見直し
(2)教養教育ならびに初年次教育の充実
(3)自己点検評価の取組と運営の整備
2-2.学部・学科改革(含む、学生収容人数・定員、教員定数など)
(1)「大学全体の枠組み」と「学部学生定員の再検討」
(2)学部・学科改組
(3)研究科改革などの取り組み
2-3.学生サービスの充実(含む、「奨学金制度の整合化」)
(1)国際交流支援
(2)キャリアデザインやキャリア開発などキャリア教育支援、資格取得支援
(3)奨学金制度の充実(含む、経済困窮者支援)
(4)在学生ケアの充実
(5)障がいのある学生支援
2-4.課外活動の活性化と振興
(1)強化クラブ支援、新たな「準強化クラブ」の育成
(2)課外活動・ボランティア活動の活性化支援
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3.研究活動の活性化と社会・地域連携の展開
3-1.研究活動の活性化
3-2.社会貢献・地域連携の展開
(1)研究推進・地域連携センターによる事業
(2)博物館
(3)心理臨床センター
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4.入口・出口戦略の充実と外部要件に対する各種対応の迅速化と戦略化
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-7- 7 - 7 -
(1)入試政策の充実
(2)キャリア教育の義務化に伴う就業力の向上
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(3)「三つの方針(ポリシー)」の策定ならびに各学部・研究科との整合化
(4)大学の情報公表の義務化と立正大学色の広報活動の展開
(5)課外講座の更なる充実と、エクステンション化の模索
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5.付属中高・準付属校、ならびに高大連携の強化
- 8 - 9 -
(1)付属立正中学・高等学校
(2)高大連携の充実化
-9-
6.内外友好団体との連携の推進
- 9 - 9 - 9 -
(1)橘父兄会の加盟
(2)校友会予算の再検討
(3)校友の絆の強化(卒業生・同窓生、在校生・保護者、現・元教職員などの校友)
-9-
7.施設課題・整備への取り組み
(1)大崎キャンパス改修事業ならびに再配置事業
(2)既存キャンパス(大崎、熊谷、馬込)の施設整備
(3)省エネ・省電力化
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8.学園機構改革、ならびに大学事務組織の変革
- 10 - 10 -
(1)当面の機構改革
(2)大学事務組織の再編への取り組み
9.財務の健全化と平成 25 年度予算編成方針
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9-1.平成 25 年度予算編成方針
9-2.今後の財務モデル
(1)資産運用方針
(2)今後の財務モデル
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10.140 周年記念勧募事業の展開と 150 周年事業への継承
(1)大学史編纂アーカイブ事業(150 周年「正史」に向けて)
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1.立正大学・学園の全体像の検討
大学全体の枠組みの中で、学部からの要望などに耳を傾けつつ、全学的な観点の下、「2 校地(大崎、
熊谷)の活用法」を検討しながら、ブランドビジョン(『「モラリスト×エキスパート」を育
む。』)の下で、魅力ある「人間・社会・地球に関する総合大学」としての改革に取り組んでいく。
1-1.キャンパス構想
平成 20 年代においては、2 校地の特色あるキャンパス資源を十二分に活用し、「学生数1万人」
の現体制を維持しつつ、少子化が進行する平成 30 年代以降の「都心大学」に向けた着実な道筋づく
りに努める。
(1)1万人体制
立正大学としては、学生数「1 万人規模」を維持することによって、財務状況の健全化を図ること
ができる。各学部の尽力の下、学生募集になお多少の余裕があるこの数年間においては、平成 30 年
代以降に向けた構想(グランドビジョン)作りとその具現化を図るため、「1 万人体制の維持」に努
めつつ、さらなる財務の健全化に努める。
なお現在の教職員 400 名を超える本学の体制は、学生 1 万人体制を前提として始めて実現しうる
ものである。
(2)熊谷キャンパスの活性化
全学的かつ組織的な取り組みとして「熊谷キャンパスの活性化策」について、英知を結集し、そ
の実現策の検討を進める。同時に、その枠組みの中で、当面の「熊谷キャンパスの振興施策」につ
いて推進していく。
具体的には、熊谷担当副学長の下で「熊谷活性化プロジェクトチーム」を編成し、役員会・学長
室と連携を図りながら新規事業を含めた可能性の検討とともに、強化クラブなどを活用したスポー
ツ健康増進事業や、地域との連携を核とした振興策などの取り組みを進めていく。
(3)平成 30 年代を見据えた「都心大学」への道筋づくり
さらなる少子化が確実な平成 30 年度以降に向けた積極的な対応が今、求められている。
財務の健全化に努めつつ、社会動向や時代性を慎重に検討しながら、学園・大学としての戦略幅
を広げる施策(例:大崎キャンパスにおける学生収容力の拡充策など)に努める。具体的には、大
崎キャンパス近隣地区における用地取得による校地拡幅策や、大崎キャンパス 4 号館の建て替え、
高層化を視野に入れつつ、熊谷学部の大崎移転、学部の再編、組み替え、新学部の設置、学部・学
科学生定員の見直し(学生定員の増・減)など、あらゆる新規事業の可能性を検討していく。
第一歩として、法学部を平成 26 年 4 月より年次ごとに大崎キャンパスに移転させ、あわせて社会
