平成21年度の活動概要 「北前船ルート蔵屋敷

平成21年度の活動概要 「北前船ルート蔵屋敷ネットワーク」
1、 背景と狙い
北前船など古代からの舟運は、全国物流の集結点として、大阪を「天下の台所」とし、全
国各地からの食材と料理文化は、「食いだおれ」の大阪文化を生んだ。
舟運の基礎の上にできた全国問屋としての機能(物流と人的交流、情報と文化の流れ)
は、全国津々浦々の商店街を大阪の問屋街と繋げていた。
最近は大阪の物流機能(問屋機能)の衰退が激しい。大阪と北前船で結ばれた地方との
交流・連携を現代に復活させて、全国一元的な大規模物流とは異なった、小さな地域にお
ける小規模特産物を物流させる仕組みを、地方と地方を結ぶバイパスを構築して行う。こ
の仕組みを、「北前船ルート蔵屋敷ネットワーク」による「ぼうさい朝市&昼市」と料理人の
「蔵奉行ネットワーク」でビジネス・プラットフォームとして作り上げることが目標である。
舟運は、風待ち、潮待ちを重ねて、モノと人の交流を行ってきた。隣の港と隣の港をつなぐ
ように船は航ってきた。防災にも、隣と隣、地域と地域のつながりが大切であり、防災ネットワ
ークを日常的な交流のシステムとする「ぼうさい朝市」を連続的に開催して、「災害時の隣ネ
ットワーク」を構築する。
現代も活用されている酒田の米倉
北前船
江戸時代の大阪(八百八橋)
2、蔵奉行ネットワーク
・かつて「天下の台所」と呼ばれた大阪と北前船で結ばれた地方との交流・連携を現代に復活させ
るため、大阪で活動する北前船ルート各地の出身シェフを地域連携の核となる人材(「蔵奉行」)と
して育成・認定し、水都大阪と各出身地とを連携してネットワークを構築し特産物の物流と人の交
流を促進している。
・故郷の素材や料理文化にこだわるシェフを蔵奉行として32名認定(H22年3月現在)。蔵奉行の講習会を開催
して、大阪と故郷と防災に対する「気構え」、料理と文化に対する「腕前」、故郷の素材にこだわる「自前(地前)」
の3つを元にした地域活性化の人材育成を行っている。
・蔵奉行の故郷の食材や特産物と、シェフ(蔵奉行)自身の料理を、「防災朝市&昼市」で紹介披露して大評判を
呼んでいる。
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(岡山県笠岡市「ぼうさい朝市」)
(大阪・水都大阪「ぼうさい朝市」) 古庄シェフ推薦の
災害地へのチャリティ呼びかけ
古庄シェフのシチュー
(気構え)
山形県庄内地方のベリートマト
(腕前)
(地前)
3、防災ネットワークと、「ぼうさい朝市」
…全国から美味しい救援物資がやってきた!
地元の商店街、町内会、防災リーダーや学校等と行政・専門家等の地域内コラボと、北
前船ルートの全国ネットワークの連携で、「ぼうさい朝市&昼市」は、山形県酒田、大阪
市の淀川、神崎川、八軒家浜、江之子島、岡山県笠岡、鹿児島、宮城県南三陸で8回開
催。「美味しくて面白い防災セミナー」や川筋防災訓練を6回開催。延べ11万人参加。
山形県酒田
いも煮
川筋
防災訓練
神崎川ぼうさい朝市&昼市
学生マルシェ(伊勢の伊勢エビ、島根のヤマメ)
平松大阪市長が
鹿児島県の
桜島小みかん
つかみどりに挑戦
今年度の「ぼうさい朝市&昼市」では、地方の山村漁村と商店街を学生がむすぶ「学生
マルシェ」が、料理人「蔵奉行ネットワーク」とともに、新しいビジネスモデルとして登場。美
味しくて楽しい防災訓練に強力なインパクトを与えた。地域の町内会と若い音楽家たちとの
協働の作業で、本邦初「地震セッション」のシーンも登場した。ぼうさい朝市の1週間前に開
催する「美味しくて楽しい防災セミナー」は、地域への情報発信として効果絶大であった。
4、ネットワークのビジネス・プラットフォーム
蔵屋敷ネットワークを、協議会から事業母体LLP(有限責任事業組合)へと組織化し、
事務局機能強化のため、LLCも同時に設立した。ホームページを立ち上げ、「ぼうさい朝
市」に出展する全国各地の特産物のショッピングサイトを開設した。
URL: http://www.kitamae.jp
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