積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成(英語で修学旅行

積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成
英語で修学旅行体験を伝えるための3つの段階を追った
自己表現活動への取り組みを通して
研究 員
研
究
の
概
神流小 学校
篠崎
隼人
要
本 研 究は 、英 語で 修 学旅 行体 験を 伝え る ため の 3つ の段 階を 追っ た 自己 表現活 動への 取り組 みを
通し て 、自 分の 思い を 伝え られ た喜 びを 持 ち、 積 極的 にコ ミュ ニケ ー ショ ンを図 ろうと する態 度を
育成す ること を目指 したも のであ る。
Ⅰ
主題設定の理由
平 成 20 年 3月に 学習指 導要領 が改訂 され、 小学校 5・6 年生に 、年間 35 時 間の 外国語 活動が 位置
付 け ら れ た 。 目 標 は 、「 外 国 語 を 通 じ て 、 言 語 や 文 化 に つ い て 体 験 的 に 理 解 を 深 め 、 積 極 的 に コ ミ ュ
ニ ケー ショ ン を図 ろう とす る 態度 の育 成 を図 り、 外国 語音 声 や基 本的 な 表現に 慣れ親 しませ ながら 、
コ ミュ ニケ ー ショ ン能 力の 素 地を 養う 」 とさ れて いる 。ま た 、県 の学 校 教育の 指針で も、小 学校外 国
語 活動 の重 点 とし て「 コミ ュ ニケ ーシ ョ ンへ の積 極的 な態 度 の育 成」 が 示され 、コミ ュニケ ーショ ン
に対 する積 極性を 身に付 けさせ る指導 の充実 が求め られ ている 。
本学 級の 児 童に 外国 語活 動 の授 業に 関 する アン ケー ト調 査 を実 施し た ところ 、外国 語の授 業はほ と
ん ど の 児 童 が 好 き と 答 え て い る 。 中 で も 、 英 語 の ゲ ー ム を す る こ と に 対 し て 、「 楽 し い 」 と 感 じ て い
る 児童 が多 い 。し かし なが ら 、自 分の 思 いを 英語 で伝 える こ とへ の問 い には、 約5分 の1の 児童が 苦
手 と 感 じ て い る 。「 道 で 外 国 の 人 に 話 し か け ら れ た ら ど う す る か 」 の 問 い に も 、「 逃 げ 出 す」「 無 視 を
す る 」 な ど の 回 答 も 見 ら れ た 。 そ の 理 由 と し て 、「 ど う 話 す の か わ か ら な い」「 間 違 い が 怖 い 」「 恥 ず
か し い 」「 英 語 で し ゃ べ れ な い 」 な ど の 回 答 が 見 ら れ た 。 こ れ ら の 結 果 か ら 、 楽 し く 英 語 表 現 に 慣 れ
親 しん でい る もの の、 それ ら の言 葉を 使 って 自分 の気 持ち を 表現 する こ とに対 して難 しいと 感じて し
ま い、 ゲー ム を通 して 感じ た 英語 の楽 し さが 実際 のコ ミュ ニ ケー ショ ン の場で 有効に 活用で きてい な
い。
また 、思 い を伝 える 手段 を 言葉 に限 定 して 考え てい たり 、 外国 人と の 表現方 法の違 いに戸 惑いを 感
じ たり して い るこ とか ら、 自 己表 現の 方 法を 段階 的に 指導 す る必 要が あ る。具 体的に は、ジ ェスチ ャ
ー を取 り入 れ たり カー ドや 写 真を 見せ た りす るな ど、 分か り やす く伝 え るため に、非 言語表 現を積 極
的に 取り入 れるな どの手 段を指 導する 必要が ある。
本単 元は 、 修学 旅行 で「 外 国人 に質 問 をし て写 真を 撮っ て こよ う」 の 学習の 振り返 り活動 とも関 連
し てお り、 修 学旅 行先 で外 国 人に 話し か けた 体験 によ って 高 まっ てい る 児童の 意欲を さらに 高め、 自
信 へつ なげ る 意味 でも 大変 効 果的 であ る 。ま た、 修学 旅行 で 学ん でき た 外国人 のリア クショ ンなど も
