○議長(北田利光議長)これより日程に入ります。 日程第一、一般質問を行います。 質問通告が来ておりますので、発言を許します。 六番、寺井正則議員。 〔六番 寺井正則議員 登壇〕 ○六番(寺井正則議員)議長のお許しをいただきましたので、通告書に従いまし て、これより一問一答方式で一般質問を行います。理事者並びに関係部局にお かれましては、答弁のほど、よろしくお願いを申し上げます。 南市長、三期目の御当選おめでとうございます。選挙のマニフェストの中に、 「市民の命、暮らしが一番」と、このようにキャッチフレーズを掲げておられ ました。また、定例会の開会日におきましても、熱っぽく語られておったとこ ろでございます。今日は私なりに市民の命や暮らしを守るために必要と思われ る施策について、意見を述べさせていただきます。市民の安全安心の確保のた めに、ぜひとも前向きな答弁を期待いたしますので、どうかよろしくお願いい たします。 最初に、救急医療情報キットを配布する事業を導入することについて、お尋 ねします。次に、AEDのさらなる普及について、何点かお尋ねいたします。 そして、本市の学童や生徒にBLS教育、このBLSとは、ベーシックライフ サポートの略でございますが、このBLS教育を取り入れることについて。最 後に、三人乗り自転車の購入費用助成や、貸出事業など、自転車の安全利用の 対策について、お尋ねします。 まず、最初に、救急医療情報キット配布事業を導入することについて、お尋 ねします。我が国の高齢化は深刻であります。二〇二五年には、全国で高齢者 人口が約三千五百万人に達し、高齢化率が約三〇%にも上ると予測されており ます。介護の制度の充実はもとより、さまざまな高齢化対策を考えていかなく てはなりません。自宅で具合が悪くなり、救急車を呼ぶなど、もしものときの 安全と安心を守る取り組みとして、東京都港区では、昨年の五月から、救急医 療情報キットを配布する事業を全国初の取り組みとして、スタートされました。 反響は大きく、この一年で配布対象の約一割に当たる、約三千五百人に広がっ たそうであります。救急医療を入れたキットを冷蔵庫に保管、緊急通報時、駆 けつけた救急隊員がその情報を生かし、迅速に適切な救命措置をするという仕 組みであります。救急医療情報キットは、プラスチック製の筒状の容器で、直 径約六・五センチ、長さ約二十二センチで、救急隊員がすぐ目につき、扱いやす いように工夫してあります。救急医療情報キットに入れておくものは、かかり つけ医や持病、緊急連絡先などの医療情報、薬剤情報提供書、お薬手帳などの コピー、健康保険証のコピー、診察券のコピー、本人確認用のコピーなどであ -1- ります。この緊急医療情報キット活用のメリットは、駆けつけた救急隊員が、 患者の持病や服薬等の医療情報を確認することで、適切で迅速な処置が行える こと。また、緊急連絡先の親族などのいち早い協力が得られるのであります。 さらに、家にキットがあることがわかるように、玄関と冷蔵庫に専用のステッ カーを張ります。冷蔵庫に保管する理由は、ほとんどの家庭にあり、台所にあ るからだそうであります。救急隊員の手間を省くことで、迅速かつ適切な救命 措置ができると期待されております。また、個人情報を自分で管理すること。 行政からの働きかけにより、情報を随時更新できるメリットもあるそうです。 経費が安く抑えられ、簡単にできる万一の備えとして、大変有効と考えられて おります。この施策はNHKが放送したこともあり、全国に広がり始めており ます。高齢者や障害者だけではないと思うのですが、ひとり暮らしや、家族の いないときに、急病で倒れてしまった場合、救急車を呼ぶことはできたとして も、その人がどんな病気を持っていて、どんな薬を飲んでいるのか、緊急通報 先は誰にしたらいいのかといった情報を救急隊員に確実に発することができた ら、迅速かつ適切な救命措置ができると思います。これは、別名を「命のバト ン」とも言うそうであります。現在、本市では、ひとり暮らしの高齢者の調査 や、緊急通報装置の貸出事業などに取り組んでいただいているところでありま すが、自宅で具合が悪くなり、救急車を呼ぶなど、もしものときの安全と安心 を守る取り組みとして、救急医療情報キットを配布する事業を導入すべきと思 いますが、市長の所見をお聞かせください。 ○議長(北田利光議長)市長。 〔市長 南 佳策 登壇〕 ○市長(南 佳策)ただいま、寺井議員の御質問にお答えしたいと思います。 救急医療情報キットの導入についてでございます。