添付資料 - 日本化粧品工業連合会

JCIA 国際活動
(2015 年度下半期
1.
ニュースレター
第2号
2015 年 10 月-2016 年 3 月)
国際会議・セミナー
2015 年 10 月 5 日~6 日
台湾衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)との技術交流会議を開催
@台北
台湾の薬事改正を前に、TFDA が課題と考えている化粧品の GMP 管
理などについて JCIA から日本の仕組を講演した(下記参照)。Q&A
では行政の立場から日本行政が行う企業への指導や管理方法など、具
体的な事例に関する質問が多く、運用方法への関心の高さがうかがえ
た。また、台湾の化粧品工業団体とも意見交換会を実施した。
<TFDA-JCIA 技術交流会議> 以下敬称略
 開催地:
台北市 TFDA 会議室
 講演:
「化粧品 GMP 管理」JCIA GMP 委員 棟方(コーセー)
「医薬品部外品及び原料管理」JCIA アジア WG 梶谷(資生堂)
「化粧品の広告宣伝管理」JCIA アジアWGリーダー 田部(コーセー)
 参加者:
TFDA:医療機器及び化粧品組 林美智(簡任技正)、葉孟宜(科長)
、銭漢生(技士)
、方韻淑(副審査員)、
及び女性担当官 2 名
JCIA: 棟方,田部(コ-セ-)、梶谷(資生堂)、伊藤(花王)、千葉,神戸(事務局)
<台湾化粧品同業協会(TCIA/TWCIA)との意見交換会>
台湾の化粧品工業団体である TCIA および TWCIA との情報交換をおこない、業界から見た台湾における
規制面の課題や今後の対応について意見交換を行った。
2015 年 11 月 4 日~6 日
ICCR-9 本会議開催
@欧州
ベルギー(ブリュッセル)
ICCR は国際貿易への障壁を最小化しつつ、最高レベルの
世界的な消費者保護を維持することを目的に設立され、
現在、米国、欧州連合、カナダ、日本およびブラジルの
化粧品規制当局(日本は厚生労働省)がメンバーとなっ
て議論を重ねている。関連する各国化粧品工業会はテー
マごとの作業部会へ参画するとともに規制当局への情報
提供や提案を行っている。
9 回目となる本会議(年 1 回開催)が幹事国である欧州のベルギー(ブリュッセル)で開催された。
1
本会議の一環として、規制当局及び各地域の化粧品産業界との対話の場である Dialogue Meeting が 11 月
5 日に開催された。また、11 月 5 日には 規制当局により利害関係者会合が開催され、化粧品規制に関心
を持つ動物試験関連の二団体がプレゼンテーションを行った。

参加メンバー国:米国、欧州連合、カナダ、日本及びブラジル(今回から正式メンバーとして参加)
JCIA からの参加者:笠井(花王)
、高橋(資生堂)、三谷(紀伊産業)、山本専務理事、神戸(事務局)
 参加オブザーバー国:中国、サウジアラビア、南アフリカ、タイランド
 議題:
1) ガバナンス
2) 動物試験代替法/コンピューター予測モデル/構造活性相関モデル
3) 国際基準
4) 微生物汚染
5) 微量不純物
6) アレルゲン
7) 製品防腐
「製品防腐」では WG で作成した防腐剤に関する FAQ 文書が
提案され承認された。この文書は ICCR ウェッブサイトに掲
載されることが決定した。
第 10 回 ICCR 会合は 2016 年 7 月に米国で開催される。
2015 年 11 月 9 日・10 日
韓国・「International Symposium for Regulatory Management on Cosmetic
Products」での講演 および韓国化粧品協会(KCA)との交流会議開催@ソウル
11 月 10 日にソウルで開催された韓国食品医薬品安全評価院(NIFDS)
主催のサンスクリーン製品に関するシンポジュウムが開催された。
JCIA 紫外線専門部会より、P&G 松原委員が日本の UVAPF 測定法、及
び表示基準について講演を行い、韓国機能性化粧品基準への PA++++表
示導入に向け、日本の表示基準が欧米の基準に比べて消費者に理解しや
