東京理科大学 総合研究機構 「現状と課題」 2009 年 8 月 目 次 まえがき.. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. 1 . .. .. .. .. .. . .. ... 2 1.赤外自由電子レーザー研究センター.. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. 2.グリーン光科学技術研究センター.. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. ... 4 3.ホリスティック計算科学研究センター.. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. ... 6 4.キラルマテリアル研究センター.. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. ... 8 5.界面科学研究センター.. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. ..10 6.物質界面化学研究部門.. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. ..12 7.先端デバイス研究部門.. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. ..14 8.社会連携部/ 界面ナノテクノロジーを利用したスマートデバイスの研究開発プロジェクト.. . ..16 9.社会連携部/低侵襲性乳がん治療DDS開発プロジェクト.. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ...18 10.インテリジェントシステム研究部門.. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ...20 11.ものづくり・先端計測科学研究部門.. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ...22 12.次世代フォトニック応用研究部門.. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ...24 13.量子生命情報研究センター. .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ..26 14.知識インターフェース研究部門.. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ...28 15.人間支援工学研究センター. .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ..30 16.ナノ粒子健康科学研究センター.. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ...32 17.がん医療基盤科学技術研究センター.. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ...34 18.再生工学研究部門.. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ..36 19.ケミカルバイオロジー研究部門.. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ...38 20.トランスレーショナルリサーチ部門.. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ...40 21.社会連携部/大塚化学糖タンパク質工学研究プロジェクト.. . .. .. .. .. .. . .. .. .. ...42 22.社会連携部/ 放射線増感剤 SQAG の悪性腫瘍治療効果に関する研究開発プロジェクト.. .. .. . .44 23.社会連携部/オーガンテクノロジーズ器官再生工学プロジェクト.. .. .. . .. .. .. .. ..46 24.ポリスケールテクノロジー研究センター.. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. ..48 25.火災科学研究センター.. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ..50 26.数学教育研究部門 ... .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ..52 27.神楽坂 人・未来研究部門. .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ..54 28.危機管理・安全科学技術研究部門.. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ...56 29.研究機器センター.. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ..58 付録 総合研究機構の組織図.. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ..60 総合研究機構の変遷.. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ..61 名簿. .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. ..62 ま え が き 2005 年 11 月に発足した総合研究機構は現在 11 研究センター、12 研究部門、5 社会連携プロジェクトおよび研究機器センターによって構 成されている。この組織は研究重視の伝統を持つ東京理科大学における 研究活動の戦略的中核となることが望まれている。実際活発な活動によ って社会的に高い評価を得ている研究グループがいくつかある。一方で 『多くの研究チームはある分野を共有する研究集団であっても、共同研 究を通してシナジー効果を十分に発揮する努力が必ずしもなされてい たとは言えず、単に個人研究の集合としか見なせないセンターも少なく ない。』との 2008 年 7 月の学長総括は適切であり、このような状況は 早急に改善されなくてはならない。 上記認識に対応して 2008 年 8 月「総合研究機構」に属するすべての 研究グループがそれぞれの組織の現状分析を行いその中から自然に浮 かび上がる「問題点・課題」を整理し、かつそれを機構全体で共有し、 提起された課題等について解決する可能性を追求することを意図して 「現状と課題」が作成された。本冊子はその 2009 年版である。 全学的視点に立った実質的連携研究体制を構築し東京理科大学におけ る意欲的な研究活動の発展に寄与することを期待する。 2009 年 6 月 10 日 福山秀敏 ― 1 ― 1.[赤外自由電子レーザー研究センター] 1) 研究センターの設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 赤外自由電子レーザー研究センター(FEL-TUS)は、文部科学省科学研究費補助金学術創成 研究費による研究プロジェクト「赤外自由電子レーザーの高性能化とそれを用いた光科学」(研究 代表者:故黒田晴雄)によって発足したものである。本プロジェクトの当初の研究計画と目的は、光 利用からの諸要請を考慮した設計の赤外自由電子レーザー(赤外FEL)を製作し、その一層の高 性能化に努めるとともに、赤外FEL利用のための基盤技術に関する研究を展開しつつ、赤外FEL を用いる光科学を発展させることであった。 このプロジェクト研究は半年間の準備研究を経て1999年4月から始まり2004年3月に終了した。 本プロジェクトの最も重要な意義は、加速器開発が中心であったわが国の自由電子レーザー研究 を、本来の目的である利用研究を通して光科学の新分野開拓の端緒を拓いたことである。2005年 度より高エネルギー加速器研究機構(KEK)の加速器科学支援事業における大学等連携支援事 業、および私立大学学術研究高度化推進事業(ハイテクリサーチセンター整備事業、課題名:高 度光利用グリーン科学技術研究センター)の協力施設に採択され、その後は安定かつ高出力な中 赤外FEL光が利用実験に提供されており、多光子吸収による分子振動励起、多光子解離、化学反 応機構の追跡や分子イメージング等分子科学における基礎的研究成果が得られ、当初の目的を 達成しつつ、光科学の広い分野における赤外FEL利用の高い可能性を示した。 当施設は平成19, 20年度文部科学省「先端研究施設共用イノベーション創出事業【産業戦略利 用】に採択された。また平成21年度からは、先端研究施設共用促進事業(補助金交付額予定: 3000万円)として継続されている。 2) 2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 先端研究施設共用イノベーション創出事業「阪大-理科大合同シンポジウム」 日時:2009 年 1 月 020 日(火) 午後 1 時より 場所:東京理科大学 森戸記念館第 1 フォーラム 資料別添 FEL-TUS Chemical Physics Seminar 2008 年 6 月 23 日(月)Prof. Jer-Lai Kuo (Nanyang Technological University) 2008 年 12 月 1 日(月)坪内雅明博士(University of British Columbia) 3) 外部有識者と関係のある委員会 設楽 哲夫 高エネルギー加速器研究機構・加速器研究施設教授 大田俊明 立命館大学教授・SRセンター長 河合正之 東北大学原子核理学研究施設准教授 4) 今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 4-1) 研究成果等 現在光利用研究を行っている機関・研究室 企業:島津製作所、大日本印刷、大陽日酸、(サントリーおよび東レリサーチセンターが打診中) 独立行政法人:産総研、理研/東京理科大学 ― 2 ― 大学:群馬大学、東京理科大学(3研究室) 学術発表 Infrared photodissociation spectroscopy and density-functional calculations of protonated methanol cluster ions: Solvation structures of an excess proton K. Tono, Jer-Lai Kuo, M. Tada, K. Fukazawa, N. Fukushima, C. Kasai, and K. Tsukiyama J. Chem. Phys. 129, 601831-1-8 (2008) Infrared-induced reaction on MoO3 using a tunable infrared free electron laser Md G. Moula, S. Sato, K. Irokawa, H. Niimi, S. Suzuki, K. Asakura, and H. Kuroda Bull. Chem. Soc. Jpn. 81, 836-842(2008) 北海道大学との共同研究 4-2) 問題点・課題 遠赤外FEL 現在MIRは順調に稼動しているが、遠赤外(FIR)FELについてはハードウェアはすでに組みあがっ ているものの発振にはいたっていない。FIR(THZ)光源の開発とその応用はhot topicsであり、また 周波数混合技術の発展によりテーブルトップ中赤外光源の分光計測への応用が報告されている FIR-FELの整備を進め当施設の独自性を維持することはひとつの活路である。このためには加速 器科学を専門とする専任のスタッフの常駐が不可欠である。 一方、現状では電源が共通であるため、FIRとMIRを同時に動かすことはできない。またMIRの運転 資金は以下に記載するように主に文部科学省より得ているが、これはMIRの共用利用を促進する 趣旨のものであり、補助金はMIRの共用稼働時間に比例する。すなわちMIRの運転を休止すれば MIRの維持さえ困難となるジレンマがある。 運営体制 センター長(併任)以下FEL運転責任者(85%外部資金)、光利用支援研究員(PD: 100%外部資 金)であり、いずれも専任ではない。光利用研究には安定的なFEL光の供給が不可欠であり、 FEL-TUSは小規模ながら加速器施設であるので、そのオペレーションと維持には専門技術者の助 力が必要である。しかしながら現在の体制では、中長期的なビジョンを描くことは難しい。 運転資金 加速器の維持には金がかかる。加速器のオペレーション・維持・管理に三菱電機システムサービス に業務委託を行っているが、1年間の経費は約1400万円。現状では半分が外部資金、半分が大学 の出費となっている。 テーブルトップレーザーの台頭 近年卓上の可視・近赤外パルスレーザーの非線形周波数混合によって中赤外光を発振させる OPOレーザーが実用の域に達しつつあり実際に市販されている。今後出力の改善が進めば、FEL の存在意義は低下する。現状ではそれぞれの光源の特徴を活かしたすみわけを考えておくことが 必要である。 ― 3 ― 2.[グリーン光科学技術研究センター] 1)研究センターの設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 【設立の経緯】20世紀、人類は科学技術の急速な発達により豊かな物質文明を築きあげた反面、 負の遺産として、大量の化石燃料の消費によるエネルギー資源の枯渇と環境破壊がもたらされた。 この反省から21世紀は、”地球環境を保護し存続できる科学技術”の発達に寄与する、“グリーンケ ミストリー”の推進が重要である。そこで光の高度利用による環境にやさしい科学技術の研究を推 進するために、本学の21名の光科学の研究者が結集して、センターを立ち上げ、平成17年度の 「ハイテクリサーチセンター整備事業」として文部科学省から選定を受けて設立された。 【目的】光の革新的利用により豊かで持続可能な社会の構築に寄与するとともに、犯罪、癌など現 代社会の抱える様々な問題に科学の立場から総合的に取り組み、“人と環境の健康と安全”に寄 与し、それらの取り組みを通して、“知の創造”、“社会のための科学の推進”、そして “環境倫理感 を持つ優れた理工系人材を育成”することを目的とする。 【意義】・本学にグリーンケミストリーを指向する光科学における確固たる研究基盤ができあがり、先 導的研究拠点となる。 ・可視光照射により水から水素、酸素を高効率に発生する光触媒の開発、高効率色素増感太陽電 池の開発など、21世紀のエネルギー問題と環境問題の双方の解決することが期待される。 ・カーボンナノチューブに光の発生・検出機能を付与し新規カーボン系光・電子集積素子を開拓。 ・大学の先端科学を、専門家しか理解できない超のつく科学偏重から、人に優しい等身大の科学 への質的転換をめざす。人と科学の調和のとれた研究を展開し、科学技術の進歩が物質的豊かさ のみならず、文化的・精神的豊かさをもたらすことを社会に提示することができる。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 ・2007 年度研究成果報告書を 2008 年7月に発行した(総頁数は 148 頁)。当センターでは、環境 への配慮から、論文別刷りを報告書に入れず CD-ROM 化して付録としている。 ・オープンキャンパスに参加し、6回の講演と電子顕微鏡の実習を行った(8/8~9 日) ・総合研究機構フォーラムに参加 (H20 年 10 月 28 日 秋葉原コンベンションホール)。大川教授 が講演するとともにグリーン研の成果を2件プレス発表した。 ・G 研パンフレットを作成(10 月)。新メンバーを含めた 23 名で各自の専門分野を紹介。総頁数は 21 頁となっている。 ・グリーン研成果報告会を実施(H21 年 1 月 31 日 東京理科大学11号館 ) ・総合研究機構年次報告書の作成(H21 年 3 月) ■共催・支援活動 ・大学院共通教育プログラムの企画を支援し、グリーン研のHPより学生への情報提供。 ・第 1 回起源と表示に関する分析技術勉強会を共催 (H20 年 7 月 11 日 東京理科大学 1 号館 大会議室) ・X線分析研究懇談会第 16回 X 線分析講習会「蛍光X線分析の実際」を共催 (H20 年 7 月 14 日~16 日 東京理科大学 1 号館 記念講堂) ・第2回起源と表示に関する分析技術勉強会を共催 (平成 20 年 10 月 9 日東京理科大学 1 号館 大会議室 ) ・「ガス取り扱い安全講習会」主催(平成 20 年 10 月 29 日 大川研究室) ・日本化学会「化学への招待-講演会」共催(H21 年 1 月 24 日 東京理科大学 10 号館) 3)外部有識者と関係のある委員会 外部評価委員会 ― 4 ― 中澤 弘基 (物質・材料研究機構フェロー) 中川 昌子 (神奈川大学理学部化学特任教授、元千葉大学教授) 小林洋志 (日本学術振興会 第125委員会委員長 (鳥取大学名誉教授)) 谷 辰夫 (諏訪東京理科大学教授 工学・マネジメント研究科長) 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 ■受賞 ・日本学術振興会 光電相互変換第 125 委員会 研究業績賞(大川和宏)2009.2. ・第一三共・創薬有機化学賞(林 雄二郎), 有機合成化学協会,2008 ・2008 年度学生ポスター賞・講演賞 7件(荒川・安藤・河合 2 件・中井・本間・由井) ■論文誌に関する特記事項 「J.Anal.Atomic Spectroscopy」の「Top ten accessed on the web」に選定(中井) 「Tetrahedron Letters Cover Figure Article」に選定(椎名) 「European Journal of Organic Chemistry」の「Top ten Most Accessed Article」に選定(椎名) ■TV出演(広報活動) 1)「世界一受けたい授業」で講師をつとめる。日本テレビ、2008 年 7 月 19 日放映(中井) 2)色素増感太陽電池,NHK 教育テレビ、2008(荒川) 3)「大学へ行こう 知の道しるべ」2008 年 7 月 20 日 BS 日テレ(大川) ■新聞で研究成果等の紹介 中井(産経、東京)、工藤(毎日、日経)、安藤(日刊工業 2 回)、徳永(東京、中日新聞) ■一般雑誌による研究成果紹介 Someone(中井)、原子力文化(中井)、日経エコロジー(荒川 2 回) ■展示 ・電子顕微鏡の革新的次世代検出器の開発、分析展、幕張メッセ(中井、本間)2008 年 9 月 ・日本科学未来館における水分解光触媒の常設展示(工藤)2008年~ ・色素増感太陽電池モジュールの展示, PV Japan (国際太陽電池博覧会(荒川)、2008 年 7 月 【課題】 平成21年度で、5年間の設置期間満了となる。等センターの設立により本学のグリーン光科学の 分野の研究が大いに進展し、環境科学を指向する本学の新しい研究拠点が形成され、初期の目 的は達成できたと考えられる。しかし、世界的潮流としては、オバマ大統領が提案した「グリーン・ニ ューディール政策」に象徴されるように、今後の動向はグリーン研の方向と重なってきており、本学 の先導性を示し先進性を維持するには、本分野の研究を本学が一層推進することが期待される。 現在、当センターの共通機器室は1号館12階に設置され、大型機器はメンバー以外にも広く学 内に開放され、大学院生以上は適宜講習を受講すればだれでも使えるようになっていて、神楽坂 地区の共通機器センターの役割を担っている。大型機器を共同で効率よく管理運営することは、 研究資産の有効利用からもきわめて有効であり、同施設は神楽坂地区ですでに広く活用されてい る。また、オープンキャンパスの時や、内外の視察団の来学時に、神楽坂地区の当センターが見 学対象となり、本学の研究設備が優れていることのPRの役割も担っている。グリーン研の人材育成 面での活動としては、グリーン研の全メンバーがオムニバス的に講義する『グリーン光科学特論Ⅰ・ Ⅱ』を前期、後期に開講し受講生は180を越え、本学で最も受講生の多い大学院の講義である。本 講義は既存の専攻の壁を超え、バリアフリーの学際的な教育研究の推進に寄与している。また、大 学院共通教育プログラムの企画、実施を支援している。このような中で、当センターの果たしてきた 役割をどのような形で今後継続させるかが本年度の大きな課題となっている。 ― 5 ― 3.[ホリスティック計算科学研究センター] 1) 研究センターの設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 本研究センターは、前身である計算科学フロンティア研究センター(FRCCS)の成果を基 盤として計算科学の新しい視点に立ってさらなる展開を目指し、2005 年度文科省私学高度 化推進事業学術フロンティア「ホリスティックアプローチによる計算科学の新展開」(2005 年度~2009 年度)プロジェクトが認可されたのを機に発足した。物質科学,流体科学,生 体電気科学の3分野において,要素のみならず全体を重視するホリスティックな視点に立 って,分野横断的な研究会や,外部の研究者との交流を通して,研究の進展を図る.ウエ ブサイトを開設し,研究の成果を,画像化,データーベース化等して,世界に発信する. また, 国際,国内シンポジウムを開催する他,健康をテーマにして,地域住民とも交流を 図って,成果を地域にも還元する.大学院生を積極的に研究に参加させ,一定数の大学院 生を海外の学会に派遣し,感覚豊かな大学院生や若手研究者を育成する. 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 2008 年度の主な活動と成果は,(1) 国際会議 IMA4 の開催「The 4th International Marangoni Association Conference on Interfacial & Micro Fluid Dynamics & Processes」、(2) 第 3 回計算科学フロンティアフォーラムを名古屋大学 21 世紀 COE 計算科学フロンティア、東 洋大学計算力学研究センターと共同開催、(3) HOLCS-新疆大学による砂輸送ワークショッ プの開催、(4) 宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」における最初の科学実験の実施、 (5) TUS DNS Database が国立国会図書館データベース・ナビゲーション・サービス(Dnavi) に登録される、(5) 国外から講師を招いてのホルクス MD セミナーの開催(3回)(6) セン ター内横断的研究会「MD フォーラム」の開催(1 回)、(7)流体計算科学グループ研究会開 催、(8) 流体若手夏の学校を日本流体力学会と共催、(9) 野田、流山、柏の各市民を対象 にした健康づくりフォローアップセミナー「中高齢者のための健康づくり運動」開催(41 名参加)、 (10)大学院生教育の一環としての国際会議での院生の参加・発表の支援(年間 13 名に対して支援),(11)ニュースレターNo.7 の発行(1 回)、である。また、昨年度に引 き続いて本研究センター内グループ間共同研究も進められた。この他に,プロジェクトの ホームページ(www.holcs.com)を開設して維持し研究成果を置き,各種イベント情報の発 信を行っている。本サイトへの年間アクセス数は 1285 であった。乱流データーベースには, 年間約 2,000 件のアクセスがあり,国際的にもよく知られたデーターベースサイトとして, 認知されている.QSCM(Quantum Self-Capacitance of Molecules)データベース(物質グル ープ)、陸域環境負荷モニタリングデータベース(流体グループ)も本センターサイトにリン クされている。 以下は 2008 年度会議・研究会等開催記録である。 ホルクス MD セミナー(H20 年度 1 回目) 主催 ホルクス MD フォーラム(H20 年度 1 回目) 主催 流体計算科学グループ研究会 主催 ― 6 ― 平成 20 年 4 月 11 日 平成 20 年 4 月 24 日 平成 20 年 6 月 24 日 流体若手夏の学校 共催 計算科学フロンティアフォーラム 共催 国際会議 IMA4 主催 総合研究機構フォーラム 講演とポスター展示 ホルクス MD セミナー(H20 年度 2 回目) 主催 ホルクス MD セミナー(H20 年度 3 回目) 主催 健康づくりフォローアップセミナー 主催 砂輸送ワークショップ 共催 平成 20 年度研究成果報告会 主催 平成 20 年 平成 20 年 平成 20 年 平成 20 年 平成 20 年 平成 20 年 平成 21 年 平成 21 年 平成 21 年 8 月 28-30 日 9月 9日 10 月 21-23 日 10 月 28 日 12 月 9 日 12 月 22 日 1 月 23 日 2 月 14 日 3 月 24 日 3)外部有識者と関係のある委員会 平成 19 年 6 月 30 日に、評価委員、矢川元基教授(東洋大)、福井康裕教授(東京電機大)、 石井力教授(元執行役学長室、現副学長)、阿部芳首教授(元先端材料研究センター長)、 溝口文雄教授(元情報メディアセンター長)による中間評価を受け、高い評価を頂いた。 その後、平成 19 年に研究進捗状況報告書を文科省に提出し、平成 20 年 10 月に中間評価の 報告を受けた。その中で、“プロジェクトを構成する三つの研究グループのそれぞれの研究 成果は上がっているが,研究目標がブロードに設定されているために,期限内成果表出と しての判断が難しい”という指摘を受けた。