本市におきましても、心 臓病や脳血管疾患等の緊急性の持病を持つひとり暮らしの高齢者で、緊急時の 通報手段が困難な方々は、現在百六十三人を把握しておりますが、こういう方々 に緊急通報装置を設置しているところでございます。 また、お元気コールと申しまして、委託先から電話で月に一度高齢者の安否 確認を行っております。ただいま、寺井議員からの御提案、質問でありました 緊急医療情報キットにつきましても、緊急時の高齢者に係る情報を得る手段、 また、緊急時の市民の安心安全の確保のために、有効な手段であると考えてお ります。平成二十一年度から始めております安心生活創造事業、家族のサポー トが期待できないひとり暮らし高齢者等への基盤支援とあわせて、また、御質 問にもありましたように、東京都港区等で導入されております緊急医療情報キ ットなど、先進事例を参考にして、実施に向けて関係機関などと協議に入りた いと考えております。 -2- ○議長(北田利光議長)六番、寺井正則議員。 ○六番(寺井正則議員)ただいま、市長の方から、救急医療情報キット配布事業 を導入することについて、有効と考え、実施に向けて検討していくという、大 変前向きな御答弁をいただきました。このこういった救急医療情報キットが導 入されるような形になってまいりましたのは、先ほども若干触れましたけども、 急速に進む高齢化社会という現実がございます。また、この救急医療体制につ きましても、通報から救急車の現場到着までの時間は、平成二十年版の消防白 書によりますと、全国平均で七分、到着から患者を搬送し、医療機関に収容す るまでの時間は、二十六・四分で、いずれもワースト記録を更新しております。 また、この高齢化などに伴って、救急需要も拡大をしておりまして、平成十九 年の救急出動件数は、約五百二十九万件に上り、過去十年間で約五二%増加し ております。これに対し、全国の救急隊の増加は八%にとどまっている。救急 搬送に占める高齢者の割合は、平成十八年に四六・一%に達した。こういった ことが挙げられるのであります。 昔は、近所づき合いがあり、どこにお年寄りがひとり暮らしておられるのか、 地域の人は皆知っておりましたが、いまは、近所づき合いも薄れ、また個人情 報保護の立場から、行政でもなかなか個人情報を集められないという、そうい った問題もあるわけでございます。救急車を呼ぶなど、もしものとき迅速かつ 適切な救命措置ができる。こういったことを考えますと、高齢者のひとり暮ら しに限らず、持病のある方や、障害者など、より効果的な活用方法もぜひ調査、 研究して取り組んでいただきたいということを申し添えておきたいと思います。 続きまして、AEDのさらなる普及について、お尋ねしたいと思います。 二〇〇四年七月より、AED、いわゆる自動対外式除細動機の使用が一般市 民にも認められるようになり、全国的に主要な場所に設置され、普及しており ます。AEDは、現在、本市におきまして、市庁舎、文化センター、市民会館、 市総合体育館、夜間中学、全中学校、全小学校に設置され、幼稚園への設置を 残すところとなっております。公民館には、天理ライオンズクラブから寄贈し ていただき、設置をされたところでございます。AEDの普及の重要性につい ては、平成十七年六月定例会の私の一般質問の中で、詳しく述べておりますの で、省略いたしますが、市長は、たしか私の一般質問に対して、AED設置に つきましては、市だけではなくて、幅広く設置の啓発もやっていきたいと思い ますと。天理市では、もう当然でございますが、もっと民間の事業所等にも同 様にやっていきたいと考えておりますと答弁されております。そこで伺います が、民間の事業所等にAED設置の啓発をどのように推進してこられたのか、 市内でどの事業所等に、どれだけAEDが設置されているのか、状況を掌握し ておられるのであれば、お聞かせいただきたいと思います。 -3- ○議長(北田利光議長)市長。 ○市長(南 佳策)AEDについての御質問でございました。それはたしか、昨 年もこういう質問を受けた記憶がございます。中で、この普及、それから、そ の設置の拡大、こういうようなことについて努めていきたいと、たしかそのよ うに答えたと覚えております。そういうことから、私どもの方でも、平成十六 年七月に厚生労働省から医師等の専門職でなくても研修を受けられる、誰もが このAEDを使うことができるという通知を出されました。それを受けて市の 方でも、銀行、大手、スーパー等、商業施設でも早々にこれが設置されていく ようになってきております。非常にありがたいことだと思っております。いま、 寺井議員の方から、この設置の状況について、どの程度把握しているかという 御質問だったと思います。