中国の大学生における SNS(交流サイト)の 選択要因

筑波大学大学院博士課程
システム情報工学研究科修士論文
中国の大学生における SNS(交流サイト)の
選択要因
李鵬生
修士(ビジネス)
(経営・政策科学専攻)
指導教員 石井健一
2013年
3月
第1章
1.1
背景と研究目的
研究の背景
近年、インターネットの普及にともない、SNS(social network service)が世界中で流
行している。SNS とはネット上で構築されるコミュニティを提供するサービスのことであ
る。SNS を通して、友人とのコミュニケーションを促進し、趣味、生活地域、出身校など
の情報を通して新しい友達を作ることができる。近年、中国で SNS が飛躍的に発展してい
る。2010 年末には中国の SNS 利用者は 1.5 億になり、前年からの増加率は 33.7%であっ
た。
しかし、中国ではネットにおける規制が非常に厳しいため、Facebook や Twitter など世
界最大級の SNS は利用できない状態になっている。海外の SNS が利用できない代わりに、
中国独自の SNS が大きく成長している。例えば、Facebook とほぼ同じ機能を持つ「人人
網」と、中国版 twitter と呼ばれる「微博(ウェイボー)
」がある。 また、SNS は成長率
の差が大きい。たとえば、2010 年末から 2011 年末まで、人人網の利用者数は 2 億 3505
万人から 2 億 4424 万人まで増えた(3.9%増)。それに対し、新浪微博の利用者数は 6311
万人から 2 億 988 万人まで増えた(296.0%増)。このように、SNS の利用者争奪戦は激し
い。
SNS の基本的な機能は友人関係を促進することである。先行研究によると、SNS 上で日
記を閲覧、書くことによって作者が他者を理解すると同時に、自分を理解してもらえる関
係を作れる(梅田ほか,2007)。SNS は日本では既知の友達が多く個人情報の開示度が高い
「強いつながりの SNS」(Facebook、mixi)と、既知の友達が少なく個人情報の開示度が
低い「弱いつながりの SNS」(モバゲー、グリー、Twitter)に分かれるとされる。個人情
報の開示度は SNS の利用頻度や友達の数と有意な相関がある。(石井,2011)。
中国では、強いつながりの SNS としては人人網と弱いつながりの SNS としては新浪微
博が代表的な SNS である。人人網は最初は 2005 年に中国清華大学の卒業生によって設立
された校内ネットワークであり「校内網」と呼ばれていた。2006 年 10 月に千橡互動集団
に買収され、全中国の大学生に向けて日記、写真、ゲームなどのサービスを提供し始めた。
友人の検索をできるようにするため、校内網は利用者に実名登録と詳しい学校情報の入力
を求めていた。2009 年 8 月 4 日、多くの利用者が大学から卒業して職場に移ったことを考
慮して、校内網は「人人網」という新しい名前にかえた。人人網のほとんどの機能は Facebook
を踏襲しており、
「中国版の Facebook」と呼ばれている。2011 年 9 月末時点で登録者は 1.5
億人である。
千橡互動集団の競争相手である北京開心人信息技術有限公司は 2008 年 3 月から開心網を
設立した。開心網は、人人網と似たサービスを提供し、若いサラリーマンから人気を集め
ている。2011 年末の利用者数は1億であった。
1
2005 年から日記機能を提供し始めた QQ 空間は騰訊公司(テンセント社)が提供するサ
ービスである。QQ メッセンジャー(中国最大のインスタントメッセンジャーであり最大同
時オンライン利用者者数は 4970 万人)と連動して、QQ メッセンジャーから直接ログイン
することができる。QQ 空間では日記、写真、音楽登録、アバターなど様々のサービスを提
供しているが、一部のサービスは有料である。たとえば、ページの装飾やアバターの服を
買うには料金を払うことになる。自分のウェブページの装飾などができるので、QQ 空間は
若者から人気を集めていた。QQ のブランド力を背景として、2011 年末には QQ 空間の利
用者数は 6 億になった。なお、QQ 空間は実名登録が必要なく、QQ メッセンジャー上の友
達と交流することができる。
新浪微博は中国新浪公司が運営するマイクロブログであって、2009 年 9 月にサービスを
開始した。「つぶやき」と言われる短いメッセージの投稿、写真のアップロード、コメント
などの機能を揃えている。新浪微博ではメッセージの長さに 140 字の制限があり、個人的
なやりとりと情報発信、収集、伝達に多く使われる(張・石井、2012)。2011 年 7 月に中
国浙江省で起きた高速鉄道の追突事故では、新浪微博などの微博(マイクロブログ)は、
事故現場からの最新情報の報道、事故処理への議論など様々な役割を果たした。2011 年末
時点で新浪微博の利用者は 3 億人を超えている。
中国では新浪微博と似た機能を持つ微博(マイクログログ)は他にもいくつかある。た
とえば、中国で代表的なポータルサイトをもつ IT 企業である捜狐公司は捜狐微博を運営し
ている。ただし、捜狐微博ではメッセージの字数制限がない。もう一つの代表的な微博で
ある QQ 微博は騰訊公司により捜狐微博と同じく 2010 年 4 月からサービスを提供し始めて
いる。捜狐微博と似た機能を持つが、QQ のブランド力によって利用者の数は急速に増え、
2011 年末には 2 億を超えた。QQ 微博で発表するメッセージは 140 字の制限がある。
微博は情報発信と伝達の速さによって社会的影響力を高めている。一方、情報の伝播に
強い微博によって歪曲された情報も流されることがある。微博は実名登録を要求しないた
め、社会的なトピックに便乗して自分の好みや目的のために情報を歪曲する人がいる。2011
年 3 月、東日本大震災の時、
「ヨード添加塩が放射能を防ぐ効能がある」という噂が微博の
上で流れ、中国各地のヨード塩は買い占められ、塩の値段が何倍にも高騰した。東日本大
震災と高速鉄道追突事故をきっかけとして、微博は人々の社会問題への注目を高め、政治
関係者に圧力をかける要因ともなっている。
インターネット上の違法行為や犯罪の取締りや社会の信用の向上に積極的な役割を果た
すため、2011 年末から、中国政府は北京、上海、天津、広州、深センの 5 つの都市で、微
博の実名制登録を試行した。これにともなって各社の微博サイトは実名認証システムを導
入し、これらのシステムは公安部門の認証システムに接続した。政府のこの規制により、
2012 年 3 月 16 日以降は利用者は自分の本名や身分証明書番号を登録していないと微博で
閲覧はできるが、書き込みやリツイートすることはできなくなる。実名登録によって、虚
偽情報の散布、詐欺などの問題は解決されるかもしれないが、個人情報の流出などを心配
2
している人も多い。そのため、一般民衆からの反対などによって、2012 年末では全面的な
実名認証はまだ実施されていない。
上に述べた 7 つの SNS の特徴を表 1-1 でまとめた。各社のサービスを比較すると、新浪
微博、捜狐微博と QQ 微博は無料サービスを提供しているが、人人網、開心網、QQ 校友録
と QQ 空間では一部分の有料サービスを提供している。
表 1-1.主要な SNS の特徴
サービス開
利用者数
有料・無料
利用目的
始年
新浪微博
2009 年 11 月
3 億1
無料
情報の発表、
捜狐微博
2010 年 4 月
5200 万2
無料
収集、伝達
QQ 微博
2010 年 4 月
3 億3
無料
人人網
2006 年 5 月
2 億4
一部のサービスは有料
日記、写真、
開心網
2008 年 3 月
1 億5
一部のサービスは有料
友達と連絡
QQ 校友録
2009 年 1 月
発表していない
一部のサービスは有料
QQ 空間
2005 年 6 月
6 億6
一部のサービスは有料
日記、写真、
アバター
これら 7 つの SNS 以外にも、数多くの中国独自の SNS が乱立している。たとえば、新
浪微博と似たサービスを提供している網易微博、QQ 空間と似たサービスを提供している百
度空間、出会い系 SNS の 51 同城、世紀佳縁、同じ趣味の仲間同士が集まっている豆瓣網
などがある。データによると、中国 SNS 利用者においては、登録している SNS の数は利
用者 1 人あたり 2.78 である。つまり、利用者は複数の SNS サイトを登録していることが
分かる(CNNIC,2009)。
1.2
中国の SNS に関する先行研究
中国には SNS の利用実態やその影響については様々な研究がある。
周静ほか(2011)による人人網と開心網の利用者の調査結果によると、利用者の SNS 上
の関心分野はログイン頻度と関連していった。交流、ゲーム・娯楽を重視する人は SNS の
ログイン頻度が高かった。また、SNS 機能ごとに利用者の属性差があった。例えば、SNS
の発言の引用の利用率は低く、女性より男性、学生より社会人の方が低かった。また、年
1
2
3
4
5
6
21 財経聚合捜索(2012 年 8 月 16 日)
新浪科技(2011 年 8 月 25 日)
騰訊科技(2011 年 11 月 11 日)
科技訊(2012 年 3 月 31 日)
網易科技(2011 年 2 月 28 日)
IT 商業新聞網(2011 年 9 月 13 日)
3
齢の高い人は低い人よりゲーム機能をより利用する傾向があった。
鄭勝利ほか(2012)は大学生と若いサラリーマンを対象とした調査を実施している。そ
の結果によると、現実世界で友達が多い人は SNS でも頻繁に書き込みする傾向があった。
しかし、SNS のログイン頻度と書き込み頻度には関係が見られなかった。また、SNS サイ
トの安定性(ページの表示速度など)と書き込み頻度には正の関係があった。
唐莉斯ほか(2012)が人人網、開心網、QQ 校友録において実施した調査によると、ゲ
ーム・娯楽と SNS 利用を維持する意欲とは正の関係があった。SNS 上のゲームに強い関心
を持つ人は、この SNS を利用し続ける意欲が強かった。また、SNS サイトの安定性(ペー
ジの表示速度など)と SNS の利用し続ける意欲との関係は見られなかった。また、殷国鵬
ほか(2010)が対外経済貿易大学と中国人民大学の学生に実施した調査結果によると、プ
ライバシー意識が高い人は、SNS を利用し続ける意欲は低いという傾向がみられた。
微博に関する研究も既にいくつかなされている。微博の利用動機においては、北京市網
絡媒体協会(2010)が行った調査では、多い順に「個人意見や感想を発表する」、「他人と
人気のトピックを討論する」、「新しい情報の獲得」となっている。張、石井(2012)によ
る新浪微博の研究によると、画像がある発言や社会的なトピックがリツイートされやすい。
また、日本の Twitter では個人的な話題が多く、情報は仲間内で水平的に伝播されている状
況とは違い、新浪微博では情報が影響力の高い人から低い人へ垂直的に情報が伝播されて
いた。
1.3
研究目的
乱立している中国の SNS 市場に対し、私は「人々はどういった理由で異なる SNS を選
択しているのだろうか」ということに興味を持った。Facebook や Twitter など、少数の SNS