すいなど、韓国行政に対しその優位性をアピールした。
またこのシンポジュウムに合わせ、韓国化粧品協会(KCA)と実務者会議を行った。
実務者打合せでは、韓国での PA++++表示の動向やアジア 4 極会議開催、韓国の規
制動向などについて率直な意見交換をすることができた。
講演する松原さん
 出席者;
日本: 田部、神徳(コーセー)、松原(P&G)、田中(POLA)
、神戸(事務局)
 主な講演
Review of Sunscreen Test Methods and Labeling of Japan:松原(JCIA)
Regulations on Cosmetics and Quasi-drug in Japan:山本(PMDA)
Regulation and Management of Sunscreen in Korea :Dr. Jeongpyo Lee (NIFDS, Korea)
Regulation and Product development of Sunscreen in US:Mrs. Eunhee Ha (J&J,Korea)
EU regulation regarding UV screening filters:Mr. Claudio Pari (L’OREAL, France)
New In Vitro UVA test Method:Dr. Caroline Tricaud (L’OREAL, France)
2
2015 年 11 月 16 日-21 日
台湾衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)来日、
日本の行政当局、業界との交流会議を開催 @東京
アジア WG との交流会議
2015.11.16~11.21 にかけて TFDA 職員が来日し、MHLW、PMDA、
埼玉県薬務課、JCIA、コーセー、資生堂、ニコダームを訪問。日本にお
ける薬事行政、及び化粧品のヒト効能効果試験方法、倫理規定について
それぞれ Q&A を行った。
JCIA は会員企業の協力も得て企業訪問、行政当局との面会を調整。
TFDA からも感謝の意が表された。
 来日者:
TFDA 林美志(簡任技正)
、錢漢生(技士)
方韻淑(副審査員)
、黄明權(前副組長)
 参加者:JCIA アジア WG
 訪問先:
企業: コーセー、資生堂、ニコダーム、JCIA
行政: MHLW、PMDA、埼玉県薬務課
PMDA 訪問
2015 年 11 月 19 日-20 日
中国・アジア太平洋地域化粧品技術者サミットを共催
@広州
中国・広東省日化商会からの要請をうけて、「アジア太平洋化粧品技術者サミット」を浙江大学華南工業
技術研究院、広東省日化商会、大韓化粧品協会とともに共催した。
広東は中国の化粧品国産メーカーの7割が集まる化粧品産業の中心的
地域であり、広東省日化商会は中国の国務院と直接パイプを持つ発言
力の大きい有力団体である。
日本の高い技術力を中国の化粧品関係者にアピールをする絶好の機会
であり、SCCJ セミナーや SCCJ 研究討論会で既に発表された講演内
容を中心に、化粧品の評価法、処方技術、原料開発技術、PA++++表
示の優位性に関する 5 議題を発表した。発表内容とその評判は、参
加者の SNS や、Web マガジンにて即日情報発信されており、日本か
らの講演は高評価であった。
日本からの講演者:左から大塚さん、大槻さん、
 開催地:中国広州珠江賓館
八木さん、増田さん、
(2人飛ばして)金子さん
 参加者規模:約 300 名
 日本からの講演
1)メーキャップ製品の機能性評価を目的とした化粧塗膜の微視的解析手法の確立
(㈱コーセー 大塚千恵)
2)ファンデーションの化粧崩れ評価法(花王㈱ 大槻理恵)
3)二相分離機構を用いたカップにつかない口紅の開発(㈱資生堂(中国)八木克彦)
4)植物エキスができるまで(丸善製薬㈱ 増田政彦)
5)紫外線防止に関する技術(
(㈱コスモステクニカルセンター 金子直紀)
 主な出席者
日本:JCIA 中国 WG メンバー企業、中国化粧品連絡会メンバー企業から多数
