1 - 著作権情報センター

生 徒 の た め の
著 作 権 教 室
はじめ に
私たちの社会は、人々の日々の創造活動の積み重ねによって豊かになり、発展することができます。
皆さんのまわりにある物それぞれに、それらを作った方々の創造活動の成果が反映されているのです。皆さんが学校で使って
いる教科書をみてみると、小説や詩や論文などは、それぞれの作品を書いた人々の創作活動の結晶です。また、便利なコンピ
ュータについても、そのハードやプログラムを作った人々の成果が反映されています。皆さんが楽しんでいる音楽や映画も、
作詞家や作曲家、アーティスト、脚本家など多くの人々の成果なのです。皆さんが身につけている衣服についても、着心地が
よく丈夫な繊維を作った人や、素敵なデザインを考えた人々の創造活動が生かされています。
このような人々の創造活動を守り、発展させていくことが大切であることは容易に理解できると思いますが、そのためには何が
必要になるでしょうか。
最近、新聞やテレビを見ていると、
ビジネスモデルやバイオテクノロジーなど、
これからの情報社会では新しい知的創造物を創
り出しその権利を守ることが社会の発展に不可欠であるとか、あるいは海賊版のビデオを販売していた業者が警察に逮捕さ
れた、あるいは偽ブランド品が出回っているなどいろいろなニュースに出会います。
また、音楽のCDを買ったり、ゲームソフトやワープロソフトを買うと、パッケージや説明書に、
コピーすることは法律で禁じられて
いるということが書かれています。
このような様々なことには、実は知的財産権という法律制度が関係しているのです。
「法律」と聞くと何か難しそうだし、
また、
自分にはあまり関係ないと思うかもしれませんが、実は皆さんの日常生活のいろいろな面で関係しているのです。
この冊子では、知的財産権の一つである著作権という法律について説明をしますが、
どういうときに著作権が関係してくるの
か、なぜ著作権を守らなければならないのか学んでいきましょう。この冊子で学んだことは、皆さんが社会に出てからもきっと役
に立つと思います。
放送大学客員教授 作花 文雄
sar
ah
(サーラ)とは…
sar
ahは、Soci
et
yf
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i
on ofRemuner
at
i
on f
orAudi
o Home Recor
di
ng の略で、
(社)私的録音補償金
管理協会のことです。
sar
ahは、平成5年3月、音楽・芸能を創り出す作詞家・作曲家、歌手・演奏家、CDの製作者など(権利者)の団体である(社)日本音楽
著作権協会、
(社)日本芸能実演家団体協議会、及び(社)日本レコード協会によって設立されたものです。
sar
ahの主な業 務は、権 利 者のために、デジタル方 式の録 音 機 器やディスク・テープによって行なわれる私 的 録 音( 家 庭内などに
おける個人録音 )の補償金を受領し、その補償金を権利者に分配すること、また、その補償金の一部によって、著作権を守ることの
大切さを広めていくための事業や音楽・芸能文化を育てていくための事業などを実施することです。
このようにsar
ahは、デジタル 私 的 録 音のルール( 私 的 録 音 補 償 金 制 度 )を守ることによって、心 豊かな社 会を築いていくための
仕 事を行なっています。
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1.
2 はじめに
sar
ah
(サーラ)とは…
Cont
ent
s
3.
4 知的財産権を守るということ
5.
6 著作物って何
著作者って誰
どうしたら著作権を持てるの
7.
8 著作権というのはどんな権利
9.
10 著作者の人格権って何
11.
12 著作隣接権って何だろう
13.
14 音楽と著作権
15.
16 美術と著作権
17.
18 作文・研究発表と著作権
19.
20 写真と著作権
21.
22 プログラムと著作権
23.
24 インターネットと著作権
25.