御質問にありましたように、天理市内の公共施設、 学校も含めての方は、およそ施設の把握はできておりますが、民間の関係の方 については、今定かな情報は手にしておりません。早速、これについてもその 状況を把握することに入っていきたいと思います。以上、お答えとします。 ○議長(北田利光議長)六番、寺井正則議員。 ○六番(寺井正則議員)いま、答弁いただきましたが、AED設置箇所について は、市が把握しているのは、主に公的施設のみで、民間企業等の設置場所まで は詳しく確認されておらないのが現状ということであります。私、ここで申し 上げたいんですけども、全てのAED設置者に届け出協力を要請する必要があ るのではないか、このように思うわけであります。AEDを有効に使う環境整 備は、大事なことではないでしょうか。届出義務までは課せられないまでも、 安全安心のまちづくりを推進する上で、大事な観点かと考えます。届け出協力 を要請することについて、市長の所見をお尋ねします。 ○議長(北田利光議長)市長。 ○市長(南 佳策)AEDにつきましての御質問、先ほどに関連してのお答えと いたします。設置の届け出もこれを的確に把握しておくべきではないかという 趣旨の質問だったと思います。早速、届け出義務は課せられておりませんけれ ど、私の方で、またいろいろな手法を工夫して、安全安心の分野に尐しでも貢 献できるように、これは当然のことかと思います。よろしくお願いします。 ○議長(北田利光議長)六番、寺井正則議員。 ○六番(寺井正則議員)前向きな答弁いただいておりますけども、心臓突然死を 防ぐためには、一分一秒を争います。いざというときにAEDを使用するため には、誰もがどこに設置されているのかということを知っているということが 大変重要でございます。天理教の教会などにもAEDが設置されております。 私の自宅の近隣のことでございますが、詰所は道路から石畳を通って門を通り、 中に入るという、そういった形態になっております。AEDが建物の中に設置 -4- してあっても、通行人からはわかりません。そこで、歩道を通る通行人にわか るように、石畳の入り口のところに、たしか駐車禁止の標識みたいなものです が、そこに「AEDを設置しています」の表示をされておりました。私、これ を見まして、大変よい方法だと思いました。AEDが設置されていても、建物 の中の装置がある場所だけに表示があっても、通行人からはわかりません。A EDが必要になるときは、まさに突然というときであります。使おうとする人 が一刻も早く設置場所を見つけることが重要であります。私、公民館運営審議 会に所属しておりますけども、その運営審議会の折に、ライオンズクラブから 公民館にAEDを寄贈していただいたという報告がございました。そのときに、 私、その委員会の中でも申し上げましたが、AEDを設置しておりますという のを建物の外にわかりやすいように表示をしていくことが必要ではないかいう こと、そういうことも申し上げさせていただきました。AEDの設置場所を発 見しやすいように、AED設置していますの表示を建物の外の通行人等から見 つけやすいところに表示することを市でシールや看板を作成して普及させるこ とについて、市長の所見をお聞かせください。また、こういった設置箇所の掌 握を進めて、天理市AEDマップなどを作成して、天理市民全世帯に配布して はいかがかと思いますが、このことについて、市長の所見をお尋ねいたします。 ○議長(北田利光議長)市長。 ○市長(南 佳策)先ほどの実態の把握、公的な部分についてはおよそできてお りましたが、あわせて先ほどお答えしたとおり、民間のその他の部分について もこの実態把握に努めます。また、事があったときに、即座に役に立つ、そう いうことのできるように、各施設の入り口等にそういうものを掲示していく、 これも必要なことだと思います。また、民間の方につきましても、同様の協力 依頼をしていくべきかと思います。 それから、AEDマップをということでございました。これ、ちょっと現実 に天理市内の地図の上にそれを落とすことは非常に困難な作業でございます。 これだけでするということはどうかと思います。近くまた改定いたします防災 マップの中にでもそういうものを、工夫して落とし込んでいく等の方法で、当 面はそれでやっていきたいと考えております。以上、お答えとします。 ○議長(北田利光議長)六番、寺井正則議員。 ○六番(寺井正則議員)AEDの啓発につきましても、前向きな答弁をいただき まして、ありがとうございます。 次に、この救命救急ということに関連しまして、BLS教育について伺いま す。これは教育長に御答弁をお願いしたいと思います。 それでは、教育長にお尋ねします。