平成20年度版 群馬県「学校評価システム 」 平成20年3月 群 馬 県 教 育 委 員 会 は じ め に 平成14年に小学校設置基準等が施行されたことに伴って、各学校は、学校評価 の実施とその結果の公表に努めることとなりました。各学校が自己点検・自己評価 に取り組む際には、学校経営という側面のみでなく、教育内容についても自ら評価 し、その結果を保護者・地域住民に公表することが求められてきました。群馬県と しても平成16年度に群馬県「学校評価システム」を策定して以来、すべての学校 で学校評価が実施され、学校運営の改善・充実に向けて成果があがっています。 このような中、平成19年6月に学校教育法、10月には学校教育法施行規則が 改正されたことを受けて、国は、これまでの「義務教育諸学校における学校評価ガ イドライン」(平成18年3月)を改訂し、平成20年1月31日に「学校評価ガイ ドライン〔改訂〕」として示しました。 このガイドラインでは、学校評価の実施手法を、 「①各学校の教職員が行う評価(自 己評価)」「②保護者、地域住民等の学校関係者などにより構成された評価委員会等 が、自己評価の結果について評価することを基本として行う評価(学校関係者評価)」 「③学校と直接関係を有しない専門家等による客観的な評価(第三者評価)」の3つ に整理し、学校評価の目的について、以下のように示しています。 ① 各学校が、自らの教育活動その他の学校運営について、目指すべき目標を設 定し、その達成状況や達成に向けた取組の適切さ等について評価することによ り、学校として組織的・継続的な改善を図ること。 ② 各学校が、自己評価及び保護者など学校関係者等による評価の実施と、その 結果の公表・説明に適切な説明責任を果たすとともに、保護者、地域住民等か ら理解と参画を得て、学校・家庭・地域の連携協力による学校づくりを進める こと。 ③ 各学校の設置者等が、学校評価の結果に応じて、学校に対する支援や条件整 備等の改善措置を講じることにより、一定水準の教育の質を保証し、その向上 を図ること。 これからの学校評価においては、学校・家庭・地域との連携・協力が極めて重要 であり、学校経営に生かされるように、さらなる工夫・改善を図っていくことが大 切です。 群馬県教育委員会 義務教育課長 矢島 正 目 次 Ⅰ 学校評価の意義と概要 1 学校評価の目的 …………………………………………………………………………………………1 2 学校評価の方法 …………………………………………………………………………………………2 Ⅱ 群馬県「学校評価システム」の基本的な考え方 1 群馬県「学校評価システム」1年の流れ 2 羅針盤の作成 ………………………………………………………………5 ……………………………………………………………………………………………6 (1) 作成の基本方針 (2) 羅針盤の内容 (3) 羅針盤の具体的な内容 3 羅針盤に基づく点検・評価 ……………………………………………………………………………13 (1) 自己評価 (2) 学校関係者評価 4 学校評価の情報の公表・報告 ………………………………………………………………………17 (1) 公表 (2) 報告 (3) 学校評価一覧表①(様式1) (4) 学校評価一覧表②(様式2) Ⅲ 資 料 資料1 学校経営に生かす学校評価 ……………………………………………………………………20 資料2 調査・集計を効率的に処理するシステム ……………………………………………………22 資料3 学校評価にかかわる国の動向 …………………………………………………………………25 Ⅰ 学校評価の意義と概要 1 学校評価の目的 学校評価は、平成14年4月に施行された小学校設置基準等において、各学校における自己評 価の実施・公表の努力義務や情報提供の義務に関する規定(法改正により現在は削除)が設けら れたことにより、段階的に導入が進められてきました。 群馬県においても、平成16年度に群馬県「学校評価システム」を策定し、羅針盤に基づく本 県独自の学校評価システムを構築してきました。各学校では、主体的に自己評価を行い、その成 果や結果を積極的に公表するなどして、保護者や地域住民と連携・協力しながら教育の質の向上 を図る取組が進められています。 平成17年10月には、中央教育審議会答申「新しい時代の義務教育を創造する」において、 義務教育の成果を検証する仕組みの整備、教育の質が保証される教育システムへの転換等が求め られました 。平成18年3月には 、 「 義務教育諸学校における学校評価ガイドライン 」が策定され 、 学校評価の目的、方法、評価項目・指標、結果の公表方法等が示されました。 その後、平成19年6月に学校教育法の一部改正、10月には学校教育法施行規則等の一部改 正が行われ、自己評価や学校関係者評価の実施と公表、評価結果の設置者への報告などが、新た に法律において規定されました。 これらのことを受けて、国は、平成20年1月にこれまでのガイドラインの記述を全面的に見 直し 、「学校評価ガイドライン〔改訂 〕」を示しました。 新しい学校評価ガイドラインでは、教育の成果の検証のための主要な手段として、次の3つを 目的として進めるものと整理されています。 【学校評価の目的】 ○ 各学校が、自らの教育活動その他の学校運営について、目指すべき目標を設定し、 その達成状況や達成に向けた取組の適切さ等について評価することにより、学校とし て組織的・継続的な改善を図ること。 ○ 各学校が、自己評価及び保護者など学校関係者等による評価の実施とその結果の公 表・説明により、適切な説明責任を果たすとともに、保護者、地域住民等から理解と 参画を得て、学校・家庭・地域の連携協力による学校づくりを進めること。 ○ 各学校の設置者等が、学校評価の結果に応じて、学校に対する支援や条件整備等の 改善措置を講じることにより、一定水準の教育の質を保証し、その向上を図ること。 各学校における学校評価の取組は、一定の成果をあげており、システムとして定着してきてい ます。しかし、その一方で、実施することに満足してしまい、ややマンネリ化の傾向にあるとも いえます。 今後は、各学校において、今まで進めてきた学校評価の取組をさらに充実させ、学校評価ガイ ドラインの趣旨に沿った学校評価を推進することが望まれます。学校評価を日常の教育活動と切 り離すことなく、学校運営の中に適切に位置づけ、評価結果を踏まえた改善を図っていくことが 大切です。 - 1 - 2 学校評価の方法 (1)これまでの学校評価 群馬県においては、平成16年度より群馬県「学校評価システム」に基づいて、学校評価が実 施されています。