法令と社会倫理の遵守 VOICE 継続的な取り組みを根づかせるとともに より敏感に社会の動きを捉える 反社会的勢力排除ワーキンググループ 秋山 をねさん 大日本印刷 (株) (株) インテグレックス 代表取締役社長 DNP における「反社会的勢力への対応」 企業倫理の定着・浸透のために、 「継続」して、 は、社会の流れとともに歩んできまし 「自主的」 、 「ポジティブ」に取り組みを進めなが たが、ここ数年は、より敏感に社会の ら、常に活動内容の見直しを行うことで、活動 動きを捉え、実体のある施策を展開し の実効性、効率性を高め、社会の変化を捉えた てきています(下の年表参照) 。 社員一人ひとりが、高い倫理観をもって誠実な行動を積み重ねてこそ、 社会からの信頼を得ることができると DNPは考えます。 グループ全体に企業倫理をしっかりと根づかせるべく、体制や風土づくりを進め、 取りまく環境に合わせて、計画的な取り組みを続けています。 法令と社会倫理の遵守 たえず誠実に行動できるよう 常に活動内容の見直しを 活動内容を見直しレベルを高める 今後もより先進的な企業倫理の実践に期待 有効な取り組みにしていこうとする努力が、DNPグループの企 「サプライヤーとの覚書締結 」では、2008 年 1 月のスタート当 業倫理活動のレベルの高さを支えています。 「誠実な行動(イン 初、趣旨の問い合わせや DNPのスタンスの説明で多くの時間 テグリティ) 」のための、たゆまぬ活動内容の見直しは、高く評 を費やしました。しかし、最近ではそのようなやりとりは極端 価できます。 に減ってきています。これはすなわち、DNPが社会の動きを先 今後は、社会との関係を「社会から信頼を得る」といった距離感 取りして対応してきたことに他なりません。これからも「反社 のある相対的な立場から、 「社会と企業、社員と企業は一体」と 会的勢力とは 一切かかわらない」ために、社員一人ひとりが いう「一円融合(二宮尊徳) 」のレベルまで高め、より先進的な アンテナを張り、企業倫理と社会倫理を遵守していくことが大 企業倫理を実践されることを期待します。 切です。 継続性 2011年度の重点課題と活動事例 どこまでも活動し続けることが 企業倫理浸透への最大の近道 (金融業界の対応) 日本証券業協会 「証券取引及び証券市場からの反社会的勢力の排除について」 公表 ● 研修でのディスカッションや発表の場を設定 3.社会からの信頼を得るための当然の活動として、 ポジティブに取り組む 4 海外グループ会社への取り組み 海外のグループ会社にアンケート調査を実施 ● 海外で想定されるリスクと対応状況を把握 ● 重点課題の設定 社会の流れにあった 有効的な取り組みにするために 5 DNPでは、継続的な取り組みのなかでより実効を上 げていくため、年度ごとに重点課題を設定しています。 グループの企業倫理活動を統轄する「企業倫理行動委員 会」が、活動方針と課題、世の中の企業倫理に関する主 6 内部統制の運用面の強化 ● 仕組みを機能させる意識啓発のための研修を実施 内部通報制度(相談・通報窓口)の再周知 ● イントラネット「DNP web」にてグループ内に「オープ ンドア・ル ーム」の存在を再周知 ● 開設 2年目でまだ認知度の低い 「サプライヤー・ホット ライン」の再周知を方法も含め検討 な動きをまとめ、リスクマネジメントの観点からその年の 重点課題を設定。各専門委員会はこれにもとづいて活動 し、企業倫理行動委員会へ定期的に報告することで、社 会の変化に応じた取り組みを進めています。 27 7 2007年 DNPの考え方や活動方針の重点的な研修を実施 ● リスクマネジメントの活動内容を説明 ● 社会変化への対応 ● 法令に対応して、反社会的勢力排除に向けた取り組み DNPグループの対応 4.実効性、 効率性、社会の変化といった観点から、 常に活動内容を見直す 3 グループの新会社への取り組み 5月 各証券取引所 反社会的勢力排除に向け 上場制度を整備 ● ケース・スタディ研修の導入 1.PDCAのマネジメントを確実に回しながら継続し続ける 2.自らの組織は自ら守るとの強い思いから、 自主的に取り組む 東京都 「東京都暴力団排除 条例」施行 7月 2 研修内容および研修方法の見直し 10 月 ・ 「商取引」に関する項目を追加 ・ 「環境」項目に生物多様性を追加 でいます。 企業倫理 への取り組み方針 犯罪対策閣僚会議幹事会 「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」公表 ● コンプライアンス評価制度の評価内容をレベルアップ 社会の動き 間を通して企業倫理の定着・浸透に継続的に取り組 ん 1 リスクマネジメントの内容見直し 6月 DNPでは「企業倫理への取り組み方針」のもと、年 反社会的勢力への対応強化 2008年 全国銀行協会 ●「反社会的勢力介入排除対策協議会」設置 ● 反社会的勢力のデータベース共有化の検討 2009年 2010年 2011 年 3月 12月 コーポレート・ガバナンス 報告書への記載 反社会的勢力排除に関する社内体制を整備 (DNPグループ行動規範への反映、反社会的勢力排除 に関する覚書の作成、社員への周知・徹底の体制など) 6月 所轄警察署や弁護士などの専門家 と連携して社内体制の整備を開始 2012 年 10月 従来の覚書に東京都の 条例の内容を反映し、 顧 客との覚書締結を開始 1月 ●全社説明会を実施 ●サプライヤーとの覚書締結を開始 DNPでは、常に社会の変化を捉え対応できるように に加えました。具体的には、これらの取引先が反社会的 努め、反社会的勢力への対応も早くから取り組んでき 勢力であるか、または反社会的勢力とかかわりがあるこ ました。 とが判明した場合に取引関係を解消できる内容の覚書 2011 年 10 月には「東京都暴力団排除条例」の施行を の締結を進めています。 受け、企業倫理の重点課題「社会変化への対応」の一環 今後も DNPでは、日ごろから企業防衛に関する必要な として、反社会的勢力排除に関するマネジメントの範囲 情報収集に努めるなど、反社会的勢力との関係を事前に を広げ、それまでのサプライヤーだけでなく顧客も対象 防ぐシステムの構築を進めていきます。 を強化 DNPグループ CSR 報告書 2012 28
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