が独占している欧米や日本とは違って、中国では 7 つの大きな SNS と、数多くの中小規模
の SNS が乱立している。その中でも利用者数が急速に拡大中の SNS と、利用者を失って、
経営維持が難しい状態になっている SNS がある(たとえば、飯否網)。既存研究はひとつ
または少数の SNS を対象として、利用者の特徴や個人情報の開示度や利用内容などを分析
しているが、同時に多数の SNS に対して利用者の選択要因を研究しているものは見当たら
ない。しかし、乱立している中国の SNS 市場に対してマーケティング的に有効な提言をす
るためには、こうした視点からの研究が必要である。本研究は、そういう視点から複数の
SNS に対する選択要因に焦点を当てて分析することを目指すものである。
以下、本論文は次のような構成になっている。第 2 章では、中国遼寧省の大学生に対し
て行ったインタビュー調査の内容とその結果を論じる。第 3 章では、中国遼寧省の大学生
と筑波大学の中国人留学生に対して行った質問紙調査の結果を論じる。第 4 章では本研究
の結論と問題点をまとめる。
4
第2章
研究 1(インタビュー調査)
2-1.質的調査の方法・調査対象
仮説を設定するための事前調査として、SNS をよく使う 8 人に質的調査を行った。その
方法は以下のとおりである。
2012 年 9 月 16 日~2012 年 9 月 24 日の間、中国大連市において、中国の SNS 利用者 8
人に対し、SNS の利用状況に関して筆者によって一対一のインタビューを行った。調査の
対象は SNS 利用頻度が高い 20 歳から 26 歳までの男性 4 人と女性 4 人の大学生であった。
調査の対象として、大学生を選んだのは、大学生が中国 SNS の主要な利用者であると考え
られるからである。インタビューの方法としては、いくつかの基本質問を用意し、被験者
の答えに対して「どうして」などを繰り返して、質問をしていった。所要時間は 1 人につ
き約 30 分であった。基本質問として準備した項目は以下の通りである。
• SNS の利用頻度はどうですか。
• いつもどんな媒体を使って SNS を利用するのですか。
• 毎日 SNS どのぐらい時間をかけていますか。
• いつも SNS を利用する場所はどこですか。
• 一番よく利用する SNS は何ですか。
• SNS の各コンテンツの中で、一番よく使うのは何ですか。
• SNS では、個人情報は公開していますか。
2.2 インタビュー調査の結果の概要
インタビューした結果、回答者によって SNS 利用頻度と利用目的などがかなり異なるこ
とがわかった。また、同じ人であっても複数の SNS を使う場合、それぞれの SNS の利用
状況はやはり異なっていた。インタビュー調査の結果を簡単にまとめたものは以下である。
SNS を選択する時、一番重視するものについて
異なる SNS を選択する要因を明らかにするため、SNS を選択する時、一番重視するもの
を聞いてみた。その回答は以下でいくつかを挙げる。
「新浪微博は一番人気があるそうです。周りの人はみんな使っています。有名人も使って
います。それから、自分が興味を持つ領域、たとえば、服や化粧品の情報、新しい逸話な
どを見ます。
」
「人人網も使いますよ。人人網には前のクラスメートが多いです。彼らと連絡する時は人
人網を見ます。」(A さん
女性
24 歳)
「QQ 空間と QQ 微博は登録することが簡単です。QQ メッセンジャーから登録できますか
ら。」
5
「人人網では友達の近況を見ます。友達のことを知りたい時は人人網を見ます。」(B さん
24 歳)
女性
「友達は新浪微博を使う人が多いから、私も登録しました。」(C さん
女性
24 歳)
「新浪微博を使います。友達はみんな使いますから。」
「新浪微博がなくても、ほかに使える SNS は色々とあります。友達がみんな新浪微博を使
うから私も使います。新浪微博は好きで利用するわけではないです。」(D さん
男性
24
歳)
インタビューの結果で印象深かったのが 8 人中 7 人は SNS を選択する理由として、友達
がみんなこの SNS を使っているから自分も使うという回答をしていたことである。
プライバシー意識
インタビューによると、回答者それぞれ SNS 上の個人情報開示度は異なっていた。本名、
写真などをすべて公開する人もいるし、匿名登録して、プライベートに関わるものをすべ
て公開しない人もいる。回答を以下でいくつか挙げる。
「微博ではプライバシーについて気をつけているところはあまりありません。私はほとん
ど書きませんので。いつも他人の書き込みを見ているだけです。」
「微博では名前や顔写真などは公開していないです。微博だけではなく、ほかのサイトを
登録する時も、制限がなかったら匿名で登録します。」
「微博の実名登録制度ですか。これからは強制的な要求がなければ、登録しないつもりで
す。身分証明証番号などはやはり他人に教えたくないです。」
「人人網では名前と顔写真を公開します。」(A さん
女性
24 歳)
「微博も開心網も、名前、年齢を公開します。あ、写真も公開していますね。名前を公開
したのは、友達に探されやすいためであります。つまり、最低限の個人情報公開度にして
おいて、友達に探してもらいたいです。」
「名前も顔写真も公開していないです。安心感があります。」
(G さん
男性
25 歳)
インタビュー結果からみると、人と人の SNS 上の個人情報の開示度は異なることは明ら
かである。微博を使う 8 人中 6 人は匿名で登録していた。それに対し、人人網、開心網を
利用する 7 人はみんな本名と顔写真を公開していた。
また、人々は微博を使う時には書きこみより、情報収集を重視するので、自分の近況な
どを人に見せることは少ない。それに対し、人人網と開心網を使う時には人々は友達との
連絡を重視するので、プライバシーに関わるものを公開する可能性が高い。
したがって、このインタビューの結果から見ると、プライバシー意識が高い人ほど、微
博や QQ 空間など、匿名 SNS を頻繁に利用するのではないかと考えられる。
6
異なる SNS の利用について――微博の利用状況
回答者の答えによると、微博の利用状況と人人網、開心網の利用状況は異なった。回答
者の微博の利用状況を簡単にまとめた。
「新浪微博では見るトピックはあまり変わっていません。芸能界のニュース、社会事件な
どのツイートを見ます。
」
「テレビなどではニュースを発表する時、いつも政府の立場で発表しますよね。微博では
政府ではなく、個人の視線からニュースや社会事件を見ることができます。」
(A さん
女性
24 歳)
「初めは友達の近況を見ていましたが、今は主に自分が興味を持っていることやニュース
などを見ています。」
「服、星座などに関する情報を見ます。女の子ですもんね。逸話も時々見ます。もし面白
い逸話などを見つけたら、リツイートしますよ。」
「情報収集ができます。微博がないと、生活には不便だと思います。情報を探すには Baidu
やほかのサイトを使わなくてはいけませんから。」(B さん
女性
24 歳)
「友達の近況を見ますね。写真や日記ですね。時に私も自分の近況を公開します。最近中
国の社会事件に関する情報も微博で見えますね。そういう社会事件については時々見てい
ますが、主に友達の近況を見ています。」
「主に携帯電話で見ます。人人網の画面は大きいから、パソコンを使うほうがいいと思い
ますが、微博の画面は小さいから、携帯電話でもちゃんと見られます」
(C さん
女性
24
歳)
「私は政治と歴史に興味があります。微博では政治、歴史に関わる情報が手に入れられま
す。教科書では得られないものもいっぱいありますね。信用度のほうはともかく、とりあ
いず自分の視野は広がります。」
「社会事件についても、いろいろ情報があります。事件に対して有名人の発言は見ます。
社会事件に対し、有名人が発表した意見から勉強になったことはあります。」(G さん
男
25 歳)
性
以上の発言からみると、微博の利用者は主に情報収集のために利用している。社会事件、
ニュース、自分が興味を持つ領域の情報を手に入れたいため微博を使っている人が多い。
異なる SNS の利用について――人人網、開心網の利用状況
回答者の人人網、開心網の利用状況を簡単にまとめた。
「最初使ったのは人人網です。人人網上の知り合いは多いです。」
「友達の近況を見ます。
」(A さん
女性
24 歳)
「たまに人人網を使います。人人網ではいろいろ面白いビデオや音楽があります。時々ダ
ウンロードもします。人人網で見た面白いものを現実世界でも友達と話し合います。」
7
「友達の近況を見たい時は、いつも人人網を使います。」
(B さん
女性
24 歳)
「人人網を使っています。QQ 空間を除くと、最初に使った SNS は人人網です。微博は短
い書き込みには相応しいと思います。長い文章の場合は、人人網の方がいいと思います。
人人網はブログに近いと思います。
」
「人人網の画面は大きいから、パソコンを使うほうがいいと思います。」
「微博で見た内容がみんなに役立つと思えば人人網でも引用して書きます。」
「人人網の友達はほとんどが現実世界の知り合いです。」
(C さん
女性
24 歳)
「最初に使ったのは開心網です。」
「開心網の友達はほぼ自分の知り合いです。」
「微博で書いたものは再び開心網で書きこむことはありません。微博の fans と開心網の友
達の構成はほぼ同じですから。」(D さん
男性
24 歳)
これらの発言からみると、人人網と開心網の利用者の利用目的は、主に友達との連絡で
ある。つまり、ニュースや社会事件に関心を持つ人は微博を頻繁に使い、友達の近況に関
心を持つ人は人人網や開心網を頻繁に使うという関係がありそうである。
回答者の発言から、七つの主要な SNS に対し、利用者の個人情報の開示度と関心分野を
まとめた(表 2-1)。微博の利用者は個人情報の開示度が低く、ニュースや社会事件などに
関心を持っている。それに対し、QQ 校友録、人人網、開心網の利用者は個人情報の開示度
が高く、友達の近況に関心を持っている。また、QQ 空間の利用者は友達の近況に関心を持
つが、個人情報の開示度は低い。微博では社会的なトピックがリツイートされやすいので
突発事件や社会的に関心の高い問題に関する情報を手に入れるのに相応しいと考えられる。
QQ 校友録、人人網、開心網とも実名登録によって友達探し、友達との連絡には容易だと考
えられる。また、この三つのサイトが最初から日記機能と写真登録機能を持っていたので、
生活の記録には相応しいのであろう。
そのほかの発言として、スマートフォンでは微博を閲覧するには便利であるが、校内網
と開心網を閲覧するには不便だという意見もあった。スマートフォンは微博とほぼ同時に、
2010 年頃から人気が急速に高まった。微博を運営する会社もスマートフォン向けのアプリ
を速やかに開発して提供した。140 字というメッセージの字数制限や携帯向けのページ設計
もスマートフォンに適合していたと考えられる。
以上のインタビュー結果を表 2-1 にまとめた。
8
表 2-1.インタビュー調査のまとめ
個人情報の開示度
関心分野
新浪微博
低い
社会事件、ニュース
捜狐微博
低い
社会事件、ニュース
QQ 微博
低い
社会事件、ニュース
QQ 校友録
高い
友達の近況
QQ 空間
低い
友達の近況
人人網
高い
友達の近況
開心網
高い
友達の近況
第3章
3-1.
