NEW TECHNOLOGY 注目のツール ヤラカス舘 「 MiiNA 」 (ミーナ) 簡単に「売場の見える化」を実現し 店舗のモチベーションアップにも貢献 ● 図表2(左) 各ルーム (販促企画) を一覧することも可能。どの企画のコミュニケーションが 活発か一目でわかる。 ● 図表3(右) 写真とコメントはダウンロードが可能。優れた事例は報告書にも適用できる。 創業119年の歴史を持ち、常に最先端のマーケティング技 術を駆使し時代をリードする株式会社ヤラカス舘(本社:大 店 頭 起 点 の 気 軽 か つ 簡 便な情 報 統 合ツール 阪市 中許忠和社長)。同社が提供する店舗オペレーショ は、使い方によってさまざまな革 新をもたらす。次 に実際使用しているユーザーの声を聞いてみよう。 ン最適化 Web ツール「MiiNA」 (ミーナ)は、投稿された 売場写真をクラウド上で保管、共有し、SNS のようなコミュ ユーザーの声 ユアーズ ニケーションが気軽にできるサービスとして注目されている。 企業概要 ◦ 株 式 会 社 ヤラカス舘 本 店 ◦ 東 京 事 業 本 部:中 央 区 銀 座 5 丁 目12-5 ◦ 事 業 内 容:マーケティング・コン サ ルティング事業、プロモーション・プランニング事業、IT サ ービス事業、メディア・コミュニケーション事業 ◦ホームページ https://www.yrk.co.jp/ www.miina.jp.net MiiNAとは ? What is MiiNA? 「使い勝手」の良さを追求 まず現場に使ってもらうことにフォーカス 指示・チェック・アドバイス 共有 のPDCA(Plan, Do, Check, Action)サイクルを まわす起点として流通業に認識されている。 これまでも売場写真共有ソフトは業界に いくつも存在しているが、その多くは基幹シ ステムに紐づけられたグループウェアであり、 「コトPOP」もつけ、いくつかの関連アイテムをクロスしました。ちょ うどテレビ CMもありましたし、まさにスピーディに旬のアイテムを みようと社長の決裁がおりました。また弊社は店長の権限委譲が進 的確に露出できたことがひとつの成功要因ではないかと考えてい んでおり、各店長とスタッフの皆さんのモチベーションやコミュニケー ます。 これは現場発の企画であり、バイヤーを通じてメーカーさんにもフィー ています。また各店舗からの写真投稿もマストではありません。です ドバックしました。これらの成功サイクルは今後の「売場づくり」の が、よい企画ですと店舗の投稿率も上がってコメントなども増えます。 可能性を考える上で貴重な事例となっています。 最近では、 「レジチェッカーおすすめ商品」企画が、テーマ表彰を盛 今後は、POSとの連動などの課題もありますが、現場が参加しや り込んだインセンティブ付でしたが投稿率は7割を超えました。よい すい環境をどうつくるか。テストケースで検証していきたいと思います」。 売場は、本部、各バイヤーにフィードバックされ水平展開のきっかけ 共有・評価・コメント 投稿・評価フィードバック ンと関わる場合が多いのですが、MiiNAを導入することによって社 内の課題も浮き彫りになってきました。 ● 図表1 使用イメージ しかし私自身は逆にプラスと捉えています。ともすれば縦割りにな 12万円となっている。 特化し、 「使い勝手」の良さを徹底的に追 ができる。この機能によって、本部から各店 求。店舗スタッフ自身が売場を撮影し、写真 舗への評価やアドバイスができるだけでなく、 300店舗の販促実施状況をリアルタイムに把 先ほどの企画ではあるメーカーの単品が1店舗で10万円売れた実 を投稿するまでの作業上、心理上のハード 店舗同士で売場の評価や成功事例の共 握、改善指示できるだけでなく、ベストプラクティ 績がでてきました。これは通常の販促企画では出てこない数字です。 ルを下げることで現場使用率をアップさせる 有が進み、現場スタッフのモチベーション、ス スの共有までが月12万円でできることになる。 売場の検証はこれからですが、レジ脇の ことに成功している。 キルアップにつながっている (図表2、3)。 小売業にとって「売場づくり」の完全作 展開だけではなく定番のフェースも増やし、 トップ画面には 52週マーチャンダイジング ログインIDを店 舗 単 位で割り振 れば、 また管理者は未投稿の店舗をチェックし 業とスピード化、効率化、可視化は機会損 たり、投稿された売場写真に対して評価や 失と欠品をなくすための最重要課題のひ アドバイスをすることが可能だ。 