26 著作権と責任 2
ひ と つ わ か っ た ら、
ひ と つ う れ し い。
著 作 権 教 室
P A R T
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知的財産権ってどういうものですか。自由に使えた方が便利なのに
なぜ難しいルールを定めて守らなければならないのですか。
皆さんは、社会科などの授業で、憲法により様々な国民の権利が守られているということを学ん
だと思います。このような大切な権利の一つとして財産権というものが保障されています。
財産権といっても様々なものがありますが、国民がどのような財産権を持つかについては、憲法の下に法
律によって定められています。例えば皆さんが着ている服や文房具について考えてみましょう。それらのも
のを他の人が傷つけたり、壊したり、盗んだりしたりすることは、民法という法律により守られている皆さん
の「所有権」を侵害することになります。
それでは「知的」財産権というものは何でしょうか。例えば、他の誰かが考えた「発明」や「デザイン」、
あるい
は誰かが書いた「小説」や「音楽」を勝手に使ったらどうなるでしょうか。
そのようなものを最初に創る人は時間をかけ、資金を投入して、頭をひねり、いろいろな苦労をして作り上げる
わけですから、勝手にまねされたり、利用されたりしたら不愉快だし、
また、模造品が出回ると真正な製品や本
やCDが売れなくなり経済的にもとても困りますね。こういうことを防ぐために創作者の立場を法律で守ってい
るものが「知的財産権」なのです。また、
「知的所有権」とも呼ばれています。
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知的財産権を守るということ
なぜ、
いろいろな法律を作っているのですか。
一つの法律があればいいのではないですか。
知的財産権に関する法律の中には、発明を保護する特許法や工業製品のデザインを保護する
意匠法、新しい植物の品種の育成者を保護する種苗法、皆が商品を買うときに識別できるようにするため
のマークを保護する商標法、業者のフェアな販売秩序を形成するための不正競争防止法などの法律があ
るほか、この冊子で説明する小説や音楽・CD、絵画、映画、
コンピュータ・プログラムなどを保護する著作
権法があります。保護する対象や保護する方法がそれぞれ異なりますので、それぞれの特質に合った法律
の制度を作っているのです。
この冊子では、著作権法を中心に説明していますが、興味のある人は特許法など他の知的財産権に関す
る法律を調べてみて下さい。
製品を壊されたり盗まれないように保護すれば十分ではないですか。
服や文房具などは皆さんが実際に触ることができるものであり、
これを「有体物」と呼んでいますが、
「小説」や「音楽」というものは、
それが収まっている「有体物である本やCD」から離れて利用することができ
ます。つまり、
「小説」や「音楽」をもともとの本やCDからコピーすれば、
そのコピーしてできたものにも同様の
「小説」や「音楽」が存在します。製品を壊されたり盗まれないように保護するだけでは不十分なのです。
このように、実際の物から離れてその保護を図る必要があるので、民法の所有権とは別に「知的」所有権
(財産権)に関する法律ができているのです。
実際の物から離れて自由に利用できると発見が難しいのではないですか。
その通りです。知的財産権で守ろうとしているものは、実際の物から離れて利用できるので、勝手
に利用されても、権利者がその違法利用行為を発見しにくいという特質があります。例えば、日本全国どこ
で小説やCDがコピーされているのか発見することは難しいですね。
しかし、このような権利がしっかりと守られないと、新しいものを創作することが難しくなり、私たちが楽しみ
にしているすばらしい小説や音楽、映画、ゲームソフトなどが生まれてこなくなります。皆で守ろうという意識
を持たなければ、結局私たちが困るのです。見つからなければいいじゃないか、誰の迷惑にもなっていない
と思うことは、大きな誤りなのです。
知的財産権は世界でも保護されているのですか。
著作物にしても、発明にしても、いいものは世界のどの国の人々も利用したいですよね。ですか
ら、世界の多くの国々は、それぞれに知的財産権に関する法律制度を整備しており、
また、相互にそれぞれ
の国民の成果物を保護し合うために条約を結んでいます。いろいろな条約ができていますが、著作物につ
いては「ベルヌ条約」、特許などについては「パリ条約」が代表的なものです。ベルヌとかパリというのは、
条約が採択された国際会議が開催された場所に由来しています。
知的財産権は、英語では「I
nt
el
l
ect
ualPr
oper
t
yRi
ght
」と呼んでいます。辞書で調べてね。
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著作物って何
「著作物」というのはどんなものなのですか。
「著作」ということですから小説のようなものを指しているのですか。
「著作権」
(ちょさくけん)
という権利は、
「著作物」
(ちょさくぶつ)
を創作した人が持つことができる権利で、
「著作権法」という法律により、
その権利の内容が定められています(詳しいことは後で説明します)。
それでは、著作物というのは何かということですが、著作権法では、
「思想又は感情を創作的に表現したものであっ
て、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と定義されています。
法律の条文をみても分かりにくいかもしれませんが、皆さんの学校生活や家庭生活でも、身近なところでいろいろ
な著作物が利用されています。
小説とか詩、論文あるいは辞書や百科事典などのように言葉で表されたものもありますし、絵画や彫刻、漫画のよ
うに線や色や形で表されたものもあります。地図や表、
グラフのようなものも著作物です。
クラッシック、歌謡曲、
フォークソング、ロックなどの音楽や映画、アニメも著作物です。それから、このように人が見
たり聞いたりして楽しんだり学んだりするもののほか、