研究 2(質問紙調査)
研究の目的
質問紙調査では、中国人の大学生の SNS 利用の実態を知ることと、SNS の選択にかかわ
るいくつかの仮説を検証することを目的とする。ここでは、インタビューの結果に基づい
て、以下の四つの仮説を考えた。
仮説 1: 中国で生活している SNS 利用者に比べて、日本での中国人留学生の SNS 利用者
は、人人網と開心網よりは微博(マイクロブログ)を頻繁に利用する傾向がある。
仮説 1 は、利用者の生活地(国内、海外)と SNS の選択傾向についての仮説である。自
分は留学生であり、インタビューを実施する間に、中国で生活している SNS 利用者の SNS
利用状況は自分とは違うと感じていた。留学生の場合、周囲にいる友達は中国人以外の学
生や同じように中国から留学してきた留学生だと推測される。彼らと連絡するためには、
中国の SNS ではなく、Facebook や Twitter を利用する可能性が高い。ただし、留学生に
とって中国のニュースを見るために日本のテレビや新聞ではなく、インターネットを利用
するほうが便利である。そのため、情報収集や発信に強い微博が留学生によく使われてい
ると予想される。
仮説 2: SNS を選ぶとき、現実世界で多くの友達が使っている SNS を選ぶ傾向がある。
仮説 2 は、SNS を選ぶとき、何を一番重視しているについての仮説である。この仮説は
2.2 質的調査による調査結果の概要における「SNS を選択する時、一番重視するものについ
て」の結果をもとに立てた。
9
仮説 3: プライバシー意識が高い人ほど、微博と QQ 空間を頻繁に利用する傾向がある。
仮説 3 は、プライバシー意識と SNS の選択傾向についての仮説である。質的調査の回答
者が利用している各 SNS 上の個人開示度を比較してこの仮説を立てた。
仮説 4:自分の関心分野によって SNS を選ぶ傾向がある。
仮説 4-1:友達の近況に関心を持つ人は人人網、開心網、QQ 校友録などのフェイスブッ
ク型の SNS を選ぶ傾向がある。
仮説 4-2:ニュースや社会事件に関心を持つ人は新浪微博、捜狐微博、QQ 微博など微博
(マイクロブログ)を選ぶ傾向がある。
仮説 4 は、利用者がネット上の関心分野と SNS の選択傾向についての仮説である。人人
網、開心網、QQ 校友録は日記、写真、ゲームなどのサービスを提供している。新浪微博、
捜狐微博、QQ 微博は個人的なやりとりと情報の発表、収集、伝達に多く使われる。利用者
のネット上の関心分野と利用者がどの SNS を利用しているのかを比較してこの仮説を立て
た。
3-2.方法
2012 年 11 月 1 日から 2012 年 11 月 6 日まで、中国遼寧省にある中国大連外国語学院と
中国遼寧石油化工大学で、質問票による調査を実施した(付録に質問票をつけた)。アンケ
ート用紙を作り、大学の先生に頼んで授業時間を利用し学生に配布して回答してもらった。
回答者は大連外国語学院の学生 160 人、中国遼寧石油化工大学の学生 45 人の総計 205 人だ
った。回答者のうち女性は 71 人、男性は 134 人だった。年齢は、20 歳以下は 5 人、20~
22 歳は 152 人、23~25 歳は 33 人、25 歳以上は 15 人であり、平均年齢は 21.9 歳だった。
また、2012 年 11 月 15 日から 2012 年 11 月 22 日まで、筑波大学の中国人留学生に対し、
個人的に依頼して同じ中国語の質問紙を用いて質問紙調査を行った。アンケート回収数は
24 票であって、そのうち、女性 15 人、男性 9 人だった。23~24 歳は 6 人、25~26 歳は
11 人、27 歳以上は 6 人だった。平均年齢は 25.8 歳だった。
質問紙調査の主要な質問項目は、以下のようになっている。(1)SNS のログイン頻度、
(2)SNS での友達の数、(3)SNS を利用するとき使う端末、(4)SNS 上でのプライバシー意識、
(5)SNS の関心分野、である。本研究では、人と人とのつながりを促進・サポートを提供す
るコミュニティ型の会員制サービスを SNS と定義した。そこで、既に実施したインタビュ
ーや既存の統計データから、表 3-1 のような七つのサービス(新浪微博、捜狐微博、QQ 微
博、QQ 校友録、QQ 空間、人人網、開心網)を調査対象にすることにした。
10
3-3.結果と考察
3-3-1.中国人学生の SNS 利用の実態
遼寧省の大学生について、各サービスのログイン頻度、書き込み頻度と利用率を比較し
た(表 3-1)。利用頻度を見ると、QQ 空間が書き込みと閲覧の頻度のどちらについても最
も多い(この利用頻度は利用していない人は 0 回として計算したものである)。それに対し、
最も人気がないのが捜狐微博であり、書き込み、閲覧とも最も少ない。利用者の属性につ
いて見ると、QQ 校友録においては男性のログイン頻度は女性より有意に多い(表 3-2)。
しかし、各サービスでの書き込み頻度については、すべてのサービスについて性別での差
はなかった。
表 3-1.各サービスのログイン頻度と書き込み頻度(回/週)
(N=166)
新浪微
捜狐微
QQ 微
QQ 校
QQ 空
博
博
博
友録
間
ログイン頻度
3.61
1.06
7.30
6.21
書き込み頻度
2.43
0.88
4.43
利用率
41.4%
21.2%
60.6%
人人網
開心網
20.0
11.39
2.78
4.90
13.44
9.19
2.55
58.6%
86.9%
63.5%
25.4%
人人網
開心網
表 3-2.男女別のログイン頻度(回/週)(N=166)
新浪微
捜狐微
QQ 微
QQ 校
QQ 空
博
博
博
友録
間
女性(N=51)
1.83
0.53
6.58
1.07
18.02
10.50
1.86
男性(N=113)
4.40
1.27
7.67
8.45
21.00
11.82
3.19
F値
2.132
0.869
0.180
9.276
0.766
0.186
0.894
有意確率
0.146
0.353
0.672
0.003
0.383
0.667
0.346
人人網
開心網
表 3-3.男女別の書き込み頻度(回/週)(N=166)
新浪微
捜狐微
QQ 微
QQ 校
QQ 空
博
博
博
友録
間
女性(N=51)
1.77
0.50
3.19
1.18
13.68
8.31
1.44
男性(N=113)
2.73
1.03
4.89
5.55
13.35
9.54
3.07
F値
0.501
0.934
0.838
1.402
0.012
0.210
1.767
有意確率
0.480
0.335
0.361
0.238
0.911
0.647
0.186
さらに、SNS で利用するサービスと SNS を利用するときに一番よく利用するメディアと
の関係を調べてみた(表 3-4、表 3-5)。閲覧頻度からみると、QQ 微博、QQ 校友録におい
11
ては、自分のパソコンとノートパソコンを使ってログインする人が多い。また、QQ 空間に
おいては、ノートパソコン(ほとんどが本人所有のものとみられる)とスマートフォンを使っ
てログインする人が多い。QQ メッセンジャーはスマートフォン向けのアプリを提供し、多
くの人に使われているため、スマートフォンを使って QQ メッセンジャーと連携する QQ
空間を閲覧することが便利なのであろう。
表 3-4.最も利用するメディアごとにみた各サービスの利用頻度(回/週)
新浪微
捜狐微
QQ 微
QQ 校
QQ 空
博
博
博
友録
間
5.63
4.63
11.57
12.23
0.58
1.54
5.38
4.14
0.45
3.52
人人網
開心網
17.43
8.73
1.57
1.75
5.17
8.17
11.00
11.43
8.70
22.71
13.00
1.85
0.36
3.56
3.96
22.95
14.14
2.30
0.79
0.56
1.48
1.09
17.46
7.88
1.67
49.00
0.00
49.00
49.00
49.00
7.00
0.00
F値
5.222
2.635
4.391
3.965
2.413
0.631
3.267
有意確率
0.000
0.026
0.001
0.002
0.039
0.677
0.008
パソコン(本人)
(N=15)
パソコン(本人以
外)(N=12)
ノートパソコン
(N=58)
スマートフォン
(N=42)
携帯電話
(N=24)
ipad など
(N=1)
12
表 3-5.最も利用するメディアごとにみた各サービスの書き込み頻度(回/週)
新浪微
捜狐微
QQ 微
QQ 校
QQ 空
博
博
博
友録
間
3.50
1.63
7.90
9.10
1.00
1.54
1.75
1.72
0.46
3.77
人人網
開心網
12.43
8.13
1.53
2.50
5.21
5.63
6.25
5.86
5.43
14.65
8.54
1.81
1.07
3.23
4.96
16.35
11.96
2.39
0.75
0.94
1.42
1.08
9.58
8.81
1.90
49.00
0.00
49.00
49.00
49.00
7.00
0.00
F値
8.683
0.643
4.539
3.882
1.825
1.616
1.020
有意確率
0.000
0.667
0.001
0.002
0.111
0.159
0.408
パソコン(本人)
(N=15)
パソコン(本人以
外)(N=12)
ノートパソコン
(N=58)
スマートフォン
(N=42)
携帯電話
(N=24)
iPad など
(N=1)
QQ 微博と QQ 校友録においては自分のパソコンとノートパソコンを利用して書き込みす
る人が多い。また、新浪微博においてはスマートフォンを利用して書き込みする人が多い。
新浪微博がスマートフォン向けのアプリを提供していることが関係しているのであろう。
