第 1 部 SC とは?SC の歴史と現状について

2015 年 10 月 14 日
商業施設のマーケティング手法と事例
第1部
SC とは?SC の歴史と現状について
~テナントとディベロッパー(SC)の関係と課題~
株式会社繊研新聞社
業務局
アドバイザー
古旗 達夫
SC とは?SC の歴史と現状について。
~テナントとディベロッパー(SC)の関係と課題~
[1]
そもそもショッピングセンター(SC)とは。以下、SC とします。
日本ショッピングセンター協会規定
1
小売業店舗面積
1500 平方メートル以上
2
核テナントを除くテナント
3
核テナントがある場合、その売り場面積は全体の 80 パーセントを超えない
4
テナント会、商店会がある
5
駐車場 15 台以上ある
10 店舗以上
日本の SC は地下街 SC から 1957 年
大阪なんば地下センター、名古屋サンロード栄
1969 年記念の年、大阪梅田阪急 3 番街、東京世田谷二子玉川 SC、東京池袋パルコ
本格的 SC 時代の幕明けー約半世紀。
世界初は米国、1922 年(大正 11 年)、カンザス州カンザスシティのカントリークラブプラザ。
デベロッパーによる本格的 SC は、1950(昭和 25)年ワシントン州シアトル市郊外、広域型 SC
ノースゲート SC 開業。ノードストローム、JC ペニーを核、160 の専門店、レストラン、
スポーツ、クリニック、銀行、郵便局、旅行社。米国での記念の年。
[2]
日本の SC の現状。
2015 年 3 月で 3200 カ所、10 年で 550 増。郊外型 SC、駅ビル、ファッションビル、GMS、
地下街、高架した、自動車道 、駅ナカ、駅上等。テナント総数 180000、核テナント 2000
SC で働く人 300 万。SC の売り上げ 29 兆円。全小売り 135 兆円。約 22 パーセント。
SC の全売り上げの中、衣料品、身のまわり品(肌着、靴下等)、服飾雑貨、ジュエリー、
バック、靴等、FB 関連は 14 兆円、50 パーセント。全市場でも 50 パーセント弱。ちなみに
残りは百貨店 23 パーセント、GM 含む他小売店 19 パーセント、通販 8 パーセント。
アウトレットモール SC は 1993 年に一号店。現在 45 カ所。6000~7000 億円。米国は 1980 年
代に 1 号店開業。
[3]
デベロッパーについて。
デベロッパーとは開発者。量販店、不動産系、商社、金融系、百貨店、繊維、高速道路、
鉄道、行政、3 セクター、外資系等。量販店系が 42~43 パーセント。
[4]
米国の SC について
約 50 万店が ICSC~全米 SC 協会、70 パーセントがコンビニエンスストア。テナントが入居
している。人口 3 倍弱、国土 25 倍。本格的 SC は約 105000 カ所。量販店、百貨店、スーパー
含む。
[5]
日本の SC もオーバーストアの時代に。
今も年間、30~40 カ所開業。再生 SC も含む。閉業も 20~25 カ所。
百貨店 125 社 360 店が 90 社 255 店に。量販店 GMS2000 カ所、スーパーストア、生協等
7000 店、コンビニエンスストア 65000 店。
[6]
SC と百貨店の違い。
百貨店は卸し型アパレル(オンワード樫山等)から上代の何掛けで買う。インショップも。
SC は家賃で運営。
[7]
SC とテナントの関係を掘り下げる。
テナントは家賃の他、共益費、販促費払う。共益費は契約坪当たり 4000 円前後。
SC の売り上げ分析、商品別。衣料品 24 パーセント、身のまわり品 11 パーセント、
服飾雑貨、ジュエリー12 パーセント、飲食 17 パーセント、食品 20 パーセント、他 2 パーセント。
ファッションに特化 65~70 パーセント。
SC は新しい業態テナントを積極導入。大競合時代、E-コマースの影響、消費不振の中、
地域共生強化へ。モノからコトへ。映画、スポーツ当たり前、ゲーム、パチンコ、病院、保険、
保育所、プレイガイド、塾、習い事学校、郵便局、市区町村の支所、カード会社、結婚式場、
葬儀場等。別館方式。公共テナントは家賃安い。完全に街。
コンパクトシティの真ん中に――。
[8]
SC を取り巻く喫緊の課題。
E-コマースと実店舗の在り方。7~30 パーセント。総合賃料、定借問題、商店会廃止の動き、
テナント販売職不足とテナントが集まらない。オーバーストアからも。
SC の証券化、不動産化、ES 問題――。
[9]
SC を支える支援企業(本日の主催会社さんも)、関連産業とパートナー関係を益々
強めなければならない時代に。
地域との共生が不可欠。魅力ある SC 作りと 1 年先のマーケティング。
[10]
SC に未来はあるか。
今迄見てきた課題への取り組みを克服する事。E-コマースと実店舗をどう関係させるか。
米国に学ぶ。オーバーストアで、3000 カ所に減る。SC がこれからも王道を歩むには、
私の SC はこれと選ばれる事が肝要。見る時代から選ばれる時代に。今、生き残っている百貨店は多く
はそれ。高齢者対策も―。大いに未来はあるでしょう。最後にそのためにも、ES 無ければ CS 無し。
CS 無ければ SC 無し。
以上