コンピュータという機械を機能させるコンピュータ・プログラム
も、今日ではとても重要な著作物なのです。つまり、ゲームソフトやWi
ndowsXPなども著作物になるのです。
著作者って誰
著作者というのは小説家のような人達のことなのですか。
著作物を実際に創作した人が「著作者」であり、著作権法により権利が与えられています。
この著作者になるためには、小説家や画家、作詞・作曲家、プログラマーのように著作物を創作することを自分の
職業にしている必要はありません。
皆さんが作文や絵を作成したり、プログラムを創ったりして、いろいろな著作物を自分なりに創作すれば、皆さんも
著作者なのです(他人のものをまねして作っても著作者にはなりませんよ)。
どうしたら著作権を持てるの
著作権をとるためには文化庁や特許庁のようなところに
登録の申請をしなければならないのですか。
著作者が著作物を創作したときに持つことになる権利が著作権です。
厳密に説明すると、法律上は著作者の経済的な利益を守るための「著作権」と、著作者の人格的な利益を守るた
めの「著作者人格権」の2つの種類の権利があります。これらの2つを合わせて、通常、広い意味での「著作権」と
呼んでいることが多いのです。
この著作権を持つために、文化庁や特許庁などの役所に申請する必要はありません。著作物を創った時点で自動
的に権利が発生するのです。これを無方式主義と呼んでいます。ところが、特許権を持つためには特許庁に申請
して、審査を経て登録を受けなければなりません。この違いを覚えていてね。
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「著作権」
(ちょさくけん)というのは、
どのような権利なのですか。
「著作権」という権利の内容は、著作権法という法律で定まっています。
「著作権」というのは、いわ
ば大きな概念であり、次のような様々な権利によって構成されているのです。
別の言い方をすると、
「著作権」はこれらの個々の権利の「束」であり、これらの権利をまとめて「著作権」と呼
んでいるのです。
複 製 権 小 説などをコピーしたり、音 楽を録 音したり、映 画を録 画したり、コンピュータ・プログラムを
コピーしたりすることに関する権 利です。
上演権・演奏権 脚本に基づいて劇を上演したり、音楽を演奏することに関する権利です。
上映権 映画やビデオなどを上映したりすることに関する権利です。
公衆送信権 放送したりCATVで有線放送したり、
インターネットで情報を発信したりすることに関する権利です。
口述権 多くの人の前で本などを読み上げることに関する権利です。
展示権 絵や彫刻などの美術作品やまだ発行されていない写真を展覧会などで展示することに関する権利です。
頒布権 映画やビデオを貸したり、他人に譲り渡すことに関する権利です。
譲渡権 映画やビデオ以外のものを他人に譲り渡すことに関する権利です。
貸与権 音楽用CDやゲームソフト、書籍・雑誌などを多くの人に貸すことに関する権利です。
翻訳権・翻案権 小説などを翻訳したり、漫画のキャラクターを元に人形を作るなど、既にある著作物を元に、
新たに創作性を加えて、別のものを創作することに関する権利です。
どうです、いろいろな権利がありますね。覚えきれないかもしれませんが、著作物を利用するときに、
どの権利に
関係するのか皆んなで調べて下さい。
「著作権」は英語では、
「copyr
i
ght」
(コピーライト)
といいます。辞書で調べてね。
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著作権というのはどんな権利
どのように著作物を利用すると著作権を侵害することになるのですか。
著作物を創作した人は、左記のようにいろいろな種類の権利を持っていますので、
これらの権利のい
ずれかにふれる行為を勝手にすると著作権を侵害することになります。つまり、著作物を複製したり、公衆送信
したり、演奏したりするときなどには、
それぞれ権利者の許諾を得ることが必要になってきます。
許諾を得ないで、これらの行為をすると、原則として著作権を侵害することになってしまうのですが、許諾を得な
いで著作物を使っても著作権の侵害とはならない場合があります。このことについては、後で説明します。
著作権は、永遠に守られるのですか。
例えば皆さんが所有している服や本や文房具などについて考えてみると、その所有権には保護期間
というものはありませんね。他人に譲渡しない限り、いつまでも皆さんの所有権は守られています。10年たったら
所有権がなくなり、他人に壊されたり盗まれたりしても権利の主張ができなくなるということはありません。
しかし、著作権や特許権などの知的財産権には保護期間というものが定められています。つまり、その期間内
だけ特定の人に独占的な権利を認めた後、保護期間経過後は権利がなくなり、社会の人々が自由に利用でき
るようにしているのです。
著作権の保護期間は、原則として、その著作物を創作した時点から始まりその著作者の死後50年間まで続き
ます。特許権などと比べて長い保護期間が与えられていますが、これは制度の目的が異なるからです。興味の
ある方は調べて下さい。
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著作者の人格権って何
著作者は、著作権という権利のほかに著作者人格権(ちょさくしゃじんかくけん)
という権利も持っていると聞きましたが、
これは何ですか。
著作者は、財産的な利益を保護するための「著作権」のほかに、人格的な利益を保護するための
「著作者人格権」を持っています。
つまり、小説や絵画などの著作物は、その著作者の考えや気持ちなどを表現したものですから、著作物がど
のように世の中で利用されるかということは、単に経済的な問題だけではなく、著作者の人格的な問題にも
なるので、権利として保護されているのです。
社会科公民の時間やホームルームの時間で、人のプライバシーや名誉は尊重して守らなければいけないと
いうことを学んだと思いますが、このようなことに関係しているのは一般的な人格権と言われるものです。