また、新浪微博の書き込みには最大 140 字の制限があるので、スマートフォンからの書き
込みに適合しているのであろう。
どの SNS においても、自分以外のパソコンや携帯電話を使って閲覧、書き込みする人は
少なかった。これらの SNS はスマートフォン以外の携帯電話向けのアプリを提供していな
いため、一般の携帯電話を使ってこれらの SNS を閲覧したり書き込みするのは不便なので
あろう。また、ネットカフェなど公共場所のパソコンはコンピューターウィルスに感染す
る可能性があり、個人情報や友人関係情報を含む SNS を閲覧・書き込みするにはリスクが
ある。そのため、自分のパソコン以外で SNS を利用することを避けているのであろう。な
お、これ以外のメディアとして iPad があるが、これを一番多く使って SNS を利用する人
は一人しかなかったのでここでは結果は紹介しない。
さらに、学校別の SNS 利用率を求めた(表 3-6、3-7)。全ての SNS についてログイン率
と書き込み率のどちらについても学校間に有意な差はなかった。つまり、遼寧省大連市の
大連外国学院と遼寧省瀋陽市の中国遼寧石油化工大学の両校の学生における各サービスの
利用率に差はないと言える。今回の研究では中国で二つの大学の学生に質問紙調査をして
いるが、学校間の差はなかったので、以下では二つの学校をまとめてデータを分析するこ
13
とにする。
表 3-6.学校別にみた SNS のログイン頻度
新浪微
捜狐微
QQ 微
QQ 校
QQ 空
博
博
博
友録
間
4.08
1.09
7.64
6.59
1.43
0.89
5.75
F値
1.588
0.045
有意確率
0.209
0.833
大連外国語学院
人人網
開心網
19.93
11.05
2.88
4.43
20.23
12.95
3.27
0.381
0.530
0.005
0.272
0.122
0.538
0.468
0.942
0.603
0.727
人人網
開心網
(N=137)
中国遼寧石油化工
大学(N=28)
表 3-7.学校別にみた SNS の書き込み頻度
新浪微
捜狐微
QQ 微
QQ 校
QQ 空
博
博
博
友録
間
2.48
0.83
4.40
5.25
13.11
8.95
2.82
2.21
0.12
4.57
3.28
15.02
10.31
1.28
F値
0.028
0.267
0.005
0.669
0.280
0.177
1.085
有意確率
0.866
0.606
0.941
0.414
0.598
0.675
0.299
大連外国語学院
(N=137)
中国遼寧石油化工
大学(N=28)
さらに、遼寧省の大学生調査における各サービス上の個人情報の開示度を比較した(表
3-8)。結果からみると、QQ 微博、QQ 校友録、QQ 空間と人人網の個人情報の開示度が高
い。これに対して、新浪微博、捜狐微博、開心網の個人情報の開示度は低い。
14
表 3-8.各サービスの個人情報の開示度
名前
性別
年齢
住所
大学名
本人写真
新浪微博
26.9%
29.6%
24.1%
21.3%
19.4%
12.0%
捜狐微博
16.5%
16.5%
8.9%
6.3%
8.9%
7.6%
QQ 微博
40.1%
45.8%
38.0%
31.0%
27.5%
23.2%
QQ 校友録
44.4%
43.0%
31.9%
25.2%
33.3%
26.7%
QQ 空間
44.9%
55.6%
45.5%
38.4%
36.4%
38.4%
人人網
54.1%
50.3%
42.8%
37.1%
44.0%
44.0%
開心網
11.9%
13.1%
8.3%
8.3%
11.9%
8.3%
さらに、7 つのサービスがどのようにグループ分けできるかをみるために、各ログイン頻
度を主因子法で因子分析した。固有値が 1 以上の因子を採用して得られた 2 因子をバリマ
ックス回転したところ、次のような解が得られた(表 3-9)。因子 1 は QQ 微博、QQ 校友
録、QQ 空間、人人網の 4 項目が 0.5 以上の因子負荷量であり、騰訊(QQ ブランドのサービ
スを提供)と人人網の利用に関する因子と解釈された。因子 2 は捜狐微博、開心網の 2 項目
が 0.55 以上の因子負荷量であり、捜狐微博と開心網に関する因子と解釈された。
結果は、中国の SNS はこの二つのグループに分けられることを示している。注目される
のは、各グループのどちらにもマイクロブログと「強いつながりの SNS」
(既知の友達が多
く個人情報の開示度が高い SNS)が含まれていることである。つまり、利用者はマイクロ
ブログと人間関係構築系 SNS を同時に利用する傾向があり、それが組みあわさって二つの
グループに分かれているのである。
利用者が異なる SNS を選択する要因については後に分析するが、ここでは第一因子にみ
られた QQ ブランドのサービスについてのみ言及しておきたい。QQ メッセンジャーを運営
している騰訊公司は QQ メッセンジャーの浸透をきっかけとして勢力を拡大し、2006 年か
ら QQ 空間、
QQ 微博など次々新しいサービスを開発して提供している。
因子 1 に QQ 微博、
QQ 校友録、QQ 空間三つの QQ 関連サービスが全て含まれていることと高い利用率から判
断すると、QQ が一つのブランドとして利用者の囲い込みに成功しているらしいことがわか
る。
15
表 3-9.7 つのサービスのログイン頻度についての因子分析(因子負荷量)
因子 1
因子 2
新浪微博
0.303
0.373
捜狐微博
0.050
0.981
QQ 微博
0.726
0.314
QQ 校友録
0.791
0.370
QQ 空間
0.546
-0.079
人人網
0.515
0.089
開心網
0.085
0.554
固有値
2.877
1.421
説明率
0.411
0.203
3-3-2.日本での中国人留学生と遼寧省の大学生の比較
仮説 1(中国で生活している SNS 利用者より、日本での中国人留学生の SNS 利用者は、
人人網、開心網、QQ 校友録より、微博を頻繁に利用する傾向がある)を検証するために、
中国で生活している SNS 利用者と日本での中国人留学生の SNS 利用者の微博、人人網、
開心網と QQ 校友録のログイン頻度を比較した。(表 3-10)
表 3-10. SNS 利用者のサービスごとに見たログイン頻度(回/週)
QQ 校友
QQ 空
録
間
7.30
6.21
0.13
0.44
8.120
1.018
0.005
0.314
新浪微
捜狐微
博
博
3.61
1.06
9.94
F値
有意確率
遼寧省大学生
QQ 微博
人人網
開心網
20.00
11.39
2.78
0.42
2.77
3.80
0.63
5.237
3.954
18.180
4.505
1.704
0.023
0.048
0.000
0.035
0.193
(N=159)
日本での中国人留
学生 (N=24)
中国での SNS 利用者と日本での中国人留学生の SNS 利用者の各 SNS のログイン頻度を
比較した結果、日本での中国人留学生の SNS 利用者の新浪微博のログイン頻度(9.9 回/週)
は中国で生活している SNS 利用者のログイン頻度(3.6 回/週)より有意に多かった。しか
し、QQ 微博のログイン頻度においては、中国で生活している SNS 利用者の方(7.3 回/週)
が多かった。日本にいる中国人留学生は中国のテレビ番組や新聞を見ることは難しい。そ
のため、留学生は中国の突発事件や中国で関心の高い問題に関する情報を得るのに新浪微
博を見る傾向があるのだろう。また、QQ メッセンジャー等を提供している騰訊公司(テン
セント社)の関連サービスは、中国本土では多くの人が利用している。中国の SNS 利用者の
16
間で QQ 微博のログイン頻度が高いことは、騰訊公司のブランド戦略が成功していること
を反映していると考えられる。
また、日本での中国人留学生の SNS 利用者は、QQ 校友録(ログイン頻度 0.42 回/週)、
QQ 空間(2.77 回/週)、人人網(ログイン頻度 3.8/週)のいずれについても、中国で生活し
ている SNS 利用者より少なかった。日本にいる中国人留学生は日本で生活しているので、
中国にいる人と新しい友達になる動機付けが低いのであろう。また、日本にいる中国人留
学生は学業やアルバイトなどに忙しいので、ゲームなどの娯楽活動をする意欲も低いと推
測される。そのためゲームや娯楽機能をセールスポイントとする人人網や QQ 空間を利用
する頻度が低いのだろう。
さらに、中国の SNS 利用者と日本での中国人留学生の SNS 利用者の微博、人人網、開
心網と QQ 校友録の書き込み頻度を比較した。
(表 3-11)
表 3-11.サービスごとの書き込み頻度(回/週)
QQ 校友
QQ 空
録
間
4.43
4.90
0.04
0.25
0.29
2.20
0.59
0.14
新浪微
捜狐微
博
博
2.43
0.880
1.56
F値
有意確率
中国で生活してい
QQ 微博
人人網
開心網
13.44
9.19
2.55
0.15
1.42
1.19
0.60
3.43
3.89
11.06
6.12
1.71
0.07
0.05
0.001
0.01
0.19
る SNS 利用者
(N=166)
日本での中国人留
学生の SNS 利用者
(N=24)
中国の SNS 利用者と日本での中国人留学生の SNS 利用者の各 SNS の書き込み頻度を比
較した結果、日本での中国人留学生の SNS 利用者は、QQ 空間(1.42 回/週)、人人網(1.19
回/週)のいずれについても中国の SNS 利用者の書き込み頻度より有意に少なかった。日本
での中国人留学生は日本で生活しているので、中国にいる友達と連絡したり情報交換する