生 かし て自 己 表現 活動 を取 り 入れ るこ と によ り、 児童 は自 信 を持 って 発 表し、 相手に 伝える ために 様
々 な 工 夫 を し て 、 活 動 を 楽 し む こ と が で き る 。 さ ら に 、 ALT の 友 人 が 勤 務 す る ア メ リ カ の 学 校 の 児
童 へ向 け、 修 学旅 行体 験を 紹 介す るビ デ オレ ター を作 成・ 送 付し 、返 事 をもら うこと で、自 分たち の
言葉 や表現 だけで 伝わっ た喜び や成就 感を持 たせる こと ができ る。
1
以上 のこ と から 、英 語で 修 学旅 行体 験 を伝 える ため の3 つ の段 階① 音 声や基 本的な 表現へ の慣れ 親
し みの 段階 、 ②自 己表 現活 動 への 自信 を つけ る段 階、 ③修 学 旅行 体験 の ビデオ レター 作成の 段階を 追
っ た自 己表 現 活動 の取 組を 通 して 、コ ミ ュニ ケー ショ ンを 積 極的 に図 ろ うとす る態度 を育成 するこ と
がで きると 考え、 本主題 を設定 した。
Ⅱ
研究のねらい
ゲー ムで 学 んだ 楽し さが 実 際の コミ ュ ニケ ーシ ョン の場 で 有効 に活 用 できる ために 、①音 声や基 本
的 な表 現へ の 慣れ 親し みの 段 階、 ②自 己 表現 活動 への 自信 を つけ る段 階 、③修 学旅行 体験の ビデオ レ
タ ー作 成の 段 階の 3つ の段 階 を追 った 自 己表 現活 動の 取り 組 みを 通し て 、教師 や友達 とのか かわり や
思 いを 伝え る こと の喜 びを 感 じる こと で 、積 極的 にコ ミュ ニ ケー ショ ン を図ろ うとす る態度 の育成 が
でき ること を実践 を通し て明ら かにす る。
Ⅲ
1.
研究の見通し
音声 や 基本 的な 表現 へ の慣 れ親 し みの 段階 では 、チ ャ ンツ を使 っ て繰り 返し発 音をし て英語 表
現 に慣 れ 親し んだ 後、 そ の英 語表 現 を使 った コミ ュニ ケ ーシ ョン ゲ ームを 行い、 体験を 共有し た
り 思い や 意思 を伝 えた り する こと で 、コ ミュ ニケ ーシ ョ ンを して み たいと いう意 欲を持 つこと が
できる であろ う。
2 . 自 己 表 現 活 動 へ の 自 信 を つ け る 段 階 で は 、 担 任 と ALT に よ る 良 い 例 と 悪 い 例 の 2 つ の デ モ ン
ス トレ ー ショ ンを 比較 し 意見 を述 べ させ たり 、中 間発 表 の場 を設 け 、グル ープ同 士で発 表練習 を
見合い、良 い点を 伝える 活動を 取り入 れたり するこ とで、相手 に伝わ りやす い発表 方法が 分かり、
自信を 持って 自己表 現活動 に取り 組むこ とがで きる であろ う。
3 . 修学 旅 行体 験の ビデ オ レタ ー作 成 の段 階で は、 修学 旅 行体 験に お ける工 夫され た自己 表現活 動
を ビデ オ レタ ーに 収め る 活動 を通 し て、 成就 感を 持つ こ とが でき 、 積極的 にコミ ュニケ ーショ ン
を図ろ うとす る態度 が育つ であろ う。
Ⅳ
研究の内容と方法
1. 研究の 内容
[積 極的に コミュ ニケー ション を図ろ うとす る態度 ]
日本 語と は 異な る外 国語 の 音に 触れ る こと によ り、 外国 語 を注 意深 く 聞いて 相手の 思いを 理解し よ
う とし たり 、 他者 に対 して 自 分の 思い を 伝え るこ との 難し さ や大 切さ を 実感し たりし ながら 、積極 的
に自 分の思 いを伝 えよう とする 態度の ことで ある。
(1) 音 声や基 本的な 表現へ の慣れ 親しみ の段階
英語 表現 に 慣れ 親し ませ る ため に、 チ ャン ツ及 びコ ミュ ニ ケー ショ ン ゲーム を取り 入れる 。本単 元
の チャ ンツ で は、 既習 の英 語 表現 の中 か らビ デオ レタ ーで 使 用で きそ う なもの に限定 をして 行う。 ま