著作者人格権というのは、その著作物に具体化され表現されている著作者の人格を特別に保護するもの
なのです。
著作者人格権はどんなことを守っているのですか。
著作者人格権は「公表権」、
「氏名表示権」、
「同一性保持権」という3つの権利によって構成さ
れています。
第一に、公表権というのは、著作物を公表するかしないか、公表するとすればどのような形で公表するかとい
うことは、著作者の同意を得て決めなければならないという権利です。
したがって、著作者の同意なしに、未公表の著作物を、勝手に印刷して配布したり、演奏したり、ホームページに
掲載したりしてはいけないのです。例えば日記も著作物ですが、他人が勝手に公表すると著作者人格権の侵害
となります。
第二に、氏名表示権というのは、著作物に氏名を表示するかしないか、表示するとすれば著作者の本名を表示す
るか、
それともペンネームを表示するかということは、著作者の同意を得て決めなければならないという権利です。
したがって、著作者の同意なしに、勝手に名前をつけたり、つけなかったりしてはいけないのです。
第 三に、同 一 性 保 持 権というのは、著 作 物に手を加えて元のものを改 変することは、著 作 者の同 意を得て
行わなければならないという権利です。
したがって、たとえよりよく改善するつもりであったとしても、勝手に他人の著作物をいじってはいけないので
す。しかし、先生からこういうふうに直した方がいいというアドバイスを受けた場合には、そのアドバイスを尊
重すべきですよ。
著作者人格権は、英語では「mora
lr
i
ght」
(モラル・ライト)と言います。大きな辞書でないと載っていない
かもしれませんが図書館で調べてね。
著作権と著作者人格権はどのような関係になるのですか。
著作者人格権は、著作権とは別に独立して働きますから、例えば、著作者に複製することの許諾を得て
いても、公表の同意を得ていない場合には、勝手に印刷して配布したりすると著作者人格権を侵害することにな
りますから、注意してください。
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著作権法では、小説家や作詞・作曲家のような著作者だけでなく、
著作隣接権者(ちょさくりんせつけんしゃ)という人達も保護されていると
聞きましたが、著作権の隣の権利というのは一体何なのですか。
「著作隣接権者」って、難しい言葉だし、何やら難しそうな人達のことのような印象がありますが、皆さん
が日頃、見たり聞いたりしている人達のことなんですよ。
例えば、
ZARDやSMAP、宇多田ヒカル、倉木麻衣さんのような歌手の人達とか、織田裕二、松嶋菜々子さんの
ようなテレビや映画、舞台などで活躍している俳優の人達、
それからレコード会社やプロダクションのようなレコー
ドを作っている人達、
NHKやTBSなどの放送をしている人達のことを「著作隣接権者」と呼んでいるのです。
そして、
「著作隣接権者」として保護される人達には4つの種類があり、法律の言葉では、歌手や俳優などの人達
のことを「実演家」と呼んでおり、
レコードを作る人達を「レコード製作者」と、
また放送する人達については無線の
場合は「放送事業者」、有線の場合は「有線放送事業者」と呼んでいます。
なぜ著作隣接権者の方々も保護されているのですか。
この人達がいないと、私たちはいろいろな著作物を楽しむことができないということは皆さんにもす
ぐ分かると思います。
例えば、いい曲があっても、実 際に歌ったり、演 奏したり、レコードを作ったりする人 達がいないと、私たちは
音楽を楽しむことができないでしょう。また、いろいろな番組を放送してくれる放送局がないと、私たちの生活
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著作隣接権って何だろう
は寂しいものになりますね。
ですから、このような著 作 隣 接 権 者の方々の活 動を法 律でもきちんと保 護することが大 切になりますから、
著作者の人達と並んで保護されるようになっているのです。
著作隣接権者の方々はどのような権利を持っているのですか。
これまでに「著作者」が持つ様々な権利について説明しましたが、同様に、実演家やレコード製作者、
放送事業者、有線放送事業者の方々も、いろいろな権利を持っています。
例えば、
レコード(CD)を無断でコピーしたら、著作者である曲の作詞家・作曲家の人達の権利を侵害する
ことになりますし、同 時に、曲を歌ったり、演 奏したりしている実 演 家の人 達の権 利を侵 害することになり、
さらにレコード製作者の権利も侵害します(自分個人で楽しむ分には大丈夫ですよ)。
また、同様に、
レコード(CD)のレンタルについても、無断で行うと、
CDに録音されている音楽の著作者であ
る作詞家や作曲家の人達の権利を侵害するとともに、実演家の人達の権利やレコード製作者の権利も侵
害することになります。
実際に法律上、権利の侵害者となるのは、無断でレンタルをしている側の店の方ですが、借りる側のお客さん
の方だって、法的には違法なことをしていなくても、違法なことをしているお店のお客さんになることは、そのよう
な違法行為を助けているようなことにもなりますから、そのことを皆さんもしっかり考えなければいけません。
ひとつの作品には、いろいろな人々の権利が関係しています。それぞれの権利を尊重しましょうね。
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音楽と著作権
音楽には教科書に掲載されている曲や、
クラシック、
ロックあるいは演歌など 様々なものがありますが、
どのようなものが音楽の著作物になるのですか。
音楽つまり歌詞や楽曲は、
クラシックやロックなどそのジャンルを問わず、全て音楽の著作物として著作
権法によりしっかりと保護されています。音楽は私達の生活の中で大変よく利用していますね。音楽がないと、私
達の生活はどんなにつまらないものになるでしょうか。すばらしい音楽を私達が楽しむためには、音楽をつくる人達
の権利を守ることが必要です。なぜなら、
もし私達が作詞家や作曲家の人達の権利を無視して、勝手にコピーし
