科 目 名 担当教員名 人的資源管理論 高橋 邦之 基礎・専門 単位 選択・必修 専門 2 選択 開講年次 教職課程 2年秋 教職選択 (商) 概要 企業はさまざまな事業を行っていますが、それを行うのは人です。したがって、企業は優秀な人を社 員として採用し、教育訓練を行って育成してよい仕事をしてもらわなければなりません。社員が一生 懸命に働き、大きく成長し、そして社員自身も働き甲斐を感じるようにするにはどのようにするかが 人的資源管理の課題です。 本講義では、人的資源管理についての理論の学習と今日的状況下での人的資源管理の実践的方策を検 討します。 到達目標・意義 この講義では、人的資源管理の意味や理論・方法を学習します。そのことは、本論の学習のほかに学 生にとって次のような意味を持ちます。 ・会社に就職した後に、社員に会社の求めることの意味が理解できること。 ・自分自身が自己学習していくことによって大きく成長することの重要性を理解できること。 ・就職する際に、どのような業種や会社を選択するかの手がかりを得ること。 ・仕事を通して自己実現することの重要性を認識すること。 発揮する能力要素 実施方法 主体性 課題発見力 規律性 基本的には講義です。講義において絶えず現在の人的資源管理の課題を提示し、 それにいかに対応すれば良いかについて考えていくとともに、講義内容を自分自 身の問題として捉えるよう質問を義務付けています。人的資源管理は人間性を問 うテーマでもあり、チームワークや規律についても深く考えていきます。 教科書および参考書 教科書:使用しません。毎回レジュメを配布します。 関連科目 経営入門、経営学総論、経営管理論を受講しておくと理解しやすい。また、本科目は3年生科目の人材 開発論、労働関係法の前提となる科目であり、両科目の受講を目指す場合には受講しておいてくださ い。 履修に必要な予備知識や技能 経営学の基礎的知識と社会常識的な人間関係が理解できていることが望ましい。 受講生への希望・要望、学習上の助言 人的資源管理は経営と人間との関係を統合、調和するものですので、人間関係や心理にも関心を持って いることが望ましい。会社が行う社員の採用は、人的資源管理の重要な分野であり、人的資源管理の実 践的理解は、就職活動に非常に役立つことになります。 評 価 方 法 筆記試験 評価の割合 60 レポート 小テスト 授業態度 40 成果発表 その他 合計 100 評価についてのコメント 試験においては講義のポイントの理解度を重視します。またテーマについての自分の意見・見解が述 べられていることを重要な要件としますので、単なる理解ではなく、自分で考察できることが望まれ ます。 出席等については、毎回小レポート(質問、意見、感想)を課します。この提出によって出席としま す。 回 数 テーマ・内容 留 意 点 1 講義計画説明 人的資源管理論序説 シラバスにより講義の計画と方法、受講の心構え・留意点などの 重要事項を説明します。またレジュメをもとに人的資源管理の意 義と概要を説明します。 2 人的資源管理の変遷と動機づけ 理論 米国と日本の人的資源管理の歴史的変遷の概要を説明し、その過 程で構築されてきた動機づけ理論について解説します。 3 日本的経営下の人事管理 戦後の日本企業の発展を支えた日本的経営と人事管理の本質、意 義、効果、及び日本的経営や日本的人事管理が機能不全に陥った 背景を解説します。 4 経営の戦略化と戦略的人的資源 管理 経営環境の変革と経営の戦略化、および従来の人事管理から人的 資源管理への大改革の内容、プロセスを解説します。 5 短期契約社員とアウトソーシン グ 短期契約社員やパート、派遣社員などの非正規社員の増大の背景 と意義・方法、メリット・デメリットについて解説します。将来 正社員になることの重要性を十分認識してください。 6 採用・配置 人材採用の意義・方法とどのポストに就けるかの配置管理と動機 づけの関係を解説します。就職活動の参考にしてください。 7 昇進・昇格 職階(ポスト)の上昇である昇進と職能資格制度の上昇である昇 格の意義や仕組み、及びそれが動機づけに及ぼす影響を解説しま す。 8 人事考課と成果主義管理 能力や業績を評価する人事考課の変遷とその方法・意義、特に今 日一般化しつつある成果主義管理の理論と方法及び問題点を解説 します。 9 人材開発 会社が社員の能力を向上させるために行う人材開発の意義とその 日本的特徴及び方法を解説します。 10 賃金管理 最も重要な労働条件である賃金の意義とその決定の仕組み、動機 づけとの関係を解説します。 11 労働時間、その他の労働条件 労働条件である労働時間の法的規制と管理、および福利厚生や労 働災害補償などの意義と内容を解説します。 12 退職管理 定年制や整理解雇(リストラ)など、退職の意義・方法、及び懲 戒免職制度の意義・方法等を解説します。 13 労働関係法 人的資源管理を規制する各種労働関係法の意義と内容を解説する とともに、就職後の労働関係トラブルへの対処方法を説明しま す。 14 人的資源管理の今後の展望 日本的人事管理から人的資源管理への急速な変化とそれに伴う混 乱やあつれき、そしてその将来展望について考察します。 15 人的資源管理論まとめ これまで講義してきた人的資源管理論のポイントを中心に全体を 解説します。
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