「学術フロンティア推進事業」は研究成果の発 信のための国際シンポジウム開催、成果のデータベース公開、大学院生の海外派遣等によ る人材育成等を重要な要素とした研究拠点形成を目標としているので、そのような印象を 持たれた可能性はあるが、2007、2008 年度活動状況報告でもわかるように、学術フロンテ ィアとしての目標を十分に達成してきた。 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 ホルクスではこの 4 年間、4 回の国際会議と 3 回の国内会議の主催・共催、ホルクスウエブ サイトに研究成果をデータベース化したものを掲載しておこなう世界への情報発信、組織 内横断研究会「MD フォーラム」の開催を通した研究情報交換、延べ 40 名の大学院生の海外 派遣などの活動を行ってきた。特に、河村洋教授のグループで開発してきた DNS データベ ースの国際的認知度が極めて高いこと、宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」における 最初の科学実験を実施したことは、特筆すべきものである。 本プロジェクトは今年度が最終年度であるので、ホリスティックアプローチによる各研究 成果をまとめ、次期プロジェクトに向け今までの研究資産とアクティビィティーを継続発 展させてゆくことを本研究センターの目標としたい。 ― 7 ― 4.[キラルマテリアル研究センター] 1)研究センターの設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 19 年度に設置されたキラルマテリアル研究センターは,同じく 19 年度設置予定であった キラル科学研究部門が母体となり,発展的に規模を大きくしてセンターとして設置に至っ たのが経緯である。 生体関連化合物は、L-アミノ酸に代表されるように可能な2つの鏡像異性体のうち一方 のみから構成されておりキラルである。したがって、医薬品等の合成にも鏡像異性体の一 方のみを与える不斉触媒反応の開発が要請されている。また、生体分子が一方の鏡像異性 体に偏った過程や、生体の内臓配置が片寄る過程の研究は生命の誕生と進化を解明するこ とつながる興味深い課題である。さらに、液晶などをはじめとする機能性材料やその他の 幅広い材料分野においても、鏡像異性体もしくは広義の非対称な現象が果たす役割は重要 である。本センターは、キラリティーを軸にキラルな化合物の効率的な不斉合成法の開発、 ホモキラリティーの起源や生体の内臓配置の非対称性の起源の解明、広く非対称配置を示 す材料の創製や現象の解明を目的とする。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 ソフト・ハードキラルマテリアル研究グループについて キラルマテリアル研究センターは、私立大学ハイテクリサーチセンターの一つであり、 大学における研究レベルの向上およびキラルマテリアルに関する研究の推進を第一の使命 としている。平成 19 年に発足後、平成 20 年においても 28 名の構成員がそれぞれ各自の研 究テーマで研究を推進してきた。 平 成 2 0 年 1 2 月 1 日 に 国 際 シ ン ポ ジ ウ ム で あ る 第 5 回 Symposium on Chemical Approaches to Chirality をキラルマテリアル研究センターが主催して開催した。基調お よび招待講演者は、スペインから3名、メキシコから1名、日本から2名であった。参加 者は157名であった。 3)外部有識者と関係のある委員会 なし 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 研究活動の展望 平成 19 年に発足後、平成 20 年においても 28 名の構成員がそれぞれ各自の研究テーマで 研究を推進してきた。平成20年12月1日に国際シンポジウムである第5回 Symposium on Chemical Approaches to Chirality をキラルマテリアル研究センターが主催して開催し た。さらに、現段階では構成メンバーがそれぞれのテーマに基づき研究を推進した。 ― 8 ― 平成 20 年度中にも、以下の表彰および名誉が構成員に対して与えられている。 15th International Conference on the Origin of Life (Florence ISSOL’08), August 24-29, 2008 お よ び 5th Symposium on Chemical Approaches to Chirality, December 1, 2008.において,硤合憲三らの発表に対してポスター賞が与えられた。 佐藤 毅が日本薬学会学術貢献賞を,林雄二郎が第一三共・創薬有機化学賞(有機合成化学協会) をそれぞれ受賞した。斎藤慎一らの研究が第 55 回有機合成化学協会関東支部シンポジウム で若手講演賞を,椎名勇が平成 20 年度東レ科学技術研究助成を受賞した。由井宏治らの研 究が第61回コロイドおよび界面化学討論会ポスター賞を,大川和宏が日本学術振興会光 電相互変換第 125 委員会業績賞を受賞した。さらに本間芳和らが第 25 回(2008 年秋季) 応用物理学会講演奨励賞を,安藤靜敏らの研究が the 18th International Photovoltaic Science and Engieering Conference でポスター賞を受賞した。 また硤合らが炭素同位体キラル化合物を用いる不斉合成を Science 電子版に報告してお り,今後の展望が期待できる。 以上述べたように、受賞等で表されるように研究活動に対し、一定の評価が得られてい ると言える。今後、本年度の研究成果をさらに発展させることが 22 年度への展望となる。 課題 センターを母体として外部資金を獲得するには,当該分野で少なくとも3人以上の優れ た研究成果が必要であると考えられる。ただし,センターをそれぞれの研究者をゆるくま とめた組織であると考えるならば,基本的には各個人の働きに依存することになる。 むすび キラルマテリアル研究センターは、平成 19 年度に発足し,2 年が経過したばかりである が,各種の受賞および名誉で示されるように、確固たる研究成果を挙げつつある。ハイテ クリサーチセンターであることを踏まえ、研究の推進を最優先させ、優れた研究成果を挙 げることが重要である。 ― 9 ― 5. [界面科学研究センター] 1)研究センターの設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 界面科学研究センターの前身である界面科学研究部門は、1981 年 1 月に発足しました。初 代部門長である目黒謙次郎教授(理学部)の後、近藤 保教授(薬学部)、上野 實教授(理 学部)、今野紀二郎教授(工学部)を経て、現在に至っております。そして、2008 年度、界 面科学研究部門は界面科学研究センターに移行しました。メンバーは本学全学部にわたり、 国内的にも国際的にも、界面・コロイド科学における先導的役割を果たしてきています。例 えば、1986 年に箱根で開催された我が国初の界面コロイド科学国際会議(目黒謙次郎・組織 委委員長)および、1993 年に本学神楽坂地区で開催された日本化学会の第 46 回コロイドお よび界面化学討論会(近藤保・組織委員長)では、いずれも、界面研が学会組織委員会の中 心的役割を果たしました。メンバーの一人である河合武司教授は日本油化学会界面科学部会 の部会長であります。センター長の大島広行教授は日本油化学会オレオナノサイエンス部会 の部会長であり、界面コロイド科学分野の主要国際誌のうち、2誌、Colloids and Surfaces B: Biointerfaces (Elsevier)および Colloid and Polymer Science (Springer)の Editor を つとめ、同時に、ISO において界面活性剤の規格を設定する技術委員会 TC 91 の議長をして おります。 平成 20 年度文科省戦略的研究拠点形成支援事業に「ナノ・バイオ界面技術の創成とその応 用」のテーマで申請したプロジェクトが採択されました。ここでは、界面研は5つのグルー プ、すなわち、バイオ界面、バイオマテリアル、ナノマテリアル、ナノスペース、界面理論・ 解析の各グループから成ります。本プロジェクトでは、時空間的な機能発現の場として界面 を捉え、新しい界面理論に基づき、新規な物性・機能・理論の創出を目指します。具体的な 対象は、バイオ材料、有機・無機ナノ材料です。そして、時空間制御可能なナノ・バイオ界 面技術を創成することを目的とします。医療を支えるナノ・バイオデバイス、細胞操作・治 療技術、安心社会・環境を支えるエネルギー貯蔵・変換技術のような分野における革新的ナ ノ・バイオマテリアルへ、本プロジェクトの界面技術を応用展開しようとしております。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 2008年6月に京都で、界面科学研究センター共催で国際シンポジウム「環境と界面科 学」(Interfaces Against Pollution, IAP 2008) が開催され、組織委員長はセンター長であ る大島広行教授が務めた。 上記以外の界面研セミナーとして以下の講演会を行った。 ― 10 ― 1)界面研セミナー 東京理科大学 2008.9.30 新しい TiO2 光触媒の開発 TiO2 光触媒反応の一分子イメージング 真嶋 哲朗 実用材料の量子化学観点からの研究 遠藤 一央 2)Dr. Kun-Lin Yang による界面研セミナー 2007.6.7 Liquid Crystal-Based Microfluidic Immunoassays for Diagnostic Applications,Kun-Lin Yang 3)平成 20 年度界面科学研究センター研究成果報告会、 平成 21 年 4 月 27 日(月) 10 時 00 分~17 時 45 分 東京理科大学 森戸記念館 第一フォーラム 3)外部有識者と関係のある委員会 なし 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 神楽坂地区と野田地区に「ナノバイオ」と「ナノ界面」の2つのプロジェクトを遂行する 研究拠点を形成するべく、界面科学研究センターとして、最重要テーマの選定が目下の課題 である。なお、界面科学研究センターメンバーの共同プロジェクトの一つとして、 “Electrical Phenomena at Interfaces and Biointerfaces: Fundamentals and Applications in Nano-, Bio-, and Environmental Sciences”(John Wiley and Sons, 編集:大島広行) の執筆に取りかかります。 ― 11 ― 6.[物質界面化学研究部門] 1)研究部門設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 この部門は 2008 年 4 月に新たに立ち上がった。当部門は、身の回りの物質から先端科学に必 要不可欠な材料(物質)の界面物性を研究することにより、高機能性ナノ微粒子や薄膜、マイクロ 波励起無電極紫外線ランプ、超高感度型センサー、高効率型燃料電池などの次世代型機能性材 料を創成することを目的とし設置された。 2)2008 年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 • 第 1 回 物質界面化学研究部門セミナー 日時:平成 21 年 1 月 20 日(火)14 時〜15 時 場所:東京理科大学野田校舎 3 号館別館 4 階ホール 講演者: Prof. Jiradej Manosroi (Faculty of Pharmacy, Chiang Mai University) 題目:Current Condition and Future of Natural Compounds for Cosmetics in Thailand • 第 2 回 物質界面化学研究部門セミナー 日時:平成 21 年1月 21 日(水)14 時〜15 時 場所:東京理科大学野田校舎 3 号館別館 4 階ホール 講演者:Associate Professor Aranya Manosroi (Faculty of Pharmacy, Chiang Mai University) 題目:Transfollicular Delivery Systems of Fatty Acids from Natural Sources Entrapped in Nanovesicles for Anti-hair Loss. • マイクロ波技術研修会 • Global Congress on Microwave Energy Applications 2008 年 4 月 21 日(月) テクニカルコミニティー・ローカルコミニティー • 第2回 日本電磁波エネルギー応用学会研究会 • 招待講演 2008 年 8 月 4 日(月) 2009 年 1 月 21 日(水) 阿部正彦 ・南京理工大学(2008/5/15) ・上海交通大学化学化工学院(2008/5/20) ・17th International Symposium on Surfactants in Solution(2008/8/18 ~22) ・日本化学会 第 2 回関東支部大会(2008/9/18~19) ・KSIEC 38th Fall Symposium and Annual Meeting(2008/11/12~14) 湯浅 真 ・ナノテクノロジービジネス推進協議会(2008/5/9) ・高分子学会燃料電池材料研究会(2009/2/5) 板垣昌幸 ・電気化学会(2008/11/13)、表面技術協会(2009/1/15)、産業技術総合研 究所(2009/1/16)、科学技術交流財団(2009/3/12) ― 12 ― 3)外部有識者と関係のある委員会 なし 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 • 燃料電池カソード触媒としての高分子金属錯体として、金属/ポリピロール系、高分子化金 属ポルフィリン系等を検討し固体高分子形燃料電池(PEFC)の新規な触媒層、膜-電解質 接合体(MEA)等を作成した。 • 電気化学分析法の1つである電気化学インピーダンス法の理論解析を進めている。2008 年度は、電気化学インピーダンス法をバイオセンサーの機能・構造解析に適用した。 • 高選択的・高機能的 DNA/タンパク質結合能をもつインドールアルカロイドのうち特に Ellipticine 及びβ-Carboline 誘導体の新規合成法の開発を中心にこれらの化合物合成の ための基本素反応の開発、得られた化合物の抗腫瘍活性等の機能評価とその機能発現 機構の解明について研究を行った。今後は Ellipticine の作用機構を明らかにし、β -Carboline 及び Ellipticine のさらなる構造最適化を行い、動物実験による抗ガン剤として の実用化の基礎研究を推進する予定である。 • バルク状の金属ガラス試料に対する精密密度測定法を工夫して、金属ガラスの構造緩和 に伴う体積測定を行い、緩和機構について新たな知見を得ることができた。成果は、J. Physics,Physical Review B,Acta Materiallia に投稿中である。 • 平成 21 年度特許ビジネス市の本学出展特許に研究課題で使用する「静電噴霧装置(特 開 2008-233850)」が採択された。本出願特許を従来のコンビナトリアル材料探索システム に導入・融合させることで、さらなる高精度の材料探索が期待できる。 • 試作マイクロ波有機合成装置を用いて、界面活性剤の無溶媒合成に成功した。基本的合 成手法については確立できたので、最適化やスケールアップを今後検討する。 • マイクロ波励起無電極ランプを用いた水処理装置の開発を行った。ラボスケールの水処 理で、装置の性能を評価した。この装置の利点を明確にしスケールアップを企業と検討し ている。 • マイクロ波を用いることで還元剤フリーの銀ナノ粒子合成法を確立した。反応メカニズムの 解明やスケールアップを今後検討する予定である。 • マイクロメートルスケールの円盤状ドメイン、ナノワイヤー型ドメインなどを作製することが可 能となった。また、シランカップリング剤との混合 LB 膜を基にテンプレートを作製し、その 上に無機化合物、有機化合物を導入することに成功した。課題としては、ナノワイヤーの 形状と相対位置の精密制御である。 • HIP 法による各種ソフトフェライトの比較的低温における焼結と焼結後の磁気特性につい ての研究では、加圧しながらの焼結の為、常圧焼結より格段の緻密化が行われるが、保持 力の低下が見られた。HIP圧の応力が粒子界面に集中し磁気特性に悪影響を与えた為と 考えられる。この点の解明が今後の課題と考えられる。 ― 13 ― 7.[先端デバイス研究部門] 1)研究部門の設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 この4月より発足した新研究部門である。材料のデバイス応用および新たなデバイス作製と その科学を目的としている。本学は材料科学を得意としているが、材料開発の目的の一つは 新 し い デ バ イ ス へ の 展 開 で あ る 。 こ の 先 端 デ バ イ ス 研 究 部 門 ( Advanced Device Laboratories: 以下 ADL と略す)は、新しいデバイスの科学と技術の発展を目指す。ま たデバイス研究を主眼に置くため、企業との連携強化を進める。 ADL メンバー構成は、 理学部:大川*、趙*、岡村、平子、原子、中嶋 工学部:安藤 基礎工学部:藤代*、飯田、西尾、原 理工学部:杉山* 山口東京理科大 工学部:木練 である。ここで*印は運営委員であり、メンバー外の運営委員として科学技術交流センター 藤本センター長が参加している。センター長より産学連携に関する助言と指導を頂いている。 現時点では研究室単位での企業との共同研究が主であるが、ADL メンバーの連携を元に ADL として共同研究契約を推進する。 現在の研究対象は LED、レーザ、電子デバイス、水素製造システム、燃料電池、薄膜 太陽電池、熱電変換素子等である。省エネデバイス、クリーンエネルギーデバイス、エネ ルギーリサイクルデバイスのカテゴリーで考えており、デバイス技術と環境の融和を目指 している。 設立経緯は 9 年程前にさかのぼる。デバイス作製には、材料およびデバイスの作製とそれら の評価を行うため、多くの設備を必要とする。メンバーの一部は、2000 年頃より非公式ながら ADL と称し活動を始めていた。当時 新設の研究室同士であったため、設備は不十分であった。 メンバーは各研究室の設備の共同利用を推進し、同一設備の導入を避け、設備の充実を図った。 新しいメンバーが次々に加わり、現在のような形が数年前にほぼ出来上がった。ADL メンバー の研究室は、学会の前に共同合宿を行い、学会発表練習を兼ねた研究発表会と懇親会を重ねた。 人柄と科学と技術の相互理解は共同研究には欠かせないからである。 現在の ADL は、半導体材料、熱電変換材料、誘電体材料等を高品質に作製できるようにな った。デバイスプロセスを一通り自前で持ち、材料のデバイス化ができる状態にある。さらに 微細加工技術等で特殊構造を加えることもできる。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 なし 3)外部有識者と関係のある委員会 なし 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 この4月からの主な活動は、下記の通りである。 1.ADL 紹介パンフレットの作成 これからの ADL 研究活動を世間に知らせるために、パンフレットを TLO と共に作成 した。内容は、 1.これからの研究方向 2.これまでの研究成果 3.共同研究事例 4.各研究室の紹介 5.ADL の研究装置および技術リストの紹介 ― 14 ― 等である。 2.オープニング講演会の開催 ADL のオープニング講演会を下記のような3部構成で開催した。参加者は 200 名を超 え、内 企業関係者は 120 名であった。 第 1 部 研究展示会 日 時:平成 21 年 5 月 15 日(金)14:30~15:30 場 所:家の光会館(7階、コンベンションホールの横スペース) 内 容:研究成果の模型展示、ビデオ放映、パネル展示を用い ADL メンバーが 参加した学生あるいは企業関係者に説明を行った。 第 2 部 講演会 日 時:平成 21 年 5 月 15 日(金)15:30~17:30 場 所:家の光会館(7階、コンベンションホール) 内 容:大川、飯田によるデバイス研究の発表および来賓として中村修二教授 (UCSB)による最新デバイスに関する記念講演、小林喜光社長(三菱 ケミカル HD)による講演を行った。 第 3 部 技術交流会 日 時:平成 21 年 5 月 15 日(金)18:00~20:00 場 所:東京理科大学 6 号館学生談話室 内 容:ADL メンバー、来賓、企業からの参加者との技術交流会。上記研究展示 会の展示物を再度展示しながらディスカッションを行った。 3.産学連携 ・ADL との共同研究を考える企業と合意書を 2009 年 4 月 1 日付で取り交わした。 ・ADL の紹介(技術ショーケース)をボストンで開催予定 日時:2009 年 9 月 11 日(金)、場所:The Westin Boston Waterfront 克服すべき課題は多くある。第一は、所在地が神楽坂、九段、野田等と離れているための 非効率性である。学生らは、ほぼ毎日 実験のために他の研究室に移動する。実験サンプル を持ちながら街に出ている。街の人々には違和感はあっても害はない。しかし半導体業界の 方が聞けば驚くはずである。サンプル表面や界面の汚染・劣化は避けられないからである。 第二は、共同研究テーマの推進速度である。複数の研究室で推進している研究テーマはある が、フェイス ツー フェイスのディスカッションが教員間で絶対的に不足している。ディス カッションが不十分な理由は所在地の分散と業務負荷による。週末を含めてもディスカッシ ョン開催が困難な状況は明らかに問題である。 今後、ADL はメンバーの総合力発揮を目指す。目指す総合力は、メンバーの融和と技術の 融合によって、個々ではできない研究を達成できる力と考える。デバイス研究には材料開発 およびデバイス構造作製やそれらの評価など多面性がある。複数のメンバーで分担しなけれ ば世界と競合できるデバイス研究はできない。また複数メンバーによる研究は新たな領域を 目指す。例えば、次世代電子デバイスと注目されている GaN 系高周波・高出力デバイスがそ れに当たる。GaN 系薄膜結晶を成長できるメンバーと電子デバイスを評価できるメンバーは 別である。しかし ADL メンバーが揃えば、研究が可能である。実際、この領域でも共同研 究をスタートした状況である。 ― 15 ― 8.[社会連携部 界面ナノテクノロジーを利用したスマートデバイスの研究開発プロ ジェクト] 1)プロジェクト設置に至る経緯、設置目的・趣旨 本プロジェクトは、平成19年度からスタートした5カ年計画の文部科学省知的クラス ター創成事業(第II期)〜信州スマートデバイスクラスター〜を提案している財団法人 長野県テクノ財団から研究委託されている基本事業枠の1研究と関係府省連携枠の研究を 行うことを目的としている。創成事業(第I期)では研究そのものの促進を第1目的とし ていたが、第II期では研究成果の事業化を促進することが第1の目的である。我々は、 第I期最終年度から関与したが、得られた研究成果が高く評価され、それらの事業化を期 待され本研究体制に参入した次第である。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 • • • 第 3 回 知的クラスター創成事業(第Ⅱ期)理科大フォーラム 平成 20 年度 研究計画発表会 日時 平成 20 年 4 月 19 日(土) 場所 理科大野田校舎 カナル会館 第 4 回 知的クラスター創成事業(第Ⅱ期)理科大フォーラム 平成 20 年度 研究中間発表会 日時 平成 20 年 12 月 20 日(土) 場所 理科大野田校舎 1 号館 4 階 第 5 回 20 年度 事業成果報告会 日時 平成 21 年 3 月 6 日(金) 場所 理科大野田校舎 1 号館 4 階 3)外部有識者と関係のある委員会 技術評価委員 後藤 隆夫(新潟大学 客員教授) 須藤 昭一(桐蔭横浜大学 工学部長) 中浜 精一(東京工業大学 名誉教授) 山田 興一(東京大学 理事) 元島 栖二(岐阜大学 特任教授) 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 本プロジェクト構成メンバー27名が下記に示す3グループ(10テーマ)に関与し研究を行った。 1:機能性ナノ粒子利用デバイスの研究開発 成果・安価で安全性の高いオレイン酸を原料とする新規ジェミニ型アニオン界面活性剤の開発 ・安価で安全性の高いオレイン酸を原料とする新規ジェミニ型カチオン界面活性剤の開発 ・新規ジェミニ型アニオン界面活性剤の大量合成法ならびにコストの低減化に成功 ・フッ化炭素系およびハイブリッド型ジェミニ型陽イオン界面活性の合成 ・発泡ポリイミドの合成 ・発泡ポリイミドの白濁、屈折率、凹凸パターニング ・光駆動液晶の発明 ・ナノ相分離構造の光配向制御 2:界面テクノロジーを利用した機能センシングマテリアルの研究開発 成果・交流インピーダンスを用いたエレクトロケミカルマイグレーションの初期発生の検知を可 能にした ・混合修飾ダイヤモンド電極の作製法を確立した。