チャード・ジャヤワルダナ氏が、「憎悪は憎悪によって止むことは無く、慈愛

「緑の植林協力隊」2015
~スリランカ「子供の森」計画支援植林活動~
富山県議会オイスカ議員連盟のうち、次の5名が標記の活動に参加したので、その活動
内容について報告する。
参加者:宮本光明(団長)
、武田慎一、平木柳太郎、薮田栄治、川島国
7月19日(日)
【成田空港→スリランカ(ネゴンボ)】
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10:40
成田空港第2ターミナル4階待合室A-3に集合。団員31名(別添のとおり)が集合
し、結団式が行われる。結団式では各々自己紹介の後、宮本光明団長から出発にあたって
の挨拶があり、事務局の家老杏奈(オイスカ啓発普及部)から行動趣旨や注意事項等の説
明、添乗員の伊藤弘樹(東武トップツアーズ株式会社富山支店)から日程の説明、質疑応
答、搭乗手続き等が行われた。
団員の中には東京都瑞穂町の石塚幸右衛門町長が顧問として名を連ねており、同町長は
昨秋スリランカに旅行経験があることから、当地の様子を詳細に説明された。
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13:20
スリランカ航空UL455にてスリランカへ向かう。約9時間のフライト、機内では2
度の食事が提供された。チキン、シーフード、ベジタリアン向けがあったが、いずれも味
付けは香辛料のたっぷり入ったカレー味。
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19:10
コロンボ空港に到着。時差3時間半、現地時刻は日本時刻マイナス3時間半。気温28
度、夜としてはやや暑いが日本ほどの蒸し暑さは感じられない。
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19:30
バス移動にて宿泊ホテルに向かう。道路両側には平屋建ての南国風民家や商店が並ぶ。
時間が遅いので渋滞はない。街なかに野犬が多く目立つ。野犬といっても凶暴なものでは
なく、のんびり寝ているか動作の緩慢な犬がほとんど。
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20:00
ネゴンボ市内のカタマランビーチホテルに到着、県議連ミーティングの後就寝。部屋は
広いがバスタブが無く、シャワーのみ。
※石塚町長より、スリランカと日本の繋がりについて、スリランカ大統領ジュニウス・リ
チャード・ジャヤワルダナ氏が、「憎悪は憎悪によって止むことは無く、慈愛によ
って止む」と、戦後の賠償請求を放棄する旨の名演説を行い、日本が国際社会に復
帰できる道筋を作ったことの説明を頂いた。
7月20日(月)
【ダンブッラ~シギリア】
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06:00 起床
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06:30 朝食
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07:30
専用バスにてダンブッラに向かう。内陸部に向かう主要な国道ではあるが、大型バスの
すれ違いが困難なほど幅員が狭く、信号の全くない道を猛スピードで走る。車両は日本と
同じ左側通行、路肩近くを速度の遅い三輪タクシー「トゥクトゥク」が走るので、狭い道
ながら、常に追い越し、追い越しで走る。反対車線からも同様に来るので急加速急減速を
繰り返しながら、ジェットコースターのように走行する。行き交う車はトヨタ、日産、ホ
ンダ、スズキ、マツダなど日本車が圧倒的に多い。
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11:30
世界遺産「ダンブッラ石窟寺院」の登り口に到着。
現地ガイドのロー・ハナさん同伴で地上100メートル、600段の石段を登る。途中、
生花やTシャツ、アイスクリーム、菓子などの路上販売が多数あり、我々を日本人とみる
と「こんにちは、オリジナルTシャツ安いよ。涼しいステテコあるよ。どうですか?」と
売り子が前に立ちはだかり、かなりしつこい営業活動を展開。団員の中には根負けして衣
類など購入する者も。わが団の他にもフランス人らしき団体客やその他のヨーロッパ人、
中国人とみられる一行が数多くおり、彼らはそれぞれに客に合わせた言語で商売をしてい
る。歴史の古い国際観光地とは言え、こういう点では日本はまだまだ貪欲さ勉強熱心さが
足りないと感じた。
気温は30度、登り階段がかなりきつく感じられる。野猿が観光客の前後左右を通り過
