2010年12月号 ほけんだより

2010 年 12月
あおぞら保育園
あおぞら第2保育園
あおぞら谷津保育園
めっきり寒くなり、冬本番を思わせます。冬に流行する病気はインフルエンザ、RSウイルス
感染症、感染性胃腸炎、溶連菌感染症、水ぼうそう、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)などたく
さんあります。元気に登園できるよう体調管理には十分気をつけていきたいですね。
感染症の三大要因は①病原体(ウイルス、細菌)②感染経路③ヒト(感染を受ける側:感受性)です。
小児感染症の場合は、これらに加えて宿主である小児の年齢等が大きく影響します。
①感染源対策
感染者の発見・届出、別室での保育、登園の自粛、感染者の排泄物の消毒
②感染経路対策
下記に詳しく説明しています
③感受性対策
免疫の付与(ワクチン予防接種)、体調管理、人ごみに出掛けない
飛沫感染症 くしゃみや咳の水滴(しぶき)に混じったウイルスや細菌から感染する(感染源から1から2m以内)
<代表的な感染症>かぜ、風しん、マイコプラズマ、インフルエンザ、溶連菌性咽頭炎、手足口病、肺炎球菌肺炎
<予防策>
空気感染
咳エチケット・マスク・うがい
くしゃみや咳の水滴が床に落ちる前に蒸発し、空気中に漂ったウイルスから感染する
<代表的な感染症>麻疹(はしか)、水ぼうそう、結核
<予防策>
接触感染
換
気
ウイルスや細菌がついた手が鼻や目、口に触れることによって感染する
<代表的な感染症>インフルエンザ、風疹、プール熱、ヘルパンギーナ
<予防策>
経口感染
手洗い(30 秒以上かける)
ウイルスや細菌に汚染されたものを食べることによって感染する
<代表的な感染症>ノロ・ロタウイルス感染症、サルモネラ、腸管出血性大腸菌(O-157 等)赤痢、ポリオ
<予防策>
RSウイルス感染症
手洗い、生食を控える(85℃以上 1 分以上加熱)
通常冬から春にかけて流行する。主にくしゃみ、咳による飛沫感染と汚染された
分泌物による接触感染。ほとんどの子どもが感染する。潜伏期間は2~8日。
<症状>RSウイルスは全ての年齢の人に急性の呼吸器疾患を引き起こす。
乳児では重症になりやすく、生後3か月以内の乳児では死に至る場合もある。
感染性胃腸炎
ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどによる感染症。汚染された飲食物を
介する接触感染とノロウイルスでは空気感染。潜伏期間は1~3日。
<症状>ロタウイルスは嘔吐から始まり、頻回の下痢に移行する。
感染しやすく集団感染を起こしやすい。急速な脱水に注意!
情報提供
フォローアップミルクを使用するかについてよく話題になることがあります。
厚生労働省から発表されたガイドラインから関連する情報をお知らせします。
平成 19 年 3 月、厚生労働省から「授乳・離乳の支援ガイド」が発表されました。平成 7 年、
当時の厚生省から発表された「改定離乳の基本」から 12 年を経過し、現在の離乳に関する現状や
母子を取り巻く社会環境に応じた新たなガイドラインが示されました。
フォローアップミルクは母乳、または調製粉乳の代替ではないことが明記されています。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17.pdf
授乳・離乳の支援ガイド
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フォローアップミルクとは
フォローアップミルクは、母乳や育児用ミルクの代替品ではなく、牛乳の代用として開発され
た食品である。牛乳に不足している鉄とビタミンを補強し、牛乳で過剰になるたんぱく質、ミネ
ラルを減らしている。フォローアップミルクは離乳食が順調に進まず、鉄不足のリスクが高い場
合などに使用するのであれば、9 か月以降とする。ただし、9 か月を過ぎたからといって、母乳や
育児用ミルクをやめてフォローアップミルクに切り替える必要はない。
牛乳の成分組成について
牛乳の成分は、母乳と比べてエネルギー、全固形分濃度、脂質の量は大差ないが、たんぱく質
とミネラルは大きな差がある。牛乳は母乳の 3 倍のたんぱく質、3 倍以上のミネラルを含み、こ
れは乳児の消化や代謝の処理能力をはるかに超えている。過剰な蛋白由来の尿素とともに尿浸透
圧を押し上げ乳児の未熟な腎臓には負担になる。
また、牛乳のたんぱく質は母乳のたんぱく質とは性質が異なっている。カゼインと乳清たんぱ
く質比率をみると、牛乳は 8:2 とカゼインが多いのに対して母乳は 4:6 と乳清たんぱく質が多
く、その乳清たんぱく質はα-ラクトアルブミンが主体である。牛乳のたんぱく質のほとんどはα
S-カゼインであり、牛乳の乳清たんぱく質にはβ-ラクトグロブリンが最も多く含まれる。どちら
も母乳には含まれない成分であり、β-ラクトグロブリンはアレルゲン性が高い。
これらの理由から、子どもの諸機能が未熟なうちは牛乳の飲用は避け、母乳または育児用ミル
クを与える。しかし、プレーンヨーグルトと同様に、7、8 か月頃から離乳食の食材として牛乳を
利用することは差し支えない。
(授乳・離乳の支援ガイド実践の手引き
編集
財団法人
母子衛生研究会)
あおぞら3園では、原則としてフォローアップミルクを使用しません。