海外登山のガイド資格 ★ 入山等の制度の各国事情 国際山岳ガイド連盟(UIAGM)加盟国 加盟国内での山岳ガイドについて 北米・カナダ、アメリカでは、欧州に比べ規制が厳しく、ガイド資格を持たないものがガ イドを行うと「外国人」による不法労働行為にあたり違法となる。場合によっては、身柄 を拘束されることもあり、また、再度の入国を拒否される場合もある。 ニュージーランドは、北米同様厳しく規制されている。 これらはいずれもツアーの場合で、商業目的でない場合、個人で行く場合はこの限りでは ない。南米はまだハイキング、トレッキングについて厳しい規制はない。ただし、有資格 ガイドの同行が望ましいとされている。 【ヨーロッパ】 チェコ ドイツ スペイン フランス イギリス ギリシャ イタリア ガイド資格、入山の制度、制限・規制範囲等 チェコ国内には、UIAGM 適応の山岳地は無いため、特に山岳地へのガイ ド規制はないが、クルコノシュ山脈のハイキングガイド、サンドストーン エリアのクライミングガイドがいる。資格は制度化されていない。 UIAGM の規則によるガイド資格制度が確立している。 UIAGM の規則によるガイド資格制度が確立している。 対象は、ピレネー地域の高山地帯。ガイド資格のない者のガイド行為は、 厳しく取り締まられている。低山地帯のハイキングガイドも資格制度があ る。 UIAGM の規則によるガイド資格制度が確立している。 対象は、アルプス地域の高山地帯。ガイド資格のない者のガイド行為は、 厳しく取り締まられている。アルプス等の低山地帯のハイキングガイドも 資格制度がある。 UIAGM に加盟しているが、イギリス国内においては、特に対象となる山 岳が無いため、強い規制はない。 UIAGM に加盟しているが、ギリシャ国内においては、オリンポス山周辺 域の山岳は、テサロニキ山岳会が UIAGM の窓口となり、ガイドを派遣し ている。 UIAGM の規則によるガイド資格制度が確立している。対象は、イタリア 北部のアルプス地域の高山地帯。ガイド資格のない者のガイド行為は、厳 しく取り締まられている。東部アルプス等の低山地帯のハイキングガイド も資格制度がある。 ノルウェー UIAGM の規則によるガイド資格制度が確立。ノルウェー山岳ガイド協会 がトレッキングを含めガイド制度を設けている。 オーストリア UIAGM の規則によるガイド資格制度が確立している。 ポーランド UIAGM に加盟しているが、ポーランド国内においては、タトラ山脈周辺 域の山岳が対象となるが氷河圏ではないため、ザコパネ山岳会が UIAGM のガイド窓口となっている。 スイス UIAGM の規則によるガイド資格制度が確立している。対象は、アルプス 地域の高山地帯。ガイド資格のない者のガイド行為は、厳しく取り締まら れている。アルプス等の低山地帯のハイキングガイドも資格制度がある。 スロべニア スロバキア スウェーデン ユリアンアルプスが対象地域(東部アルプス)リュブリアナに本拠を持つ スロベニア山岳ガイド連盟が UIAGM の規則に従い、地域ガイドを派遣す る。 ヴィスキ・タトラ山脈が対象地域。スタリスモコベスにあるホルスキ・ガ イド組合が窓口でガイド派遣を行う。ハイキングガイドまで国で定めたガ イド資格がある。 UIAGM の規則によるガイド資格制度が確立。スウェーデン山岳ガイド協 会(SBO)のもとガイド資格を運営管理している。 【オセアニア】 ニュージーランド UIAGM に加盟するニュージーランド山岳ガイド協会(NZMGA)がガイ ド資格を審査、国立公園内は、高山ガイド、トレッキングガイドのガイド 資格が必要となる。これは、ガイド許可にあたる商業ライセンスとなる。 無許可ガイドは厳しく取り締まられる。 【アメリカ大陸】 カナダ アメリカ アルゼンチン ボリビア ペルー 国立公園内での活動は、ガイド資格とともに商業ライセンスが必要とな る。無許可ガイドは厳しく取り締まられる。 国立公園内での活動は、ガイド資格とともに商業ライセンスが必要とな る。無許可ガイドは厳しく取締まられ国外退去を命じられることがある。 UIAGM の規則によるガイド資格制度が確立している。