た、 同時に ジェス チャー も取り 入れ、 ジェス チャー は担 任と ALT が先 行して 行う。
コミ ュニ ケ ーシ ョン ゲー ム とは 、チ ャ ンツ で学 んだ 英語 表 現を 活用 し て、友 達とカ ード交 換をし た
り クイ ズを 出 し合 った りし な がら 英語 表 現に 親し むも ので あ る。 本単 元 では、 ジェス チャー に焦点 を
当 て、 スポ ー ツを 題材 に友 達 に問 題を 出 すゲ ーム から スタ ー トし 、修 学 旅行先 の建造 物や食 べ物の ジ
ェス チャー へとつ なげて いく。
2
(2) 自 己表現 活動へ の自信 をつけ る段階
自己 表現 活 動へ の自 信を つ ける ため に 、2 つの デモ ンス ト レー ショ ン の比較 と中間 発表を 取り入 れ
る 。2 つの デ モン スト レー シ ョン の比 較 とは 、分 かり やす く 相手 に自 分 の思い を伝え る手段 を見つ け
る活 動であ る。ジェス チャー を大き く行っ たりま った く行わ なかっ たりす るデモ ンスト レーシ ョンや、
抑 揚や 話す ス ピー ドに 変化 を つけ たデ モ ンス トレ ーシ ョン を 行い 、そ れ らを比 較する ことで 分かり や
すい 表現方 法に気 付かせ る。
さら に、 中 間発 表で は、 ① 大き く体 で 表現 する こと 、② 大 切な ポイ ン トをゆ っくり 話すこ と、③ 抑
揚 をつ ける こ とに 視点 を絞 り 、友 達と 見 合わ せる こと で、 よ り良 い伝 え 方を考 え、自 信を持 って自 己
表現 活動に 取り組 ませる 。
(3) 修 学旅行 体験の ビデオ レター 作成の 段階
ビ デ オ レ タ ー 作 成 の 段 階 で は 、 ALT の 友 人 が 勤 務 す る ア メ リ カ の 学 校 の 児 童 へ 向 け 、 修 学 旅 行 体
験 を紹 介す る ビデ オレ ター を 作成 ・送 付 し、 返事 をも らう 。 その 活動 を 通して 、自分 たちの 言葉や 表
現 だけ で伝 わ った 喜び や成 就 感を 持た せ 、積 極的 にコ ミュ ニ ケー ショ ン を図ろ うとす る態度 を育成 す
る。
[ 研究 構想 図]
3
2. 研究の 方法
(1) 実 践計画
対
期
藤岡 市立神 流小学 校6年 1組 34 名
平成 23 年 10 月 ~ 11 月
象
間
単 元 名
修 学旅行 で学ん だ文化 を紹介 しよう
(2) 検 証計画
項 目
検証 の観点
検証の 方法
チャンツで英語表現に慣れ親しませた後、それらを使
見通し 1 っ て コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ゲ ー ム を 行 っ た こ と は 、 友 達
とのかかわりを通して伝わった喜びや楽しさを感じ、
英語を使ってさらにコミュニケーションをしてみたい
と い う 意 欲 を 持 つ た め に 有 効 で あ っ たか 。
ジェスチャーの大きさや話すスピードの違う2つのデ
見通し 2 モ ン スト レ ー シ ョ ン を 担 任 と ALT が 行 い 、 違 い を 話 し
合 っ た り 、中間発表の場を設け、友 達 の 発 表 を 見 合 っ て
よ さ を 見 つ け 合 っ た り し て 、 相 手 に 伝わ り や す い 発 表
方 法 に 気 付 か せ た こ と は 、 自 信 を 持 っ て 自 己表 現 活 動
を行う上で有効であったか。
そ れぞ れ が 工 夫 しな が ら自 己表 現 活動 に取 り組 み 、相 手
見通し 3 に 思い を 伝 え た いと い う思 いを 持 ちな がら ビデ オ レタ ー
を 撮影 し た こ と は、 自 分の 表現 で 伝え られ た喜 び や成 就
感 を感 じ 、 積 極 的に コ ミュ ニケ ー ショ ンを 図ろ う とす る
態度を 育てる 上で有 効であ ったか 。
Ⅴ
研究の実践と考察
1.