頻度は中国にいる学生同士がお互いに連絡したり情報交換したりする頻度よりは少なくな
るであろう。したがって、生活の記録や友達との連絡によく使われる QQ 空間と人人網に
おいて、日本にいる中国人留学生の書き込み頻度が低いと考えられる。
これらの結果から、仮説 1 はマイクロブログとして最も人気のある新浪微博についての
み部分的にのみ支持されたといえる。また、全般的に言うと日本にいる中国人留学生はあ
まり中国の SNS を使っていないと言える。
遼寧省の大学生と日本にいる中国人留学生の関心分野を比較した(表 3-12)。遼寧省の大
学生より、日本にいる中国人留学生の方がファッション、映画、有名人情報に統計的に有
17
意に高い関心を持っている。また、新しいことに接触したいという意欲がある。一方、ゲ
ーム・娯楽に対する興味は有意に低い。
日本にいる中国人留学生は中国に上映する映画などを見ることができないので、SNS を
利用し、中国にいる人たちの評価などの情報を収集したいのであろう。また、中国のテレ
ビ番組や新聞を見ることは難しいので中国の有名人の情報を知るにはネットを利用しなけ
ればいけない。そうした手段としては SNS が最も便利である。さらに、中国人留学生がゲ
ーム・娯楽に対する興味が低いことは、QQ 空間、人人網のログイン頻度が低い理由を説明
できると考えられる。
表 3-12.SNS の関心分野の遼寧省の学生と日本にいる中国人留学生との比較
遼寧省大
日本の
学生
中国人
N=156
留学生
F値
有意確
率
N=24
1.現実世界の友達と連絡できる
4.05
3.88
0.527
0.469
2.新しい友達ができる
3.37
3.33
0.024
0.877
3.自分の生活や感情を他人と分かち合う
3.50
3.63
0.270
0.604
4.自分の生活を記録する
3.65
3.67
0.006
0.936
5.ニュースなどが見られる
3.74
4.17
3.110
0.080
6.生活常識などの情報を手に入れる
3.76
3.96
0.740
0.391
7.ファッション情報を手に入れる
2.99
3.88
11.252
0.001
8.レストランの情報を手に入れる
3.38
3.88
0.319
0.573
9.映画、本の情報を手に入れる
3.32
4.04
9.128
0.003
10.新しい領域を接触できる
3.47
4.00
5.324
0.022
11.有名人情報を手に入れる
3.22
3.88
6.275
0.013
12.ゲーム、娯楽ができる
3.48
2.29
22.005
0.000
3-3-3.中国の大学生における SNS の選択要因
インタビューの発言によると中国の大学生は SNS を選択する時、SNS を使っている現実
の友達の数を重視していた。また、SNS によって、利用者の個人情報開示度と関心分野も
異なっていた。そこで中国の大学生における SNS の選択要因を明らかにするために、SNS
上の現実の友達の規模、プライバシー意識の影響、SNS の関心分野の影響の三つの側面か
ら分析する。日本にいる中国人留学生と中国の大学生の関心分野には差がある。また、日
本にいる中国人留学生についてのアンケート回収数は 24 件と十分な数がないので以下の分
析は中国の大学生調査データのみを用いる。
18
①
現実の友達の規模の効果
仮説 2(SNS を選ぶとき、現実世界で多くの友達が使っている SNS を選ぶ傾向がある)
を検証するため、利用者が一番使っている SNS の現実の友達数と、それ以外の SNS の中
の現実の友達の数を比較した(表 3-12)。回答者ごとに 7 つの SNS を現実の友達の数の少
ない順に並べ、一番使っている SNS の現実の友達の数の順位を求めた(最低 1、最大 7 と
なり、最も友だちが多い SNS の順位は 7 となる)。この結果が表 3-13 である。
その結果、現実の友達が一番多い SNS を一番利用する利用者が最も多く 30.7%を占めて
いる。また、この分布に対して現実の友だちの数と最も利用する SNS の間に関係あるかど
うかをみるため、表 3-13 の平均=4(4 はちょうど真ん中の順位に相当)という帰無仮説を検
定したところ t 値は 19.16 で統計的に有意だった(有意確率=0.000)ので仮説 2 は支持さ
れた。つまり、現実の友だちが多く使っている SNS を選ぶ傾向があるといえる。
表 3-13.最も利用する SNS の現実の友達の数による順位
順位
人数
%
1.5
2
1
2.5
2
1
3
5
2.4
3.5
3
1.5
4
10
4.9
4.5
4
2
5
9
4.4
5.5
10
4.9
6
23
11.2
6.5
25
12.2
7
63
30.7
欠損値
49
23.9
総計
205
100
注: 順位が 1.5 のように整数でないものは、同順位があったためである。
②プライバシー意識の影響
質問紙の質問項目では、Q9-2-1~Q9-2-9 で「プライバシー意識」を測定している(※付
録にて質問紙参考)。被験者は、各質問に対して、1=まったくあてはまらない、2=あては
まない、3=どちらもいえない、4=あてはまる、5=とてもあてはまる、の 5 段階で回答し
ている。それら 9 問の信頼性分析を行ったところ、クロンバッハのα係数は 0.892 であっ
て、信頼度は高いと言える。そこで、9 問の合計値をとり、SNS でのプライバシー意識の
指標とする。この尺度値は値が低いほどプライバシー意識が高いことになる。
19
仮説 3(プライバシー意識が高い人ほど、微博と QQ 空間を頻繁に利用する傾向がある)
を検証するために、利用者のプライバシー意識と各 SNS のログイン頻度の関係を求めた(表
3-14)。表からわかるように利用者のプライバシー意識と捜狐微博の利用頻度だけが負の有
意な相関関係がある。つまり、プライバシー意識が高い人は捜狐微博を頻繁に利用する傾
向がある。しかし、他の微博については有意な相関関係はなく、QQ 空間の利用とプライバ
シー意識は逆に正の相関関係がある。これらの結果を総合すると、仮説 3 が支持されると
は言えない。
表 3-14.プライバシー意識と SNS のログイン頻度の関連(N=159)
②
相関係数
有意確率
新浪微博
-0.015
0.851
捜狐微博
-0.223
0.006
QQ 微博
-0.153
0.061
QQ 校友録
-0.122
0.135
QQ 空間
0.108
0.182
人人網
0.064
0.435
開心網
0.015
0.850
SNS の関心分野
SNS の関心分野と SNS の選択の関係をみるために、まず利用者の SNS の関心分野 12
項目を主因子法で因子分析した。固有値が 1 以上の基準で因子を採用し、得られた 4 因子
をバリマックス回転したところ、表のような解が得られた。(表 3-15)
20
表 3-15.SNS の関心分野に対する因子分析(因子負荷量)
因子 1
因子 2
因子 3
因子 4
(友人関
(情報
(娯楽
(外食
係)
収集)
情報)
情報)
1.現実世界の友達と連絡できる
0.706
0.308
0.133
-0.166
2.新しい友達ができる
0.756
0.026
0.233
0.043
3.自分の生活や感情を他人と分かち合う
0.712
0.171
0.12
0.289
4.自分の生活を記録する
0.723
0.26
-0.015
0.336
5.ニュースなどが見られる
0.234
0.725
0.263
-0.022
6.生活常識などの情報を手に入れる
0.198
0.78
-0.13
0.054
7.ファッション情報を手に入れる
0.018
0.309
0.443
0.518
8.レストランの情報を手に入れる
0.126
-0.049
-0.04
0.722
9.映画、本の情報を手に入れる。
0.131
0.617
0.387
0.244
10.新しい領域を接触できる
0.176
0.474
0.216
0.542
11.有名人情報を手に入れる
0.125
0.163
0.782
0.343
12.ゲーム、娯楽ができる
0.242
0.046
0.775
-0.166
固有値
4.262
1.311
1.101
1.011
説明率
0.355
0.109
0.092
0.084
因子分析の結果に基づいて各因子を以下のように命名した。
因子1(友人関係)
因子1では以下の項目の因子得点が高い。
1. 現実世界の友達と連絡できる(0.706)
2. 新しい友達ができる(0.756)
3. 自分の生活や感情を他人と分かち合う(0.712)
4. 自分の生活を記録する(0.723)
項目 1、項目 2、項目 3 の因子得点が高い人は、友達との連絡、感情を分かち合うことを
重視する。項目 4 の因子得点が高い人は、生活の記録を重視する。この四つの項目が 0.7
以上の因子負荷量であり、4 を除くと友人関係の因子と解釈されたので因子 1 を「友人関係」
と命名した。
因子 2(情報収集)
因子 2 では以下の項目の因子得点が高い。
5. ニュースなどが見える(0.725)
6. 生活常識などの情報を手に入れる(0.78)
9. 映画、本の情報を手に入れる(0.617)
項目 5、項目 6、項目 9 の因子得点が高い人はそれぞれ、ニュース、生活常識などの情報、
映画や本の情報に関する情報収集を重視する。この三つの項目が 0.6 以上の因子負荷量であ
り、ニュースなどの情報収集に関する因子と解釈された。以上の理由によって、因子 2 を
21
「情報収集」と命名した。
因子 3(娯楽情報) 因子 3 では以下の項目の因子得点が高い。
11.有名人情報を手に入れる(0.782)
12.ゲーム、娯楽ができる(0.775)
項目 11、項目 12 の因子得点が高い人は芸能人や有名人に関する情報やゲームに強い興味
をもっている。この二つの項目は 0.77 以上の因子負荷量があり、娯楽や有名人情報に関す