科学系 3 学部(経済学部・経営学部・法学部)の教育・研究資源を集約し、相乗効果を高めつつ 1
万人体制を維持し、学園の財務基盤の安定・強化に努める。
その上で、戦略幅を広げる施策を展開しつつ、来るべき平成 30 年代に向けた将来構想(学部・学
科の再配置や、学園、大学の積極的施策の展開など)の立案と、その具現化のための道筋づくりに
まい進していく。
1-2.教育、研究上の諸課題への対応
8 学部・7 研究科より構成する本学の教育・研究資源の総合化・融合化に努めつつ、「人間・社
会・地球」についてのそれぞれの専門性・特色を活かした教育・研究体制の構築に努める。
(1)教育体制
「教育の質(学士力)」を保証するため、それぞれの学部・学科そして研究科にあって、教育の
内容・質、さらには教育技法に至るまで「質の高い教育を展開する」ための教育システムの構築に
引き続き邁進していく。
同時に、下記のような喫緊の課題への対応を進めながら、大学としての組織的な教育力を高める
ための教育体制の構築(横断的な組織化、センター構想など)に努めていく。
・学生の勉学への意欲の昂揚
・「導入教育・初年次教育・キャリア教育」の充実と「主専攻と副専攻」対応
・教養教育における『立正大学スタンダード』の確立
・グローバル化時代を迎えた語学教育、国際性を涵養する教育への対応
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(2)研究体制
人間・社会・地球、それぞれの研究フィールドの違いを踏まえた上で、「研究推進・地域連携セ
ンター」を核に、「研究支援金制度」など、研究者に対する外部資金の獲得支援や研究者に対する
インセンティブづくりに努める。
大学院の「学費」や「奨学金」のあり方、さらに大学院生が研究活動を進めるにあたっての内外
で活躍するための支援とその仕組みづくりに積極的に取り組む。具体的には、大学院生(博士後期
課程)の研究支援として、立正大学石橋湛山記念基金を活用した「院生に対する研究補助金制度」
などを全学的な観点の下で新設・運用していく。
併せて、研究力の向上を図るため研究者の海外交流にも一層力を注いでいく。
(3)事務局体制
事務局組織の強化や職員の人事制度の見直しなどについて、部長会や部課長会を尊重しつつ、事
務組織運営の中で、その基本的な考え方や姿勢などの検討を加えていく。
(4)その他(含む、障がいのある学生支援など)
日本の社会状況や、今後の大学運営を考え、「障がいのある学生支援プロジェクトチーム」につ
いては、より実効性のある関係機関との連携が図れるような組織化などの検討を進めていく。
1-3.学園振興政策プロジェクト
今年度も、平成 21 年度より平成 25 年度にまたがるプロジェクトを継続的に展開していく。なお
プロジェクト会議にあっては、理事会ならびに学部長会議との連携をとりながら、学園・大学の将
来構想(グランドビジョン)についての議論を深めていく。
2.学事・教育改革へ向けた取り組み
2-1.質保証の充実(含む、自己点検評価、FD・SD 活動)
(1)不断の教育システムの改善と見直し
平成 23 年度に制定した全学の「三つの方針」および平成 24 年度に制定された学部・学科および
研究科の「三つの方針」にもとづく教育の質保証の充実・展開を図る。具体的には、平成 24 年度か
ら実施された新入生に対する TOEIC.BRIDGE を平成 25 年度も実施するほか、次年度に向け「学修の
基礎Ⅰ」のガイドブックの改訂を行う。また、質保証の充実を図るための学習ポートフォリオやル
ーブリックの普及に取り組む。さらに、GPA の活用と成績評価の厳格化による質保証を高めるため、
今年度から「授業外学修」を明示するように改善したシラバスガイドラインに沿ったシラバス作成
の遵守を推進するほか、授業改善アンケート結果の授業改善への利用を促進する。さらに、リメデ
ィアル教育、主・副専攻制度および秋季入学制度の導入や履修モデル、カリキュラムマップの策定、
コース・コード化ナンバリング制度、課題解決型授業や双方向授業(対話型授業)の展開などの課
題について検討を続ける。
FD・SD 研修については、平成 24 年度と同様に実施する。平成 25 年度の FD 研修の年間テーマは、
「教養教育ならびに初年次教育」とし、新任教員研修を 5 月に実施する。例年と同様、各学部・研
究科で作成した FD シートを大学のホームページで公開する。
(2)教養教育ならびに初年次教育の充実
平成 24 年度の「教養教育ならびに初年次教育協議会」の答申にもとづく、教養教育ならびに初年
次教育の改革を進める。
(3)自己点検評価の取組と運営の整備
平成 24 年度に引き続き、平成 25 年度の自己点検・評価報告書を作成するほか、計画に沿って自
己点検委員会と外部評価委員会を開催する。前年度までに、全学および学部学科、研究科の 3 つの
方針を策定したが、平成 25 年度には「7 つの方針」の策定を目指す。
-2-
2-2.学部・学科改革(含む、学生収容人数・定員、教員定数など)
(1)「大学全体の枠組み」と「学部学生定員の再検討」
「1.立正大学・学園の全体像」で紹介した基本政策(2 キャンパス、学生数「1 万人」)に基づ
き、大崎キャンパスの優位性を活用しつつ、両キャンパス双方の効果的相乗りやシナジー効果が発
揮できるような、大学全体としての統合的な改革への取り組みを心がける。
改革への取り組みに当たっては、大学全体の枠組みの中で、両キャンパス双方の学部学生収容定
員の見直しを始め、研究科や学部・学科改革、柔軟な組み換え・すみ替えなどを検討しながら、学
部・学科改組への具現可能な構想案(含む、学生収容定員、教員定数、施設など)を練り上げてい
く。
(2)学部・学科改組
平成 26 年度から平成 29 年度にかけ法学部が熊谷から大崎に順次移転するが、それに伴う学部・
学科の改組について検討を進める。
(3)研究科改革などの取り組み