検証 授業
学習 活動
○ 活動の観察 (進んで声を出し たり、
楽しそうに友達とかかわったりしている。
)
○振 り返 りカー ド(活動後のカー
ドから、楽しく友達とかかわったこと
が書かれて いる。)
○振り返りカード(違いやよさが書か
れ、自分たちの表現へ取り入れようとして
いる。)
○活動の観察 (ジェスチャーが 大きく
なったり、伝えたいポイントをゆっくり話
すなど工夫が見られる。)
○ 活動の観察 (大きな声で発表し たり
堂々と発表したりしているなど、自信を持
って撮影に臨んでいる。)
○ 撮影後の感想 (撮影後の表情 や 感
想から、満足できた様子が伺え る。)
指導上 の留意 点
担
ALT
任
評価項目と方
法等
・挨拶(English Leader) ・English Leader が 堂々と発表できたら 拍手 ○ 話 す 言 葉 を 一 人 一 人 確 認 し 、
を促すことで、表現できた喜びや自信を感 自 信 を 持 っ て 発 表 で き る よ う に
じられるよ うに する。
・チャンツ
する 。
・児童と一緒にチャンツを楽しみ、大きく ・ ビ デ オ レ タ ー で 使 用 す る 内 容
表現する。
を含 めたチャンツを行う。
・大きく表現できている児童を賞賛し、他 ・ 言 葉 の 確 認 を し な が ら ジ ェ ス
の児童の意 欲を 持たせる。
チャーも取り入れて楽しく発音
・ デ モ ン ス ト レ ー シ ョ ・担任と ALT と でデモンストレーシ ョンを をリ ードする。
ンを見る。
行う。
・ 気 付 い た こ と を 発 表 ・良い例と悪い例を見せ、違いを発表させることで、今日の練習の視点を明
する。
確にできる よう にする。
・ 本 時 の め あ て を つ か 今日の視点は3つに絞り、①大きく体で表現すること②大切なポイントをゆ
む。
っくり話す こと ③抑揚をつけるこ と、にする。
ジェスチ ャーの大きさや 話すスピード、抑揚 に気をつけながら よりよい発表を目指 して練習をしよう 。
・ グ ル ー プ ご と に 練 習 ・3つのポイントを意識しながら取り組む ・ 児 童 の 発 表 練 習 を 見 て 、 少 し
ずる。
よう声をか ける 。
でも良い発音ができていたり、
4
・ 近 く の グ ル ー プ と 発 ・3つのポイントを書いたチェックカード 表 現 が 分 か り や す か っ た り し た
表 を 見 合 い 、 よ か っ た に発表の様子を記入させることで、話し合 場 面 で は 賞 賛 し 、 自 信 や 意 欲 へ
所 や 反 省 す る 所 を 話 し う視点を明 確に させる。(図1)
合う。(中間発表)
つな げられるようにする。
・他のグループの発表を見合わせること
で、自分たちの よさや友達のグル
ープのよさに気付かせ、より伝わ
りやすくするための工夫を考えら
れるようにする 。
・早く話合いの終わったグループ
は後半の練習をどこに気をつける
か話し合うよう 伝える。
・お互いのよさや工夫点を共有化
図1
させることで、そのグループだけ
中間発表の様子
では気付かなかった課題へも目を
向けさせ、よりよい発表への意欲へとつな
・ 話し合っ た内容を発 げていく。
表する。
・良いとこ ろは まねできるよう促 す。
( 3つの課 題について、 ・ 変 え た い ポ イ ン ト を し っ か り 捉 え さ せ て
(発 表例)
My name is Hayato.
