日本リウマチ財団ニュース 2005 年 平成 17 年 6 月 22 日 第三種郵便物認可 定価 100 円/奇数月 1 日発行 NO. 71 年6回発行 2005年7月号 ※リウマチ財団ニュースはリウマチ登録医を対象に発行しています。本紙の購読料は、リウマチ登録医の登録料に含まれています。 2005年7月1日発行 リウマチ治療を考える 平成17年度リウマチ月間 リウマチ講演会開催される 日本リウマチ財団恒例のリウマチ月 中止していた場合,その行為を医師に けるに際しては専門医を選ぶべきであ 間のスタートとなる講演会がさる 5 月 伝えなければ,検査数値が悪ければ, る,と慢性疾患での医師選びの重要性 30 日,多くの熱心な聴講者を集めて 医師はその薬がその患者さんには効か を述べ講演を締めくくった。 東京三越劇場で開催された。 ない薬であったと思いこみ,さらに強 当日はあいにくの横なぐりの雨模様 い薬を出すという恐れもある。つまり, で,聴衆の患者さんたちにはとくに条 医師が患者さんに情報を正確に伝えて 件が悪かったが,訪れた患者さんは最 も,患者さんが正しく情報を医師に伝 後まで真剣なまなざしで講演に聞き入 えない,コミュニケーション不足が起 っていた。 こりうる状況があるというのだ。 基調講演を行う西岡久寿樹 氏 を払っているからである,と述べたこ はじめに となどである。 薬代も含めたそのような薬効・治療 パネルディスカッションで 患者,医師相互の意見交換 引き続き「リウマチ治療の最近の話 題」としてパネルディスカッションが 行われた。 に対して,患者さんの生の声を聞くた はじめに「患者向け関節リウマチの 講演の本論は,「コストパフォーマ めにも,ひいては医療の質向上のため 治療ガイドライン」と題して,司会も 久史麿 理事長がやむを得ない事 ンス」つまり,患者さんが受けている にも,制度としての CRC 導入が必要 担当した越智隆弘 氏が話の口火を切 情で欠席されたことによって,越智隆 った。 治療が患者さんにとってどの程度満足 であろうと西岡 氏は患者さんに向か 弘 氏(独立行政法人国立相模原病院 のいくレベルであり,かつ妥当な金額 って力説した。 院長)が開会の挨拶を行った。越智 であるかどうかという,治療上の重要 氏は当日の湿度を配慮して,聴講中で なポイントについてであった。 越智 氏によると,現在厚労省の指 また,患者さんたちが現在一番気に 導によって 20 の疾患についての治療 しているであろう,生物学的製剤につ ガイドラインが出ているが,その中で, も体をのびのびさせるよう,自由に動 その点,治療に関しては,日本のレ いての話題では,本論を語る前に,ご リウマチに関する最新の医師向けガイ くことを勧めた。出席の患者さんたち ベルは決して低くないとしつつ,先般, 来場者に挙手で生物学的製剤の普及具 ドラインは「診断のマニュアルと を気遣ったこのやさしい一言が,リウ その副作用が話題になった肺癌治療薬 合の実数を求め,レミケードについて EBM に基づく治療ガイドライン」と マチ登録医のあるべき姿,リウマチ講 を引き合いに,「MTX での間質性肺 はご来場者のうち 3 名が施療されてお 題して越智 氏自らが総監修者として 演会であることをあらためて認識させ 炎死亡例も話題になったが,それでは り,最新のエンブレルではまだ会場に 昨年日本リウマチ財団より刊行された た。 MTX の投薬を止めるべきか」という 投薬されている患者さんはいなかっ ものである。この内容については,4 問いかけには,効果が良い薬なら止め た。 月に開催された日本リウマチ学会でも なお,この時季を「リウマチ月間」 と定めたのは,その気象条件によるか らである。 開会のご挨拶を述べる越智隆弘 氏 患者さんに向けて,日本のリ ウマチ医療の最新状況を説明 る必要はないと述べ,副作用の話題に 西岡 氏自身,100 例以上のレミケー ついてはマスメディアのセンセーショ ド治療者をこれまで ナルな報道を戒めることも必要である 診ているそうだが, が,それ以上に医師の説明と患者さん レミケードの 3 年目 の理解が治療には重要なのだというこ 投与についてはどう とを強調された。 すべきか結論が出て そして,この点には CRC(clinical いないということも research coordinator :臨床試験コー 話された。また,副 ディネーター)の存在が果たす役割の 作用の問題も含め, 向上が必要とも述べた。これは,医師 市販後調査で 5,000 が患者さんに説明するインフォーム 例を集計する作業 ド・コンセントよりも,さらに一歩進 が,現在も行われて んだ第 3 者的な立場から薬を説明する いることもご紹介さ というシステムである。 れた。 このシステムの背景には,医師に対 最後の話題として 越智 氏の挨拶に引き続き,聖マリ して患者さんは遠慮があるのか,処方 西岡 氏は,現在の アンナ医科大学の西岡久寿樹 氏が された薬が実際に効いているのか効い 生物学的製剤の有効 「リウマチ性疾患制圧へ向けて」と題 ていないのか現実には明確に答えない 性は認めるが,それ 場合が多いこと。その上,患者さん自 らはほとんどが海外 この基調講演では,西岡 氏らしい 身の判断で服薬遵守をしていない場合 からの導入品であ 忌憚のない意見の発表が患者さんに向 もあること。それでは施療する医師側 り,高額な治療費用 けて発せられた。たとえば,日本では から薬の正しい評価はできないこと。 がかかるのはそこに 新薬の認可が遅いという評価があり, 処方した薬を正しく飲んでいることを も原因があるとし, 医師側も海外での実例を知るにつけ早 条件に,通常は医師が患者さんと向か 日本発の同系製剤の く認可して欲しいと思っていること。 い合うものであることなどが正しく行 開発が求められるこ しかし,厚労省の認可が遅いというこ われていない実態がある。 とを強調。患者さん して基調講演を行った。 とは,その分安全性に過剰なほど注意 仮に,患者さん自身の判断で服薬を に対しては治療を受 何度となく取り上げられ,いかに多く リウマチ月間 リウマチ月間リウマチ講演会 月間リウマチ講演会 講演会 ― リウマチの治療 リウマチの治療を考える 治療を考える ― 主催 財団法人 日本リウマチ財団 後援 厚生労働省・日本医師会・日本リウマチ学会 プログラム ■ 挨拶 越智 隆弘 独立行政法人国立相模原病院院長 ■ 基調講演 「リウマチ性疾患制圧へ向けて」 西岡 久寿樹 聖マリアンナ医科大学教授/難病治療研究センター長 ■ パネルディスカッション 「リウマチ治療の最近の話題」 1.患者向け関節リウマチの治療ガイドライン ―患者が選ぶ治療の時代を迎えて― 2.小児リウマチの最新治療法 司会:越智 隆弘 シンポジスト: 「患者からみたリウマチ医への要望」 島田 廣子(社)日本リウマチ友の会創設者 名誉理事長 「薬物治療の進歩」 三森 経世 京都大学免疫・膠原病内科教授 「リハビリテーションの進歩」 村澤 章 新潟県立瀬波病院長 「こどものリウマチにも光を」 横田 俊平 横浜市立大学小児科教授 2 日本リウマチ財団ニュース 第三種郵便物認可 の臨床医師に待ち望まれていたか,そ の反響の大きさに驚くばかりであった という。 たのは京都大学の三森経世 氏である。 平成 17 年 7 月 1 日発行 No.71 かって語った。このうち,維持期(安 療戦略はあるとして以下の実例を挙げ た。 三森 氏は,治療の目標は,かつて 定期)におけるリハビリと運動療法に は痛みの緩和から QOL の向上までで ついては,家庭でできるリウマチ体操 まず,小児のリウマチを①関節型② その反響を受け,ガイドラインのう あったのを,現在はさらに一歩進んで を毎日繰り返すことが重要であると 全身型に分け解説した。それによると ちで患者さんにあまり関係のない診断 寛解導入・関節破壊の防止というとこ し,最もエビデンスがあるのは水中運 ①関節型には,MAP 療法(MTX + 部分を除いた治療部分を中心に,平易 ろまで来ていると,目標が変化してい 動であることを強調された。これは, アスピリン+少量のステロイド:プレ な表現で情報提供をしようと患者向け ることをまず述べた。そして薬物療法 腰に負担の多い妊婦の水中運動と似通 ドニゾロン)と呼ばれる治療法が行わ ガイドラインの作成を現在急いでいる については,NSAIDs は補助的な役割 ったところがあるとも話された。 れつつあり,これは 73 %の有効性で ところであるという。本書は書店売り になり,現在は DMARDs(抗リウマ また,リウマチに関しては,医療 あった。この治療法は,初期治療とし されるので,多くの患者さんや関係者 チ薬)が主流であると,1997 年当財 (治療)とリハビリを同時に施行する て NSAIDs 投与を行って,寛解率が 1 が手にすることとなるであろう。 団発行の「リウマチの診察・診療マニ ことが必要であることも説いた。施設 ∼ 2 %であったものに対して実施した ュアル」も改訂されているという治療 に通って受けるケアも含めて,可能で ものだが,この MAP 療法からさらに の流れの変化を示した。 刊行の主旨としては,「医師と患者 あればリウマチ在宅ケアシステムを利 進んだ治療法として,生物学的製剤を て,薬を含めた治療のことを話し合お 次に,抗リウマチ薬については,リ 用するとよいとも述べ,これは,介護 併用すると寛解率が 90 %に上がった う,治療の決定権を医師にゆだねるの ウマチの診断がついたら早期(3 カ月 保険で受けられるサービスもあるは (22 例にエンブレル投与)ことを紹介 ではなく相談して決めていこう」とい 以内)に投与を開始することが大事で, ず,とのことである。 う,医師側が積極的に患者さん側に歩 薬効については治療開始後 3 カ月後に イド大量投与しか方法がなかったが, み寄ろうとする,画期的なものと言え 効果判定となると説明した。どの抗リ トシリズマブ(抗 IL-6 治療薬:治験中) る。この新規のガイドライン紹介の後, ウマチ薬を使うべきか,ということに 越智 氏司会の下で各パネラーがそれ ついては,薬剤の特性を重視し,医療 ぞれの立場でリウマチ医療について見 経済学的な見地も見極める必要がある 解を述べた。 と語った。さらに三森 氏は,具体的 さんがリウマチ医療の情報を共有し した。②全身型には,以前ではステロ に 13 種類の抗リウマチ薬を薬効別に 患者友の会の立場から,医師 と患者自らの精進を求める 図示したが,治療の趨勢としては最初 に強い薬で叩くという海外で行われて 村澤 章 氏 いる発想が,日本でも浸透しつつある 在宅ケアと地域ケアそれぞれの違い ことを述べた。それは薬が早期ほど効 はあるが,リウマチでのリハビリの最 と題しては,日本リウマチ友の会創設 くということに加え,リウマチは初期 終目的は,「生きがいのある生活を送 熱心な聴講者たち 者・名誉理事長で自身若年性関節リウ 2 年ほどの間の進行が早いからである ることができるようにすること」であ が著効を示していること,副効用とし マチを発症し,62 年にわたる闘病生 とした。 ると,患者さんの生き方について,医 て身長の伸びが見られたことを述べ 活を続けている島田廣子 氏が,先年 師として望んでいることを述べられ た。 の転居に伴う「よんごとない」かかり た。一方,残念ながら「リウマチのリ さらに横田 氏は,小児リウマチ治 つけ医の変更がいかに大変であったか ハビリ」に関しては,現在,脳血管障 療の地域間格差の解消には,地域ごと を中心に述べた。 害の後遺症に対するリハビリと同様に に小児リウマチ専門医を配置するよう 考えられているのはいかがなものか, になりつつあることも患者さんに向け と村澤 氏は問題提起も行い,氏の在 て説明。地域のネットワークの一例と 住する新潟県に来年県立のリウマチセ して,サテライトクリニックの体制が ンターができるというので,村澤 氏 鹿児島大学小児科と宮崎県立病院小児 の理想とする,リウマチに特化した専 外来の間で結ばれたこと,また患者さ 門的なリハビリが新しい場において行 んの父母会「あすなろ会」との協力も われるはずであろう。 得られつつあることも述べた。 「患者から見たリウマチ医への要望」 三森経世 氏 また,三森 氏は MTX の剤形・用 量・適応について日米の差異を比較し ながら述べた後,現状の生物学的製剤 リウマチ友の会名誉理事長 島田廣子 氏 と MTX との併用療法や関連について このように少しずつではあるが小児 少数でリウマチ疾患に挑む 小児リウマチ専門医が望む ものとは ことの顛末は,ステロイド服用中の も述べ,併用療法を実施すれば高い有 治療はできないと断った医師や,リウ 効率ではあるがその分年間の薬剤費が マチ専門医のいる病院でありながらシ 高いことは否めず,今後適正使用のガ ェーグレン症候群についての知識が欠 イドライン策定が求められるとした。 パネリストの最後として横浜市立大 このほか,「薬剤の副作用は甘受す 学の横田俊平 氏は, 「子どものリウマ べきことかどうかに」ついて三森 氏 チにも光を」と題して小児リウマチの のだと,リウマチ白書に記載されてい は,利益(薬効)とのバランスから副 最新治療法を語った。開会の辞で越智 る患者像が実態とかけ離れている点も 作用の許容を判断すべきと述べ,先の 氏も言及したが,とかく忘れられがち 指摘した。その中でとくに強調された 西岡 氏と同様の見解を示した。 な小児のリウマチに焦点をあてた発表 であった。 のは,初診以来手も握らない医師,患 者にやさしいひとこともない医師がい ること。このような医師はいかがなも リウマチ専門のリハビリテー ションが実施されることを望む のかと島田 氏は語り,患者の QOL 向 れるが,今後はさらに,診療システム の構築,使用薬剤の認証の必要性,既 存薬の小児への承認などが望まれると 40 %近い患者は医師を変更している 如していた事実などを切々と語り, リウマチ治療全般において進歩が見ら 横田 氏は,リウマチは慢性疾患な ころである,とまとめて講演を終えた。 患者,医師の情報共有化と 国の責任という総合的対応 を期待 パネルディスカッションの最後とし て,越智 氏が総括した。