記 者 会 見 で の Q&A 日時:平成21年1月22日(木) 午前 10 時 50 分~11 時 55 分 会場:市長応接室 記者: 雇用の創出についての考えを聞かせてください。 市 金物業界等の地場産業が、円高などで、落ちこんできている状況があ : ります。今回の国の予算を利活用していきながら、市の単費への影響が あまり出ないように、工夫して新たな産業活性化対策事業を打ち出して いき、その中で地場産業の雇用を高めていきたいと思っています。 あわせまして、ひょうご情報公園都市の中で、今17区画が完売して いますが、来年度から操業を開始する会社も多くありますので、新たな 雇用の創出も図れるのではないかと思います。 それから年末から行っている緊急雇用対策とし、市役所として10 名程度の募集を行いましたが、現在60名を超えた応募があります。そ のため、雇用枠の拡大方向への見直しを図っていく必要があると思いま す。 以上のように、官民合わせまして、雇用拡大に向けての種を蒔き、具 体的にできるものは進めていきたいと考えています。 記者: 市役所内で開設される予定の福祉コンビニは、何名程度をどのような 形で雇用される予定ですか。 市 : 常時3名の勤務で、事業主雇用の形態を考えています。ローテーショ ンにより人員が変わりますが、トータルで約20名の雇用となります。 記者: コンビニの運営形態は、明石市と同様に民間の業者が開設されるので すか。 市 : フランチャイズのコンビニ店を三木市に招いて、直営で運営していた だくか、オーナーの方を別に募集して開設するかの二つのプランを検討 しています。最終的には明石市のようになっていく可能性が高いと考え 1 ています。 記者: いつ頃オープンの予定ですか。 市 議会の承認が必要ですが、今のところは10月~11月の予定です。 : 今年の金物まつりの前に開店できればと思います。 記者: コンビニ開設にかかる予算額はどの程度になりますか。 市 現在、当初予算の編成中ですが、工事費として約950万円程度を見 : 込んでいます。 記者: 開設場所は市役所内のどの場所を予定されていますか。 市 基本的には「みっきぃホール」のATMコーナーの東側を考えていま : す。できる限り、 「みっきぃホール」のスペースが狭くならないような設 置を考えています。 記者: 「市民パワー条例」 (住民自治基本条例)の制定が遅れているのはなぜ ですか。 市 : 就任直後から市民の皆様の声を市政に反映するということで、市民が 主役のまちづくりを大きな柱としてきました。就任当初に考えていまし たのは、市民やNPOの盛り上がりにより、まちづくりについてのルー ルづくりが必要であるとのご認識をいただいた上で、 「自治基本条例」を つくっていこうとしていました。 就任以来3年が経った今、いわゆる「市民協議会」的なものを立ち上 げ活動していこうとする地域もあると聞き及んでいます。蒔き続けた種 が、市民の皆様のご協力や職員の力により、芽が出始めたという感覚で す。その機会を逃さず、条例の制定に着手し、市民の皆様に投げかけて いきたいと考えています。熟成を待っていたというところです。 記者: 住民投票制度は市民などに支持されると考えておられますか。 2 市 : 「住民自治基本条例」の中に住民投票を盛り込むことについては、賛 否両論があり、一番の議論になると思います。就任当初は、民主主義を 補完する制度として、 「住民投票条例」というものは、必要であると考え ていました。 しかし、タウンミーティングや市民アンケートを実施するとともに、 市政の現場に触れていく中で、特に今回の市民病院の問題など、トップ がトップの責任として決断しなければならない場面も当然出てまいりま す。それを、住民投票という名の下に、トップの責任を回避して市民の 皆様に大事な決断をまかせてしまってはいけない場合もあります。 市民の皆様のご意見を伺いながら決めていきたいとは思いますが、市 民の皆様にも「新たな責任」を伴うこととなる「住民投票条例」を作っ ていくのか、あるいは信頼できるにふさわしい人を選挙で選んだ以上は、 その市長とともに、まちを変えていくのか。そういうことも「住民自治 基本条例」を作っていく中で、市民の皆様に投げかけていきたいと思っ ています。 ですから今は、結論を出せていないという状況です。当然、パブリッ クコメントの項目の中には、 「住民投票条例」を盛り込むかどうかは書き 込んでいきたいと考えていますが、市民の皆様に、タウンミーティング や、いろいろなアンケートなどで意見をお聞きし、最終的に盛り込むか どうかを含めて、市議会で審議願おうと考えています。それが来年度に できれば良いと思っています。少なくとも、機運が高まってきた段階で、 この議論を市民の皆様方に投げかけていきたいと思います。 記者: 「自治基本条例」を制定している自治体はあちこちにありますが、賛 否両論あるのが事実です。本当にできるのですか。 