原 北 の 風

原 北 の 風
福岡市立原北中学校
校訓
磨き 合う 助け合う 鍛え 合う
掲示板のことば
学校だより
平成 27
校
3 月
年
長
NO. 19
吉
塚
3 日
憲
博
「場」を読む力
「場」を見渡し
見渡し,自らの行動
らの行動を
行動を考え,常にその先
にその先を読もう。
もう。
<福岡県小・中学校作文コンクール 最優秀賞獲得>
2月21日(土)第50回「JA共済」小・中学校作文コ
ンクールで,2年生の西野愛子さんが,応募総数11万70
00点以上の中から最優秀賞(西日本新聞社賞)を獲得しま
した。今回の学校だよりでは,その全文を掲載したいと思い
ます。とてもすばらしい作品です。
みなさん是非お読み下さい。
失敗が成長へ,成長が成功へ
「じゃあ,この問題分かる人。」
まだ入学して間もない教室に,優しく尋ねる先生。挙手する数人の生徒。どの
クラスでも見られる普通の授業の光景。でも,私はこういった「普通の授業」が
苦手だ。なぜかというと,私にとって不得意である「発表」があるからだ。
発表が私にとって不得意だと思うようになったのは,小学校五年生の頃。当時
の私は発表することが大好きで,絶対というほど発表の機会があれば手を挙げて
いた。しかしある日,国語の時間にクラス全員の前で発表し,堂々と間違えてし
まった。がーん。今までにないショックだった。すごく悔しかった。そして,何
よりも自信たっぷりに答えたのに!皆はどんな目で私を見ているのだろう?そう
考えた瞬間,顔が熱く赤くなり,恥ずかしくてうつむいてしまった。
それからというもの,私はずっと発表していない……というのは,小学校まで
だった。小学校は挙手制。発表したい人だけが手を挙げるが,中学校はそうはい
かない。先生が無作為に生徒を指名するシステムが追加される。なんと嫌なシス
テムだろう。私はそのシステムの度に神様にお願いしていた。私の名前を呼ばな
いで。お願い!
「よし,じゃあ西野。解いてみろ。」
当たってしまった。そんなときは必ず昔の失敗したときのことが頭に浮かぶ。嫌
だ。もう二度とあんな思いはしたくない。そして,
「分かりません」
分かってても言う。でもこれで,失敗しないですむ。そうして,一年生の一学期
は発表がない道を進んできた。
二学期になって間もない国語の授業。発表の時間によく挙手する頭の良い男子
が答えを間違ってしまった。私ははっとした。私が初めて間違えた二年前の光景
と全く同じだったからだ。しかし,そこからは全く違った。その間違えた男子は,
「そっか。なるほどね。」とすぐに自分の間違えた内容を認め,納得した表情で
うなづいたのだ。さらに先生が,
「失敗をすることは全然く悪くない。悪いのは,失敗を恐れ,挑戦すらしないこ
と。」と言った。その瞬間,私はふいに涙が出そうになった。