越智 氏は, ので本来初期治療が大切なのである 治療現場に最新薬が出現して非常に効 が,患者が明瞭な意思表示ができない 果が高いことが知られ始めたこと,医 上のためにも,施療側のチーム医療・ 続いてのパネラーは,新潟県立瀬波 ことなどから小児の診察は難しいこと 師・患者双方の情報共有が大切である トータルマネジメントの重要性を訴え 病院の村澤 章 氏である。村澤 氏は が問題点の一つであるとし,小児リウ こと,国(行政)は長い期間にわたり 「リハビリテーションの進歩」と題し マチ専門医はリウマチ専門医 3000 名 責任を持って現場を見ること,そして て最近のリハビリの技術や理念の進捗 の中の 30 名程度しか存在せず,治療 施療側は小児治療にも十分な配慮をす 状況を披瀝された。 の際の地域格差が大きすぎることを訴 ること,などを述べた。 られた。 施療側への注文の後に島田 氏は,患 者さん側に向けて,自戒を込めながら, 大地震をはじめとした災害に罹災した 村澤 氏は,リハビリを行うことに 緊急時のために,自身の病歴・症状・ ついては,以前は 1980 年の国際障害 次に治療の面で,成人に有効な 間が大幅に伸びたが,現場に即した発 使用薬剤のメモを常々とっておくこと, 分類を基準に考えて,「疾病があると DMARDs も小児には使用できないケ 表ばかりの有意義なリウマチ月間リウ 緊急時にも入院可能な病院を確保して いうことは,機能障害・能力障害に結 ースや無効の場合があり,小児にも治 マチ講演会であった。 おくことなど,患者側も治療の選択肢 びつき,結局は社会的に不利だから」 を持てるよう,態勢を整え,勉強して という発想であったが,2001 年の国 おくことが大事であるとも述べた。 際生活機能分類から,健康状態はもち えた。 ろん,個人因子や生活機能などが密接 早期リウマチと早期治療, 生物学的製剤と MTX の 医療経済的見地を述べる に関連しているのであって,リハビリ を行う基準に疾病があるのではなく, むしろ時期ごとのリハビリ(初期の外 来治療,活動期の入院治療,維持期の 「薬剤治療の進歩」と題して講演し 在宅治療)があるはずと患者さんに向 横田俊平 氏 闊達な論議が交わされ,終了予定時 No.71 平成 17 年 7 月 1 日発行 日本リウマチ財団ニュース 第三種郵便物認可 3 浜大学先端医用工学センター) ,小池隆夫 氏(北海 道大学大学院医学研究科病態内科学講座第二内 極東アジアのリウマチ医療連携の胎動 科) ,長屋郁夫 氏(愛知糖尿病リウマチ痛風財団) , 橋本博史 氏(順天堂大学医学部膠原病内科) ,松井 第 1 回 EAGOR (East Asia Group of Rheumatology) が東京で開催される 宣夫 氏(名古屋市総合リハビリテーションセンタ ー) ,水島 裕 氏(東京慈恵会医科大学 DDS 研究 所・聖マリアンナ医科大学難病治療研究センタ ー) ,宮坂信之 氏(東京医科歯科大学大学院歯学総 合研究科膠原病・リウマチ内科学) ■ Coordinators Ho-Youn Kim (representative) ,Joong-Gon Kim, Eun-Mi Koh,Choong-Ki Lee,Soo-Kon Lee,Won Park,Sung-Hwan Park,Gwan-Gyu Song,Bin Yoo, て,今回の発表演題にはそれはどう反 でした。日本では厚生労働省の指導で Hyun-Ah Kim,Dae-Hyun Yoo,Sang-Cheol Bae, 済州島で開催さ 映しているのでしょうか? 市販後調査などが行われてもいます Young-Mo Kang,Sang-Heon Lee,Jung-Yoon Choe, れた APLAR 原 中国からは準備の問題で今回は招 し,その違いかもしれません。 (環太平洋リウ 待という立場上あまり多くの発表はあ 治療面では,薬剤の許認可が米国を (代表)塩沢俊一 氏(神戸大学医学部保健学科膠原 マチ学会議)期 りませんでした。また特に私たちが期 踏襲しているということから,アラバ 病学講座・免疫内科) ,江口勝美 氏(長崎大学大学 間中において, 待した疫学データは,国家体制の違い の多用や日本では認可されていないク 1997年以来行わ からか大規模なデータがないというこ ロロロキンなどの使用例が多いという 膠原病・アレルギー内科学) ,木村友厚 氏(富山医 れてきていた日 とで彼らから具体的な応募はなかった 事情があります。ただし,内科領域の 科薬科大学整形外科教室) ,北島 勲 氏(富山医科 韓のリウマチ・カンファレンスが,2003 のですが,今後の可能性を示唆するよ 研究の応募が多くて,整形外科領域の 薬科大学医学部臨床検査医学) ,後藤 眞 氏(桐蔭 年の第 5 回目を節目に中国を加えた東 うな発表がスポンサードのセミナーで 応募が少なかったという面は,日本と アジアの会として両国の開催者合意の 発表されていました。また,日本の疫 治療分野のセグメントの仕方が違うせ 攻臨床免疫学) ,高崎芳成 氏(順天堂大学医学部膠 もと発展的に解消し,新たに EAGOR 学データの手法を学んで,これから始 いかもしれません。 原病内科) ,竹内 勤 氏(埼玉医科大学総合医療セ として装いも新たに企画された。 めようというきっかけを提供できたと ―― 今後のご予定はいかがでしょう。 昨秋,韓国・ 会長 原 まさ子 氏 そしてこの第 1 回目が,前身となっ いうこともあります。同様な民族的背 原 た日韓リウマチ研究の関係者を中心 景を持つ人種として,今後,中韓とも 年に中国で開催することが既に決まっ に,去る 5 月 28 日土曜日に東京・新 大規模な疫学データが出てくることを ています。また,今後,若い研究者に 宿京王プラザホテルでとり行われた。 強く期待しています。 対する奨励賞のようなものを授与して この会の趣旨は,2 年ごとに開催さ 2011年には中国で開催されますので, 2009 年に韓国で開催予定,2011 いくことも検討しています。 れる APLAR のスケジュールの合間を その折にはおそらく何らかの形となっ 埋める隔年開催という設定からもわか た発表が出るのではないでしょうか。 るように,進捗目覚しいリウマチ医療 ―― 応募演題数はいかがでしたか。 ■ President の情報交換,治療技術の停滞を少しで 原 原 まさ子 氏(東京女子医科大学附属膠 も招かないようにすべきため,また同 のですが,日程が 1 日しかないという 原病リウマチ痛風センター) 時に,民族的に近い関係を持つ 3 カ国 ことで,口演希望の研究を多数ポスタ ■ Advisory Board が緊密な人的交流や疫学データを融通 ー発表に回さざるをえないといううれ Heon-Ki Min,Myung-Sang Moon,Dong-Jip Kim, しあうことのメリットを願ってのこと しい悲鳴の状態でした。 である。つまりこの EAGOR は,日, ―― 特に力を入れた点は。 安倍 達 氏(埼玉医科大学総合医療センター) ,粕 韓,中の東アジア(極東)におけるリ 原 各国のリウマチ治療の違い,医療 川禮司 氏(太田西の内病院) ,京極方久 氏(桐蔭横 ウマチ医療の共同研究と情報交換の新 の違いということを明らかにできれば たな場となることがこれから大いに期 と思っていました。それから,本学の 待されているのである。 山中 寿 教授の JARAMIS のような疫 全部で 70 演題をプログラムした 学データの発表が中韓からあればと, 第 1 回目の主催は,韓国・済州島に 大きく期待していました。欧米との民 おいて President に指名された,東京 族差の点はある程度明らかになったと 女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風 思います。 センター 教授 原 まさ子 氏による。 ―― たとえば間質性肺炎の発症など また,準備の都合で中国は今回招待者 はいかがでした。 としての参加であった。 原 中韓の先生方のお話ではアラバに この原まさ子 氏に,今回開催され よる間質性肺炎の発症はほとんどない た第 1 回目の注目点や今後の EAGOR とのことでした。日本と中韓にも薬剤 像についてお話をお聞きしたのでその に対する反応性において民族的相違が 一部を紹介する。 あるということかもしれません。今後 その解明に注力していこうという機運 ******** が関係者のコンセンサスとなったのは ―― 昨年の APLAR で今回開催の骨子 大きな成果だと思います。 が決まったとお聞きしていますが, ―― 各国のリウマチ医療,研究の特 EAGOR の主たる目的は何ですか? 徴を教えていただけますか。 原 リウマチ研究発表の場には米国の 原 中国は米国留学者が多いという影 ACR とヨーロッパの EULAR,そして, 響が色濃いせいか,基礎研究がかなり アジアの APLAR が従来からあります 進んでいます。ただ,その反面臨床的 が,遺伝学的あるいは民族学的に欧米 な研究がやや少ないという印象も受け 人とは違うアジア人のリウマチ医療研 ます。学会や研究会を開催しても,基 究の深度,コラボレート研究をさらに 礎研究の比重が半分以上であることが 進め,極東アジアの相互理解をより深 歓迎されるようです。国家的に基礎研 めたいという意向から,隔年開催の 究を奨励しているところがあるからか APLAR を補完する意味でこの会は企 もしれません。 画されました。特に中国の状況をより 韓国はどうかというと,研究の点で 積極的に組み込みたいという意図があ は,やはり遺伝子レベルのものがとて ります。また,若い研究者に国際的感 も盛んです。少ない研究者の数にもか 覚や発表の場,つまりチャンスをより かわらず活発といえます。今回も多く 多く与えていきたいという意義もあり の基礎領域の応募演題が韓国からのも ます。 のでした。ただ臨床研究ではやはり, ―― 中国や韓国の研究者との交流を 全国レベルのものは日本ほど環境が整 深めるということが目的であるとし っていないのかあまり多くありません 開 開催 催概 概要 要 Byeong-Mum Park,Il-Yong Choi,Mok-Hyun Kim, Young-Kil Choi,Myung-Chul Yoo Shun Le Chen,Zhan-Guo Li 院医歯薬学総合研究科病態解析・制御学講座) ,尾 崎承一 氏(聖マリアンナ医科大学医学部リウマチ・ 横浜大学先端医用工学センター) ,住田孝之 氏(筑 波大学大学院人間総合科学研究科先端応用医学専 ンター第二内科) ,能勢 眞人 氏(愛媛大学医学部 4 日本リウマチ財団ニュース 第三種郵便物認可 病因・病態内科学) ,原 まさ子 氏,広畑 俊成 氏 平成 17 年 7 月 1 日発行 No.71 Akito Tsutsumi,University of Tsukuba,Japan Yoshinari Takasaki,Juntendo University,Japan position -857 of the tumor necrosis factor α gene on Oral-Ⅱ-1 Lessons from a large observational cohort Oral-Ⅲ -1 Increased CCR7- memory T cell clinical response to etanercept therapy in rheumatoid 大学院医学研究科臨床免疫学) ,山本一彦 氏(東京 of patients with rheumatoid arthritis in Japan population and interferon-γ production in peripheral arthritis 大学大学院医学系研究科アレルギーリウマチ内 Hisashi Yamanaka,Tokyo Women's Medical blood CD8+ T cells from patients with systemic lupus Changsoo Paul Kang,Korea Advanced Institute of 科) 。 