リハーサル合宿 報告レポート 日程:12 月 25〜27 日 (公開リハーサル 12 月 26 日 会場:古滝屋・湯本第一小学校 ・スパリゾートハワイアンズ 1 はじめに 「東北の魅力をパリで PR する」という目標をもとに2012年3月に始まった OECD 東北スク ールも、すでに5分の4が過ぎようとしています。いよいよ、2014年8月のパリでのイベントに 向けイベントの内容、規模など細かい内容をチーム全体で話し合い決定する段階に入りました。 たくさんの課題を丁寧に考えてゆっくり議論してという段階は終わり、現実に直結する複雑な課 題に対してスピード感をもって決断する時になりました。 イベントの内容やテーマについて今まで話し合ったことを決断して形にしたものが、今回のリ ハーサル合宿のイベントです。いわきの湯本一小体育館、およびスパリゾートハワイアンズで 実施しました。そこでは、本番さながらに地域チームごとにブースを設け、ステージでの発表も 行いました。また、リハーサルを終えて、反省点を洗い出し、今年夏までに行う課題も明確にす ることもできました。 2 リハーサルの内容 (1)全体イベントの様子 ①バルーン(いわきチーム主催) 湯本一小の校庭に、津波の高さを表す青いバルーンと、津波被害を乗り越える情熱を 表す赤いバルーンの 2 つあげました。パリの本番では津波と同じ40mの高さまで上げる予 定です。リハーサルの結果、下の 3 カ所で固定すると動かないことがわかり、パリでの実現 可能性が大きく広がりました。遠くからでも目を惹き、パリでも目印になると思います。 ②ドミノ(いわきチーム主催) 湯本一小の体育館にて、巨大ドミノを10分の1サイズに縮小しドミノを披露しました。ドミ ノが倒れたときの絵の形や、ドミノの間隔などいくつかのパターンを試し、上手くいかない 場面もありましたが、パリのイベントまでの課題が見つかりました。イベント本番では、メイ ンとして、私たちの伝えたいことをストレートに伝えるものとなると思います。 ③天旗を空に揚げる(気仙沼チーム主催) 気仙沼の復興の象徴である天旗(凧の一種)に、地元の人に復興にかける想いを書い てもらい、それを空に揚げました。パリでも気仙沼の天旗を揚げることができたらと思いま す。校庭では、風がなく凧がなかなか揚がらないため、人が集まらない状況が続いていま した。風がなくても凧を揚げられる練習、ステージで呼びかけることが必要だという課題が 見えたので、改善していけたらと思います。 (2)ステージでのイベントの様子 ①気仙沼チーム 壊滅的な打撃を受けたにも関わらず、復活しつつある漁業、また地元の復興の象徴でも ある「天旗」を紹介しました。 ②南三陸戸倉チーム 地域の伝統芸能である鹿子躍を披露しました。通常、鹿子躍は8人でしか行わないため、 2人で行うのはとても不安でした。また、時間も20分ほどのものを5分ほどに縮めた超短 縮バージョンでした。踊るのには大変な環境でしたが、なんとかやりきることができました。 体育館いっぱいに響く太鼓の音と迫力のある獅子の舞はとても大きな反響を頂きました。 ③女川チーム 秋刀魚の大漁を祈る地元のお祭りの踊り、「サンマ de サンバ」をフラッシュモブとして会 場全体の人を巻き込んでみんなで楽しく踊りました。 ④相馬高校チーム 「相馬高校から未来へ」という震災の中の福島県の女子高生の姿を追ったドキュメント映 像を放映しました。また、相馬高校チームはリハーサルの総合司会も務めました。 ⑤伊達市チーム 地元の JA の方々と共同で特産品の柿や桃を素材にゼリー商品の開発する活動を紹介 するともに、自分たちの力で未来に向けて踏み出していることを伝えました。 ⑥安達高校チーム 「日本学生化学賞」に参加した、「再生可能エネルギー」の研究発表を行いました。 ⑦いわきチーム 中高生が自らの被災体験について語りました。津波被災にある中で命を守ることができ た奇跡、東北スクールとの出会いで変わったことなどを自分の言葉で観客に訴えました。 ⑧セルフドキュメントチーム OECD 東北スクールチーム環の2年近くにわたるこれまでの活動のダイジェスト版を 放映しました。 (3)地域ブースのイベントの様子 ①大熊&大槌チーム 「震災前」「震災時」「今・未来」の写真を展示しました。