平成 26 年度からの法学研究科の大崎キャンパス移転を見据え、経済学・経営学・法学の社会科学
系 3 研究科を融合した、研究・教育体制を検討する。
また、大学院における科目等履修生制度、単位互換制度、長期履修制度、先取履修制度などの見
直し・充実を検討する。
①科目等履修生制度
科目等履修生制度とは、当該大学の学生以外の者に、パートタイム形式による大学教育を受
ける機会を広く認め、その履修成果に単位を与えることのできる制度である。本大学院では、
平成 23 年度に「立正大学大学院科目等履修生規程」(平成 6 年 4 月 1 日施行)を改正した。平
成 25 年度も引き続き受入れの拡充を計画している。
②単位互換制度
単位互換制度とは、学生が他大学の授業科目を履修し取得した単位について、所属する大学
が、自らの大学の単位として認定する制度である。本大学院では、大学院学則第 8 条の 2(大学
院において教育研究上有益と認めるときは、他研究科または他大学の大学院と予め協議の上、
他研究科または当該他大学の大学院の授業科目を本学大学院の学生に履修させ、また当該他大
学の大学院の学生に本学大学院の授業科目を履修させることができる。履修した授業科目の単
位は、10 単位を超えない範囲で、本学において履修したものとみなすことができる。)により、
全学的な取り組みとしては平成 21 年度から実施している。平成 25 年度には対象授業科目の拡
大などを計画している。
③長期履修制度
長期履修制度とは職業を有している等の事情により、修業年限を超えた一定の期間にわたっ
て、計画的に教育課程を履修して卒業する制度である。本大学院では、大学院学則第 3 条(本
大学院の修士課程の標準修業年限は 2 年とし、博士後期課程にあっては、標準修業年限は 3 年
とする。ただし、教育研究上の必要があると認められた場合には、研究科、専攻または学生の
履修上の区分に応じて、その修業年限を別に定めることができる。)により、平成 21 年度から
実施している。平成 24 年度に長期履修生の対象者を社会人に限定しないよう、長期履修学生制
度に関する申し合わせを一部改正した。引き続き学生ニーズに応じた、柔軟な履修形態の受入
れ方法の検討を進めていく。
④先取履修制度
先取履修制度とは、本学学部学生に本学大学院の授業科目を履修させ、単位を修得させるこ
とができる制度である。本大学院では、大学院学則第 8 条の 3(大学院研究科委員会が教育上有
益と認めるときは、本学学生に本学大学院の授業科目を履修させ、単位を修得させることがで
きる。当該学生が本学大学院に入学した場合には、修得した単位を、10 単位をこえない範囲で、
本学大学院における授業科目の履修により修得したものとみなし、修了必要単位数に算入する
ことができる。)により、平成 18 年に導入され、現在は経済学・法学・経営学・社会福祉学・
地球環境科学の 5 研究科で実施している。他の研究科での実施の検討を進める。
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2-3.学生サービスの充実(含む、「奨学金制度の整合化」)
(1)国際交流支援
グローバル化が進展している社会で活躍できる人材を育成するため、下記の事業の実施により、
国際交流の活性化を図る。社会で役立つ語学力・コミュニケーション力を身につけるとともに、異
文化理解を深化できるプログラムを展開していく。
①留学生送り出し・受け入れ事業
(a)海外大学等との交流・協定締結の拡大
(b)留学生の送り出し
・留学に関わる単位認定科目の整備継続
・TOEFL-ITP 試験の学内実施
・TOEFL-ITP 試験受験料の補助
・日本人現地アシスタントによる生活相談
・校友会奨学金による支援
(c)留学生の受け入れ
・「日本語プログラム・ショートコース」受講生の増大
・学内留学生交流会の実施、留学生交流会(RIEA)への参加
②留学生の経済的支援
・私費留学生授業料減免(受け入れ)
・日本学生支援機構奨学金
③国際交流危機管理事業
・留学生安全対策協議会(JCSOS)の継続加入
・危機管理講習会の実施
④国際交流広報事業
・大学公式 HP(英語版)のメインテナンス
・国際交流センターオリジナル HP のメインテナンス
・外国語版大学案内の作成
・留学生の送り出し・留学生の受け入れの案内等の作成
(2)キャリアデザインやキャリア開発などキャリア教育支援、資格取得支援
経済的不況が続く中で、厳しい雇用情勢に対応するため、キャリアサポート・センターは、学部
と連携し、下記の事業の実施により、入学から卒業までの体系的な支援を展開する。
①キャリア形成プログラムの充実
・キャリア開発基礎講座、スキル開発、インターシップ
②学生の個性、力量、進度に合わせたキャリア支援
・就職ガイダンス、ワークショップ、キャリアアワー、キャリアカウンセリング
・カルテ(学生カルテ)の活用
③就職先の開拓と連携強化
・受入企業の開拓・情報収集
・キャリアシステム(企業カルテ)の不断の構築と活用
④保護者への情報提供・支援の充実
(3)奨学金制度の充実(含む、経済困窮者支援)
建学の精神に基づき、学業への真摯な取り組みを促すとともに、教育の機会を積極的に提供する
ため、次の事業を実施する。
①東日本大震災等被災学生への経済的支援
・新入生と在校生を一本化したモラりす奨学金
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②就学継続への支援
・日本学生支援機構奨学金、橘奨学金、学業継続支援奨学金、校友会奨学金
・学生短期貸付
③学業ならびに課外活動奨励への支援
・特別奨学生、橘奨学金
・課外活動助成金、校友会課外活動奨励支援費
④経済的支援制度見直しの継続
(4)在学生ケアの充実
①学生生活課、保健室、学生カウンセリングルーム、キャリアサポートセンター、学部が連携し、
生活相談、心身の健康相談、キャンパス・ハラスメントの相談に当たり、快適な学生生活を提
供する。