各学校が自己評価を行い、保護者や児童生徒等からのアンケート等によって意 見をもらうなど、学校評価の取組が進められ、一定の成果をあげています。 しかし、これまでの学校評価には、学校内の基準だけで判断しがちな面があり、ともすると独 りよがりな評価となってしまう恐れがありました。また、実施した学校評価の結果の公表につい ても、全国的には十分ではないという指摘もあります。本県においても、県内すべての学校で自 己評価は実施されていますが、結果の公表は十分行われているとはいえない状況です。 今後は、学校評価の内容や在り方等についても学校外からの意見を聞き、保護者や地域の方々 の協力と参画を得るために、評価結果の説明・公表をさらに進めることが望まれます。 (2)これからの学校評価 学校評価ガイドラインでは、学校評価の実施手法として、次の3つの形態に整理しています。 (1)各学校の教職員が行う評価 [自己評価] (2)保護者、地域住民等の学校関係者などにより構成された評価委員会等が、自己評 価の結果について評価することを基本として行う評価 [学校関係者評価] (3)学校と直接関係を有しない専門家等による客観的な評価 [第三者評価] 第三者評価 第三者(当事者・関係者でない者)による評価 学校関係者評価 自己評価 学校関係者(保護者・ 教職員による評価 具体的かつ明確な目標等を設 定し、実行し、自ら評価する。 Check Check 評価 評価 Do Do 実行 実行 Action Action 改善 改善 Plan Plan 目標設定 目標設定 地域住民)による評価 学校の教育活動の観察等 を通じて自己評価結果を 検証し、評価する。 これにより、教職員と共通 理解をもつとともに、学校 の改善のために教職員と 連携・協力する。 アンケート等 自己評価・学校関係 者評価(外部評価)結 果等を資料として活 用しつつ、学校運営 全般について、専門 的・客観的立場から 評価する。 評価結果等を学校・ 設置者等にフィード バックして改善を促し、 学校運営の質を高め る。 児童生徒・保護者を対象に行うアンケート等に よる評価であり、自己評価の資料等に活用する。 ※ 自己評価・学校関係者評価・第三者評価の囲みは、定義として内に含む範囲ではなく、評価対象として含む範囲を指す。 「学校評価ガイドライン〔改訂 〕」(平成 20年 1 月 - 2 - 文部科学省)より これまでも 、 「 自己評価 」にもとづく学校運営の改善が進められてきていますが 、改訂された学 校評価ガイドラインでは 、学校の自己評価や評価を生かした取組が適切であるかどうかについて 、 学校関係者評価委員会等の評価者から評価、意見等を得る「学校関係者評価」の実施を求めてい ます 。また 、 「 第三者評価 」についても定義していますが 、現段階では 、国としても試行段階であ り、今後検討していきます。 今後は、この学校評価ガイドラインの趣旨にもとづく新たなシステムを各学校で構築し、学校 評価にかかわる計画、実施、評価、集計・分析、公表などを、全教職員で推進していく必要があ ります。 以下に、主な改善点をまとめて示しました。 学校評価の考え方が変わります! ○「内部評価 」「外部評価」のとらえ方が変わります。 これまでの学校評価では、学校が行う「内部評価」に対して、保護者などの学校外の方々か ら得る評価や意見を「外部評価」としてきました。学校教育法や学校教育法施行規則の改正に より、学校評価ガイドラインが改訂され、これまでの内部評価は 「自己評価」 に、外部評価は 「学校関係者評価」 と 「第三者評価」 に整理されました。 今後は、学校の「自己評価」が適切に行われたかどうか、また、評価結果にもとづく改善の 取組等が適切かどうかを 、学校外の評価者が評価・検証することが重視されます 。このことは 、 学校が行う自己評価の客観性を高めるものとしても機能し、学校が自校のよさや成果を過小評 価したり、逆に独りよがりな評価となったりしがちな自己評価の内容を点検・修正するものと しての意味もあります。 ○「アンケート等」は、学校の自己評価のための資料です。 これまで、学校では、外部の方々からの評価を得るため、保護者や児童生徒等を対象とした アンケート等を外部評価として位置づけて実施していましたが、今後の学校評価においては、 これらのアンケート等は、学校の取組状況を検証する自己評価のための資料ととらえることと なります。 これらのアンケート等の結果や設定した指標をもとに 、学校の教職員が自己評価を行います 。 - 3 - ○「学校関係者評価」を新たに推進します。 国の学校評価ガイドラインでは、学校の自己評価や評価を生かした取組が適切であるかどう かについて、学校関係者評価委員会等の評価者から評価、意見等を得る 「学校関係者評価」 の 実施を求めています。実施に当たっては、学校評議員、PTA役員(保護者 )、地域住民等(評 価の専門性、客観性を高めるためには、他校の教職員、大学の研究者等を含めることも考えら れる 。)により構成される評価委員会を設置することが考えられます。 ○「第三者評価」については、今後検討します。 「第三者評価」 については、現段階では国としても試行段階であり、県としては、今後検討 します。 - 4 - Ⅱ 群馬県「学校評価システム」の 基本的な考え方 1 群馬県「学校評価システム」1年の流れ 群馬県「学校評価システム」における1年間の学校評価の流れの例を示します。 月 教育委 員会 3 指導 支援 学 校 ○中・長期の構想 ○今年度の構想 ・学校の教育目標 ・課題、重点施策等 ○前年度の学校評価の成果 と課題 ○学校評価の結果 4 5 保護者・ 地域住民等 公表・説明 報告 様式1 【 PLAN 】 計画の立案 ○ 羅針盤と方策を策定する。 ○ 羅針盤と方策を保護者等に公表し、意見聴取する。 学校関 係者評 価委員 会 【 DO 】 実 践 6 実 自 7 ○ ○ ○ 8 9 践 己 活 評 動 価 具体的数値項目 、方策に即して点検・評価を行う 。 方策の改善や支援策を明確にする。 調査結果、改善策を保護者等へ公表する。 アンケート の実施 公表 指導 支援 10 11 実 践 活 動 1 自 ○ ○ ○ 2 己 評 価 具体的数値項目 、方策に即して点検・評価を行う 。 方策の改善や支援策を明確にする。 調査結果、改善策を保護者等へ公表する。 実 践 活 動 アンケート の実施 公表 意見聴取 3 報告 様式1 【 CHECK 】 学校評価のまとめ ○ 具体的数値項目の達成度を参考に、職員が自己評価する。 ○ 総合的な評価を行い、次年度に生かす点を明確にする。 様式2 指導 支援 【 ACTION 】 次年度への反映 ○ 次年度の計画に成果を反映する。 - 5 - 学校関 係者評 価委員 会 公表 2 (1) 羅針盤の作成 作成の基本方針 学校教育の改善・充実を目指して、評価対象、内容、基準を明確にした羅針盤(評価対象、評 価項目、具体的数値項目)を作成します。羅針盤作成においては、次の点を基本的な考えとしま す。 ○ 学校の教育目標や学校経営ビジョンを基に経営の方針や重点事項を羅針盤に組 み込み、教職員の職務活動の指針とするとともに、保護者、地域住民の理解を得 て、連携のよりどころとします。 ○ 羅針盤は 、「評価対象 」「評価項目 」「具体的数値項目」で構成します。 ○ 羅針盤の内容は、各学校のこれまでの取組を基盤として、県教育委員会が例示 する項目を参考にしたり、各学校の実態に応じた独自項目を加えたりします。 ○ 家庭の教育力を高める要素を盛り込みます。 ○ 具体的数値項目は、客観的で検証できるものとし、できるだけ数値化します。 「評価対象 」「評価項目 」「具体的数値項目」の内容や関連は、下図のとおりです。 羅 【 評価対象 】 針 盤 【 評価項目 】 学校をこの 対象から、評 価していきま す。 このような項 目から見ていき ます。 【具体的数値項目】 ○学校では、ここまでもっていけ るよう努力していきます。 ○子供がこのような姿になること を目指します。 ○家庭でも、ここまでもっていけ るよう努力をしていきます。 具体的数値項目1 評価項目1 具体的数値項目2 具体的数値項目3 評価対象1 評価項目2 具体的数値項目1 具体的数値項目2 具体的数値項目3 評価項目3 評価対象○ 評価項目○ 太線枠は項目例 具体的数値項目1 具体的数値項目2 細線枠の項目は独自項目 - 6 - (2) 羅針盤の内容 羅針盤の各項目は、これまで行ってきた各学校の取組を基盤として、県が例示する項目を参考 にしたり、各学校がそれぞれの特色を生かして設定する独自項目を加えたりします。 独自項目は、各学校の教育活動の特色や特に大切にしたい内容等について設定します。下の図 のように各学校の「 学校の教育目標 」や「 学校運営の方針・重点 」 「 各校務分掌等の重点 」等を生 かして作成します。 羅針盤を作成するイメージは、以下のようです。 ○○立○○学校 羅 針 学校評価一覧表(様式1) 盤 方 評価対象 ① 評価項目 策 具体的数値項目 評価対象 評価対象は、教育活動や学校運営の状況等から必要最小限に絞って設定します。 ※ 県が例として示す評価対象のほかに、各学校がその特色を確認できるような独自項目も 設定できます。 【基本的な考え方】 ◆ 学校評価においては 、評価する対象を明確にする必要があります 。 「 評価対象 」について は、必要最小限に絞って設定しました。具体的には、学校改善に結びつくこと、保護者や - 7 - 地域の信頼が得られること、保護者等の協力が得られることなどの視点から、下表のよう に7つの「評価対象」を設定しました。 ◆ 下表の「評価対象」に加えて学校が独自に設定する際には、保護者、地域住民等の要望 や願いを踏まえるとともに、学校の教育目標、中長期の経営構想、経営の重点等から「評 価対象」を絞り込みます。 ◆ 校内の自己評価と保護者アンケート等の対象を全て同じにする必要はありません。 ◆「 Ⅶ 組織運営 」については 、その性格上 、基本的には校内での評価のみとなります 。 (「 Ⅶ 組織運営」は、今回の改訂で新たに加わったものです) Ⅰ 保護者等との連携 Ⅱ 確かな学力 Ⅲ 豊かな心 Ⅳ 健康・体力 Ⅴ 安全確保・施設設備 Ⅵ 進路・生き方 Ⅶ 組織運営 ② 評価項目 評価項目は、評価対象を「児童生徒の望ましい姿 」「学校として取り組まなければな らない事項」などの視点から、具体化かつ重点化して設定します。 ※ 県が例として示す項目( p11~ 12参照)のほかに、各学校がその特色を確認できるよう独 自項目を設定できます。 【基本的な考え方】 ◆ 実際の評価に当たっては 、 「 評価対象 」をより具体化かつ重点化した「 評価項目 」が必要 です 。そこで 、それぞれの「 評価対象 」について 、 「 児童生徒の望ましい姿 」や「 学校とし て取り組まなければならない事項 」 「 学校として成果をあげることが求められる事項 」など の視点から、各「評価対象」に対して項目を複数設定します。 ◆ 各学校では、これまで実施してきた評価項目(平成16年度版群馬県「学校評価システ ム」で示している共通項目等)を基盤として、各学校の実状に応じて設定します。評価対 象の「Ⅶ 組織運営」については、基本的には自己評価が中心となります。 ③ 具体的数値項目 具体的数値項目は、評価項目にかかわる指標であり、具体的・客観的な尺度となる よう、数値で示して設定します。 なお、 数値については学校や地域の実態に応じて設定することとします。 ※ 数値は、各学校の指標とすべきものです。基本的には、各学校がその特色を確認でき るように独自項目として設定します。 ※ すべての具体的数値項目について保護者アンケート等の調査を実施する必要はありま せん。また、保護者アンケート等のみとなる独自項目を設定することも可能です。 【基本的な考え方】 ◆ 評価を実施するに当たっては、評価するための基準が必要です。そこで、具体的・客観 - 8 - 的で検証可能な 、しかも保護者や地域住民にも分かりやすい評価基準として 、 「 具体的数値 項目」を設定します。数値は保護者等が納得するとともに努力次第で達成できるレベルで あることが重要です。なお、この「具体的数値項目」については、あくまで「評価項目」 に対する指標であり、数値を達成すること自体が目的とならないよう、留意する必要があ ります。 ◆ 自己評価するに当たり 、具体的数値項目の達成度については 、下の4段階で評価します 。 具体的数値項目の文章表現は、Bの基準を示しています。 A 十分に達成できた B 達成できた C もう少しで達成できた D 達成できなかった <具体的数値項目> (3) 羅針盤の具体的な内容 〔小学校の羅針盤(例 )〕 羅 評価対象 Ⅰ 保護者等と 針 盤 評価項目 1 の連携 具体的数値項目 学校や子どもの様子を保 護者に伝え、理解を得てい ますか。 (例) ・「 学校や子どもの様子が分かる」と ○%以上の保護者が答えている。 ・学校通信を月○回以上発行している 。 ※ 学校独自の ※ 評 価 項 目 は 、「 羅 針 盤 評価対象(独 (例 )」(p11~12)を参考 自項目)を設 にするなどして、各学校で 定してよい。 適切に設定する。 2 ・学校のホームページを月○回以上更 新している。 等 ※ 評価項目を具体化するための具体 的数値項目を設定する。 保護者は学校の諸行事に 参加していますか。 (例) ・授業参観後の懇談会に出席している 保護者が○%以上である。 ・PTAの諸活動に年○回以上参加し ている保護者が○%以上である。 等 ※ 基本的には、各学校が具体的数値 項目(独自項目)を設定する。 Ⅱ 確かな学力 3 学校の授業は、分かる授 業となっていますか。 (例) ・「 授業が分かる」と答える児童が○ %以上である。 - 9 - (1) 評価対象については、Ⅰ~Ⅶを基本としますが、学校独自の評価対象を加えてもかま いません。 (2) 評価項目は 、「羅針盤(例 )」( p11 ~ 12 )を参考にするなどして、各学校で適切に設定 します。 ( 3 ) 具体的数値項目については 、学校の実情にあった具体的数値項目を文章表現の形で表し て、各学校で独自に設定します。 ( 4 ) 目標の達成状況を数値化することで 、保護者や地域の方にとっても達成状況がよくわか るようになります 。しかし 、中には数値化することに馴染まない項目もあり 、数値化が困 難な場合には目標達成に向けた教員の取組の状況を評価します。 【成果指標】 目標の達成状況(児童生徒の変容や成果)を数値等で示す。 (例)家庭での読書量(家庭で毎週5冊以上読書する児童数÷在校児童数) 学校図書館の蔵書回転率(総貸出冊数÷蔵書数) 一人当たりの貸出冊数(総貸出冊数÷児童数) ※ 数値化する際には、実数よりも比率・単位当たりなどの方が利用しやすい。 【取組指標】 数値化が困難な場合には、目標達成に向けた教員の取組の状況を示し ます。 (例 )「学校は、朝の読書や読み聞かせなどの読書活動を十分行っていますか 。」 ( 5 ) 保護者や地域住民等へのアンケートでは 、達成状況を4段階で評価することが多いよう ですが 、さらに「 分からない 」という評価を設定している学校もあります 。 「 分からない 」 という評価が高ければ、学校の情報提供が足りないということになります。 ( 6 ) 保護者や地域住民等へのアンケートで達成状況が低かった項目は 、表現の見直しが必要 となります。また、保護者の願いをリサーチする方法もあります。 【文章表現(例 )】 「学校は、保護者や地域住民の願いに応えていますか 。」 ↓ 「あなたの学校に対する願いは何ですか。それに学校は応えていますか 。」 - 10 - 羅針盤(例) ※具体的数値項目については、各学校の実態に応じて作成することを基本とします。 評価項目 評価対象 保護者への情報提供 学校や生徒の様子を保護者に伝え、理解を得ていますか。 Ⅰ 保護者等との 連携のための環境づ 保護者は学校の諸行事に参加していますか。 連携 くり 保護者への対応 保護者は、学校に連絡や相談がしやすいと思っていますか。 分かる授業 生徒は、授業が分かり、満足感や達成感を味わっていますか。 基礎・基本の定着 生徒に、教科等の基礎・基本が確実に身に付いていますか。 評価 生徒の学力や努力を適切に評価し、その結果を生かしていますか。 学習習慣 家庭で自主的に学習や読書をする習慣が生徒に身に付いていますか。 Ⅱ 確かな学力 進んであいさつをする生徒が育っていますか。 あいさつ・言葉遣い 時や場・相手に応じた適切な言葉遣いができる生徒が育っていますか。 生徒は、楽しく学校へ通っていますか。 いじめのない温かな 人間関係 いじめのない学校づくりのために取り組んでいますか。 Ⅲ 豊かな心 相手の立場に立ってものごとを考えることができる生徒が育っていますか。 学校のきまりや約束を守って生活する生徒が育っていますか。 学校や家庭のルール 生徒は、家族の一員としての役割を持って生活していますか。 各教員は、生徒の間違った行動について適切に指導していますか。 生徒は毎日朝食をとって登校していますか。 基本的生活習慣 (家庭教育) Ⅳ 健康・体力 生徒は十分な睡眠をとって生活していますか。 体力つくり 健康で体力のある体をつくろうとする生徒が育っていますか。 学校の施設設備 学校の施設・設備は安全ですか。 Ⅴ 安全確保・施 学校の安全対策 設設備 地域の安全対策 交通事故防止、火災・地震・不審者対策など、安全教育の徹底を図っていますか。 学校・家庭・地域は連携して、交通安全指導や通学路の点検・パトロールを行ってい ますか。 自らの将来の夢や希望について考えられる生徒が育っていすか。 Ⅵ 進路・生き方 夢や希望 親子で生徒の進路について話し合えるよう家庭への働きかけを行っていますか。 評価項目 評価対象 学校の教育目標の達成に向け、管理職・教職員が一体となって努力していますか。 日々の教育活動における問題意識や悩みについて、気軽に相談し合える職場の人間 関係を作るようにしていますか。 教職員は、設定した自己目標の達成に向け、主体的に日常の教育実践に取り組んで いますか。 教職員マネジメント 職員会議が、校長の経営方針を踏まえた情報交換や課題検討の場として機能してい ますか。 PDCAサイクルを確立して学校評価を行い、改善策を具体化していますか。 適材適所を配慮して校務分掌が組織され、機能していますか。 校内服務規律委員会を定期的に開催し、常に教職員の服務規律確保に努めていま すか。 Ⅶ 組織運営 教育計画 各教科部会等での話し合いを年間指導計画計画を作成し、理解をして取り組んでいま すか。 校内研修は、教師の資質向上と授業改善に結び付いていますか。 研修 校内研修組織を整備し、見通しを持って効果的に研修を実施していますか。 各種文書・データ等は、分掌や担当ごとに適切に管理されていますか。 文書管理 個人情報が確実に保護されるよう、管理が徹底されていますか。 学校支援センター 教育活動の必要な場面で、地域の教育力を効果的に活用していますか。 ※文部科学省指定「義務教育の質の保証に資する学校評価システム構築事業」(前橋市)の取組を参考に作成したものです。 3 羅針盤に基づく点検・評価 (1) 自己評価 「学校評価ガイドライン〔改訂 〕」では、自己評価を次のように定義しています。 自己評価は、学校評価の最も基本となるものであり、校長のリーダーシップの下で、当該 学校の全教職員が参加し、設定した目標や具体的計画等に照らして、その達成状況や達成に 向けた取組の適切さ等について評価を行うものである。 