登山をするには、 UIAGM ガイド若しくは、国内資格(アルゼンチン)を持つガイドが必要。 商業登山以外は不要。 UIAGM の規則によるガイド資格制度が確立している。登山をするには、 UIAGM ガイド若しくは、国内資格(ボリビア)を持つガイドが必要とな る。商業登山以外は不要。 UIAGM の規則によるガイド資格制度が確立している。登山をするには、 UIAGM ガイド若しくは、国内資格(ペルー)を持つガイドが必要。 【アジア】 日 本 ネパール UIAGM の規則によるガイド資格制度が確立している。 トレッキング許可証が必要。トレッキング地域ごとに申請する。 ガイド、ポーターの雇用規制はなく、個人でトレッキング出かけることも 可能。 トレッキングガイド免許を持つものがガイドを行うことができる。ガイド は、現地エージェントに登録、現地エージェントを通じて雇用。 トレッキングの場合必ずしもガイドは雇用しなくともよい。 ★ 国際山岳ガイド連盟(UIAGM)加盟国以外 【アジア】 中 国 台 湾 マレーシア インド インドネシア パキスタン トルコ 中国登山協会が関与する山は、辺境地域の 6000m を越える山岳とされて いる。 ただし、外国人が立ち入ったことのない地域では、6000m 以下でも登山協 会が関与し、予め申請し、ガイドではなく連絡官が同行する場合がある。 全般に、登山協会への申請を行ったほうが無難。 (様子がわからないため) ※4000m以下の場合、現地の旅行会社の範疇になっていることが多 い。 (新疆ウイグル自治区天池トレッキングなど) 主に玉山 登山申請を中華登山協会宛てに行い、同協会に所属するガイドを雇用す る。 山小屋の宿泊人数があるため、入山制限がされている。 主にキナバル国立公園のキナバル山登山 国立公園管理事務所に入山申請。上部山小屋の宿泊人数があるため、入山 制限がされている。公園管理事務所に申請時、登録ガイド、ポーターを雇 用する必要がある。 インド登山協会に登山トレッキング(遠征登山は除く)許可を申請。 ガイド雇用は、現地エージェントに登録し、免許をもつものを雇用。 トレッキングの場合必ずしもガイドは雇用しなくともよい。 島嶼部の山岳 現地エージェントへ依頼し、地元のガイドを雇用。ガイドには、免許・資 格等は設けられていない。単に「知っている」というレベル。 入域制限ゾーンが設けられている。 このエリアでトレッキングを行う場合は、予め、観光省へ申請、一般に登 録旅行エージェントが代行する。 ガイド、ポーターが同行。 開放地域は、申請は不要。しかし、ガイドの同行が必要。 (強制ではない) アララット山とその周辺トレッキング登山に当たっては、トルコ政府観光 省の登山許可が必要。 ガイドについては、現地エージェントに所属する登山ガイドを雇用。資格 はない。 【アフリカ】 タンザニア ケニア キリマンジャロ登山の場合 タンザニアの国立公園内での活動となるため、入山口にて登山申請を行 う。その際、キリマンジャロガイド組合のガイド、ポーターを雇用するこ とが義務づけられている。 ガイドは、タンザニア、キリマンジャロ国立公園管理局で養成し、ガイド 免許を得る。 ケニア山登山の場合 ケニア山国立公園管理事務所に申請し、公園事務所から与えられた免許を 持つガイドを雇用することが義務づけられている。 ※ガイド資格についての各国事情は、国により異なり、その取得、養成システムも同様に異 なる。ガイド資格取得方法については、省略する。 ※ガイドの資格基準は、国際山岳ガイド連盟加盟国においては統一基準で行われている。そ れ以外の国は、国独自の方針に基づく。 ※入山事情についても各国異なる。北米、特にカナダ、アメリカ、そしてニュージーランド の規制は、極めて厳しい。 ※原則的に現地ガイド(有資格者)の雇用が義務付けられているところが多い。 ※入山規制の多くは、環境保全及び国防上の問題であることが大きい。 ※入山申請のほとんどが、現地エージェントが代行し、その手数を省略し、入山しやすいシ ステムを設けている。 ※チリ、エクアドルについては国際山岳ガイド連盟(UIAGM)加盟申請中 <公益社団法人日本山岳ガイド協会調べ>
© Copyright 2024 Paperzz