②心身の健康管理の観点から、保健室と学生カウンセリングルームが統合的な機能する体制化を
検討するとともに、職員体制の充実化を検討する。
(5)障がいのある学生支援
基本方針に基づき、全学的支援体制を段階的に推進する。
①全学的な支援体制の整備
②情報を共有化するネットワークの構築
③障がいのある学生への支援[(入試支援・授業支援・生活支援・就職支援)(施設・設備・機
器)(情報の収集と相談体制)]
④支援学生の育成・相談体制
⑤教職員への支援
2-4.課外活動の活性化と振興
(1)強化クラブ支援、新たな「準強化クラブ」の育成
①強化クラブ支援
強化クラブは、学生に最も親しまれているスポーツを振興することによって学生ならびに校
友の UI(愛校心)を高め、伝統のある大学の生活をより豊かにすることを目的としている。大
学スポーツのあり方を踏まえ、応援体制も充実させ強化していく。
・平成 27 年度まで強化クラブとして指定している硬式野球部、ラグビー部、サッカー部への支
援
・強化クラブ奨学生枠の再検討
・女子ラグビーの強化
②準強化クラブの創設
強化クラブへの指定も視野に入れた準強化クラブを創設する。受入体制、指導体制、施設使
用体制などの具体的強化策を検討する。
(2)課外活動・ボランティア活動の活性化支援
課外活動・ボランティア活動は、正課外教育として社会性・人間性を涵養するため、正課教育と
ともに重要である。次の事業を実施し、課外活動・ボランティア活動を活発に展開し、地域貢献力
のある元気の良い学生づくりを推進する。
①助成金および校友会課外活動奨励支援費による経済的支援
②モラりす賞、課外活動顕彰による活動の活性化
③教職員による活動支援、課外活動顧問・副顧問・学生代表者向け手引きの発行
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3.研究活動の活性化と社会・地域連携の展開
3-1.研究活動の活性化
平成 23 年 4 月に総合研究機構と産学官連携推進センターを統合し設立された「研究推進・地域連
携センター」は、定例の運営委員会を毎月開催し、研究推進・地域連携事業を実施する。平成 24 年
度から新設した研究支援費により、立正大学研究推進・地域連携センター規程第 2 条に基づいた、
本学の学部間連携および地域連携による共同研究や公的資金による研究活動を引き続き推進・支援
する。この支援費は、「第 1 種・学部間連携の共同研究」「第 2 種・地域連携のための共同研究」
「第 3 種・科学研究費申請者による予備的研究」「第 4 種・研究助成金による研究」を支援するた
めのもので、対象者は本学の専任教員である。昨年度と同様、第 1 種・第 2 種および第 4 種は 100
万円を上限とし、第 3 種は 20 万円を上限とし給付するが、今年度の申請状況などを加味し、より利
用しやすい支援制度を検討する。
また、平成 25 年度も科研費等の採択実績を上げることを目標としており、そのために研究推進・
地域連携センター職員を実践的な科研費申請の研修会に参加させることでスキルアップを図り、研
究者へフィードバックすることを計画している。加えて平成 24 年度に導入した科研費システムによ
り、平成 25 年度も効率的な研究費執行サポート体制を実行するとともに研究者の負担を軽減する。
新規事業としては、研究推進・地域連携センターオリジナルホームページの構築がある。これは、
研究者への研究支援情報を的確に伝え利便性を向上させることはもちろん、博士課程の大学院生に
対し、国庫補助金による研究支援制度を周知することを狙いとしている。また、大学院生(博士後
期課程)の研究支援として、立正大学石橋湛山記念基金を活用した「院生に対する研究補助金制度
(学会参加のための旅費補助)」を実施する。
さらに、近年要望の多い、海外からの研究者招聘支援や国際共同研究の体制整備、研究環境のハ
ード面の整備、関連規程の策定などにより、内外との学術交流を推進しつつ研究活動の活性化を図
る。
3-2.社会貢献・地域連携の展開
(1)研究推進・地域連携センターによる事業
研究推進・地域連携センターでは、平成 25 年度も全国主要都市の教育委員会と提携し、本学教員
によるレクチャーを行うデリバリーカレッジを実施する。平成 20 年度秋期より始めたこの制度は関
東・東北圏で行われてきたが、対象範囲の拡大、大学 PR の有効性等を鑑み、平成 25 年度は茅ヶ崎
市 5 講座、筑西市 6 講座、座間市 4 講座、釜石市 4 講座、会津若松市 4 講座、千葉市 3 講座を春期
デリバリーカレッジとして開催する。秋期も昨年同等数のカレッジを予定しており、本学の知の資
産の提供を図る。
また、平成 22 年度より始まった「子ども大学くまがや」での講義実施、市民大学等への講師派遣、
埼玉県北部地域技術交流会への参加、熊谷市産学連携フォーラムの開催、くましんジョイントカル
チャー教室連携実施、ラグビーフェスティバルの開催など、地域の中の大学としての活動を推進す
る。さらに、より一層の社会貢献・地域連携を推進するために、研究成果の公表開示方法を検討す
る。
(2)博物館
平成 25 年度の立正大学博物館の事業としては、年 2 回の企画展と特別展の開催を行う予定である。
企画展は 7 月頃に本館所蔵の資料を中心として、仏教考古学資料である「泥塔と瓦経」を取り上げ
て行う予定である。仏教考古学資料は本館所蔵資料の一つの特色となっている。特別展は、本館所
蔵資料の重要な特徴となっている古代窯業関連の資料のうち「陶硯」を取り上げておこなう予定で
ある。硯は文字を記すために必要な、律令支配を物語る考古資料として位置づけることができるも
のであり、生産地である窯と消費地である官衙の様相を比較対応させる。
また例年通り、夏季の博物館館務実習、「博物館年報」、「万吉だより」、「館蔵資料報告」な
どの出版物も刊行する予定である。
(3)心理臨床センター
①地域相談活動(心理療法・カウンセリングなど)
