第6学年 理科学習指導案 単元名:『ものの燃え方と空気』 指導者 1 1組 津島 弘和 2組 松木 貴子 単元の目標 空気中で物を燃やし、物が燃えるときの空気の質的変化を推論しながら調べ、見いだした問題 を計画的に追究する活動を通して、物の燃え方についての見方や考え方をもてるようにする。 2 評価規準 自然事象への 関心・意欲・態度 ① 物が燃えることに興 科学的な思考・表現 ①集気瓶の中で木を燃や 観察・実験の技能 ①木をよく燃やす方法 自然事象についての 知識・理解 ①木などが燃えるときに 味をもち、集気瓶の中 す活動から、物が燃え を、集気瓶に空気が通 は、新しい空気が必要 で木片をよく燃やす ることと空気の入れ替 る道を設けたり空気を であることを理解す 方法を進んで調べよ わりとを関係づけて考 送ったりして確かめ る。 うとする。 え、表現する。 る。 ② 物が燃えるときの空 ②木が燃えるときの空気 ②窒素や酸素や二酸化炭 ②酸素には物を燃やすは 気の質的変化を意欲 の質的変化について推 素に物を燃やすはたら たらきがあり、窒素や 的に追究し、見いだし 論し、表現する。 きがあるかどうかにつ 二酸化炭素には物を燃 いて調べ、記録する。 やすはたらきがないこ たきまりを生活に当 てはめようとする。 とを理解する。 ③いろいろな物が燃える ③物を燃やした時の空気 ③植物体が燃えるときに ときの空気の変化につ の質的な変化を、実験 は、空気中の酸素の一 いて、共通性と差異性 器具を正しく使い、調 部が使われて二酸化炭 を多面的に考え、表現 べたことを記録する。 素ができることを理解 する。 する。 - 1 - 3 これまでに身に付けてきた思考力・判断力・表現力 (1) 根拠を明確にした仮説を立て、条件制御をしながら実験方法を考え、学習を見通す力 第6学年児童は、入学したときから「くにごメソッド」を用いた指導を受けてきた。このことによ り、問題解決的に学習をすすめる習慣が定着しており、根拠立てた仮説設定や条件制御をしながら実 験方法を考える力が多くの児童の身に付いている。仮説には、生活経験や既習事項を根拠として記述 した方がより科学的で、より説得力があるという意識も定着している。問題作りや仮説設定の過程に おいて、抽出された要因をとらえて、条件を制御しながら実験方法を考えることもできるようになっ ている。 (2)「考察の視点」を活用して考察を書こうとする力 五年生当初から「考察の視点」を提示して考察を記述することを繰り返してきた。また、メソッド 5を用いた結論を導く段階において、実験方法や仮説を見直したり推論をしたりすることで、考察に おける記述の仕方が定着してきた。「考察の視点」の提示がなくても分量の長い記述をしたり、図や グラフを用いたりすることができるようになってきた。 4 本単元で育てたい思考力・判断力・表現力 (1) 本単元で目指す段階(表内の塗りつぶされた部分) ①見通し 段階 身に付けさせたい力 1 話型をもとに根拠のある仮説を書くことができる。 2 提示事象や生活経験を根拠として仮説が書ける。 3 前の学習を根拠として、仮説が書ける。 提示事象や生活経験を根拠として仮説が書ける。 4 前の学習や生活経験を根拠とするだけでなく、仮説をイメージで説明できる。 5 仮説の理由とその検証方法まで書くことができる。 6 視点を意識せずに、自分の仮説を書くことができる。 ②振り返り 段階 身に付けさせたい力 1 1つの考察の視点について、考察がなんとなく書ける。 2 1つの考察の視点について、友達の考察を参考にしながら書くことができる。 3 ノートや、教室の掲示を見ながら、考察視点を絞って書くことができる。 実験の誤差や違いの場合、その原因が自分の班と何が違うのか明らかにできる。 4 自分で考察の視点から選択し、ヒントをもとに考察を選んで2つ書くことができる。 5 考察の視点を選び、考察が書ける。 6 考察の視点を見なくても、自分の考えをノート1ページ程度にまとめることができる。 - 2 - (2) 重点 ①見通し 空気のように目で見えないものでも、経験や既習事項を用いて根拠立てて仮説を述べる力を養い たい。 「これまでの学習から考えられること」 「似ているようなこと」を用いて説明する力の育成を ねらう。考察に記述されたことが、次の仮説の根拠になるなど、連続する思考にも期待したい。 ②振り返り 燃焼に必要な気体があることや、燃焼を通して空気の質的変化について記述をするにとどまらず、 得られた結論と環境問題など身の回りの事象を関係付ける力を育むことをねらう。また、自分たち の実験を振り返り誤差の原因を追究する態度を養いたい。 (3)指導の手立て 学習過程 見通し メソッド 具体的な手立て ②-根拠を立てて ・ 「七輪で炭に火をつけよう」という自由試行の活動を取り入れ、仮説の 仮説設定させる。 根拠になる生活経験を子供たちにもたせる。 ・前時の問題解決において経験したことや獲得した知識、考察したこと が活用され、仮説の根拠に用いられるように単元の構成を計画する。 ・必要に応じてイメージ図を活用して表現させる。 振り返り ⑤-個人の結論か ・グループごとの結論からクラスの結論にしていく段階でグループでの らクラスの結論へ 話し合いをもう一度入れることによって全員が振り返るきっかけを作 妥当性を高めさせ ることができるようにする。 る。 ・話し合いの最中、ノートに気が付いたことを、付箋に書くことができ るよう指導することで、より深い考察を書くことができるようにする。 ⑥-結論にさらに ・板書では、話し合いで出たことを文章で書かずキーワードにしていく 考察を加えさせ ことで段階的に手立てを少なくする。また、考察が多様になるように る。 したい。 ・考察を書いているときに他児童の考察聞き合う場を設定し、その良さ を共有させる。その後、自分の考察に書きくわえる時間を設定しより 深い考察が書けるようにする。 - 3 - 5 次 第 一 次 指導計画(9時間扱い) 過 程 ○主な学習活動 児童の思考・判断・表現 ◇指導の手立て <第1時> 自 由 試 行 ○七輪で炭に火をつけよう C:うちわで扇げばいいよ。 C:下の空気穴を開こう。 C:たくさんの木が必要だろう。 C:段ボールはよく燃えていたよ。 <第2・3時> 問 題 作 り C:枯れ木はよく燃えると思う。 ○集気瓶の中で火が消える様子を 観察して、問題を作る。 【問題】木を長く燃やすには、空気をどうしたらよいだろうか。 ○仮説を立てる。 提示され た事象 の 変化から 問題作 りをさせる。 【仮説】 見 通 し ◇メソッド1 ・新しい空気を送ればよいと思う。なぜなら、七輪の中の木を燃や した時に、風が吹いたら火がよく燃えたから。 ・下から空気を送ればよいと思う。なぜなら、七輪の中の木を燃や した時に、下の穴からうちわで煽ぐと火がよく燃えたから。 ・空気を通せばよいと思う。なぜなら、前回は木をたくさん入れす ぎて燃えなかったから。 ◇メソッド2 自分の仮説に説 得 力をもた せるた めに、既習事項や経 験 を根拠に 挙げさ せる。 ・集気瓶をはずして空気に触れる部分を多くすればいいと思う。な ぜなら、新鮮な空気に多く触れられるから。 ○実験の方法を考え、結果の予想 をする。 ○線香の煙で空気の流れを調べら れることを知る。 ○実験をし、結果を記録する。 ○結果から結論を導く。 振 り 返 り 【結論】木を長く燃やすには、新しい空気にふれるようにすれば よいと言える。 ◇メソッド5 班の結論から、ク ラ スの結論 へと妥 当 性を高め るため ○考察をする。 に 話し合い をさせ 【考察】 る。 ・気が長く燃え続けたのは、七輪で、下の穴から新しい空気が入る ◇ 複数の空 気の送 ようにすると炭に火がついたのに似ていると思う。 ・水泳で長いこと潜っていると苦しくなって泳げなくなるのと同じ で、木が燃え続けるときには、新しい空気が必要なんだと思った。 ・新しい空気が必要ということは、木を燃やすことによって、空気 の成分が変化しているということだと思う。