見に来てくださった方一人一人に 写真を見ていただきながらの解説をすることで、被災地の現状を心で伝えられたと思いま す。 ②気仙沼チーム 天旗の絵付け体験をしていただきました。真っ白な天旗に様々なユニークな絵柄がつけ られ、パリの空に揚げられた天旗はとても綺麗なものになりそうです。展示された天旗に興 味を持ち来てくださった方がたくさんいたので、そのようなところを生かして絵付け体験につ なげていきたいと思います。また、フランスの方は日本の文字や筆で書かれた文字が好き というお話を聞いたので筆を使った絵付け体験もできるようみんなで話し合っていけたらと 思います。 ③南三陸戸倉チーム 海の変わった可愛らしい生き物を写真や地元の特産品であるカキの紹介パネルを展示 しました。 ④女川チーム 女川の人たちは、とても仲が良いのです。それを「女川ファミリー」と題して、「あなたにと ってのふるさとってなんですか?」という自分へ問いかけをしながら吹き出しにその答えを 書き、それを女川の写真展に貼り付けてもらうといった参加型のブースをつくりました。 ⑤相馬チーム チームで制作したドキュメンタリー(ダイジェスト)を放映しました。 ⑥伊達市チーム 被災したときの写真や、地元 JA と協力して作成した特産品の柿や桃を使ったゼリーの 開発についての写真や映像を展示しました。 ⑦安達高校チーム 再生可能エネルギー班と放射能研究班に分かれて発表を行いました。 再生可能エネルギー班は地元温泉場を利用した地熱発電のパネル展示や実験器具の 体験会を行いました。 放射能検証研究班は、安達高校校庭での放射能検証を研究した際の結果発表を行い ました。また、震災を経て、新しい再生可能発電エネルギーについて研究を発表しました。 ⑧いわきチーム 「あなたの想いを世界へ」と題して、被災者の想いを綴った桜のメッセージカードを書い ていただき、枝に見立てた細い画用紙に貼り付けて頂きました。 ⑨東京附属&奈良チーム 東北スクールの掲げているコンセプトとそのロゴの意味を込めたオブジェの展示と、街 頭などで集めた被災地以外の方の東北へ向けてのメッセージを展示しました。他の地域と は違ったブース展開となりました。 3 イベントを踏まえたさらなる深化 (1)リハーサルを踏まえたイベント規模の決 定 イベントリハーサルの終了後、イベント班 EP (エンパワーメントパートナー)の Gad さんより、 パリのシャンドマルス公園でのイベント本番の 図面が説明されました。現在集まっている資 金の状況、今後の見通し、そして私たちが伝 えたいこと。これらを考慮し、実現可能かつイ ンパクトのあるイベントプランを決定しました。 ガッドさんから提案されたのは次の2つのプラ ンです。 写真は③中プランの図 ①大プラン・・・シャンドマルス公園全体を活用し、イベントを行うプラン 費用がかかるが、チーム名でもあり、最も私たちが大切にしている「環」をイ ベント会場に描くことができる。 ②小プラン・・・シャンドマルス公園のエッフェル塔側半分を活用しイベントを行うプラン 大プランの半分の広さとなり、費用は安くなるが、私たちの行いたい、「環」 状に写真を掲示することができない。 上記の①、②について話し合いを持ちました。予算という現実に合わせた計画も大事で すが、ここだけは譲れないという本当にやりたいことも考え、そこにどうやって近づけていくか をチーム全体で議論しました。「環」をパリに掲げたいという希望のもと、①と②の融合の形で ある③の案を作りました。 ③中プラン・・・シャンドマルス公園の中央部を使ってイベントを実施。写真展は広場の中 央部に環状に配置する。 自分たちがやりたいことを1つでも多くできるように今後も協力してくださる方を募り、①の 大プランに近づけていきたいです。 話し合いを通して、イベントの日がどんどん近づいてきていることを実感しました。渡仏した ことがないメンバーも、シャンドマルス公園をイメージすることができ、大変貴重な時間になっ たと感じています。これを基本とし、さらなるイベントの充実に向けて進んでいきます。 (2)リハーサルを踏まえ、各地域のブース案を再検討 リハーサルが終了した夜、今回のリハーサルの結果を受けてのイベント案の修正を、各地 域で行いました。自分たちの地域が本当に発信したいことは何か、さらに興味を持ってもらう にはどうしたらいいのか等、活発な話し合いとなり、とても有意義な時間でした。