中国:広東省日化商会 陳会長、余副会長
:浙江大学華南工業技術学院 巌常務副院長,浙江大学 鐘教授, 中国の化粧品企業等
韓国:大韓化粧品協会 中国代表 鄭工場長
3
2015 年 12 月 5 日-9 日
ISO 総会への参画
@ドバイ(アラブ首長国連邦)
ドバイで開催された ISO 総会に参画し、日本の利益確保の観点や技術・
科学的知見を基に積極的に発言し、議論の深化にも大きく貢献した。
 開催地: ドバイ(アラブ首長国連邦)
 参加国: 日、仏、米、独、ブラジル、南アフリカ、韓国、タイ、
シンガポール、 など
 概要
 WG1(微生物試験法):高野、神戸(事務局)
・「不織布製品や化粧用具の微生物制御」に関する議論
・「微生物学的低リスク評価ガイドライン」に関する議論
 WG3(分析法):笠井化粧品原料部会長(花王)、渡辺(P&G)
・中国提案の「GC/MS による DEA 分析法」に関する議論
・アルゼンチン提案の「安定性試験法」に関する議論
・CEN 提案の「重金属を ICP-MS で測定する方法」に関する議論
 WG4(ナチュラル・オーガニック):
高橋オーガニック化粧品等部会長(資生堂)、瀬上(資生堂)、高野,神戸(事務局)
・「ナチュラル/オーガニック原料の定義」に関する議論(FDIS 投票は賛成多数で可決)
・「ナチュラル指数、ナチュラル由来指数、オーガニック指数、オーガニック由来指数」に関する
議論
 WG7(紫外線防御試験法):畑尾紫外線専門部会長(資生堂)、佐藤(資生堂)
・「Sun protection test methods - Water resistance」に関する議論
・「Sun protection test methods ‐Determination of percentage of water resistance」に関す
る議論
・「in vitro SPF 測定法」に関する議論
 その他
最終日の総会にて、WG2(包装・容器)、WG6(化粧品 GMP)を廃止することが決定した。
2016 年 1 月 19 日~20 日
マイクロプラスティックビーズに関するワークショップへ専門家派遣
@ワシントン D.C.
全世界的にマイクロプラスチックビーズ(以下 MPB)の環境影響への世論が高まっていることを受け、
PCPC(米国化粧品工業会)が主催し米国・ワシントン DC にて開催されたワークショップに JCIA からメン
バー企業の専門家が参加した。ワークショップでは各地域での法制化や環境調査などの現状を共有化した
のち、ポリマーやプラスティック、マイクロブラスティックビーズなどの定義や対象となる化粧品に配合さ
れる物質について科学的観点から議論した。また、海洋への環境影響への寄与や優先すべき物質、リスク評
価や広報活動の重要性についても多くの意見が出された。
JCIA では環境・サステナビリティー委員会にて検討に着手し、3 月 17 日付で JCIA より MPB の使用中止
に向けた速やかな対応を促す文書を会員企業に向けて発出した。
 参加団体
米国・欧州・カナダ・日本の化粧品工業会、ACI(米国洗浄剤協会), EFfCI(欧州化粧品原料連合会)
大学関係者
企業(P&G, Unilever, J&J, Dow, Estee Lauder, 他)
 JCIA からの参加者: 宮沢(資生堂)、川田(花王)、神戸(事務局)
4
2016 年 2 月 17 日
「第 4 回中日薬事法規検討会」を開催
@北京
加速化する CFDA の規制整備の動きに対し、日本から
の影響力強化を狙って、中日薬事法規検討会を開催し
ている。第 4 回は、当局を含めた意見交換をめざして
PMDA および CFDA と交渉し、
「化粧品の審査」をテ
ーマに両行政官同席による意見交換会の開催に成功し
た。本会には中国側から CFDA5 名、化粧品専門家 9
名が参加し、中国側の期待感を十分に感じることがで
きる会議となった。日本及び中国からそれぞれ講演(下記参照)を行い、その後、相互の化粧品審査につ
いて情報交換を行った。質疑応答では CFDA から数多くの質問があったが、佐藤上席審議役が率直な回答
