2009年10月5~7日: APT 日本代表団 ブリーフィングノート 拘禁場所における拷問防止のための日本のイニシアティヴを促進 2009 年 10 月 5 日から 7 日の間,拷問防止協会 (APT)は,その事務局長を筆頭として、と りわけ国連拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT)の批准を通じて拘禁場所における拷問そ の他の虐待を防止するためのイニシアティヴを強化するべく、東京に渡ります。 滞在中、 APT 代表団は日本弁護士連合会主催によるシンポジウムに参加し、政府機関・国会議員・ 市民団体を含む主要な利害関係者と面談する予定です。 APT はジュネーヴに本部を置く国際非政府組織であり、拷問その他の虐待行為を防止す るため世界的に活動しています。APT は、拷問や虐待の危険はどんな場所にも存在する と確信しています。いかにしてそれを防止するかということが、APT の獲得目標です。 APT は、国連拷問等禁止条約選択議定書(OPCAT)の採択及び発効に指導的役割を果たし てきました。 OPCAT は 2 つの組織に基づいて新たな防止システムを確立しています。すなわち、国連 拷問防止小委員会(SPT)と、国内防止メカニズム (NPM)であり、後者は OPCAT 批准国 が設置しなければなりません。この2つの組織はともに、すべての拘禁場所を定期的に 監視し、国家機関当局との建設的な対話を通じて拷問その他の虐待を防止するための勧 告や意見を述べるという権限を持っています。 2009年9月25日現在, 50ヶ国がOPCATを批准し, その中にはアジア太平洋地域の3カ国 が含まれています。APTは、法の支配、民主主義、そして経済発展においてアジアの指 導的国家である日本が、アジアにおける最初のOPCAT批准国のひとつとなり重要な役割 を果たすにふさわしい位置にあるものと確信します。この点において、日本はすでに 国 連拷問等禁止条約を1999年に批准し、2005年には刑事施設および受刑者の処遇等に関す る法律(現・刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律)を成立させ、措置を講 じてきました。この法律は、刑事施設視察委員会を設立することによって、初めて、刑 事施設を外部からの監視のために開かれたものとしましたが、これはOPCATの核心にあ るコンセプトです。OPCATをすみやかに批准することは、こうしたイニシアティヴを発 展させて自由を奪われたすべての人々に利益をもたらし、そして、人権保護における日 本の指導的役割を維持するための理想的な機会となるのです。 OPCAT批准国が50カ国に達したことにより、国連拷問防止小委員会(SPT)の委員数は 10名から25名に増加します。新たな小委員会を選出するための加盟国による次回会合は 2010年10月に予定されています。現在、小委員会にアジアからの委員は入っていません。 したがって、仮に日本が来年に批准すれば、小委員会の選挙に候補者を出すことが可能 となります。これは日本にとって、拷問その他の虐待を防止するための日本の専門知識 や望ましい実践例を共有し、人権の促進と保護に対する日本のコミットメントを世界に 示す好機をもたらすのです。 1 アジア太平洋地域における OPCAT 批准国および署名国 アジア太平洋の 批准国:3 モルジヴ ニュージーランド カンボジア 批准 年月日 2006 年 2 月 15 日 2007 年 3 月 14 日 2007 年 3 月 30 日 アジア太平洋の 署名国:2 署名 年月日 東チモール 2005 年 9 月 16 日 オーストラリア 2009 年 5 月 19 日 APT 代表団 マーク・トムソン Mark Thomson(事務局長) トムソン氏は国際開発および国際人権NGOにおいて 27 年以上活動してきた実績を持 つ。2001 年 4 月より APT 事務局長を務める。拷問等防止のためのパートナーシップを 各国の政府・国内人権機関、警察当局、NGO、国連の専門家や機関との間で構築して きた。2004 年には、その人権活動に対して 大英帝国勲章(OBE)を授与された。フ ィジー及び英国にて学ぶ(ロンドン大学修士、エセックス大学学士)。 シルヴィア・カサレ Silvia Casale(ヨーロッパ拷問防止委員会委員、APT 会員) カサレ氏はヨーロッパ評議会のヨーロッパ拷問防止委員会(CPT)の委員を 1998 年か ら務める。CPTの元委員長であると同時に、国連拷問防止小委員会 (SPT)の前委員長 でもある。刑事司法、刑罰改革及び自由を奪われた人々の人権に関する専門家として国 際的に著名。エール大学犯罪学博士、同大学哲学修士、ペンシルヴェニア大学国際法修 士、オックスフォード大学学士。 ジェム・スティーヴンス Jem Stevens( アジア太平洋プログラム・オフィサー) Ms. Stevens is a graduate in law with a master’s degree in human rights and ステイーヴ ンス氏は法学士、人権及び民主化につき修士号を取得。ネパールの人権高等弁務官事務 所において人権担当官として勤務経験があり、日本では大和日英基金の奨学制度による ものを含め、多くの人権団体・非政府組織で活動した経験を持つ。 日本における連絡先: 都市センターホテル 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-4-1 電話 03(3265)8211(代)T APT および OPCAT に関するさらに詳しい情報は,こちらをご参照ください APT ホームページ: www.apt.ch OPCAT に関するよくある質問は→ OPCAT FAQ 拷問防止ガイドは→ OPCAT manual 効果的な国内防止メカニズムの設立及び指定については→ NPM guide 2
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