アレンジいろいろ 生活の中のハーブ

アレンジいろいろ 生活の中のハーブ
更新日:2012年2月1日 水曜日
福島県内にはハーブガーデンがたくさんあります。そのひとつが、北塩原村にある「ハーブを現代日本の普通の暮らし
に活かすこと」をテーマとしたハーブスペース バンディア。長年、ハーブに携わってこられたからこそのハーブの生活
への取り入れ方、その取り組みを伺いました。
生活に役立つ植物を広めたい
「ハーブを現代日本の普通の暮らしに活かすこと」をテーマに、生活に役に立つ植物を広めたいという思いで1986年か
ら始めました。ハーブを自然と人間の暮らしの調和を図る有用な植物として位置付けてきました。ハーブは身近な暮ら
しに直接役立ちながら、私たちの心と身体を癒してくれる事を一連の流れの中でご紹介できるように、ガーデンもテー
マごとに分けています。「薬用&美容ガーデン」では代替医療として注目されているハーブ(メディカルハーブ)を、
「クッキングガーデン」では料理用ハーブを集めました。そして「パーマカルチャーガーデン」では、ガーデン自体を
少々小高くし、雨が降るとそこから水が下へ下へと浸透していくように自然のサイクルに合わせてハーブを栽培するモ
デルガーデンを提案しています。
お客さまに、ガーデンで自然の中で育つハーブを見ていただき、それがどのように生活に活かすことができるのかを
ショップやカフェ、セミナー、クラフト教室で体感していただきたいですね。
料理に役立つハーブ
「クッキングガーデン」でも栽培していますが、タイム、セージ、ローズマリー、フェン
ネル、ディル、チャイブ、セージ、ナスタチウム、ロケットがおすすめですね。摘み取っ
たものをそのまま使うのもいいですが、ディルなら酢につけてハーブ酢に、バジルならや
はり生葉の香りが素晴らしいのでペーストにすることで、用途も広がりますし、長期保存
もできます。また、多種のハーブを乾燥させ、塩に混ぜて調味塩にもしますね。
ハーブティーで健康を保つ
ハーブティーはおいしく飲むか、薬効を期待して飲むかで、お茶の淹れ方は変わります。
薬効を期待する場合は、濃く抽出するのでやはり苦くなりますし、飲みづらくなります
が、未病にも役立ちますね。ハーブは昔から薬草として使われていましたし、種類によっ
ては市販の薬の効果を損なう事もありますので、その効き目はやはり大きいと思います
ね。
私たちのガーデンで育てたハーブを乾燥させてハーブティーも作っています。ここは寒暖
の差が激しいので、香りが強く、色も濃いハーブが育つので、良いハーブティーができま
す。外にはテラスもあるので、そこでハーブティを楽しんでいただけます。リクエストが
あれば、お客さまの気分に合わせてハーブをブレンドしてお出ししています。
レモングラスとカモマイルのフレッシュハーブ
ティー
右の写真はレモングラスとカモマイルのフレッシュハーブティー。
自家栽培のレモングラス(下の写真) を摘み取り、そのままハーブ
ティーに!淹れると同時にレモンの香りがふわっと広がりました。
生葉を使ったのでグリーンもきれいですね。レモングラスは消化を
助け、疲労回復にも良いとされています。カモマイルは体を温め、
胃腸の働きを良くしてくれるそうです。
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ブレンドハーブティー はつらつミックス
バンディアオリジナルのブレンドティーもいただきました。その名も「はつらつ
ミックス」。なんとなく憂鬱な気分のときに、元気を呼び戻してくれるお茶なの
だそうです!ローズマリー、ローズ、レモンバーム、シナモンがブレンドされて
います。これにリコリスという甘いハーブをさらにブレンドしてくださいまし
た。のどにもすっとした甘さが来る、とても飲みやすいハーブティーです。さら
にテンサイ(サトウダイコン)という植物からできた甘味料で甘みを調節。一見ハ
チミツのようですが、味はクセもなく使いやすいそうです。
ドライハーブにして保存
収穫してすぐにドライハーブにもします。ご家庭でもドライハーブ
を作ることができますので、是非試してほしいですね。風通しの良
い部屋に逆さまにして吊るすんです。ハーブは梅雨の前に収穫する
ものが多いのですが、その時期から乾燥させて作る際、乾燥と湿り
を繰り返してしまうと香りも色も悪くなってしまいます。生乾きも
良くないので、できるだけ一気に乾燥させることがポイントです
ね。
ドライハーブにすれば、1年くらいは保存できます。密封した状態な
ら3年くらいはもつでしょう。
いちばんおすすめしたいハーブ 「エ
キナセア」
なんとなくのどが痛い、体調がすぐれないという時
はエキナセアを乾燥させたものをハーブティーにし
て飲みます。もしくは粉末状にして粉薬のようにし
て飲みます。エキナセアはキク科の植物で、花や