University,Japan erythematosus Science and Oral-Ⅱ-2 Clinical Study on RA in Korea Masayoshi Harigai,Tokyo Medical and Dental Technology,Korea Sang-Cheol Bae,Hanyang University,Korea University,Japan Oral-Ⅳ-4 The polymorphisms of Tim-1promoter Oral-Ⅱ-3 Differential diagnostic value of anti-cyclic Oral-Ⅲ-2 Serum cytokine level and disease activity region are associated with rheumatoid arthritis in a ■ Session Ⅰ: Basic research of RA citrullinated peptide antibodies in adults with positive in systemic lupus erythematosus Korean population Chairman rheumatoid factors on the routine health checkups Chang-Hee Suh,Ajou University School of Medicine, Seung-Cheol Shim,Eulji University School of Hyun-Ah Kim,Hallym University,Korea Won-Ki Lee,Kwandong University,Korea Korea Medicine,Korea Kazuhiko Yamamoto,University of Tokyo,Japan Oral-Ⅱ-4 The serum levels of leptin in the patients Oral-Ⅲ-3 Analysis of circulating B-1 B lymphocyte (帝京大学医学部内科学) ,三森経世 氏(京都大学 プログラム概要 プログラム概要 Oral-Ⅰ-1 Novel cytokine,Il-23 induces IL-17 synthesis with rheumatoid arthritis :a predictive marker for subsets in patients with systemic lupus erythematosus ■ Session Ⅴ: Therapy for RA by a pathogenic CD4+ T cells population in experimental disease activity You-Hyun Lee,Ewha Womans University,Korea Chairman arthritis in mice deficient in IL-1 receptor antagonist Sang-Won Lee,Yonsei University,Korea Oral-Ⅲ-4 Two Report of ANCA -associated Won Park,IN-HA University,Korea Vasculitis Fang mingjun,Shanghai Children's Tsuneyo Mimori,Kyoto University,Japan Hospital,China Oral-Ⅴ-1 The efficacy and safety of infliximab of Oral-Ⅲ-5 Th1 dominant immune response and rheumatoid arthritis........................................... of NF-κB and Notch signaling pathways ■ Sponsored Symposium Current Therapy for Rheumatic Disease abnormal expression of heat shock protein 60 are Katsuaki Kanbe,Tokyo Women's Medical University, Takashi Okamoto,Nagoya City University,Japan Chair associated with the inflammation of intestinal Behcet's Japan Oral-Ⅰ-3 Angiotensin Receptor Blockers(ARBs) Memorial Hospital, China disease Oral-Ⅴ-2 Suppress Antigen-Specific T Cell Responses and Ho-Youn Kim, Catholic University, Korea Manae S. Kurokawa,St. Marianna University, Yoshitaka Minamikawa,Institute of Hand Surgery Ameliorate Collagen-Induced Arthritis in Mice Speaker Japan and Sports Medicine,Japan Kayo Sagawa,University of Tokyo,Japan SS-1 Shun Le Chen, Shanghai Second Medical Oral-Ⅰ-4 Alpha-lipoic acid inhibits TNF-α induced University, China ■ Session Ⅳ: Genetic research of RA peripheral disease in ankylosing spondylitis,and reflect NF-κ B activation in fibroblast like synovial cells of SS-2 Xiao-Ming Gao, Peking University, China Chairman SS-3 Special sponsored symposium: Current therapy .. Xiao-Ming Gao,Linko ing University,China response to infliximab rheumatoid arthritis Chang-Keun Lee,University of Ulsan,Korea for rheumatic disease Shunichi Shiozawa,Kobe University,Japan Oral-Ⅴ-4 Amelioration of experimental arthritis by a Oral-Ⅰ -5 Regulation of Angiogenesis and Soo Kon Lee, Yonsei University, Korea Oral-Ⅳ-1 Biological functions of Angiopoietin-1 in calpain-inhibitory compound:regulation of cytokine Inflammation in Rheumatoid Arthritis by the matrix SS-4 Nobuyuki Miyasaka, Tokyo Medical and Dental rheumatoid synovial cells production by E-64-d in vivo and in vitro protein Thrombospondin 2 (TSP2) University, Japan Akira Hashiramoto,Kobe Univ.,Japan Hajime Yoshifuji,Kyoto University,Japan Yong Wook Park,Chonnam National University, SS-5 Recent Treatments in Rheumatoid Arthritis Oral-Ⅳ-2 Replication study of the association Oral-Ⅴ -5 Korea Toshihide Mimura, Saitama Medical School, Japan between rheumatoid arthritis and the recently reported Cinnamomum Cassia on RAW264.7 cells or Balb/c RA-susceptible genes mice ■ Session Ⅱ: Clinical research of RA ■ Session Ⅲ: Autoimmune Diseases Katsunori Ikari,Tokyo Women's Medical University, Mi-Hyun Ryu,Kyung Hee University,Korea Chairman Chairman Japan Sang-Cheol Bae,Hanyang University,Korea Mok-Hyun Kim,Seoul National University,Korea Oral-Ⅳ-3 The influence of a polymorphism at Mi-La Cho,The Catholic University of Korea,Korea Oral-Ⅰ-2 The epigenetic alteration of synovial cell gene expression in rheumatoid arthritis and the roles Shun Le Chen, Shin-kong Wu-Ho Su Oral-Ⅴ-3 Biomarkers differentiate axial and 多発性筋炎・皮膚筋炎, 診療のコツ ーその診断のポイント 多発性筋炎(Polymyositis: PM)は骨 ロープ疹; Heliotrope rash)は DM 1) 筋症状 Tae-Hwan Kim,Hanyang University,Korea Immunesuppressive effects of 慶應義塾大学医学部内科 平形 道人 少ない。 格筋の障害(炎症,変性・再生)によ 筋力低下が主症状で,好発部位は四 に特異的で,DM を診断する上で最 d. 呼 吸 器 病 変 : 間 質 性 肺 炎 を 4 0 ∼ り筋力低下をきたす慢性炎症性疾患 肢近位筋群(下肢 95%,上肢 75%), も重要である。その他,前頸部-上 50%の症例に認める。多くは慢性に で,これに特徴的な皮膚症状を伴う場 頸部屈筋群(70%),および咽頭・喉 胸部(V-sign) ,肩・上背部(Shawl 経過するが,稀に,大量ステロイ 合には皮膚筋炎(Dermatomyositis: 頭筋群(70%)である。したがって, sign)の落屑性紅斑,爪周囲紅斑な ド療法に反応せず,呼吸器症状発 DM)と診断される。したがって,筋 近位筋の対称性筋力低下を認めたら, ども認められる。 現後数カ月で死亡する急性型間質 症状,皮膚症状の把握が診断のポイン 筋炎を疑う。しかし,四肢遠位筋群, トとなる。また,筋以外にも,関節, 顔面筋も低頻度ながら障害される。筋 約 30%に認めるが,軽症で骨の破壊 肺,心臓,消化管などの多臓器障害, 力低下は亜急性型,慢性型では下肢筋 や変形を残さないことが多い。 自己免疫異常を伴い,全身管理を必要 から徐々に始まり,慢性経過をとるこ c. レイノー現象:約 30%の症例に見ら がみられる。その他に,日和見感 とする。好発年齢は小児期(5∼14歳) ともある。筋痛(自発痛,運動痛,圧 れるが,軽症で,強皮症のように 染,嚥下性肺炎,薬剤性肺臓炎な と成人期(35 ∼ 64 歳)の 2 峰性ピーク 痛)は約 60%の症例に認める。筋萎縮 皮膚潰瘍,手指壊疽を伴うことは ども合併する。 を示し,成人では 1 : 2 で女性に多い。 は慢性例にみら 我が国の年間発病率は 2.3 ∼ 10/100 万 れ,筋ジストロ 人,有病率は2∼5/10万人である。 フィーとは異な b. 関節症状:多発関節痛・関節炎を 咽・喉頭筋の 障害 り,病初期に認 A PM/DM の分類 「物がのみ込み にくい」 「鼻声になった」 「話しにくい」 めることは稀で ある。 本疾患の臨床像は多彩で,その病型 分類は診断,治療方針の決定に役立つ。 2) 筋外症状 ヘリオトロープ疹 a. 皮 膚 症 状 : 約 発症,臨床経過,皮膚症状,悪性腫瘍合 30 ∼ 40%の症 併の有無などで分類した Wortmann ら 例に特徴的な の病型分類とその特徴を示す(表 1) 。 皮疹を認め, 心筋障害 性肺炎(血清 creatine kinase(CK) 上昇の軽度な抗核抗体陰性DM例 (Amyopathic DM)に合併しやすい) 頸部屈筋 筋力低下 「頭を枕から持ち 上げられない」 肩帯筋筋力低下 「洗濯物を物干しにかけるの がつらい」 「髪がとかせない」 「高いところの物をとれない」 「手に持った物が普段より重 く感じる」 多発関節炎 間質性肺炎 顔面や四肢関 B PM/DM の症状(図 1) 初発症状では筋力低下(とくに下肢) (50 ∼ 70%),皮膚症状(20 ∼ 30%),関 関節背面の紅斑 節背側面に好 レイノー現象 発する。手指 関節背側面の 腰帯筋筋力低下 落屑性紅斑 節痛・筋痛(10 ∼ 20%)が多い。その他, (ゴットロン徴 発熱,全身倦怠感,体重減少などの全身 候; Gottron's 症状,レイノー現象などでも発症する sign),両側眼 の で ,問 診 の 際 に は チ ェ ッ ク す る 。 瞼部の浮腫状 PM/DM の臨床症状は多彩で,筋症状 の青紫色の皮 と筋以外の(筋外)症状に分けられる。 疹(ヘリオト 「しゃがんだ姿勢から 立ち上がれない」 「風呂に出入りするの がつらい」 「階段が昇りにくい」 「バスのステップの昇 降がつらい」 図1 多発性筋炎・皮膚筋炎の臨床症状 爪周囲紅斑 ゴットロン徴候 No.71 平成 17 年 7 月 1 日発行 日本リウマチ財団ニュース 表 1 炎症性筋疾患の病型分類 (Wortmann ら) と臨床・病理学的特徴,自己抗体 病型 臨床的・病理学的特徴 5 第三種郵便物認可 自己抗体と臨床特徴 E 鑑別すべき疾患 筋力低下・筋痛をきたす疾患(筋ジ 成人発症の定型的筋炎。慢性間質性肺炎の合併。 筋線維の壊死。筋線維内にCD8+T細胞/マクロファー ジ浸潤。 抗Jo-1抗体(間質性肺炎,関節炎 の合併)抗SRP抗体(治療抵抗性 筋炎) ストロフィー,重症筋無力症,ミトコ 成人発症で,定型的皮膚症状を伴う。 筋線維束周囲の萎縮。血管周囲にCD4+T細胞/B細胞 の浸潤。 抗Mi-2抗体(治療反応性良好) ど),内分泌・代謝性疾患(甲状腺機 Ⅲ 小児の皮膚筋炎 Juvenile Dermatomyositis 小児発症のDM。血管炎や石灰沈着の合併。 筋線維束周囲の萎縮(IIの成人型より高頻度)。 抗Mi-2抗体(治療反応性良好) Ⅳ 悪性腫瘍を合併する筋炎 Myositis associated with malignancy DMが多く,ステロイド反応性不良。生命予後不良。 悪性腫瘍の治療で,筋症状が軽快することもある。 陰性 Ⅴ 他の膠原病を合併する筋炎 Myositis associated with collagen vascular disease SLE,強皮症,MCTDなどに合併する筋炎。 他の膠原病の多彩な臨床症状。 治療反応性が比較的良好。 抗U1/U2 RNP抗体 (治療反応性良好) 抗Ku抗体(軽症強皮症の合併, 日本人) 抗PM-Scl抗体(強皮症の合併, 白人) Ⅵ 封入体筋炎 Inclusion body myositis 高齢者。男性が多い。潜行性発症と緩徐な進行。 遠位筋も障害。血清CK値上昇が軽微。ステロイド治療 抵抗性。 筋線維内の空胞。核内・細胞質内の線維状封入体の存在。 