実施のポイント ① 重点化された具体的な目標設定 ・重点化された目標設定が自己評価の始まりであり、重点目標は学校の課題に即した具体的 で明確なものとすることが重要です。 ② PDCAサイクルによる自己評価 ・重点目標に基づく評価(評価項目の設定 )、評価結果に基づく改善方策が重要です。 〔自己評価の進め方〕 ○ 全教職員が、責任をもって自己評価を実施し、公表します。 ○ 各学校は、羅針盤の具体的数値項目を達成するために方策を明確にします。 ○ 方策の実施状況や具体的数値項目や達成状況を点検・評価して成果と改善点を明 確にします。 ○ 児童生徒・保護者・地域住民等へのアンケートや、学校に寄せられた要望等の結 果を活用します。 ○ 1年間の羅針盤に基づく改善状況のまとめと、次年度の課題を明確にします。 【基本的な考え方】 ◆ 学校評価では、教職員の適正な自己評価が重要です。教職員による自己評価は、よりよ い学校づくりのために教育活動や学校運営の状況について評価して改善に生かす活動であ り、羅針盤に沿った方策を明確にして、その達成度を点検・評価して改善点を明確にしま す。 ◆ 自己評価の結果を分析し、成果と課題を検討します。その際、保護者や児童生徒、地域 住民等へのアンケート結果との差異を検討したり、方策のアイデアを出したりするなどし て多面的に検討し、評価したことが、次の改善につながるようにします。 ◆ これまでの群馬県「学校評価システム」では、児童生徒、保護者、地域住民等に対する アンケート調査等を外部評価としてとらえていましたが、これからは、学校の自己評価の ために必要な情報収集とします。実施に当たっては、目的、内容、方法等を明確にし、児 童生徒、保護者、地域住民等に依頼します。また、評価を求める対象者に応じて、羅針盤 の評価項目に即した具体的な調査項目を作成して調査します。 - 13 - (2) 学校関係者評価 「学校評価ガイドライン〔改訂 〕」では、学校関係者評価を次のように定義しています。 学校関係者評価は、保護者、学校評議員、地域住民、青少年健全育成関係団体の関係者、 接続する学校(小学校に接続する中学校など)の教職員その他の学校関係者などにより構成 された委員会等が、その学校の教育活動の観察や意見交換等を通じて、自己評価の結果につ いて評価することを基本として行うものである。 実施のポイント ① 自己評価を踏まえた学校関係者評価 ・自己評価の結果を学校関係者評価することは 、 「 自己評価の客観性・透明性を高めること 」 「 学校・家庭・地域が共通理解を持ち 、その連携協力により学校運営の改善に当たること 」 につながります。 ② 主体的・能動的な評価活動 ・アンケート等の実施は、学校関係者評価ではありません。学校関係者評価にかかわる方々 の主体的・能動的な評価活動が重要です。 〔学校関係者評価の進め方〕 ○ 保護者、学校評議員、地域住民、青少年健全育成関係団体の関係者、接続する 学校(小学校に接続する中学校など)の教職員その他の学校関係者など、学校と直 接関係のある者を評価者とする「学校関係者評価委員会」を組織します。 ○ 学校関係者評価委員会は、年度当初と年度末に実施します。 ○ 学校関係者評価の内容は次のとおりとし、学校が実施した自己評価の結果等を踏 まえて評価します。 ・ 自己評価の結果の内容が適切かどうか。 ・自己評価の結果を踏まえた今後の改善策が適切かどうか。 ・学校の重点目標や自己評価の項目等が適切かどうか。 ・学校運営の改善に向けた実際の取組が適切かどうか。 など 【基本的な考え方】 ◆ 各学校は、 地域の実情に応じて、 学校関係者 評価委員会を設置します。なお、複数の学校に ついて評価する委員会を市町村単位で設置することもあります。 ◆ 学校関係者評価委員会は、既存の学校評議員や学校運営協議会等の保護者、地域住民等に よる組織を活用して行うことも考えられます。 ◆ 学校関係者評価委員は 、保護者や地域住民等のように校区在住でなくとも 、 「 校医 、保護司 、 校長OB、法律家等」のような学校の実態を把握している方や、専門的な知識をもった方など を加えることが考えられます。 ◆ 必要に応じて、分野の専門家等による第三者評価を実施することも可能です。評価結果 等から問題点や改善策について意見を伺い、改善に生かすことができます。 - 14 - 【学校関係者評価委員会(例 )】 ① 各学校は、年度当初に学校関係者評価委員会を実施し、本年度の重点や学校運営の方針 ・重点に基づいて説明する。 ② 各学校は、自己評価後、学校関係者評価に必要な資料(自己評価の結果)を準備する。 ③ 年度末にも学校関係者評価委員会を実施し、評価者は学校の自己評価の結果を基に評価 を行う。その際、必要があれば学校訪問や教職員、児童生徒、保護者からの意見聴取の実 施を行うこともある。 ④ 評価者が学校関係者評価の結果をまとめる際には、児童生徒の個人情報保護や安全確保 の観点から、公表する部分と非公表扱いの部分とを区分する。 ⑤ 各学校は、学校関係者評価の結果を自己評価の結果とともに公表し、その後の教育実践 に生かすようにする。 学校関係者評価は、教職員以外の人々の意見を取り入れることによって学校が行う自己評価の 客観性、透明性を高めます。 適正な評価が実施されるよう、評価者が評価活動を行うのに必要な情報を洗い出し、年間を通 して計画的に情報提供できるよう心がけます。 【提供する資料(例 )】 ① 1年間の自己評価の流れ ② アンケート用紙(教職員・児童生徒・保護者・地域住民等) ③ アンケート集計結果・考察 ④ 学校からの配布物(学校便り・学校要覧・HPの内容等) ⑤ 学校評価一覧表 など - 15 - 【学校関係者評価のイメージ図】 <学 3月 4月 校 の 取 組> <学校関係者評価の流れ> 学校の教育目標、重点施策、 前年度の学校評価の成果と課題等 【PLAN】 -計画の立案- 羅針盤(評価対象、評価項目、具体的数値項目)の策定 学校関係者評価委員会 の設置 学校関係者 評価委員会 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 【DO】 - 実 践 - ・評価者に対す る説明 ・市町村又は学 校ごとに実施 <自己評価> ○具体的数値項目、方策に応じた点検・評価の実施 ○アンケートの実施 ○方策の改善や改善策の明確化 ○評価の結果、改善策を保護者等へ情報発信(公表) 【DO】 - 実 践 - 必要に応じて ・学校訪問 ・授業参観 ・意見聴取 などを行う。 <自己評価> ○具体的数値項目、方策に応じた点検・評価の実施 ○アンケートの実施 ○方策の改善や改善策の明確化 ○評価の結果、改善策を保護者等へ情報発信(公表) 【DO】 - 実 践 - 【CHECK】-学校評価のまとめ- ○1年間の学校評価のまとめ ○次年度に生かす方策の改善や改善策の明確化 ○学校評価にかかわる情報の公表・説明、意見聴取、設置 者への報告 【ACTION】 -次年度への反映- 次年度の教育計画等への反映 - 16 - 学校関係者 評価委員会 ・評価書の作成 と学校への提 出 4 (1) 学校評価の情報の公表・報告 公 表 ○ 公表は、保護者、地域住民等を対象にします。 ○ 年度当初、羅針盤と方策について公表します。 ○ 自己評価にかかわる結果を整理・分析し、改善点や方策を公表します。 ○ 年度末、年度当初に説明したことの改善状況や成果を公表します。 ○ 公表する方法や内容及びその表現について十分な配慮が必要です。 【基本的な考え方】 ◆ 公表は、保護者や地域住民等に、よりよい学校づくりに協力してもらうために実施し ます 。学校は 、年度当初に羅針盤に基づき 、改善したい内容・方法等を伝えます 。また 、 連携・協力する具体的な取組を伝え、共通理解して進められるようにします。 ◆ 羅針盤に基づく評価の結果や改善策を整理し、分かりやすい文章や表現方法を用いて 公表します。 ◆ 年度末には、1年間の取組の過程や成果を踏まえ、羅針盤に基づく改善状況等を総合 的に公表します。 ◆ 学年・学級懇談会、個別面談、地域懇談会、学校評議員会等の場を活用して公表・説 明するとともに、学校・学年だより、パンフレット等で公表します。 Web ページの活用 も考えられます。また、公表に対しての意見等を聴取できるようにします。 ◆ (2) 公表や説明内容は、職員全員が理解していることが重要です。 報 ○ 告 校長は、年度当初(5月)に計画(羅針盤、方策)を、当該の教育委員会教育長 に報告します。年度途中に、自己評価を行い、学校評価一覧表①(様式1)に整理 します。 ○ 校長は、年度末に学校評価一覧表①(様式1)と、学校評価のまとめをに整理し た学校評価一覧表②(様式2)を、当該の教育委員会教育長に報告します。 【基本的な考え方】 ◆ 学校評価の実施に当たっては 、学校設置者である当該教育委員会教育長に年度当初( 5 月)に学校評価の計画を、年度末(3月初旬)に評価のまとめを報告します。その際、 学校評価一覧表①( 様式1 )、②( 様式2 )で行います 。自己評価の結果については 、中 間的な評価として報告することも考えられます。 ◆ 自己評価結果や学校関係者評価結果、改善策の実施状況と成果、児童生徒の成長の様 子等を学校として総合的に解釈し 、まとめた内容を様式1 、2に記述します 。様式2は 、 次年度に生かすために、課題が見えてくることが重要です。 ◆ 教育委員会は、その報告に応じて学校に指導・助言を行うとともに、地域の学校の 実態を踏まえた教育施策等に反映させます。 - 17 - (3) 学校評価一覧表 ①(様式1) 学校評価一覧表①(様式1)は、各学校の羅針盤(評価対象、評価項目、具体的数値項目)をもと に方策や点検・評価結果、改善策について一連のつながりの枠組みを見やすく整理したものです。 学 羅 評価対象 ① 針 評価項目 校 評 価 一 方 策 覧 表 ① 盤 (様式1) 自己評価① 具体的数値項目 自己評価 改善策 自己評価② 自己評価 改善策 方策 方策は、具体的数値項目を達成するために、各学校が計画し具体的に取り組む教育 活動や方法・手段などです。 ② 自己評価 学校評価は、自己評価を基本としつつ、児童生徒や保護者等を対象としたアンケー トも取り入れます。 改善策は、年度当初に立てた方策と評価結果との関係を分析し、学校改善の方向性 を明確化できるようにします。 【基本的な考え方】 ◆ 「自己評価」の欄には、具体的数値項目の基準に応じて達成度(A~D)を記入します。 ◆ 「改善策」の欄には、今後の改善策を明示します。 - 18 - (4) 学校評価一覧表②(様式2) 学校評価一覧表②(様式2)は、1年間の羅針盤に基づいた学校の取組の達成度、学校関係者評 価の達成度や評価者の意見、次年度へ向けての学 校 の 考 え を ま と め る も の で す 。 学 羅 評価対象 ① 針 評価項目 校 評 盤 価 一 自己 評価 学校関 係者 具体的数値項目 ( 総合 ) 評価 覧 表 ② (様式2) 学校関係者評価委員 の意見 今後に向けての 学校の考え 自己評価(総合) 「自己評価(総合 )」は、具体的数値項目についての1年間の取組を評価し、総合 的に達成の程度を4段階で判断して記入します。 ※ A ② 総合的に判断する基準 十分に成果があった B 成果があった C 少しの成果があった D 成果がなかった 学校関係者評価 「学校関係者評価」は、学校の自己評価を踏まえて、総合的に達成の程度を4段階 で判断して記入します。 ※ A ③ 総合的に判断する基準 十分に成果があった B 成果があった C 少しの成果があった D 成果がなかった 学校関係者評価委員会の意見 評価対象についての1年間の学校の取組や具体的な改善状況について、 総合的に判 断してコメントを記入します。 ④ 今後に向けての学校の考え 次年度の課題は 、達成度や改善状況のまとめを踏まえて 、次年度に改善すべきこと 、 重点を置いて実施すべきこと等を判断して記入します。 - 19 - - 20 - Ⅲ 参 考 資 料 資料 1 学校経営に生かす学校評価 学校評価は、評価が機能して確実に改善につながるよう計画的に実施します。1年間の学校評 価の流れは、次のようになります 。(参照:Ⅲ-1 群馬県「学校評価システム」1年間の流れ) (1) 【PLAN】計画の立案 ○ 校長は、学校の教育目標、地域や学校の実態、昨年度の成果と課題等を踏まえ、 目標とする児童生徒等をイメージしながら経営の方針や重点を組み込んだ羅針盤 (評価対象、評価項目、具体的数値項目)を策定します。 ○ 羅針盤は、次の点に留意して作成します。 ・これまでの取組を基に 、県で示した項目例を参考にし 、独自項目を組み入れます 。 ・学校だけでなく、家庭の教育力を高める要素を組み入れます。 ○ 羅針盤を具体化する方策を明示します。 ○ 年度当初に適切な機会を設けて 、保護者等に羅針盤 、方策等を公表 、説明します 。 〔実施上のポイント〕 ・「 学校評価システム」の一連の流れを共通理解し 、「学校評価委員会」など、学校評価 を推進する組織を明確にして1年間の学校評価の実施計画を立てます。 ・学校経営とつながりをもった羅針盤(評価対象、評価項目、具体的数値項目)を作成 します。 ・教職員で方策のアイデアを出し合い、それをもとに学校としての方策を決定し、取組 内容や実施時期を具体的に決めます。 〔 例 取 「学校評価展開シート」を用いた具体的な方策内容の整理 〕 組 内 容 学校公開の事前通知 実施時期 実 施 状 況 6月(4週間前) 第 わかりやすい学校案内表示の設置 前日 保護者の参加コーナーの設置 7月○日(当日) 感想意見のまとめ、学校通信に掲載 7月○日( 1週間以内 ) 1 達 成 度 評 価 内 容 ( 中 間 ) 修正・改善 自己評価 関係者評価 回 保護者の参加数の把握 保護者の満足度調査 (2) 【 D O 】実践 ○ 羅針盤に基づいた方策を着実に実施するとともに、取組状況を適宜把握します。 ○ 取組状況の自己評価を行う際に、児童生徒、保護者、地域住民等へのアンケート を行います。 ○ 自己評価結果を分析し、改善策を明確にします。 ○ 評価結果と改善策を保護者、地域住民等に適切かつ速やかに公表、説明します。 〔実施上のポイント〕 ・ 調査結果をもとに課題を確認し合い、学校評価展開シートに記入しながら整理したり、 - 20 - アイデアを方策検討シート等に改善策を整理して決定します。 ・評価結果や改善策、保護者等に協力依頼する事項を明確にして公表します。 〔例 学校評価展開シートを用いた具体的な実施状況等の整理 取 組 内 容 第 特集の編集方針の決定 〕 実施時期 実 施 状 況 4月中旬 行事を中心に特集を組むようにした。 生徒・保護者の通信コーナーの設置 5月下旬 3人の保護者が意見を寄せてくれるように なった。 Webページとの連携 6月上旬 Webでは、写真を増やしている。 1 達 回 成 度 評 価 内 容 ( 中 間 ) 修正・改善 自己評価 1学期末の保護者の満足度調査の実 施 関係者評価 B C (保護者の講読状況の調査) B (生徒と保護者の話合い度調査) B 保護者に学校通信が確実に届いていないた め、講読率が下がっている。 第1・第3月曜日の2回の曜日を固定し、 発行日を保護者に伝える。 感想意見をWebページで募集し、保護 者の声をできるだけ各学年3人掲載する。 方 策 検 討 シ ー ト 短期 中・長期 効果性 大 小 (3) 【CHECK】学校評価のまとめ ○ 年度末に1年間の羅針盤に基づく改善状況をまとめます。 ○ 学校関係者評価委員会等からの報告や職員会議、学校評議員会等を活用します。 ○ 年度末等に適切な機会や方法によって結果や課題などを保護者等に公表、説明し ます。 〔実施上のポイント〕 ・1年間の実施状況の達成度を明確にします。 ・評価対象、評価項目について、その成果を総合的に判断し、結果を公表します。 (4) 【ACTION】次年度への反映 ○ 学校評価のまとめをもとに、目標、教育内容・活動等の改善を明確にします。 ○ 次年度に向けて羅針盤の見直し等を行います。 〔実施上のポイント〕 ・これまで目指してきた姿や羅針盤に改善点がないかを見直します。 ・教育活動や方策を見直し、次年度に反映する内容を決定し、全職員で確認します。 - 21 - 資料 2 (1) 調査・集計を効率的に処理するシステム 学校評価を支援するSQS(Shared Questionnaire System)とは 学校教育の一層の充実を図るためには、現状を把握する客観的なデータを効果的に収集・分析 し、持続的な改善活動を実施することが必要です。 学校評価を実施するに当たっては、保護者や地域住民等へのアンケート調査の作成・集計・分 析の迅速化・省力化を図るために、学校評価を支援するSQSの活用が効果的です。 <SQSの特徴> ・アンケート用紙をマークシート形式で作成します。 ・作成ソフトウェア( ソースエディタ )、集計ソフトウェア( マークリーダー )は無償ダウン ロードして利用できます。 ・自動更新機能により、常に最新のソフトウェアを利用出来ます。また、バージョンアップ された、より使いやすいシステムが公開されています。 ・アンケート作成、集計の事務量が大幅に軽減されます。 ・アンケート結果の分析・検討の充実を図ることが出来ます。 <群馬県SQSポータルサイト> http://sqs.cmr.sfc.keio.ac.jp/gunma/ <サイトの内容> ・SQSの利用準備及び実施手順等の情 報(マニュアル等を含む) ・アンケート作成手順等支援情報 ・作成ソフトウェア、集計ソフトウェア の起動(システムのダウンロード) ・困ったときの対応マニュアル ・各種リンク <慶應義塾大学 CMR が開発> - 22 - (2) SQSを利用したアンケートの作成 作成ソフトウェア<ソースエディター: SourceEditor > <作業内容> ・マークシート形式による、ひな形が準備済みです。単一選択、複数選択及び自由記述等の種 類のひな形が準備されています。 ・準備されているひな形を選び、質問項目や評価項目を入力するだけで作成できます。 ・完成したアンケートを、PDFファイルで作成します。 ・普通紙に印刷をして、アンケートを実施します。両面印刷もできます。 <特 徴> ・アンケート作成の時間短縮が可能です。 ・複数ページのアンケートが作成できます。 ・以前のアンケートのデータを修正して、再利用ができます。 (3) SQSを利用したアンケートの集計 <アンケートの実施> ・普通紙で印刷、両面印刷可 <アンケート用紙の読込> <利用できるスキャナ> ・ ADF(自動紙送り装置 ) つきスキャナ ・指定したフォルダに、連続番号つきファイル名で画像 (tiff 形式)を 出力することができるスキャナ ・読込ソフトは、スキャナに附属しているツールを利用 【読込時間の目安】 4ページ(両面2枚)500人規模のアンケートでは、読込時間約50分程度。 (スキャナの性能により更に高速での読込が可能) - 23 - 集計ソフトウェア<マークリーダー: MarkReader > <集計の操作方法> ・読み込んだ画像と PDFファイルの入ったフォルダ を、ドラッグ&ドロップしてスタートボタンを押 すだけです。 【待ち時間の目安】 ・操作は数秒 ・4ページ(両面2枚)500人規模のアンケートでは、処理時間は、約10分程度。 (4) SQSの結果を利用したアンケートの分析 <特 徴> ・自動的にすべてのデータをグラフ化。 ( Ver2005 ) ・読み込んだデータは、すべてCSV形式で出力 → MS-EXCEL等の表計算ソフトで分析 ・ニーズ度( ※ )の考え方を学校評価に導入する ことも可能。 ※ ニーズ度…各評価項目を、重要度・満足度 の2次元で評価し計算をすることで、学校課 題の洗い出しが可能となる度数。 <記述式のデータの一覧化> ・記述式のデータは、画像ファイルとして切り 出されるので、一覧表示が可能 【分析に係る時間の目安】 今までで省力化された時間を利用して、じっくりと結果分析ができる。 <結果の分析> ・表計算ソフトによる、目的にあった分かりやすいグラフ作成。クロス集計による分析。 ・満足度、重要度をアンケート調査にすることで学校課題の重点化が可能(重要度が高く満足 度が低い項目が課題と判断できる )。 - 24 - 資料 3 学校評価にかかわる国の動向 ○学校教育法の条文(学校評価関係) 第 42 条 小学校は、文部科学大臣の定めるところにより当該小学校の教育活動その他の 学校運営の状況について評価を行い、その結果に基づき学校運営の改善を図るため必 要な措置を講ずることにより、その教育水準の向上に努めなければならない。 第 43 条 小学校は、当該小学校に関する保護者及び地域住民その他の関係者の理解を深 めるとともに、これらの者との連携及び協力の推進に資するため、当該小学校の教育 活動その他の学校運営の状況に関する情報を積極的に提供するものとする。 ※ これらの規定は、幼稚園 ( 第 28 条 ) 、中学校 (第 49条 ) 、高等学校 (第 62条 ) 、中等教育学校 ( 第 70 条 )、特別支援学校 ( 第 82条 )、専修学校 ( 第 133 条 ) 及び各種学校 ( 第 134 条第2項 ) に、それぞれ準 用する。 ○学校教育法施行規則の条文(学校評価関係) 第 66 条 小学校は、当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について、自ら評価 を行い、その結果を公表するものとする。 2 前項の評価を行うに当たつては、小学校は、その実情に応じ、適切な項目を設定し て行うものとする。 第 67 条 小学校は、前条第1項の規定による評価の結果を踏まえた当該小学校の児童の 保護者その他の当該小学校の関係者( 当該小学校の職員を除く 。)による評価を行い 、 その結果を公表するよう努めるものとする。 第 68 条 小学校は、第 66条第1項の規定による評価の結果及び前条の規定により評価を 行つた場合はその結果を、当該小学校の設置者に報告するものとする。 ※ これらの規定は、幼稚園 ( 第 39 条 ) 、中学校 (第 79条 ) 、高等学校 (第 104 条 )、中等教育学校 ( 第 11 3 条 )、特別支援学校 ( 第 135 条 )、専修学校 (第 189 条 )、各種学校 (第 190 条 ) に 、それぞれ準用する 。 ※ この規則の施行に伴い、 小学校設置基準等の自己点検・評価及び情報提供に関する規定は削 除 された。 文部科学省ホームページ (初等中等教育局学校評価室/平成 20年 3 月現在) ○ 学校評価について http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakko-hyoka/index.htm ○「学校評価ガイドライン」の改訂について http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/01/08012913.htm - 25 - 平成19年度 N0 氏 名 群馬県学校評価改善委員会 所 属 委員名簿 等 考 1 山 西 哲 郎 群馬大学 2 相 澤 邦 衛 太田市教育委員会 教育長 市教委代表者 3 森 賢 六 吉井町教育委員会 教育長 町村教委代表者 4 大 久 子 千代田町立西幼稚園 園長 幼稚園代表者 5 笹 峰 夫 高崎市立片岡小学校 校長 小学校代表者 6 髙 橋 宏 明 前橋市立南橘中学校 校長 中学校代表者 7 木 村 滋 洸 群馬県PTA連合会 8 髙 木 威 前橋市教育委員会学校教育課 9 中 島 弘 道 前橋市立東小学校 10 高 橋 直 幸 吾妻教育事務所 11 濱 田 陽 一 群馬県総合教育センター 12 矢 島 正 義務教育課 朏 教授 備 学識経験者 保護者代表者 指導主事 校長 推進地域関係者 推進地域関係者 所長 教育事務所代表者 所長 総合教育センター 課長 義務教育課 事務局員名簿 N0 氏 名 所 属 1 三 井 雅 彦 義務教育課指導グループリーダー 2 小 林 克 宏 義務教育課指導G指導主事 3 山 口 和 良 中部教育事務所学校教育G主任指導主事 4 吉 崎 仁 西部教育事務所学校教育G指導主事 5 山 田 一 彦 吾妻教育事務所学校教育G指導主事 6 荒 木 富美子 利根教育事務所学校教育G指導主事 7 小 林 淳 一 東部教育事務所学校教育G指導主事 8 岡 野 健 群馬県総合教育センター主任指導主事 備 考 ワーキンググループ名簿 [小学校部会] № 氏 名 1 久 保 2 吉 崎 3 小 林 4 小 林 信 所 属 行 高崎市立国府小学校 仁 西部教育事務所学校教育G指導主事 淳 一 東部教育事務所学校教育G指導主事 克 宏 義務教育課指導G指導主事 備 考 備 考 備 考 校長 [中学校部会] № 氏 名 所 属 1 牛 木 雅 人 東吾妻町立岩島中学校 教頭 2 山 口 和 良 中部教育事務所学校教育G主任指導主事 3 山 田 一 彦 吾妻教育事務所学校教育G指導主事 4 岡 野 健 総合教育センター主任指導主事 [幼稚園部会] № 氏 名 所 属 1 阿佐美 和香子 前橋市立まえばし幼稚園長 2 荒 木 富美子 利根教育事務所学校教育G指導主事 3 向 井 道 子 幼児教育センター指導主事 4 荒 瀬 優 子 義務教育課指導G指導主事 *本冊子を作成するに当たって、文部科学省の指定事業である「義務教育の質の保証に資する学 校評価システム構築事業」(平成18・19年度)における前橋市の取組を参考にしました。 協 力 校 【小学校7校、中学校3校 計10校】 前橋市立桃井小学校 前橋市立城南小学校 前橋市立中央小学校 前橋市立新田小学校 前橋市立荒子小学校 前橋市立大室小学校 前橋市立第一中学校 前橋市立東中学校 前橋市立荒砥中学校 前橋市立東小学校 平成20年3月 群馬県教育委員会 発行 義務教育課 〒371-8570 前橋市大手町1-1-1 Tel 027-226-4616 * 表紙のイラストはMPCによる。
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