燃やす前の空気と燃 やした後の空気の違いを調べてみたいと思った。 - 4 - り 方や入り 方を比 べ、共通点を探らせ ることで、考察の視 点 にはない 記述を させる。 ○考察を交流し合う。 ◇ 次の問題 につな がる考察を指名 問 題 作 り <第4・5時> し、その良さを共 ○空気中に含まれる気体の体積の 有させる。 割合を知る。 ○前時の考察から問題を作る。 見 通 し 【問題】木が燃える時に必要な気体は何だろうか。 ○仮説を立てる ◇メソッド2 【仮説】 ・窒素だと思う。なぜなら、空気中に多く含まれている気体だから。 ・酸素だと思う。なぜなら、人は酸素を取り入れて体を動かし、二 既習事項や経験 を根拠に挙げて 仮説を設定させ 酸化炭素を出していたから。 ・二酸化炭素だと思う。なぜなら、閉じ込めたビンの中で木はすぐ る。 に消えてしまったので、体積が少ない二酸化炭素が使われたと考 えられるから。 ○実験の方法を考え、結果を予想 ◇メソッド3 する。 仮説を実 証でき る実験結果を予 ○実験をし、結果を記録する。 想させる。 ○結果から結論を導く。 振 り 返 り 【結論】木が燃える時に必要な気体は、酸素である。 ○考察をする。 ◇ グループ やクラ 【考察】 ・予想と結果が一致した。酸素の中に燃えた木を入れたら、はげし く燃え上がった。身の回りの空気の中では、酸素の量が21%く らいだからはげしく燃えないのだと思った。 ・窒素と二酸化炭素の中に入れると火はすぐに消えた。このことか ら、木が燃えた後の空気の中には、窒素と二酸化炭素が多く含ま スで話し合って、 結論を出し、『考 察の視点』を教師 から提示せずに 記述させる。 れているのではないだろうか。 ・人は酸素を取り入れて、二酸化炭素を出しているが、木が燃える 時も同じようなことがあるのか調べたい。 ○考察を交流し合う。 ◇ 考察を共 有させ る。 - 5 - <第6・7時> 問 題 作 り ○前時の考察から問題を作る。 ◇ 既習事項 や経験 【問題】木を燃やす前の空気と燃やした後の空気は、成分量が違う のだろうか。 せて仮説設定を ○仮説を立てる。 見 通 し ( 2 組 本 時 ) を根拠に挙げさ させる。 【仮説】 イメージ 図を活 ・成分量は違うだろう。なぜなら、木についた火が消えてしまった 用させる。 から。 ・成分量は違うだろう。なぜなら、人間も呼吸をすると空気中の酸 素が減って二酸化炭素が増えるから。 ・成分量が違うだろう。なぜなら、七輪で火を起こしたときに、か なり仰ぎ続けないと火が消えてしまったから。 ・成分量が違うだろう。なぜなら、七輪で火を起こしたときに、息 苦しかったから。 ・成分量は違うだろう。なぜなら、前回の実験を通して、酸素の中 で木がはげしく燃え、二酸化炭素と窒素の中では火が消えてしま ○実験の方法を考え、結果を予想 ったから。 する。 ・成分量は違うだろう。なぜなら、環境問題について学習した時に ①気体検知管を使って、木を燃や 火力発電は、二酸化炭素を排出するということを習ったから。 す前後の酸素・二酸化炭素(窒 ・成分量は変わらないだろう。なぜなら、火が消えた原因が水蒸気 素)の割合を調べる。 なので空気の成分量は関係ないから。 ・成分量は変わらないだろう。なぜなら、空気は、いつでも同じバ ランスであるから。 ○気体検知管の使い方を知る。 ○実験をし、結果を記録する。 ・予想と結果を表にまとめて比較 する。 ◇メソッド3 C: 振 り 返 り ( 1 組 本 時 ) 実験結果 を予想 結果 O₂ CO₂ させる。 燃やす前 21% 0% ◇メソッド4 燃やした後 18% 3% 結果の予 想と結 増減 3%減 3%増 果を比べて、仮説 ○結果から結論を導く。 通りになったか 【結論】木を燃やす前の空気と燃やした後の空気は、成分量が違 どうかを確かめ て結論づけさせ うと言える。 酸素は減って、二酸化炭素はふえる - 6 - る。 