ぎる。ニホンザルよりやや小型で耳が黒くシッポが長い。危害を加える様子は全く無い。
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12:00
石窟寺院前にてそれぞれ履いてきた靴を預ける。構内は土足禁止、裸足又は靴下着用が
許されるが、靴を預かるのに35ルピー(日本円で35円程度)払う。世界中から毎日多
くの人が訪れるので、元手無しのこの商売は利益大。
門をくぐり石窟寺院へ。大きな岩の洞窟に作られた寺院で、紀元前から近代に造られた
ものまで5つの部屋で構成されている。洞窟内の仏像は仏陀の涅槃像を中心に色鮮やかな
ものが数多くあり、その迫力に圧倒される。
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13:00 レストランにて昼食
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14:30
世界遺産シギリヤロックに到着。5世紀、狂気の王カーシャパが作り上げた岩の要塞宮
殿で、敵の侵入を防ぐために内堀が設けられ、往時はその中にワニを放していたとも言わ
れる。王宮への参道には水圧を利用した噴水があり当時から高度な文明が発達していたこ
とが伺える。
今度は1200段、高さ200メートル、1時間以上の登り。長年、人も寄せ付けない
ジャングルに覆われていたが、発見後頂上の王宮跡まで石段や補助用の鉄階段の整備が進
み、観光客を受け入れられるようになったそう。階段をひたすら登っていくと30分ほど
で美女たちのフレスコ画が現れる。シギリヤレディと呼ばれるこの壁画は、よく見るとそ
れぞれの顔立ちが異なっており、スリランカが古くから世界と交流のあった土地であるこ
とがわかるという。さらに「鏡の回廊」を20分ほど進むとライオンの爪の形をした岩壁
の広場に出た。もともとは顔などもある巨大なライオン像であったと考えられているが、
この地の名前シギリヤは、ライオンを意味するシーと喉を意味するギリヤすなわち「ライ
オンの喉」という意味である。地名の由来は巨大なライオン像の口から入ってその喉を登
り、王宮に達したことから来ているそうだ。更に急な鉄の梯子段を10分ほど登るといよ
いよ岩の頂点、宮殿跡に到着。宮殿の回りにはプールやダンスホール跡など優雅な王族の
暮らしが伺える場所が点在する。見下ろせば360度ジャングルに囲まれた岩山の頂上で
あることが再認識された。
ここでも非常に多くの観光客、特にヨーロッパ系の団体が多く、その他中国、日本をは
じめとするアジア諸国のお客さんも多く見られた。とにかく道路の整備などの社会的イン
フラは十分な整備をされていないにもかからず、世界中から観光客が押しかけ、それにし
っかりと対応できるソフトが構築されていることに驚いた。
ダンブッラ石窟寺院とシギリヤロックの世界遺産を訪問し、世界各国からの観光客の多
さに圧倒された。決して、観光客を受け入れる環境整備が整っているとは言えないが、自
然のままに残された世界遺産を体験できる設えが成されており、多くの人を惹きつけてい
るものと考察する。
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17:30
シギリヤ市内のシギリヤビレッジに到着。広い敷地内に一戸建てのロッジが点在するリ
ゾートホテル。施設内のプールからシギリヤロックが展望できる。
7月21日(火)
【マータレー~キャンデイ】
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09:00
「子供の森」計画校であるKOHOLANWALA小学校に到着。Welcome
Oiscan’s
の横断幕がバスの到着地点に広げられ、歓迎ムード。学校への導入路には両側に児童と正
装のサリーを身に着けた父兄たちが立ち並び出迎え。国旗掲揚塔の前にて、スリランカ国
歌斉唱のあと我が団員渾身のアカペラによる君が代を斉唱、厳粛な雰囲気の中、海老茶色
の僧服を纏った仏僧による宗教的セレモニーが始まった。団扇を片手に呪文のような言葉
を僧侶が発するとそれを周りのみんなが復唱していくという10分足らずのセレモニー。
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09:30
校庭の空き地に植林活動。大人の膝から腰ぐらいまでの深さに掘られた穴にやわらかい
土を入れ、そのあとに苗を置いて残りの土をかぶせるという作業を子供たちと行った。植
えた苗はマンゴーとカシューナッツの木あわせて120本。果実のなる樹木が食育にも役
立つであろうという趣旨から植えられた。非常に硬い赤土のグラウンドの穴に大量の土を