てたりしたら、作詞家や作曲家の人達が素敵な音楽を作ることが難しくなるのです。
プロの方々が作ったものだけではなく、皆さんが自分で作詞や作曲をしても、音楽の著作物になりますよ。
日常生活では、
テレビやラジオで音楽を聞いたり、
あるいはテレビやラジオの放送
から、又はレンタル店でCDを借りてきてテープやディスクに録音したりして いますが、著作権法ではどういうことに気をつけなければいけないのですか。
テレビやラジオあるいは衛星で放送されてくる音楽を聞くことは、自由にできます。
それでは、そのように放送されて流れてくる音楽や、
レンタル店で借りてきたCDを、皆さんが自分自身で楽し
むため、カセットデッキやMD機器で録音することはどうでしょうか。このような行為も著作物の複製行為です
が、自分自身で楽しむための複製であれば、自由にできるようになっていて、これを「私的使用目的の複製」
と呼んでいます(ただし、MDなどのデジタル機器の場合は、購入価格に著作者などへの補償金が含まれていて、
sar
ah
という団体を通じて分配されるようになっています)。
あくまでも私的使用の目的の範囲内で自由にできることになっています。この範囲をこえて、たくさんの友人に渡
すために複製するようなことは不適切な行為ですから注意してください。
レンタル店でCDを借りてくる行為はどうでしょうか。
レンタル店がCDをお客さんに貸すためには、作詞・作曲家や歌手、演奏家、
レコード製作者の許
諾を得たり、お金を支払わなければなりません。ですから、無断でCDのレンタルを行う行為は法律に違反す
ることになります。
ただし、たとえお店が違法にレンタルしていても、借りる側のお客さんは、法律違反にはなりません。
しかし、違法なレンタル店からCDを借りることは、違法な行為に協力をすることにもなるわけですから、お客さ
んの方もどのようなお店を利用するべきか考えることが大切ですね。
カラオケはどうですか。
カラオケについては、お客さん達が自分で好きな歌を選んで歌っているので、著作権は関係ないと思
われるかもしれません。しかし、カラオケ装置を設置しているお店は、カラオケにより利益を得ているわけですか
ら、音楽の権利者の人達にある程度の利益を還元するのがフェアなことですよね。
ですから、カラオケを設置しているお店は作詞家や作曲家の人達の許諾を得る必要があるのです。もし、無断
でカラオケを利用したとしたら、法律に違反することになります。お客さんの方は、先ほどのレンタルと同じで、
法律違反ということではないのですが、やはり違法な行為をしているお店を利用することは、結果としてそのよ
うな違法行為に協力することになるということを考えなければいけません。
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美術と著作権
絵や彫刻を鑑賞したり、描いたり、創ったりするときに著作権は
どのように関係してくるのでしょう。
絵や彫刻などは、美術の著作物として著作権法で保護されています。ですから、皆さんが美術の時
間に描く絵や創る彫刻なども法律で保護されているのです。
ここで注 意しなければならないのは、他 人の絵や彫 刻をまねして描いたり創ったりすると、他 人の著 作 権を
侵害することになります。
ただし、私的使用目的の複製、すなわち皆さんが自分自身で楽しむためであれば、違法にはなりません。
でも、この範囲をこえる場合、例えば、絵画コンクールに出品するような場合は、個人的に楽しむという範囲を
こえてしまいますので、人のものをまねしてはいけません。
次に、美術の著作物には、絵や彫刻だけではなく、皆さんが書道の時間で描く「書」も含まれています。
ですから、他人が描いた書を自分の作品として出品するようなことをしてはいけないのです。
漫画やキャラクターはどうですか。
漫画やキャクターも、著作権法では美術の著作物として保護されています。
およそ、線や面や色彩などで創作者の表現がビジュアルになされているものは、そのジャンルを問わず美術
の著作物に含まれるのです。
漫画の場合は、絵だけではなく、登場人物のセリフやストーリーもありますから、言語の著作物としての性格もあ
ります。特にキャラクターを利用するときには注意してください。皆さんが自分で楽しむために漫画やテレビなど
に出てくるキャラクターをまねして描くことは問題ないのですが、例えば卒業記念として学校の校舎の壁などに
キャラクターを利用して作品をつくるようなことは、やはりその著作者の許諾を得ることが必要になります。
それから、ホームページを作るときに、他人が創作したキャラクターを利用すると、全国に、あるいは海外にま
でも送信されることになり、私的使用目的の複製の範囲をこえるので、著作者の許諾を得ていないと違法な
ことをしたことになります。
海賊版のキャラクター商品は利用してもいいのですか。
皆さんは、文房具や服、カバンなど、いろいろなキャラクターを利用した商品を利用していると思い
ます。そのときに、それらの商品がキャラクターの著作者の許諾を得て作られたものであればいいのですが、
たまに違法に作られたものもあります。
海賊版のキャラクター商品は、作ったり売ったりする方は違法であっても、それを買う方の側は、違法とはなり
ません。しかし、そのような商品を買うということは、結果として違法な行為に協力をすることになりますから、
このことをきちんと考えなければいけません。偽ブランド品についても同じことが言えます。
つまり、著作権を守るということは、自分自身が無断でコピーするようなことをしないということだけではなく、
違法に作られた商品は、たとえ値段が安くても購入しないということが大切なのです。そして、私たちが違法
な商品を購入しなければ、そのような違法な商品を作る人達もいなくなるわけです。
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国語の授業や夏休みの宿題などで作文を書くことがよくありますが、
著作権はどのようになるのですか。
皆さんが、国語の授業や夏休みの宿題などで書いた作文も著作権法で保護される著作物となります。
