南米からの大豆飼料におけるサルモネラ菌の汚染について

損害防止サーキュラー No. 16-05
南米からの大豆飼料におけるサルモネラ菌の汚染について
イントロダクション
ガードは最近南米からの飼料用大豆貨物のサルモネラ菌汚染に関して多くのケースにかかわっており、また、他の P&I クラブも
同様のケースに携っているようです。
問題はブラジルとアルゼンチンからの飼料用大豆にからんで起きているようであり、ほとんどはサントスやサン・ロレンゾ港のよう
です。
EU 域内諸国への船積みは、 EU 条令のもと、第三国から EU に輸入された貨物のすべてが入域する際にランダムな書類と内容
の検査を要求されています。この条令は、規則の要件に合致しない製品であると検査が示した場合、加盟諸国はこの製品の入
域、販売を禁止し、かつ汚染除去によって要件に沿うようにした製品を持ち込むことも禁止するとしています。更に EU 条令は動
物飼料の輸入の特定の扱いについて、人体及び動物の健康あるいは環境にとって危険であると提示されたならば、この有害な
危険が除去処理されないのならば使用してはならないと規定しています。
Gard が関与したケースにおいて、上述の条令を厳密に適用しているのはイタリア保健省であり、人の食物中毒の事故の増加し
ていくことへの対処であってほしいとしています。伝え聞くところによりますと、これは鳥肉に検出されたサルモネラ菌のレベルの
増加に関連しています。2005年7月22日、イタリア保健省は野菜類が元になる輸入飼料、特に大豆粉で、サルモネラ菌が発見
されたため回覧(ガイドライン)を発行し、非常事態宣言を発しました。この回覧にはサルモネラ菌が輸入された貨物から検出され
た場合、輸入業者は輸入されている貨物の「有害性の中和」を目的とする手続きを実行するために Health Board に申請しなけれ
ばなりません。
残念ながら、サルモネラ菌は人間、鳥、および齧歯動物によって運ばれますし、そして、船倉も揚積荷設備も完全に殺菌されてい
るというわけではありません。船倉がどれほど注意深く清掃されていようと、もし前の貨物がサルモネラ菌で汚染されていたのな
ら、そして、船倉が完全に殺菌されていないのならば、痕跡はまだ残っているかもしれません。 それゆえに、他の原因の考察もな
くこれは非難の指が船/乗組員に向けられる結果となります。
Gard が関与したケースでは、貨物の受取人が処理コストに対するクレームによる支払保証の巨額要求が、船主に対してなされて
います。 そして、船主は船/乗組員が汚染の源でなかったと立証しようとする課題に直面しています。 残念ながら積荷中の船主
による貨物のサンプリングは必ずしもサルモネラ菌の存在を検出するというわけではないでしょうし、そして、当局が、ごくわずか
な汚染であってさえ、厳しく対応していくために、汚染しているという積極的な結果が荷揚げ時に判明したのならば、これは船/乗
組員に対して不当な非難を向けることを一層あおることになります。 初期の調査は、これが積地港における陸上側の問題であり、
最初に述べたような港は多くの船積みにおいて共通の(汚染という)要素を抱えているといえるでしょう。
損失防止について
組合員や顧客が南米で大豆飼料を積載するための契約を考えているならば更なるに注意を払うことを推奨致します。 Gard は組
合員や顧客が適切な charter party の下で自らの立場を強くするように推奨します。 積地港の貨物にサルモネラ菌が検出された
場合、船主は貨物の積載を拒否する権利を保有したがるかもしれません; しかし船舶自体,常に低いレベルの汚染の可能性の源
であるゆえ、船主の最良の防御策はサルモネラ菌汚染に関して明確な補償を取ることが適切なようであります。サンプル採集に
ついて前述したように、船主が積込時と揚荷時の前に貨物のサンプルを入手し、必要であるならば分析することができるようにす
ることが賢明です。更なる詳細なアドバイスは必要に応じてご利用できます。
Gard AS はこの回覧にご協力いただいた、CWA International に感謝しています。
Gard の損害防止への対応についてさらに情報を要望される場合には、次の担当者にお問い合わせください。
Vice President Harald Fotland , ph: +47 55 17 40 67 or email [email protected] , or
Loss Prevention Manager Trygve C Nøkleby, ph.: +47 55 17 41 11 or email [email protected].
Loss Prevention Circular No. 16-05