とつであることは言うまでもないだろう。 実施されたテーマの写真とコメントのデー ある導入企業では、これまで60店舗の販 ム」と呼ばれるボックスが立ち上がる。たとえ タは1年半サーバに保管されるので、引継 促企画の一斉立上げに1週間かかっていた ばスーパーマーケットでいえば「今夜は鍋だ! ぎ資料や次回企画の参考として使用する ところMiiNA の導入で2日間に短縮された ぶりしゃぶだ!」のようなテーマが設定される。 こともできる。 という。 店舗はそのルームに掲載された展開指 またサービス導入のイニシャルコストが低い 今後はユーザーの使用深度が深まるにつ 示書に基づき売場を作成後、写真とコメン のも魅力のひとつ。初期費用は一律15万 れ顧客 ID-POSとの連動も想定。販促企 トを投 稿する。投 稿された写 真は SNS の 円で、月額費用は利用 ID 数で変動するが、 画の多様な事後検証も可能になるため、メー ように「いいね」 「参考になった」というボタ 100ID 利 用 時で8万 円、300ID 利 用 時で カー各社からの期待も高まっているという。 2015.4 月刊マーチャンダイジング (談・まとめ 編集部) てしまったり、投稿率自体低い企画もあって、これは作業オペレーショ ンがついており、自由にコメントを入れること など本部で作られた販促企画に基づき「ルー るのか事後検証を考える上でも大切な示唆を与えてくれます。 のところ各ルームの企画も販促担当と各バイヤーの自主性に任せ そこでMiiNA は目的を「 売場づくり」に 図である。 も多いのではないかと考えています。どんなお客様がリピートしてい もちろん企画によっては本部と特定店舗のやり取りだけに終わっ ルに画像添付されたものを共有閲覧できる 図 表1は MiiNA の簡 単な使 用イメージ この数字はトライアルユーザーだけでは達成できませんのでリピーター になります。 セキュリティ上気軽に使えなかったり、 またメー 96 「MiiNA 導入にあたっては、弊社の SV 業務のサポートと販促企 画売場画像がオンタイムでみられるという点において、まずは使って 投稿するという作業自体はマニュアル化しているわけではなく、いま は顧客の購買行動変化に対応していくため らない問題を抱えていた。 販売本部営業推進課の横山知幸課長にうかがった。 まだ試行錯誤中ですので、販促の売場を作った後に写真をとって と店舗間で共有する「売場情報の一元化」 「使い勝手」の点で現場の使用率が上が ユアーズは広島、北九州を地盤とするスーパーマーケット企業。テスト期間を経て、2014年 11月よりMiiNAを本格導入。同サービスの導入経緯と活用状況、今後の抱負を管理者の ションを高めていくツールとしても期待しています。 売場作成時の写真をリアルタイムに本部 ようにするため別の作業が必要だったり、と 社内モチベーションアップに貢献 今後は検証ツールとして期待 Voice of the user りがちな販促推進に横串を通し活性化することが私の課題にもなっ ています。 販売本部営業推進課課長 横山知幸 氏 「使い方次第で大きな可能性を秘めているツールだと思います。縦軸の コミュニケーションはこれまでもグループウェア内でありましたが、横軸を いかに活性するかが今後の肝のように思います」 中筋店店長 兼本至紹(よしつぐ)氏 「 新商品や話題の商品投入時はよく投稿します。もちろん この店長うまいなーというのはありまして、よくチェックしています。 一番にならんと気がすまんけえ( 笑 )」 ユアーズ企業概要◦本部所在地 / 広島県安芸郡海田町南堀川 4 -11 ◦代表取締役社長 / 根石紀雄 ◦店舗数 /62 ◦年商 /557億円 重要ポイントのまとめ ● 「使い勝手」の良さを追求したシンプルな「売場情報」 共有ツールで、売場づくりの「完全作業」 「効率化」 「スピード化」を推進 ● SNS 機能を盛り込むことで店舗スタッフのモチベーションアップ。他店舗間、本部とのスムーズなコミュニケーションを実現 ● POSと連動することでメーカー、ベンダーとの販促事後検証ツールとしても使用可能。「製販協働」の高度化を図る
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