ですから、友達が書いた作文をまねするような行為をしてはいけません。また、作文コンクールに応募するような
ときに、そのコンクールの応募要領をきちんとみるようにして下さい。作文を書いた人が著作者になるのですが、
著作権という権利は他人に譲渡することができますので、
コンクールに出品後に、その作文の権利がどのように
なるのか、応募要領に書かれていることが多いのです。
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作文・研究発表と著作権
主催者の側からすれば、入選作品を後日、新聞に掲載したり、冊子に掲載することなどを予定している場合が
多く、そのような著作物の利用について、あらかじめ著作者の了解を得ておきたいし、場合によっては権利その
ものを著作者から譲り受けておきたいと考えるわけです。
例えば、入選作品の著作権はコンクールの主催者に帰属するということになっている場合は、そのような作品
の著作者は応募者であるとしても、著作権はコンクールの主催者に譲渡されてしまうことになるのです(応募要
領の記載の仕方によって、著作者の持つ全ての権利が譲渡されることもあれば、その中の一部分の権利が譲
渡されることになる場合もあります)。
もし、このようなコンクールに出品した作品が、他人の文章の盗作である場合には、著作権侵害の責任を負う
ことになりますから、絶対にそのようなことはしないで下さい。このことは、作文の全部が盗作の場合だけでなく、
作文の一部分が盗作であった場合でも同じです。
読書感想文などを書くときには、本の一部分を自分の作文に引用することも
ありますが、
このようなことは許されているのですか。
作文を書く場合に、人の著作物を無断で利用しても違法にならない場合もあります。それは「引用」
に該当する場合です。
質問にもあるように、例えば読書感想文を書く際に、その本の一部分を引用してきて、
この文章の意味はこうい
うことだと思うとか、
この文章で述べている意見には反対であるとか、いろいろと批評したり、分析したりすること
があるわけですが、
このような引用は適法に行うことができるのです。
ただし、引用の方法には注意してください。どこまでが自分の文章であり、
どこからが引用してきた他人の文章で
あるのか、読む人が分からないような方法で引用してはいけません。例えば、引用してくる他人の文章はかぎかっ
こでくくるなどの工夫をすることが大切です。
また、自分の文章と引用してくる他人の文章の関係についても配慮する必要があります。つまり、自分の文章
がその作品において中心となるものであり、引用してくる文章は付随的なものであるということが必要です。
例えば、作品全体で1,
000字である場合に、引用してくる文章がそのうちの700字を占めるというような場合は、
自分の文章が中心だとは言えませんね。また、いろいろな他人の文章を寄せ集めただけでは、正しい引用になら
ないのは当然のことです。
それから、引用してくる作品の題名や著作者の名前なども明示するようにしてください。
グループ学習など授業で研究発表するときに、いろいろな本や新聞、
表やグラフ、図面や写真を利用することはできますか。
授業での利用目的であれば、自分たちの研究発表の材料として、いろいろな本や新聞などから文章や
図面等を複製してレポートを作成するようなことができます。でも、著作権者の方々の権利を害さないように、本
当に必要な範囲内で利用しなければいけません。また、
どこからその文章や図面等をとってきたのか、出典が分
かるようにしておく必要があります(本の題名や著作者の氏名、出版社の名称などです)。
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学園祭や修学旅行、
卒業アルバム作りなどの際に、写真を撮ることが
ありますが、
このような写真も著作権法で保護されているのでしょうか。
写真はカメラという機械を使って作成しますが、作文を書いたり絵を描いたりするのと違って、シャッタ
ーを押すだけであれば、自分の創作活動と言えるものがないのではないかと思われるかもしれません。
しかし、皆さんが写真を撮るときに、一番よいものが撮れるように自分なりに工夫するでしょう。例えば、写真の
構図をどのようにするかとか、背景に何を入れるかとか、いろいろと創意工夫をするはずです。ですから、写真も
作文や絵と同様に、著作権法により保護される著作物になるのです。
したがって、写真を撮った人は、
その写真の著作者になります。また、逆に他人の撮った写真を利用しようとする
ときには、
きちんとその人の許諾を得なければなりません。
写真を撮影するときには、
どのようなことに注意すればよいのでしょう。
写真を撮るときに注意しなければならないのは、撮る対象が風景のようなものであれば問題ありません
が、人の顔や姿を撮るときには、
その被写体となる人の了解を得るようにしてください。
人には、
「肖像権」という権利があるのです。自分の顔や姿を他人に無断で写真に撮られて利用されると、不愉
快な思いをする場合があるでしょう。ですから、
「肖像権」という権利によって、
そのようなことが無断でなされな
いように守られているのです。
この「肖像権」という権利は、著作権のように法律で明確に規定されている権利ではないのですが、
この問題を
めぐり争われた裁判などによって、認められてきた権利なのです。このことは、
ビデオで人の顔や姿を撮影すると
きでも、同様に注意しなければいけません。
芸能人の人たちの写真を利用することはどうですか。
歌手や俳優のような芸能人や、プロ野球やJリーグのようなスポーツ選手の顔や姿の写真を利用す
るときも注意が必要です。個人で楽しむために自分のアルバムに貼るようなことは自由にできますが、例えば
スキャナーで読み込んでホームページに利用するような行為は無断で行うと違法となります。
このような有名人の人達のブロマイド写真などが市販されていますが、適法に作成されたものなのかどうか、
注意してくださいね。
本人に無断で作成されたブロマイドを買っても、買った方の側は法律に違反するということはないのですが、結果
として違法な行為をしている人達に協力することになります。そうなると皆さんが好きな芸能人やスポーツ選手の