をしてくださるなど、充実した意見交換を行うことができた。
【第 4 回中日化粧品薬事法規検討会】
 開催地: 中国・北京万達索菲特大飯店(Sofitel Wanda Beijing)
 参加者
CFDA:黄副司長、戚処長、劉処長ほか
CAFFCI・専門家:陳理事長、董技術総監、徐先生、石先生ほか
PMDA 佐藤上席審議役
日本国大使館:門脇参事官,西川書記官, 中国日本商会:藤原
中国化粧品連絡会メンバー:福王会長、中山副会長他 (17 名)
JCIA:山本専務理事、中国 WG メンバー、事務局 (11 名)
合計:47 名
 中国からの講演: 『中国化粧品行政許可の概要及び技術審査関連要求の概略』
(劉保軍保健食品審査センター処長)
 日本からの講演: 『日本における化粧品の許認可制度について』
(PMDA 佐藤岳幸上席審議役)
『日本における化粧品販売に関する企業の取り組み』(高橋中国 WG リーダー)
2016 年 2 月 28 日~3 月 2 日
PCPC 年次総会および ICCR, IAC 会議への参画
 開催地:
 主催:
米国・フロリダ
PCPC
@米国・フロリダ
パームビーチ
【PCPC 年次総会】
 参加者:行政関係者、各国化粧品工業会、化粧品企業、OEM 会社、調査会社など約 400 名
 JCIA からの参加者:笠井(花王)
、高橋(資生堂)、山本専務理事、神戸(事務局)
 主な講演:
Washington Report(業界の注目トピックス)
、中国の状況、マイクロビーズ、 ISO、TPP など化粧品
業界に関連するテーマの最新状況について講演が行われた。
講演する高橋さん
また、「Data Needs in a Dynamic Marketplace: Supply Chain Challenges and
Opportunities」をテーマとしたパネルディスカッションでは、化粧品に使用され
る成分が、消費者や流通業者、行政の要求により、これまで以上に詳細な情報の
提供を求められるようになっていることを踏まえ、各スピーカーから各地域での
状況、それに対する挑戦と機会について講演が行われた。日本からは高橋氏
(JCIA-資生堂)が「Relationship between raw materials suppliers and
cosmetic companies in Japan」と題して、日本における医薬部外品・化粧品制度の違いや、それを背景
5
とした使用原料に求められる要件、企業の責任、今後の展望等について講演を行った。
【ICCR 会議】
 参加工業会:ICCR メンバー工業会(欧・米・加・日・ブラジル)
ICCR で検討中の各テーマについて進捗状況の報告を基に議論を行った。
JCIA からの参加者:上に同じ
 議題:
・統合的安全性評価(新設) ・ISO(新設) ・微生物汚染 ・製品の防腐
・アレルゲン ・Trace ・オブザーバー参加国について
【IAC 会議】
 参加工業会:米国、欧州、カナダ、日本、韓国、ASEAN、オーストラ
リア、アルゼンチン、インドなど世界各国/地域から 16 団体が参加し、
各国/地域の規制の状況や業界共通の課題について意見交換した。
JCIA からの参加者:上に同じ
 議題:
・IAC 活動の原則について ・マイクロプラスティック ・コスメトビジランス ・AAT
・ICCR「製品の防腐」 ・訴求表現に関わる規制 ・エンドクリン
2016 年 2 月 26 日
インドネシア行政官との交流会議開催
@東京
インドネシアでは製品の届出、査察において ASEAN 化粧品指令
で設定されている要件以上の過剰な要求が多い。この現状を踏ま
え、日本製品の安全性に対する取組みや JCIA で制作管理してい
る自主基準等を理解してもらうためにインドネシア行政官を招聘
し交流会議を開催した。
 開催地:JCIA 会議室
 行政官:Ms Mayagustina Andarini(マヤ氏) 化粧品安全評価部門次長
 参加者:アジア WG、JCIA 事務局
 交流会概要
山本専務より JCIA の活動内容、日本の輸出入統計の推移等について講演をおこなった。
