Interview 02 動物の殺処分 “ゼロ” を目指して NPO の立ち上げを通じて 動物たちの命を救いたい 株式会社バリューブックス 中澤祐介 さん 東日本大震災の復興ボランティアとして動物の保護活動をしている団体に参加。 このことをきっかけに、ペットたちの命やそのための受け皿を、と考えるようになった 中澤祐介さん。 彼は今、その活動を実現させるべく今年度内にNPO法人を立ち上げようとしている。 今から2年半くらい前、東日本大震災のボラン 中澤さんは自分たちが払う税金を使って動物た 在層だと考えているからだ。 「気軽にお茶を飲みな た動物の保護活動をしている団体に参加したこと じています。年間に約15万匹もの動物が殺処分さ 保護団体の活動を知ってもらいたい。また、どうし ティアで福島に行った際、警戒区域から少し外れ をきっかけに、動物の殺処分問題について考える ようになった中澤さん。 ボランティアに参加したきっかけは、 「特に理由 は無いです。自分にできることがあるのなら」と振 り返る。福島の立ち入り禁止区域では動物が自己 繁殖を続け、保護施設はどこも手狭になる一方。保 護と繁殖のイタチごっこが続いている。ボラン ティアに参加した団体は一般社団法人だったが寄 付金が集まらず、みんながアルバイトをしながら 持ち出しで活動しているというような状態だった という。 そんな経験をした後、中澤さんはNPO法人アイ ダオが主催した「ソーシャルな働き方講座」に参加 し、心を突き動かされた。 「 全国的に成功している NPO法人の代表が講師だったんですが、みんな かっこいいというか、こんな生き方あるんだって。 自分の中にはなかった選択肢だったので。結構大 きなきっかけでしたね。」 支 える人 ていける環境にもなる」。この想いの背景には、彼 事、管理費、そして殺処分費。その全てに費用がか が高校生のころ、ペットブームで多くの人が動物 かっている。中澤さんは、このような現実のせき止 との暮らしを求め、その結果捨てられた命の多さ めの方法として、長野県内に複数ある動物保護団 も大きな問題と捉えていることがある。将来的に 体を支援するという「中間支援」の方法を考えてい は、飼育グッズの販売やシェルターの運営をして る。 手広くサポートしていきたいと考えている。 「中間支援」は、NPOを支援するアイダオと同 中澤さんは、今後NPO法人の設立を通じて更に じ仕組み。既存の保護団体とのネットワークを構 仲間を募り、まずは自分たちの地域、長野県から殺 築し、動物を引き取りたいという里親をつなぎあ 処分ゼロという風潮を作っていきたいと意欲をみ わせるなどの仲介を行う。中澤さんは「構想を練っ せている。実際に、今年6月から彼の意志に賛同し ていたときに、これだ!と思いついた理想の仕組 た仲間とともにNPO設立の準備委員会を立ち上 み。僕らが、直接保護団体になって引き止めるより げ、捨て猫を貰い手に引き渡すなどの活動を少し も、この間接的な支援が効率的に殺処分数を大き ずつ始めている。 く減らす。」 「同じような問題を感じている方がいたら気軽 中間支援では、仲介だけでなく、 「猫カフェ」を運 営することにより、 「貰い手」 「保護団体」そして「一 般市民」が集まる拠点を作りたいと構想している。 中澤さんは、 「一般市民」が新たな貰い手となる潜 に連絡がほしい、一緒に頑張りましょう!」 中澤さんへのコンタクトは株式会社バリューブッ クスまで。 株式会社 バリューブックス TEL : 0268-75-9377 中澤さんが普段籍を置く上田市の中古書籍 話しています。しかし中村社長としてその先にど ブックス。単に古書を販売するだけではなく、 んですよ」と笑いながら話します。中村社長は単純 のインターネット販売会社、株式会社バリュー 「チャリボン」と称して、古本の買い取り相当額 をNPOに寄付する活動をしています。これまで に提供してきた寄付は1億円を超え、現在も 中村大樹さん ても引き取り手が決まらない猫が最後まで暮らし れている。1週間が保護のリミットだがその間の食 株式会社 バリューブックス 代表取締役 がら猫とふれあえる空間の中で、殺処分の現状や ちが殺処分されている現状を、純粋に嫌だなと感 様々な形で支援を続けています。バリューブッ クスの代表を務める中村大樹さんは中澤くん の取り組みを企業として応援していきたいと のような構想があるか、と聞くと「特になにもない に同じ地域で起業して、独自にネットワークを形 成し育っていくことが面白いのだといいます。だ から支援はするが独自に活動したい部分や主体性 をもたせるべきところはあえて口を出さない。22 歳という若さで現在の事業を起業した中村社長な らではの支援の仕方が感じられました。
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