目の前で人が倒れたときに、適切に対処 することは容易ではありません。BLSは、日常生活の中で、突発する健康危 -5- 機に、市民が即座に判断し、とるべき行動をまとめたプログラムであります。 BLSは、成人よりも学童や生徒の時期からの反復教育が有効と言われ、多く の先進諸国では学校や地域社会でBLSが教えられております。平成十四年度 より、慶應義塾一貫教育校におきまして、BLS教育を実施するプログラムが スタートしております。このプログラムは、一貫教育校における先進的な試み として、提案をされました。小学校から高等学校までを対象に行うBLS教育 は日本では初めての試みです。各中学、高校の一年生及び幼稚舎五年生を対象 とした講習を毎年実施すると、生徒、児童は各レベルで必ず一度は講習を受け ることになります。この反復講習を通じて、単に健康危機に対処する技術を教 えるのみならず、積極性や生命の尊厳、市民の義務などを一貫教育の中に根付 かせることを目的としているそうであります。これらのことから、BLS教育 は、私立の一貫校のみならず、全国的に普及させていくべきと考えます。本市 の学童や生徒に、健康危機に対する対処の技術を教えるだけではなく、積極性、 生命の尊厳、市民の義務などを根付かせることなど、人としての大切なことを 教えるBLS教育を取り入れることについて、教育長の所見をお尋ねします。 ○議長(北田利光議長)教育長。 ○教育長(村井稔正)それでは、寺井議員のBLS教育導入についての回答を申 し上げたいと思います。提案のBLS教育、学校への導入については、いま申 されましたように、目の前で倒れた人に適切に対応する。学校教育の中でくり 返し具体的な救急方法を経験するというようなことでは、大変、実際の場で役 に立つ、有効でいい方法ではないかと、こんなふうに考えます。現在、市内で 行われています救急に対応する関連する学習としては、学習指導要領にのっと って、小学校では保健学習の中で、また、けがが発生したら、落ちついて状況 を観察し、判断し、近くの大人に助けを求めることや、緊急機関への通報の仕 方など、こういったことを学習しておりますし、また、中学校では、保健体育 の学習の中で、人工呼吸や心臓マッサージの方法について、学習しております。 しかしながら、いま寺井議員のお話しになったBLS教育を系統的に実技講 習をするということにつきましては、今日の学校における基礎、基本の充実を はじめ、体力の向上、また、環境問題といった多様な課題を教育内容として取 り扱わなければならない現状である一方で、このほか、介護学等の取り組みの 要望も出ております。それで、これらの新しい課題について、どのような内容 や形態がいいのか、可能なのか、こういったことを今後研究をしてまいる必要 があるのではないかと、こんなふうに考えております。よろしく御理解のほど お願いいたします。 ○議長(北田利光議長)六番、寺井正則議員。 ○六番(寺井正則議員)このBLS教育について、教育長の方から、実践的で有 -6- 効な方法ということで、所見も伺ったわけでございますけども、学習指導要領 に基づき、方針が決定されるので、要約して難しいという御答弁であったかと 思います。しかし、実際は、大人でもそうですけども、例えば、AEDがあっ て、それを実際にあるのは知っておっても、装置を実際に使ったこともなけれ ば、なかなか使ってみようという気にはなれないですよね。また、中学生なん かになりましたら、人工呼吸とか、そういったことでも、体をさわったり、マ ウス・ツー・マウスなんかになりますと、口つけたりしますので、思春期の子 どもたちはなかなか抵抗がありますよね。だから、むしろ、先ほども申し上げ ましけども、小さい子どものころから、反復的にくり返してやることが、やは り効果があるということでございます。 先ほども申し上げましたが、先進諸国におきましては積極的に導入されてお るということでございますので、いま教育長が申されましたように、調査研究 をして、何らかの形で取り組んでいただけるように、御努力をお願いしたいと 思います。同じような答弁になると思いますので、教育長はこれで結構でござ いす。 引き続いて、市長に御答弁をお願いいたします。 最後に、自転車の安全利用の対策について、お尋ねします。六歳未満の子ど もを自転車の前と後ろに乗せる三人乗りについて、昨年の道路交通法改正など で、原則的に認められませんでした。しかし、母親らからの強い要望は多く、 小さい子どもを持つ親が反発し、生活が不便になる、子ども一人を家に残して いけない、子育て支援に逆行するという、悲鳴に似た声を聞き、これを受けて、 警察庁が安全な自転車の開発を条件に認めるよう方針を変えました。