症例 Drug holiday の症例 症例 から 学ぶ 金谷幸一 症 例 64 歳,女性. 既往歴 胃亜全摘手術 ( 詳細不明 ). 家族歴 特記事項なし. 現病歴 8 年 前, 低 骨 密 度 を 指 摘 さ れ, リセドロネート(risedronate) の 内 服 を 開 始 し た.4 年 前 に 当 科 初 診. ア レ ン ド ロ ネ ー ト (alendronate) に変更し服薬継 続した.8 年間継続投与ののち drug holiday について検討した. 当院初診時 DXA 法 骨 密 度 (BMD): 腰 椎 検査所見 (L2 ~ 4) 正 面,YAM 70%,T スコア − 2.8 SD. 単 純 X 線 写 真 (XP): 既 存 椎 体 骨折 なし. drug BMD:腰椎 YAM 79%,T スコ holiday ア − 2.0 SD,大腿骨 (total) 右 検討時検査 YAM 73%,T スコア− 2.1 SD, 所見 左 YAM 70%, T スコア − 2.1 SD. XP:新規椎体骨折 なし. 臨床検査値 血液,生化学一般検査に異常所 見なし.骨代謝マーカー:intact P1NP 20.6 μg/L,BAP 9.5 U/L,TRACP–5b 285mU/dL, 補正 Ca 9.4mg/dL. 船橋総合病院 副院長 骨粗鬆症患者において,大腿骨近位 部骨折と椎体骨折の骨折抑制効果のエ 解説 ビデンスがある薬剤はビスホスホネー ト (bisphosphonate;BP) とデノスマブ である.両者とも骨吸収抑制剤に分類され,BP は骨 粗鬆症治療薬の第一選択薬として広く使われている. 近年,BP 長期投与と顎骨壊死 (osteonecrosis of the jaw;ONJ) や非定型的大腿骨骨折 (atypical femoral fracture ;AFF) との関連が報告されているが,リス 42 (114) O.li.v.e. ー骨代謝と生活習慣病の連関ー ■ クと効果の観点から,どのくらい投薬を継続すべきか, どのような対象では投薬中止 (drug holiday) 可能か, どのタイミングで治療を再開すべきかなど,いまだ コンセンサスは得られていない. ONJ は,BP だ け で な く デ ノ ス マ ブ や antiangiogenic therapy でも発生していることから,medication–related osteonecrosis of the jaw (MRONJ) 1 ) と もいわれている.BP 治療中の骨粗鬆症患者におけ る発生頻度はきわめて低く 0.001∼0.01% とされる Vol.6 No.2 2016–5 SAMPLE Copyright(c) Medical Review Co.,Ltd.
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