背景 ミスファイル ミスファイルを防ぐには? 目的 方法 1

背景
Investigation of Misfiled Cases in the PACS
Environment and a Solution to Prevent Filing Errors
for Chest Radiographs
B06R101F
風間 清子
ミスファイル
主な原因 human error
IDの入力ミス(これは危険)
名前の入力ミス
ミスファイルの頻度は多くないが
しかし,間違った画像の読影は
深刻な医療事故につながる
• 病院で大量のデジタル画像が発生しているため
PACSはますます重要となる
• 患者情報は,正しくPACSに保存されるはずが
入力ミスなどにより,間違った患者情報が
保存されることがある→ミスファイル
• HL7とDICOMの採用によりミスファイルを
保存する頻度を少なくすることができる
• しかし,human errorを全て無くすことはできない
ミスファイルを防ぐには?
ひとつの提案として
• 画像がPACSに転送されたらすぐに
ミスファイルを発見する
• 放射線科のスタッフに自動的に警告する
↓
ミスファイルを防がなければ!!
システムの開発が望まれる
目的
方法1
• 大阪大学病院での
各モダリティでのミスファイルの調査
• 産業医科大学病院での
PA方向胸部X線写真の患者自動認識の
有用性
大阪大学病院
期間:2000年3月から2002年3月の25ヶ月間
対象:一般撮影室,CT, MRI,透視室,
血管撮影室,超音波検査,シンチグラフィ,
オペ室,ただしマンモグラフィは除く
これらは院内ネットワークとRISにつながっている
• 各モダリティでのミスファイルの件数を集計
• 病院スタッフの報告書をもとにミスファイルの
原因を調査
1
方法2
使用機器1
大阪大学病院
RIS PC-RIS version 1.0
Teijin System Technology株式会社
HIS
PC-ORDERING’97 [R1.7]
MegaOak NEMR [R4.1.12.2]
CR
PACS
NEC株式会社
Fujiフイルム株式会社
MegaOak Media Navigator version 3.0 NEC株式会社
使用機器2
産業医科大学病院(福岡)
• CR
産業医科大学病院(福岡)
期間:2001年6月から2002年10月の17ヶ月間
対象:CRで撮影されたPA方向の胸部X線写真
• テンプレートマッチングに基づき
現在と過去の写真の類似度の相関値により
同一患者もしくは異なる患者(ミスファイル)を
識別する
患者自動認識のフローチャート
オリジナル画像
Selection of current and previous chest radiographs
from a patient’s folder
1760×1760 matrix size を
bilinear interpolation法により
64×64 matrix sizeに
Determine the correlation value between a current and
縮小した画像を利用
OD-F613
Fujiフイルム株式会社
Is the correlation value
obtained from without edgeenhanced image smaller than a
threshold value (0.85)?
• Image server for temporal subtraction system
Trudia
a previous chest radiograph without and with edge enhancement
No
Yes
Yes
Is the correlation value
obtained from without edgeenhanced image smaller than a
threshold value (0.51)?
Different patient
Mitsubishi Space Software株式会社
No
Same patient
Provide a warning sign on a monitor
Provide a message on a monitor
Confirmation by radiologists
結果1
患者自動認識
1. 縮小した画像をエッジ強調なしで相関値を
比較する.0.85より小さい値→異なる患者
2. 0.85より大きい値のとき,Sobelフィルタによる
エッジ強調ありで比較する.
相関値0.51より小さい値→異なる患者
0.51より大きい値→同一患者
3. 異なる患者→モニターに警告を表示
同一患者→モニターに同一患者と表示
4. 放射線科医により確認
Modalities
Radiography
大阪大学病院
Number of
Total number
misfiled cases
of cases in
in 25 months
25 months
139(0.075%)
186,521
Radiography of emergency room
52(0.429%)
12,125
Ultrasound
50(0.669%)
7,469
29(0.89%)
32,665
Computed tomography
Magnetic resonance imaging
Scintigraphy
22(0.159%)
13,823
9(0.075%)
12,029
Radiography in operating rooms
9(0.485%)
1,856
Angiography
8(0.277%)
2,886
Gastrointestinal examination
5(0.081%)
6,181
Fluoroscopy
4(0.109%)
3,667
327(0.117%)
279,222
Total
2
結果2
Same patients
産業医科大学病院
結果3
Correctly recognized misfiled case
No warning
Warning
1,656(98.5%)
25(1.5%)
3(13.6%)
19(86.4%)
22(100%)
1,659(97.4%)
44(2.6%)
1,703(100%)
産業医科大学病院
Incorrectly recognized as the same
patient for actual misfiled case
Total
1,681(100%)
Different patients
(misfiled cases)
Total
• 同一患者を認識できなかった25件(1.5% 25/1,681件)の主な
原因は,手術後・胸水・肋骨骨折・横隔膜の位置の違いであった.
しかし,これらは放射線科医は容易に同一患者と認識していた
• 正しく,異なる患者(ミスファイル)を認識して警告できたのは
19件(86.4% 19/22件)
考察1
大阪大学病院のミスファイルの主な原因
・患者IDおよび氏名の入力間違い
間違った手入力がミスファイルを引き起こす
特にRISに繋がってない救急・ベッドサイドで
の検査のときはミスファイルが生じる
産業医科大学病院のミスファイルの原因
・IDカードの間違った取り扱い
Incorrectly recognized as different
patient (false warning)
0.78
0.71
Previous: 0.93
(without edge enhancement)
Current: 0.76
(with edge enhancement)
Correlation value
考察2
今回行なった患者自動認識の方法は,
ミスファイルを発見する完璧な方法ではなかった.
しかし,異なる患者を正しく異なる患者と認識する
割合は86.4%(19/22件)と高く,患者自動認識は
ミスファイルを防ぐ方法として有用性を示す.
まとめ
本研究は,患者自動認識に対し
高い性能を示すが、
将来的に未知の事例を数多く使用するには
さらに性能を向上させる必要がある
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