人達が悲しい思いをするわけですから、本当のファンであるならば、適法に作成されたブロマイドを買うべきです。
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写真と著作権
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ひ と つ わ か っ た ら、
ひ と つ う れ し い。
著 作 権 教 室
P A R T
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コンピュータ・プログラムというのは、小説のように私たちが
読むわけではないし、絵のように鑑賞するものでもありませんから、
普通の著作物とは違うと思うのですがどうでしょうか。
コンピュータを動かすためにはプログラムが必要ですね。今日では、
コンピュータは私たちの生活
になくてはならないものだし、それを動かすことのできるプログラムはとても大切なものになっています。
プログラムは確かに、小説のように私たちが読むというものでもないし、鑑賞するものでもなく、
コンピュータ
という機械に対する命令を組み合わせたものとして作成されています。
しかし、このプログラムというものも、作る人がいろいろな知恵を出して、その考えを表現して作成するもの
ですから、知的活動の成果物として著作権法で保護される著作物となるのです。
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プログラムと著作権
どのようなプログラムが保護されているのですか。
プログラムの中には、
ウィンドウズのようなOS
(オペレーティング・システム)や、一太郎やWor
d
などのワードプロセッサ、ゲーム・ソフトのようなアプリケーション・ソフトなどいろいろな種類のものがありま
すが、全て著作権法で保護される著作物なのです。
また、皆さんの家にある冷蔵庫や洗濯機、あるいは自動車などにもマイクロプロセッサと呼ばれている小型
のコンピュータが利用されているのですが、
このマイクロプロセッサの中にあるプログラムも著作物として保
護されています。
プログラムをパソコンにインストールすることは自由にできるのでしょうか。
プログラムの入ったCDROMから自分のパソコンのハードディスクにプログラムをインストールし
て利用することは、そのCDROMの本来的な利用の仕方ですから違法ではありません。しかし、例えば、自
分が購入したCDROMをクラスメイトに貸してインストールさせることは、
ごく親しい少人数の友人である場
合は許容範囲かもしれませんが、多くの人に貸し出してインストールさせることは問題がありますので、その
ようなことはしないでください。なお、その製品の使用条件として、購入者本人に限りインストールして利用
できるということが特別に明記されている場合は、注意してくださいね。
そのプログラムが学習に役立つからということで、学校にCDROMを持っていって、パソコン教室のパソコ
ンにインストールすることも法的な問題がありますので、無断でそのようなことはしないでください。
自分のパソコンであっても、P2Pソフトにより他の人々のパソコンとネットで結ばれていて、いつでもインスト
ールしたプログラムが他の人に送信されるような状態になっている場合には、法的な問題がありますので、
止めるようにしてください。
個人的に使うだけであれば、
プログラムをコピーしてもいいのでしょうか。
プログラムを個人的に楽しむために複製することは、著作権侵害にはなりません。しかし、
コピーガー
ドがかかっているようなものを、
ガードを解除して複製することは違法ですので、
そのようなことはやめましょう。
また、個人的に楽しむという名目でコピーして、たくさんの友人に配るようなことは違法なことですから、
して
はいけません。
また、インターネットで他人のプログラムを送信するようなことは、著作権侵害となりますから、絶対にしない
でください。権利者に無断で作成された海賊版のプログラムは真正な商品に比べて、値段が安いでしょう
が、そのようなプログラムを購入したり、利用することは、避けるべきですね。これまでも何回も説明してきま
したが、違法に作成されたものを利用することは、そのような違法行為に協力することになるわけですから。
楽しいゲームソフトが作成されることを望むのであれば、著作者の人達の権利をみんなで守らなければなら
ないのです。
ひとつのプログラムを作成するためには、膨大な時間や人手がかかりますし、お金も必要です。そのように
苦労して作成されたプログラムであっても、
コピーすることはボタンひとつ押せば簡単にできてしまいます。
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ひ と つ わ か っ た ら、
ひ と つ う れ し い。
著 作 権教室
P A R T
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インターネットと著作権
ホームページを開設することは、著作権法では何か問題があるのでしょうか。
インターネットは、世界中のいろいろな情報を瞬時に見ることが出来るとても便利なものですね。また、
自分の方から情報を広く発信することもできます。
このように便利なものですが、著作権法に違反しないように利用しなければなりません。
ホームページの作成に当たっては、そこで用いられる文字情報や画像、音楽などを、全て自分自身が作成したもので
あれば特に問題はありませんが、他人の著作物を利用する場合は著作権法上の問題に留意しなければなりません。
これまでも説明したとおり、個人的に楽しむための私的使用目的の複製は許容されていますが、ホームページに他
人の著作物を利用することは、個人的な利用の範囲をこえますので、権利者の許諾を得なければなりません。
他人の作った文章や絵、写真などを利用するときもそうですし、アニメのキャラクターなども美術の著作物として保
護されていますから、無断で利用してはいけません。また、著作権法の対象ではないとしても、人の肖像を使用する