マヤ氏からは NA-DFC の活動ならびに組織、インドネシア化粧品規制、消費者のトレンド等について
講演が行われた。インドネシアでは ASEAN 化粧品指令に基づいて管理されており、化粧品の市販後管
理の強化、ホットラインの設立、ホームページでの製品の検索など消費者に分かりやすい表示の徹底が
なされていることが説明された。またインドネシアは最も生物多様性のある国のひとつであることから
ハーブを用いた化粧品の需要も高く、美白、サンスクリーン、ヘアカラー、歯磨き粉といった様々な用
途に用いられ、別途、植物成分に特化した安全性評価も行われているとの説明があった。また近年は男
性用の化粧品、ナチュラル化粧品、スパならびにハラル適用化粧品の需要も広がり、ハラル法について
は 2014 年の関連法案の制定を受けて、今後ガイドラインを策定するとのことであった。
Q&A では Notification No.の取得と記載を義務付している目的や輸入品に対する微生物、重金属測定
CoA の提出要求通知の運用などについて率直な意見交換をすることができた。
6
ジャパン・ビューティー・ウィーク 2015 、ASEAN 各地で開催
大使公邸セミナー(タイ)
日本の化粧品の先端技術力を紹介し、プレステージ性、ファッション
性、ネクストトレンドのイメージを醸成するとともに、日本の化粧品
関連産業による市場の拡大、日本国経済の持続的な成長に資すること
を目的として、ASEAN 各地でジャパン・ビューティー・ウィーク
2015 を開催した。
大使公邸では、有力ファッション誌や TV 局、VIP、流通関係者など
を招待したセミナーや化粧品の体験、レセプションをおこなった。
また、大型ショッピングモールのフロアーを借り切り、化粧品を紹介
するイベントを開催した。
その様子は、各国のメディアでも紹介され、大使館関係者や出展企業
からも好評を得るなど、成功裏に終了した。
 開催地:
2015 年 11 月 24 日 バンコク(タイ)
・大使公邸セミナー・レセプション
参加者 69 名
2016 年 1 月 29 日~31 日 ジャカルタ(インドネシア)
・大使公邸セミナー・レセプション
参加者 115 名
・プラザ・スナヤン 化粧品紹介イベント
来場者 1/30(土) 66,000 名、 1/31(日) 44,000 名
2016 年 2 月 24 日 クアラルンプール(マレーシア)
・大使公邸セミナー・レセプション
参加者 108 名
2016 年 2 月 26 日~29 日 ハノイ(ベトナム)
・大使公邸セミナー・レセプション
参加者 60 名
・Aeon Mall 3 号店 化粧品紹介イベント
来場者 2/28(日) 7,320 名、 2/29(日) 7,320 名
 セミナーの内容(大使公邸)
・日本人の美意識と化粧品技術について(JCIA 神戸)
・最新の化粧品の紹介(出展各社)
共催:経済産業省、日本化粧品工業連合会
メディア
7
リリース
大使公邸レセプション(マレーシア)
化粧品紹介イベント(ジャカルタ)
化粧品紹介イベント(ベトナム)
2016 年 1 月 18 日、19 日
化粧品輸出促進セミナー開催
@
東京・大阪
アジア諸国など発展が期待される海外消費市場ならびに化粧品規制について把握したいというメンバー企
業の要望に応えるため、中国、インドネシア(ASEAN)ならびにインドの最新経済、消費動向や輸出に
あたっての留意点について説明を行う「化粧品輸出促進セミナー」を日本貿易振興機構(JETRO)の協力
を得て開催した。


開催日時:2016 年 1 月 18 日(月)13:00-16:00
東京 発明会館ホール
1 月 19 日(火)13:50-16:50
大阪府立国際会議場
プログラム:
大阪会場
1. 中国の最新経済・消費動向
海外調査部中国北アジア課課長 箱崎 大
2. ASEANの最新経済・消費動向(インドネシアを中心に)
海外調査部アジア大洋州課課長代理 藤江秀樹
3 インドの最新経済・消費動向
海外調査部アジア大洋州課 西澤知史(東京)
大阪本部 事業推進課長(前ジェトロ・ムンバイ事務総長)古川 毅彦(大阪)
