平成23年度 研究成果発表会要旨集(多摩会場・墨田会場)

平成23年度 研究成果発表会要旨集(多摩会場・墨田会場)
太陽光発電パワーコンディショナの
雑音端子電圧測定の一手法について
○上野
武 司 *1)、 西 野
義 典 *1)、 原 本
1.はじめに
太陽光発電は、代替エネルギーの一つとして注目さ
れている。特に、一般家庭用の太陽光発電は分散型電
源 と も 呼 ば れ て お り 、東 日 本 大 震 災 後 注 目 さ れ て い る 。
こ の 太 陽 光 発 電 は 、 図 1( 上 ) の よ う に 構 成 さ れ る 。
パ ワ ー コ ン デ ィ シ ョ ナ ( GCPC) で は 電 力 を 直 流 か ら
交流に変換し、家電や情報機器等に供給する。この
GCPC は 、 昇 圧 チ ョ ッ パ と イ ン バ ー タ 回 路 が 使 わ れ て
お り 、 妨 害 波 の 放 出 源 と な り う る 。 そ の た め 、 GCPC
の EMC 規 格 化 を 進 め て お り 、 測 定 方 法 の 検 証 を 多 摩
テ ク ノ プ ラ ザ EMC サ イ ト で 実 施 し た 。 特 に 、 太 陽 電
池モジュール側の直流ポートに着目し、妨害波測定方
法の一つである雑音端子電圧測定の適用を検証した。
2.実験方法
測 定 系 の 概 略 図 を 図 1(下 )に 示 す 。 直 流 用 擬 似 電 源
回 路 網 ( DC-LISN) と し て は 、 入 力 端 子 ( VA、 VB)、
コ モ ン モ ー ド ( ASYM) 及 び デ ィ フ ァ レ ン シ ャ ル モ ー
ド ( SYM ) の 4 種 類 の 端 子 電 圧 が 測 定 で き る ⊿ 型
DC-LISN を 用 い た 。 ま た GCPC の 交 流 出 力 ポ ー ト に
は 、 3 線 式 交 流 用 擬 似 電 源 回 路 網 ( AMN) を 用 い た 。
雑音端子電圧とともに、雑音電流の測定を行った。
コ モ ン モ ー ド 電 流( ICOM)、デ ィ フ ァ レ ン シ ャ ル モ ー
ド 電 流( IDIF)を 図 2 の よ う に 電 流 プ ロ ー ブ を 配 置 し
て測定した。
3.結果及び考察
図 4 に は 、雑 音 端 子 電 圧 の 測 定 結 果 を 示 す 。ま た 図
5 には、雑音電流の測定結果を示す。雑音端子電圧、
雑 音 電 流 6 項 目 が 測 定 で き た 。こ の ノ イ ズ の ピ ー ク は
バックグランドノイズに対してマージンがあった。数
MHz に お い て 共 振 が 見 ら れ た 。ま た ASYM と ICOM、
SYM と IDIF で は 、 各 周 波 数 特 性 に お い て ピ ー ク が 現
れ る 周 波 数 が 一 致 す る こ と か ら 、 ICOM お よ び IDIF
のノイズが評価できていると考える。
4.まとめ
本 研 究 で は , GCPC の 入 力 ポ ー ト の 伝 導 妨 害 波 の 測
定方法として、雑音端子電圧の測定方法を適用した。
DC-LISN を 用 い た と こ ろ 、コ モ ン モ ー ド ノ イ ズ 、デ ィ
ファレンシャルモードノイズの測定が可能であった。
現在、この測定手法をもとに許容値を検討しており、
規格策定に向けたさらなる実験を進めている。
図 1 GCPC の 配 置
図 2
電流プローブの配置
図 3
図 4
-5-
使 用 し た GCPC
雑音端子電圧測定結
果
図 5
果
*1)電 子 機 械 グ ル ー プ 、 *2)首 都 大 学 東 京
欽 朗 * 1 )、 清 水 敏 久 * 2 )
雑音電流測定結