陰性 Ⅰ 多発性筋炎 Polymyositis Ⅱ 皮膚筋炎 Dermatomyositis ンドリア脳筋症,急性横紋筋融解症な 能低下症,Cushing 症候群,糖原病な ど),電解質異常(低カリウム血症, 低・高カルシウム血症など),ウイル スなどの感染症(インフルエンザウイ ルス,コクサッキーウイルス,肝炎ウ イルス,HIV,ブドウ球菌など),薬 剤の影響(スタチン系高脂血症薬,Dペニシラミン,アルコールなど),他 の膠原病(リウマチ性多発筋痛症,好 酸球性筋膜炎,線維筋痛症候群など) などが鑑別疾患として重要である。と くに,筋ジストロフィーと筋外症状, 免疫異常の乏しい PM との鑑別が困難 なことがあり,発症年齢,家族歴,遺 伝子検査,筋組織所見により鑑別する。 ※上記病型の他に,DM の一病型として,「筋症状のない皮膚筋炎(Amyopathic Dermatomyositis):臨床的に筋症状が明らかでないが,定型的な DM 皮疹とその生 検所見を認める」が提唱されている。予後不良な急速進行性間質性肺炎を合併することがあり,抗核抗体は陰性のことが多い。 おわりに 表 2 多発性筋炎・皮膚筋炎の厚生省診断基準 1 診断基準項目 (1)皮膚症状 (a)ヘリオトロープ疹:両側又は片側の眼瞼部の紫紅色浮腫性紅斑 (b) ゴットロン徴候:手指関節背側面の角質増殖や皮膚萎縮を伴う紫紅色紅斑 (c)四肢伸側の紅斑:肘, 膝関節などの背面の軽度隆起性の紫紅色紅斑 (2)上肢または下肢の近位筋の筋力低下 (3)筋肉の自発痛または把握痛 (4)血清中筋原性酵素(クレアチンキナーゼ又はアルドラーゼ)の上昇 (5)筋電図の筋原性変化 (6)骨破壊を伴わない関節炎または関節痛 (7)全身性炎症所見(発熱, CRP上昇, または血沈亢進) (8)抗Jo-1抗体陽性 (9)筋生検で筋炎の病理所見:筋線維の変性及び細胞浸潤 2 診断基準判定 多発性筋炎: (2) ( - 9)の項目中4項目以上を満たすもの 皮膚筋炎: (1)の皮膚症状の(a) ( - c)の1項目以上を満たし, かつ経過中に (2) ( - 9)の項目中4項目以上を満たすもの 3 鑑別診断を要する疾患 感染による筋炎, 薬剤性ミオパチー, 内分泌異常に基づくミオパチー, 筋ジストロフィーその他の先天性筋疾患 (自己免疫疾患調査研究班 平成4年度研究報告書より) e. 心病変:心電図異常(ブロック, ★診断のコツ:アミノトランスフェラ 期外収縮,ST-T 変化など) ,心筋障 ーゼ(AST,ALT)は肝障害で上昇 害による心不全などを認めること するが,血清 CK 値が筋炎と肝障害と がある。心病変は予後因子として の鑑別に役立つ。 重要である. 2)免疫血清学的検査:筋炎に特異的 f. 消化器病変:咽頭筋力低下,食道 な自己抗体(筋炎特異自己抗体)が見 の蠕動低下による嚥下障害が約 30% 出され,これらは特徴的な臨床像と関 にみられる。稀に,小腸,大腸の 連し,診断,病型分類,予後の推定な 蠕動低下も認める。 ど臨床的に有用である(表 1)。とく g. 悪 性 腫 瘍 : 胃 ・ 肺 ・ 前 立 腺 ・ 子 に,抗 Jo-1 抗体は筋炎の診断マーカ 宮・卵巣・乳腺・大腸癌,悪性リ ー抗体であると同時に,同抗体陽性例 ンパ腫など種々の悪性腫瘍を 7 ∼ 30%に合併する。とくに,DM と密 は間質性肺炎,関節炎を高頻度 (90%以上)に合併する。 接に関連し,診断 5 年以内の発症が 3)筋電図(electromyography: 多いので,注意を要する。悪性腫瘍 EMG):自発活動性亢進や,持続時 の切除,あるいはその治療により, 間の短い,低電位,多相性の筋ユニッ 筋症状が改善する例もある。 ト波などの筋原性変化を示し,神経疾 患との鑑別に有用である。 C 主要検査成績 4)画像検査:筋炎の炎症性罹患部位 がMRI(magnetic resonance imaging) 1 ) 血 液 ・ 尿 検 査 :血清 creatine 検査の T2 強調画像および脂肪抑制画 kinase (CK ; isozyme は MM が優位 像で高信号領域,T1 強調画像で正常, に上昇する),アルドラーゼ,LDH, 脂肪変性部位は T1,T2 両強調画像で AST などの筋原性酵素が上昇し,筋 高信号に描出される。非侵襲的で,筋生 炎の診断,活動性・治療効果判定に重 検部位の決定,経時的観察に有用であ 要な指標となる。筋障害が高度な場合, る。 ミオグロビン尿症もみられる。 5)筋生検:筋線維の大小不同,変性 と壊死・再生像,血管周囲や間質への PM/DM の臨床症状,診断について リンパ球浸潤,間質の線維化を特徴的 概説した。PM/DM も他のリウマチ性 所見として認め,確定診断に必要な検 疾患と同様に症例により異なる臨床経 査である。 過を呈する。したがって,症例ごとに 症状,経過,検査所見を慎重に検討し, D 診断 他疾患を鑑別しながら診断を進めるこ とが大切である。その際,診断基準, PM/DM の診断は臨床症状(筋力低 病型分類,筋炎に特異的な自己抗体の 下,特徴的な皮膚症状)および検査成 測定は有用と考えられる。紙面の都合 績(血清筋原性酵素値,筋電図,筋生 で詳細な診断技術,検査法については 検所見)を組み合わせ,診断基準(表 2) 割愛したが,本症の診療の一助となれ を参考に,総合的に診断する。 ば幸いである。 6 日本リウマチ財団ニュース 第三種郵便物認可 平成 17 年 7 月 1 日発行 No.71 特 別 座 談 会 「臨床医が気をつけるべき 小児リウマチ患者 その1 その特徴と留意点」 診断編 リウマチ医療においては,整形外科 領域,内科領域がその主たる臨床の場 して,お話ししていただければと思い のは,大きく 3 つのタイプに臨床的に 典型的症状と診断のコツを,それぞれ ます。 分けています。1つが全身型。2 つ目 教えていただけますでしょうか。 となっているが,小児に発症するリウ では,日本における小児リウマチと は武井先生がさきほどふれた少関節型 横田 「全身型」は,9 カ月,10 カ月 マチ性疾患も見過ごすことはできな いうことで,現況はいかがでしょうか。 といって,4 関節以下の炎症関節を持つ の幼児から 10 歳,15 歳まである疾患 い。一方,小児リウマチを診断し,治 横田 まず,慢性関節炎というかたち もの。それからもう一つが多関節型で, ですが,まず弛張熱が続きます。定義 療する専門家は少なく,リウマチ財団 でお話します。平成 12 年のデータで 5関節以上の関節炎を持つものです。 上は 2 週間以上続くということが必要 登録医のもとに小児リウマチの患者が すが,全国調査をしたところ,小児人 こう分けますと,欧米では全身型が です。なかには稽留熱みたいな方もい 診療に訪れる機会も少なくないと思わ 口 10 万人あたりおよそ 10 人の罹患者 約 20 %です。それから少関節型が多 ますけど,ほとんどがある時期は弛張 れる。今回は,そのようなケースの参 がいました。それを統計学的解析にの く約 50 %。それで残り 30 %が多関節 熱という状態をとります。そして,多 考となるように,小児リウマチの専門 せると,小児リウマチ患者はおよそそ 型というのがその数値です。 くはそのあとに数週間置いてから関節 家お二人に,弊誌レントゲンクイズで の 5 倍ということが言われています。 おなじみの大阪・協和会病院リウマチ したがって全体としては小児人口 10 あまりはっきりしていなくて,関節炎 また発疹が出るということがあっ センター・センター長 村田紀和 氏のご 万人あたり 50 人ぐらいかと思ってい のない全身型というのも組み込んでし て,それは弛張熱の熱が高いときに発 司会で,最新の小児リウマチ医療の現 ます。 まいます。すると全身型が 40 %にな 疹を呈するということになります。そ 状についてお話いただいた。今号は診 村田 その隠れている,表に出てこな って,少関節型が 40 %で多関節型が れが進行すると,場合によっては心嚢 断法についてのお話をご紹介する。 い人というのはどういう状況と予想さ 20 %という数値でした。 液が溜まってきたり,肝脾腫が生じて れるのでしょうか。 日本の場合は,実は全身型の定義が ところが,最近,鹿児島の先生たち 御出席者 武井 一つは,少関節型,「オリゴタ と調査したところ,全身型で関節症状 司会 協和会病院リウマチセンター・ イプ」と言われる人たちです。その割 のない人を数値に加えなければ,全身 センター長 村田 紀和 氏 合は日本では非常に少なく,このタイ 型は 20 %に過ぎないのです。欧米で 横浜市立大学大学院医学系研究科発生 プは NSAIDs だけで治ってしまうこと は関節炎のないものは含みませんの 成育小児医療学 教授 横田 俊平 氏 が多いですから,NSAIDs だけでコン で,関節炎があるという前提を置くと, 鹿児島大学医学部保健学科 教授 トロールされている状況で経過してい 欧米と日本はほとんど変わらないだろ 武井 修治 氏 る人たちがかなりいると思います。 うという数値が出てきています。 ただ,横田先生が実施された保健所 小児リウマチ患者の実数と 病形は? 村田 炎が始まる子が多いですね。 きたりします。これが典型的な病態の 以前この症状を「JRA」(若年 を対象にしたサーベイもありますが, 性関節リウマチとして JRA : juvenile 本当の人口比に対応した調査がなされ rheumatoid arthritis)と言っていた頃 ていないので,この少関節型が日本で は,全身型は(関節痛は含んでいまし どの程度存在するのかは,実は十分判 たが)関節炎がないものも含んでいた 村田 本日はお忙しいところをお集ま 明していないと思うのです。 のですが,それは今現在どうなってい りいただき,どうもありがとうござい 村田 ますか。 ました。今回のテーマは,「臨床医が 人口比に沿ったスタディを実施されて 横田 わが国では,まだそのへんの仕 それに対して, 「少関節型」 「多関節 気をつけるべき小児リウマチ患者 そ いる方はいらっしゃいますか。 切りができていません。しかし,欧米 型」は,全身性の炎症反応というのは の特徴と留意点」ということですが, 横田 まったくいないですね。 の先生方は,小児でもみんなリウマト ごく少ないですけれども,関節が大人 小児リウマチというとき,日本ではま 村田 コミュニティベースでなく,コ ロジストが診ていますから,関節炎の のリウマチと同じように腫張してき だまだ混乱があると思います。そこで ミュニティに近い小学校ベースとかで ないものは別の疾患ですから,関節痛 て,そして手を当てると熱感がありま まず,小児リウマチには各種タイプが はどうでしょう。 だけでは範疇に入れていないのです。 す。腫張と熱感,炎症があるわけです あり,そのタイプによって経過ないし 武井 いません。横田先生が実施され 村田 関節痛だけでは入れないという から,疼痛を訴えて,そしてそれを他 治療法が全く異なるということを述べ た保健所対象が今いちばん細かいデー ことですね。 動的に動かそうとすると可動域の制限 ていただきたいと思います。最初の受 タです。 他の小児リウマチの専門家で, 横田 俊平 氏 流れだと思います。 横田 はい。 がくる。これらのことが,臨床所見と 診はどうしても一般医ないしは一般の 鹿児島県種子島は,わりと人の移動 武井 オリゴタイプはわりと完治しや してきちんと取れるものを「炎症関節 小児科医となると思いますので,この がない地域ですけど,そこにフィール すいので,おそらく内科あるいは整形 炎」と呼びます。 ような症状の場合には絶対専門医に紹 ドワークで RA の調査をされている松 外科には患者さんとしてはそんなにた 先ほど述べたように,少関節型とい 介してほしいなどというところに留意 田剛正先生と一度ご一緒に島に行きチ くさんいないと思います。それで多関 うのは,炎症を起こす関節が 4 カ所以 ェックしましたが見つかったのは1人 節型の患者さんが治療でコントロール 下と定義されています。そしてこの 4 です。だから,それはちょうど横田先 されてきて,症状として関節炎が生じ カ所以下の少関節型は,多くの場合, 生のお話の頻度とほぼ合いますね。 ている関節数としては少なくなってく 抗核抗体陽性の例,あるいはリウマト るので,それがオリゴタイプというか イド因子(RF)も陰性の例がほとん たちで認識されているのかもしれない どです。 タイプは臨床的に 3 つに 分類される 村田 ですね。 村田 そうですね,それはわからない 陽性例はごく少ないというのですが, ですね。 私たちが診ている患者さんの多くは陽 性です。そして 5 カ所以上の炎症関節 外国の数字でけっこうですが, を持ちます。また炎症関節が多いほど, タイプごとのパーセントはいかがでし ょうか。 横田 村田 紀和 氏 3 タイプ診断のコツ やはり重症感が高い。微熱が続き,痛 みと熱のために食欲が落ちて,るい痩 慢性関節炎を呈する疾患とし て,私たちがリウマチと呼んでいるも 多関節型というのは,欧米では RF 村田 全身型,少関節型,多関節型の を呈する子供さんもいます。そういう No.71 平成 17 年 7 月 1 日発行 日本リウマチ財団ニュース 意味では関節だけの病気ではなくて, でそうなっているということですね。 全身性疾患であるということはそのと 横田 おりだと思います。 近の分類に入っています。3 病型のほ 血清学的な反応も含めて,3 病型は このような内訳と思います。 発症年齢別の定義 村田 発症年齢はいかがでしょうか。 WHO/ILAR の提唱している最 7 第三種郵便物認可 しも痛みの主張だけを指標にしてはい 診断のコツ けないというのがあります。 武井 聞くだけじゃだめということで かにそれが入っているというのが,私 横田 きちんと関節炎の臨床所見を取 すね。 たちはあまり納得できないのですが…。 るということが大事だと思うのです。 横田 触りなさいということです。内 武井 典型的な症状に関して付け加え 当初,患者は「関節が痛いから整形外 科の先生方はあまり患部に触らないと させていただくと,少関節型のタイプ 科へ行く」 , 「熱があるから内科に行く」 聞いていますが本当ですか? というのは,わりと大きな関節が侵さ のですが,特徴的なのは「成長痛だよ」 村田 その傾向は強いですね。