る因子と解釈された。以上の理由によって、因子 3 を「娯楽情報」と命名した。
因子 4(外食情報)
因子 4 では以下の項目の因子得点が高い。
8. レストランの情報を手に入れる(0.722)
項目 8 の因子得点が高い人は SNS においてレストランの情報を重視する。この項目は
0.72 以上の因子負荷量であり、外食情報に関する因子と解釈された。因子 4 を「外食情報」
と命名した。
利用者の関心分野と SNS の選択の関連を明らかにするために、四つの因子得点と各
SNS のログイン頻度について相関係数を求めた(表 3-16)。結果は以下のとおりである。
因子 1(友人関係)と QQ 空間のログイン頻度との相関係数は 0.238 で有意である。つま
り、友達との連絡や生活の記録を重視する人は QQ 空間を頻繁に見る傾向がある。QQ 空間
は QQ メッセンジャーを通して簡単にログインできるので、QQ 空間の日記、写真機能を使
って自分の生活を記録する人は多い。また、QQ 空間を見ることで、友達の近況がわかるの
で、友達との連絡を重視する人は QQ 空間を頻繁にみる傾向があるのだろう。
表 3-16 四つの因子得点と SNS のログイン頻度の相関係数(N=159)
因子 1
QQ 微博
QQ 空間
人人網
開心網
0.157
0.238**
0.151
-0.032
0.005
0.038
0.105
0.084
0.146
-0.106
0.006
0.053
0.045
0.078
0.054
0.055
0.022
0.016
0.071
0.238*
0.107
新浪微
捜狐微
博
博
0.158
-0.132
0.105
0.004
-0.091
-0.103
-0.031
QQ 校友
録
友人関係
因子 2
情報収集
因子 3
娯楽情報
因子 4
外食情報
* p<.05
** p<.01
***: p<.001
因子 4(外食情報)と人人網のログイン頻度の相関係数は 0.238 で有意である。つまり、
外食情報を重視する人は人人網を頻繁に見る傾向がある。人人網は以前「校内網」という
名前のサイトで実名登録と詳しい学校情報の入力を求めていた。人人網を使うと同じ大学
22
のクラスメートや高校、中学時代の友達を探すのに便利である。人人網の友達は同じ町に
住んでいる可能性が高いと推測されるので、人人網の友達から投稿した外食情報を見て、
実際に食べに行く可能性が高いのであろう。
次に、SNS の関心分野と各 SNS の書き込み頻度の相関係数を求めた(表 3-17)。因子 1
(友人関係)と開心網の書き込み頻度の相関係数は-0.269 で、有意であった。つまり、友
達との連絡、生活の記録を重視する人は開心網で書き込みしない傾向がある。また、因子 4
(外食情報)と QQ 空間、人人網の書き込み頻度の相関係数はそれぞれ 0.24、0.238 であ
り統計的に有意であった。言い換えると、「外食情報」を重視する人は、QQ 空間、人人網
を頻繁に書き込みする傾向がある。QQ 空間においても、前述したように、友人関係と生活
の記録を重視する人は頻繁にログインする傾向がある。外食は友達との交流の手段でもあ
り、そういう情報は友人と交換することが多いと考えられるので、こうした関係が見られ
るのであろう。
表 3-17 四つの因子と SNS の書き込み頻度の相関係数
因子 1
QQ 微博
QQ 空間
人人網
開心網
0.047
0.116
0.12
-0.269**
0.013
0.066
-0.011
0.083
0.025
0.061
-0.053
-0.08
-0.002
-0.004
0.099
0.113
0.045
0.068
0.24*
0.238*
0.062
新浪微
捜狐微
博
博
0.097
-0.113
0.053
0.071
0.045
-0.118
-0.006
QQ 校友
(N=159)
録
友人関係
因子 2
情報収集
因子 3
娯楽情報
因子 4
外食情報
* p<.05
** p<.01
***: p<.001
さらに、遼寧省の大学生が SNS を見る頻度を影響する要因を明らかにするために、利用
率が一番高い QQ 空間のログイン頻度を従属変数とし、性別、プライバシー意識、QQ 空間
の現実の友達数、因子 1、因子 2、因子 3、因子 4 を独立変数とする回帰分析を行った。そ
の結果は表 3-18 である。
23
表 3-18.
QQ 空間のログイン頻度を従属変数とする、重回帰分析の推定結果
標準化係数β
t値
有意確率
0.150
1.750
0.082
SNS 上のプライバシー意識
-0.037
-0.427
0.670
SNS 上の現実の友達数
0.288
3.506
0.001
因子 1(友人関係)
0.205
2.308
0.023
因子 2(情報収集)
0.129
1.577
0.117
因子 3(娯楽情報)
0.050
0.608
0.544
因子 4(外食情報)
0.082
1.007
0.316
独立変数
性別(女性=1、男性=2)
回帰分析の R2 乗の値は 0.150 であった。有意確率を 5%で有意な独立変数は「SNS 上の
現実の友達数」と「因子 1(友人関係)」である。この結果から、SNS 上の現実の友達数が
多い人ほど、QQ 空間を頻繁にみる傾向があること、。友人関係を重視する人ほど、QQ 空
間を頻繁にみる傾向があることが分かる。つまり、QQ 空間は友達との連絡や友人関係の維
持のために多く使われていると考えられる。
第4章
4-1.
結論
結論
本研究は中国のSNS利用者がどういった要因でSNSを選ぶのかを明らかにすることを目
的としていた。そのため利用者の現実の友達の規模の効果、プライバシー意識の影響、SNS
の関心分野の影響の三つの側面から分析した。
結果から見ると、利用者の現実の友達の規模の効果が大きかった。つまり、利用者はSNS
を選ぶとき、日常生活において多くの友達が使っているSNSを選ぶ傾向がある。また、大
部分のSNS利用についてプライバシー意識の影響は小さかった。微博では実名登録する必
要はないので、個人情報の漏えいに関する心配が少ないのだと思われる。また、微博に関
する先行研究では、その発言内容は生活の中でしたこと(16.8%)、友達・家族などとのや
りとり(4.6%)に対し、その他の内容(78.7%)が圧倒的に多いことが示されている(張、
石井、2012)。つまり、微博ではプライバシーに関わる発言はもともと少なく、そのためプ
ライバシー意識が高い人が微博を頻繁に利用する傾向がみられなかったのだと考えられる。
この結果から、政府が実名認証制度を実施しても、SNS市場に対する影響は小さいと予測
できる。一方、2012年7月DCCIの報告によると、捜狐微博の利用者数は微博利用者群の
35.63%と網易微博(56.12%)に逆転された。このことは、2012年3月に実名認証制度を実
24
施した政府の通知と関係があると思われる。他の微博とは違って、捜狐微博で新規登録の
場合には強制的に実名認証が要求される。既存の利用者は強制的に実名認証されていない
が、毎回ログイン時に実名認証をするよう勧めるメールが送られる。このように実名認証
制度を実施した捜狐微博に対して、利用者が反発して利用しなくなったのであると推測さ
れる。
利用者は自分の関心分野によってSNSを選択する傾向があった。分析結果によると、SNS
に友達との連絡、生活の記録を重視する人は、QQ空間を頻繁に見る傾向があった。また、
外食情報を重視する人は、QQ空間と人人網で頻繁に書き込みする傾向があった。七つのサ
ービスの中で利用率が一番高いQQ空間のログイン頻度を従属変数とする重回帰分析の推
定結果によると、ログイン頻度はSNS上の現実の友達数と友人関係に関する因子と正の相
関関係があった。つまり、SNS上の現実の友達数が多い人ほど、また、友人関係を重視す
る人ほどQQ空間を頻繁にみる傾向がある。
しかし、仮説に反して、因子1(友人関係)と人人網、開心網、QQ校友録のログイン頻
度の関連性は見られなかった。また、因子2(情報収集)と新浪微博、捜狐微博、QQ微博
のログイン頻度に関連性は見られなかった。人人網、開心網、QQ校友録では中学から大学
まで数多くの同校人が登録されているが、その中には自分とあまり親しくない人や関係が
良くない人がいるかもしれない。そういう人に向けて生活の記録などを発表することには
抵抗があるのだろうと推測される。また、匿名登録の微博では情報の信頼性は低いと考え
られるため、ニュースなどの情報を収集する手段として微博を利用する可能性は低いと推
測される。
また、中国の大学生と日本にいる中国人の留学生とはSNSの利用状況は異なることが示
された。中国で生活しているSNS利用者と日本での中国人留学生のSNS利用者のSNSの選
好を比較した結果、日本での中国人留学生は中国で生活しているSNS利用者より、最も人
気のあるマイクロブログである新浪微博を頻繁に見る傾向があるが、他のSNSの利用頻度
は少なかった。また、日本での中国人留学生は映画や有名人情報などに関心が強く、ゲー
ムへの興味は低かった。
最後に、本研究の結果得られたいくつかの経営上の提言を述べることにしたい。SNSを
運営する会社は、利用者がどういうことに関心を持っているかを知ることで、さらに多く
の利用者を獲得することができる。したがって利用者の関心分野に適合したサービスを提
供していくことが重要である。また、スマートフォン向けのアプリ、携帯が見やすいペー
ジなどの開発することは、新しい利用者の増加につながるであろう。さらに、QQブランド
の例にみられるように、会社のブランド力を発揮し、マイクロブログと「強いつながりの
SNS」を同時に提供することによって、多くの利用者を囲い込みできる可能性がある。実
際、QQ空間、QQ校友録、QQ微博の三つの異なるサービスを同時に提供している騰訊は利
用者を囲むことに成功している。
25
4-2.