I'm from Kanna Elementary School.
We are 6th grade students.
We went on the school trip in Kamakura.
Do you know Kamakura?
This is a famous place in Japan.
There are many historic buildings.
For example, this is Big Buddha.
It's very big.
It's 11.3 meters tall and it weighs 124 tons.
昔 将 軍 が仏 の 力 を 借り て 、 国 の力 を ま
とめ るため に作ら れたも のです 。
(Long ago, The Syogun used Buddhism to
unite Japan.)
そ れ ぞ れ 良 い 表 現 が で 練習に臨ま せる 。
・ 良い 点 を児 童に 実演 させ る際 、 【コミュニ ケーシ
きた児童が発表 する。)
良 か っ た と こ ろ を 賞 賛 し な が ら ョンへの関心・意
・ 一 番 必 要 な 課 題 を 一 ・本時の変容を伝えることで、どの児童に も う 一 度 再 現 す る こ と で 、 児 童 欲・態度】友達の
つ に 絞 り 、 も う 一 度 練 も達成感が 持て るようにする。
習する。
も 賞 賛 さ れ 、 ま た 他 の 児 童 の 目 発表を見ながら、
・ 英 語 で 発 表 で き た り 工 夫 し て 表 現 で き た 標も 持てるようにする。
より伝わりやすい
・ 練 習 の 成 果 を 発 表 す りしたことを振り返り、伝えられたことを ・ 児 童 の 中 へ 入 っ て い き 、 迷 っ 工夫を見つけ、自
る。
賞賛するこ とで 児童に自信を持た せる。
て い る 所 に は 表 現 の ア ド バ イ ス 分の練習に取り入
・振り返りカードを記 ・次時の練習のめあてを持てるようにす をジェスチャーで行うことで、 れ よ う と し て い
入する。
る。
め あ て を 持 っ て 活 動 に 取 り 組 め る 。( 行 動 観 察 ・
・本時のまとめ をする。
るよ うにする。
ノート)
(数名発表)
2.
(1)
結果 と考察
コミュニケーションに対する意欲における、チャンツ及びコミュニケーションゲームの有効
性につ いて( 見通し 1)
チャンツの活動を始めた当初は、リズムに合わせ体
をゆする児童は数名見られたが、ほとんどの児童は英
語 表 現 や単 語を 何と なく 発 音す る 程度 の取 組で あっ た 。
また、ゲームを行う場面においても、カードを取った
りじゃんけんをしたりするゲームに夢中になり、英語
表現 が曖昧 となっ てしま う児童 も多く 見られ ていた 。
そこで、本単元のチャンツでは、ジェスチャーを取
り入 れ、ジェ スチャ ーは担 任と ALT が先 行して 行った。
すると、ジェスチャーの大きさに変容が見られた。最
初は恥ずかしそうに小さくジェスチャーをしていた児
童も、回数を重ねることでジェスチャーを大きく行う
こ と が で き る よ う に な っ た ( 図 2 )。 児 童 か ら は 、「 友
5
図2
チャンツの活動
達も同じジェスチャーを
しているから安心だ」と
いう意見が聞かれた。安
心感が芽生えたことで、
発音する声の大きさも次
第に大きくなり、自然と
笑顔 も多く 見られ た。
コミュニケーションゲ
ームでは、ジェスチャー
の重要性に対する認識に
図3
スポーツのジェスチャー
図4
修学旅行のジェスチャー
変 容が 見ら れ た。 コミ ュニ ケ ーシ ョン ゲ ーム を始 めた 当初 は 、ジ ェス チ ャーが なくて も相手 に思い が
伝 えら れる と 感じ てい たり 、 英語 表現 だ けで 伝え なけ れば な らな いと 感 じたり してい る児童 が多く 見
られ た。し かし、ジェス チャー ゲーム( 図 3、図 4)を行う うちに、「意 外とジ ェス チャー も簡単 だ」
「 言 葉 が 無 く て も 伝 わ る 」「 相 手 に 分 か り や す く 伝 え る に は 、 身 振 り 、 手 振 り を 大 き く す る こ と が 大
切だ 」と感 じるこ とがで きた。
(2)
