夏らしさあふれる庭にイメージチェンジ 5月に行う﹁大きな植え替え﹂で

月の植え替えでは
高温多湿に強い花を選んで
月は春から初夏への季節の変わり目。
秋から楽しんでいたパンジー、ビオラな
どの一年草は花の最盛期を迎え、 月に
入ると気温も急激に上がり草姿が乱れて
だんだんとタネが目立つようになります。
まだ花は楽しめますが、次の夏のシーズ
ンに向けて、思い切って早めに植え替え
を行いましょう。
植え替えは手間が掛かって大変に感じ
ますが、時期と回数を抑えて草花を計画
的に植え替える﹁咲きまわし﹂をすれば、
少ない手間でどの季節にも花のある花壇
を楽しむことができます。パンジーやビ
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5
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vol.11
西
に
こんな場所!
植え付けて
月に行う﹁大きな植え替え﹂で
東
1日中日光が当たるが、
夏は直射が厳しいので、
葉焼けを起こす恐れのあ
るベゴニアなどは避ける。
草花を楽しむエリアは夏
の水切れに注意する。
夏らしさあふれる庭にイメージチェンジ
5
日当たりのよい
南の花壇
南
北
月下旬には、夏の庭を迎えるための﹁大きな植え替え﹂をするのが
夏の草花は旺盛に生育
するので、奥行きのな
い植え込みスペースや
園路沿いなどは、草丈
のコンパクトなものを
選んで。大きくなりす
ぎたらその都度ピンチ
する。
春の花が終わりを迎える
東側の小路
上手な﹁咲きまわし﹂のポイントです。この時期に植え付けたいのが、旬を鮮やかに彩る一年草です。
鮮やかな赤花のほかに、葉の彩り
ふ
も美しいペンタス(斑入り葉)、
セロシアやベゴニアは見どころが
多く、庭に細かな表情を与えてく
れる。赤葉のコリウスや黒葉のト
ウガラシ、「黒竜」などを加えて
カラフルでメリハリある花壇に。
●ペンタス「サマースター」、ベ
ゴニア「ダブレット」、セロシ
ア「スマートルック」、トウガ
ラシ「ブラックパール」、コリ
ウス「アップルスター」「ビン
テージベルベット」、オオバジ
ャノヒゲ「黒竜」、ヒューケラ
「パレスパープル」
今年はどんな花で、どんな色の花壇を楽しもうか、豊富な品種の中から選ぶのも楽しい作業 !
カラーリーフを上手に利用して
赤×黒のモダンなサマーガーデンに
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アプローチガーデン
人目につきやすい場所なので、夏も休
まず開花する草花選びを。カラーリー
フを上手に取り入れると、花のボリュ
ームを減らしても華やかになる。
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オラなど冬から春に咲く﹁寒さに強く暑
さに弱いタイプ﹂に替わって、初夏から
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秋に咲く﹁暑さに強く寒さに弱いタイプ﹂
を植えれば、最も少ない年 回の﹁大き
な植え替え﹂で彩りある花壇が楽しめま
す。これからのシーズンは、夏の高温多
湿に強く、休まず開花する草花選びが大
切になります。
花壇の中でも目につきやすい場所に開
花期の長い草花を選ぶことで、常に華や
かな印象を庭にもたせることができます。
夏のメンテナンスは水やりに追われがち
になります。カラーリーフを上手に取り
入れると花がら摘みの手間も減り、彩り
東京農業大学地域環境科学部造園科学科
卒業後、愛知県豊田市にある「ガーデニ
ングミュージアム 花遊庭」の植栽・メ
ンテナンスを担当するほか、個人邸の植
栽デザインも担当。植物に対する豊富な
知識と抜群のセンスのよさからメディア
でも活躍。NHK「趣味の園芸」の講師
としても人気。著書に父・勝美さんとの
共著「決定版 自分でつくるおしゃれで
小さな庭」がある。
●「ガーデニングミュージアム 花遊庭」
http://www.kayutei.co.jp
もアップします。
天野 麻里絵
パープルをテーマカラーにした涼しげな花壇。ア
ンゲロニアやトレニアなど、夏中休まず開花する
草花をメインに選ぶと常に華やかに。トウガラシ
