ウォルビスベイ(ナミビア)で船積みした木炭の火災リスク

Gard Alert
ウォルビスベイ(ナミビア)で船積みした木炭の火災リスク
こちらは、英文記事「Fire risk associated with Charcoal loaded at Walvis
Bay, Namibia」(2015 年 9 月 14 日付)の和訳です。
ナミビアのウォルビスベイでコンテナ詰めされた袋入り木
炭貨物が輸送中に発火しました。ナミビアで船積みされた
木炭が関わる事故としては初の事例です。
南アフリカの Gard コレスポンデントの報告によると、最近、
ウォルビスベイで船積みしたコンテナ詰めのナミビア産木
炭を輸送するコンテナ船で火災事故が発生しました。この
事故は、荷揚港に向かう途中で発生したものです。同船は、袋入り木炭を詰め込んだコンテナを輸送中
でした。船積み前に船長に提示された書類には、当該貨物は自然発火性に関する国連試験基準に合格し
ており、非危険物であると記載されていました。
火災が発生したのは船積港を出港してから約 12 時間後のことで、木炭を詰めたコンテナのうちの 1 つか
ら煙が出ているのが発見されました。火災はすぐに同種の内容物を詰めた隣接するコンテナに延焼しま
した。主甲板上に積載されていた当該コンテナは、船内の消火チームによって鎮火されました。しかし、
同船は、損傷したコンテナを陸揚げするため、最寄りの避難港への離路を余儀なくされました。
現地コレスポンデンツによると、今回の火災はナミビア産木炭が関わる事故としては初めての事例です。
南アフリカ海上保安局(South African Maritime Safety Authority [SAMSA])も、今回のものと同種の貨物
が関わる事故報告は過去においてなかったと発表しました。IMDG コードの下では、木炭(国連番号 1361
および 1362)は自然発火しやすいクラス 4.2 の物質とされています。同コードには、「徐々に発熱し、
空気中で自然発火しやすい」および「十分に熱処理を行い、詰め込み前には周囲温度まで冷ます必要が
ある」と記載されています。
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推奨事項
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ウォルビスベイで木炭入りコンテナを船積みしようとする船舶は、貨物のサンプリングが適切に
行われていること、および IMDG コードに基づく安全輸送についても検査済みであることが記載
された証拠を要求するようにしてください。
事故発生から間もないため、現在のところほとんど情報がありません。IMDG コードには木炭の甲
板積み輸送についての規定はありませんが、貨物の保管について、「熱源から保護すること」お
よび「合理的に実行可能な程度に冷やすこと」を要求しています。したがって、木炭が詰め込ま
れたコンテナは、船舶の消火設備へのアクセスが容易な露天甲板上に保管することが推奨されま
す。
船員による定期的な安全パトロールを実施して、木炭入りコンテナの内部で燃焼の兆候がないか
確認するようにしてください。その際、自然発火による発熱の兆候がないか、コンテナの表面温
度も確認するようにしてください。
火災事故が発生した場合、船長は速やかに消火チームを動員して鎮火にあたり、必要に応じて陸
上からの支援を要求してください。
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