市 : 「住民投票条例」が制定されても、実際に住民投票にまで至っていな いところもあります。また、法的拘束力はありませんので、例えば51対 49という結果になった時などに、最後は誰が判断するのかという問題も あります。 市民の皆さまのご意見を尊重することは大切なことですが、大局的な 観点に立って総合的に専門の立場で判断するという機関として首長、議 会がありますから、住民投票を実施しないという場合もありうると思い ます。 3 住民投票は、選挙と同等の費用もかかりますので、この財政危機の中 で必要なのかどうか。それよりも、もっと安価な形で市民の意向を測る 市長デスクや、市長メール、市民満足度調査など、三木市ではいろんな 形で行っていますので、そういったことでも、実施する必要まであるの かどうかというのが今の思いです。 就任当初は、市民の皆様の声が行き届かない市役所だというイメージ がありましたので、住民投票条例等が必要ではないかといった考えでし たが、他市の状況を見ながら、拙速に制定しては失敗すると考えて、機 運が高まるのを待っていました。 そして、そろそろその機運が醸し出されてきました。市民の皆様や職 員のおかげであると思いますが、今の段階で「住民投票条例」をつくる ことについて、適か否かと問われたら、今は迷っているというのが心境 です。 ですから、首長は4年に一度、政策を唱えて選挙によって選ばれます から、政策で選ばれた以上は、当然、当選した人に投票しなかった方も いらっしゃいますが、やはり、市民の皆様にとっても「新たな責任」が あり、職員も「新たな責任」があるという認識をしていただきたいとい う思いです。 そして、再び選挙で審判を受ける。そういう本当の意味での民主主義 が、うまく機能するのであれば、「住民投票条例」まで制定しなくても、 いいのではないかという考えもあると思います。 記者: マニフェスト項目で退職金は全額受け取らないということですが、三 木市は市町村退職手当組合に加入されており、技術的に受け取らないこ とは可能なのですか。 市 : ご指摘のとおり、三木市は市町村退職手当組合に加入していますので、 そこの規約改正等を行うことは、加入しておられる他の市長や町長、あ るいは市町の議会の同意が必要ですが、規約改正は難しい状況です。し たがいまして、約1,350万円となる退職手当の「受け取りは拒否する」と いうことになります。 受け取らないということになりますと、市町村退職手当組合の債務が 履行できないとういうことになりますから、その後は市町村退職手当組 合の判断になります。 4 記者: 受け取らない場合、退職手当組合への負担金は減額されるのですか。 市 減額にはなりません。 : 記者: そうすると、市の財政としては、退職金を受け取っても、受け取らな くても負担額は変わらないということですか。 市 : そういう意味では市の財政にとっては、負担額は変わりません。しか し、就任当初から給料及びボーナスカットも実施しており、4年間でト ータル2,224万円の減額を実施しています。 記者: 市町村退職手当組合への負担金はいくらですか。 市 市長分として月額約21万3千円です。給料を3割カットしています : ので、負担金もそれに応じて減額しています。4年間でトータル1,020 万円となります。 記者: 退職金を受け取らなければ、退職手当組合の債務不履行になると思い ますが、その場合の取扱いはどうなるのですか。 市 : 大阪市の関元市長の1期目に、「受け取り拒否」により、大阪市が供託 法に基づいて、供託したという先例はあります。 記者: 兵庫県内の首長で、退職手当組合に加入されていて、退職金を拒否さ れた方はいらっしゃいますか。 市 : そのような方はおられません。その代わりに、各期の期末手当をカッ トされて、退職金額の半額相当額を返上されている市長としては、川西 市長がおられます。 記者: マニフェストに対して、新ためて今の市長の想いはどうですか。 市 : 今、いろんな形で全国的にマニフェストが盛んになってきていますが、 社会情勢やまちの状況というものは変わってくるものなので、そのマニフ 5 ェストが実情に合っているものもあれば、合わなくなってくるものもあり ます。そういう中で当初作成したマニフェスト全てを成果主義の名の下に 全て 100%達成しなければならないということになると、かえって、市政 を曲げてしまうも場合もあります。そういう意味では、マニフェストとい うのは一つの政策指針であって、それら一つ一つの項目を必ずしも達成し なければならないというものではないと感じています。また、政治は生き 物ですから、まちの状況に応じて臨機応変に対応するべきです。ただし、 マニフェストと現状の乖離については、市民の皆様に対して説明責任は必 要だと考えます。 6
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