場合には、人格権保護の観点から裁判などで認められてきている肖像権に配慮しなければなりません。
また、電子掲示板にいろいろな情報を書き込むという行為については、
それは自分のノートに書き込むのとは違って、情報
を広く社会に伝達できる状態に置くこととなりますので、他人の著作物を利用する場合には許諾を得る必要があります。
電子メールはとても便利ですが、何か注意することがあるのでしょうか。
電子メールは、通常の利用形態である友人同士の情報の送信や受信であれば、普通の手紙の運搬をネッ
トワークを通じて行っているに過ぎず、著作権法上の問題はありませんが、メーリングリストやニュース・グループなどの
ように、メッセージを蓄積して、多数の人に伝達されるような機能を利用する場合には、単なる友人間の情報のやりと
りではなく、広く公衆に送信する行為となりますので、他人の著作物を利用する場合には許諾を得る必要があります。
また、著作権の問題ではありませんが、インターネットのようなネットワークにおいては、自己の発信した情報が瞬時
に公衆に伝達されることになるわけですから、人のプライバシーとか名誉を傷つけるような内容の情報を発信しない
よう、
くれぐれも注意しておかなければなりません。自分のノートに人の悪口を書いたり、落書きするのとは全然違い
ます。法律的にも、名誉毀損の責任を負わなければならない場合があります。
音楽の配信サイトを利用すると簡単に音楽が楽しめますが何か問題がありますか。
インターネット上のサイトから音楽データや映像データをダウンロードすることが簡単にできますが、権
利者の許諾を得ずに作成されている違法サイトがありますので、このような違法なものは利用しないでください。
個人的に楽しむことが目的でも、著作権侵害に問われることがあります。
ファイル交換ソフトを利用して音楽データをやりとりすることは、自由にできるのでしょうか。
ファイル交換ソフトは、P2P(ピア・ツー・ピア)という技術を用いて個人間の送受信により、自分が欲しい
音楽データなどを手に入れることができるものですが、このような音楽データなどの送受信は、作詞家・作曲家・
アーティストその他の権利者の人々の利益を害しますし、法律的にも問題がありますので、安易にこのような
ソフトを利用しないようにしてください。
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ひ と つ わ か っ た ら、
ひ と つ う れ し い。
著 作 権 教 室
P A R T
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著作権を侵害したときの責任というのは
どのようになるのでしょうか。
著作権を侵害するということは、お金や宝石を盗んだり、人の物を壊したりす
るよりも罪が軽い、責任があまりないのではないかと思っておられるかもしれません。
しかし、著作物は、著作者が時間をかけ、知恵を絞り、いろいろな経費を投入してやっ
と出来上がるものですから、それを無断でコピーして販売するなどの行為は、
とても責
任が重いことなのです。
それは、皆さんが、自分自身で一生懸命作り上げた作品を、無断で他人にまねをされ
たとしたら、
どのような気持ちになるだろうかということを考えれば、よく分かると思い
ます。場合によっては、皆さんの持っている物を盗まれるよりも、
もっとくやしい思いを
するかもしれませんね。
著作権を侵害した場合は、民事上の責任とともに刑事上の責任を負うことになりま
す。民事上の責任としては、一番代表的なものは、損害賠償の責任を負うということ
があります。無断で利用したものの価値が高ければ高いほど、賠償しなければならな
い損害額も大きくなります。また、著作者の人格的な利益を傷つけることになる場合
は、慰謝料としての賠償責任も負わなければならないのです。
次に、刑事上の責任としては、著作権を侵害した場合には、5年以下の懲役又は500
万円以下の罰金(平成19年7月から10年以下の懲役又は1,
000万円以下の罰金)
に処せられることになっています。とても重い責任ですよね。
このように、著作権を侵害した場合には、大きな法律上の責任を負わなければならない
のです。悪意がなくても、ついうっかり著作権を侵害するような場合もあるでしょうが、す
ぐに違法な状態をなくするなど、
きちんとした対応をするよう心がけることが大切です。
また、著作権を侵害して違法に作成されたもの、つまり海賊版のCDやプログラム、
ビデオ、漫画、キャラクターグッズなどを、購入しないということも大切です。皆さん自
身が著作権を侵害しないということだけでなく、著作権を侵害するような行為には協
力しないということが大切なのです。
民事上の責任、刑事上の責任ということを考えると、著作物を利用するのが大変なこ
とだと感じられるかもしれません。でも、
そんなに頭を悩ます必要はないのです。
あれこれ法律の条文をみるまでもなく、自分が著作者であれば、
してほしくないことを、
自分はしないように心がけていれば、おそらく著作権を侵害するような結果にはならな
いと思います。
皆さんの一人一人の日常生活での態度が、結局は著作権が守られる社会を築くこと
になるわけです。そして、そのような社会の中でこそ、すばらしい小説や音楽、絵画、
写真、漫画、アニメ、映画、プログラムなど様々な著作物が生まれてくるのです。
皆さんの手で著作権を守って下さい。また、皆さん自身がすばらしい著作者になって
下さい。期待しています。
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著作権と責任
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Society for the Administration of Remuneration for Audio Home Recording
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監修・協力/日本教育新聞社 発行/(社)私的録音補償金管理協会
発行2010年7月