それと れて,指や頸椎のような小さな関節に と言われてそのままになっちゃうとい さっきの CRP 信奉。CRP を指標に治 は発症しにくいという特徴が一つあり うことが意外にあることです。 療が行われている。関節が腫れていよ うがいまいが「いや,CRP 値では異 全身型は 9 カ月から……。 ます。 横田 はい,ずっとあります。 村田 とくに下肢に多いですね。 ゲンを撮ろう」と撮影しても,写真上 常は見受けられない」とか・・・。 村田 少関節型はどうでしょう。 武井 膝,足首,そういう大関節。手 骨破壊もないし, 「これは大丈夫だよ」 横田 子供の診察の特徴かもしれませ 武井 全身型は発症年齢が低いだけ 首もありますが,けっして指にはこな と言われて,そのままになっているケ んけど,触る際の表情を僕たちは観察 で,我々のデータでは,多関節型が 9 いというのが少関節型で,逆に多関節 ースがあります。 するのです。痛くても「痛い」と言わ 歳ぐらいで,少関節型が7歳ぐらい。 型では大関節もありますけども指だと 考えてみれば,成長痛というのは基 ただ,少関節型も幼いうちに発症する か,頸椎だとか,小さな関節にも起こ 本的に夕方から夜に痛くなることが多 なんて言ったら何されるかわからな タイプも年長からの場合もありますか ってくる特徴があります。 い。しかし,リウマチ性の関節炎によ い,と考えているからでしょう(笑) 。 もう一つは,少関節型では,「虹彩 る関節痛は,当然午前中,朝痛いのが 村田 注射されるかもしれないと ら,偏差値で表すとけっこうその幅が また,「そんなに痛いのならレント ない子もしばしばあるのです。 「痛い」 炎の合併」が見落とされがちな現状が 普通です。また,レントゲンを撮って 武井 そうです。僕らも診るときに何 それから多関節型は,どちらかとい あります。これは,抗核抗体が陽性の 骨破壊が起きているかどうかの診断 に気をつけているかというと表情もで うと年齢は高め,小学校の高学年,あ 少関節型のなかに,発生頻度が高いと は,異常が 1 年∼ 2 年も続いてなけれ すけども,たとえば関節触るときに, るいは中学生ぐらいまで起こってくる いうことがわかっています。そういう ば骨破壊は起きないわけですから,発 子供が何となく逃げるようにするので 場合がありますから,年齢の幅,バラ 特徴も一つ追加したいと思います。 病初期のレントゲンがまったく無意味 す。それは触られると痛いのがわかっ つきからいくとわりと上の方でまとま 村田 その時に,抗核抗体の有無では であるということも知っておいてほし ていますから,痛い目にあいたくなく るというかたちになるかと思います。 いかがです? いと思います。 て手を引く。それでだいたい目星がつ 武井 抗核抗体とリンクして発症して 武井 それに加えて,炎症性マーカー きます「あ,この子痛いんだ」って。 ますので,抗核抗体陽性者は眼科的な の CRP を信用しすぎると見逃す可能 村田 それも診断のコツですね。 フォローアップをすることが必要で 性があります。少関節型では CRP 値 横田 混合性結合組織病やエリテマト す。この症状はいつ出てくるかわから が上がらない例が 3 割ぐらいありま ーデス,場合によっては若年性皮膚筋 ないというのがありますし,自覚症状 す。白血球なども増えない患者もいま 炎などの疾患でも関節が痛いというこ がまったくなくても発症していますの す。それで CRP 陰性だから大丈夫と とで来院する場合がまれならずありま で。自覚症状が出てきたときにはもう いうかたちで経過を診られているとい す。5 歳の時に多関節型の慢性関節炎 かなり進んだ状態ということですか うのも経験します。関節の破壊だけが と診断され 10 年間治療してきたのだ ら,無症状の段階で見つけるために, 進行していく。検査値の異常が出にく けど,最近,レイノー現象があって, 抗体が陽性の場合は,年に 3 回∼ 4 回, い少関節型はとくに問題です。 関節だけじゃなくて全身の発熱が出は 陰性であっても年に 2 回ぐらい眼科的 村田 関節痛を訴えない場合も多くあ じめてどうしましょう,という相談が なフォローアップが必要です。 りませんか。 きたのです。よくよく過去のデータを 横田 炎症関節という面から光を当て 武井 慢性化している子供たちという 見ると,RNP 抗体陽性で IgG が 3000 てみると,一つは,成人と同じように, のは,無意識に痛みを避ける暮らし方 もあって,混合性結合組織病ではない う定義は存在していますか(英語で 対称性関節炎で発症するケースが多い を身につけているのです。患児と会話 かと思われた患者さんでした。ですか under 16 というと 16 を含まないので です。細菌性,あるいは化膿性の関節 をして「痛い?」と聞いても「痛くな ら,子供さんの関節痛からすぐに慢性 すが,日本では 16 歳以下と訳してい 炎や整形学的な十字靱帯損傷とかでは い」と言う。で,関節を手に取って動 関節炎,若年性関節炎と思わず,他の る医師も多い) 。 対称性に発症することはごくまれだと かしてみると「痛い」というケースが 疾患をもう一度検討してみるというこ 武井 定義上は生きています。 思います。ですから,対称性に症状が 少なくない。 とも必要と思いますね。 村田 出た場合は,リウマチを考えるのが普 村田 それも注意すべきですね。子供 村田 結局いろいろな異常値をしっか 通だろうと思います。 はかばって動かさないとか,そう言う りとチェックするということですね。 広くなります。 武井 修治 氏 村田 今も発症年齢が 16 歳未満とい 16 歳以下というのと未満とい うので,ぜんぜん違うと思います。1 歳違いで,多関節型が急に増えてくる また,全身型の関節炎の場合,股関 場合がありますよね。ですから,必ず (この回 了) と思いますので。 節,脊椎がいちばん大きな問題として 武井 誕生日を含まないのが定義です。 出てきますが,少関節型,多関節型の 村田 16 歳を何日か過ぎたという患 場合には,股関節の障害,あるいは炎 者もありました。それはもう成人の 症がくるというのはごく少ないという RA。日時の特定は難しいですけどね。 ことが特徴だと思います。 それと,少関節型に,今は脊椎関節炎 村田 全身型での発疹,サーモンピン と分類されるようなものがあります ク色の発疹という面はいかがですか。 が,現在はそれを含んでいるのでしょ 横田 非常に淡いピンクからむしろ紫 うか。 色がかるような濃い紅色のピンクま 武井 含んでいません。 で,いろんな発疹があると思います。 村田 そうですか,でも発症したとき 武井 結局,淡いか濃いかという違い はわからない場合がありますね。それ で色調は変わってきます。それから熱 が診断をつけた時点で分類すると,少 が出ているときと下がっている時間帯 関節型じゃなく,脊椎関節炎型にする で色も変わってきます。つまり,色で ということですね。 はなかなか判断しづらいと思います。 武井 とくに乾癬性関節炎(Psoriatic ただ,第三所見として,「ケブナー現 (1)全身型 Arthritis)が難しいですよね。その場 象(Koebner phenomenon)」という (2)多関節型RF陰性 合は皮疹の発症が関節炎に遅れること のですが,発症の近くの健常な皮膚を (3)多関節型RF陽性 が多いので。HLA 抗原測定(B27)な こすったりするとそこが線状に赤くな (4)少関節型 どが役に立ちますけど,この病気を疑 ってきます。それも「これはリウマト ・持続型 わない限り検査はしないですね。です イド疹かな?」というときの判断材料 ・進展型 から,ほとんどが少関節型にまず入れ, の一つになるかもしれないです。 所見が出揃ったところで,はじめて他 村田 まずはちょっとこすってもらっ (5)乾癬関連関節炎 (二次性慢性関節炎) のタイプに移すべきかどうか鑑別する て,それで出たら専門医にまわしてい (6)付着部炎関連関節炎 (二次性慢性関節炎) ということにどうしてもなりますね。 ただくと言うようなかたちになるとい (7)その他 村田 それはもう世界的コンセンサス うことですね。 表 1 若年性突発性関節炎の診断基準 ● 16 歳未満の小児期に発症する。 ● 1 関節またはそれ以上の関節で,少なくとも 6 週間以上持続する関節炎。 ●全身型は弛張熱が少なくとも 2 週間持続し,典型的皮疹,全身リンパ節腫大, 肝脾腫大,漿膜炎のうち 1 つ以上あるのも。 表 2 若年性突発性関節炎の分類 ILAR/WHO 分類案(1997) 横浜分類案 (1)全身型 (a) リウマトイド因子陽性型 (2)関節型 (b)抗核抗体陽性型 (c)血清因子陰性型 (3)二次性関節炎 第三種郵便物認可 8 日本リウマチ財団ニュース 第 3 回 リウマチケースカンファレンス CNS lupus とウイルス 脳炎の鑑別が困難で あった1例 平成 17 年 7 月 1 日発行 No.71 か? 要約しますと SLE の背景のもと, 唐澤:① CNS lupus ②単純ヘルペス CNS lupus もしくは単純ヘルペス脳炎 などウイルス感染症 ③神経ベーチェ を含めウィルス脳炎が存在するか否か ットを考えました。 が問題点だと考えられました。ウィル 菅田:次に,この症例をどのように診 ス感染症も考えられましたが,意識障 断し,治療しましたか? 害のみで神経学的所見に乏しいこと, 唐澤:まず神経ベーチェットに関して 髄液所見もウィルス感染症を強く示唆 は,潰瘍が浅く無痛性と特異的でない するものではないこと,実際に特定の こと,免疫学的異常の説明が困難であ ウィルス同定に至らなかったことから 聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科 ること,眼所見がなく HLA-B51 が陰 一元的にウィルス感染症のみですべて 唐澤 里江 性であり,更に髄液所見および頭部 の病態を説明することは困難と考えら MRI 所見からも否定的と考えられま れました(表)。よって単純ヘルペス した。入院時 SLE の診断基準 11 項目 脳炎および CNS lupus も考慮し,ステ 中,口腔内潰瘍,漿膜炎,腎障害,神 ロイドパルス療法,ゾビラックス,ガ 経障害,血液学的異常および抗核抗体 ンマグロブリン製剤を開始しました。 の 6 項 目 を 満 た し , 更 に SLE DAI 菅田:ウィルス感染症としては,どのよ 聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科 主治医 唐澤 里江 講師 菅田文彦 教授 尾崎承一(以上出席者) 菅田:今回は,CNS lupus とウィルス ゲン正常,APTT 38.1sec.(29.8sec.) score; 29 点であり SLE と診断しまし うなウィルスの可能性を考えましたか? 脳炎の鑑別に苦慮した症例を経験しま と軽度延長,D ダイマ− 9.9 μg/m L た。HPS ですが貪食像が非常に軽度 唐澤:まず,第1に単純ヘルペスウイ したので入院時鑑別診断およびその後 と上昇を認めました。免疫学的検査で であり,免疫複合体陽性,低補体血症 ルス感染症(HSV)を考えました。 の治療経過を含め検討を行いました。 は抗核抗体は1280倍(homogeneous・ および高力価抗核抗体陽性である点は その他,脳炎および皮疹を認めるウイ 唐澤先生,症例を呈示してください。 speck-led), C1q 4.8 μg/mL と 高 値 , Virus-associated hemophagocytic ルスとしてエンテロウイルス群,パラ 唐澤:症例は 27 歳の男性です。主訴 CH50 10U/mL 以下,C4 4mg/dL と低 syndrome(VAHS)よりも Acute ミキソウイルス群,トガウイルス群, は意識障害,発熱,全身のリンパ節腫 値で LA,抗 CL ・β 2GPI 抗体, lupus hemophagocytic syndrome HSV 以外のヘルペスウイルス群を考 脹,発疹および口腔内・陰部潰瘍です。 MPO − ANCA および免疫グロブリン (ALHS)を支持する所見と考えまし 慮しました。鑑別診断の手段として, 既往歴・生活歴は特記すべきことはあ はすべて正常でした。ASO(−) ,EB た。また補体系の動向と発症時より認 さらに,血清および髄液中の抗リボゾ りません。現病歴は H15 年 3 月発熱し, virusは既感染であり,その他各種ウィ められた腎炎所見からも SLE の活動 ーム P 抗体と髄液中の単純ヘルペスウ 近医にて化膿性扁頭炎の診断で抗生剤 ルス抗体検査および各種培養検査はす 性が疑われました。しかし頭部 MRI イルス PCR 測定,IL-6 および IFN-α の投与を受けるも改善せず,4 月には べ て 陰 性 , 2-5AS 活 性 556pmol/dL, 所見および髄液所見の IgG index と Q なども計画しましたが,実際は検体量 頚部リンパ節腫脹,発疹,有痛性口腔 sIL-2R 3210U/mL,PAIgG 44.7ng/107 アルブミンの両者上昇からはウィルス が少なく測定できませんでした。 内潰瘍も出現し当院総合診療内科に入 cellと上昇し,HLA検査ではB51(−) 感染症,特に単純ヘルペス脳炎が強く 菅田:治療開始後の経過を説明してく 院となりました。入院時,汎血球減少, でした。髄液所見では,潜血(3+), 疑われました。更に 2-5AS の上昇もウ ださい。 肝機能障害を認め骨髄穿刺を施行した 細胞 16/3(単核球) ,蛋白 55mg/dL と ィルス感染症の存在を示唆しておりま 唐澤:ステロイドパルス療法およびゾ ところ血球貪食症候群と診断され,血 軽度上昇を認め,IgG index 0.84およ す。しかし単純ヘルペスを含め数回に ビラックス開始 2 日目より意識清明と 液内科に転科となりました。4 月 11 日 び Q アルブミン 10.35 は共に高値でし わたりウィルス抗体価の測定を血清お なり PSL70mg(1mg/kg/day)で後療 より意識レベルの低下,奇声などの異 た。血清同様に各種ウィルス抗体検査 よび髄液中で測定しましたがすべて陰 法を行いました。