それによ って、財団法人自転車産業振興会が、費用の一部を補助するなどして、各自転 車メーカーで開発が進められ、今年の夏に実際に認可された専用自転車が販売 をされました。一般の自転車に比べて、安全性や強度の関係で、自転車販売店 では価格が五万円から十五万円ぐらいと高くなり、幼児一人を乗せる従来の自 転車よりもはるかに高額になります。 二児の子を持つあるお母さんからは、三人乗りする期間は短く、この不景気 だし、値段が高いと、安い自転車で我慢するしかないとか、二、三歳の子ども は歩くより、自転車に乗せた方がまだ安全。国は、尐子化対策と言いながら、 子どもが二人以上になったら自転車にも乗れないなんてと、不満の声が聞かれ ます。また、ふだんから自転車の三人乗りをしているお母さんは、初めて買う ならまだしも、いまから買いかえるのは無理と言い、ほかのお母さんの話を聞 いても、いまの自転車を手放さないという意見の方が多くございます。メーカ ー側も取り締まりをしないのであれば、わざわざ、新しい高い自転車に買いか えたりしないでしょうし、せっかく安全性の高いものを開発しても、価格が高 -7- いので補助がないと普及もしないと言っております。また、検討委員会でも、 報告書の中において、深刻な尐子化、経済問題を考慮すれば、子育て支援の観 点からも、解決方法として、補助を検討することも必要だと、三人乗り自転車 の助成を発言されております。いくら安全性に配慮した三人乗り自転車が販売 になったからといっても、この経済情勢で、若い世代が自転車購入の新たな負 担をすることは難しいのではないでしょうか。既に、いくつかの自治体では、 購入費の半額を助成する施策を始めております。自転車は、複数の幼児を持つ 保護者にとっては、日常生活に欠かせない交通手段であります。今後も深刻な 尐子化、経済不況など、課題は山積していますが、三人乗り自転車の普及に向 けた購入費費助成や貸出事業の積極的な取り組みをお願いしたいと思います。 本市において、この安全に配慮した三人乗り自転車の購入費助成や貸出事業 に取り組む考えがあるのか、市長の所見をお尋ねします。 ○議長(北田利光議長)市長。 ○市長(南 佳策)いま、寺井議員の方から、幼児二人同乗用自転車のことにつ いて御質問がございました。私も基本的に同感でございます。ただ、これから、 具体の現実の姿を見ながら、これを制度化できるような方向に持っていきたい と考えております。どうぞよろしくお願いします。 ○議長(北田利光議長)六番、寺井正則議員。 ○六番(寺井正則議員)制度化できるように、前向きに考えていきたいというお 答えをいただきましたけども、このことについて、いろんな方法あるわけです けども、購入費用の助成という方法と、それから、何台かの三人乗り自転車を 用意して、貸出事業という考え方があると思うんですけど、制度化について検 討したいということでございますけども、もうちょっと詳しくお聞かせいただ きたいと思いますが。 ○議長(北田利光議長)市長。 ○市長(南 佳策)制度化と申しましたのは、こういうものを市として用意して いくという、新年度に向けてやっていきたいと、こういう思いでございます。 中には、購入費の助成とか、また、レンタル、あるいはいろんな方法があろう かと思います。これも他の先進事例をこれから検討しながら、購入費の助成な のか、またその他の方法、どれが一番妥当なのか考えていきたいと思います。 必要なことは十分認識しております。ただ、通常の自転車と違って、ある時 期、その時期を過ぎてしまわれると、ほとんど使われないという現実もあるよ うです。そういうことも考えながら、極力、市民の命と暮らしを守るという分 野で、どういうのが一番天理市においてふさわしいのか、実態も把握していき たいと思っています。どうぞよろしくお願いをします。 ○議長(北田利光議長)六番、寺井正則議員。 -8- ○六番(寺井正則議員)ぜひ、制度化に向けて研究して取り組んでいただきたい と思います。 それでは次に、自転車ということで、自転車の安全利用促進のため、自転車 道の整備など、通行空間の確保や、自転車と歩行者、自動車の適切な共存を図 るための実効性のあるルール整備も求められるのではないでしょうか。昨年の 原油価格の急激な高等から、ガソリンの価格がはね上がり、マイカーの利用を 控えて自転車通勤をする人が全国的に増加したと報じられております。 また、メタボリック対策や、健康づくり、環境対策などに効果があることか ら、自転車通勤を始める人が増加しているとも言われております。 