理事長巻頭言成熟した地域となるためには静岡総合研究機構理事長竹内宏遅れた国が成長するには､まず外資工場のンチャー企業が生まれることだ｡それらが成誘致が必要であるが､外資工場だけに依存し長して､本社や研究所が充実し､また工場をていると､産業構造は高度化しない｡と言う内外各地に展開するのである｡幸いなことに､のは､外資は本社や研究所を本国に置いてお静岡県では､約100年前から自動車や楽器等り､海外工場はその手足に過ぎないからだ｡の巨大企業が続々と育ち､それらの企業の本経営にとって必要なことは､ほとんどすべて社や研究開発機能部門が県内に立地している｡本社で決まり､最先端技術の開発は研究所でこれからの成長産業である医薬､環境､ IT産進められる｡その会社の優れた人材は本国に業でも､ベンチャー企業の成長が期待される｡集中し､そこで高賃金が支払われ､最新情報また中央資本が工場進出する時には､同時が交換される｡これに対して､海外工場ではに研究開発機能を移転することが期待される｡極端に言えば低賃金労働力が指示された仕事そのためには､次のような環境が整っていなを繰り返しているに過ぎない｡ければならない｡第１には研究のレベルが高遅れた国が先進国になるためには､自国のい大学が存在し､産学共同研究や優れた人材企業が次々成長して､本社や研究開発機能がの供給が可能なことであり､第２に優秀な小・定着することが必要だ｡外資の導入によって中・高校があることだ｡多くの研究者は子ど経済がある程度成長し､工業のノウハウが吸もの教育に熱心であって､地方に単身赴任し収された後に､民族企業が続々と生まれ､本ている主たる理由は､子供を東京の学校に通格的な工業化が達成されるのだ｡つまり自立わせるためである｡第３に豊かな自然と優れ的成長力が生まれるのである｡現在､中国やた文化的環境が必要である｡インドは外資に支えられた成長から､民族系こうした環境が整っている地域には､観光企業による成長に転化している｡産業も栄えるだろう｡欧米の優れた学問都市地域経済でも同じことだ｡遅れた県は工場は同時に文化都市であり､気品がある観光都団地を造り､中央資本の工場を誘致している｡市になっている｡そこでは国際的な音楽祭､確かに､地域の雇用が拡大するが､それによっ演劇祭､学会等が開催され､世界の頭脳が頻て地域経済が高付加価値化の道を辿るわけで繁に集まり､最先端情報が交流する機会が増はない｡下手をすると､高給取りの工場幹部え､ベンチャー企業が発達しやすい｡がことごとく単身赴任であって､給与の多く内外の研究者が好む街では､豊かな緑の中が東京で生活している妻子によって東京で支を水が流れ､市内交通は公共交通機関であっ出され､専ら東京の高級な消費需要を誘発すて､道路は歩行者と自転車のためにある｡こるという結果になりかねない｡うした都市をつくれるかどうかは､成熟した地域にとって重要なことは､まず多数のベ市民が多いかどうかにかかっている｡ − 1 −