参加人数:
その他
東京
大阪
181 名
160 名
国際関連会議・電話会議など




国際委員会(12 月、3 月)
アジア WG(11 月、2 月)
中国 WG(10 月、11 月(2 回)、12 月、1 月、2 月、3 月)
ICCR WG 運営委員会(電話会議):進捗確認や業界の立場を議論。
笠井、川田(花王)、高橋(資生堂)、田部(コーセー)、三谷(紀伊産業)、
桑原(カネボウ化粧品)、山本専務、高野、神戸(JCIA)
・行政-業界ジョイント会議 (2 月、3 月)
・業界会議 (10 月(2 回)、1 月、2 月(2 回))
 ICCR-アレルゲン WG:笠井(花王)、神戸(JCIA)
・電話会議(10 月、11 月、1 月、2 月、3 月)
 ICCR-製品防腐 WG:大河(資生堂)、神戸(JCIA)
・電話会議(12 月、1 月、2 月、3 月)
 ICCR-微生物限度値:大河(資生堂)、神戸(JCIA)
・電話会議(10 月、12 月、1 月、2 月、3 月)
 ICCR-ISO 笠井(花王)、高橋(資生堂)、神戸(JCIA)
・電話会議(3 月)
 ICCR-統合安全性評価 笠井(花王)、畑尾(資生堂)、神戸(JCIA)
・電話会議(3 月)
8
2. 行政当局等への働きかけ
中国・頻発する意見募集稿に対し意見書を提出
次々と発布される意見募集稿に対し、JCIA 中国 WG および中国化粧品連絡会(在中国)とが連携し JCIA
から意見書を提出するとともに、経済産業省にも働きかけ日本政府からの意見書提出や WTO/TBT 会議
や日中二国間協議時の発言につなげた。
化粧品安全技術規範(意見募集稿)発布と公布



化粧品の成分規制や各種の試験法などをまとめた「化粧品安全技術規範」
(2007 年版衛生規範改
訂版)の意見募集稿が CFDA から 8 月 12 日に公布され、9 月 1 日に意見を提出していた。その
後、同じ内容が 9 月 21 日に WTO へ TBT 通報され、JCIA および経済産業省から締め切りの 11
月 20 日までに意見書を提出した。
JCIA の意見書では国際的に認められている各種試験方法の受容、施行日と猶予期間の設定、規範
変更に伴う切り替申請通知の発布(短期間で処方変更申請を進められるような救済措置)などを
要望した。従来の衛生規範と同様にEU規制の影響を強く受けているが、その他アメリカや韓国
などの規制も取り入れた内容となっている。
この技術規範は 12 月 23 日に正式に公布されたが、施行が約 1 年後に設定された以外は意見募集
稿からの大きな内容の変更はなかった。
植物分類化粧品新原料行政申報資料要求(意見募集稿)発布



植物由来原料の新原料申請の方法に関する「植物分類化粧品新原料行政申報資料要求」の意見募
集稿が 11 月 10 日に公布された。意見の締め切りは 12 月 10 日。
これまでは単一物質のみしか認められなかった新原料申請を、溶媒・防腐剤などの混合物の申請
を認める内容となっているほか、原料のリスクの高低によって、申請に必要な資料を増減させる
ことを定めた内容となっている。ただし、詳細の内容については不明な部分が多い。
中国化粧品連絡会で翻訳を行い、中国 WG メンバー各社で内容を確認し JCIA としての意見書を
提出した。
化粧品安全性リスク評価指南(意見募集稿)発布



化粧品用原料の評価方法に関するガイドラインの意見募集稿が 11 月 10 日に公布された。意見の
締め切りは 12 月 10 日。
原料の評価方法、参考とすべき情報、評価者の資格などを定めており、EU 型のリスク評価によ
る配合量の決定を各社自身で行うことを促す内容となっている。地場メーカーの技術力との乖離
があることが十分に考えられるため、本ガイドラインの位置づけや、実際の運用に関しては不明
な部分が多く、また代替法試験は認められていない。
中国化粧品連絡会で翻訳を行い、中国 WG メンバー各社で内容を確認し JCIA としての意見書を
提出した。
化粧品日焼け止め指数測定法(意見募集稿)発布