今後、自転車道の整備など、自転車の安全利用のための環境整備を視野に入 れたまちづくりが必要になると思われますが、市長の所見をお尋ねします。 ○議長(北田利光議長)市長。 ○市長(南 佳策)自転車の利用者の増加、また、こういう人たちもますます増 してくるだろうという思いの中での御質問だったと思います。そして、この自 転車の通れる道を整備すべきではないかと、こういう御質問だったと思います。 お答えしたいと思います。自転車の利用者への使用に当たっての環境整備は、 まだまだこれで十分というわけではありません。痛いほどわかっております。 現に、いま、天理市の道路整備計画は、自動車と歩行者を分離するということ からスタートしておる道の構造、また設置等でございます。そして、御案内ど おり、市内の歩道部分には、環境に配慮した街路樹、イチョウその他の街路樹 が市街の歩道を形成しております。これも非常に大切なことでございます。ま た、それが一つの要因となって、自転車・歩行道の機能を意に任せない状態に なっているのも事実でございます。ですが、こうした中で、既設の歩道を拡幅 しながら、自転車にも考慮した再整備というのは、現状では非常に至難な実態 であることは御案内のことかと思います。そこで、市の方では、公安委員会が 指定した自転車・歩行者道については、バリアフリー化の整備に努めていると ころであります。市道における段差解消のためのバリアフリー化は、天理市内 では市街地を中心に十一路線で総延長六・〇五〇メートルとなっております。比 較的、他の県内の市町村に比べれば整っている部分だと思っております。今後 もまずはこういうところについて、整備を図っていきたいと思います。あわせ て、交通安全教室等の自転車の利用者によるマナーの向上、こういうことにつ いても、やはりもっともっと啓発していかないといけないのも現実でございま す。以上、簡単ですが、お答えとしたいと思います。 ○議長(北田利光議長)六番、寺井正則議員。 〔六番 寺井正則議員 登壇〕 ○六番(寺井正則議員)いま、自転車の安全利用のための答弁いただきました。 -9- 現状を考えると自転車道の整備は難しい、歩道のバリアフリー化に力を入れて 一層取り組んでいくという趣旨の御答弁だったかと思います。確認しておきた いと思いますけども、道交法改正に伴いまして、十三歳未満を省き、自転車通 行可の標識がない道路で、原則車道左側の通行を義務付けるルールが徹底され ております。いま、バリアフリー化に力を入れていただくわけでございますけ ども、歩道を自転車通行させるのであれば、何カ所か自転車通行可の標識のつ いている歩道も見受けられるわけでございますけども、安全対策を考えれば、 公安委員会にも働きかけて、自転車通行可の歩道を増やしていくという対策も 大事であると思います。そして、教則改正の中におきましては、自転車乗車中 の傘使用、それから、携帯電話の操作、通話、ヘッドホンステレオの使用も禁 止になっております。実際には、規則が守られるかどうかは難しい。先ほど議 論いたしました認可のおりた専用自転車による三人乗りのルールも守られるか ということは心配であります。子どもから大人まで、家庭において、保育園、 幼稚園、学校や社会において、道交法を学び、理解しなければ、交通事故はも ちろん、自分の命も守ることができなくなるのであります。歩く立場から、自 転車の立場から、自動車の立場から、また、道路を利用する上で、市民の皆さ んが最低限規則を遵守する必要があります。その意味におきましても、先ほど 市長も申されましたが、こういった交通安全週間の街角啓発というのもやって いただいておりますし、また、幼稚園や学校等で交通安全教室等にも力を入れ ていただいて、PTA等の保護者にも啓発を深めていっていただいております が、今後さらに、この自転車の交通安全ということにも、力を入れて取り組ん でいただきたいということを申し上げておきたいと思います。 そして、最後になりますが、いま、今回の質問で、市民の安心安全確保の観 点で、救命救急や、交通安全対策について、数点にわたり議論をさせていただ きました。南市長におかれましては、これからの四年間、健康に留意され、市 民の命、暮らしが一番との姿勢で、いつも申されます、 「生きてきてよかったま ち天理」を築くために頑張っていただきたいということを申し上げて、私の一 般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(北田利光議長)以上をもって、一般質問を終わります。 -10-
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