意識レベル回復後, 常行動および性格変化と側頭葉症状, は陰性でした。皮膚所見からはヘルペ 性であり,水疱含め皮膚生検部からも 見当識障害および短期記憶障害はほぼ 外陰部潰瘍も出現し,更に免疫学的異 スウイルス感染症含めウィルス感染症 特定のウィルス感染症の存在を示唆す 消失,パルス 6 日後に再施行した頭部 常も認められたため当科に転科となり が疑われましたが,水疱および皮疹部 る所見は得られませんでした。以上を MRI(図 3)においても著明に改善が ました。転科時現症として,体温は のHSV抗体(−)でし 37.8 ℃,意識レベルは E2V2M5,右頬 た。皮膚生検では毛膿 粘膜に有痛性潰瘍,圧痛を伴うリンパ 炎所見を認めベーチェ 節および耳下腺腫脹を認めました。顔 ット病が疑われ,免疫 面から胸部・背部にかけて掻痒・疼痛 蛍光抗体染色はすべて を伴わない丘疹および水疱,肘部内側 陰性でした。脳波検査, の注射痕に発赤を認め,陰部・肛門部 心電図および心エコー に無痛性の浅い潰瘍および水疱を認め 検査では特異的な所見 ました(図 1)。髄膜刺激症状,明ら は認められませんでし かな麻痺所見は認められませんでし た。胸部 CT ではリン た。 パ節腫脹および軽度胸 菅田:検査所見と画像所見を述べてく 水,腹部 CT では脾腫 ださい。 を認めました。頭部 唐澤:尿蛋白(2+) ,潜血(2+) ,沈渣 MRI検査(図2)では, にて顆粒円柱および封入体を認めまし FLAIR(T2 強調画像) た。赤沈 30mm/hr,白血球 3200/μL, で大脳皮質,橋,脳幹 ヘモグロビン 12.3g/dL,血小板 13.8 万 を含む広範囲で高吸収 /μL,網赤血球0.3%と低下,生化学検 域が認められました。 査では AST 155IU/L,ALT 52IU/L, 眼底は異常を認めませ LDH 1988IU/L(アイソザイム 3,4 上 んでした。 昇 ), CRP 8.0mg/dL, フ ェ リ チ ン 菅田:多彩な症状を呈 3800ng/mLと上昇,クレアチニン,ハ しているので,この患 プトグロビンは正常でした。凝固・線 者さんのここまでの問 溶系検査では PT およびフィブリノー 題点を簡潔にまとめて 図2 治療前の頭部 MRI(FLAIR) :大脳皮質,橋,脳幹を含む広範囲に高吸収域を認める ください。 唐澤:①意識障害 ② 血球貪食症候群 ③腎 機能障害 ④皮膚所見 ⑤免疫学的異常を含む 血液学的異常 ⑥肝腫 大を伴う肝機能障害 ⑦脾腫 が主な問題点 と考えられました。 菅田:以上の経過およ び所見より鑑別疾患と 図1 転科時に認められた顔面皮疹 して何を考えました 図3 治療 9 日目の頭部 MRI(FLAIR):治療前に比べ著しく改善している No.71 平成 17 年 7 月 1 日発行 日本リウマチ財団ニュース 9 第三種郵便物認可 見られました。肝機能障害,腎機能障 らかな異常は認められませんでした。 併発も完全には除外できない症例で の報告があります。また PCR 法の感 害および血液学的異常もほぼ正常値ま 菅田:以上,CNS lupus とウィルス脳 す。そこで,CNS lupus およびウイル 度も決して高くありません。新しい検 で改善し,ステロイド反応性は良好で 炎の鑑別に苦慮した症例を提示しても ス脳炎の両者を考えた治療を行ったわ 査法としては尿中 HSV 抗体検査や した。口腔内・陰部潰瘍も消失し,発 らいましたが,今回の症例に関して尾 けですが,ステロイド反応性を長期経 LAMP 法による HSV の迅速診断法な 疹に関しても色素沈着を残すのみでし 崎教授からコメントをお願いします。 過からみるとウイルス脳炎,特に単純 どがあります。今後はこのような検査 た。PSL 20mg/day で退院し外来にて 尾崎:本症例は HPS として血液内科 ヘルペス(HSV)脳炎であった可能 法の導入によって抗体やウイルスの検 経過観察を行っていますが,現在 PSL に入院中に,ステロイド療法開始前に 性も十分考えられます。 出感度は上昇すると思われますが,臨 2mg/dayまで減量しましたが,抗核抗 中枢神経症状を併発した症例で,SLE 体(80 ∼ 160 倍)以外は異常は認めら れていません。神経学的所見を含め身 本症例では再三にわたるウイルス抗 床の現場では進行する中枢神経症状に に合致する免疫異常と腎障害を認め, 体検査が陰性でした。HSV の抗体検 対して,迅速な対応が求められること 臨床症状からは CNS lupus と考えられ 査に関しては,ELISA は CF の約 100 が多く,CNS lupus およびウイルス脳 体所見上も明らかな異常は認められま ます。しかし,皮疹や 2-5AS 活性上昇, 倍の感度を有しているとされますが, 炎の両者を考えた治療を行って経過を せんが認知障害の訴えが強く,頭部 頭部 MRI 所見および髄液所見から, それでも 10 病日までに髄液抗体が検 注意深くみることが必要となることも MRIおよびSPECTを施行しましたが明 抗体価は陰性ですが,ウイルス脳炎の 出できる率は 45 %(CF では 11 %)と あるという症例でした。 表 本症例の鑑別診断 CNS lupus 身体所見 肯定 (皮膚所見 を除く) 否定 検査所見 肯定 ウイルス感染症 下記以外説明可能 説明可能 神経学的所見に乏しい 2-5AS以外説明可能 皮膚所見 肯定 (生検含む) 否定 その他 リンパ節および耳下腺腫脹 2-5ASの上昇 各種ウイルス抗体(−) 免疫学的異常 ANA強陽性、補体系 HLA-B51(−) 分布像から強く疑われる 肯定 否定 髄液所見 (財)日本リウマチ財団からのお知らせ 髄膜刺激症状(−) 否定 画像所見 神経ベーチェット 非特異的 非特異的 毛膿炎, 針挿入部の発赤 皮疹,免疫蛍光抗体染 水疱・皮疹でのウイルス抗 陰部潰瘍が非特異的 色(−) 体(−) 細胞数・蛋白 Q アルブミン値,IgG Index, IgG index キサントクロミー 否定 Qアルブミン値 細胞数 肯定 HPS所見,ステロイド ステロイド反応性良好 肯定 B5 判 684 頁 定価 5000 円(税込) リウマチ治療の基本を規定す る「リウマチ基本テキスト」が IgG index,IgM index 平成 14 年の初版発行から 3 年を 経て,このたび第 2 版が発行され ました。わずか 3 年の間ですが, 反応性良好 腎所見,HPS所見 否定 「リウマチ基本 テキスト」 第 2 版 発行 腎所見,HPS(+),眼底所見 リウマチ治療には新たな製剤の 投入があり,めまぐるしく変化 しています。これらの変化を踏 まえて大幅に増補してあります。 是非お手元に 1 冊を。 平成 17 年度 日本リウマチ財団主催 リウマチケア研修会開催予定 当財団では,リウマチのケアの研修会を下記のように開催する予定です。 医師,看護師,その他保健,医療,福祉,介護,行政等に従事する方ならどなたでも受 講できます。 〔受講料〕無料 参加ご希望の方は,下記の方法で事前にお申し込み下さい。 〔申込方法〕「○○地区リウマチのケア研修会申込」とし,氏名,勤務先,科名,連絡先 住所,電話番号を書き,返信用封筒(宛先を書き 80 円切手貼付)を同封の上申込先へ 申込みください。 〔研修単位〕登録医教育研修単位 2 単位(2,000 円) 関節リウマチの EBM に基づく 治療ガイドライン 好評 好評 発売中 発売中 近時は EBM に基づく治療が求められています。このガイドラインは 厚生労働省の研究班がまとめたもので,平成 16 年 4 月発行しました。 地区名 開催場所 開催日 世話人・申込先 リウマチ診療医必携の書としてぜひお求め下さい。 なお,患者さん等一般向ガイドラインも今年度内には書店にて発行 東海・ 北陸 津市 8月20日 三重県医師会館 (土) 細井 哲 副院長 される予定です。 山田赤十字病院整形外科 (〒516-0805 度会郡御薗村高向810) 編 集 越智 隆弘 山本 一彦 中・ 四国 高知市 9月10日 ふくし交流プラザ (土) 龍 順之助 谷 俊一 教授 高知大学整形外科 内 容 (〒783-8505 南国市岡豊町小蓮) A4 判 166 頁 診療のマニュアル 41 頁 治療のガイドライン 103 頁 近畿 奈良市 10月1日 奈良県文化会館 (土) 文献検索資料 他 高倉 義典 教授 奈良県立医科大学整形外科 定 価 (〒634-8521 橿原市四条町840) 北海道・ 東北 福島市 10月29日 コラッセ福島 (土) 福島県立医科大学 リウマチ・膠原病・免疫内科 5,250 円(含消費税・送料別) 日本リウマチ財団リウマチ 登録医特別価格 4,700 円(含消費税・送料別) 佐藤 由紀夫 教授 (〒960-1295 福島市光が丘1) 申 込 FAX で日本リウマチ財団へ どうぞ FAX 九州・ 沖縄 那覇市 11月26日 潮平 芳樹 副院長 沖縄県女性 (土) 豊見城中央病院 総合センター 03-3946-7500 (〒901-0295 豊見城市上田25) 財団法人 日本リウマチ財団 事務局 上記研修会に関しての問合せ先: 日本リウマチ財団 Tel.03-3946-3551 〒 170-0005 東京都豊島区南大塚 2-39-7 ヤマモト大塚ビル 5F 12 頁 〒 170-0005 東京都豊島区南大塚 2-39-7 ヤマモト大塚ビル 5F TEL 03-3946-3551 FAX 03-3946-7500 第三種郵便物認可 10 Announcement 日本リウマチ財団ニュース 平成 17 年 7 月 1 日発行 No.71 財団主催の教育研修会および単位認定講演については,リウマチ情報センターのサイト(http://www.rheuma-net.or.jp/)で見ることができます。 問い合わせ先:日本リウマチ財団 TEL.03-3946-3551 [登録医研修単位認定講演 (H17.7 ∼ 11) ] この研修会は医師のみを対象に開かれています。 7 / 23(土) 15:00 2 単位 (福岡) 第 12 回福岡県リウマチ医の会(福岡 県リウマチ登録医の会) 近藤 正一 Tel.092-762-2380 近藤リウマチ・整形外科クリニック 8 / 19(金) 19:00 1 単位 (宮崎) リウマチ疾患・クローン病治療学術講 演会 秦 昭生 Tel.0985-32-9205 田辺製薬㈱ 8 / 28(日) 11:15 1 単位 (福井) 第 12 回福井県リウマチケア研究会 繁縄 寛 Tel.0776-22-1118 エーザイ㈱ 9 / 17(土) 19:30 1 単位 (広島) 第 134 回広島県整形外科医会研修講演 会 原田 英男 Tel.082-810-5555 原田リハビリ整形外科 開催日 開始時間 単位数(開催場所) 7 / 14(木) 19:00 1 単位 (宮崎) 研修会名称 都城リウマチ研究会 連絡・問い合わせ先 牛尾 照幸 Tel.070-5547-8138 ワイス㈱ 7 / 23(土) 18:00 1 単位 (長野) 第 3 回 Shinshu Orthopaedic Seminar 清水 富永 Tel.0263-37-2659 信州大学整形外科 8 / 20(土) 16:00 1 単位 (大阪) 第 6 回なにわリウマチフォーラム 浅井 律和 Tel.06-4807-3003 参天製薬㈱ 9 / 1(木) 19:00 1 単位 (山口) 第 3 回山口県サイトカイン研究会 砂山 淳 Tel.083-972-5311 田辺製薬㈱山口営業所 9 / 17(土) 16:00 1 単位 (兵庫) 兵庫県手の外科症例検討会特別講演会 山下 仁司 Tel.0794-26-8800 やました整形外科 7 / 1(金) 19:45 1 単位 (埼玉) 第 45 回埼玉リウマチ研究会 三村 俊英 Tel.049-276-1462 埼玉医科大学リウマチ膠原病科 7 / 14(木) 20:00 1 単位 (高知) 第 2 回高知リウマチサイトカイン治療 研究会 浜野 宏 Tel.087-869-9336 ワイス㈱中四国支店四国第1営業所 7 / 23(土) 16:15 1 単位 (東京) 第 5 回臨海リウマチ性疾患談話会 松元 秀一郎 Tel.03-3355-9481 ワイス㈱ 8 / 20(土) 13:35 2 単位(北海道) TKA記念セミナー in 札幌 龍 順之助 Tel.03-3972-8111 (内 2492) 日本大学整形外科 9 / 3(土) 16:30 1 単位 (岐阜) 第 5 回岐阜骨粗鬆症フォーラム 清水 克時 Tel.058-230-6330 岐阜大学整形外科 9 / 18(日) 16:20 2 単位 (兵庫) 第 4 回日本リウマチ実地医会 井手尾 健太 Tel. 06-6321-7068 参天製薬㈱医薬事業部 7 / 2(土) 18:00 1 単位 (東京) 第 5 回東京骨関節フォーラム 笠井 達矢 Tel.03-5325-5122 帝人ファーマ㈱ 7 / 14(木) 19:30 1 単位 (東京) 第 2 回南東京リウマチフォーラム 河合 理 Tel.03-3230-6751 田辺製薬㈱千代田営業所 7 / 23(土) 15:00 3 単位 (宮崎) 第 12 回宮崎リウマチ医の会 永渕 伸敏 Tel.0985-28-2736 旭化成ファーマ㈱医薬宮崎出張所 8 / 20(土) 16:45 1 単位 (大阪) 中河内エタネルセプト研究会 小暮 奎次 Tel.06-6204-2501 武田薬品工業㈱マーケティング部 9 / 7(水) 18:30 2 単位 (山形) 第 13 回山形リウマチ研究会 高木 理彰 Tel.023-628-5355 山形大学整形外科 9 / 22(木) 19:00 1 単位 (千葉) 第 5 回東総リウマチ研究会 平栗 雅樹 Tel.0476-22-2311 成田赤十字病院内科 7 / 2(土) 17:00 1 単位 (兵庫) 姫路市整形外科医会学術講演会 細谷 徹 Tel.0792-72-8555 ツカザキ病院 7 / 15(金) 19:45 1 単位 (千葉) 第 2 回東葛リウマチ医会 富田 康之 Tel.04-7165-8887 富田医院 7 / 23(土) 17:00 1 単位 (大阪) 第 29 回大阪整形外科症例検討会 田口 利泰 Tel.06-6489-1322 参天製薬㈱大阪・兵庫抗リウマチ薬チ ームオフィス 8 / 25(木) 19:00 1 単位(神奈川) 第 52 回相模原市医師会整形外科医会 学術研修会 吉川 恭弘 Tel.042-750-5043 吉川整形外科 9 / 8(木) 18:30 ?