振 り 返 り ○考察をする。 【考察】 ・木を燃やした時に、減った酸素の割合と増えた二酸化炭素の割合 がほとんど同じだったので、木を燃やすことで酸素が二酸化炭素 に変化するのではないか。 ・酸素がわずかしか減ってないのに火が消えたのが不思議に思っ た。酸素が何%あれば、木が燃え続けられるのかを調べてみたい。 少しずつ酸素の割合を減らしていって何%まで燃え続けられる かを調べたい。 ・二酸化炭素の割合はわずかだが、燃やす前と燃やした後では、何 十倍も増えている。そう考えると、木が燃えただけで、二酸化炭 素が何十倍も増えるならあっという間に、地球が二酸化炭素だら けになってしまうと思った。 ・木を燃やすと酸素が二酸化炭素に変わることが分かった。七輪や BBQをするときにうちわで風を送るのは、火の周りの酸素が二 酸化炭素に変わって燃えにくくなるからうちわで新しい風を送 っているのだと思う。 ・酸素と二酸化炭素の数値の総量は、燃やす前も燃やした後もそれ ほど変化しなかった。そこから酸素や二酸化炭素の成分量は、変 化するが、窒素は変わらないのではないか。酸素や二酸化炭素だ けでなく、窒素の成分量も調べてみたい。窒素の気体検知管があ れば調べることができると思う。 ・空気の成分は、酸素、二酸化炭素だけではなく、窒素も含まれて いるから、酸素、二酸化炭素だけではなく、窒素の割合も調べた い。そうすれば、酸素が二酸化炭素になったのかがわかると思う。 ・酸素が減ったから火が消えたのか、二酸化炭素が増えたから火が 消えたのか確かめたい。 ・二酸化炭素の増える量はわずかだった。こんな少量の二酸化炭素 であっても地球の温度を上昇させることにつながるのだから、驚 いた。世界中では、木が燃やされる以外でもいろいろなところで 二酸化炭素が発生しているのかもしれない。 ○考察を交流し合う。 ・予想と結果を表にまとめて比較 する。 ◇ モデルの 考察を 指名し、その良さを 共有させる。 - 7 - 問 題 作 り <第8・9時> ○前時の考察から問題を作る。 【問題】木以外のものでも、燃える時に酸素が必要で、燃えた後に 二酸化炭素ができると言えるだろうか。 見 通 し ○仮説を立てる。 ◇メソッド2 【仮説】 自 分の仮説 に説得 ・言えると思う。なぜなら、紙を燃やしても、お肉を焼いても、黒 力 をもたせ るため く炭のようになり、木を燃やしたときと同じようになるから。 に、既習事項や経験 ・言えないと思う。なぜなら、木は自然界のものだけれど、プラス を 根拠に挙 げさせ チックのようなものは燃やすとくさくなり有毒だと言われている る。 ので、同じではないと思う。 ○実験の方法を考え、結果を予想 ◇メソッド3 する。 表を用い て実験 ○石灰水の性質を知る。 結果を予想させる。 ・予想と結果を表にまとめて比較 する。 結果 結果の予 想と結 O₂ 石灰水 振 り 返 り り になった かどう 紙 か を確かめ て結論 サラミ ○結果から結論を導く。 果を比べて、仮説通 布 パン ○実験をし、結果を記録する。 ◇メソッド4 鉄 【結論】木以外のものでも、燃える時に酸素が必要で、燃えた後 に二酸化炭素ができるとは言えない。 ○考察をする。 づけさせる。 ◇メソッド5 班の結論から、ク ラ スの結論 へと妥 当 性を高め るため に、話し合いをさせ る。 【考察】 ・今回の実験から、燃える時に酸素が必要で、燃えた後に二酸化炭 ◇「今回の実験から 素ができるものは、植物や動物に関するものだと言える。今、二 考えられること」を 酸化炭素が増えて地球の温暖化が進んでいるというが、ものが燃 話し合った上で、 えても二酸化炭素の増え方は3%程度なのに、地球に影響するの 『考察の視点』を教 はどうしてなのか、考えてみたい。 師 から提示 せずに ・予想と結果が一致しなかったのは、私は植物や動物のことしか考 記述させる。 えなかったが、鉄の場合が当てはまらなかった。酸素の中でスチ ールウールがはげしく燃えて驚いた。