自己表 現活動 への自 信にお けるデ モンス トレー ショ ンの比 較や中 間発表 の有効 性につ いて
( 見通し 2)
当初、児童は自己表現活動としてジェ
スチャーを行うことや、カードや写真を
提 示 す るこ と の 重 要性 に 気付 けて いた が 、
それらをどのように用いたらより良いプ
レゼンテーションへ結びつけることがで
きる かとい う視点 が欠け ていた 。
そこで、声に抑揚を付けることやジェ
スチャーの大きさ、キーワードをゆっく
り発表することやタイミングを見てカー
ドや写真を提示することなどのポイント
に 気 付 け る よ う 、 悪 い 例 ( 図 5 )、 良 い 例
図5
悪い例
図6
良い例
(図6)の2つのデモンストレーションを比較させた。
す る と 、「 明 る く 発 表 し た 方 が 伝 わ り や す い 」「 ジ ェ ス チ
ャーは大きい方が伝わりやすい」などたくさんの気付き
が生まれた。そのことで、視点が明確になりその後の発
表練習に意欲的に取り組むことができた。さらに、中間
発表の場を設けることで、友達のグループのよさに気付
き、よさを伝え合う活動を通して、新たな課題を見つけ
た り 自 信 に つ な が っ た り し た ( 図 7 )。 活 動 後 も 、「 大 き
く ジ ェ ス チ ャ ー が で き る よ う に な っ て 嬉 し い 」「 大 切 な
ポイントをゆっくり伝えられた」など、自信を持った感
想が たくさ ん見ら れた。
図7
6
中間発表での伝え合い
(3)
積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度における自己表現活動を取り入れたビデオ
レター 作成の 有効性 につい て(見 通し3 )
前単 元「 修 学旅 行で 外国 人 と写 真を 撮 ろう 」で の外 国人 と の対 話活 動 では、 外国人 に話し かけた 時
にど のよう な表情 や話し 方をす るかを 学び、
「 日本人と 比べ て手を 動かし て分か りやす くして くれた」
「 手 を 出 し て 握 手 を 求 め て き た 」「 写 真 を 撮 る 時 の テ ン シ ョ ン が 高 か っ た 」 な ど 、 日 本 人 と の 違 い を
感じ ること ができ た。
本単 元「 修 学旅 行で 学ん だ 文化 を紹 介 しよ う」 では 、外 国 の友 達に 英 語でビ デオレ ターを 作成し 、
届 け る こ と を 伝 え た 。 伝 え る こ と で 、「 ど う や っ て 届 け る の 」「 ど ん な こ と を 送 る の 」 な ど 、 関 心 が
高まり、その後の活動もビデオレター作成に向け、意欲的に取り
組む 姿が見 られた 。
単元の最後、ビデオレター作成時においては、どのように話し
たら相手に分かりやすく伝えることができるかを、真剣に工夫し
取り組む姿が見られた。具体的には、自分たちのオリジナルの表
現方法を見つけたり、ジェスチャーの工夫だけでなく、カードや
劇なども取り入れたりしていた。また、見ている人の気持ちを考
え 、 よ り 分 か り や す い 説 明 を 工 夫 し 、「 実 物 を 写 真 で 見 せ て 、 大 き
さ や速 さを ジ ェス チャ ーで 表 現す れば 良 い」 など 工夫 が見 られ た。
さらに、英語に自信のない児童でも、カードの裏にカタカナで発
音 を メ モ し た り 、 ALT が あ ら か じ め 児 童 の 考 え た 文 章 を 簡 単 に 英
訳し、英文をビデオで撮影しておいたもの(図8)を繰り返し見
図8
ALTの 英 語 表 現 の 録 画
たり する姿 が見ら れた。
ビデ オレ タ ー撮 影で は、 ほ とん どの 児 童が 視線 や抑 揚、 話 すス ピー ド にも気 をつけ て撮影 したい と
意 識を 持つ こ とが でき 、堂 々 と発 表を す るこ とが でき た。 ビ デオ レタ ー を取り 終えた 児童に 感想を 聞
い た と こ ろ 、 全 員 の 児 童 が 「 満 足 で き た 」「 外 国 の 友 達 に ち ゃ ん と 伝 わ っ た か な ぁ 」 な ど 満 足 し た 感
想を 持つこ とがで きた。
図9
ジェスチャー
の工夫
図 10
動きを表す工夫
7
図 11
劇やテロップで説明
Ⅵ
1.