葉、茎、根もすべて使えますが、根がいちばん薬効
が強いといわれています。ストレスにより、身体の
弱い部分に病気が発症しやすいといわれますが、エ
キナセアは免疫力を高めますので、こんなときに飲
むと未病につながりますね。
育てるのも簡単です。種がたくさん取れるので、ど
んどん増やすこともできますし、株分けもできま
す。冬になると地上部は枯れますが、宿根草なので
越冬します。きれいな花も咲くので、育てるのも楽
しいですね。
精油ならティートリーがおすすめ
精油は飲んだり、肌に直接つけたりしてはいけないのですが、ティートリーは消毒代わりに使っていますね。ちょっと
した傷などには患部にティートリーをつけたり、歯周病予防に歯間ブラシにつけて使用したりします。ティートリーに
は抗真菌作用があると言われています。また花粉症にも良いようです。
※例外的にティートリーとラベンダーは局部的に少量を原液のまま用いることができるといわれていますが、敏感肌の
方やアレルギーのある方、お子様には刺激が強すぎることがあるので、使用の際は必ず希釈してください。
好きなものは身体が欲しているもの
好きなものってありますよね。ミントが大好きとか酸っぱいものが好きだとか。それって、身体が欲しているものなん
だと思うんですね。身体の何かが足りなくて、それを補おうとするから好きだと感じるのかな、その人にとって必要と
してる要素なのかなと最近思いますね。精油も、頭痛に良いなどの効果や用途がありますが、その精油の香りを嗅いだ
時に、自分がいい香りだな、好きだなと思う香りが、その人にとって必要な香りなのかもしれないですね。ハーブに携
わっているからか、そういう身体や感覚に意識するようになりました。ハーブって奥が深いし、使い方もたくさんあり
ます。鑑賞することも楽しみ方のひとつではありますが、せっかくだから使ってほしいと思いますね。そこから派生し
て応用してみようかな、こういう使い方もあるかなと、アイディアも広がると思います。
インフルエンザなどの感染症がまだまだ気になる季節です。マスクも手放せませんね。そんなマスクの威力をさらに高
めてくれそうな、ウイルスを予防するためのスプレーをご紹介します。ハーブスペースバンディア さんでもおすすめさ
れている精油、ティートリーを使ったオリジナルスプレーです。シュッとひと吹きしてこの季節を乗り切りましょう!
手作りウイルス予防スプレー
<準備するもの>
・ティートリー 精油 5滴
・ユーカリ 精油 5滴
・無水エタノール 5ml
・精製水 45ml
<作り方>
市販のスプレー容器に2種類の精油を加え、無水エタノールを注ぎ、よく混ぜ溶かします。
その後、精製水を入れよく振れば、完成!
<使い方と精油の期待される効果>
マスクやハンカチにシュッとひと吹きしてみましょう。
また、室内用スプレーとしてお部屋にひと吹きしても空気がさっぱりとします。
ティートリー ※12月号「Emi’s
Choice 今月のアロマ」もご参照ください
期待される効果
強い殺菌力や免疫系を刺激する作用があるとされ、免疫力改善にも良いとされています。
香り
ミントよりもやわらかいスパイシーな香りで、カンファー(樟脳)の強い香りが特徴です。精神的に
落ち込んでいる時にも気持ちをリフレッシュさせてくれそうです。
ユーカリ
期待される効果
殺菌だけでなく鼻水や痰、せきなどの症状を改善する働きがあるとされています。意識を
はっきりさせ、集中力を高めるという効果も。
香り
清涼感のあるすっきりとした森林を思わせるような香りです。
ハーブスペース バンディアさんのガーデンやテラスをご紹介します。曽原湖の近くに位置し、オウム貝をイメージした
という建物、「バンディアセンターハウス」が緑の中にそびえたちます。春、夏はハーブの緑も濃く、花々は彩りを添
え、ガーデンは素敵な香りでいっぱいになります。是非お立ち寄りください。
福島でハーブガーデンをはじめたのはバンディアさんが初めだそうです。20年ほど前は近所の遊休地を利用したラベン
ダーの栽培をし、地元の方々のご協力をいただきながら、ハーブによる「村おこし」が実現したそうです。「僕らもす
べての畑をみれるわけではなかったし、本当に助けていただきました」と当時を振り返る高橋さんに、美しい紫が一面
に広がるラベンダー畑の写真を見せていただきました。地域の中で、ハーブはいい循環を生んでいたのです。今では高
齢化も進み、ラベンダー畑はなくなってしまったそうですが、これからもハーブの素晴らしさを広めながら、遠方から
の観光客さまや地元の方々の癒しの場を提供していただきたいと思いました。
ご協力いただいた ハーブスペース バンディア
住所:耶麻郡北塩原村桧原字曽原山1096
電話:0241‐32‐2829
URL:ハーブスペースバンディアホームページ