本研究の問題点と課題
この研究にはいくつか問題点がある。その一つは、日本にいる中国人留学生を対象とし
た質問紙調査の回収数が少なかったこと、中国SNS利用者においては遼寧省の大学生に限
定されていることがあげられる。このような結果になった理由は、アンケート作成や収集
に割く事前準備の時間が不足していたことがある。第二に、インタビュー調査の被験者と
質問紙調査の対象者の年齢が異なっていた点に問題があった。インタビューの被験者の平
均は24歳であったのに対して、質問紙調査の対象者の平均年齢は21.9歳であった。インタ
ビューの被験者があまり使っていないQQ空間は、質問紙調査の被験者の中では最も人気が
あったが、これは年齢層によって人気があるSNSが異なるためと考えられる。QQ空間はペ
ージの背景の設計、アバターなどのサービスを提供し、10代後半から20代前半の若者に人
気がある。二つの調査のずれを少なくなるため、インタビュー調査と質問紙調査の年齢な
ど被験者の属性をなるべく近くするようにすべきであった。
26
謝辞:
修士論文を作成するにあたり、ご指導を引き受けて下さり、お忙しい中たくさんのアド
バイスをくださった石井先生に、心より感謝申しあげます。
また、アンケート調査に協力してくださった中国大連外国語学院、中国遼寧石油化工大
学、筑波大学の皆様にも、心より深く感謝申し上げます。
ありがとうございました。
27
参考文献
21財経聚合捜索(2012年8月16日)
http://www.21cbh.com/2012/xhn_816/278131.html
CNNIC(中国互連網絡信息中心)(2009)「中国互連網絡発展状況統計報告」
http://www.cnnic.cn/hlwfzyj/hlwxzbg/hlwtjbg/201206/P020120612484949500779.
pdf
DCCI互連網データセンター(http://www.dcci.com.cn/)
(2012)
「微博報告:新浪網易位列
前三」http://www.199it.com/archives/59302.html
IT商業新聞網(2011年9月13日)
http://productnews.itxinwen.com/digit/2011/0913/347090.html
石井健一(2011)「「強いつながり」と「弱いつながり」のSNS――個人情報の開示と対人
関係の比較」
、『情報通信学会誌』、100号、25-36.
殷国鵬・楊波(2010)「SNS用戸持続行為の理論模型及実証研究」、『信息系統学報』、第4
巻第1輯、53-64.
梅田恭子・内藤裕美子・野崎浩成・江島徹郎(2007)
「大学生を対象としたSNSのweb日記
を利用したコミュニケーションの検討」
、
『日本教育工学会論文誌』
(Suppl.),69-72,
2007
科技訊(2012年3月31日)
http://www.kejixun.com/a/2012-03-31/23008.html
新浪科技(2011年8月25日)
http://tech.sina.com.cn/i/2011-08-25/09155978329.shtml
周静・李季(2011)
「从人口統計特徴和生活方式探論SNS社交網站用戸的使用行為及其活躍
度」、『科術与管理』、第13巻第2期72-77.
張永祺・石井健一(2012)「中国のマイクロブログにおける情報伝達の特徴――Twitter日
本人利用者との比較」、
『情報通信学会誌』、101号、47-59.
鄭勝利・鮑唯(2012)「社交網站用戸交互学習行為影響因素的実証分析」、『実践研究』、第
35卷2012年第3期、57-61.
唐莉斯・鄭勝利(2012)「SNS用戸忠誠行為影響因素的実証研究」、『情報、信息与共享』、
第145期、102-108.
騰訊科技(2011年11月11日)
http://tech.qq.com/a/20111111/000263.htm
北京市網絡媒体協会・締元信聯網データ(2010)「微博媒体特性及用戸使用状況研究報告」
http://www.dratio.com/special/report/index_419891.shtml
網易科技(2011 年 2 月 28 日)
http://tech.163.com/11/0228/03/6TUTK613000915BF.html
28
社交网站使用状况调查问卷
Q1. 您的性别:
1.女性
2.男性
Q2.
您的年龄:____
Q3.
以下工具您拥有哪些?请选择所有符合的选项(多选)
。
1 桌式电脑
Q4-1.
2
笔记本电
脑
智能手机
3 (iphone
4
等)
普通手
机
其他媒介
5 (ipad
等)
下面是一些目前比较知名的社交网站。您曾使用过它们吗?如不使用,请
在“不使用”一项画圈。如曾使用过,请在您最初开始使用它的时间所对应的数字上
画圈。
不曾使
最初使用时间
用
2007 年之
2008-2009
前
年
2010 年
2011 年
2012 年
之后
新浪微博
1
2
3
4
5
6
搜狐微博
1
2
3
4
5
6
QQ 微博
1
2
3
4
5
6
QQ 校友
1
2
3
4
5
6
QQ 空间
1
2
3
4
5
6
人人网
1
2
3
4
5
6
开心网
1
2
3
4
5
6
录
※如 Q4.1 所举的 7 个社交网站,您一个都未曾使用过(全部选择了“1”),则本调
查到此结束,非常感谢您的协助与支持。
29
Q4-2.
您每天会在社交网站上花费多长时间?请选择最接近的选项。
1 几乎不上
2
不到 1 个小时
3
1~2 个小时
4
2~3 个小时
5 3~4 个小时
6
4~5 个小时
7
5~6 个小时
8
6 个小时以上
Q5-1.您平时是通过什么媒介登陆社交网站的?请选择所有符合的选项(多选)。
1 台式电脑(本人所有)
2 台式电脑(网吧等)
3 笔记本电脑
4 智能手机(iphone 等)
5 普通手机
6 其他媒介(ipad 等)
Q5-2.登陆社交网站时,上述媒介中您最常使用的是?(单选)
1 台式电脑(本人所有)
2 台式电脑(网吧等)
3 笔记本电脑
4 智能手机(iphone 等)
5 普通手机
6 其他媒介(ipad 等)
Q6-1.您平时在什么场合登陆社交网站?请选择所有符合的选项(多选)。
1 家・宿舎
2
网吧
3
乘坐公车或出
5 租车等交通工
图书馆、自习
室
4
教室
4
教室
饭店、商店或
6
走路途中
7
娱乐场所等
具时
Q6-2.您登陆社交网站最频繁的场合是?(单选)
1 家・宿舎
2
网吧
3
乘坐公车或出
5 租车等交通工
图书馆、自习
室
饭店、商店或
6
走路途中
7
娱乐场所等
具时
Q7.1.关于下面各个社交网站,您的登陆频率是?请在相应的数字上画圈。
不
每周 1
每周 2
每周 4
每日 1
毎日 2
毎日 4
毎日 7
使
次或以
-3 次
-6 次
次
-3 次
-6 次
次以上
用
下
30
新浪微博
1
2
3
4
5
6
7
8
搜狐微博
1
2
3
4
5
6
7
8
QQ 微博
1
2
3
4
5
6
7
8
QQ 校 友
1
2
3
4
5
6
7
8
QQ 空间
1
2
3
4
5
6
7
8
人人网
1
2
3
4
5
6
7
8
开心网
1
2
3
4
5
6
7
8
录
Q7-2.关于下面各个社交网站,您的更新频率是(包括留言、转发、上传照片等
操作)?请在相应的数字上画圈。
不使
每周 1
每周 2
每周 4
每日 1
毎日 2
毎日 4
毎日 7
用
次或以
-3 次
-6 次
次
-3 次
-6 次
次以上
下
新浪微博
1
2
3
4
5
6
7
8
搜狐微博
1
2
3
4
5
6
7
8
QQ 微博
1
2
3
4
5
6
7
8
QQ 校友
1
2
3
4
5
6
7
8
QQ 空间
1
2
3
4
5
6
7
8
人人网
1
2
3
4
5
6
7
8
开心网
1
2
3
4
5
6
7
8
录
Q8-1.在下面各个社交网站里,您的“好友”数量是?
※
如您在使用微博,请回答您的 “粉丝数”。
31
不
5
5-
11-
21-
41-
81-
151- 251- 501-
801
使
人
10
20
40
80
150
250
500
800
人以
用
以
人
人
人
人
人
人
人
人
上
下
新浪微博
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
搜狐微博
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
QQ 微博
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
QQ 校友
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
QQ 空间
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
人人网
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
开心网
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
录
Q8-2.下面各个社交网站里您的“好友”当中,在现实生活里相识、有过接触的人的
数量是?请在相应的数字上画圈。
※
如您在使用微博,请回答 “我的粉丝中,在现实生活里相识、有过接触的人”
的数量。
不
1-4
5-
11- 21- 31- 51- 71- 101-
20
使
人
10
20
30
50
70
10
200
1
人
人
人
人
人
0
人
人
用
(0 人)
人
以
上
新浪微博
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
搜狐微博
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
QQ 微博
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
QQ 校友录
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
32
QQ 空间
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
人人网
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
开心网
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
Q9-1.在以下各个社交网站里,您公开了哪些个人真实信息?请在所有相应选项上
画圈。
※ 比如您只使用了人人网和新浪微博,在人人网您公开了真实姓名、性别、而在
新浪微博上您没有公开任何个人真实信息。那么请在人人网相对应的选项 2、3
以及新浪微博所对应的选项 8 画圈。
并请在其他社交网站的选项 1“不曾使用”画圈。
新浪
1
不曾使用
2
姓名
3
性别
4
年龄
微博
5
居住城市
6
所属大学名
7
真实头像
8
全部不公开
搜狐
1
不曾使用
2
姓名
3
性别
4
年龄
微博
5
居住城市
6
所属大学名
7
真实头像
8
全部不公开
QQ
1
不曾使用
2
姓名
3
性别
4
年龄
微博
5
居住城市
6
所属大学名
7
真实头像
8
全部不公开
QQ 校
1
不曾使用
2
姓名
3
性别
4
年龄
友录
5
居住城市
6
所属大学名
7
真实头像
8
全部不公开
QQ 空
1
不曾使用
2
姓名
3
性别
4
年龄
间
5
居住城市
6
所属大学名
7
真实头像
8
全部不公开
人人
1
不曾使用
2
姓名
3
性别
4
年龄
网
5
居住城市
6
所属大学名
7
真实头像
8
全部不公开
开心
1
不曾使用
2
姓名
3
性别
4
年龄
网
5
居住城市
6
所属大学名
7
真实头像
8
全部不公开
Q9-2.目前您最常用的社交网站是?(单选)
1 新浪微 2 搜狐微 3 QQ 微 4 QQ 校 5 QQ 空 6 人人网
博
博
博
友录
7 开心网
间
在此社交网站上,以下行为符合您的状况吗?5 表示完全符合,4 表示比较符合,
3 表示不好说,2 表示不太符合,1 表示完全不符合。请选择最接近的选项。
33
我会上传包括我本人
1 完全
2 不太符
不符合
合
1
2
1
3 不好说
4 比较符
5 完全符
合
合
3
4
5
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
在内的相片
我会发表关于个人朋
友的事
我会发表个人恋爱方
面的东西
我会写些有关个人兴
趣爱好方面的东西
我会发表个人价值观
方面的东西
我会发表个人梦想、
目标等
我会写些个人的烦
恼、不安、牢骚等
我会就某些社会现象
发表自己的感想
我会写些有关对社会
或他人的批判、不满
34
Q10.
