区分 学会・研究会発表 タイトル ガラス溶解反応その場観察のための

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学会・研究会発表
ガラス溶解反応その場観察のための高温 X 線 CT 解析
(東工大)渡邊圭太, 池知直子, 中田諒, 天笠友洋, 矢野哲司, 竹下健
二,(日本原燃㈱)南和宏, 越智英治
日本セラミックス協会 ガラス部会 第 53 回ガラスおよびフォトニクス材
料討論会, 北海道大学(2012.10.25~26)
ガラス溶融プロセスにおいて、ガラス原料およびガラスカレットとの反
応過程は、得られるガラス溶融体の性質を考える上で重要な過程であると
同時に、製造プロセスではガラス溶融炉内部の熱収支/移動および対流等
の物質移動に大きく影響を与える因子として働く。その中でも、電気によ
るジュール加熱を主たる熱源としたコールドトップ溶融炉においては、ガ
ラス溶解反応を生じる層が炉内上部における熱境界条件として働くこと
から、それらがもつ構造の特徴を明らかにすることが重要となってくる。
一方、放射性廃棄物をガラスに溶かし込み安定化させるガラス固化プロ
セスでは、液体供給式直接通電セラミックスメルター(LFCM)が採用さ
れており、高レベル廃棄物とガラスビーズとの反応が進行する「仮焼層」
と呼ばれる境界層が炉内上部に形成され、ガラス溶融炉全体の挙動に影響
を与えるため、その物理的・化学的理解を深めることが必須となっている。
しかし、ガラス溶解反応が進行する領域でどのような物理的、化学的変化
が生じているかを直接的に観察して明らかにする研究例は乏しいのが現
状となっている。そこで本研究は、仮焼層を擬似的に再現するために製作
した温度勾配炉を搭載した高温 X 線 CT スキャナを構築し、模擬廃棄物と
ガラスビーズの反応による「マクロな」構造の変化を、温度を上げながら
その場観察し、三次元イメージとしてリアルタイム測定した。観察された
仮焼層内部において、模擬廃棄物とガラスとの反応および気体生成物によ
る気泡の生成、成長、分割、移動が連続的に生じ、温度に依存して特徴的
な構造を形成することを初めて明らかにした。
図表例
備
考
図 溶融ガラス観察用高温 X 線 CT システムの構成図
(透過 X 線画像は2次元アレイセンサーにより検出される)
本研究は、経済産業省の補助により日本原燃㈱が実施している「使用済燃
料再処理事業高度化補助事業」で得られた成果の一部である。