立正大学の人的資源を活用して、個人、家族、地域社会等の心理・教育的問題解決を支援す
るため、かつ、大学院生の実習の場を提供するために外来相談業務を行う。
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②臨床心理学専攻大学院生・心理学部生の実習指導
目的臨床心理士資格取得に必要な大学院生の実習、および学部生に臨床体験を与えるための
場の提供を行う。
③付属立正中学・高等学校のスクールカウンセリング
付属立正中学・高等学校において、スクールカウンセラーの補助として大学院生の実習を実
施する。カウンセリングが必要な生徒については、センターにつなげて無料で相談を受ける。
平成 25 年度は中高移転にともなう生徒の諸問題に対して援助を行う。
④心理臨床とカウンセリングに関わる教育・研究
教員・学生の心理臨床にかかわる学術研究を発表する場として、平成 25 年度は「立正大学臨
床心理学研究第 12 号」を発行する。
⑤心理臨床セミナーの実施
目的心理臨床センターの企画・主催により、地域社会への貢献および修了生の卒後教育を目
的としたセミナーと事例検討会を実施する。平成 25 年度は、これまでの趣旨を引き継ぎ、より
実践に役立っセミナーを実施する。
4.入口・出口戦略の充実と外部要件に対する各種対応の迅速化と戦略化
(1)入試政策の充実
入試センターを中心に学部の協力を得ながら、以下の政策を、随時見直しながら継続的に実施し、
幅広く受験生の獲得に努力する。今後の入試政策の課題として、18 歳人口減少に関する多面的分析
により、千葉県を重要拠点と位置付ける。また、洗練された都会的イメージと女子学生が好むイメ
ージの定着を図るため、継続的に広報活動を展開していく。
①一般試験、センター試験利用、AO 入試、公募制推薦、指定校推薦、スポーツ推薦など試験区分
のメニュー拡大
②静岡、新潟、仙台、大宮、札幌、福岡、横浜、高崎などの地方および地区会場入試の見直しな
らびに、千葉県柏への継続的参入
③オープンキャンパスとして、大崎キャンパス 7 回、熊谷キャンパス 5 回の開催
④地方での入試説明会の継続的実施
⑤入試ガイドブック、入試要項等パンフレットの配布、ポスターによる広報など効果的広報活動
の展開
⑥広報用ビデオの内容が古すぎるため、学部との協力により新規作成
⑦政策広報課とも協力し合いながら法学部の大崎キャンパス移転の効果的広報活動
(2)キャリア教育の義務化に伴う就業力の向上
大学教育には、専門的な学力のみならず、社会人基礎力や就業力の育成が求められている。キャ
リア教育の体系化により、キャリアデザイン力、リフレクション力、コミュニケーション力、チー
ムワーク力、プレゼンテーション力、外国語運用力、地域貢献力の向上を推進する。キャリア正課
教育およびキャリア正課外教育の枠組み等、キャリア教育に関する基本方針を検討する。
(3)「三つの方針(ポリシー)」の策定ならびに各学部・研究科との整合化
平成 23 年度に策定された学部・学科および研究科の「学位授与の方針」「教育課程編成・実施の
方針」および「入学者受入れの方針」の三つの方針については、平成 24 年度に建学の精神や各学
部・研究科等の整合性を図るための作業を行ったが、その公表をホームページ等で行う。
(4)大学の情報公表の義務化と立正大学色の広報活動の展開
学校教育法施行規則等の改正にともない大学の情報公開が平成 23 年 4 月より義務化された。これ
を受け、大学情報の公開をホームページ上で行う。「大学情報の公表」を単に義務として受け止め
るのではなく、積極的に本学の特色をアピールし、他大学との差別化を図る好機として捉える。な
お、ホームページのリニューアルは平成 24 年秋に完了している。この新たなホームページの構築に
は、建学の精神、ブランドビジョン、三つの方針、など基本的な事項から細部に至るまで抜本的な
見直しが図られ、より効果的な広報活動の展開の礎となっている。リニューアルされたホームペー
ジは、随時関係部署からの意見を徴収しつつ継続的に見直しながらより完成度を高めていく。
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(5)課外講座の更なる充実と、エクステンション化の模索
正課教育を支えるとともに、社会人基礎力や就業力の向上に資する課外講座を整備していく。さ
らに地域や社会に開かれた講座としてエクステンション化を図る。
5.付属中高・準付属校、ならびに高大連携の強化
高校生のキャリアプランニングの支援と高揚を図るとともに、大学の教育内容に対する理解の浸透
を図るために高大連携事業を展開する。
(1)付属立正中学・高等学校
①付属立正中学・高等学校の特色ある教育活動
(a)建学の精神の具現化
建学の精神『行学二道』で学んだ事を実際の行動で示す事のできる生徒に育てる教育。
「明るいあいさつの励行・自ら学ぼうとする意欲を持たせる教育・一人ひとりの個性と思い
やりの心と、自らを律することのできる精神力をもたせる教育」は本校の長い伝統であり、
指針を崩さず遂行し、宗教情操教育の中で心豊かな人格(親切・勇気・感謝)の心を大切に
育成することを目指す。平成 25 年 4 月の馬込移転に際し、地域の一員として、ボランティア
活動への参加、およびコミュニケーション能力を養うためのホームルーム活動を充実させる。
(b)生きた語学研修(ホームステイ)
国際社会で正しく自己主張ができ、世界の一員であることの自覚と自信を身につけるため
に、平成 25 年度は英国(ボーンマス)でのホームステイを計画するとともに 3 年生、4 年生
の希望者を多く募り実施する。
②付属立正中学・高等学校の教育内容の向上
生徒に職業体験を通じ職業意識をもたせ、将来の進路に対して明確な目標が確立できるよう
中学校の早い時期からのキャリア教育を導入する。
中学生の高校受験では、中高一貫教育で起こりがちな中だるみの予防、緊張感をもって高等
学校に進学させるために、3 年生の 9 月までに中学課程を修了させ、9 月から 1 月までは放課後
