18 歳からの選挙権 比気 七海 現在、日本で論議されている課題の一つに、選挙権を持つことのできる年齢を、20 歳から 18 歳に引き下げるということがあります。みなさんは、この課題についてど のように考えていますか。 私は、 「選挙権を 20 歳から 18 歳に引き下げる」という提案に賛成です。なぜなら、 早い段階から一人の大人として政治に参加できるからです。そして、政治に参加でき るということは、よりよい日本を導く一員になれるということにつながると思うから です。 この課題について、深く考えるきっかけになったともいえる出来事は先月行われた 統一地方選挙です。統一地方選挙とは、4 年に一度、任期満了となる首長選挙や議員 選挙をまとめて実施するものです。この約 1 カ月の統一選挙で、多くの自治体で投票 率の最低を更新し、無投票当選も相次いだという話を耳にしました。今回のこの選挙 に限らず、最近は選挙に足を運ばない人が多く、投票率が低下しているという問題も 毎回のように話題となっています。私は現在の日本のこのような状況を聞いて、驚き を感じました。 世界から見ると、18 歳からの選挙権は、早すぎるわけではないことが分かります。 世界の選挙年齢を見ても、選挙権年齢のデータがある 192 の国や地域のうち 170 の国 や地域が 18 歳までに選挙権が与えられます。そして、主要国首脳会議参加国、アメ リカ、イギリス、ドイツ、フランスを含む 8 カ国のうち、18 歳までに選挙権を持つ ことができないのは唯一日本だけです。このように、18 歳は立派な大人だという考 えの国は少なくないことが分かりました。 また、日本の投票率を見ると、2014 年 12 月の衆院選の際、70 歳から 74 歳では 72% の投票率で年齢別では一番高いことが分かりますが、20 歳から 24 歳では 29%しかな く年齢別では一番低いことが分かりました。このデータからは、若者の投票率が大変 低いということが分かります。そして、若者の政治に対する関心が薄いと感じられま す。 また、18 歳からの選挙権について、社会でどのような意見があるのかインターネ ットで調べてみました。まず、賛成意見から述べると、「若者の投票率向上のため、 海外では当たり前だから、早くから政治を意識するのはいいことなどといった意見が 多くありました。その反面、反対意見では、20 代・30 代の投票率を上げることが先 ではないのか、社会に出ていない学生が多いのだから、この時期で国を動かす一票を 投票するには荷が重いのではないかなどといった意見が多くありました。私は、賛否 両論あるなかで確かにどちらの意見にも一理あると思いました。実際に投票率は低下 しており、たとえ海外では 18 歳からが当たり前だと言っても、引き下げたからとい って、投票率の向上につながるわけではないと思います。しかし、これからの日本を 背負っていく若者は政治について興味を持つべきだと思います。そして、社会問題に 積極的に目を向けてほしいと思います。毎日、様々な問題がニュースで流れているな かで、特に青少年の犯罪が多く聞かれます。私たちは中学生ですが、もう物事の善悪 の判断はできます。責任のある行動がとれる年齢です。18 歳から選挙権を持つとい うことは、責任のある行動をとるということだと思います。このことからも、18 歳 からの選挙権に賛成し、責任のある行動がとれる若者を増やしていくべきだと思いま す。そして、自分たちの一票で、自分たちの手でよりよい日本を築いていくという気 持ちをもって生活していこうと思います。
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