また、資金面 からも予算が妥当であるのか話し合いを持ちました。リハーサルを行っていたため、深い話し 合いができ、さらにイベントに向けて近づいたように思います。 4 テーマ別ミーティング 今後の活動方針を決定 27 日の午前には、イベント・シナリオ班、産官学連携班、コミュニケーション班、セルフドキュメ ンタリー班の 4 つのテーマ別にわかれ、今後の活動についてのミーティングを行いました。地域 関係なく編成されているため、普段顔を合わせることができないメンバーと直接話すことができ、 中身の濃い話し合いとなりました。各チームのミーティングの内容は以下の通りです。 (1)イベント・シナリオ班 Gad さんのプランを受けて、イベント会場の配置について話し合いました。また、地域ブー スについての報告なども行われました。地域のイベント案の取りまとめも行っていきます。 (2)産官学連携班 産官学連携について、大人と子どもが連携して進めていく体制を確認しました。また、今ま でご協力くださっている企業様との今後のさらなる連携の方法について話し合いを持ちました。 また、受験やその他の業務で忙しい中でどのように体制を整えていくのかも話し合われまし た。 (3)コミュニケーション班 OECD東北スクールの活動をPRするための Facebook の有効活用方法や、今後のPR の方法について具体的に話し合いがもたれました。今後は公式 Facebook の記事を以前より さらに細かく更新していくことが確認されました。 (4)セルフドキュメンタリー班 長編映画を作るための内容を共有しました。さらに、EP の方から撮影のテクニック、まとめ 方なども教わりました。離れていては解決できなかった問題点もこの場で EP やリーダーに相 談し、解決することができました。 5 終わりに 今回のリハーサルのでは、初めて私たちが考えてきたことが形となり、とてもワクワクしました。 と同時に、「改めて危機感を感じた」という声も多くあがりました。イベントがどんどん現実として 捉えられるようになり、残り少ない時間をどう使っていくのか、焦りを感じている人も少なくありま せん。また、解決していない課題もあり、どのようにそのハードルを乗り越えていくのかも問われ ています。しかし、私たちは「チーム環」です。大人も子どももひとつとなって、課題に向かってい けるチームワークがあります。残り 8 ヶ月、一人ひとりが全力で、そして助け合いながら走り抜け たいと思います。 また、この重要な 8 ヶ月、是非皆様のお力をお貸しいただきたいです。チーム環の一員として、 ご指導、ご協力をよろしくお願いいたします。一緒にパリのイベントを創り上げましょう! 最後に、今後の主な日程をお伝えします。 第5回 OECD 東北スクール イベントのリハーサル、イベントの詳細決定 日付: 平成26年3月22日(土)~25日(火) 場所: 国立岩手山青少年交流の家 (岩手県岩手郡滝沢村滝沢字後 292) 国内でのプレイベント 本番の3分の1程度の規模でのプレイベントの実施 日付: 平成26年8月上旬 場所: 場所未定(現在の候補地は東京) パリでの本番のイベント 日付: 平成26年8月30日 31日 場所: フランス シャンドマルス公園 桜の植樹 および 再生可能エネルギーの熟議 日付: 平成26年9月2日 場所: フランス OECD 本部中庭 作成:OECD 東北スクール産官学連携チーム 小山 結有 (気仙沼・仙台育英高校1年) 熊谷 亜耶 (気仙沼・気仙沼高校 1 年) 高井 智文 (いわき・磐城高校1年) 植田 (奈 良・奈良女子大付属1年) 唯 米田英里奈 (奈 良・奈良女子大付属1年) ■OECD 東北スクールに関するお問合せ OECD 東北スクール運営事務局(福島大学内) 七島貫幸 〒960-1296 福島市金谷川1番地 Tel/Fax: 024-503-3803 福島大学内 Email: [email protected] ご寄付やイベントでのコラボレーション等に関するお問合せ OECD 東北スクール運営事務局 産官学連携チーム 担当:渡辺・片貝
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