入れるのでかなりの重労働だった。
植林終了後は教室の一室にて手作りのお菓子と紅茶がふるまわれ、保護者と団員のふれ
あいのひと時を過ごした。
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11:00
学校の集会室にて交流会が始まる。開会に先駆け、等身大のオイルランプに双方の代表
者や父兄、市長、児童代表などが点火し、場内に明かりをしつらえた。
最初は子供たちによる歓迎の踊り「さくらさくら」
。着物をきた男女 5 名ずつが扇子を片
手に曲に合わせて日本風の踊り、ウエルカムダンスを披露。
宮本団長がオイスカ団を代表してあいさつ。植林などを通じた交流を更に深めていくこ
とを誓った。そのあと、地元民謡などをベースにした歌や踊りを披露し、一言も発声しな
いパントマイムで森林の大切さを訴えるパフォーマンスも行われた。
石塚町長から東京オリンピックパラリンピックのピンバッジが子供たちに手渡され、日
本からの贈り物も代表によって渡された。団員の中に着物の着付けのできる人がおり、女
児と男児に浴衣を着せてあげたりした。最後に児童代表の挨拶をいただき閉会した。
日本人の訪問が初めてということもあって、子供達だけではなく多くの地域住民、ご家
族の皆様も集まり大歓迎を受けた。恥らいながらも子供たちは、キラキラ輝く眼で我々と
一緒に植林活動を喜んで行っていただけた。今にも壊れそうな古びた黒板や、机や椅子な
ど、教育環境としては十分ではないが、子供たちが楽しそうに笑顔で学校に通っている感
じが見て取られ、日本の子ども達にも見せてあげたいと感じた。
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13:30 学校出発
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17:00 キャンディ市内の OZO ホテルに到着。
7 月 22 日(水)
【キャンディ~ネゴンボ】
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09:00
バスにて「子供の森」計画校である KANDY ANANDA COLLEGE CONIGGODA に向か
って出発。キャンディ市内ではあるが道が狭いのと交通渋滞が激しく時間がかかった。
前日の小学校より年代の上の学校、日本の中学校程度の学年の生徒が大半。まず、女生
徒による鼓笛隊演奏の歓迎、鼓笛隊の後につく形で校庭に行進していった。この学校は 15
年前からオイスカの活動を受け入れており、その頃の植えた樹木は大木になって生徒たち
の学校生活に潤いを与えている。
双方の国歌斉唱、校長の歓迎の挨拶、宮本団長の挨拶のあと、校庭横の斜面にたくさん
の種類の果樹の苗約 150 本を植える作業に移る。前日同様、子供たちと苗木を植える。土
質は前日の小学校よりもやわらかく黒土だったので植えやすかったが、傾斜の強い斜面で
の植林は足腰に負担のかかる作業だった。事前の情報では血を吸う丘ヒルが生息するとの
ことだったが、団員でヒルに吸われた者は居なかった。終了後、お茶とお菓子で休憩。
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10:40
講堂に全校生徒が集まり、交流会がスタート。やはり代表者等によるオイルランプの点
火でセレモニーが始まった。民族音楽と民族舞踊など生徒たちが練習に多くの時間を割い
て準備してくれたことが伺える完成度の高い出し物が続いた。最後にプレゼントを手渡し、
交流会が終了。短時間ではあったが生徒たちと直接英語で話す機会もあり、中身の濃い交
流会になった。
日本語を少し話す児童もいて、英語での会話も出来る教育も受けていて、交流を深める
ことが出来た。日本に行ってみたいと日本に憧れて、日本語を勉強している児童もいて、
今後のスリランカと日本の交流の必要性を感じた。植林においては、10年後に立派に育
つように子供たちが育てることで、日本・富山との繋がりを感じる象徴となるだろう。
バスに乗り込み、学校のほうを見上げると生徒たちが手を振って見送ってくれていた。
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13:30 キャンディ市内のレストランにて昼食。ここから本体と離団。
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23:30 スリランカ航空 UL454 便にて成田へ
7 月 23 日(木)
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12:10 成田空港到着・解散