単位 (大阪) 第 1 回阪和リウマチ研究会 中西 達也 Tel.072-254-2710 田辺製薬㈱南大阪営業所 9 / 24(土) 16:30 1 単位 (岐阜) 第 24 回岐阜人工関節フォーラム 大橋 俊郎 Tel.058-268-0567 山内ホスピタル整形外科 7 / 2(土) 17:00 1 単位 (東京) 第 13 回城南リウマチ会 地宗 秀樹 Tel.03-3355-9481 ワイス㈱首都圏支店首都圏病院第一営 業所 7 / 15(金) 19:30 1 単位 (青森) 第 16 回青森県リウマチ懇話会 田渕 晃久 Tel.017-773-5723 ノバルティスファーマ㈱ 7 / 23(土) 15:30 2 単位 (兵庫) 第 18 回兵庫県リウマチ登録医の会 塩沢 俊一 Tel.078-796-4543 神戸大学保健学科 8 / 26(金) 20:00 1 単位 (福岡) 第 65 回福岡リウマチ懇話会 近藤 正一 Tel.092-762-2380 近藤リウマチ・整形外科クリニック 9 / 9(金) 19:30 1 単位 (富山) 第 20 回富山県リウマチ性疾患研究会 片山 耕司 Tel.076-433-5001 住友製薬㈱富山営業所 10 / 1(土) 18:00 1 単位 (山口) 山口県整形外科医会 馬上 昌士 Tel.083-973-8860 科研製薬㈱広島支店 7 / 3(日) 11:15 1 単位 (石川) 第 34 回北陸リウマチ・関節研究会 山本 珠実 Tel.076-244-7548 科研製薬㈱金沢営業所 7 / 16(土) 17:30 1 単位 (大阪) 大阪臨床整形外科医会研修会(第 161 回) 長谷川 利雄 Tel.06-6701-5815 長谷川整形外科医院 7 / 28(木) 19:30 1 単位 (富山) 富山サイトカインセミナー 川越 健司 Tel.076-444-0500 田辺製薬㈱ 8 / 27(土) 18:00 1 単位 (広島) 備後整形外科医会 檀浦 生日 Tel.084-945-3106 日本鋼管福山病院整形外科 9 / 10(土) 16:30 1 単位 (奈良) 奈良県臨床整形外科医会研修会 佐野 貞彦 Tel.0744-43-0223 佐野整形外科医院 10 / 6(木) 19:30 1 単位(神奈川) 平成 17 年度KCOA関節症研修会 紺野 勉 Tel.045-862-2551 紺野整形外科医院 7 / 5(火) 20:00 1 単位 (東京) 第 31 回東京整形外科・内科合同リウマ チ性疾患研究会 秋山 眞久 Tel.03-3844-6980 ノバルティスファーマ㈱ 7 / 16(土) 16:00 1 単位 (福岡) 第 34 回福岡県整形外科医会学術集会・ 研修会 福本 恵子 Tel.092-642-5488 九州大学整形外科 7 / 28(木) 19:15 1 単位 (福井) 福井県臨床整形外科医会 清水 宏和 Tel.0776-28-6667 清水整形外科クリニック 8 / 27(土) 19:00 2 単位 (熊本) 第 17 回熊本リウマチセミナー 本田 五男 Tel.096-366-3666 熊本整形外科病院 9 / 10(土) 17:00 1 単位 (兵庫) 第 19 回神戸臨床リウマチ懇話会 阿部 修治 Tel.0794-38-0621 甲南病院加古川病院整形外科 10 / 8(土) 15:00 2 単位 (京都) 第 18 回京滋骨粗鬆症研究会 高月 邦明 Tel.075-212-5288 エーザイ㈱京都コミュニケーションオ フィス 7 / 9(土) 16:00 2 単位(和歌山) 和歌山臨床RAフォーラム(第 14 回) 木浦 賀文 Tel.0724-71-3321 阪南市立病院整形外科 7 / 16(土) 18:30 1 単位 (東京) 第 8 回整形外科カレントコンセプト 村上 絹枝 Tel.03-3964-4097 帝京大学整形外科 7 / 29(金) 19:30 1 単位 (群馬) リウマチアカデミー 2005 桜井 武男 Tel.027-322-3660 井上病院 8 / 27(土) 18:15 1 単位 (静岡) 浜松整形外科医会研修会 河合 麻幾 Tel.053-455-1231 田辺製薬㈱東海支店浜松営業所 9 / 10(土) 17:45 2 単位 (岩手) 第 3 回岩手臨床リウマチ研究会 木皿 尚哉 Tel.090-9039-0686 ワイス㈱ 10 / 13(木) 19:00 1 単位 (山口) 山口県徳山医師会学術講演会 尾村 大輔 Tel.083-972-5311 田辺製薬㈱山口営業所 7 / 9(土) 16:00 1 単位(神奈川) 第 88 回神奈川県臨床整形外科医会学 術講演会 近藤 秀丸 Tel.0465-35-7055 近藤整形外科クリニック 7 / 16(土) 17:00 2 単位(神奈川) 第 52 回神奈川リウマチ医会 岡 寛 Tel.044-977-7111(3472) 聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原 病・アレルギー内科 7 / 30(土) 17:00 1 単位 (岐阜) 第 17 回飛騨整形外科懇話会 福田 淳司 Tel.058-251-3155 旭化成ファーマ㈱岐阜営業所 8 / 27(土) 17:00 1 単位 (滋賀) 第 24 回滋賀リウマチ膠原病臨床談話 会 小林 雅雄 Tel.077-554-1422 科研製薬㈱滋賀営業所 9 / 10(土) 18:00 1 単位(北海道) 第 10 回道東リウマチ・膠原病談話会 (講演会) 阿部 敬 Tel.0154-41-6121 市立釧路総合病院内科 10 / 13(木) 19:30 1 単位 (新潟) 第 3 回新潟尿酸代謝フォーラム 荒井 勝光 Tel.025-227-2272 新潟大学整形外科 7 / 9(土) 18:50 1 単位 (東京) 第 5 回臨床骨代謝フォーラム 高田 淳 Tel.042-323-7811 万有製薬㈱国分寺事業所 7 / 16(土) 17:00 1 単位 (大阪) 第 35 回南大阪リウマチ・関節外科研究 会 小林 章郎 Tel.06-6645-3851 大阪市立大学整形外科 7 / 30(土) 17:20 1 単位 (兵庫) 兵庫県続発性骨代謝異常研究会 藤村 和寿 Tel.078-261-9851 帝人ファーマ㈱ 8 / 27(土) 19:30 1 単位 (島根) 第 1 回島根西部リウマチセミナー 伊住 潤一 Tel.0859-33-8513 武田薬品工業㈱ 9 / 10(土) 17:30 1 単位 (大阪) 大阪医科大学整形外科学教室同門会教 育研修会 木下 光雄 Tel.072-683-1221 大阪医科大学整形外科 10 / 15(土) 17:00 2 単位 (奈良) 第 3 回奈良県リウマチ研究会 高倉 義典 Tel.0744-22-3051 奈良県立医科大学整形外科 7 / 9(土) 16:40 2 単位 (京都) 京都整形外科医会学術講演会 今西 岩男 Tel.075-241-5511 田辺製薬㈱ 7 / 16(土) 17:00 1 単位 (愛知) 第 47 回東海膠原病研究会 高澤 誠司 Tel.052-259-1883 第一製薬㈱名古屋支店学術課 8 / 6(土) 18:30 1 単位 (愛知) 豊橋サイトカイン治療研究会 谷村 卓磨 Tel.052-963-8243 田辺製薬㈱ 8 / 27(土) 15:00 2 単位(北海道) 第 7 回北海道整形外科手術フォーラム 中村 稔 Tel.011-851-6171 エーザイ㈱ 9 / 12(月) 18:30 1 単位 (京都) 第 16 回京都運動器疾患フォーラム 藤岡 幹浩 Tel.075-251-5549 京都府立医科大学整形外科 10 / 22(土) 17:50 1 単位 (大阪) 大阪臨床整形外科医会研修会(第 164 回) 長谷川 利雄 Tel.06-6701-5815 長谷川整形外科医院 7 / 9(土) 15:05 2 単位 (大阪) 大阪リウマチカンファレンス 西 浩司 Tel.06-6385-4195 ゼリア新薬㈱大阪第 1 営業所 7 / 16(土) 18:00 1 単位 (兵庫) 第 5 回播磨リウマチ膠原病研究会 松原 司 Tel.0795-42-8851 松原メイフラワー病院 8 / 6(土) 14:45 2 単位 (大阪) 第 5 回大阪リウマチカンファレンス 長久 哲也 Tel.06-4807-3003 参天製薬㈱ 8 / 27(土) 12:00 2 単位 (東京) 第 34 回リウマチの外科研究会 桑原 茂 Tel.03-3752-3151 池上総合病院リウマチ科 9 / 15(木) 19:30 2 単位 (東京) 第 4 回リウマチと骨代謝研究会 横田 京一 Tel.03-5159-2542 住友製薬㈱東京支店 10 / 28(金) 19:30 1 単位 (愛知) 第 28 回瑞穂卒後研修セミナー 関谷 勇人 Tel.052-853-8236 名古屋市立大学整形外科 7 / 9(土) 18:00 2 単位 (大阪) 第 3 回阪神RA研究会 大坪 有一郎 Tel.078-222-7277 田辺製薬㈱大阪支店阪神営業所 7 / 16(土) 16:00 1 単位 (埼玉) 第 2 回埼玉西部リウマチ性疾患研究会 竹内 勤 Tel.049-228-3433 埼玉医科大学総合医療センター 8 / 6(土) 18:00 1 単位(神奈川) 第 370 回横浜市立大学整形外科同門会 談話会 上杉 昌章 Tel.045-787-2655 横浜市立大学整形外科 8 / 27(土) 18:00 2 単位 (埼玉) 埼玉県関節リウマチフォーラム 上野 二 Tel.048-665-5213 田辺製薬㈱埼玉東営業所 9 / 16(金) 19:00 1 単位 (愛知) 第 1 回斯整会リウマチ研究会 関谷 勇人 Tel.052-853-8236 名古屋市立大学整形外科 11 / 10(木) 20:00 1 単位 (東京) 第 6 回城北関節炎・RA・OA・AS談話会 水野 卓 Tel.03-5322-6001 武田薬品工業㈱ 7 / 9(土) 16:00 2 単位 (大阪) Dr. Rockwood 講演会 池田 佳也 Tel.06-6879-3552 大阪大学整形外科 7 / 16(土) 15:15 1 単位(北海道) 第 4 回北海道整形外科教育フォーラム 眞島 任史 Tel.011-706-5935 北海道大学整形外科 8 / 8(月) 19:30 1 単位 (沖縄) 第 3 回沖縄リウマチ医の会 川端 正則 Tel.06-6321-7068 参天製薬㈱医薬事業部 8 / 27(土) 17:00 2 単位 (岩手) 岩手抗TNFαセミナー 津田 忠衡 Tel.019-651-1766 田辺製薬㈱盛岡営業所 9 / 17(土) 18:35 1 単位 (東京) 第 5 回桜整形外科セミナー 西郷 嘉一郎 Tel.03-3972-8111 日本大学整形外科 11 / 12(土) 16:25 2 単位 (東京) 第 36 回多摩リウマチ研究会 中林 公正 Tel.0422-47-5512 杏林大学第一内科 7 / 9(土) 18:00 1 単位(北海道) 第 19 回北海道コラーゲン研究会 須田 一宏 Tel.011-241-6698 三共㈱ 7 / 21(木) 20:00 1 単位 (山形) 第 5 回山形リウマチ懇話会 稲岡 裕浩 Tel.022-264-4321 ワイス㈱北日本支店 9:00 2 単位 (岩手) 8 / 19(金) 19:00 2 単位(鹿児島) 8 / 27(土) 28(日) 11:15 第4回サイトカイン制御療法研究会 第 16 回安比夏季セミナー 林 協司 Tel.099-275-5381 西田 淳 Tel.019-651-5111 鹿児島大学整形外科 岩手医科大学整形外科 9 / 17(土) 18:30 1 単位 (岐阜) オステオポローシスセミナー 清水 克時 Tel.058-230-6330 岐阜大学整形外科 11 / 19(土) 17:00 2 単位(神奈川) 第 53 回神奈川リウマチ医会 森 俊仁 Tel.042-742-8311 国立病院機構相模原病院整形外科 7 / 12(火) 19:30 1 単位 (埼玉) 第 6 回埼玉県東部リウマチ研究会 守田 浩一 Tel.048-737-6300 守田内科医院 7 / 22(金) 19:30 1 単位 (熊本) 第 18 回熊本膠原病研究会 本田 五男 Tel.096-366-3666 熊本整形外科病院 お問い合わせは連絡先または財団へ,時間は認定講演開始時間。 平成 17 年度 日本リウマチ財団主催 リウマチ教育研修会開催予定 日本リウマチ財団主催によるリウマチ教育研修会は, 下記のように開催する予定です。 リウマチ学の研究,リウマチ診療に携わる方ならどなたでも受講できます。奮ってご参 加ください。 研修単位は次の資格条件の単位に充当できます。 日本リウマチ財団登録医資格取得単位(直近 5 年間で 20 単位) 〃 資格維持単位(直近 3 年間で 12 単位) 日本リウマチ学会専門医資格取得単位(直近 5 年間で 30 単位) 〃 資格維持単位(直近 5 年間で 50 単位) 研修会に参加ご希望の方は,事前申込が必要です。 〔申し込み方法〕「中央または,○○地区リウマチ教育研修会申込」と書き,氏名,勤 務先,科名,連絡先住所,電話番号,日本リウマチ財団登録医は登録 番号をお書きのうえ返信用封筒(あて先を書き 80 円切手貼付)を同封 し,申込先へ申込ください。 〔 受 講 料 〕中央研修会:財団登録医 21,000 円 一般医 30,000 円 地区研修会:財団登録医 7,000 円 一般医 10,000 円 〔 テ キ ス ト 〕「リウマチ基本テキスト」(平成 17 年度新版)を使用します。 