に全員必修の高校入試対策の補習を実施し、2 月の入試後から高校課程の準備に入る。
高校生の大学受験では、4 年生から進路に目を向けさせる指導として、学ぶべき学問の方向性
を知り、目指す大学・学部を絞り込み、5 年生で進路に合わせた「文系クラス」、「理系クラ
ス」を設け、6 年生では生徒が自分の能力に応じて自由に時間割を組み、効率的に学習が進めら
れるように選択授業を充実させ、志望大学への合格率を高める。
馬込移転後は極力、細分化した少人数制での人間力を高めるホームルームの実践として、身
に付けた学力、積み上げた経験を生かして行動できる人となるために、自ら進んで調べる力、
主張や要点を読み取る力、意思や結果を正確に伝える力を養う、新しい教育プログラム(R プロ
グラム)の導入。中学、高校 6 年間をかけてステップアップしていく多彩なプログラムを通じ
て、大学進学後さらにその先の社会に出てからも有用な力を身につけさせる。
立正大学付属の中学・高等学校としての高大連携を促進させるためにも、立正大学進学希望
者には早いうちに学部選択をさせ、後半は大学の授業への参加および出前授業のカリキュラム
を具体化し、教育内容の充実を図る。
③付属立正中学・高等学校の生徒募集対策
(a)広報活動の充実
(各種説明会の実施・参加)
・中学校説明会 6 回、オープンスクール 2 回、入試問題解説会 2 回、中学校ミニ説明会を数回
実施する。
・高等学校説明会 3 回、高等学校イブニングミニ説明会を数回実施する。
・校外での説明会「夢限大」(きゅりあん)、「私立中学合同相談会」、「私立学校展」(東
京フォーラム)、「池袋進学説明会」の他、塾主催、出版関係主催の説明会に参加する。
(b)中学入試制度の改善
・中学入試を第 1 回 2 月 1 日(午前・午後)、第 2 回 2 月 2 日(午前・午後)、第 3 回 2 月 4
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日(中高一貫 6 カ年特待生入試)、第 4 回 2 月 7 日(午前)を実施する。さらに、各回に特
待生制度を導入して質の高い生徒を確保する。
・手続き締め切りを 2 月 15 日までとし、事前入学相談に応じる。
(c)高等学校入試制度の改善
・外部募集人員を 120 名とし、推薦入試と併願優遇入試にポイント制を導入する。さらに、一
般入試日を第 1 回 2 月 10 日、第 2 回 2 月 11 日とする。
・今後、高等学校の外部募集人員を拡大する方向性を検討する。
④付属立正中学・高等学校の馬込キャンパスに関する事項
学内の将来構想検討委員会を中心に教育目標、カリキュラム、運営方式などの教育的要求事
項や生徒の学習生活の実態などを把握した基本構想をさらに検討、練り上げ、新生の付属立正
中学・高等学校としての教育構想を確立する。
大学学園側と付属立正中学・高等学校とが様々な角度から検討、協議する会議を持ち、学校
として理想を追求し実現できるように相互に協力する。
(2)高大連携の充実化
高校生のキャリアプランニングの支援と高揚を図るとともに、大学の教育内容に対する理解の浸
透を図るために次の高大連携事業を展開する。
①付属校・準付属校入試制度の改善・その他各種連携
(a)立正大学・付属学校協議会
・双方向型教育連携を推進する。
・指定校推薦入学制度を改善する。
(b)付属立正中学・高等学校との連絡会
・双方の諸課題の共有、双方の資源の活用、スポーツや課外活動の連携について協議する。
②高大連携プログラムの充実化
・高大連携プログラムを展開する。
特別聴講生制度、図書館インターンシップ、体験授業、・RIS カフェ(立正大学生との交
流)、大学招聘客員教授に就任された登山家竹内洋岳氏出張講義
・特別聴講生制度の規定化を図る。
③高大連携協定校との連携の充実
・協定を締結している 33 校との連携強化を図る。
・協定校締結の方針を検討し、新たな高大連携先を模索する。
・高大連携協定校との連携を充実するための全学組織の編成を検討する。
6.内外友好団体との連携の推進
(1)橘父兄会の加盟
平成 25 年度から校友会に橘父兄会が加盟することで、本学の主要なステークホルダーが校友会に
参加することになった。
(2)校友会予算の再検討
平成 25 年度に予定されている橘父兄会の合流に伴う校友会予算の再検討を行う。
(3)校友の絆の強化(卒業生・同窓生、在校生・保護者、現・元教職員などの校友)
卒業生・同窓生、在校生、橘父兄会、郵政会、名誉教授倶楽部、現・元教職員などすべての校友
の絆を深めるため、今秋の学園祭を目途に学部等のホームカミングデーの同時開催を視野に入れた
「第 5 回校友の集い」を開催する。
7.施設課題・整備への取り組み
副都心として再開発著しい大崎に位置する都心型キャンパス(大崎キャンパス)と、埼玉県北部で
初の 20 万人都市となった熊谷市に位置する郊外型キャンパス(熊谷キャンパス)において、双方のキ
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ャンパス特性を踏まえたソフト・ハードの両面からの環境整備に、継続的に努めていく。また、長年
にわたり計画・工事が行われていた馬込キャンパスも、平成 24 年度に完成し、立正大学付属立正中
学・高等学校が新たに本年度 4 月から開校の運びとなる。
なお、本年度の施設関係の主たる事業は、立正大学付属立正中学・高等学校の移転後の改修工事と
なる。併せて老朽化した 4 号館立て替えに関わる大崎キャンパス全体の再配置計画の立案も喫緊の課
題である。
(1)大崎キャンパス改修事業ならびに再配置事業
これまで提出されながらも物理的制約から実現されなかった複数の組織からの要望等を総括的に
整理し、立正大学付属立正中学・高等学校移転を契機に、狭隘な大崎キャンパスの空間を最大限に
利活用すべく、調査・計画・設計を積極的に進める。具体的には、立正大学付属立正中学・高等学