また、過酸化水素を高感度かつ選択的 ― 16 ― に検出する修飾ダイヤモンド電極を作製した 3:界面テクノロジーを利用した機能デバイスの研究開発 成果・Pt-Mo系金属間化合物が高い触媒性能を発現することを見出した ・広pH域で安定に微粒子を分散させる分散剤の開発 ・大口径メソポーラスシリカを臨界環境を不要とする合成法により作製 ・Pt微粒子をメソポーラスシリカの孔内に発生させる技術の開発 関係府省連携枠:インクジェット用機能性インクの研究開発 これら成果の一部を、委託元の長野テクノ財団の要請によりプレス発表することとし、平成 21 年 1 月 30 日には「二酸化炭素排出量が少ないオレフィン系樹脂と紫外線を吸収する透明樹脂の開発」を発 表したところ、新聞社数紙に掲載され、かつ、テレビやラジオで放送された。続いて、2 月 6 日には 「低価格のジェミニ型界面活性剤の開発」を発表したところ新聞社 2 紙に掲載された。さらに 3 月 10 日には「植物由来の原料を配合したオレフィン樹脂の開発」を発表する予定である。今後も惜しみ なくプレス発表を計画しており、7 月、8 月、9 月の 3 回分の発表を予定している。 平成19 年度には 12 テーマ、平成20 年度には 10 テーマあったものを、平成21 年度はより事業化を目指 して次の 6 テーマに絞り、人員も削減して総力を挙げて取り組んでいくつもりである。 テーマ 1:「高性能界面活性剤としての新規ジェミニ型界面活性剤の開発と実用化研究」 課題・合成コストの更なる低減 ・フッ化炭素系およびハイブリッド型ジェミニに関しては大量合成法の開発 テーマ 2:「ナノカプセルポリマー充填剤の開発と応用」 課題 ・高強度、透明ナイロンの本格的事業化 ・内水相に二酸化炭素低減剤を封入したナノカプセルを調整し、二酸化炭素低減 PE への高分 散を試みる。既に燃焼時二酸化炭素発生の 75%削減に成功している ・デンプンを 70%含有する高濃度デンプン含有 PE の開発、生分解疑似餌の事業化 テーマ 3:「機能性ポリマーナノ粒子利用デバイスの研究開発」 課題 ・発泡条件の詳細の検討、応用展開の探索 テーマ 4:「ナノ構造材料を利用したバイオおよびコロージョンセンシングマテリアルの開発と応用」 課題 ・エレクトロケミカルマイグレーション発生時のスペクトル変化の詳細な分析 ・様々な環境下でのエレクトロケミカルマイグレーション性の評価 ・酸素固定化条件の検討、印刷電極作製のための諸条件の検討 テーマ 5:「高機能ナノ微粒子金属触媒担持多孔質セラミックスの研究開発 課題 ・イオン化傾向の異なる異種金属元素を用いた金属間化合物の合成 ・メソ孔内で発生する金属微粒子の粒径制御 テーマ 6:「セラミックスマイクロ/ナノスプリング(CMC)の大量合成に関する研究開発」 課題 ・マイクロ波プラズマ装置を取り付けた CMC 大量合成装置の設計、試作、試運転 ・幾つかの導電性セラミックスのナノスプリングを合成する ・マイクロ波プラズマ法を用いた CMC 新規調製方法に関する特許化 関係府省連携枠:「インクジェット用機能性インクの研究開発」 課題・ナノカプセルインクを実際にタンクに配合した際の長期安定性の評価 ・印刷後の印刷物の耐候性の評価、ナノカプセル作製のコストダウン ・光粘性制御系の非水溶媒での粘性制御の試み、実際のインクへの配合の試み ― 17 ― 9.[社会連携部 低侵襲性乳ガン治療DDS開発プロジェクト:(旧)DDS研究センター] 1)センター設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 東京理科大学 DDS 研究センターは、2003 年(平成 15 年)4 月 1 日に東京理科大学総合研究 所の 8 番目の研究部門(DDS 研究部門)として開設されたが、平成 16 年 4 月 1 日文部科学省私 立大学学術研究高度化促進事業“ハイテクリサーチ・センター整備事業”に採択されたことにより DDS 研究センターとなった。しかし、本プロジェクト終了に伴い、本年度(2009 年)から社会連携プ ロジェクト「低侵襲性乳ガン治療 DDS 開発プロジェクト」として再発足した。本プロジェクトでは、主と して低侵襲性乳ガン治療のための DDS の開発に関する研究を行うとともに、旧 DDS 研究センター で行ってきた DDS 研究をも併せて行う。DDS(Drug Delivery System)は“薬物送達システム”のこと で、クスリを必要とする部位(標的部位)に必要な量を必要なときに送達するためのシステムで、クス リの効果を有効に高める上で不可欠なものである。 すなわち、このプロジェクトでは、 z 手術を行うことなく治療できる低侵襲性の乳がん 治療法の開発に関する研究 が中心課題であるが、これに加えて、 z 経肺吸収製剤を用いた、結核などの慢性難治性 感染症克服のための DDS z 肺がん治療を目的とした経肺吸収製剤の開発 図 1.低侵襲性乳がん治療法の 概念図 などの研究もおこなう。 本研究センターにおける DDS 研究は、 z 生体の仕組み、特に生体防御系を活用した DDS z 生体防御系の影響を可能な限り回避するために、 病巣部位近辺からの製剤の投与(local injection)を 試みる の 2 点である。すなわち、低侵襲性乳がん治療のために、 乳頭からイオントフォレシスによって抗がん薬を投与する 微粒子製剤 (図 1)ことに加えて、結核などの慢性難治性感染症の治療 を効率的に行うために、結核菌が集積している肺胞マクロ 結核菌 ファージをターゲットにし、抗結核薬含有 DDS 製剤を肺胞 マクロファージ に直接投与する。この方法は、生体防御系を構成してい るマクロファージの貪食能を活用したものである。また、同 様のコンセプトによって、肺がん治療をも行うことを試みる 図 2.経肺投与による結核治療 (図 2)。これらは、local injection となる経肺投与を採用して の概念図 おり、乳ガン治療においても乳頭を介した乳管への local-injection が DDS 製剤の投与法の基本となっている。 本年度の到達目標としては、 1)低侵襲性乳がん治療は JST のプロジェクト研究のプロトコールに従い、臨床試験を視野に入 れた基礎的研究を進展させる。 2)肺結核治療の DDS は、動物試験レベルにまで到達させる。 3)肺がん治療は効果的な DDS 製剤の構築に向けた研究を行う。 ― 18 ― 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 1. 研究会などの開催 2008 年度に DDS 研究センターが主催した主な研究会は “第 6 回東京理科大学 DDS 研究セン ターシンポジウム”と、 “慢性難治性感染症克服のための第 2 回インド/日本国際シンポジウム”で ある。 z 第 6 回東京理科大学 DDS 研究センターシンポジウム DDS 研究センター主催によるシンポジウムで、DDS 関連分野の研究者には毎年開催を期待され ているものである。2008 年度は、12 月 22 日に森戸記念館において“リポソームと DDS”を主題とし て開催した。例年通り、東京理科大学研究者からの講演(本年度は工学部の西川英一准教授によ る“溶液中におけるナノマテリアルの新合成方法”)に続き、招待講演(三重大吉村哲郎教授による “新規リポソーム作製技術の開発と実用化への試練”、東京医科歯科大秋吉一成教授による“人工 細胞モデルリポソームと DDS”、帝京大丸山一雄教授による“リポソーム技術を基盤とするがん治療 戦略”、エーザイ株式会社菊池 寛博士による“レギュレーションと DDS:日本におけるリポソーム医 薬品の開発状況”)、特別講演(京大橋田 充教授による“DDS 研究の将来展望とリポソーム”)の 後に、“東京理科大学 DDS 研究センターにおける研究活動”の報告を行った。200 名近い参加者 が積極的に討論に参加した有意義なシンポジウムであった。 z “慢性難治性感染症克服のための第 2 回インド/日本国際シンポジウム”(図3) この国際シンポジウムは、結核、エイズ、マ ラリアなどの慢性難治性感染症を克服するた めに、平成 21 年 12 月 23、24 日の両日森戸 記念館において開催したものである。本シン ポジウムは、事務局を DDS 研究センターにお き、DDS 研究センター、永井記念薬学国際交 流財団、それにインドの SciTech Centre、BV Patel Pharmaceutical Education & Research Develop Centre (PERD Centre)の主催による ものである。参加者はインドおよび韓国の研 究者を含み約 150 名であった。本シンポジウ ムは、DDS 研究センターの主幹研究である結 核克服のための研究を発展させるうえでも大 きな意義があったと考える。 図 3.国際シンポジウム質疑応答風景 3)課題 DDS 研究センターの存在意義は、1)DDS に対する新しい概念を提起できること、2)その基本概 念に基づき新たな DDS を構築して、3)それを実用化することにある。これら 3 つの課題全てに成功 するならば、外部資金などの導入は極めて容易であると楽観している。DDS 研究センターの基本 概念の 1 つである、生体システムに学び、生体防御系を活用する DDS は極めてユニークであり、テ クノロジー先行型の DDS とは異なっている。しかし、生体系は複雑で、基本概念の 1 つである local injection は単純な投与法ではあるが、それでも予期しない“防御系”によって影響を受けることを痛 感している。これを克服することに全力を尽くす必要がある。幸い、課題研究の 1 つである、低侵襲 性乳がん治療法は臨床試験レベルまでも視野に入れて進展させうる段階に到達しており、実用化 を目指す研究を一層推進するつもりである。 ― 19 ― 10.[インテリジェントシステム研究部門] 1)研究部門の設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 インテリジェントシステム研究部門の起源は、昭和58年4月に発足したバイオシステム研 究部門にあり、その後、昭和63年4月に、ますます発展していくであろう次代の電気電子 工学やコンピュータサイエンスをにらみ、また、工学的システムに「インテリジェンス」をもた せるために必要な基礎分野から応用分野にいたる幅広いテーマに関する研究を遂行す ることを目的としたインテリジェントシステム研究部門に発展的に引き継がれた。 平成17年11月に研究部門の上位組織であった総合研究所が総合研究機構に組織改 変されたのと同時に、従来から存続していた研究部門の見直しと存続の再審査が行われ、 インテリジェントシステム研究部門は、新たに「ソフトウェア応用・ネットワーク分野、ハード ウェア分野、エネルギー環境分野、基礎理論分野の相互連携・融合により、人に優しいヒ ューマンライクなインテリジェントシステムの実現を目指す」を研究活動の理念として掲げ、 さらに5年間の存続が認められた。 当部門は、現時点(2009年度)で、本学の専任教員12名(内訳、理工・電情5名、理工・ 経営5名、理工・情報1名、理一・数情・1名)の併任研究員、諏訪東京理科大学・電子シス テム専任教員1名および山口東京理科大学・電子情報工学科専任教員1名の併任研究 員、客員教授1名、客員研究員1名の合計16名の研究者から構成され、基礎理論分野、ソ フトウェア応用・ネットワーク分野、ハードウェア分野、エネルギー環境分野と多岐にわたる 範囲をカバーできる体制をとっている。 研究活動資金は、受託研究費等の民間・公的外部資金の受入れによるもので、各研 究員の努力によるところが大であるが、工学的なアプリケーションの研究を行っているメン バが多く、民間からの獲得資金が多いのが特徴と言える。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 当部門の研究活動は、ソフトウェア応用・ネットワーク分野、ハードウェア分野、エネルギ ー環境分野、基礎理論分野の5分野に大別できる。メンバが取り組んでいる主な研究課 題は下記の通りで、2008年度は学会、国際会議等において121編(査読付き55編、査読 無し66編)の学術論文を著した。また、メンバの研究成果が雑誌・書籍等においても取り上 げられ、紹介された。 総合研究機構プレフォーラム(2008年9月2日・野田校舎カナル会館大会議室)では当 部門の研究活動における現状および課題について報告した。 また、総合研究機構2009フォーラム(2008年10月28日・秋葉原コンベンションホール)に おいて、オーラル講演では「UWB対応小型平面アンテナの研究開発」(理工・電情・越地 耕二)を紹介、ポスターセッションでは部門全体の活動状況を紹介、また広報用として刊 行されたトピックス集には「高速ワイヤレスネットワーク通信のキーテクノロジー・UWB 対応 高性能小型板状ボルケーノスモークアンテナの提案と研究開発」を掲載・紹介した。 2006年度から毎年度末に恒例となっている研究成果報告会を2009年3月6日に、野田 校舎講義棟K103,104教室にて開催した(参加者数60名)。同報告会開催については、科 学技術交流センターおよび大学ホームページを通じ、開催案内等を学内外に広報・公開 し、学外の方々にも多数参加いただくよう努めた。同報告会では、山口大学・田中幹也教 授による特別講演「超音波モータの知的制御と医療福祉機器への応用」1件、各研究グ ループ代表者による研究活動紹介6件、ポスター発表36件の講演を行うとともに質疑応答 を行い、学外の方々からも広く意見を伺うことができた。また、併せて同報告会論文集(A4 ― 20 ― 判188頁)を刊行し、同報告会出席者、部門メンバ、東京理科大学関係各位に配布した。 このほかに、本学の出版誌「科学フォーラム」2008年10月号にて当部門の研究活動を 紹介し、また専門雑誌・書籍においても当部門メンバの研究成果が紹介された。 (1)ソフトウェア・ネットワーク分野 ・計算機監視及び不正侵入排除協調型超分散ネットワークセキュリティソフトウエアの開発 ・学習機能を持つ文書要約システムの研究 ・次世代データマイニングのための高性能機械学習システムの研究 ・準無矛盾推論に関する研究 ・タブレット PC のネットワーク上での手描きコミュニケーション協調学習支援環境開発 (2)ハードウェア分野 ・1-5GHz で動作可能なインダクタ不要広帯域 CMOSLNA に関する研究 ・低電源電圧で動作可能な電流再利用 LNA に関する研究 ・半導体集積回路チップ内デバイスばらつきに関する研究 ・体内埋込機器用経皮情報伝送システムおよびエネルギー伝送システムに関する研究 ・衝突防止用車載レーダにおけるアダプティブ・アレー・アンテナに関する研究 (3)エネルギー環境分野 ・太陽エネルギーを含む分散型・集中型協調エネルギーシステムのモデリングの研究 (4)基礎理論分野 ・グラフの連結度と閉路に関する研究 3)外部有識者と関係のある委員会 なし 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 当部門メンバはソフトウェア応用・ネットワーク分野、ハードウェア分野、エネルギー環境 分野等のそれぞれエキスパートであり、教育・研究活動以外に、各省庁、地方公共団体、 民間企業等の顧問やアドバイザ、評価委員、コンサルタントなどの、いわゆる学識経験者 としての活動も多く行っており、社会への貢献が大きく評価も高い。 今までの当部門の研究活動の形態は、各研究員が主宰する研究室単位の活動が主で あった。そこで、2008年度から研究者間の共同研究を促進し、シナジー効果の創出を期 待して、共同研究のための会議や研究会等を開催するための経費として、機構から配分 された予算を各グループに分配した。その結果、グループによって回数は異なるが、数回 の研究会・会議が開催され、学会における連名による成果発表に発展したものもある。 当部門は今年度末に設置年限の満期を迎えるが、歴史あるインテリジェントシステム研 究部門の今後のさらなる継続・発展のためにも、研究者間の共同研究によるシナジー効 果が生まれ、研究投資に見合った、あるいはそれ以上の研究成果を創出できるよう部門 内の研究者間交流と共同研究を活発化し、よりスケールの大きいシステマティックな研究 課題への取り組みにつなげたい。 ― 21 ― 11.[ものづくり・先端計測科学研究部門] 1)研究部門の設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 本研究部門は材料の合成や形成、素子化やデバイス化、機器化や装置化等に関する「も のづくり分野」と評価法や評価薬、センサーやシステム、計測に供する機器や装置等の開 発に関する「先端計測分野」から成り、分野融合的な研究領域の開拓を目的として上記の カテゴリーに強く関連したプロジェクト研究を立ち上げることを目標としています。また、 本研究部門は 2006 年度より開始された第 3 期科学技術基本計画を鑑みて本学において本 学の特徴を最大限に生かした「知的創造基盤」を構築・強化し、本学における戦略的な分 野と位置づけ、このような視点に立った上で学内外の研究の特段の高度化を推進する原動 力とするために設立致しました。そこで、本研究部門はメンバーの専門領域に応じて 2 分 野に大別しています。すなわち、(1)ものづくり分野:1)湯浅・近藤、2)阿部・酒井(秀)・ 堀越・酒井(健)、3)山下・岡野、4)坂口、5)井上、6)大竹、7)河合、8)松本および 9)西尾グ ループ、(2)先端計測分野:1)安藤、2)野島、3)板垣・四反田、4)菅原、5)本間、6)宮村、 7)中井および 8)小島グループです。本目的および目標の短期間での効率的な達成を目指し て上記の分野内または分野間のグループをまとめたいくつかのクラスターを作り、選定し たテーマごとに共同研究を開始します。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 本研究部門では研究思想の実現性と今後の方向性に関する意見交換の場として、下記の 日程でシンポジウムおよびセミナーを開催しました。 1)第 5 回ものづくり・先端計測科学研究部門シンポジウム テーマ:「ナノ, ミクロからのものづくり・先端計測科学(Part 2)」 (材料技術研究協会とのジョイントシンポジウムで,SURTECH 2008 において開催) 日 時:2008 年 9 月 10 日(水) 13:30~17:00 場 所:幕張メッセ 304 会議室 1.有機ゲル化剤の新規ソフトマテリアル特性とナノマテリアル合成テンプレートへの応用 工学部 ○河合武司・伊村芳郎・近藤剛史 2.デンドリマー・デンドロンを利用した金属ナノ粒子の調製と物性 総合研究機構・理工学部 ○鳥越幹二郎・酒井 健一・酒井 秀樹・阿部 正彦 3.有機合成反応におけるマイクロ波の周波数依存性に関する研究 総合研究機構 堀越 智 木練 透 4.Pt ナノ微粒子分散 WO3 薄膜の光・電気ハイブリッド水素センサーへの応用 基礎工学部 ○西尾圭史・山口東京理科大学基礎工学部 2)第 6 回ものづくり・先端計測科学研究部門シンポジウム テーマ:「がん研究におけるものづくり・先端計測の科学」 (材料技術研究協会とのジョイントシンポジウムで,2008 年度研究協会討論会中に開催) 日 時:2008 年 12 月 5 日(金) 14:40~17:25 場 所:野田校舎 セミナーハウス 講堂 ― 22 ― 1.抗癌作用 DDS を目指した SOD ミミックスの設計と構築 理工学部 湯浅 真 薬学部 小島周二 筑波大学臨床医学系消化器内科 松井裕史 2.小線量 γ 線による固形癌並びに転移癌抑制とそのメカニズム 3.胃がんは光る 3)第 1 回ものづくり・先端計測科学研究部門セミナー 日 時:2008 年 12 月 12 日(金) 15:30~17:00 場 所:野田校舎 3 号館 4 階 ホール 1.ナノ空間における分子・イオンの構造とその解析手法 岡山大学大学院自然科学研究科 大久保貴広 3)外部有識者と関係のある委員会 なし 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 本研究部門の分野間クラスター(阿部・酒井(秀)・堀越・酒井(健)、湯浅・近藤、山下・ 岡野、河合、松本、西尾、板垣・四反田)が、昨年に引き続き、文部科学省知的クラスター 創成事業(第Ⅱ期)「ナノテクノロジー・材料によるスマートデバイスの創成」に参画し、 基本事業枠での「界面ナノテクノロジーを利用したスマートデバイスの研究開発」 、府省連 携枠「インクジェット用機能性インク研究開発」 等を展開しています(詳細は社会連携部 界 面ナノテクノロジーを利用したスマートデバイスの研究開発プロジェクトを参照下さい)。 また、分野内クラスター(阿部・酒井(秀)・堀越・酒井(健)、松本)が、新規光機能性 LB 膜、 結晶性メソポーラスチタニア、ジルコニア等の研究を推進し、多くの研究成果(学術論文等) を得ました。 また、各グループにおいて、研究の進捗、応用展開等により、高エネルギー加速器研究 機構放射光研究施設 S2 課題(安藤)、科学技術振興機構(JST)委託開発フィジビリティース タディー(FS)課題(活性酸素種による組織障害診断用モニタリング装置、湯浅・近藤)等に 採択されました。さらに、各グループの研究成果が、日経産業新聞(「光触媒、分解能力 80 倍」という研究成果、阿部・酒井(秀)・堀越・酒井(健))、日刊工業新聞(「ナノものさし」 という研究成果、野島)等に紹介されました。また、各グループにおいて、生体機能複合体 をナノテク部品にする研究における光化学系I複合体(PSI)部品化の達成(井上)、カーボン ナノチューブ成長過程のその場計測に関する研究における走査電子顕微鏡中でのカーボン ナノチューブの成長過程のその場観察等の実現(本間)、小線量放射線による炎症抑制が MAPK phosphatase-1 (MKP-1)の活性化によることの発見(小島)等の多くの研究成果が得 られています。 また、本研究部門の活動・研究成果を基にして、新規な研究センターを申請・設立する ことも視野に入れています。このため、上述のプロジェクト研究を立ち上げ、集積化等を 図っております。なお、各プロジェクト研究の効率的な取り組みとして、社会連携部プロ ジェクト、界面科学研究センター、がん医療基盤科学技術研究センター等に参画しており ます。 ― 23 ― 12.[次世代フォトニック応用研究部門] 1)研究部門の設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 設立の経緯 平成18年に、総合研究機構では研究部門の拡充を目的として、新たな研究 部門の公募が行われた。本研究部門は、次世代に繋がる光技術の創出を目的と してこの研究部門の公募に応募し採択されたものである。 設置趣旨 21世紀に入って、通話や通信は光ファイバーを用いた光通信方式に置き換わりつ つあり、また、音声や動画の記録も DVD などの光を用いたものが主流となっている。こ のように、光技術は21世紀の主要な社会基盤を担うものとして成長してきた。しかし、 これら光技術が進歩するにつれ、将来の IT 社会を支える情報通信、情報蓄積、情報 表示あるいは情報計測分野などを支える基盤技術の更なる革新が求められている。 このような状況に鑑み、高度情報化社会を支えるための次世代光技術の開発を目 的として研究部門がスタートしている。開発技術の候補として、光の振幅情報のみなら ず位相情報までを用いたホログラムメモリ、3次元流体計測、あるいは 3 次元ディスプ レイ技術を検討している。本研究部門では、このようなフォトニック応用技術の確立の みならず具体的なフォトニックデバイスの創製を目指している。そして、創出された技 術は、社会的にも学術的にも大きく貢献できると考えている。次世代フォトニック応用 により照らし出される分野は多く、今まで観察できなかったもの(例:流体,表面,バイ オ,メディカル)、あるいは不便さを感じているもの(例:記録媒体,IT,光学素子,ディ スプレイ)などの技術領域を具体的な対象として研究開発を行っている。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 第 3 回次世代フォトニック応用研究部門シンポジウム概要 開催日時:平成21年1月28日(水) 会場:東京理科大学 野田キャンパス カナル会館 講演プログラム 13:30~14:30 招待講演 柳沢 昌輝 様 住友電気工業株式会社 伝送デバイス研究所 光通信デバイス研究部 「ナノインプリントによる DFB レーザーの作製」 14:40~15:40 船水 英希 先生 東京理科大学 理学部 応用物理学科 助教 「フラクタル的性質を持つ光散乱場の生成とその特性」 15:40~16:00 休憩 16:00~17:00 ポスターセッション 16:00~16:30 奇数番号 16:30~17:00 偶数番号 17:00 閉会 ― 24 ― 17:15~18:30 交流会 このシンポジウムでは、ナノインプリトを用いてはじめてレーザーを作製 することに成功した住友電工社の柳沢氏に招待講演をお願いし、新規製法に おける実用例を示して頂いた。本講演では、新規製法の選択基準としてコス ト、柔軟性などが上げられ、現状は量産を妨げる問題点は無いという話であ った。また、船水先生には、最新の国際会議で発表されたことについて、講 演を頂いた。今後の発展と応用のシーズが撒かれたと考えている。また、こ の回ではじめてポスターセッションを開催し、部門内の学生が活発に発表、 ディスカッションをしていた。 本年 9 月に光技術関連の国際シンポジウム:日本とフィンランドのジョイン トシンポジウム開催予定 OIE '09 - The Eighth Japan-Finland Joint Symposium on Optics in Engineering,3-5 September, 2009 Morito Memorial Hall, Tokyo University of Science (TUS) Kagurazaka, Shinjuku-ku, Tokyo, Japan Cosponsored by Next-Generation Photonics Application Research Division, Tokyo University of Science(NPGA,TUS) Optical Society of Japan (Japan Society of Applied Physics) 3)部門としての将来構想・課題 将来構想として研究センターへの昇格をめざしている。