「化粧品日焼け止め指数測定法研究および編成説明」の意見募集稿が 2016 年 3 月 15 日に公布さ
れた。意見の締め切りは 3 月 31 日。
研究目的には「ISO と一致した化粧品紫外線防止指数の測定方法を策定する」とされているが、
内容には ISO と異なる部分が多い。
日本は ISO 法に準拠した測定法を JCIA 自主基準としている。「国際的に認められた ISO 法と異
なっているところがあるため、ISO 法の内容に合わせるか ISO 法の内容を含めるように変更して
もらいたい。
」を JCIA の主張とし、紫外線専門部会で内容を精査したうえで異なる点を具体的に
指摘した意見書を提出した。
9
日本語パッケージに記載された「無○○」への表示変更指示へ異議申し立て


日本から輸出された日本語パッケージに記載された「無香料」等の表示に対し、薬事審査時にお
いて原包装からの削除や変更を求める意見書が会員各社に相次いで発出された。
中国における化粧品審査では外国語への表示に対する規制はないため、会員各社から審査結果を
不服として異議申し立てを行ってきたが、引き続き意見書が発出されていることから、JCIA から
異議申し立てを行った。
インドネシアにおける重金属測定要求へ異議申し立て
インドネシアで完成品輸入時に毎回、ロット毎の重金属測定、微生物試験の COA(分析証明書)提出が求め
られていることが会員企業から問題提起された。アジアWGで検討した結果、過剰な措置であるとして
JCIAからBPON(インドネシア食品医薬品庁)に対し異議申し立てを行った。
EU・酸化チタン規制案が WTO 通告される
欧州では、化粧品は Regulation (EC) No 1223/2009 of the European Parliament and of the Council
on cosmetic products にて規制されており、UV filter は当該規則の AnnexⅥに収載された成分しか使
用できない(いわゆるポジティブリスト)。欧州委員会の科学諮問機関である SCCS が業界から提出
した安全性ドシエを評価後に公表したオピニオンに基づいて、ナノタイプの酸化チタンを AnnexⅥに
収載する規制案が作成され、2015 年 12 月 9 日付で欧州委員会より WTO に通知された。コメント受
付期間は通知から 60 日間。
UV Filter としての酸化チタンはナノマテリアルであるか否かに関わらず、これまでも EU、米国、日
本、中国や ASEAN 諸国などで、長期間にわたってサンケア化粧品等に幅広く利用されている。ま
た。ナノマテリアルであることに起因すると考えられる問題は認識されていない。このように機能
性、安全性に優れた化粧品原料の使用を制限する合理的な理由はなく、さらに今回提案された規制案
にはアスペクト比、表面コーティング剤等に関し製制約条項が付与されていたことから、JCIAで
はTFを設置して検討し欧州委に対して意見書を提出した。また、日本政府へも働きかけ、政府から
の意見書提出を実現し、3 月に開催された WTO/TBT 会議での意見発出につなげた。
意見書のポイント
1. アスペクト比、表面コーティング剤等に特定の制限条項を付与すべきではない。
2. コーティング剤の追加で必要となるデータ項目を明確にすべきである。
3. コーティング剤以外の規格項目が異なるナノ酸化チタンの追加に必要となるデータ項目を明確に
すべきである。
4. 欧州委員会によるパブリックコンサルテーションが実施されるべきである。
5. 十分な猶予期間を設けるべきである。
10
ISO
2015 年度
提案文書の審議と投票実績
青字は 2015 年度下期実績
1) 投票実績
Type
Reference
内容
WG
開始
終了
WG7
2015-02-18
ISO スタンダードガ
イドライン
ナチュラル/オーガニ
ック原料の定義
WG1
賛成・反対・棄権
日本
2015-04-18
19
2
17
賛成
2015-03-11
2015-05-11
19
11
8
賛成
WG4
2015-04-12
2015-05-12
29
0
9
賛成
WG3