○
研究の成果と今後の課題
研究 の成果
音声 や 基本 的な 表現 へ の慣 れ親 し みの 段階 では 、チ ャ ンツ 及び コ ミュニ ケーシ ョンゲ ームが 、
ジ ェス チ ャー の大 きさ 、 安心 感に よ る声 の大 きさ 、ジ ェ スチ ャー の 重要性 に対す る認識 をもた ら
し、コ ミュニ ケーシ ョンに 対する 意欲を 喚起で きた 。
○
自己 表 現活 動へ の自 信 をつ ける 段 階で デモ ンス トレ ー ショ ンの 比 較を行 ったこ とは、 相手の 気
持 ちを 考 えた 表現 方法 に 気付 かせ る こと がで きた 。ま た 、中 間発 表 を行っ たこと で、友 達のグ ル
ー プの よ さに 気付 き、 よ さを 伝え 合 うこ とが でき た。 そ して 、新 た な課題 を見つ け、そ れを改 善
するこ とで自 己表現 活動へ の自信 を高め ること がで きた。
○
修学 旅 行体 験の ビデ オ レタ ー作 成 の段 階で は、 ビデ オ レタ ーに ま とめる ことが 「相手 の気持 ち
を 考え な がら 、分 かり や すく 自分 の 思い を伝 える 」と い う積 極的 に コミュ ニケー ション を図ろ う
とする 力を高 めた。
○
自己 表 現活 動へ の自 信 が高 まっ た こと で、 相手 に伝 え たい 情報 も 増え、 既習以 外の英 語表現 を
積極的 に活用 しよう とする 姿が多 く見ら れた。
2.
○
今後 の課題
チャ ン ツや 歌、 ゲー ム など で英 語 表現 に慣 れ親 しま せ るだ けで な く、日 頃から 計画的 に自己 表
現 活動 に 取り 組ま せる こ とで 、自 分 の思 いを 表現 する 楽 しさ に気 付 かせ、 積極的 にコミ ュニケ ー
シ ョン を 図ろ うと する 態 度へ つな げ てい きた い。 それ が 、中 学英 語 へつな ぐ外国 語活動 のあり 方
だと考 える。
○
今 回 は 、 ALT の 友 人 の 職 場 と 連 絡 が 取 れ た た め ビ デ オ レ タ ー を 送 付 す る こ と が で き た が 、 外
国 と の つ な が り を 持 つ こ と は 難 し い 。 外 国 と の 連 携 は 有 効 で あ る た め 、 ALT と 協 力 し た り 、 地
域 や他 の 教育 機関 と連 携 を図 りな が ら、 ネッ トワ ーク を 広げ 、い つ でもか かわり を持て る環境 を
整えて いく。
<主 な参考 文献>
○「 小学 校にお けるプ ロジェ クト型 英語 活動の 実践と 評価」 東野 裕子 髙島 英幸
○「 小学校 学習 指導要 領の解説 と展 開
○「 外国語 活動の 手引き 」
外 国語活 動編」
安彦 忠彦
監修
大城
共著(高陵 社書店 )
賢・ 直山
木綿子
編著
平成 23 年 3月
群馬県 教育委 員会
外 国 語 活 動 実 践 事 例 ( 含 ビ デ オ コ ン テ ン ツ ) は 、 藤 岡 市 教 育 委 員 会 学 校 教 育 課 Web ペ ー ジ
http://10209.schoolweb.ne.jp/swas/ に掲載 してい ますの で、ご 活用下 さい。
8