校の移転後の 8 号館、9 号館を中心とした改修工事である。また、老朽化した 4 号館の立て替え等の
検討は、近未来の大崎キャンパス再配置を視野に入れながら慎重に計画を進める。
(2)既存キャンパス(大崎、熊谷、馬込)の施設整備
大崎キャンパスでは、上記の改修事業が主であるが、その他として、設備を適正に維持管理運用
していくため、保守点検などで改善の指摘を受けた各種項目の修繕や定期交換品の更新を実施する。
また、平成 24 年 12 月に取得した大崎 4 丁目の土地の有効利用に着手する。
平成 22 年度一応の完成をみた熊谷キャンパスではあるが、旧短大ゾーン(4、5、6、7、8、9 号
館)の孤立化が逆に課題として表面化している。老朽化した建物の利用・改修・撤退などキャンパ
ス全体と近未来とを見据えた構想の立案が急務である。懸案であった野球部寄宿舎のためのユニデ
ンス C 館改修工事、ならびに、2 号館、17 号館の有効的活用を目的とした改修工事がほぼ完了した
ので、同じく懸案の自動車部・旧武道練習場・弓道場他の立て替え事業、ならびにステラの各種修
繕事業を推進する。
馬込キャンパスは竣工したばかりであるため、施設面からのアフターケアが今後必要となろう。
(3)省エネ・省電力化
平成 19~平成 21 年度のエネルギー使用量が 3 年連続して 1500kl を超えた為、東京都の条例によ
り「特定地球温暖化対策事業所」に指定された。本学の基準排出量は CO2 換 算で 2,619 トンである。
平成 22 年 度半ばより ESCO 計画を導入し、平成 22 年度以降は毎年平均で CO2 換算「8.0%」(「209
トン」)削減を目指している。平成 23 年度には、東日本大震災の影響で継続的計画が一時的に中断
したものの、省電力化の成果が現れて当初の目標を大きく上回る CO2 換算で 597 トンの削減を達成し
た。平成 25 年度も継続してエネルギ-使用量の削減を推進して行く。
8.学園機構改革、ならびに大学事務組織の変革
(1)当面の機構改革
平成 25 年度に立正大学付属立正中学・高等学校が馬込新キャンパスへ移転することから、大学と
付属中学・高等学校事務の取り扱いについて見直しと整理を行い、合わせて学園運営組織図の変更
を行った。今年度は、移転後の事務処理を行っていく中で検証を行いながら、引き続き学園全体の
事務処理について整理統合の検討をしていく。
また、平成 26 年度新入生から段階的に法学部の大崎キャンパスへの履修地変更が実施される。こ
のことに合わせ大崎校舎改修工事が実施されることが決定しているが、これに伴い事務部門の幾つ
かの事務室移転等を計画し、学生への利便性を考慮しサービス内容に応じたゾーン分けなどを進め
る。
(2)大学事務組織の再編への取り組み
事務室の一部移転再配置を実施し、そのことに合わせて機能的で合理的な事務を行えるように事
務組織の再編について検討を進める。大崎キャンパス、熊谷キャンパスにおける業務量、学生数に
応じた人的配置の検討や部課の統廃合を含め、効率的な人員の配置計画についても検討を行う。
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9.財務の健全化と平成 25 年度予算編成方針
9-1.平成 25 年度予算編成方針
我が国経済は、東日本大震災によって受けた大きな打撃から立ち直りつつあるが、昨年夏場から
アメリカを中心とする世界経済の減速を反映して日本経済も持ち直しのテンポが緩やかとなり、世
界的に景気の停滞感が強まっている。
現在、世界景気は、全体として減速感が広がっているものの、日本経済は公共投資に加え、消費
が緩やかに増加、設備投資も持ち直している。しかしながら、欧州政府債務危機の再燃やアメリカ
経済の減速、電力の供給制限など、引き続きリスクの高い状況が続いており、輸出や株価、為替レ
ート等を通じて日本経済に大きなマイナスの影響を及ぼす可能性がある。また、尖閣諸島をめぐる
日中関係の冷え込みによる不買運動の広がりと長期化による影響が、日本経済全体に波及しかねな
い状況になっている。
為替等の動向では、直近の衆議院解散による 12 月総選挙の結果、安倍首相のアベノミクスにおけ
る期待感から日経平均株価は 10 千円を回復し、米ドルは 90 円台となっている。また、2 月の豪準備
銀行による金利引下げで、3.00%となっているも、先進国中最高値を付けている。今年に入ってから
の中国経済の先行き懸念から資源国通貨の豪ドルは弱含みであるが、前述のとおり比較的金利水準
が高いこと、米不動産市況の回復で米ドルが強く、豪ドルは 90 円を中心として動くと思われる。
さて、高等教育機関をめぐる状況に目を転じるならば、平成 24 年 6 月、文部科学省より「大学改
革実行プラン~社会の変革のエンジンとなる大学づくり~」が示されている。大きな項目では、
「激しく変化する社会における大学の機能の再構築」、「大学の機能の再構築のための大学ガバナ
ンスの充実・強化」となっており、スタートを平成 24 年度、実行期を平成 25・26 年度、検証・深
化発展期を平成 27~29 年度と期間を切って、これらの実行を迫っている。これらを踏まえながら、
本学の建学の精神に裏打ちされた諸活動を実現し、差別化策の具体化を充分に検討し、実施体制を
整える必要に迫られている。
また、「少子化」傾向は依然として継続しており、18 歳人口についても平成 24 年度においては約
119 万人、同 25 年度では約 123 万人とかつての 249 万人(昭和 41 年度)から半減以下となつており、
今後 8 年間はおおむね 120 万人前後で推移すると見込まれている。その一方で現役志願者の上昇見
込みは難しく、高等教育機関の二極化とあわせて、下位集団における定員割れに伴う募集停止など
経営不安が問題視され、初めての学校法人解散命令の答申もあるなかで都心回帰を選択する大学の
流れが顕著になっている。