社交网站给我们的生活带来了很多益处。对您来说,以下“益处”的重要程度
是?5 表示非常重要,4 表示比较重要,3 表示不好说,2 表示不太重要,1 表示
完全不重要。请选择最接近的选项。
1 完全
2 不太
3 不好
4 比较
5 非常
不重要
重要
说
重要
重要
1
2
3
4
5
可以交到新朋友
1
2
3
4
5
可以把自己的生活与心情状态与
1
2
3
4
5
可以记录自己的生活
1
2
3
4
5
可以收集新闻等社会热点信息
1
2
3
4
5
可以得到一些生活小常识方面的
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
可以收集饭店等饮食信息
1
2
3
4
5
可以收集电影、书籍信息
1
2
3
4
5
可以对自己以前不曾涉足、不感
1
2
3
4
5
可以得到有关名人们的信息
1
2
3
4
5
可以玩游戏,娱乐
1
2
3
4
5
可以和现实生活中的朋友们联
络、交流
他人分享
信息
可以得到一些有关化妆,穿衣方
面的小知识
兴趣的领域有所了解
35
本调查到此结束,非常感谢您在百忙之中回答这份调查问卷,真诚地感谢您的支
持与合作!
36
付録 2(日本語版)
SNS 利用状況アンケート
Q1. 性別:
1.女性
2.男性
Q2. 年齢:____
Q3. あなたが持っている端末?すべて選んでください。
スマートフ
ノートパソ
スマートフ
1 パソコン
2
3
4 ォン以外の
コン
ォン
携帯
そのほか
(ipad 等)
5
Q4-1. 以下の SNS について、あなたはいつから利用しましたか。
いつから利用した
利用した
ことがな
い
2008-2009
2007 年よ
2010 年
2011 年
年
り前
2012 年以
後
新浪微博
1
2
3
4
5
6
搜狐微博
1
2
3
4
5
6
QQ 微博
1
2
3
4
5
6
QQ 校友录
1
2
3
4
5
6
QQ 空间
1
2
3
4
5
6
人人网
1
2
3
4
5
6
开心网
1
2
3
4
5
6
※もし Q4.1 の7個の SNS に対し、全て利用したことはなかったら(全部「1」を選んだ
場合)、本調査はここで終わりです。ご協力ありがとうございました。
Q4-2. 毎日 SNS でどのぐらい時間をかけていますか。最も近い項目を選んでください。
ほとんど使わな
1
2 1時間未満
3 1~2 時間
4 2~3 時間
い
5 3~4 時間
6 4~5 時間
7 5~6 時間
8 6 時間以上
Q5-1.いつもどの端末を使って SNS を利用するのですか。該当する項目全て選んでくださ
い。
1
パソコン(本人)
2
パソコン(本人以外)
3
ノートパソコン
4
スマートフォン
5
携帯
6
そのほか(ipad 等)
37
Q5-2.SNS を利用するとき、最も使われている端末は?
1
パソコン(本人)
2
パソコン(本人以外)
3
ノートパソコン
4
スマートフォン
5
携帯
6
そのほか(ipad 等)
Q6-1.いつも SNS を利用する場所はどこですか?該当する項目を全て選んでください。
1 家、宿舎
2 ネットカフェ
3 図書館、実習室
4 教室
レストラン、デ
5 バス、タクシー 6 歩きながら
7 パートなど
Q6-2.最も SNS を頻繁に利用する場所は?
1 家、宿舎
2 ネットカフェ
5
バス、タクシー
6
3
7
歩きながら
Q7.1.以下の SNS のログイン頻度は?
利用
每周 1
每周 2
しな
回や以
-3 回
い
下
図書館、実習室
レストラン、デ
パートなど
4
教室
每周 4
-6 回
每日 1
回
毎日 2
-3 回
毎日 4
-6 回
毎日 7
回以上
新浪微博
1
2
3
4
5
6
7
8
搜狐微博
1
2
3
4
5
6
7
8
QQ 微博
1
2
3
4
5
6
7
8
QQ 校友録
1
2
3
4
5
6
7
8
QQ 空間
1
2
3
4
5
6
7
8
人人网
1
2
3
4
5
6
7
8
開心网
1
2
3
4
5
6
7
8
Q7-2.以下の SNS の書き込み頻度は?(retweet、写真の更新などを含む)?
新浪微博
搜狐微博
QQ 微博
QQ 校友録
QQ 空間
人人网
開心网
利用
しな
い
1
1
1
1
1
1
1
每周 1
回や以
下
2
2
2
2
2
2
2
每周 2
-3 回
每周 4
-6 回
每日 1
回
毎日 2
-3 回
毎日 4
-6 回
毎日 7
回以上
3
3
3
3
3
3
3
4
4
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
5
5
6
6
6
6
6
6
6
7
7
7
7
7
7
7
8
8
8
8
8
8
8
38
Q8-1.以下の SNS で、あなたの友達の数は?
※ 微博の場合は、「ファンの数」を答えてください。
新浪微博
搜狐微博
QQ 微博
QQ 校友録
QQ 空間
人人网
開心网
利
用
し
な
い
1
1
1
1
1
1
1
5
人
以
下
510
人
1120
人
2140
人
4180
人
81150
人
151250
人
251500
人
501800
人
801
人以
上
2
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
3
4
4
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
5
5
6
6
6
6
6
6
6
7
7
7
7
7
7
7
8
8
8
8
8
8
8
9
9
9
9
9
9
9
10
10
10
10
10
10
10
11
11
11
11
11
11
11
Q8-2.以下の SNS のあなたの「友達」のなかで、現実の友達の数は?
※ 微博の場合は、「ファンの数」を答えてください。
511- 21- 31- 51- 71- 101利用し 1-4
10
20
30
50
70 100 200
人
ない
人
人
人
人
人
人
人
(0 人)
新浪微博
搜狐微博
QQ 微博
QQ 校友録
QQ 空間
人人网
開心网
1
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
3
4
4
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
5
5
39
6
6
6
6
6
6
6
7
7
7
7
7
7
7
8
8
8
8
8
8
8
9
9
9
9
9
9
9
201
人
以
上
10
10
10
10
10
10
10
Q9-1.以下の SNS で、あなたが公開した個人情報は?該当する項目をすべて選んでくださ
い
新浪
微博
1
5
搜狐
微博
1
QQ
微博
1
QQ 校
友録
1
QQ 空
間
1
人人网
1
5
5
5
5
5
開心网
1
5
利用しない
住んでいる
町
利用しない
住んでいる
町
利用しない
住んでいる
町
利用しない
住んでいる
町
利用しない
住んでいる
町
利用しない
住んでいる
町
利用しない
住んでいる
町
2
名前
3
性别
4
6
所属大学名
7
本人写真
8
2
名前
3
性别
4
6
所属大学名
7
本人写真
8
2
名前
3
性别
4
6
所属大学名
7
本人写真
8
2
名前
3
性别
4
6
所属大学名
7
本人写真
8
2
名前
3
性别
4
6
所属大学名
7
本人写真
8
2
名前
3
性别
4
6
所属大学名
7
本人写真
8
2
名前
3
性别
4
6
所属大学名
7
本人写真
8
40
年龄
全部公開し
ない
年龄
全部公開し
ない
年龄
全部公開し
ない
年龄
全部公開し
ない
年龄
全部公開し
ない
年龄
全部公開し
ない
年龄
全部公開し
ない
Q9-2.今、一番あなたが使っている SNS は?
1 新浪微博 2 搜狐微博 3 QQ 微博 4 QQ 校友
録
5 QQ 空間
6 人人网
この SNS で、以下のことはあなたにどの程度当てはまりますか?
1 まったく 2 当てはま 3 どちらも 4 当てはま
らない
いえない
る
当てはま
らない
1
2
3
4
本人を含む写真を公開
する
1
2
3
4
友達のことを書く
7 開心网
5 とても当
てはまる
5
5
個人の恋愛関連のこと
を書く
趣味について書く
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
大切にしている価値観
を書く
将来の目標、夢を書く
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
不安、悩みを書く
1
2
3
4
5
世の中話題になってい
るニュースなどを書く
社会への不平・不満を
書く
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
41
Q10.
あなたにとって、SNS を通して得られる以下のようなことは大切ですか。
4 大切
5 とても
1 ぜんぜ 2 大切で 3 どちら
大切
はない
もいえ
ん大切
ない
ではな
い
1
2
3
4
5
現実世界の友達と連絡できる
新しい友達ができる
1
2
3
4
5
自分の生活や感情を他人と分かち合
う
1
2
3
4
5
自分の生活を記録する
1
2
3
4
5
ニュースなどが見れる
1
2
3
4
5
生活常識などの情報を手に入れる
1
2
3
4
5
ファッション情報を手に入れる
1
2
3
4
5
レストランの情報を手に入れる
1
2
3
4
5
映画、本の情報を手に入れる。
1
2
3
4
5
自分が知らない新しい領域を接触で
きる
1
2
3
4
5
有名人情報を手に入れる
1
2
3
4
5
ゲーム、娯楽ができる
1
2
3
4
5
42