2015-04-12
2015-05-12
27
1
11
賛成
全体
2015-04-29
2015-05-29
21
6
10
反対
全体
2015-05-19
2015-06-19
20
7
11
反対
No
NP
N 375
Water resistance 水浴
DTR
19838
CIB
16128-1
CIB
AWI TR
安定性試験ガイドライ
18811
ン
Liaison SBS
SBS のリエゾン参加を
の方法
CIB
認めるか
CIB
Liaison
IFOMA のリエゾンメ
IFOAM
参加を認めるか
FDIS
18416 (Ed 2)
カンジタ確認試験法
WG1
2015-06-25
2015-08-25
28
2
3
賛成
FDIS
21150 (Ed 2)
大腸菌確認試験法
WG1
2015-06-25
2015-08-25
29
1
13
賛成
FDIS
22717 (Ed 2)
緑膿菌確認試験法
WG1
2015-06-25
2015-08-25
29
1
13
賛成
FDIS
22718 (Ed 2)
黄色ブドウ球菌確認試
WG1
2015-06-25
2015-08-25
29
1
13
賛成
WG3
2015-09-08
2015-10-08
26
0
14
賛成
ナチュラル/オーガニ
ック原料の定義
ナチュラル指数、オ
ーガニック指数等
WG4
2015-09-07
2015-11-07
33
1
8
賛成
WG4
2015-08-28
2015-11-28
28
4
15
賛成
不織布製品や化粧用具
WG1
2015-09-09
2015-12-09
22
2
15
賛成
験法
CIB
AWI 18818
FDIS
16128-1.2
DIS
16128-2
NP
N 391
GC/MS による DEA
分析法
の微生物制御
10/1 以降の提案案件から「ISO 化粧品審議委員会」による投票案承認へ移行
SR
24444
in vivo 紫外線防止効
WG7
2015-10-15
2016-03-15
(2010)
果(SPF)測定法
DIS
16128-2.2
ナチュラル指数、オ
ーガニック指数等
WG4
2016-01-14
2016-03-14
集計中
賛成
NP
N412
ICP/MS を用いた製品
WG3
2016-01-14
2016-04-14
審議中
賛成
集計中
Amend
中の重金属測定法
DTR
18818
GC/MS による DEA
(案)
WG3
2016-03-01
2016-05-01
審議中
WG7
2016-02-03
2016-06-03
審議中
WG1
2016-03-24
2016-06-24
審議中
分析法
NP
18861
紫外線防止効果-耐水
性のパーセンテージ
DIS
29621
微生物学的低リスク製
Revise/
品評価ガイドライン
11
2) 作業中の文書
Type
Reference
内容
WG
開始
終了
賛成・反対・棄権
日本
No
AWI
16217
Water resistance 水浴
WG7
の方法
DTR
19838
ISO スタンダードガ
イドライン
WG1
TR
18811
安定性試験ガイドライ
WG3
ン
3)新たに ISO として発行された文書
ISO 16128-1:2016 ナチュラル/オーガニック原料の定義:発行 2016 年 2 月 17 日
Guidelines on technical definitions and criteria for natural and organic cosmetic ingredients and products
-- Part 1: Definitions for ingredients
4)その他
ISO 化粧品審議委員会の設置
ISO の投票案件について JCIA 担当部会で検討した投票案を承認する仕組みとして、新たに「ISO 化粧品
審議委員会」を設立し 10 月より運用を開始した。これに伴い、それまでその責務を担っていた国際委員
会は、ISO 案件に関して情報共有、意見交換は行うが、投票案決定には関わらなくなった。
以上
12