当面、研究の融合領域を充 実させることを目的として、本研究部門への参加者をさらに学内から募り研究領域の 拡大、融合による研究分野の展開を加速する。さらに、学外からも研究員としての参加 者を募り研究部門の活動の充実と対外的な協力関係の輪を拡大していく。研究の進 展を見計らいつつ外部資金の導入を図り、研究センターへの移行を実現する。 現在、本研究部門ではホログラムメモリ技術、ナノファブリケーション技術および計 算機シミュレーション技術等のテーマで、個々に複数企業との共同研究を積極的に進 めている。特に,ホログラムメモリに関する国のプロジェクト実施に向けて活動しており, かなり実現性が高まった.実現した場合の研究体制などを見直していく予定である. ― 25 ― 13.[量子生命情報研究センター] 1)研究センターの設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 20世紀の科学を背負っていた“物の世界の原理”を明かした量子力学と“事の世界の 原理”を説く情報理論の融合として生まれた量子情報。21世紀の最大の課題である生命 の謎解きに向かうべく産声を上げた“生命情報”。これら2つの分野の融合と、それを基に してそれぞれの分野のさらなる発展を目指して設立された量子生命情報研究センター (QBIC)は2008年度で3年目を迎えた。2006年と2007年において、我々は2 つの分野の個別問題をその融合に向けて整理することから始めた。2007年の後半と2 008年はそうした問題の解決に向けて研究の推考を、QBIC の研究員、および、国内外の 我々の目的のために有為な研究者と共に、開始した。その結果は、2006年度、200 7年度とも国際会議を開き、研究結果をセレクトし “国際会議録”として World Scientific 社から出版した。2008年度も、それらの研究の継続として、後述するような勉強会や 研究を行った。例えば、量子アルゴリズムの遺伝子整列化とタンパク折り畳みへの応用、 適応力学の数理の展開とその新型インフルエンザウイルスの分類への応用、脳の機能の量 子情報的取り扱いなどの2007年に着手した研究の更なる発展。更に、量子エンタング ルメント状態の分類、新たな遺伝子整列化法の提案、遺伝情報伝達のシミュレーションな どいくつかの新たな知見を得ることができた。我々の研究は非常に基礎的なものであるか ら、簡単に社会に理解されるとは思ってはいないが、こうした地道な研究は20年、30 年先の生命理解と新たな情報科学に不可欠なものであると確信している。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 国際会議 QBIC では、毎年3月に国際会議 International Conference in Quantum Bio-Informatics を開催し、その成果をきちんとレフリーをして学術論文として World Scientific から出版して きた。 2006年度、2007年度に引き続き2008年度も、2009年3月11日から14 日までの4日間に野田キャンパスで国際会議を開催した。分野は、前年度と同様、量子情 報、生命情報を核として、それに関わる数学(確率解析、作用素環、ホワイトノイズなど) 、 量子物理(観測の理論、超伝導、ナノ物理など)、生命科学などである。それぞれの分野で ― 26 ― 指導的な役割をしている海外の研究者19名、日本国内の研究者9名、東京理科大学の研 究者9名が講演を行った。ポスターセッションでは17件の研究掲示があり、質疑応答な らびに招聘研究者からの講評を得た。 本学併任教員メンバー以外の主な講演者は、海外 QBIC 学外研究員の Luigi.Accardi 教授 (Roma II University)、 Karl-Heinz Fichtner 教授(Fichtner、 Friedrich Schiller University of Jena)、 A. Kossakowski 教授(N.Copernicus University)、W. Freudenberg 教授 (Brandenburg Techn. University Cottbus)、A. Khrennikov 教授(University of Växjö、 Sweden)、A. Majewski 教授(University of Gdańsk、 Poland)、 I. Volovich 教授(Steklov Mathematical Institute、 Russia)、 国内 QBIC 学外研究員の飛田武幸教授、 小嶋泉教授で あり、また、 QBIC メンバー以外にも J. Skolnick 教授(Georgia Institute of Technology)を 初めとして、国内、海外の著名な研究者が参加し講演を行った。 諏訪東京理科大学における研究集会(サテライトカンファレンス) 前年度(2007年度)には、QBIC のメンバーが互いの専門を超えて具体的な議論がで きるような下地(共通理解)を作ることを目的として、10 月 25 日(木)~10 月 28 日(日)に諏 訪東京理科大学を会場に、 “第2回 QBIC 研究集会-生命科学と量子情報の融合に向けて-” を開催したが、2008年度も、この趣旨での研究集会を行った。本年度は特に、3月の国際 会議のサテライトカンファレンスとして、国際会議に招聘した第一線の研究者に、他分野の 研究者にも理解可能なペースを意識して、かつ、独自の見解も織り込んでレクチャーをして もらい、それを受けて、活発な議論を行った。この研究集会には、前年度と同様、QBIC メンバ ー以外にも 20 名を超える多くの大学院生が参加した。 松岡教授(QBIC 研究員・諏訪東京理科大学)の連続講義 QBIC 数理グループでは、2008年5月より平均月に一度のペースで松岡氏を講師に招 いて、オペレータ代数をテーマとした連続セミナーを開催した。通常、このようなセミナー では、専門分野の異なる参加者は分からない点があっても質問をせずにペンディングにし ておく傾向があるようだが、このセミナーでは、不明な点は全て質問するという方針をとっ た。結果として、予定のペースでは進行せず、また、講師の先生には多大の忍耐を強いること にはなったが、専門を超えた相互理解のためには貴重な経験であった。 3)外部有識者と関係のある委員会 なし ― 27 ― 14.[知識インターフェース研究部門] 1)部門の設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 現代の科学技活動の基盤には、莫大なデータからどのように意味のある情報を抽 出し、知識として獲得するかがきわめて大きな役割を果たしている。この重要性は、企 業活動、日常生活、さらに国家活動に及ぶものである。ミクロレベルでは遺伝子・分子 設計から、マクロでは地球環境まで、大規模データの収集とそこからの意味の抽出は、 今や計算機科学の手を借りなければ一歩も進まない状況となっている。 情報は単に集積しただけでは意味が無く、活用するためには知識としなければなら ない。そのためには、蓄積された情報を体系化し、意味を抽出し、さらに利用者にわか りやすく提示するためのインターフェース、特に視覚化技術が不可欠となる。また、蓄 積された情報に対しては今日セキュリティが重要なことは言うまでもない。収集したデ ータからの意味の抽出には、従来、研究分野ごとに固有の方法が開発されてきたが、 現代ではデータマイニング等計算機 表1 知識インターフェース部門構成メンバー 科学の方法の援用が共通して有用 職名 所属 氏 名 主な研究分野 となる。得た意味は、大規模なデー 理工学部経営 シ ス テ ム 工学 、 地 球 環 教授 森 俊介 境・エネルギーモデル タでは単純なグラフでは伝えきれず、 工学科 計算機科学、認知科 視覚化・自然言語・データ表示など 理工学部経営 教授 溝口文雄 学、グリッドコン 工学科 の新しい方法が必要となる局面もし ピューティング ばしばあり、これは生命科学・交通工 理工学部応用 教授 池北雅彦 バ イ オ イ ン フ ォ マ 生物科学科 ティックス 学・地球環境という、大規模なデータ 計算機科学、情報科 理工学部情報 を対象とする学問領域に共通して現 教授 武田正之 科学科 学 れる。 理工学部電気 電気通信工学、セ また、「ものづくり」という工学の基 電子情報工学 教授 金子敏信 キュリティ 科 本的な活動においても、設計と生産 計算機科学、セキュ 理工学部経営 システムの実装には、一見単純に見 教授 大和田勇人 工学科 リティ える製品の組み立て作業においても、 交通工学、システム 理工学部土木 教授 内山久雄 人間は精妙な動作を行っており、そ 工学科 工学 のデータベース化と解析には時系列 基礎工学部電 計算機科学、e-ラー 教授 伊藤紘二 子応用工学科 および3次元的なデータの収集が必 ニング 要とされる。 バイオインフォマ 理工学部応用 教授 朽津和幸 生物科学科 ティックス 本研究部門では、この情報の収 国土計画、リモート 理工学部土木 集から意味の抽出・提示までを研究 教授 小島尚人 工学科 センシング 対象とするものである。特に、本研究 メディア情報学・ 部門は特定の分野を対象とせず、幅 基礎工学部電 准教授 原田哲也 子応用工学科 データベース 広い分野に共通して要求される知識 計算機科学、マルチ 理工学部経営 講師 原田 拓 の獲得・抽出・体系化・提示を対象と 工学科 エージェント する点に特徴がある。従来、ある分 生産工学、ヴィジュ 理工学部経営 講師 篠田心冶 野の問題の解決に必要とされながら、 工学科 アライゼーション 理工学部情報 その分野のみでは十分に回答でき 講師 滝本宗宏 ソフトウエア 科学科 なかった方法論を学際的な知見から 分散コンピューティ 理工学部経営 講師 西山裕之 明らかにすることを目指す。 工学科 ング、セキュリティ ― 28 ― 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 (1) 平成 20 年度研究成果報告会 平成 21 年 3 月 27 日(金)に本学 K103 教室において研究成果報告会を開催し、計 9 件の研究報告を行った。 (2) 研究会 平成 20 年度は研究講演会を下記の通り実施した。 ① 平成 20 年 5 月 13 日 K705 教室 講演:前田 修一 (三菱化学(株)フェロー)、「企業における研究開発~これから社会 へ出て行く皆さんへの期待~」 講演:後藤 誠 (エーピーアイ コーポレーション袋井工場 品質保証グループ ジェ ネラルマネージャー)、「医薬品製造におけるバイオの技術応用」 パネルディスカッション:澤登 丈夫 (東京理科大学 科学技術交流センター コー ディネーター)、前田 修一、 後藤 誠 ② 平成 20 年 10 月 23 日 K702 教室 講演:西井 一郎 (理化学研究所)、「ボルボックス形づくりの分子機構」 ③ 平成 20 年 11 月 11 日 K704 教室 講演:今泉(安楽)温子 (独立行政法人農業生物資源研究所)、「植物と微生物の共 生における分子コミュニケーション」 ④ 平成 20 年 11 月 18 日 K704 教室 講演:青木 誠志郎 (東京大学 総合文化研究科)、「植物と微生物・昆虫との共進化 ~根粒菌-マメ科植物共生系の進化を中心に」 3) 外部有識者と関係のある委員会 なし 4) 今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 平成20年度は、計86件の論文発表を行った。特に、ウエブ上の情報を活用するた めのデータマイニングに関する研究では、ベトナムのハノイで開催された人工知能国 際会議のワークショップで発表(“ItemSpider: Social Networking Service that Extracts Personal Character from Individual's Book Information”, The 2008 Pacific Rim Knowledge Acquisition Workshop)を行い高い注目を集めた。本研究は、ソーシャルネ ットワークサービスにおいて、購入した書籍に対するデータ収集を自動化するとともに、 収集したデータに対するマイニングを行うことで、新たなユーザどうしの繋がりを導き出 すことを可能にしている。また、本研究に関連して、ウエブサーバ上の情報をデータマ イニングにより解析する研究を実施した他、本研究成果を応用した情報サービスシス テムの設計に関する研究発表(“マッシュアップによる意思決定支援のための地理情 報検索システムの設計と実装”、情報処理学会第71回全国大会)を行い、学生奨励賞 を受賞するなど高い評価を得ている。 今後の新たな課題として、収集すべき情報をネットワーク上だけでなく、我々の日常 生活の行動全般に広げるための研究を開始している。本研究では人間の状態や振舞 いに対する認識を、無線センサデバイスや視覚センサを介して収集を行なうとともに、 収集したデータに対するマイニングを行うことで解決を図る。 ― 29 ― 15.[人間支援工学研究センター] 1) 研究センターの設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 「人間支援工学研究センター」は,計算科学フロンティア研究センター,JST さき がけ研究 21,及び NEDO 次世代ロボット実用化プロジェクトの研究成果をベースと して申請した,平成 17 年度私立大学学術研究高度化推進事業:社会連携研究推 進事業「マッスルスーツの実用化開発」が採択されたため,本学の総合研究機構 の規定により設立された. 世界的に開発例が極めて少ない,人間の動作を物理的に支援する機械システ ムの実用的な開発を目的とし,腰と腕の動作を補助する上半身用筋力補助装置: マッスルスーツと,全く筋力が無くても歩行が可能となるアクティブ歩行器:ハートス テップの要素技術と統合技術の実用化に向けた開発を行っている. 2) 2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 3回(平成 20 年 11 月 25 日,12 月 26 日,平成 21 年 3 月 18 日)内部で成果報 告会を行った.以下の通り,社会的に広く技術が認められている.さらに,アクティ ブ歩行器については,実用化,製品化を実現した. 受 賞 1. 第6回 産学官連携功労者表彰 文部科学大臣賞 (2008-06-14) 『自立歩行を可能としたアクティブ歩行器「ハートステップ」の開発』 2. 第 2 回キッズデザイン賞 商品デザイン部門 (ハートステップ) (2008-07-22) 3. 2008 年度グッドデザイン賞 (ハートステップ) (2008-10-09) 招待講演 1. 2008/7/31(木) 18:30-20:30 沼津市民大学@沼津市立図書館4階 視聴覚ホール 2. 2008/7/19(土) 明石市立文化博物館 3. 2008/7/10(木) 福祉産業新技術フォーラム (平成 20 年度 第1回川崎市生活産業懇談会) 他 8件 特 許 1. 小 林 宏 ・ 唐 渡 健 夫 ・ 入 江 和 隆 ・ 平 松 万 明 ・ 佐 藤 裕 , 歩 行 補 助 装 置 , PCT/JP2008/058074,平成 20 年 4 月 25 日 2. 小林宏,上腕保持装置,及び,上腕補助装置,2008-128617,平成 20 年 5 月 15 日 他 2件 展示会 1. 2008/10/4(土)-11/24(月) 『千葉県立現代産業科学館』 2. 2008/10/11(土)-10/13(月) ROBO_JAPAN 2008@パシフィコ横浜 3. 2008/9/24(水)-9/26(金) 第 35 回国際福祉機器展 H.C.R. 2008@東京ビッグサイト 4. 2008/5/16-24 The IdeaPark@Stuttgart, Germany 「マッスルスーツ」 5. 2008/5/15(木)-5/17(土) 第 43 回日本理学療法学術大会 他14件 新 聞 1. Top Terminator (2009 年 3 月 5 日(木) 『The SUN(英国紙)』) 2. キャンパる アクティブ歩行器を開発 (2008 年 11 月 21 日(金) 『毎日新聞 夕刊』) ― 30 ― 3. 最新介護ロボに関心(2008 年 11 月 16 日(日) 『北国新聞』) 4. 「マッスルスーツ」(2008 年 5 月 4 日(日) 『静岡新聞』) 5. 2008 年 4 月 6 日(日) 『El Mundo (エル・ムンド新聞)@スペイン』 (cover, p.22-23, p.24, p.26) 他 5件 テレビ 1. 2009 年 2 月 14 日(土) 8:00-9:25 日本テレビ『ウェークアップ!ぷらす』: マッスルス ーツ 2. 2009 年 2 月 1 日(日) 6:15-6:30 テレビ新広島 『情熱企業~知恵の創造者たち~』 3. 2008 年 12 月 1 日(月) テレビ新広島 『TSS スーパーニュース』 4. 2008 年 12 月 5 日(金) 17:30テレビ東京 『ロボつく』 5. 2008 年 10 月 29 日(水) 8:00-9:55 テレビ朝日 『スーパーモーニング』 6. 2008 年 10 月 10 月 8 日(水) 13:40 頃 NHK 『スタジオパークからこんにちわ:暮 らしの中のニュース解説「進化中!ハイテク福祉機器」』 7. 2008 年 9 月 13 日(土) 19:57-20:54 日本テレビ『世界一受けたい授業』 8. 2008 年 5 月 22 日(木) 23:10-24:00 『韓国教育テレビ:EBS Wonderful Science』 9. 2008 年 4 月 16 日(水) 26:40-27:10 『オーストリアテレビ: World Journal (Weltjpurnal)』 他11件 雑 誌 1. 「実用性あるローテクロボット技術が次世代も世界をリードする」 (2009 年 1 月 1 日(木) 『商工にっぽん 2 月号』) 2. 『TOP CLASS』(2008 年 10 月 15 日(水) 韓国の雑誌) 3. (2008 年 8 月~9 月 『週間ロボザック 82 号』) 他 3件 3) 外部有識者と関係のある委員会 なし 4) 今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 本センターは,あくまでも実用化が目的である.子供用のアクティブ歩行器は実 用化を完了している.引き続き,大人用のアクティブ歩行器の開発を進めている. マッスルスーツは,まずは最も筋肉痛となりやすい腰補助を対象に,本年度の実用 化を目差して最終段階に入っている.企業,介護施設での評価を積極的に行って いく必要があるが,すでに共同で進めている. 当センターは,研究開発のためのスペースが用意されていないため,いかに確 保するかが課題である.また,本センターの成果は,目に見える実体のあるもので, 社会還元の観点から,一般の人にアピールし,体験してもらうことが必要である.従 って,常設展示スペースも必要であり,その意味でもスペース確保が大きな課題で ある. ― 31 ― 16.[ナノ粒子健康科学研究センター] 1)研究センターの設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 目的・目標 当センターでは、意図的・非意図的に生産されるナノ粒子(ナノマテリアル)の健康影 響、特に次世代への影響を解明し、その克服法を開発する。ナノ粒子は、1~100 ナノメー トルの超微小粒子でインフルエンザウィルス(およそ 100~200 ナノメートル)より小さい。 ナノ粒子が原因となる疾病を予防し、健康増進をはかることを目標としている。 センター設置の経緯 私達は、(独)科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業 CREST の研究過程で、ディーゼ ル排ガスに含まれる超微小粒子が母マウスから胎子に移行し、胎子の脳血管や精巣血管を 通り抜けること、その粒子は出生後も子の特定の細胞の特定の部位に蓄積された状態で残 り、脳神経系・生殖系という生体の維持にとって最も重要な高度統合システムに影響を及 ぼす可能性を示す結果を得た。そこで、呼気や皮膚等から体に入る小さな粒子の健康影響 の実態を明らかにし、その解決法を見出すべく学内外から専門の異なる研究者が結集し、 センターを立ち上げた。幸いに 2006 年度学術フロンティアとして採用され、この度、総合 研究機構に所属するセンターとして正式に発足した。 自動車排ガス(微粒子)曝露装置 学術フロンティアによる支援(文部科学省と東京理科大学)を得て、ディーゼル排ガス 曝露施設を野田キャンパスに設置した。様々な微粒子濃度の排ガスを実験動物に曝露する ことができるようになり、ナノ粒子の健康への影響を詳細に検討することが可能になった。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 広報活動 1. 「学術会議シンポジウム ナノマテリアルの未来と課題」開催 平成 20 年 12 月 26 日(金) 学術会議講堂にて、学術会議薬学委員会生物分科会主催及 び化学会、薬学会の共催のもと、学術会議シンポジウム「ナノマテリアルの未来と課 題」が開催されました。本シンポジウムでは、武田センター長が学術会議連携会員と してシンポジウムを企画、運営し、発表を行った。 「ナノマテリアルの健康影響とその克服―次世代脳神経系を中心に」 武田 健、菅又昌雄(東京理科大学、栃木臨床病理研究所) 新 聞 1. 読売新聞 2009 年 2 月 1 日 「酸化チタン微粒子妊娠マウスに注射 常も」 ― 32 ― 子の脳などに異 2. 科学新聞 2009 年 2 月 13 日 「ナノ粒子は第 4 の病原物質か?」一面トップ記事 雑 誌 1. 武田健、菅又昌雄:ファルマシア 45(3)245-250(2009)「未知なる遭遇―ナノマテリ アルの健康影響~次世代影響を中心に」 2. 薬学会ハイライト 2009 年 3 月 26 日~28 日 京都(国立京都国際会館)第 129 年会講 演ハイライト集 P34 (環境科学分野 75 題から1題が選出された)環境科学部門「目 に見えない小さな粒子が次世代の脳神経系に影響を及ぼす!?~ディーゼル車から廃 棄される微粒子の次世代健康影響」横田 理ら 3)外部有識者と関係のある委員会 我々のナノ粒子の健康影響に関する研究発表に対し、厚生労働省健康危機管理調整官よ り依頼があり「健康危険情報通報」(添付資料)を提出した。これに先立ち、厚生労働省、 経済産業省、環境省、医薬品医療機器総合機構等十数名の専門官よりヒアリングを受け、 未発表のデータを含めて研究内容を説明し、各専門官より質問を受けた。その際、重大な 行政判断を迫られる内容であることから、未発表結果を早く論文等で公表するよう要請を 受けた。 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 1)現在、センター長のもとで文部省科研費、厚生労働科学研究費(化学物質リスク研究 事業)等の外部資金を得て活動しているが、さらに継続的に研究を発展させるために より大きな公的資金を獲得していく必要があると考えている。そのためにも、得られ た結果は速やかに論文として発表していきたい。 2)我々の開発した胎仔期曝露の実験系において、ナノマテリアルが細菌、ウイルス、プ リオンについで「第4の病原物質」と表現したくなるほど生体に様々な影響を及ぼす ことが明らかになりつつあるが、ナノ粒子曝露が何故このような多様な作用を示すの か、メカニズムを明らかにしていきたい。疾病発症の根本的な原理の発見が今後の研 究課題である。 2)研究センターで得られた研究結果を国内外の学会等で発表する際、スタッフの旅費は 研究費で支払えるが、大学院生の旅費は規程により出す額が限られ、支援することが 難しい状況にある。建物、機器装置の修理や改築、机、椅子等の備品費、事務経費等 のための使いやすい予算があるとセンター運営をよりスムースに行うことができる。 科研費等公的資金で得た間接経費からの援助が少しでもあると助かります。 ― 33 ― 17.[がん医療基盤科学技術研究センター] (1)研究センターの設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 本センター設立への発端は平成 19 年度グローバルCOEプログラムに8専攻、4研究セ ンター、生命研に所属する33名の教員の協力のもとに行った「癌の総合科学的研究とそ の教育拠点」への申請にさかのぼる。 「がんと取り組んでいる研究所、病院との連携が必要」 という不採択結果を受けて、翌年、国立がんセンターとの連携と内容をより本学の特徴を 強調した「Π型人材育成による癌対策総合技術の創出」で再度申請したが、これも不採択 となった。しかし、この過程で、異分野領域の理解を通じて、個々の研究の拡がり、融合 領域、新領域の開拓・創成を目指し、教員間の研究を通じての交流の場、「東京理科大学研 究者ネットワーク」を立ち上げるとともに、このメンバーを中心に、がん関連の研究を行 っている研究者に呼びかけ、平成 19 年より国立がんセンター東病院との連携のもとに、が ん総合研究センター研究会を開催してきた。さらに、平成 21 年からは学生、教職員全員を 対象にしたがん専門医と本学の教員のペアによる講演会、 「今さら聞けないがんのはなし」 を年6回の予定で開催することとし、すでに 3 回行われた講演会には毎回、130 名をこえる 学生、教員、職員が参加している。 このような経緯の中で、実質的な共同研究を行い成果を上げるために、本年度の私立大 学戦略的研究基盤形成支援事業に応募し、採択され、がん医療基盤科学技術研究センター として活動開始に至った。 