「パープルフラッシュ」はカラーリーフとしても
美しく、コーナーの引き締め役になる。
●アンゲロニア「エンジェルフェイス」、トレニ
ア「ソラリナ」、ユーフォルビア「ダイヤモン
ドフロスト」、トウガラシ「パープルフラッシ
ュ」、リシマキア「ミッドナイトサン」
すっと尖った穂状の花は
庭に変化をもたらす
涼しげな印象が欲しい時は
テーマカラーにはパープルがおすすめ
個性的な花形のセロシアは、庭の変化づけになる。
同じローズ系でも、八重咲きのベゴニア、小花の
クフェアなど、花形が大きく違う草花をあわせる
と互いが引き立つ。
●セロシア「ベネズエラ」、八重咲きベゴニア、
クフェア
小さなコーナーを鮮やかな赤い花で
パッと引き立てて
花つきのよい赤花を選ぶと、目を引く鮮やかなコーナーに。小さな花壇では、コンパクトな矮性タイプの
サルビアやダリアを使うとよい。コリウスのブラックが全体を引き締め、落ち着いた印象に。
●サルビア「アカプルコ」、ダリア「フローラルスター」、コリウス「プリミティブクール」、セロシア
「スマートルック」、アキランサス
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夏でもたっぷり花を楽しみたい場合は、暑
さに強く開花期の長い一年草や、暑さに強い
が寒さに弱い一年草扱いの多年草をメインに
選びます。中でも、熱帯性の草花は生育旺盛
です。植え付け後にどのように株が生長する
かを確認してレイアウトし、株間を十分に空
けると草姿を生かした配置ができます。ベゴ
矮性でよく分枝し、コンパクトな姿でたっぷり花を楽し
める。真っ赤な花色が鮮やかで花壇手前に植えると一気
に華やかに。次々咲くのでこまめに花がら摘みを。草丈
約45㎝、花期7∼10月。
ニアやサルビアなど、なじみのある草花でも、
ベゴニア「ボンボ
花形に個性があったり、性質的に優れて育て
やすいものも沢山あります。新しい品種にも
積極的にチャレンジして、いつもと違う庭を
楽しんでみましょう。
気候のよい 月は、植物がしっかり根づく
時期です。本格的な暑さがやってくる前に植
時時時時時時時時時時時時
え付けて、株を育てておくことがポイントで
ええええええええ
す。どんなに暑さに強い草花も、苗から株が
すすすすすすすすすすすすす
大きく育ってこそ、よさが発揮されます。植
大大大大大大大大
」
ィピンク
リーナ キャンデ
」
ネア「アカプルコ
サルビア・コクシ
え付け時期を逃さずに行いましょう。
マリーゴールドを小ぶりに
したような明るい黄色の花
と、柑橘系の香りが特徴。
従来種は秋∼早春までの開
花だが、この品種は夏を除
いてほぼ1年中楽しめる。
草丈50∼80㎝、花期10月∼
翌年6月。
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エラ」
セロシア「ベネズ
こんもりとまとまりよく、花壇では数株まとめて植え
ると、一つの株のようになって美しく、見応えも増す。
優しい花色は、ほかの草花ともあわせやすい。草丈20
∼30㎝、花期5∼11月。
鮮やかな花色と花火
のような花姿で、ほ
かの草花とあわせる
と、より花の個性が
生きる。庭植えにす
ると高さとボリュー
ム感が出るので花壇
の後方に加えるとよ
い。草丈約 1.2 m、
花期7∼10月。
すっきりとしたキャンドルのような
形と鮮紅色の花が花壇のポイントに
なる。縦に立ち上がるので花壇の後
方や寄せ植えの芯にも使いやすい。
草丈60∼80㎝、花期5∼11月。
センニチコウ
クス」
「ファイヤーワー
今すぐやりたいガーデンケア
6月まで続く花がある時は、植え替えを
2回に分けて
初夏は、1年の中でも多くの種類
スター」
アンゲロニア
イス」
「エンジェルフェ
入 葉
赤花と斑入り葉のコントラスト
がとても鮮やか。花がない時期
もカラーリーフとして楽しめる。
姿が乱れたら切り戻すが、風通
しがよくなり蒸れも予防できる。
草丈30∼90㎝、花期5∼10月。
も大きな
大 な
な花
花 草丈も
丈もあ
も
他品種よりも大きな花で草丈もある
ので、花壇のポイントに最適。数株
まとめて植えるとより華やかに。生
育旺盛で高温多湿に強く、夏も休ま
ず咲き続ける。草丈40∼60㎝、花期
5∼10月。
ペンタス「サマー
夏の一年草は、新しい品種にもぜひチャレンジ !