このような学園を取り巻く状況下ではあるが、平成 23 年度決算における本学園の財政状況は、20
年度計上した有価証券評価損の影響を一部改善できたため、平成 23 年度消費収支では約 15 億 3 千
万円の収入超過となり、翌年度繰越消費収支超過額は約 107 億円となっている。
一方、平成 24 年度の財務状況としては、9 月までは若干の円高傾向を強めていたため、含み損の
解消も順調な展開とはなっていない。また、次年度の大学・大学院の学費改定は据置き、中学・高
等学校の過年度(平成 23 年度)改定学費増収分は学年進行による効果に限定されている。このよう
な状況下での収入増は厳しいと判断される。
前述のような学園を取り巻く状況ではあるが、馬込キャンパス開発においては具体的な完成に向
かって建屋工事(平成 24 年 12 月末竣工)、同キャンパス(校地)取得時に発生した借入金の継続
的返済、大崎キャンパスでは中高移転後の同校舎の用途変更による改築工事など、学園安定化の基
盤形成に資する各キャンパスの整備のための支出が予定されている。
上記のような学園内外の状況を踏まえ、平成 25 年度予算編成にあたっては、以下のような方針を
採用したい。
①立正大学学園は今後とも永年培ってきた伝統をさらに発展させ、社会の要請に応える学校法人
として、将来に亘って存続しなければならない。そのためには教育・研究環境の一層の充実は
最優先事項として重要であり、大学・中高教職員には一層の努力と協力を要請する。
②大崎校舎施設整備拡充の資金として、平成 22 年度理事会・評議員会の承認を得て、新規の第 2
号基本金組入計画を策定し、単年度 5 億円、平成 22 年度から平成 26 年度までの 5 年間、総額
25 億円を組入れている。
③平成 25 年 4 月開校予定の中学・高等学校馬込キャンパス活性化のため、高等学校においては 1
年生実員を学年進行に伴って順次拡大のうえ 1 学年 50 名増を具体化し、平成 27 年度完成まで
の間に必要とされる準備的な予算支出については、別途考慮する。
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④本学の収入構造の変動要因である資産運用収入については、豪ドルの為替レートの変動を想定
し、不確実なマイナス要素もあることを充分考慮した予算とする。
⑤平成 24 年度においては経済状況回復に至るまでの間、各予算単位に経費削減のための一層の努
力を要請したところであるが、平成 25 年度も継続して同様に対応する。具体的には、平成 25
年度においては、経費・物件費において平成 24 年度当初予算額(臨時的な予算額を除く)を基
準にゼロ・シーリング厳守のうえ、ゼロ・ベース予算(実績を一旦ゼロクリアし、ゼロから出
発して本当に必要な事業かを検討する積上げ方式)の考査を加えることとし、その他について
も前年度同額(臨時的支出を除く)を上限とする予算を編成する。
9-2.今後の財務モデル
(1)資産運用方針
本学園では、平成 20 年度決算において多額の評価損を計上している。その主たる要因はリーマン
ショック以降の金融状況の急激な悪化の影響による有価証券の時価評価の下落であった。このよう
な状況を受けて、平成 20~24 年度において学内・外の有識者の参加の下に理事会の下の資産運用委
員会を再組織し、資産運用のあり方の見直しに着手し、規約類の再整備・運用システムの再検討・
保有する有価証券類の精査を行ってきた。
平成 25 年度においては、過年度と同様に継続的に資産運用委員会の下で、高等教育機関による資
産運用としての安定性・健全性を確保しつつ、経営の安定化に資するポートフォリオモデルを策定
し、モデルポートフォリオの実現に向けての運用資産の組み換えを実施することとする。なお、運
用資産の組み換えは経済状況・金融状況を勘案しつつ進めるため、複数年を要する予定である。
(2)今後の財務モデル
昨年度、開校 140 年(創設 432 年)を迎えた本学園は、今後ともその伝統をさらに発展させ、社
会的要請に応えるべく将来にわたって存続し続ける責務がある。この実現のため熊谷キャンパスで
は再開発事業の完成を迎え、馬込キャンパス用地の取得および校舎・グランド建設工事をおこない、
また大崎キャンパスにおいては中学校・高等学校移転後の再整備が予定され、大学、中学校・高等
学校の一層の発展のための環境整備を促進している。今後はこれらの教育環境の整備ならびにその
維持・発展のための財政的な裏付けを確保しなくてはならない。
そのため、収入の部においては、その多くを占める学生生徒等納付金を安定的に得るための学生
数の確保と校納金の見直し、支出の部においては、その多くを占める人件費の高騰化の抑制と経費
削減に向けた総事業の見直しを中心とした財務モデルの再検討を進めており、平成 25 年度において
も継続的に検討し、必要な組織決定を得ることとする。
10.140 周年記念勧募事業の展開と 150 周年事業への継承
(1)大学史編纂アーカイブ事業(150 周年「正史」に向けて)
明治 5 年の学制公布から歴史と伝統を有する立正大学は、平成 24 年に開校 140 周年の慶年を迎え、
「東日本大震災被災地学生に対する経済的支援」「馬込キャンパスならびに大崎キャンパス・熊谷
キャンパスの施設設備の充実」「立正大学/立正精神の内外への情報発信(国際シンポジウムの開
催、国際法華経学会の開催、各種記念事業)」などの事業を展開してきた。なお勧募事業は、平成
26 年 6 月まで継続する。
今年度は、昨年度(平成 24 年度)の 140 周年記念誌の編纂作業を踏まえ、150 周年(平成 34 年)
を見据えた大学アーカイブス充実のための貴重書・文化史料の蒐集と整理作業などの実施主体を明
確化し、組織的な対応を進めていくため、編纂室の改組を含めた学内環境の一層の整備に努めてい
く。
以上
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