設置目的・趣旨 医療技術の最先端においてはこれまで脇役にすぎなかった医学以外の科学技術、すなわ ち理学、工学、薬学、生命科学が革新的な医療開拓の鍵となっている。 東京理科大学は、理工系総合大学として、多彩多様に細分化した専門分野を高度に発展 させてきている。しかし母体が大きくなることの宿命として、分野が異なる研究者の密接 なコミュニケーションが困難になってきていることは否めない。これまでの旧総合研究所 及び現総合研究機構による努力により近年風通しが良くはなってきているが、依然大学全 体に散在している高度な科学技術のすべてを掌握するのは容易ではない。本拠点形成のメ ンバーはこうした困難を打開するため、「がん医療」をキーワードとした「研究者ネットワ ーク」を形成し、医学、生物学、薬学に加え、数学、情報科学、応用生物、工業化学 、機 械工学、材料工学、生物工学の多彩多様な研究分野の研究者によるコミュニケーションの 場として研究会を重ね、この拠点形成に至っている。 本拠点のさらなる特長は、距離がわずか 3 km と非常に近隣に位置する日本でも有数のが ん専門の医療機関である国立がんセンター東病院と強力な連携体制をひいているという点 である。国立がんセンター東病院に併設されている臨床開発センターでは、高度な画像診 断法の開発による、画像に基づく過不足のない外科、内科、放射線科的治療法の確立や、 ― 34 ― がんの臨床的および生物学的特徴の解明による根治的薬物療法の開発に取り組んでおり、 本拠点が目指すがん医療のための基盤科学技術の創出への協力拠点として理想的な場であ る。 このように、本拠点形成は、 「ものづくり」に関わるすべての理工薬学の研究の場と、 「が んの生命科学」の研究の場、「がん臨床医療」の現場とのネットワークにより、がん医療の 基盤となる先端科学技術の創出、育成と応用の拠点を形成するとともに、異分野研究者ネ ットワーク型プロジェクトワークの実施拠点を形成することを目的とする。 本拠点の形成により、これまで本学で涵養されてきた高度に専門化した科学技術を集約 しその連携を図ることで、がん医療における新たな革新的科学技術の創成に発展すること から、「がん」という国民の安全・安心を著しく脅かす問題の解決に大きな貢献をもたらす 科学技術成果の創出が期待される。また、21世紀の新たな分野連携型科学技術を創出す る研究拠点として研究者ネットワークをベースとした拠点形成のモデルケースを実施し、 そこにおける様々な問題を明らかにし、その解決策を講じることにより、将来に渡っての 新たな学術創成のスタイルを提案することも意義深い。さらに、「ものづくり」と「がん医 療」の連携により創出される我が国発の革新的な科学技術をベースとした、治療薬、診断 機器、医療機器などの医療技術開発は、我が国の今後の産業の発展の基礎として大きな意 味をもつ。 (2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 新設につき、センターとしての活動は特にない。 (3)外部有識者と関係ある委員会 新設につき、準備中 (4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 新設につき記述すべきものなし。 ― 35 ― 18.[再生工学研究部門] 1)研究部門の設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 5年計画のプロジェクトで実施された再生工学研究センターが終了し、引き続き再生工学研究部 門として3年間の研究を継続している。本研究部門では、バイオテクノロジーを利用した安心と 健康の科学を実施する。生物の保有する固有の機能を解明し、これを高度に利用する基盤技術を 開発することを目的としており、これにより、再生医療やバイオマス資源の高度利用に向けた基 盤技術の開発を目指している。これまでの5年間の研究センターでの研究ではこの研究分野にお いて様々な研究成果を発信できた。この中でも「歯再生」に関する研究成果や植物による生分解 性プラスチック生産技術の開発等では、特筆すべき結果が得られており、これらの研究成果は新 聞報道されるなど各方面で高く評価されている。これらの成果を基に、新たなメンバーとともに さらなる飛躍に向けた研究基盤の整備を行う予定である。 再生工学研究部門 バイオテクノロジーを利用した安心と健康の科学の実践 良好な環境の維持 バイオマス資源の高度利用 (植物生命工学グループ) 新機能開拓 植物機能制御 生理活性利用 健康な生活の維持 再生医療工学の推進 (細胞制御工学グループ) 細胞制御・操作技術開発 臓器置換再生医療の実用化 細胞機能の解明と利用 2)2008 年度の活動状況 本研究部門は、植物生命工学と細胞制御工学の2つのグループから構成されている。本研究部門 は独自の建築物はもたず、研究活動は野田キャンパスの生命研究所、6号館、8号館、及び10 号館、神楽坂キャンパスの5号館に分散して行なわれている。この学内体制を維持しながら、共 同研究として、京都大学、東京医科歯科大学、大阪大学、北海道大学、電力中央研究所からの客 員研究員が参加し、研究を推進している。 植物生命工学グループは、生物個体の発生再生機構を利用した応用指向性の高い基盤技術を開 発することを目的とした研究を継続した。乾燥や低温、酸性雨や病害などの環境ストレスは、植 物バイオマスの生産性を減退させる大きな要因となっているため、分子生物学や遺伝学の手法を 用いて環境ストレスに対する代表的な応答機構を解明し、これらのストレス対する抵抗性を付与 するための技術開発を行った。また、光合成によって生産された物質を効率よく貯蔵器官へ移送 し蓄積することの鍵となる因子の遺伝子を同定した。さらに、植物機能を最大限に利用するため に、植物で有用物質を生産する分子農業システムの開発を試みた。また、このときの生産に障害 となる要因が何であるかの解析を行った。 細胞制御工学グループは、哺乳動物の中枢神経系、口腔組織系、造血系、免疫系、雌性生殖系 における組織発生や器官形成の分子機構の解析を行った。これと並行して、これまでの基盤研究 の成果に基づいた細胞操作技術と幹細胞システムを応用して、歯再生の基礎研究を進め、再生医 療への展開を目指した。組織発生や器官形成においては、時間的空間的に秩序ある遺伝子の発現 が進行し、それに伴い細胞の増殖・分化・移動・相互作用の連鎖が起こるが、これらの細胞を生 体から採取し、体外で加工・増殖させ、生体に戻し機能・構造を回復させることが可能になって きた。また胚性幹細胞を含む種々の幹細胞を提供者より得て加工・増殖させ、さらに免疫抑制的 処置を施しながら生体に戻し機能・構造を回復させる方法を検討した。 ― 36 ― 昨年度の研究部門としての研究活動は、それぞれのメンバーの研究費が限られる中、それぞれ の研究資産を利用して研究を推進してきた。また、研究部門の活動として、一昨年に引き続き、 公開シンポジウムを開催した。昨年度のシンポジウムのテーマは、「地球温暖化と我が国の食糧 生産・・・コメの品質を決める鍵因子を探る」である。2008 年 7 月 16 日に東京理科大学野田キ ャンパスにおいて実施し、150 人を超える多数の参加者があった。 3)外部有識者と関係のある委員会 実施せず。 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 これからも人類がこの地球上に存在するためには、地球環境の維持に配慮した安定的継続的な社 会を構築することが欠かせない。また、人類が幸福な生涯を全うするためには、尊厳をもった社 会生活を営むことのできる基盤技術の整備が必要である。この研究部門では、地球環境維持に配 慮した人類の安心と健康の維持の科学を研究している。そのために、バイオマス資源の高度利用 や再生医療技術へつながる基盤技術の研究などを行い、これらの諸問題の解決に貢献したいと考 えている。これらの研究分野は、現状の世界的・時代的背景や社会的要求から今後は最も重視さ れるものである。このニーズに応えるため、当研究部門は研究活動を積極的に発展・推進させる 必要があると認識している。学会発表や論文発表などのさまざまな場を利用して、われわれの成 果を積極的に発信していきたいと考えている。 以下に昨年度の主な研究成果を掲げる。 1. M. Higuchi et al., J. Plant Res. (2009) in press 2. T. Shiga et al., Ocimum basilicum L. Plant Biotechnol. 26, 255-259 (2009) 3. K. Matsumoto et al., Biomacromolecules 10, 356-390 (2009) 4. T. Imamura et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. 369, 609-615 (2008) 5. H. Kusano et al., Plant Cell, 20, 367-380 (2008) 6. T. Furukawa et al., Plant Mol. Biol., 66, 519-531 (2008) 7. M. Narukawa et al., Plant Cell Physiol., in press (2009) 8. N. Terasaki et al., Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 1585-1587 (2009) 9. Y. Sawada et al., Plant Physiol. 146(3), 1386-1396 (2008) 10. H. Takahashi & Y. Inoue, Plant Growth Regulation 56(1), 31-41 (2008) 11. N. Terasaki et al., Thin Solid Films 516(9): 2553-2557 (2008) 12. Y. Sawada et al., J. Ex.p Bot. 59(12), 3383-93 (2008) 13. H. Ohta et al., Energy from the Sun, 24: 1519-1522 (2008) 14. T. Henmi et al., J. synchrotron radiation, 15 (3), 304-307, (2008) 15. M. Iwai et al., Plant Cell Physiol., 49 (11), 1678-1687 (2008) 16. A. Okumura et al., Biochim. Biophys. Acta – Bioenergetics, 1777(12), 1545-1551 (2008) 17. I. Enami, et al., Photosynthesis Res. 98(1-3), 349-363 (2008) 18. K. Nakao & T. Tsuji, J. Robotics Mechatronics 19, pp506-511 (2008) 19. K. Nakao & T. Tsuji, Jpn. Dental Sci. Rev. 44(5), pp70-75 (2008) 20. E. Ikeda & T. Tsuji, Expert Opin. Biol. Ther. 8, 735-744 (2008) 21. 中尾一久、辻 孝, 生体医工学(日本生体医工学会), 46(4), 425-431 (2008) 22. 石田研太郎、辻 孝,医工学治療(日本医工学治療学会),20(4), 211-216 (2008) 23. 池田悦子、中尾一久、辻 孝,日本再生歯科医学会誌, 5, 94-104 (2008) 24. 島田浩章, ビオフィリア(Biophilia), 4, 41-45 (2008) 25. 島田浩章, 今村智弘, 高分子, 57, 983-986 (2008) 26. 島田浩章, 植物ゲノム科学辞典(駒嶺穆ほか編集), 分担執筆, 朝倉書店, 2009年1月 27. 辻 孝, 中尾一久 (出願人:東京理科大学), 外国特許出願, 歯の製造方法、歯の集合体及 び組織の製造方法, JP2006/310805、平成20年6月26日. 28. 辻 孝,「歯の再生技術」, BS JAPAN(テレビ), 2008年12月14日 ― 37 ― 19.[ケミカルバイオロジー研究部門] 1) 研究部門の設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 本研究部門は研究センターを持たない。したがって部門設立の趣旨は、以下の 三点に集約される。 ① 外部資金の受け入れ組織となること ② 文部科学省「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」に採択されること ③ 研究センターを持つこと この目的を実現するため、有機化学を基盤として生命科学研究を行うケミカルバ イオロジーを推進し、化学から生命科学にわたる広い分野の研究協力体制により、 化学系領域の研究と生命科学研究との融合を目指す。有機合成化学によりさまざ まな薬理作用や生理活性を示す低分子化合物をプローブとし、生命機能を探るこ とのできる物質を探索・設計・創製し,さらに分子生物学によりその細胞内標的 分子を明らかにする。 2) 2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 安倍の「がん医療基盤科学技術研究センター」プロジェクトは「私立大学戦略的 研究基盤形成支援事業」に、坂口・菅原の「放射線増感剤 SQAG の悪性腫瘍治療 効果に関する研究開発」は医薬基盤研究所受託研究に採択された。 国際化推進プログラムによる国際ワークショップ開催に協力し尽力し、海外から 23 名の発表者の参加を得、共同研究ならびに交換留学制度について意見を交換し た。 3) 外部有識者と関係のある委員会 なし ― 38 ― 4) 今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 安倍の「がん医療基盤科学技術研究センター」プロジェクトは「私立大学戦略的 研究基盤形成支援事業」に、坂口・菅原の「放射線増感剤 SQAG の悪性腫瘍治療 効果に関する研究開発」は医薬基盤研究所受託研究に採択された。 一方で個々人の研究活動も目覚ましく、林の学術論文は Angew. Chem. Int. Ed. で 01/2009 の Most cited paper の 1 位に、椎名の論文が European Journal of Organic Chemistry 2008 年 11 月時において最もダウンロードされている 10 件の 論文の一つ 「Most Accessed Article」であった。また本学教育職員の業績評価の 結果に基づき、教育及び研究の分野で特に優れた業績を挙げた教員として菅原が 表彰された。 克服すべき課題として、本研究部門は研究センターを持たないことがあげられる。 一般的に、「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」の採択事業のほとんどが施設 を要求しており、その面からも採択の機会を窺う。 ― 39 ― 20.[トランスレーショナルリサーチ部門] 1)研究部門の設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 【トランスレーショナルリサーチ部門設置の経緯】 これまでの我が国の医療系研究体制に共通する問題点として、優れた基礎研究、技術を数多く 有しながら、基礎研究の成果を臨床の現場に生かすために必要な橋渡しをする研究(トランスレ ーショナルリサーチ:以下 TR)体制の整備が海外に比較して遅れていることが指摘されてきた。 このような弱点を克服するために、最近、全国の医学部を中心に学内に TR 部門を設置し、各大学 の持つ基礎研究成果の臨床応用を推進するするための体制の整備が始まっている。 本学においては、薬学部、理工学部、基礎工学部、理学部、工学部、生命科学研究所などを中 心に、明日の医療に貢献することを目的とした研究テーマに取り組む研究者が数多く在籍してお り、すでに学内には、臨床応用の実現性が期待されるいくつかのシーズが集積している。しかし ながら、本学には医学部、附属病院などを有しないため、これらのシーズを臨床応用するために 必要な研究を実施する機会が不足しており、これまでの基礎研究の成果を臨床に還元しにくい状 況にある。本学に蓄積している研究成果を臨床現場に還元するためには、医療現場との共同研究 の窓口になる TR 部門を学内に設置し、近隣の医学部、医療機関と連携して橋渡し研究を強力に推 進することが不可欠である。 【本部門設立の目的・趣旨】 以上の背景に基づき、TR 部門では、本学の研究者が、医学部、医療機関と連携して基礎研究と 臨床研究の橋渡しとなる研究を行うことにより、本学で発見、発明、開発されたシーズを臨床応 用可能にまで育成することを目的とする。 本部門の具体的な目標として、以下の二点があげられる。第一に、医療機関と連携して本学の 研究者が開発した新薬、新技術等を臨床応用するために必要な臨床試験を行う。第二に、医療機 関から提供された臨床検体を病態解析することにより得られた知見を、医療の現場に還元するこ とにより、個々の患者の診断、治療に生かす個別化医療の実現を目指す。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 【2008 年度活動状況】 本部門は、2009 年 4 月に設立された新しい組織であり、2008 年度の活動実績はない。 【本部門参加者の今までの活動状況】 2009 年 4 月現在、本部門には学内の研究者 12 名 (薬学部 9,基礎工学部1、理学部1,工学部 1)が参加している。本部門に参加した研究者の研究テーマは、新薬、新技術の開発面においては、 がん予防を目的とした新薬、および機能性食品の開発(谷中)、ホウ素中性子捕捉療法の効率化のた めの DDS 開発(牧野)、感染症予防を目指した抗体医薬品の開発(千葉)、高脂血症治療のための核 ― 40 ― 酸医薬品の開発(鳥越)、神経系疾患に対する神経ペプチドによる治療法の開発(岡)、ヒト神経芽 腫の抗体治療薬の開発(深井) 、海外で開発された医薬品を日本に導入するための臨床研究(小茂田) 等を行っており、これらのプロジェクトのいくつかは、今後、本部門に客員研究者として参加す る臨床医との共同研究により、臨床応用されることが期待される。また、個別化医療実現に向け たプロジェクトとして、Epigenotype 解析による生活習慣病と薬物動態関連遺伝子発現予測研究(廣 田)、酸素不足を指標とする PET 用がん診断薬の開発(西谷)、肥満に対する診断治療法の開発(樋上)、 糖尿病、膵臓がん早期診断のための新規腫瘍マーカーの開発(増保)等、個別化医療実現の可能性を有す る研究が行われている。また、本部門には、臨床試験のプロトコール作成、解析を専門とする生物統 計家(浜田)も参加して、今後予定される臨床試験を支援する体制が整備されている。今後、各々の 研究テーマについて、同一の分野で臨床研究を行っている研究者を医学部、医療機関から募り、本部 門との共同研究を推進することにより、本学が保有しているシーズの臨床応用を目指したい。 3)外部有識者と関係のある委員会 【外部有識者との関係】 本部門に所属する研究者の研究プロジェクトの実現のために、前述した如く、同じテーマで研究 に取り組む外部の研究者に客員として本部門への参加を現在依頼しているところである。これまで に具体的なテーマで本部門への参加が決定している外部研究者は以下の通りである。 ○がん予防薬の臨床試験に向けて、筑波大学附属病院消化器内科(兵頭一之介教授、鈴木英雄講師)、 国立がんセンター研究所がん予防基礎研究プロジェクト(武藤倫弘室長) ○ホウ素中性子捕捉療法の効率化のための DDS 開発研究において、筑波大学附属病院脳神経外科 (松村 明教授) ○生活習慣病、肥満研究において、湘南鎌倉総合病院(竹下 糖尿病生活習慣病予防センター(朝長 聡循環器科部長)、朝永クリニック 修センター長) ○本部門の組織運営のアドバイザーとして、筑波大学次世代医療育成センター(原田義則教授) 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 【現状における問題点と克服すべき課題】 現状における本部門の最大の問題点は、本部門が研究組織として活動を行うために必要なスペース や設備が不十分な点である。本部門の活動には、医療現場から集積した生体試料を安全に処理するた めの設備や、これらの検体を一括して保存するための大型冷凍庫やが必要であり、このためのスペー スの確保が緊急の課題となっている。本部門における第二の問題点は、外部医療機関との連携が未だ 十分ではないことが挙げられる。これまでに本部門では、前述した各々のテーマについて、同じ分野 の研究をしている臨床医を中心に客員研究者として招聘しているが、今後は、近隣の医学部や医療機 関と合同でセミナーやシンポジウムを定期的に行い、外部医療機関との連携を強化していく予定であ る。本部門における第三の問題点は、研究予算の不足である。この点は、今後、本部門に参加する研 究者が共同で大型の予算プロジェクトに申請し、研究費の獲得を目指したいと考えている。 ― 41 ― 21.[社会連携部 大塚化学糖タンパク質工学研究プロジェクト] 1) プロジェクト設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 バイオ医薬品は、組換え DNA 技術や細胞培養技術を用いて製造された、生体内に存在する生 理活性物質を有効成分とする次世代医薬品です。その多くは糖鎖が結合した糖タンパク質であ り、腎性貧血薬であるエリスロポエチンや肝炎治療薬のインターフェロン、がん治療に向けた抗体 医薬品などが知られています。最近の研究成果から、糖鎖はタンパク質の立体構造安定化や薬理 作用発現に重要な役割を果たしていると考えられています。本研究プロジェクトは、数兆円を超え るバイオ医薬品市場である生物製剤の糖鎖部分に注目し、新たな糖タンパク質医薬品の製造技 術の開発を目指しています。 本プロジェクトの共同研究者である、大阪大学大学院理学研究科の梶原康宏教授らは、世界に 先駆けて糖鎖を酵素化学法により大量調製する技術や、糖タンパク質を完全に化学合成する技術 を開発しました。これらの技術をもとに、新たな化学合成技術(大阪大学)や生物機能の研究(東京 理科大学、本プロジェクト)、医薬品化に向けた産業化のための展開研究(大塚化学株式会社糖 鎖工学研究所)を連携して進めていくことにより、新しい機能を有する糖タンパク質医薬品の開発 や、より安全性の高い糖タンパク質医薬品の製造技術を開発し、社会に貢献することを目指してい ます。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 本プロジェクトを主体とした、研究会、ワークショップは特に開催していない。 3)外部有識者と関係のある委員会 特になし。 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 本プロジェクトでは、糖タンパク質合成技術およびペプチド糖鎖修飾技術を確立することにより、 バイオ医薬品の製造技術、創薬に新しいコンセプトを提示することを目指して以下の 2 つの研究課 題に取り組んでいます。 4)-1 糖ペプチドの化学合成と生物評価に関する研究 ペプチドは、ホルモンとして様々な生体反応に深く関わっています。その高い特異性と強力な生 理活性から創薬ターゲットとして期待されてきました。その一方で、消化酵素やタンパク質分解酵 素による分解を受けやすく、生体内半減期が数分程度と極めて短い、粘膜透過性が極めて低い、 アミノ酸配列により溶解性が低下する、などの問題点のため、医薬品として応用することができない 生理活性ペプチドも少なくありません。現在、これらの問題を改善するために、ポリエチレングリコ ールや非天然型アミノ酸によるペプチド側鎖の化学修飾技術や新たなドラッグデリバリーシステム の技術開発が進められています。 大塚化学株式会社・糖鎖工学研究所では、酵素化学法を用いてヒト型 2 分岐糖鎖ライブラリー ― 42 ― を作製し、得られた様々な構造の糖鎖をペプチド側鎖に化学的に修飾した生理活性ペプチドを合 成しています。本プロジェクトでは、ペプチドの物性に与える糖鎖修飾の効果を明らかにするため、 生理活性糖ペプチドの安定性や生理作用を解析しています。消化管ホルモン glucagon-like peptide-1(GLP-1)をモデルとして、生理作用発現のために最も有効な糖鎖修飾部位および糖鎖 構造の検索を行いました。最適化された糖鎖修飾 GLP-1 は受容体に対するアゴニスト作用を損な うことなくタンパク質分解酵素に対する安定性が改善され、生物活性が大幅に向上し、糖鎖修飾が ペプチドホルモンの医薬品化における有用なツールとなることを示しました。現在、GLP-1 以外の ペプチドホルモンに対する糖鎖修飾効果の検証を行っており、これらの研究を通じて、ペプチド創 薬における新たな化学修飾技術の開発に取り組んでいます。 4)-2 糖タンパク質医薬品の新規合成と生物評価に関する研究 糖タンパク質医薬品は細胞培養系で生産されており、細胞の種類や製造ロット間で糖鎖構造の 違い(多様性)を生じることが知られています。糖タンパク質医薬品は低分子化合物医薬品のよう に化学的に均一な構造ではないこと、また動物細胞で生産するため、未知のウイルスや動物起源 のタンパク質などの異種生物由来因子の混入の可能性があるなど、その品質管理レベルの高さが 求められます。さらに糖タンパク質医薬品の製造には専用の設備が必要で、製法関連特許の数も 多く、複雑なことから製造コスト上昇の要因となっています。 大阪大学の梶原教授らのグループは、糖タンパク質を複数のペプチド断片に分割して化学合 成後、糖鎖付加部位に酵素化学法により合成した糖鎖を修飾したペプチド断片と他のペプチド断 片とを連結し、フォールディングさせることにより、糖タンパク質を完全化学合成する技術を開発し ました。