鉄が二酸化炭素を出さなか ったように、ビニルやプラスチックが燃える時は二酸化炭素を出 ◇ モデルの 考察を さずに、違った有害な気体を出しているのかもしれない。 指名し、その良さを ○考察を交流し合う。 共有させる。 - 8 - 6-(1) 本時(6/9) ・・・6年2組 本時のみどころ(見通し) 既習事項や経験を根拠として仮説を立て、適切に実験を行い検証できるか。 メソッド 問題解決 の過程 ① ② 問題発見 仮説 ③ 方法・結果 の予想 観察・実験 ④ ⑤ 結果 結論 ⑥ ⑦ 考察 活用 (1)本時の目標 ・物を燃やした時の空気の質的な変化について推論し、実験器具を正しく使い、調べたことを記録すること ができる。 (2)展開 ○主な学習活動 児童の思考・判断・表現 ◇指導の手立て ○問題の確認をする。 【問題】木を燃やす前の空気と燃やした後の空気は、成分量が違う のだろうか。 ○仮説を立てる。 ・イメージ図等を用いて、自分が考 ◇既習事項や経験を根拠 える空気の質的変化を表現する。 に挙げさせて仮説設定 をさせ、イメージ図等を 示させる。 ◇既習事項や経験を根拠 【仮説】 に挙げさせて仮説設定 ・≪提示事象が根拠≫:成分量は違うだろう。なぜなら、木につい た火が消えてしまったから。 ・≪生活経験が根拠≫:成分量は違うだろう。なぜなら、人間も呼 吸をすると空気中の酸素が減って二酸化炭素が増えるから。 ・≪生活経験が根拠≫:成分量が違うだろう。なぜなら、七輪で火を起 こしたときに、かなり仰ぎ続けないと火が消えてしまったから。 ・≪生活経験が根拠≫:成分量が違うだろう。なぜなら、七輪で火 を起こしたときに、息苦しかったから。 ・≪既習事項が根拠≫:成分量は違うだろう。なぜなら、前回の実 験を通して、酸素の中で木がはげしく燃え、二酸化炭素と窒素の 中では火が消えてしまったから。 ・≪既習事項が根拠≫:成分量は違うだろう。なぜなら、環境問題 について学習した時に火力発電は、二酸化炭素を排出するという ことを習ったから。 ・≪既習事項が根拠≫:成分量は変わらないだろう。なぜなら、空 気は、いつでも同じバランスであるから。 - 9 - をさせる。 ○気体検知管の使い方を知る。 ○実験の方法を考え、結果を予想す る。 ・既習事項を活用し、気体検知管を 用いて確かめる方法を考える。 ・予想と結果を表にまとめて比較す ○気体検知管を使って、木を燃やす る。 前後の酸素・二酸化炭素(窒素) C: の割合を調べる。 ○実験をし、結果を記録する。 結果 O₂ CO₂ 燃やす前 21% 0% 燃やした後 18% 3% 増減 3%減 3%増 ◇メソッド3 実験結果を気体の増減 で予想させる。 (3)評価の実際 予想される児童の姿 A 十分満足できる B おおよそ満足できる 物を燃やした時の空気の質的な変化について推論し既習事項を根拠として仮 説を記述し、実験器具を正しく使い、調べたことを記録している。 物を燃やした時の空気の質的な変化について推論し仮説を記述し、実験器具を 正しく使い、調べたことを記録している。 ※Bに到達しない児童への手だて・・・前時の学習を振り返らせ、酸素や二酸化炭素に着目させて仮説 を書くための助言をする。グループ内で実験器具の扱いや結果 の記録の仕方を確かめ合わせる。 - 10 - 6-(2) 本時(7/9) ・・・6年1組 本時のみどころ(振り返り) 予想と結果が一致しても尚見直す態度をもったり、次の問題につながる考察を記述したりする ことができるか。 メソッド 問題解決 の過程 ① ② 問題発見 仮説 ③ 方法・結果 の予想 観察・実験 ④ ⑤ 結果 結論 ⑥ ⑦ 考察 活用 (1)本時の目標 ・物が燃えるときの空気の質的変化を意欲的に追究し、見いだしたきまりを生活に当てはめようとするこ とができる。 (2)展開 ○主な学習活動 児童の思考・判断・表現 ◇指導の手立て ○問題の確認をする。 【問題】木を燃やす前の空気と燃やした後の空気は、成分量が違う のだろうか。 木が燃え続けるには、どうしたらよいだろうか。 ○各グループの結論を発表し合う。 ○グループで他のグループの結論 について話し合う。 ◇メソッド5 T:各班の結論を比べてどんなこと C:A班だけ結論が違うのは、実験 班の結論から、クラスの に気付きますか。班で話し合いま 方法に見直しが必要なんだと思 結論へと妥当性を高め しょう。 います。 るために、必要に応じて C:酸素の量が減っていないのは、 気体検知管を使っている時に、新 しい空気が入ってしまったので はないかと考えます。 C:予想よりも酸素が残っていたの で驚いた。 C:多くの班で、酸素の減った量と ○クラスの結論を話し合う。 二酸化炭素の増えた量がほぼ同 T:これまでの話し合いから、クラ じです。 スの結論を導きましょう。 【結論】木を燃やす前の空気と燃やした後の空気は、成分量が違う と言える。~酸素は減って、二酸化炭素はふえる~ - 11 - 表を用いて話し合いを させる。 ○考察を記述する。 ◇メソッド6 【考察】 ・≪更なる見通しを加えて記述≫:木を燃やした時に、減った酸素の割合と増えた 予想と結果が一致しな 二酸化炭素の割合がほとんど同じだったので、木を燃やすことで酸素が二酸化炭 かった場合について、仮 素に変化するのではないか。 説の見直しを話し合っ ・≪一つの視点で記述≫:酸素がわずかしか減ってないのに火が消えたのが不思議 た上で、「考察の視点」 に思った。酸素が何%あれば、木が燃え続けられるのかを調べてみたい。少しず は教師から提示せずに つ酸素の割合を減らしていって何%まで燃え続けられるかを調べたい。 記述させる。 ・≪複数の視点を関連付けて記述≫:二酸化炭素の割合はわずかだが、燃やす前と 燃やした後では、何十倍も増えている。そう考えると、木が燃えただけで、二酸 化炭素が何十倍も増えるならあっという間に、地球が二酸化炭素だらけになって しまうと思った。 ・≪一つの視点で記述≫:木を燃やすと酸素が二酸化炭素に変わることが分かった。 七輪やBBQをするときにうちわで風を送るのは、火の周りの酸素が二酸化炭素 に変わって燃えにくくなるからうちわで新しい風を送っているのだと思う。 ・≪複数の視点を関連付けて記述≫:酸素と二酸化炭素の数値の総量は、燃やす前 も燃やした後もそれほど変化しなかった。そこから酸素や二酸化炭素の成分量は、 変化するが、窒素は変わらないのではないか。酸素や二酸化炭素だけでなく、窒 素の成分量も調べてみたい。窒素の気体検知管があれば調べることができると思 う。 ・≪更なる見直しを加えて記述≫:空気の成分は、酸素、二酸化炭素だけではなく、 窒素も含まれているから、酸素、二酸化炭素だけではなく、窒素の割合も調べた い。そうすれば、酸素が二酸化炭素になったのかがわかると思う。 ・≪一つの視点で記述≫:酸素が減ったから火が消えたのか、二酸化炭素が増えた から火が消えたのか確かめたい。 ・≪複数の視点を関連付けて記述≫:二酸化炭素の増える量はわずかだった。こん ◇考察を共有させ、 自分 な少量の二酸化炭素であっても地球の温度を上昇させることにつながるのだか の考察に書き加える時 ら、驚いた。世界中では、木が燃やされる以外でもいろいろなところで二酸化炭 間を設定しより深い考 察になるようにする。 素が発生しているのかもしれない。 ○考察を交流し合う。 (3)評価の実際 予想される児童の姿 「考察の視点」を提示しなくても、物が燃えるときの空気の質的変化の実 A 十分満足できる 験を振り返ったり、見い出したきまりを生活に当てはめたりしながら視点 に沿い適切な考察を記述している。 B おおよそ満足できる 物が燃えるときの空気の質的変化の実験を振り返ったり、見い出したきま りを生活に当てはめたりしながら考察を記述している。 ※Bに到達しない児童への手だて・・・教師が「考察の視点」やこれまでのモデルの考察を示したり、 個別に助言したりする。 - 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