次の季節に向けて今から準備!
次
タゲテス
「ゴールドメダル」
の草花が入れ替わるように咲く時期
レモンイエローにピン
クがさす、明るい葉色
が美しいカラーリーフ。
生長に応じてこまめに
切り戻すと葉数も増え
てこんもりとした美し
い姿になる。草丈20∼
100 ㎝、観賞期5∼10
月。
です。さまざまな草花を組みあわせ
ている花壇では、マーガレットやオ
ステオスぺルマムのように開花が6
月まで楽しめるものもあり、一度に
すべてを植え替えられないことも多
くあります。そんな場合は、初夏の
植え替えを2回に分けて、5月にパ
ンジーやビオラなどの最盛期を過ぎ
ビンカやキャツラが入ったカラフル
な花壇。ビンカの赤から濃ピンクが
中心のビビッドな色めと、黄金葉の
コリウスやキャツラとのコントラス
トを効かせて夏らしく。
た一年草を先に植え替え、6月に残りを植え替えます。6月に入ると気温
も上昇し、ビンカやジニアなど熱帯性の草花やアルテルナンテラなどのカ
ィー」
コリウス「マーテ
ラーリーフが充実します。後半の植え替えは、暑さに強いこれらを加えて
夏らしい花壇を楽しみましょう。
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個性的な葉の色や模様が
パッと目を引く美しさを生み出す
高温期でも元気なのが、熱帯性の植物。観葉
植物は室内で楽しむイメージが強いですが、窓
で、エリアにあわせてリーフを使い分け、夏な
ムは、直射日光の当たる場所でも育てられるの
葉形や葉色が個性的な熱帯植物を利用して
越しで楽しむものは、明るい半日陰の屋外であ
らではのガーデンを楽しみましょう。
のもうれしい。クロトンやガーデンカラジュー
れば、初夏から秋にかけて、屋外で楽しむこと
ができます。レックスベゴニアやアロカシアな
り上げ、鉢植えにして根を落ち着かせておくと
植え付け後には水切れに気をつけ、本格的な
寒さが始まる前の 月中旬ごろまでに庭から掘
えるとエキゾチックな印象のトロピカルガーデ
冬越ししやすくなります。冬の耐寒温度は品種
ど、個性的な葉の形や色のものが多く、庭に加
ンに早変わり。葉だけでも十分彩りがあるうえ、
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リーフだけの組みあわせは
葉の彩りがよく映え
洗練された印象に
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こんもりと茂るレックスベゴニアを主役にした
コーナー。色や形の異なる数種をあわせると葉
の個性が際立ち、高さのあるアロカシアが変化
づけとして活躍。リーフだけの組みあわせは、
葉の彩りを一層鮮やかに見せる。
●アロカシア、レックスベゴニア、コルジリネ
によって異なるので注意が必要です。
美しいカラーリーフを集めれば
花にも劣らぬ華やかさが楽しめる !
はっきりと色が異なるさまざまなリーフを集
めると、とてもカラフルに。手前には横に広
がるキャツラやイポメアをしっかり茂らせる
と、奥ですっきりと立ち上がったアフェラン
ドラやリグラリアが美しく見える。
●アフェランドラ「ダニア」、観賞用トウガ
ラシ、イポメア、キャツラ「マーズ」、リ
グラリア「ミッドナイトレディ」
花がら摘みも必要ないのでローメンテナンスな
黄斑のクロトンや渦巻き形のレックスベゴニア、白い葉脈が鮮やかなアフェランドラなどの個性的な
葉模様が生きるコーナー。クロトンの黄斑やアフェランドラの黄花は遠くからでも目を引き、銅葉の
コルジリネやブラックのイポメアが引き締め役に。ガーデンカラジュームの斑入り葉が全体を明るく
涼しげな印象にしてくれる。
●クロトン、アフェランドラ「ダニア」、レックスベゴニア「エスカルゴ」、イポメア、コリウス、
ユーフォルビア、ガーデンカラジューム
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夏満喫のトロピカルガーデン
こんな庭が欲しい!
憧
憧れのガーデンスタイル