本法により合成された糖タンパク質は、均質な糖鎖のみが結合し、化学的に均一な構造を 有しています。そのため、安全性が向上すると共に、設備・知財面でのコスト削減が可能な生産技 術と考えられます。本プロジェクトでは、完全化学合成された糖タンパク質医薬品の生物機能評価 を行っています。化学合成された赤血球増多薬エリスロポエチン誘導体は in vitro において、市販 品と同様に濃度依存的な細胞増殖活性を示し、化学合成糖タンパク質も培養細胞で生産された 糖タンパク質と同様に生物機能が保持されていることを明らかとしました。今後も従来型の培養細 胞由来糖タンパク質と化学合成糖タンパク質との生物機能の比較を行い、糖タンパク質化学合成 技術の確立と医薬品化を目指していきます。 4)-3 課題 今後も4)-1において糖鎖の化学修飾技術開発や、4)-2の糖タンパク質化学合成技術の確 立と医薬品化を目指して研究を実施していく。本研究プロジェクトにおいて、民間企業との産学連 携を組織的に推進して、学術的な基礎研究と民間企業による実用化技術開発の研究成果を発信 していきたいと考えている。 ― 43 ― 22.[社会連携部 放射線増感剤 SQAG の悪性腫瘍治療効果に関する研究開発プロジェクト] 1)プロジェクトの設置に至る経緯、設置目的・趣旨 SulfoQuinovosyl-Acyl-Glycerol (SQAG)は、私達が発見した強力な抗癌作用を有する含硫糖脂質 である。この実用化を目指し早くから“理科大横断的・異分野専門家のグループ研究集団”を形成 した。その結果、SQAG の持つバイオ活性を多方面から明らかにし、全合成や類縁体の有機合成経 路を初めて確立することに成功した。SQAG は放射線増感剤として末期固形癌の治療に有効であり、 これまでの化学療法剤ではなし得なかった新規癌治療法の確立へ大きく貢献することが期待されて いる。これまでの異分野横断的基礎研究によって、抗癌剤として次のような SQAG の性質を明らか にした。 ・ 固形癌のみに集中して貯留する。結果として、重篤な副作用はほとんど全く示さない ・ 現在有効な薬物が存在しない腺癌や扁平上皮癌(癌患者の半数以上)にも著効を示す ・ 癌組織内部の血管新生のみ著しく阻害する毛細血管新生阻害作用を示す ・ 強力な放射線増感作用を有しており(増感率>3.0) 、電離放射線照射と組み合わせると、極めて 低濃度で劇的な制癌効果を有する これらの性質を併せ持つ制癌剤は、現在のところ、国際的に SQAG 以外に存在しない。結果とし て実用化を急ぐため、昨年度から厚労省医薬基盤研のプロジェクトとして採用され、理科大でも昨 年 10 月 1 日付けで総研・社会連携部プロジェクトとして設置された。このプロジェクトは理科大 横断的なばかりでなく、多数の他大学・研究機関も含めた共同研究拠点プロジェクトに発展しつつ ある。現在、放射線増感剤として実用化に向けて前臨床試験を実施中である。治療用放射線量を少 なくとも数分の一に下げることが可能なことから、飛躍的な固形癌治療法の確立が予期される。 2)2008 年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 本研究開発では現在までに SQAG の実用研究に関連して出版した学術論文 13、申請済み特許 10 であり、実用化への高い優位性を確認(SQAG の基礎研究用の学術論文・学術講演・マスコミ報道 などは多数につき略) 。現在、SQAG の放射線増感剤としての実用開発は次の3テーマで構成され ている。 1 SQAG の癌治療薬としての実用化に関する研究(放射線増感研究) ・ 医薬品の候補化合物 (誘導体) の取得及び製剤化に関する研究 ・前臨床試験による SQAG の効果、腫瘍内薬物貯留、悪性腫瘍効果に関する研究開発 2 SQAG をコアとしたキャリア物質の開発(DDS 研究) ・ SQAG にフッ素やヨウ素を導入した高感度な CT イメージングのための造影剤の合成 ・ ホウ素導入による中性子補捉療法のターゲット物質としての開発 更に、次のテーマは「テーマ2」の次世代開発であり準備中、連携はまもなく出発する。 3 自動照射癌治療ロボットの開発 ・画像解析のシミュレーション研究、ロックオン型射撃管制装置付きロボットの試作研究 異分野間の緊密な学術分担と連携で極めて円滑かつ効率的に進行中(異分野間連携が極めて機能 している点では類例を見ないだろう) 。工業化学合成と臨床医学(人と動物) 、基礎バイオ、そして 最先端工学部門の連携が不可欠である。SQAG には毒性がほとんど無いため、放射線増感剤として 現在治癒困難な末期固形癌や転移癌の治療に革命的な効果がもたらすと考えている。 3)外部諮問委員会はないが、多くの大学参加の拠点プロジェクトである。 これは理科大が統括リーダーとする拠点プロジェクトでもある。昨年度までは、東京医科歯科大 学、札幌医科大学、麻布大学獣医学部との連携で進められた(今年度からは国立がんセンターを含 ― 44 ― め、更に連携先が増える) 。 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 克服すべき課題は、各種の理系領域を有する理科大の異分野連携の賜で、開発上の科学技術には 全くなく、開発費の膨大化のみである。次の 3 点の活動と研究成果から、開発費の調達・工業化へ 産業の協力を要請することになるだろう。 1 研究及びその実用化による経済・社会への波及・イノベーション効果 SQAG は現在既に前臨床試験段階に入りつつあり、3~5 年以内に人の臨床治験に入ることを目指 している。末期固形癌治癒の可能性のある最初の医薬品であると私達は考えている。現在、日本だ けで年間約 70 万人の癌患者が発生しており、予測通りの効果があれば、ほとんど全患者にこの物 質が用いられる可能性が高い。一人につき治癒に至るまでに 100~500 万円程度の費用(医療保険込 み、本人払い 20〜100 万円程度)で投与できるならば、売り上げは単純計算でも 7000 億~3.5 兆円 になる。しかもこの物質は検査用 CT イメージング用の造影剤にもなるから、更に増額されるだろ う。DDS キャリアとしての可能性も非常に高い。 低線量照射が可能になるから、既存の放射線照射装置をそのまま用いることが可能であり、一般 病院にとって当面はさらなる投資が不要である(今の現場でも直ぐ使用可) 。照射領域を周りに少し 拡げ、転移層を含む領域への放射線照射も可能で、末期癌患者の治療にも最適である。また造影剤 として応用する場合も既存の画像解析装置をそのまま利用することが出来る。 これでも治療成績は飛躍的に上がると思うが、安全性を向上し通院のみで完全治癒を達成するた め、並行して、次世代型の画像解析装置連動の自動照射癌治療ロボット装置の開発を行う。完成す れば通院のみで末期癌の完全治癒が可能になるだろう。癌治療では、医師個人の技量に依存しない 普遍的かつ高精度な治療法の確立が急務である。全ての病院で同レベルの治療成績を上げるために は自動照射癌治療ロボット開発とその普及が不可欠である。 従って、SQAG を用いた新規放射線療法が実用化された暁には、産業経済的なインパクトは計り 知れず、経済・社会への波及・イノベーション効果は絶大である。 2 効果的な産学連携活動の見込 本実用開発は、産学連携活動を進めるために、鋭意 SQAG に関連するさまざまな基礎データの獲 得と特許申請を進めている。更に SQAG の実用開発を効率的に実施するために、2008 年 3 月に理 科大発・創薬ベンチャー企業(株)CANGO を設立し、新たに麻布大学獣医病院と原発性癌の共同 研究を開始した。同様に CANGO を介して多数の企業と本格的な産学連携を開始している。今後も 実用化や国際的な社会貢献のために必要な異分野の新規参入をドンドン歓迎し、産学問わずその促 進を計る予定である。 3 企業による産業化利用及び協力関係の見込 放射線増感剤として医薬品取り扱いメーカーとの提携が不可欠である。また、CT イメージング 用造影剤や DDS キャリアの場合は、そのような医療機器産業の参加が見込まれ、計画中の癌治療 ロボットにはロボットメーカーの参入となる。SQAG の実用化により新規癌治療法として、各種の 製造業との幅広い協力関係が出来、新規の産業領域の構築が可能である。今、多数の企業が興味を 示している。このような広範な企業が参入して開発を同時に進めることは、実用化研究レベルにお いても、産業化利用のレベルにおいても他に類を見ない。理科大発・実質的連携研究体制の真の成 功例にしたい。 ― 45 ― 23.[社会連携部 オーガンテクノロジーズ 器官再生工学プロジェクト] 1) プロジェクトの設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 21 世紀型の医療システムである再生医療は、 「幹細胞」を損傷部位へ移植し、組織や器官 の機能を修復する細胞移入療法として臨床応用化に近づきつつある。さらに次世代再生医 療として、疾患や傷害を受けた臓器や器官を、生体外で人工的に作製した器官と置換する 「臓器置換再生医療」を目指した基盤技術開発が期待されている。しかしながらその技術 開発は十分ではない。 器官は、胎児期の上皮・間葉相互作用によって誘導された器官原基から発生し、器官を 構成する複数種の機能的な細胞や神経、血管などが高度に組織化されて形成される。私た ちは、器官発生の生物システムと工学的な技術を用いて、単一化細胞から細胞操作により 器官原基を再構築するための「器官原基法」を世界に先駆けて開発し、正常な構造を有す る再生歯や再生毛を高頻度で発生させることを可能にした。これらの技術開発から「臓器 置換再生医療」の実現可能性が大きく高まったと考えられている。 そこで本研究プロジェクトでは、民間企業と連携して、次世代再生医療としての「臓器 置換再生医療」の基盤技術開発を進め、その実用化技術を創出することを目指して、2009 年 1 月に設立した。臓器・器官の再生医療の基盤技術開発は、学術的な基礎研究としての 高い価値を有するだけでなく、再生治療に関わる基盤技術の知的財産を日本が保護して産 業として育成することにより高い経済効果が期待され、国策ともいうべき重要な課題とし ての意義を有している。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 本プロジェクトを主体とした、研究会、ワークショップは特に開催していない。 3)外部有識者と関係のある委員会 特になし。 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 本研究プロジェクトは、2009 年 1 月に、民間企業との連携研究を推進するために設立さ れた研究プロジェクトである。そのため本研究プロジェクトとしての活動は始まったばか りであり、今後、下記の研究課題について、研究成果をあげていきたいと考えている。 4)-1 歯の再生医療システムの開発 本研究グループは、器官原基法の開発により細胞操作技術を確立すると共に、人工的 な歯胚からの歯の再生医療の実現可能性を示し、この技術開発によって歯の再生医療の 実用化に向けた研究を可能とした。本研究プロジェクトではこの技術をコア技術として、 ヒトでの臨床応用化を目指して、以下の項目の研究を進める。 ①成体口腔内における再生歯の機能解析(2008-2009 年度) ― 46 ― ②次世代型インプラントの開発(2008-2011 年度) ③う蝕歯の再生治療システムの開発(2008-2011 年度) ④歯周病治療システムの開発(2008-2011 年度) ⑤歯の再生治療システムのための細胞シーズの探索(2008-2011 年度) ⑥歯の再生治療システムのための歯胚誘導遺伝子の探索(2008-2011 年度) 4)-2 毛の再生医療システムの開発(2008-2011 年度) 器官原基法を利用した毛包の再生、並びに毛包を有する皮膚シートの開発を目指す。 4)-3 臓器培養技術の開発(2008-2011 年度) 現在の移植医療では、提供者から摘出した臓器を保存液によって維持し、1-2 日で移 植する。これを数日間以上、培養できるシステムを開発することによって、移植医療を支 援可能な培養機器を開発する。 4)-4 課題 本研究プロジェクトは、本学における民間企業との産学連携を組織的に推進するため のモデルとして、学術的な基礎研究成果の発信と、民間企業による実用化技術開発を直 線的に推進することが重要であると認識している。現在、本研究プロジェクトで講師、 助教各 1 名を採用すると共に、 (株)オーガンテクノロジーズからの研究員1名、研究技 術員1名、東京理科大学大学院生の体制で研究を進めている。今後、更なる研究体制の 充実と本プロジェクトの研究目標に沿った研究成果を挙げていくと共に、本学の産学連 携の具体的な施策のひとつとして、学外に向けて発信していくことが課題である。 ― 47 ― 24.[ポリスケールテクノロジー研究センター] 1)研究センターの設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 我が国の物質・材料科学のポテンシャルは世界的にも非常に高く、国内主要産業の基盤技術を 担うとともに、今後の基幹産業となるバイオ・情報通信・環境・エネルギー分野においても、そ の進展がますます必要となっている。しかし、最新の「ものづくり」手法でも、すでに「もの」 (実用材料)としてのスケールとその作製時間による限界が問題となりつつある。 この限界を打開するために、学内外の研究機関が連携して新しい概念(ポストナノテクノロジ ー)に基づいた物質・材料科学分野の新たな学際領域を創出することを目指して研究プロジェク ト「アトミックテクノロジーを基点とした物質・材料研究の新展開-ポリスケールテクノロジー の創出-」を申請した。本研究センターは、この申請が文部科学省・平成18年度私立大学学術 研究高度化推進事業(学術フロンティア推進事業)として採択されたことを受けて設立されたも のである。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 国際シンポジウム (ワークショップ共催) Third International Symposium on Atomic Technology Third Polyscale Technology Workshop (第3回ポリスケールテクノロジーワークショップ) 主催 東京理科大学 総合研究機構 ポリスケールテクノロジー研究センター 共催 大阪大学 原子分子イオン制御理工学センター、筑波大学 学際物質科学研究センター 日時 2009 年 3 月 5 日(木)、6 日(金) 場所 東京国際交流館 (東京) 参加者 136 名 (口頭発表総数 16 件(うち招待講演 12 件)、ポスター発表総数 101 件) 国内シンポジウム 第3回三大学連携学生研究会 主催 東京理科大学 総合研究機構 ポリスケールテクノロジー研究センター 共催 大阪大学 原子分子イオン制御理工学センター、筑波大学 学際物質科学研究センター 日時 2008 年 8 月 23 日(木)-25 日(土) 場所 東京理科大学 長万部校舎 参加者 79 名 (招待講演 3 件、ポスター発表総数 60 件) 研究セミナー 第8回ポリスケールテクノロジーセミナー 「磁気記録に用いられる磁性材料」 稲葉 信幸(山形大学 理工学研究科 准教授) 2008 年 5 月 26 日(月)13:30-15:00、野田キャンパス 11 号館 1 階、第一セミナー室 第9回ポリスケールテクノロジーセミナー 「ナノインプリントとその応用」 水野 潤(早稲田大学 ナノ理工学研究機構 准教授) 2008 年 12 月 12 日(金)16:00-17:30、野田キャンパス 11 号館 1 階、第一セミナー室 ― 48 ― 第10回ポリスケールテクノロジーセミナー “Microstructure Development in the Coating and Drying of Thin Liquid Films” B. G. Higgins 教授 (University of California, Davis) 2008 年 11 月 12 日(水)17:00-18:00、野田キャンパス 11 号館 1 階、第一セミナー室 第11回ポリスケールテクノロジーセミナー “Block Ionomer Complexes as Novel Nanomedicines” T. K. Bronich 教授 (University of Nebraska Medical Center) 2009 年 3 月 12 日(木)16:00-17:00、野田キャンパス 11 号館 1 階、第一セミナー室 出版物 • 専門誌「金属」(Vol. 78 No. 7、㈱アグネ技術センター刊)において「材料開発の新概念-ポ リスケールテクノロジー」の特集が組まれ、本プロジェクトのコンセプトと取り組み(2件) 、 研究内容(7件)を掲載 • センター広報誌:「News Letter ”POLYSCALE”」No.4~No.6を発行 3)外部有識者と関係のある委員会 外部評価委員会 (下記の役職名は委員会開催時のもの) 日 時: 平成20年6月28日(土) 場 所: 野田キャンパス・10号館会議室 評価委員: 安田榮一 東京工業大学・統合研究院先進研究機構 教授(機構長) 前田瑞夫 理化学研究所・中央研究所 前田バイオ工学研究室 主任研究員 村瀬 琢 TDK 株式会社材料・プロセス技術開発センター 副センター長 石井 力 東京理科大学 教授(学長補佐) 瀬戸裕之 東京理科大学 教授(学長補佐) 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 当研究センターの研究活動は、大阪大学原子分子イオン制御理工学センター、筑波大学学際物 質科学研究センターとの「国私立連携研究」に基点の1つを置いているものであるが、両大学の 連携研究プロジェクトは平成21年度で終了予定となっている。昨年度から、3大学の3研究機 関での連携研究の将来構想について鋭意議論を進め、文部科学省による学術研究の推進体制であ る「共同利用・共同研究拠点」申請を本年度行ったが、残念ながら不採択となった。 現在極めて順調に推移している3研究機関による緊密な連携研究ならびに大学院生への教育 体制を今後も維持、発展させるために、大阪大学、筑波大学の両センターでは「ハードプロセス によるソフトマテリアル創成の科学-アトミックテクノロジーの医療・環境技術への展開-」と 題する概算要求(「大学の特性を生かした多様な学術研究機能の充実」、平成 22 年度から 6 年間) を提案予定で準備を進めている。 このような3研究機関による連携研究の将来構想の中で、当センターとしては文部科学省によ る(私立)大学への支援事業(「戦略的研究基盤形成支援事業」等)に対する情報収集の結果や、 本学内の研究体制に関する長期展望・計画などをお知らせいただき、それを踏まえて当センター から次のステップへの提案・要望を行ないたいと考えている。 ― 49 ― 25.[火災科学研究センター] 1)研究センターの設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 火災科学研究センターは、前身の総合研究所火災科学研究部門を核とする組織が、平成15年 度文部科学省・21世紀COEプログラム「先導的建築火災安全工学研究の推進拠点」に採択された ことを受けて設置された組織である。 本センターでは、火災に係わる諸現象を物理化学的な視点のみならず、社会学的な観点からも 安全対策を検討し、より確かな科学的根拠に基づいた建築物の火災安全評価および設計体系を 構築すべく、火災物理・化学現象、火災時の人間挙動、火災統計・リスク評価に関する最先端の研 究を推進し、その成果を広く社会に還元、普及させる先導的な役割を担ってきた。 平成20年度採択されたグローバルCOEプログラム「先導的火災安全工学の東アジア教育研究 拠点」では、この成果である、“理論”としての性能的火災安全設計技術と“実践”としての大型実 験施設の活用による実験的研究を両輪に、さらに発展・深化させ、都市化に伴う新空間(超高層、 地下)および工業化・省エネルギー化に伴う新材料(主にアルミ、プラスチック)の利用に伴って増 大する潜在的火災リスクの抑制を目的としている。 グローバルCOEプログラムを通して、先端的な研究推進のみならず、国際シンポジウム・セミナ ーの主催、査読付き英文研究論文集“International Journal for Fire Science and Technology” (1981年創刊)、の刊行(電子Journalとしても世界各国の人々に無料で公開)、実験棟を最大限に 活用した産官からの研究委託等を充実させ、人材育成、国際協力、社会貢献も含めて、多面的に 火災科学分野の発展に寄与する活動を展開している。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 z z z z z グローバル COE プログラム第 1 回国際シンポジウム ~ 東アジア地域の火災被害低減に向けて ~ セッション 1:各国の代表的なプロジェクトの紹介 セッション 2:「研究最新トピックス」「建築基準と火災安全設計」「大規模な火災事例」等 日時:平成 21 年 3 月 26 日 場所:プラザホテル(ソウル/韓国) 参加者:4 カ国(韓国、中国、台湾、日本)164 名 第 1 回グローバル COE セミナー ~オーストラリアにおける防火設計の実情~ 日時:平成 20 年 7 月 18 日 場所:森戸記念館 グローバル COE special セミナー ~防火安全性能検証技術国際検討会~ 日時:平成 20 年 12 月 19 日 場所:台湾科技大学 グローバル COE 教育研究セミナー ~スイス・日本における火災工学の現状~ 日時:平成 21 年 2 月 12 日 場所:野田校舎 2 号館 4 階オープンスペース バンコク/タイ現地調査 日時:平成 21 年 1 月 31 日~2 月 4 日 目的:死者 66 名を出したタイ・バンコクのナイトクラブ火災の現地調査 ― 50 ― z z z ベトナムの火災事情現地調査 日時:平成 21 年 3 月 2 日~8 日 調査先:ベトナム建築研究所、ハノイ建築大学、ハノイ建設大学、ハノイ市内高層ビル 目的:ベトナムの防火基準や試験機関、火災安全教育の実状の調査 台湾科技大学との国際学術交流協定の締結 日時:平成 20 年 12 月 20 日 グローバル COE ワーキンググループ 日時:平成 20 年 4 月 19 日~平成 21 年 2 月 9 日まで全 20 回 目的:グローバル COE プログラムの採択に向けた対策 3)外部有識者と関係のある委員会 外部評価委員 (“International Journal for Fire Science and Technology” Editorial Board) Michael A. Delichatsios(University of Ulster, UK) James G. Quintiere(University of Maryland, USA) Wan Ki Chow (The Hong Kong Polytechnic University, Hong Kong, China) John L. De Ris (FM Global Research, USA) Bogdan Dlugogorski (The University of Newcastle, Australia) Weicheng Fan (University of Science and Technology of China, China) Hakan Frantzich (Lund University, Sweden) Jean-Marc Franssen (University of Liege, Belgium) Ichiro HAGIWARA (Building Research Institute, Japan) Kazunori HARADA (Kyoto University, Japan) Yuji HASEMI (Waseda University, Japan) Richard Hull (University of Bolton, UK) Matti Kokkala (VTT Technical Research Center of Finland, Finland) Guy Marlair (INERIS, France) James Mehaffey (Forintek Canada corp., Canada) John Rockett (Fire Modeling & Analysis, USA) Ai SEKIZAWA (The University of Tokyo, Japan) Hiroyuki SUZUKI (University of Tsukuba, Japan) Jose Torero (The University of Edinburgh, UK) Takeyoshi TANAKA (Kyoto University, Japan) Takashi TSURUDA (National Research Institute of Fire and Disaster, Japan) Myong O Yoon (University of Seoul, Korea) Hideki UESUGI (Chiba University, Japan) 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 当面の課題 ○ 平成 21 年度開設へ向けた国際火災科学研究科の設立(グローバル COE プログラムの拠点形 成計画の一部) ○ 共同利用・共同研究拠点の組織及び運営体制の整備 ○ 火災科学研究センター実験棟の経済的自立に向けた運営方策(受託実験等による収益事業 の展開。性能評価機関(国土交通省、総務省)の認定取得可能性の検討。) ○ 火災科学研究センター実験棟の大型水平炉の設置と購入資金返済のための収益事業の展開 ― 51 ― 26.