受講者には単位取得証明書(教育研修単位記載)をお渡しします。 ※教育研修単位は,自己管理となりますので,証明書用紙は必要期間保存願います。 ※財団主催および単位認定講演については,リウマチ情報センター・ホームページでみ ることができます。 URL: http://www.rheuma-net.or.jp 問合わせ先:日本リウマチ財団 TEL.03-3946-3551 地区名 (単位数) 開催場所 開催日 世話人・申込先 中央 (14単位) 京都市 京都市勧業館 みやこめっせ 7月30日 (土) 31日 (日) 世話人:中村 孝志 京都大学整形外科教授 三森 経世 京都大学免疫・膠原病内科教授 申込先:日本リウマチ財団 〒170-0005 東京都豊島区南大塚2-39-7 ヤマモト大塚ビル5F 受付中 新潟 (6単位) 岐阜 (6単位) 新潟市 9月11日 朱鷺メッセ (日) 新潟コンベンションセンター 岐阜市 長良川国際会議場 兵庫 (6単位) 西宮市 ノボテル甲子園 徳島 (6単位) 徳島市 徳島大学永井記念ホール 宮崎 (6単位) 宮崎市 宮日会館 9月18日 (日) 村澤 章 新潟県立瀬波病院院長 〒958-8555 村上市瀬波温泉2-4-15 受付中 世話人:清水 克時 岐阜大学整形外科教授 申込先:伊藤 芳毅 岐阜大学整形外科 〒501-1194 岐阜市柳戸1-1 受付中 10月16日 世話人:佐野 統 兵庫医科大学リウマチ・膠原病科教授 (日) 立石 博臣 神戸海星病院院長 申込先:佐野 統 兵庫医科大学リウマチ・膠原病科 〒663-8501 西宮市武庫川町1-1 受付中 9月25日 (日) 安井 夏生 徳島大学整形外科教授 〒770-8503 徳島市蔵本町2-50-1 受付中 11月20日 帖佐 悦男 宮崎大学整形外科教授 (日) 〒889-1692 宮崎県宮崎郡清武町木原5200 受付中 No.71 平成 17 年 7 月 1 日発行 第三種郵便物認可 日本リウマチ財団ニュース リ ウ マ チ 診 療 の 基 本 手 技 11 関節所見の取り方−リウマチ性疾患へのアプローチ− その V 鞘炎が出てきやすいのでしっかりと鑑別する(図2 の※部分) 。 と比較する癖をつけること。 MTP 関節に炎症が出現し腫脹が甚だしくなると, 罹患した足趾の開排像が出てくることがある。また, 2.中足部 この関節全体を内外両側から挟み込むようにすると 中足部のリスフラン(Lisfranc)関節とかショパー 道後温泉病院 リウマチセンター 理事長 高杉 潔 (図7),疼痛を容易に認めることができる。 ル(Chopart)関節の腫脹は,触れることによってわ かる。疑わしい場合には,運動痛を診るために前足 部をつかんで rotation を加えることによって,その 最終回の今回は足・足趾関節所見の取り方を述べる。 疼痛を示すことができる(図3)。 ●足・足趾関節 上から触れば簡単にわかる(図4) 。 中足部の小趾側に calcaneocuboid joint があり, 足根部,中足部,前足部の各々を触っていく。 1.足関節 足関節自体の腫脹は両側の内踝と外踝を結んだラ インに沿って出てくるので,これを手掌でしっかり 包み込むようにして診る(図1) 。malleolus(踝)の 図5 遠位端直下を多くの腱が通過しており,ここにも腱 図3 図6 図1 図4 3.前足部 RA の診断に特異的な所見が中足・足趾関節 (metatarsophalangeal joint : MTP 関節),すなわ ち足趾の付け根の関節の腫脹である(図5) 。 自分の指で前後から挟み込んで疼痛・腫脹の有無 を診る(図6) 。わからない場合には,必ず自分の足 図2 レ ン ト ゲ ン ク イ ズ 村田 紀和 図7 Qu'est-ce q u e c' e s t ? ? ? 協和会病院リウマチセンターセンター長 第7問解答 多中心性細網組織球症 (Multicentric reticulohistiocytosis) 【解説】 多中心性細網組織球症は,皮下に組織球性の 肉芽を形成し皮膚科からの報告が多いが,滑膜 組織にも肉芽を形成し関節周囲の骨を浸食する ので,関節リウマチと鑑別を要する疾患である。 自然治癒することも稀ではないが,本例では 全身の大小関節のみならず脊椎にも病変がおよ んでいる。10 年後の XP では中節骨以下がまる 第7問 【症例】45 歳,男性 5 年前に右膝関節痛から発症し,徐々に多関節 におよぶ。手,背部に皮疹がみられる。 で切断されたかのように消失し,オペラグラス 様外観を呈している。XP でも爪は部分的に残存 しているのがわかる。末梢のムチランス変化が 高度な割に手関節の構造は比較的保たれている ことも特徴的である。 第8問 【症例】56 歳,女性 20 年来の多発性関節炎があるが,大関節,下肢 の機能は比較的保たれている。 12 日本リウマチ財団ニュース 第三種郵便物認可 ⑧ 連 載 自分でできるリハビリ 札幌山の上病院 清水 平成 17 年 7 月 1 日発行 No.71 ら大腿後面の筋肉が萎縮している(図 これらの筋群は強く息を吐くときに有 4 右参照) 。 効であるが,萎縮すると猫背を生じや この場合,ストレッチが必要とな 立位で,腸骨(骨盤の一番高いと る。 兼悦 すくなる。 ストレッチは図 5 のように,食卓の 椅子に座し,膝を 90 度程度曲げた状 ころ)と肋骨の間をつまんで,痛みが 出たら萎縮している可能性がある。 肩こり・後頚部痛のセルフチェック 大腿∼坐骨∼股関節周囲, 2 骨盤∼ 態で,坐骨で座るように(大腿前面と リウマチ患者は,非炎症期におい 脊柱・肋骨周囲, 3 肩甲∼上腕骨周 お臍が近づくように)骨盤を起こす。 ても関節周囲の筋痛を訴えることが多 囲, 4 頚部の筋肉,が重要である。 その肢位でゆっくりと3秒吸って7秒 日常的な姿勢不良を回避すること い。比較的症状が安定している外来患 34 に関しては次回に述べる。 吐くような呼吸を行いながら 30 秒静 が最も望ましい対策である。ソファー 止する。 などの柔らかい座面は避け,食卓の椅 者においては,肩こり・後頚部の痛 み・後頭部の違和感を訴えることも多 い。今回は,肩こり・後頚部痛のチェ ックポイントと対策について述べる。 肩こり・頚部痛を起こしやすい姿勢 肩こりや頚部痛を訴える患者は, 1 大腿∼坐骨∼股関節周囲 前面;椅子坐位で脊柱を伸展し, 日常生活の留意点 坐骨で座れるようになったら,図 6 子など固い椅子に座すことを心がけ のように,ゆっくりと膝を伸ばし足首 る。硬い椅子で坐骨などの痛みを訴え 大腿遠位上面を手で押さえ,その手を を背屈させていく。痛みが出てきたら, る方には低反発のクッションを敷くこ 脚ではねのけるように膝を上げる。そ その肢位でゆっくりと3秒吸って7秒 とを勧める。 のときに骨盤や体幹が後ろに逃げた 吐くような呼吸を行いながら 30 秒静 り,股関節に痛みが出たり,はねのけ 止する。 図1のように,骨盤を後傾し,脊柱を られなかったら,骨盤を引き起こす股 大きく後彎(猫背)させ,顔を前に突 関節周囲の筋力低下がある。 まず,椅子に深く座し,骨盤を起 こし(やや前傾気味が望ましい)脊柱 を伸展,特に腰椎を伸展させる。 2 骨盤∼脊椎・肋骨周囲 その姿勢で,骨盤の上部から肋骨 き出して座っていることが多い。椅子 この場合,筋力強化が必要となる。 後面;いわゆる脊柱起立筋があり, 下部にかけて,低反発のクッションや 坐位は,股関節を屈曲させる筋肉と腰 筋力強化は,①図 2 のように,椅子 脊柱を伸展させたり,ねじったりする。 タオルを丸めて挿入する(ランバーサ 椎を前彎・伸展させる筋肉の力で骨盤 に座し,膝を伸ばし足首を背屈させ, これらの筋群は骨盤を前傾させ,腰椎 ポート)。また,読書やパソコンなど を起こし,脊柱をリラックスさせて, 大腿を指一本分だけ座面から離し,10 の前彎を増強させることが出来る。こ は前を見たまま,下目使いで見るよう 頭部をまっすぐにして座るのが機能的 秒静止を 10 回する。その際に後ろに れらの筋力低下は姿勢不良の原因とな に練習すると良い。 である。しかし,股関節を伸展させる 倒れず骨盤を前傾させる。②図 3 のよ る。 殿部・大腿後面の筋萎縮や,上述の骨 うに,椅子に座し,テーブルにつかま 前∼側面;いわゆる腹筋があり,脊 盤を起こす筋力が低下していると(一 りまっすぐ上に立ちあがるように力を 柱を猫背にしたり,ねじったりする。 般的にも疲れやすい)必然的に骨盤が 入れ,10 秒静止を5回する。その際 後傾していく。また,骨盤と脊柱・肋 に立ち上がれなくても立ち上がるよう 骨の間にある筋肉が萎縮したり,脊柱 に力を入れる。 の靱帯が短縮していると,必然的に脊 殿部後面;後面の表層には大きな大 柱が猫背となる。さらに肩甲∼上腕骨 殿筋があるので,先ず全体的につまん 周囲筋の萎縮や筋力低下により,頭部 でみる。痛みが出たら,筋萎縮してい を支える頚部の筋肉や骨の連結に影響 る可能性が高い。 が出て,痛みとなることが多い。即ち, 習慣的な姿勢不良が肩こり・頚部痛を 生じさせやすいといえよう。 る。図 4 左のように,大転子下部から 肩こり・頚部痛のチェックポイント 尾骨に向かっている筋肉,大転子から 腸骨に向かっている筋肉を,大腿の長 やMRIなどを用いて,関節破壊の有 軸方向(上下方向)に強く指で押して 無について精確な診断を主治医に求め みる。痛みが出たら,殿部の深層の筋 る。異常が見出された場合には専門的 肉が萎縮している可能性が高い。この な治療を受ける。また,股関節を人工 場合,下記のストレッチが必要となる。 関節に置換されている患者は,専門医 大腿後面;図 6 のように食卓の椅子 位で骨盤を前傾させたときに,大腿後 場合のチェックポイントとして, 1 面に痛みが出たり,膝が曲がってきた 財団では,平成 18 年度登録医を募集 しています。いつでもどこでもリウマチ 専門医に診てほしいという患者さんの声 に応えるため,リウマチ診療医はぜひ登 録医の手続きをお願い致します。財団で は患者さんに登録医を紹介しています。 ■ 主な資格 1. 5 年以上リウマチ診療に従事してい る医師(平成 13 年 3 月 31 日までの医師 免許取得者) 2. リウマチ診療患者名簿 40 例あり(含 図1 図2 図3 に座し,一方に両脚を伸ばす。その肢 破壊が軽度・或いは安定している リウマチ登録医募集 を少しでもすることを勧める。 次に,立位で坐骨と大転子(下肢 先ずは,頸椎∼腰椎のレントゲン 事務局だより 分に一回以上は立ち上がり全身の体操 の付け根外側の出っ張り)と腸骨を触 坐骨に向かっている筋肉,大転子から の指導のもとに行う。 しかし,それでも疲労するので,30 RA3 例以上) 3. リウマチ教育研修単位 20 単位あり (財団の証明書によるもの) なお,申請期間は平成 18 年 1 月 1 日か ら 3 月 31 日までです。 リウマチ登録医の資格更新 リウマチ登録医で下記年度に登録医に なられた方は,来年度,資格更新者に該 当いたしますので,更新の条件により研 修単位取得等をお心掛けください。 ◎昭和 63 年度,平成 3 年度,平成 6 年度, 平成 9 年度,平成 12 年度,平成 15 年 度の登録医 なお,申請書類は 11 月頃にお送りい たします。 図4 図5 図6 日本リウマチ財団 寄金ご協力のお願い ●目標額 10 億円 ●使途 当財団のリウマチ病基礎調査・ 研究奨励基金として,リウマチの予防 と治療に関する調査・研究およびその 助成に充当させていただきます。 ●申込先 ご寄附いただける方は,下記 にご一報下さい。 (財)日本リウマチ財団 〒 170 − 0005 東京都豊島区南大塚 2 − 39 − 7 ヤマモト大塚ビル 5 階 TEL 03 − 3946 − 3551 ●お知らせ 各種お祝い等,また香典 返しに代えての寄附もお受けしていま す。その際,匿名扱いは厳守しますの で,財団に氏名,住所等お知らせ下さ るようお願いします。 ●寄附金に対する免税措置 個人の場 合,所得税法第 78 条第 2 項第 3 号の規 定により,その年(1 月 1 日から 12 月 31 日)に支出した寄附金の額か,また は所得の合計額の 25%相当のいずれか 低いほうの額から 1 万円を控除した金 額が寄附金控除の対象となり,所得の 合計額から控除され所得税が減額され ますので,事務局にお申し出下さい。 の話では,リウマチには,アルツハイマ いふらふらとお話させていただくことに があって, 「楽しい旅の思い出に,後藤さ ーが少ないそうです」と,ことある毎に なりました。何時間か経って,ふと目を んのネームプレートはいただいておきま 私の発言を採り上げて可愛がって下さい 覚ましますと,隣のベッドからものすご すよ」と,そのままになってしまいまし ました。これは恐らくこんなエピソード いいびきでした。本間先生でした。部屋 た。本間先生が,学会場でどのような目 からではないでしょうか? 十数年前の は私の部屋のようでした。シャワーを浴 に会われたのかは,聞き漏らしましたが, リオデジャネイロでの国際リウマチ学会 びた私は,早朝のカフェテリアで,昨夜 私は,ネームプレートの威光で,連日無 でのことです。うろうろしている私を, のことを思い出そうとしましたが,何一 料の大御馳走にありつけました。私のネ ホテルのロビーの片隅から,おいでおい つ思い出せませんでした。帰国後,私の ームプレートの行方は,本間先生ととも 堀内淑彦・東大名誉教授がライバル視 でをしている日本人に気づきました。本 ネームプレートは,本間光夫になってい に,この世から消えてしまいました。遅 されていた,本間光夫・慶応大学名誉教 間先生でした。それまで恐れ多くて,あ ました。どうやら酔っぱらった挙げ句の ればせながら,故人のご冥福をお祈りし 授がお亡くなりになってはや5年が経ちま まりお話ししたこともありませんでした 結果のようでした。あわてて本間先生に たいと思います。 す。リウマチの研究会などで, 「後藤先生 が,海外という気軽な環境のせいか,つ プレートをお送りしますと,すぐお電話 本間様には, およびも無いが (後藤 眞)
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