[数学教育研究部門] 1)研究部門の設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 東京理科大学は中等教育における数学及び理科の教員を多数輩出しており,我が国における 数学理科教育において非常に大きな役割を担ってきた。数学教育研究部門は平成16年10月に設 立された研究組織である。本部門は,東京理科大学創立以来,中学・高等学校の数学教員を多 数社会に送り出し,理学の普及に努めてきた本学の特性を生かした研究部門といえよう。本研究 部門は,中学・高等学校の現職数学教員と本学教員の数学教育に関する情報交換の場となり,共 同研究を通して教育方法の調査研究及び教材の開発や学力調査などを行い,その成果を中学・ 高等学校等に提供するとともに大学初年時教育に役立て,我が国の数学教育の発展に寄与する ことを目的としている。本研究部門はこのような目的達成のために,中学・高等学校の数学教員及 び本学教員の連携を通して次のような活動を行なうことを基本としている。 (1) 数学教育に関する研究及び開発 (2) 数学教育に関するデータの収集,解析及び提供 (3) 数学教育に関するデータベースの開発 (4) 数学教育に関する教科書及び教材の研究及び開発 (5) 学外の教育研究機関及び中等教育学校等との共同研究 (6) 数学教育に関する研究会,研修会,講演会及び報告会等の開催 (7) 数学教育に関する研究報告書の刊行 (8) 学外から委託された研究び試験等の受託 その他研究所の目的達成に必要な活動 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 ■研究活動: 1.理数系高校生のための数学基礎学力調査および調査結果の項目反応理論による解析 2.現実場面に基づく中等数学教育及びそれに続く複線化を目指した高等数学教育のカリキュラ ムと指導法の研究 3.理科大と高校をむすぶ Web数学教育の展開のための基礎的研究 4.教育・教材グループによる教科書の発行、SPP招聘講座への参加、数学の啓発活動の実施 ■報告: 1. 澤田利夫「理数系高校生のための数学基礎学力調査 NOW Ⅳ報告」(平成21年1月24日,東 京理科大学数学教育研究会月例会) 2. 眞田克典「項目反応理論について」(平成21年3月30日リフレッシュセミナー) ― 52 ― ■講演会,研究会: 1. 平井洋子 氏「項目反応理論入門 - 基本的なモデルと適応型テストへの応用」講演会(平成2 0年7月24日) 2. 秋山 仁 氏「The good teacher explains, the superior teacher demonstrates, and the excellent teacher inspires.」(ホームカミングデー2008) 3. 「数学を楽しむ講座−空間「∞ むげん」へのご招待−」の開催(本研究部門共催)(平成21年3 月29日) 4. 第55回理数系教員のためのリフレッシュセミナー(数学)の開催(本研究部門共催)(平成21年 3月29,30日) ■出版:「高校生の数学力NOW III --2007年基礎学力調査報告--」(東京理科大学数学教育研 究所【編】科学新興新社/フォーラム・A)の出版(平成20年8月) ■「数学・授業の達人大賞」の実施(ホームカミングデー2008) 3)外部有識者と関係のある委員会 該当なし. 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 現在,本部門は新妻弘部門長以下12名の併任研究員からなっており,上記(1)の部門設置目 的達成のために,複数のプロジェクトを設けてグループ体制で研究活動を行っている. 本年2009年で5回目となる「理数系高校生のための数学基礎学力調査」は,近年は参加者が5 000人を超える規模で実施されてきており,その調査結果は社会的インパクトが大きい.また,「数 学小辞典」(共立出版)の改訂事業はすべての部門研究員による活動として現在最終段階にあ る. 現在,各々のプロジェクトはその研究目標のために,部門経費の他,学内外の研究資金を得て 研究活動を行っている.今後は数学教育に関わる幅広い分野の研究のために,科学研究費補助 金を得る努力をすべきであると考えている.また,本部門が設立当初から実施している学力調査等 を継続的に行うには技術補佐的人材がどうしても必要であり,今後この人材をどのように確保して いくかが課題である. ― 53 ― 27.[神楽坂 人・未来研究部門] 1)研究部門の設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 ハードウェアとしての街、ソフトウェアとしての人、これら二つを有機的に結びつけ、 伝統と進化が共存する街・神楽坂にどのような形で大学が貢献できるのか。大学と街のあ るべき姿を見つめなおし、21世紀の街・神楽坂を創成するための研究を街とともに実践・ 検証していくことを目的とする。 <目標に向けての現状と課題> 神楽坂が新宿区の中で最も災害に弱い地域として指定されており、その指定レ ベルを改善するために、2006年8月に交わした要災害支援者に関する協定をもとに新宿 区との間で、次の共同研究を実施している。 ①災害時の情報システム構築の一部 ②災害時の非常用電源の研究 ③災害時のミニFM局の研究 2008年度末時点で、①については山本(栄)教授が中心となって新宿区箪笥町における実験 などを引き続き実施中である。②については谷内教授が中心となって2箇所のことぶき館 で日射量と発電量の検証を行っている。③については、村口教授が中心となってプロトタ イプのハードウェアが完成し、2009年度に神楽坂商店会の協力を得て実験を行う予定であ る。 専用の研究スペースはないために、部門構成員の実験室で研究・開発は行っている。な お、2008年度より専用の会議スペースが確保された。 <現メンバーを選んだ基準・経緯> 専任教員であり、本研究部門の設置時に掲げた趣旨や目的を理解し賛同していただける 方に活動していただいている。2008 年度から、辻本教授と長井准教授がメンバーに加わっ た。 <近未来の将来計画> 当初は新 2 号館に研究スペースを確保していただき、2011 年度からは都心における新し い大学のカタチを模索する研究センターとして発足予定であったが、再構築が不透明にな った現状では、2011 年 3 月をもって終了する予定である。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 3回の部門会議と地域住民との交流を図るための次のようなフォーラムを開催した。 「第3回 神楽坂 人・未来フォーラム」 ― 54 ― 日時 平成21年3月11日(水)13:00~17:00 場所 東京理科大学森戸記念館 第 1 フォーラム 講演「東京理科大学の原点・神楽坂 東京理科大学専門職大学院教授 ~その歴史を創った人々~」 馬場錬成先生 講演「神楽坂のまちづくりのこれからと環境の保全」 三沢建築研究所代表、元東京理科大学講師 三沢 浩先生 研究発表会 ①画像処理による人物監視技術 東京理科大学工学部助教 保坂 忠明 ②古地図から読み取る神楽坂周辺の市街地形成 東京理科大学工学部教授 伊藤 裕久 ③災害情報システムの構築 東京理科大学工学部教授 山本 栄 懇親会 パネル展示 山本研究室/谷内研究室/大竹・庄野研究室 村口研究室/長谷川研究室/ 3)外部有識者と関係のある委員会 なし 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 設立の経緯、財源、新宿区との具体的な連携形態とそれにかかわる課題 ハードウェアとしての街、ソフトウェアとしての人、これら二つを有機的に結びつけ、 伝統と進化が共存する21世紀の街・神楽坂を創成するためにはどのようにすべきかを工 学部が主体となって研究し、町とともに実践・検証していくことを目的として設立。研究 対象としては、防災対策、セキュリティ対策、ITインフラ構築、国際化対応、高齢化対応 である。2010年度までの時限研究部門。 研究に直接関わる部分に関しては外部資金(主として新宿区からのもの)と学部で予算 化された各自の研究費を充当している。1年に1回行っている地域連携の場であるコンソ ーシアムは総合研究機構からの経常費でまかなっている。 新宿区との協定以外の部分では、外濠の水質調査と浄化方法に関する検討、商店会の地 域ブランドに関する検討、携帯電話を利用した商業サービス、ドライミストによる神楽坂 通りの冷却の検討なども行っている。 課題としては、新宿区との人的交流が少ないこと、地域住民が忙しく会合の時間などを 確保することが難しい等があげられる。ホームページ ― 55 ― http://www.hitomirai.kagu.tus.ac.jp/ 28.[危機管理・安全科学技術研究部門] 1)研究部門の設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 政府の総合科学技術会議においては、平成 16 年 12 月に「安全に資する科学技 術推進プロジェクトチーム」が発足し、課題についての議論が開始された。平成 17 年に取りまとめられた中間報告書の考え方が、第 3 期基本計画の議論に反映 されるとともに、基本計画における分野別推進戦略の策定に際しては、同プロ ジェクトチームから安全に資する科学技術の基本的な推進方策が 8 つの各分野 別プロジェクトチームに対して提示され、分野別推進戦略全体を貫く横断的な 観点として反映された。更に、8つの分野別推進戦略の内容をフィードバック したものとして、平成 18 年 6 月に「安全に資する科学技術推進戦略」がとりまと められている。 本部門は上記の一連の動きに呼応して、昨年(平成 20 年)10 月 1 日に設置され た。近年社会的に益々重要となってきた危機管理・安全科学技術研究分野におい て、科学技術開発研究、人材育成、国際的危機管理情報収集を三つの柱とする 教育研究基盤を、東京理科大学内に構築することを目的としている。従来の縦 割り型の研究が多数を占める本総合研究機構において、本部門はこれらの科学 技術研究の成果、および外部の研究成果を自在に採り入れると同時に、社会の ニーズに敏感に反応して、新しい社会技術とも言うべきシステム化技術を研究 し、注目すべき科学技術の「社会実装」を目指すこととした。また、研究成果か ら、市民講座等において危機管理の教育を行ない、ならびに事業を進める人材 を育成することに社会的な特色を有することとした。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 当部門は理科大専任教員 12 名と、様々な分野の最前線で活躍する客員教員 7 名で構成されているが、3 月 31 日には森戸記念館で第 1 回研究部門会議を開催 し、16 名の研究員が顔を合わせた。それぞれの研究分野を紹介し合い、社会的 にも非常に注目されている危機管理分野の研究の進むべき道を検討した。 その後は一般の人を招待し、公開シンポジウムを開催した。前半は当部門の 研究員が講演し、後半は外部の専門家に担当してもらった。危機管理分野とい っても、人間の安全安心な社会の仕組み作り、経営危機管理、犯罪・テロ対策、 情報セキュリティ、空間情報トレーサビリティ等、様々なテーマがある。これ らの情報をシンポジウムやセミナーを通して発信していくことが、当部門のま ず最初に着手すべき使命と考えている。 当日は直前の案内にもかかわらず 60 名ほどの参加者があった。参加者は大学 研究者、民間企業で危機管理分野の業務を担当する人、防衛関係者などであっ た。参加者からはさらに深くこの分野の研究が進められ、順次社会実装されて 行くことを望む、そしてその時は協力を惜しまないという声が聞かれた。今後 ― 56 ― は定期的にセミナーを開催し、部門外の方々とオープンネットワークを形成し、 危機管理分野の研究の発展に努めたいと思う。 3)外部有識者と関係のある委員会 なし 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 本研究部門の研究計画は、物理的・化学的現象や人間の生理・心理・行動に 関する研究分野と、情報セキュリティ・情報伝達に関する研究分野を核として いる。まず、人間および建造物について統合センシング技術を導入して、危機 管理における安全性能を定量化し統計・確率を応用したリスク管理評価の分野 を発展させた。さらに、大災害時および多発的名災害での大規模広域避難誘導 システムの構築は、大規模災害には欠かせない研究で社会的使命を受けている。 こうした危機管理技術研究および教育の全般に及ぶ研究・教育計画の検討に着 手した。また、テロや犯罪、情報セキュリティに関して、内外の各機関で行わ れている研究開発を調査し、データベースとしてとりまとめる準備を始めた。 昨年 10 月の部門発足直後は研究者が個人で自身の研究を進めてきたが、今年 に入ってから研究者が集い、各種危機管理技術や今後の部門の方針などについ て議論を始めた。3 月 31 日に第 1 回研究部門会議と公開シンポジウムを開催し た。今後は部門の研究スペースを獲得し、もっと頻繁に研究者が集まり議論で きる場を提供し、定期的にシンポジウムを開催し、研究成果を学内外に発信し ていく予定である。 また、専門職大学院の MOT や MIP の教員・社会人学生、NPO、大学、警察、 防衛省、文科省、欧米研究者などの外部有識者を招いて、オープンイノベーシ ョンネットワークを形成していきたい。 3 月 31 日の公開シンポジウムを終え、参加者からの反響の多さに危機管理分 野の研究が熱望されていることを実感した。研究者は様々な分野のエキスパー トであり、部門の全員で情報を共有し、研究の加速化を平成 21 年度の目標とし たい。 ― 57 ― 29.[研究機器センター] 1)センターの設置に至る経緯、設置目的・趣旨の要約 技術革新の推進役となる測定機器・装置は、その進歩とともに著しく先端化、高性能化、大型 化、高価格化している。従って、一研究者が個人的にこれに対応するのは困難であるため、これ らを大学全体の研究資源として位置づけ、購入、利用、運営を共同で行う方が経済的で効率的で ある。 このような観点に立ち、本学では 1967 年学長の下に共同研究施設運営委員会が発足し、1985 年からは各学部より選出された委員で構成される機器センター運営委員会に発展した。さらに、 2005 年 11 月東京理科大学総合研究機構が設置されるに伴い、 本学の研究体制の抜本的強化を図る ため、全学研究体制の一元化、研究施設・設備および装置の効率的な運用を実現し、全学の意志 を反映した機器の管理運営や機器の選定および将来計画等を決定することを目的として、2006 年 10 月機器センター(旧)の発展的改組により、総合研究機構技術部研究機器センターに生まれ変 わった。 その目的を達成するために、研究機器センターにはセンター長のもと研究機器センター運営委 員会、同常任幹事会、および設備ごとにおかれた運用責任者が、研究機器センター所管の各設備 の運用の管轄、整備、保守、管理の業務を行っている。研究機器センターへの移行に際し、学長 のもとに設置された東京理科大学総合研究機構設置準備委員会において従来の機器センターの現 状と問題点が議論され、研究機器センターのあるべき姿が、 「東京理科大学総合研究機構研究機器 センター設置について(答申) 」としてまとめられた。この答申を受け、研究機器センター運営委 員会では研究機器センターの改革について議論した。その結果、常任幹事会がワーキンググルー プとなり、研究機器センターの改革案を作成することが決定された。常任幹事会では数回にわた り改善・改革の計画・実施の具体的方法について慎重に議論し、研究機器センターとしての結論 を「東京理科大学における研究環境の格段の強化に向けて(東京理科大学総合研究機構 研究機器 センター改革報告書) 」 (平成 19 年 10 月 4 日付)としてまとめた。改革は短期計画と中期計画に 分かれており、これまでに以下に示すような改革を進めてきた。 2)2008年度活動状況(研究会、ワークショップ等)報告 A.機器センター細則の制定とその実行 B.予算執行方法の改革 C.保守契約の一括化・合理化の実施 D.ホームページの開設 E.利用の手引きの発行 F.依頼分析及び保守業務の拡充 G.依頼分析申込の WEB 化 3)外部有識者と関係のある委員会 大学基準協会による第三者評価(名簿は省略) 4)今までの顕著な活動・研究成果および克服すべき課題 【活動及び成果】 A.機器センター細則の制定とその実行 2007 年度施行規則の抜本的見直しを行い、装置・設備の管理方法に関し新しく機器センター細 則を制定した。2008 年度はそれを実行に移すと共に一部改正を行った。細則では全ての装置・設 備を登録番号(1000 番台)で一括管理し、設備の種類・機能・規模により決まる管理形態の違い により集中管理設備(C) 、共同管理設備(S)及び分散管理設備(D)に分類し、登録番号の末尾 ― 58 ― に管理用タグ(C, S, D)を付記した。また、液体窒素等の供給設備をユーティリティ関連設備(UT) として 500 番台の登録番号で管理することにした。これにより全ての装置を管理形態、種類別に 一括管理することができるようになった。さらに「機器センター細則の制定」と同時に「研究機 器センターにおける機器登録・抹消・廃棄審査基準」と「終了研究センター所管機器の研究機器 センターへの移管審査基準」を制定し、装置・設備の新規登録・抹消・廃棄手続きを合理化し、 これに従って新規登録及び設置期間が終了した先端材料研究センター所管の装置の一部を研究機 器センターに移管した。 B.予算執行方法の改革 2007 年度「研究機器センター予算執行方針及び配分基準」を新しく制定し、その一部を 2008 年度改訂した。 「予算執行方針及び配分基準」では従来と異なり予算を大きく「基本配分予算」 、 「直 接配分予算」 、 「使用料収入予算」の三つに分け、基本配分予算は各設備の運営補助金と位置づけ、 予算は配分するのではなく上限額を決め、全て研究機器センターで管理することにした。 「直接配 分予算」には保守契約費、修理費、業務委託費が含まれ、これも研究機器センターで管理するこ ととした。 「使用料収入予算」は従来通り、運用責任者のもとで管理することになっている。 C.保守契約の一括化・合理化の実施 保守契約をメーカー、装置・設備の種類毎に一括化し、管理及び運用の合理化を行った。また、 同時に契約内容の見直しを行い、契約費の軽減を行った。 D.ホームページの開設 改革のための答申に従い、研究機器センターの広報活動と利用者へのサービスのためにホーム ページを新しく開設した。 E.利用の手引きの発行 改革のための答申に従い、研究機器センターの広報活動と利用者へのサービスのために「機器 利用の手引き」を新しく発行し、全教員と関連事務部門に配布した。 F.依頼分析業務の拡充 「直接払い予算」に業務委託費を新設することにより、質量分析(登録番号 1023)及び元素分 析(登録番号 1069)のオペレータを雇用し、新たに依頼分析業務を拡充し、学内利用者へのサー ビスの向上を図った。 G.依頼分析申込の WEB 化 学内利用者へのサービスの一環として、現在、依頼分析を受け付けている質量分析 (登録番号 1009、1023)と元素分析(登録番号 1069)の分析依頼受付システムを新たに開発・導入した。 【今後の課題】 今後、一部の機器・設備を対象に、運転員・専門的技術者により管理・運用の合理化を行うと同 時に、大学院生の測定指導を行い、学内研究資源の効率的利用および同資源による大学院教育の 支援(大学院生による先端研究施設・機器利用の促進)を行うことを計画している。その一環と して、2009 年度予算に大学院生の測定指導のための講習会開催に対する開催費一部補助を計上し た。また、研究センターの設置期間終了に伴い増え続ける研究機器センターへの機器移管により、 起こりつつある研究機器センター予算の圧迫など解決すべき問題が山積しているが、学内研究資 源の学外公開による社会貢献(先端研究施設・機器の学外共用化、産学官連携の強化)や全学的 視野に立った先端機器の重点整備も本研究機器センターの将来構想の重要課題である。 ― 59 ― 総合研究機構 理 事 長 研 究 戦 略 委 員 会 研 究 推 進 室 研 究 部 総 合 研 究 機 構 長 学 長 総 合 研 究 評 価 委 員 会 研 究 セ ン タ ー 総 合 研 究 審 議 委 員 会 副 機 構 長 総 合 研 究 機 構 運 営 委 員 会 部 研 究 技 術 部 運 営 幹 事 会 共 同 利 用 ・ 共 同 研 究 推 進 部 社 会 連 携 部 ・ ・インテリジェントシステム研究部門 ・物質界面化学研究部門 ・数学教育研究部門 ・知識インターフェース研究部門 ・神楽坂 人・未来研究部門 ・ものづくり・先端計測科学研究部門 ・次世代フォトニック応用研究部門 ・ケミカルバイオロジー研究部門 ・再生工学研究部門 ・危機管理・安全科学技術研究部門 ・トランスレーショナルリサーチ研究部門 ・先端デバイス研究部門 ・火災科学研究センター ・赤外自由電子レーザー研究センター ・グリーン光科学技術研究センター ・ホリスティック計算科学研究センター ・人間支援工学研究センター ・量子生命情報研究センター ・ナノ粒子健康科学研究センター ・ポリスケールテクノロジー研究センター ・キラルマテリアル研究センター ・界面科学研究センター ・がん医療基盤科学技術研究センター ・研究機器センター 研究機器センター運営委員会 常任幹事会 ・社会連携プロジェクト ・ 界面ナノテクノロジーを利用したスマートデバイスの研究開発プロジェクト(阿部正彦) ・ 大塚化学糖タンパク質工学プロジェクト(辻孝) ・ 放射線増感剤SQAGの悪性腫瘍治療効果に関する研究開発 プロジェクト(坂口謙吾) ・ オーガンテクノロジーズ器官再生工学プロジェクト(辻孝) ・ 低侵襲性乳がん治療DDS開発プロジェクト(寺田弘) ・火災安全科学研究拠点 火災安全科学研究拠点運営委員会 公募課題選定委員会 平成21年7月1日現在 ― 60 ― ― 61 ― 西暦 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 備 考 組織名 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 ◆総合研究機構 平成17年11月1日発足 研究部 H20.4 「界面科学研究部門」から名称変更 物質界面化学研究部門 インテリジェントシステム研究部門 数学教育研究部門 知識インターフェース研究部門 神楽坂 人・未来研究部門 ものづくり・先端計測科学研究部門 次世代フォトニック応用研究部門 ケミカルバイオロジー研究部門 再生工学研究部門 危機管理・安全科学技術研究部門 トランスレーショナルリサーチ部門 先端デバイス研究部門 研究センター部 赤外自由電子レーザー研究センター 先端材料研究センター 火災科学研究センター H20.4 グローバルCOE採択 DDS研究センター ゲノム創薬研究センター 再生工学研究センター ナノサイエンス・テクノロジー研究センター グリーン光科学技術研究センター ホリスティック計算科学研究センター 人間支援工学研究センター 量子生命情報研究センター ナノ粒子健康科学研究センター ポリスケールテクノロジー研究センター キラルマテリアル研究センター 界面科学研究センター がん医療基盤科学技術研究センター ◆総合研究所 研究部門 火災科学 界面科学 H17.11総合研究機構へ移行 インテリジェントシステム H17.11総合研究機構へ移行 基礎科学 先端材料 環境・エネルギー 光科学 DDS 数学教育 H17.11総合研究機構へ移行 固体物性 破壊力学 バイオシステム インテリジェントに改組 生命科学・生命科学研究所 基礎科学に改組 計算力学 高温超伝導 先端材料に改組 静電気 環境・エネルギーに改組 リモートセンシング 研究施設 赤外自由電子レーザー研究センター H17.11総合研究機構へ移行 先端材料研究部門研究センター H17.11総合研究機構へ移行 火災科学研究センター H17.11総合研究機構へ移行 DDS研究部門研究センター H17.11総合研究機構へ移行 海洋生物研究施設 高機能合成解析センター ◆生命科学研究所附属研究施設 再生工学研究センター H17.11総合研究機構へ移行 ◆情報科学教育・研究機構 計算科学フロンティア研究センター 情報メディアセンター ◆薬学研究科附属研究施設 ゲノム創薬研究センター H17.11総合研究機構へ移行 ◆基礎工学研究科附属研究施設 ナノサイエンス・テクノロジー研究センター H17.11総合研究機構へ移行 総合研究機構 研究部・研究センター部等の組織別変遷表 赤外自由電子レーザー研究センター 総研の職 氏名 所属 職 センター長 築山光一 理学部第一部化学科 教授 併任教員 千葉順成 理工学部物理学科 教授 徳永英司 理学部第一部物理学科 准教授 荒木光典 理学部第一部化学科 嘱託助教 PD 加藤吉康 総合研究機構赤外自由電子レーザー研究セン ター プロジェクト研究員 今井貴之 総合研究機構赤外自由電子レーザー研究セン ター 客員教授 Stephen C. Ross 設楽哲夫 鈴木俊法 客員研究員 吉田光宏 ― 62 ― グリーン光科学技術研究センター 総研の職 氏名 所属 職 センター長 中井泉 理学部第一部応用化学科 教授 併任教員 荒川裕則 工学部第一部工業化学科 教授 大川和宏 理学部第一部応用物理学科 教授 岡村総一郎 理学部第一部応用物理学科 教授 河合武司 工学部第一部工業化学科 教授 工藤昭彦 理学部第一部応用化学科 教授 椎名勇 理学部第一部応用化学科 教授 高梨良文 基礎工学部材料工学科 教授 趙新為 理学部第二部物理学科 教授 築山光一 理学部第一部化学科 教授 林雄二郎 工学部第一部工業化学科 教授 本間芳和 理学部第一部物理学科 教授 盛永篤郎 理工学部物理学科 教授 矢島博文 理学部第一部応用化学科 教授 谷内利明 工学部第二部電気工学科 教授 安藤靜敏 工学部第二部電気工学科 准教授 飯田努 基礎工学部材料工学科 准教授 佐々木健夫 理学部第二部化学科 准教授 杉本裕 工学部第一部工業化学科 准教授 徳永英司 理学部第一部物理学科 准教授 鳥越秀峰 理学部第一部応用化学科 准教授 松下恭子 理学部第一部物理学科 准教授 由井宏治 理学部第一部化学科 准教授 客員研究員 金子(保倉)明子 ― 63 ― ホリスティック計算科学研究センター 総研の職 氏名 所属 職 センター長 渡辺一之 理学部第一部物理学科 教授 併任教員 川口靖夫 理工学部機械工学科 教授 菊池正紀 理工学部機械工学科 教授 清岡智 理工学部教養 教授 越地耕二 理工学部電気電子情報工学科 教授 齋藤晃一 理工学部物理学科 教授 鈴木英之 理工学部物理学科 教授 中曽根祐司 工学部第一部機械工学科 教授 浜田典昭 理工学部物理学科 教授 溝口博 理工学部機械工学科 教授 山本誠 工学部第一部機械工学科 教授 河村洋 諏訪東京理科大学システム工学部 機械システム工学科 嘱託教授(専任) 石川仁 工学部第一部機械工学科 准教授 上野一郎 理工学部機械工学科 准教授 荻原慎二 理工学部機械工学科 准教授 二瓶泰雄 理工学部土木工学科 准教授 原田哲也 基礎工学部電子応用工学科 准教授 市村志朗 理工学部教養 講師 高橋昭如 理工学部機械工学科 講師 二国徹郎 理学部第一部物理学科 講師 竹村裕 理工学部機械工学科 助教 塚原隆裕 理工学部機械工学科 助教 青木広宙 理工学部電気電子情報工学科 嘱託助教 小鍋哲 理学部第一部物理学科 嘱託助教 須賀一博 理工学部機械工学科 嘱託助教 藤原豊樹 理工学部教養 嘱託助教 村山淳 基礎工学部電子応用工学科 嘱託助教 客員教授 金田行雄 上村洸 関昌弘 妙中義之 買買提依明艾尼 客員准教授 岩本薫 客員研究員 阿部浩幸 ― 64 ― キラルマテリアル研究センター 総研の職 氏名 所属 職 センター長 硤合憲三 理学部第一部応用化学科 教授 本務教員 川崎常臣 総合研究機構 嘱託講師 併任教員 大川和宏 理学部第一部応用物理学科 教授 岡村総一郎 理学部第一部応用物理学科 教授 工藤昭彦 理学部第一部応用化学科 教授 小林進 薬学部生命創薬科学科 教授 斎藤慎一 理学部第一部化学科 教授 齊藤隆夫 理学部第一部化学科 教授 坂田英明 理学部第一部物理学科 教授 佐藤毅 理学部第二部化学科 教授 椎名勇 理学部第一部応用化学科 教授 趙新為 理学部第二部物理学科 教授 中村洋 薬学部薬学科 教授 橋本巖 理学部第一部物理学科 教授 林雄二郎 工学部第一部工業化学科 教授 本間芳和 理学部第一部物理学科 教授 松野健治 基礎工学部生物工学科 教授 宮村一夫 理学部第一部化学科 教授 山田康洋 理学部第二部化学科 教授 古川猛夫 理学部第一部化学科 嘱託教授(専任) 山村剛士 理学部第一部化学科 嘱託教授(専任) 安藤靜敏 工学部第二部電気工学科 准教授 駒場慎一 理学部第一部応用化学科 准教授 齋藤智彦 理学部第一部応用物理学科 准教授 佐々木健夫 理学部第二部化学科 准教授 杉本裕 工学部第一部工業化学科 准教授 鳥越秀峰 理学部第一部応用化学科 准教授 由井宏治 理学部第一部化学科 准教授 二国徹郎 理学部第一部物理学科 講師 ― 65 ― 界面科学研究センター 総研の職 氏名 所属 職 センター長 大島広行 薬学部生命創薬科学科 教授 本務教員 野島雅 総合研究機構 講師 併任教員 河合武司 工学部第一部工業化学科 教授 田所誠 理学部第一部化学科 教授 深井文雄 薬学部生命創薬科学科 教授 牧野公子 薬学部薬学科 教授 矢島博文 理学部第一部応用化学科 教授 大塚英典 理学部第一部応用化学科 准教授 桑野潤 工学部第一部工業化学科 准教授 駒場慎一 理学部第一部応用化学科 准教授 酒井秀樹 理工学部工業化学科 准教授 庄野厚 工学部第一部工業化学科 准教授 白石幸英 山口東京理科大学工学部応用化学科 准教授 山下俊 理工学部工業化学科 准教授 由井宏治 理学部第一部化学科 准教授 有光晃二 理工学部工業化学科 講師 近藤行成 工学部第一部工業化学科 講師 坂井教郎 理工学部工業化学科 講師 竹村哲雄 理学部第二部化学科 講師 近藤剛史 理工学部工業化学科 助教 高田陽一 薬学部生命創薬科学科 嘱託助教 宮里裕二 理学部第一部化学科 嘱託助教 PD SAGAR M.AGNIHOTRI 総合研究機構界面科学研究センター 沓沢好一 総合研究機構界面科学研究センター 高橋克宗 総合研究機構界面科学研究センター RA 伊村芳郎 客員教授 遠藤一央 ― 66 ― 物質界面化学研究部門 総研の職 氏名 所属 職 部門長 阿部正彦 理工学部工業化学科 教授 本務教員 堀越智 総合研究機構 嘱託講師 併任教員 板垣昌幸 理工学部工業化学科 教授 井手本康 理工学部工業化学科 教授 伊藤滋 理工学部工業化学科 教授 小中原猛雄 理工学部工業化学科 教授 春山修身 理工学部物理学科 教授 松本睦良 基礎工学部材料工学科 教授 湯浅真 理工学部工業化学科 教授 郡司天博 理工学部工業化学科 准教授 小沢幸三 理工学部工業化学科 講師 藤本憲次郎 理工学部工業化学科 講師 ― 67 ― 先端デバイス研究部門 総研の職 氏名 所属 職 部門長 大川和宏 理学部第一部応用物理学科 教授 併任教員 岡村総一郎 理学部第一部応用物理学科 教授 趙新為 理学部第二部物理学科 教授 藤代博記 基礎工学部電子応用工学科 教授 安藤靜敏 工学部第二部電気工学科 准教授 飯田努 基礎工学部材料工学科 准教授 木練透 山口東京理科大学工学部応用化学科 准教授 西尾圭史 基礎工学部材料工学科 准教授 杉山睦 理工学部電気電子情報工学科 講師 中嶋宇史 理学部第一部応用物理学科 嘱託助教 原子進 理学部第二部物理学科 嘱託助教 原紳介 基礎工学部電子応用工学科 嘱託助教 平子晃 理学部第一部応用物理学科 嘱託助教 ― 68 ― 社会連携部(界面ナノテクノロジーを利用したスマートデバイスの研究開発プロジェクト) 総研の職 氏名 所属 職 阿部正彦 理工学部工業化学科 教授 板垣昌幸 理工学部工業化学科 教授 井手本康 理工学部工業化学科 教授 大竹勝人 工学部第一部工業化学科 教授 河合武司 工学部第一部工業化学科 教授 西山勝廣 諏訪東京理科大学システム工学部 機械システム工学科 教授 松本睦良 基礎工学部材料工学科 教授 湯浅真 理工学部工業化学科 教授 渡邉邦洋 理工学部工業化学科 嘱託教授(専任) 大塚英典 理学部第一部応用化学科 准教授 木練透 山口東京理科大学工学部応用化学科 准教授 郡司天博 理工学部工業化学科 准教授 酒井秀樹 理工学部工業化学科 准教授 庄野厚 工学部第一部工業化学科 准教授 西尾圭史 基礎工学部材料工学科 准教授 山下俊 理工学部工業化学科 准教授 有光晃二 理工学部工業化学科 講師 内海重宜 諏訪東京理科大学システム工学部 機械システム工学科 講師 小沢幸三 理工学部工業化学科 講師 近藤行成 工学部第一部工業化学科 講師 田村隆治 基礎工学部材料工学科 講師 近藤剛史 理工学部工業化学科 助教 四反田功 理工学部工業化学科 助教 北村尚斗 理工学部工業化学科 嘱託助教 柴田裕史 基礎工学部材料工学科 嘱託助教 岡野久仁彦 理工学部工業化学科 嘱託助教 酒井健一 理工学部工業化学科 嘱託助教 ― 69 ― 社会連携部(低侵襲性乳がん治療DDS開発プロジェクト) 総研の職 本務教員 氏名 寺田弘 所属 総合研究機構 職 嘱託教授(専任) 安藤正海 総合研究機構 嘱託教授(専任) 廣田孝司 薬学部薬学科 教授 菊池明彦 基礎工学部材料工学科 教授 西川英一 工学部第二部電気工学科 教授 吉本成香 工学部第一部機械工学科 教授 深井文雄 薬学部生命創薬科学科 教授 牧野公子 薬学部薬学科 教授 村田雄司 理工学部電気電子情報工学科 嘱託教授(非常勤) 内呂拓実 薬学部生命創薬科学科 准教授 入山聖史 理工学部情報科学科 助教 麻生隆彬 基礎工学部材料工学科 嘱託助教 大脇敏之 薬学部生命創薬科学科 嘱託助教 友田敬士郎 薬学部薬学科 嘱託助教 廣田慶司 薬学部薬学科 嘱託助教 藤原成芳 薬学部薬学科 嘱託助教 Kolio Troevev 戸井雅和 北里健二 小室昌仁 稲木敏男 金箱眞 鈴木健一 岡本浩一 松村明 杣源一郎 河内千恵 稲川裕之 柴田聡彦 後藤了 山下親正 宮城島利一 江口至洋 ― 70 ― インテリジェントシステム研究部門 総研の職 氏名 所属 職 部門長 越地耕二 理工学部電気電子情報工学科 教授 併任教員 青木正和 諏訪東京理科大学システム工学部電子システム工学科 教授 江川嘉美 理学部第一部数理情報科学科 教授 大和田勇人 理工学部経営工学科 教授 太原育夫 理工学部情報科学科 教授 兵庫明 理工学部電気電子情報工学科 教授 森俊介 理工学部経営工学科 教授 伊藤紘二 山口東京理科大学工学部電気工学科 嘱託教授(専任) 関根慶太郎 理工学部電気電子情報工学科 嘱託教授(非常勤) 溝口文雄 理工学部経営工学科 嘱託教授(非常勤) 西山裕之 理工学部経営工学科 講師 難波和明 理工学部経営工学科 嘱託講師(専任) 青木広宙 理工学部電気電子情報工学科 嘱託助教 佐藤広生 理工学部電気電子情報工学科 嘱託助教 客員教授 巽英介 客員研究員 平石広典 ― 71 ― ものづくり・先端計測科学研究部門 総研の職 氏名 所属 職 部門長 湯浅真 理工学部工業化学科 教授 本務教員 安藤正海 総合研究機構 嘱託教授(専任) 野島雅 総合研究機構 講師 堀越智 総合研究機構 嘱託講師 阿部正彦 理工学部工業化学科 教授 板垣昌幸 理工学部工業化学科 教授 井上康則 理工学部応用生物科学科 教授 大竹勝人 工学部第一部工業化学科 教授 河合武司 工学部第一部工業化学科 教授 小島周二 薬学部薬学科 教授 菅原二三男 理工学部応用生物科学科 教授 中井泉 理学部第一部応用化学科 教授 本間芳和 理学部第一部物理学科 教授 松本睦良 基礎工学部材料工学科 教授 宮村一夫 理学部第一部化学科 教授 坂口謙吾 理工学部応用生物科学科 嘱託教授(専任) 酒井秀樹 理工学部工業化学科 准教授 西尾圭史 基礎工学部材料工学科 准教授 山下俊 理工学部工業化学科 准教授 近藤剛史 理工学部工業化学科 助教 四反田功 理工学部工業化学科 助教 岡野久仁彦 理工学部工業化学科 嘱託助教 酒井健一 理工学部工業化学科 嘱託助教 併任教員 ― 72 ― 次世代フォトニック応用研究部門 総研の職 氏名 所属 職 部門長 山本学 基礎工学部電子応用工学科 教授 併任教員 石井行弘 理学部第一部応用物理学科 教授 内海隆行 山口東京理科大学工学部機械工学科 教授 向後保雄 基礎工学部材料工学科 教授 佐竹信一 基礎工学部電子応用工学科 准教授 谷口淳 基礎工学部電子応用工学科 准教授 松田一朗 理工学部電気電子情報工学科 准教授 船水英希 理学部第一部応用物理学科 嘱託助教 米本幸弘 基礎工学部電子応用工学科 嘱託助教 ― 73 ― 量子生命情報研究センター 総研の職 氏名 所属 職 センター長 大矢雅則 理工学部情報科学科 教授 本務教員 高柳英明 総合研究機構 教授 併任教員 朽津和幸 理工学部応用生物科学科 教授 坂田英明 理学部第一部物理学科 教授 武田正之 理工学部情報科学科 教授 戸川美郎 理工学部情報科学科 教授 富澤貞男 理工学部情報科学科 教授 前田讓治 理工学部電気電子情報工学科 教授 松岡隆志 諏訪東京理科大学経営情報学部経営情報学科 教授 宮崎智 薬学部生命創薬科学科 教授 盛永篤郎 理工学部物理学科 教授 山登一郎 基礎工学部生物工学科 教授 渡邉昇 理工学部情報科学科 教授 尾立晋祥 理工学部物理学科 嘱託教授(非常勤) 宮川宣明 理学部第一部応用物理学科 准教授 井上啓 山口東京理科大学工学部電気工学科 講師 佐藤圭子 理工学部情報科学科 講師 篠原暢子 理工学部情報科学科 講師 入山聖史 理工学部情報科学科 助教 浅野真誠 理工学部情報科学科 嘱託助教 石黒亮輔 理学部第一部応用物理学科 嘱託助教 井上亮太郎 理学部第一部応用物理学科 嘱託助教 加藤拓也 理学部第一部物理学科 嘱託助教 鈴木智典 薬学部生命創薬科学科 嘱託助教 嘱託助教 田畑耕治 理工学部情報科学科 PD 廣田祐士 総合研究機構量子生命情報研究センター 客員教授 上村洸 飛田武幸 Andrei Khrennikov Andrzej Jamiolkowski Andrzej Kossakowski Artur Ekert Dariusz Chruscinski Denes Petz Igor Volovich Karl-Heinz Fichtner Luigi Accardi Ryszard Mrugala V.P.Belavkin W.A.Majewski Wolfgang Freudenberg 客員准教授 小嶋泉 Md. Aminul Hoque Si Si 客員研究員 Massimo Regoli Milosz Michalski ― 74 ― 知識インターフェース研究部門 総研の職 氏名 所属 職 部門長 大和田勇人 理工学部経営工学科 教授 併任教員 池北雅彦 理工学部応用生物科学科 教授 内山久雄 理工学部土木工学科 教授 金子敏信 理工学部電気電子情報工学科 教授 朽津和幸 理工学部応用生物科学科 教授 小島尚人 理工学部土木工学科 教授 武田正之 理工学部情報科学科 教授 森俊介 理工学部経営工学科 教授 伊藤紘二 山口東京理科大学工学部電気工学科 嘱託教授(専任) 溝口文雄 理工学部経営工学科 嘱託教授(非常勤) 篠田心治 理工学部経営工学科 准教授 原田哲也 基礎工学部電子応用工学科 准教授 滝本宗宏 理工学部情報科学科 講師 西山裕之 理工学部経営工学科 講師 原田拓 理工学部経営工学科 講師 ― 75 ― 人間支援工学研究センター 総研の職 氏名 所属 職 センター長 小林宏 工学部第一部機械工学科 教授 併任教員 陳玳行 工学部第一部機械工学科 教授 山本栄 工学部第一部経営工学科 教授 山本誠 工学部第一部機械工学科 教授 吉本成香 工学部第一部機械工学科 教授 石川仁 工学部第一部機械工学科 准教授 ― 76 ― ナノ粒子健康科学研究センター 総研の職 氏名 所属 職 センター長 武田健 薬学部薬学科 教授 本務教員 清水貴壽 総合研究機構 嘱託講師 併任教員 小野寺祐夫 薬学部薬学科 教授 河合武司 工学部第一部工業化学科 教授 朽津和幸 理工学部応用生物科学科 教授 小島周二 薬学部薬学科 教授 峯木茂 理工学部応用生物科学科 教授 矢島博文 理学部第一部応用化学科 教授 西尾圭史 基礎工学部材料工学科 准教授 新海雄介 総合研究機構ナノ粒子健康科学研究センター 鈴木健一郎 総合研究機構ナノ粒子健康科学研究センター PD RA 伊藤哲 大島康宏 濱田晴康 横田理 客員教授 押尾茂 小林剛 菅原勇 菅又昌雄 田井中均 中村伸 客員准教授 井原智美 客員研究員 入江美代子 小野なお香 熊本隆之 水尾圭祐 ― 77 ― がん医療基盤科学技術研究センター 総研の職 氏名 所属 職 センター長 安部良 生命科学研究所 教授 併任教員 青木伸 薬学部生命創薬科学科 教授 阿部正彦 理工学部工業化学科 教授 石黒孝 基礎工学部材料工学科 教授 大和田勇人 理工学部経営工学科 教授 後飯塚僚 生命科学研究所 教授 小中原猛雄 理工学部工業化学科 教授 小林進 薬学部生命創薬科学科 教授 菅原二三男 理工学部応用生物科学科 教授 森俊介 理工学部経営工学科 教授 湯浅真 理工学部工業化学科 教授 東隆親 生命科学研究所 嘱託教授(専任) 坂口謙吾 理工学部応用生物科学科 嘱託教授(専任) 相川直幸 基礎工学部電子応用工学科 准教授 大塚英典 理学部第一部応用化学科 准教授 岸本英博 生命科学研究所 准教授 曽我公平 基礎工学部材料工学科 准教授 中野直子 生命科学研究所 准教授 早瀬仁則 理工学部機械工学科 准教授 佐藤圭子 理工学部情報科学科 講師 西山裕之 理工学部経営工学科 講師 小川修平 生命科学研究所 助教 池田玲子 理工学部工業化学科 嘱託助教 大貫和信 生命科学研究所 嘱託助教 北村正典 薬学部生命創薬科学科 嘱託助教 鈴木孝洋 薬学部生命創薬科学科 嘱託助教 鈴木利宙 生命科学研究所 嘱託助教 高草木洋一 理工学部応用生物科学科 嘱託助教 竹内倫文 理工学部応用生物科学科 嘱託助教 兵藤宏 基礎工学部材料工学科 嘱託助教 客員教授 金子和弘 小島清嗣 藤井博史 客員准教授 伊藤雅昭 中面哲也 横田秀夫 ― 78 ― 再生工学研究部門 総研の職 氏名 所属 職 部門長 島田浩章 基礎工学部生物工学科 教授 本務教員 辻孝 総合研究機構 教授 併任教員 池北雅彦 理工学部応用生物科学科 教授 井上康則 理工学部応用生物科学科 教授 朽津和幸 理工学部応用生物科学科 教授 小島周二 薬学部薬学科 教授 田代文夫 基礎工学部生物工学科 教授 友岡康弘 基礎工学部生物工学科 教授 松野健治 基礎工学部生物工学科 教授 三浦成敏 基礎工学部生物工学科 教授 村上康文 基礎工学部生物工学科 教授 太田尚孝 理学部第一部教養 准教授 齋藤正寛 基礎工学部生物工学科 嘱託准教授 内海文彰 薬学部生命創薬科学科 講師 十島二朗 基礎工学部生物工学科 講師 来須孝光 理工学部応用生物科学科 嘱託助教 佐々木忠将 基礎工学部生物工学科 嘱託助教 客員教授 春日井昇平 客員研究員 坂本正弘 松本謙一郎 吉原利一 ― 79 ― ケミカルバイオロジー研究部門 総研の職 氏名 所属 職 部門長 菅原二三男 理工学部応用生物科学科 教授 併任教員 安部良 生命科学研究所免疫生物学研究部門 教授 池北雅彦 理工学部応用生物科学科 教授 鎌倉高志 理工学部応用生物科学科 教授 朽津和幸 理工学部応用生物科学科 教授 小林進 薬学部生命創薬科学科 教授 椎名勇 理学部第一部応用化学科 教授 田沼靖一 薬学部薬学科 教授 早川洋一 薬学部生命創薬科学科 教授 林雄二郎 工学部第一部工業化学科 教授 松野健治 基礎工学部生物工学科 教授 村上康文 基礎工学部生物工学科 教授 坂口謙吾 理工学部応用生物科学科 嘱託教授(専任) ― 80 ― トランスレーショナルリサーチ部門 総研の職 氏名 所属 職 部門長 谷中昭典 薬学部薬学科 教授 併任教員 岡淳一郎 薬学部薬学科 教授 小茂田昌代 薬学部薬学科 教授 千葉丈 基礎工学部生物工学科 教授 浜田知久馬 工学部第一部経営工学科 教授 樋上賀一 薬学部生命創薬科学科 教授 廣田孝司 薬学部薬学科 教授 深井文雄 薬学部生命創薬科学科 教授 牧野公子 薬学部薬学科 教授 増保安彦 薬学部生命創薬科学科 教授 鳥越秀峰 理学部第一部応用化学科 准教授 西谷潔 薬学部薬学科 准教授 客員教授 朝長修 竹下聡 原田義則 兵頭一之介 松村明 客員准教授 武藤倫弘 客員研究員 鈴木英雄 ― 81 ― 社会連携部(大塚化学糖タンパク質工学プロジェクト) 総研の職 氏名 所属 職 本務教員 辻孝 総合研究機構 教授 客員教授 手塚克成 鳥居桂 畠山由利 深江一博 坂本泉 石井一之 林直宏 ― 82 ― 社会連携部(放射線増感剤SQAGの悪性腫瘍治療効果に関する研究開発プロジェクト) 総研の職 氏名 所属 職 坂口謙吾 理工学部応用生物科学科 嘱託教授(専任) 安部良 生命科学研究所 教授 板垣昌幸 理工学部工業化学科 教授 小林進 薬学部生命創薬科学科 教授 菅原二三男 理工学部応用生物科学科 教授 春山修身 理工学部物理学科 教授 溝口博 理工学部機械工学科 教授 谷中昭典 薬学部薬学科 教授 酒井秀樹 理工学部工業化学科 准教授 古江広和 基礎工学部材料工学科 講師 高草木洋一 理工学部応用生物科学科 嘱託助教 ― 83 ― 社会連携部(オーガンテクノロジーズ器官再生工学プロジェクト) 総研の職 氏名 所属 職 本務教員 辻孝 総合研究機構 教授 佐々木貴史 総合研究機構 嘱託講師 中尾一久 総合研究機構 嘱託助教 福田隆一 総合研究機構社会連携部 プロジェクト研究員 窪木拓男 園山亘 山本照子 筒井健夫 ― 84 ― ポリスケールテクノロジー研究センター 総研の職 氏名 所属 職 センター長 安盛敦雄 基礎工学部材料工学科 教授 本務教員 辻孝 総合研究機構 教授 併任教員 石黒孝 基礎工学部材料工学科 教授 向後保雄 基礎工学部材料工学科 教授 田代文夫 基礎工学部生物工学科 教授 千葉丈 基礎工学部生物工学科 教授 吉本成香 工学部第一部機械工学科 教授 荻原慎二 理工学部機械工学科 准教授 佐竹信一 基礎工学部電子応用工学科 准教授 曽我公平 基礎工学部材料工学科 准教授 谷口淳 基礎工学部電子応用工学科 准教授 常盤和靖 基礎工学部電子応用工学科 准教授 矢口宏 理工学部物理学科 准教授 田村隆治 基礎工学部材料工学科 講師 秋山弘匡 基礎工学部生物工学科 嘱託助教 岸哲生 基礎工学部材料工学科 嘱託助教 邱志勇 基礎工学部材料工学科 嘱託助教 兵藤宏 基礎工学部材料工学科 嘱託助教 福崎智数 総合研究機構ポリスケールテクノロジー研究セン ター N. Venkatachalam 総合研究機構ポリスケールテクノロジー研究セン ター S. Madeswaran 総合研究機構ポリスケールテクノロジー研究セン ター PD RA 河道正泰 客員教授 荒木秀樹 大塚洋一 神原貴樹 渋谷陽二 中谷亮一 長崎幸夫 浜口智志 藤原康文 山部紀久夫 客員准教授 北野勝久 芝原正彦 客員研究員 大石基 吉本敬太郎 ― 85 ― 火災科学研究センター 総研の職 氏名 所属 職 センター長 菅原進一 総合研究機構 嘱託教授(専任) 本務教員 若松孝旺 総合研究機構 嘱託教授(非常勤) 松山賢 総合研究機構 嘱託講師 水野雅之 総合研究機構 嘱託講師 小林恭一 総合研究機構火災科学研究センター 嘱託教授(専任) 山内幸雄 総合研究機構火災科学研究センター 嘱託准教授 内田英建 総合研究機構火災科学研究センター 嘱託講師 衣笠秀行 理工学部建築学科 教授 倉渕隆 工学部第一部建築学科 教授 須川修身 諏訪東京理科大学システム工学部 機械システム工学科 教授 辻本誠 工学部第二部建築学科 教授 森田昌宏 理学部第一部数理情報科学科 教授 直井英雄 工学部第二部建築学科 嘱託教授(専任) 大宮喜文 理工学部建築学科 准教授 兼松学 理工学部建築学科 准教授 嘱託助教 本務教員 (グローバルCOE) 併任教員 鈴木淳一 理工学部建築学科 プロジェクト研究員 (グローバルCOE) 西田幸夫 総合研究機構火災科学研究センター 技術者 (グローバルCOE) 棚池裕 総合研究機構火災科学研究センター 野秋政希 総合研究機構火災科学研究センター PD(グローバルCOE) Barua Sanjib 客員教授 青木義次 (グローバルCOE) 上杉英樹 総合研究機構火災科学研究センター 笠原勲 金相大 佐藤博臣 鈴木弘之 関沢愛 田中哮義 富松太基 長谷見雄二 原哲夫 M. A. Delichatsios 客員准教授 (グローバルCOE) 池田憲一 岡泰資 佐野友紀 萩原一郎 原田和典 福井潔 李克欣 山田茂 客員研究員 林広明 藤原淳 若松高志 ― 86 ― 数学教育研究部門 総研の職 氏名 所属 職 部門長 新妻弘 理学部第二部数学科 教授 併任教員 池田文男 理学部第二部数学科 教授 伊藤稔 理工学部教養 教授 眞田克典 理学部第一部数学科 教授 清水克彦 理学部第一部数学科 教授 宮岡悦良 理学部第二部数学科 教授 八並光俊 理学部第一部教養 教授 矢部博 理学部第一部数理情報科学科 教授 飯田洋市 諏訪東京理科大学経営情報学部経営情報学科 准教授 加藤圭一 理学部第一部数学科 准教授 齊藤功 理学部第二部数学科 准教授 瀬尾隆 理学部第一部数理情報科学科 准教授 ― 87 ― 神楽坂 人・未来研究部門 総研の職 氏名 所属 職 部門長 半谷精一郎 工学部第一部電気工学科 教授 併任教員 赤倉貴子 工学部第二部経営工学科 教授 伊藤裕久 工学部第一部建築学科 教授 内田直之 工学部第一部電気工学科 教授 生越由美 専門職大学院総合科学技術経営研究科 教授 佐野雅敏 工学部第一部電気工学科 教授 辻本誠 工学部第二部建築学科 教授 西川英一 工学部第二部電気工学科 教授 村口正弘 工学部第一部電気工学科 教授 谷内利明 工学部第二部電気工学科 教授 山本栄 工学部第一部経営工学科 教授 W.A.Spinks 工学部第一部経営工学科 教授 大庭三枝 工学部第一部教養 准教授 庄野厚 工学部第一部工業化学科 准教授 長井達夫 工学部第一部建築学科 准教授 浜本隆之 工学部第一部電気工学科 准教授 松本和子 工学部第一部教養 准教授 長谷川幹雄 工学部第一部電気工学科 講師 ― 88 ― 危機管理・安全科学技術研究部門 総研の職 氏名 所属 職 部門長 板生清 総合科学技術経営研究科技術経営専攻 嘱託教授(専任) 本務教員 佐藤元 総合研究機構 嘱託教授(専任) 菅原進一 総合研究機構 嘱託教授(専任) 安部良 生命科学研究所免疫生物学研究部門 教授 小野寺祐夫 薬学部薬学科 教授 越地耕二 理工学部電気電子情報工学科 教授 武田健 薬学部薬学科 教授 千葉丈 基礎工学部生物工学科 教授 辻本誠 工学部第二部建築学科 教授 森田昌宏 理学部第一部数理情報科学科 教授 谷内利明 工学部第二部電気工学科 教授 吉本成香 工学部第一部機械工学科 教授 平塚三好 総合科学技術経営研究科知的財産戦略専攻 嘱託准教授 併任教員 客員教授 片桐祥雅 岸徹 塩嵜忠 客員研究員 梅田智広 唐川伸幸 澤岡詩野 並木幸久 ― 89 ― 研究機器センター 総研の職 センター長 氏名 小中原猛雄 所属 理工学部工業化学科 職 教授 運営委員会委員 ☆ 青木伸 薬学部生命創薬科学科 教授 板垣昌幸 理工学部工業化学科 教授 伊藤滋 理工学部工業化学科 教授 伊藤眞義 理学部第二部化学科 教授 工学部第一部機械工学科 教授 理学部第一部応用化学科 教授 ☆ 高梨良文 基礎工学部材料工学科 教授 ☆ 中井泉 理学部第一部応用化学科 教授 ☆ 橋本巌 理学部第一部物理学科 教授 早川洋 一 薬学部生命創薬科学科 教授 林雄二郎 工学部第一部工業化学科 教授 盛永篤郎 理工学部物理学科 教授 安藤靜敏 工学部第二部電気工学科 准教授 岸本英博 生命科学研究所 准教授 常盤和靖 基礎工学部電子応用工学科 准教授 ☆ 金子堅司 椎名勇 「☆」は常任幹事会委員 ― 90 ―
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