親と子の 心と学びを育てる読書

親と子の
心と学びを育てる読書
玉野市立八浜保育園
玉野市立八浜小学校
- Ⅰ -
目
1
次
開こう読書の扉
(1 ) はじ め に~ 読 書を 通 して 子 育て を しよ う ~・ ・ ・1
(2 ) 保育 園 ・小 学 校連 携 の取 組 ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・2
2
読書に夢中になる園や学校の創造を
(1 ) 八浜 保 育園 の 取組 ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・4
(2 ) 八浜 小 学校 の 取組 ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・・ ・ ・6
3
子どもの読書を支える環境作り
( 1) 八 浜市 民 セン タ ー図 書 室の 紹 介・ ・ ・・ ・ ・・ ・ 10
(2 ) 家庭 で の読 書 の取 組 (家 読)・・ ・・ ・ ・・ ・ ・1 1
- Ⅱ -
読書 で 子育 て グランドデザイン
地 域 の図 書 館
0 歳
本の 世 界に 触 れる
読み 聞 かせ
保 育 園の 図 書
読書 の 楽し さ を知 る
6歳
朝読 ・ 自力 読 書
学 校 図書 館
読み 聞 かせ
読書 の 習慣 を 培う
家読
言葉 の 力・ 学 力の 向 上
12歳
コミ ュ ニケ ー ショ ン 力の 育 成
人間力の向上
-1-
1
開こう読書の扉
(1) はじめに
子どもたちよ
石井桃子
子どもたちよ
子ども時代をしっかりたのしんでくだ さい
大人になってから
老人になってから
あなたを支えてくれるのは
子ども時代の「あなた」です
~子どもたちに上質な言葉のシャワーを~
わたした ち 大人は 、子 どもの 成長に 大きな責任を 担ってい ます。 わたしたち
大人は 、子 ど もた ち 一人一人が 、健全に、自分らし く生きてい くた めに 、より
よい環境を 作 ってい かなければなり ません 。 このこ とは、オオ カミ に育 てら れ
た少女 たちア マラ と カマラの事例から も、自分で立 って歩くこ とさえ、 しゃ べ
ることさえで きない乳児期の言語環 境 が、のちの 言語の習得 や人格形成 に深く
関わっているということが容易に推測できます。
だから、 子 どもの成長に責任をもつ 大人として 、 よりよい 言語環 境を 作って
いかなけれ ばなりませ ん。その一つが、読書環境なのです。
乳幼児期に 本を 読 み聞 か せる ことは 、 何より心の 安定の 元とな ります。子ど
もは、自分に読み 聞かせてくれる 人の声や体温、そして、表情や仕草を通して、
自分を 温か く 見守っ てく れる人 の愛情を豊かに感じとる こと でしょう。 やが て
子どもたち は 、文 字 の習得と と もに、 自分の 興味や 関心のある 本を 選び 、本の
中で様 々な 人 々やで きご ととの 出会いを通して、人間として も幅をひろ げてい
くことにな る ので す。乳 幼児 期 から、 ふんだ んに上質な言葉 のシャワー を注い
でもらうこ と で、 育 まれた感 受 性や想像力 は 、やが て豊かな 人生へと子 ども た
ちを導いて くれるでしょう。そして、本はその良き友となるでし ょう。
-2-
(2)
保育園 ・ 小学校連携 の 取組
~生活の中に読書を取り入れよう~
テレビやパ ソコ ン 、ゲ ームとい った デジタ ル情報があふ れる中 で、若者が本
を読まなく なって います 。「 若者が本 を読まない国に 未来はない 」といわれま
す。若者に 未来を 取 り戻 すため に、わたし たちは 、 教育に関 わる大人として、
こどもたち に本を取り戻す取組を始めたいと思います。
で は 、「 本 を 読 む 」 と い う 作 業 は 、 こ ど も た ち の 成 長 の 上 で ど の よ う な 意 味
を持ってい るのでしょ うか。
1 . 言 葉 を 学 び 、 言 葉 の 力 を つ ける こ とが で きる 。
私たちは 、日々 言 葉を 使って 生きています 。言葉 を使 って、 表現したり、
考えたり 、 話し た りし ます。 言葉は 、私たちの 生活の中にあ ふれ 、ずっとつ
きあって い くも のです。だ か ら、言葉の力 をつけ るこ とは 、生きる力 をつ け
るこ とに なるの です。 幼い頃 から、 習慣として 本 に親しんで いく ことは、こ
の言葉の 力をつけることになるのです。
2.ものを考える礎(いしずえ)となり、学力をつけることができる。
教科書を 読み取 る時も 、問題 を解くため の 思考も 、言葉が必要です。豊か
な言葉を 身 につけ るということは、 深く学問を究 める力とな るのです 。読書
は、学力をつけるた めの必要不可 欠な手段となるのです。
3 . 人 生 を よ り 深 く 生 き るこ と がで き る 。
人は 、自 分の人生しか生きら れません。 しかし 、書物 を読 むことで、本
のなか の 主人公 の生 き方を 共感的に追体 験する ことができ ます。書物を通
して、 たくさん の人 生を生 きるこ とが できるの で、より 深く生 きることが
できる の です。 また、本の 中でた くさんの人格と触れ合 い、考 え方 に幅が
生 まれ ます。 も ちろ ん、人間とし て大きな人になる こと ができるの です。
4 . 想 像力 を 育 て る こと がで き る 。
学習の面でも、仕事の面でも想像力がなければうまくいきません。また、
思 いや り の心 も 想像力のな かで育 ってい きま す 。未来の 自分を 想像する こ
-3-
とで、 夢 の実現 に向 けてエネル ギーがわ いてきます。反対に、 くじけて過
ちを犯 し そう になったと き も、豊 かな想像力 があれ ば、 それが 抑止力にな
ります。想像力は、豊かな人生を生きる大切な要素になるの です。
5 . 集 中力 を 養 う こ とが でき る 。
一冊の本 を読み 通すこと は、 とても 根気のいる 作業です。集中力がなけれ
ばとても 一冊の 本 を読 み通すこと はできま せん 。 だからこそ、読 み終 えた と
きは 達成 感や充 実感を 感じ る のでしょう。 習慣として 本を 読んでいるうちに
集中力を 養うことができるのです。
以 上 の よ う に 、「 本 を 読 む 習 慣 」 を 生 活 の 中 に 取 り 入 れ る こ と で 、 子 ど も
たちは計 り知れない恩恵をうけま す。
しかし、 テレビ やパ ソコ ン といっ た映像 文化が 氾濫する 中で育 つ子 ども た
ち は 、「 本 を 読 む 」 こ と よ り 、 安 易 に 楽 し め る テ レ ビ や パ ソ コ ン に 流 れ る 傾
向があり ま す。 わ たし たち大人は、 子ども たちの未来を豊 かなも のに するた
めに 、テ レ ビや パソコンとい ったデジタ ル 映像機 器から、 子どもたちを取り
戻し、本 に近づけていかなければならないので しょう。
そこで、 大崎・ 八浜地 区の 保育園 や 小学校では、保育 園入園時から、小学
校を卒業するまでを、子育ての一つの流れと考え、連携して「 本を読む習慣」
を身につ ける取組をしていきたい と考えていま す。
し か し な が ら 、「 本 を 読 む 習 慣 」 を 身 に つ け る 取 組 は 、 保 育 園 や 小 学
校
だけで できる ことで はあ りま せ ん。家庭と協力して、幼い頃 から身 につけ
る
習慣として「本を読む習慣」を定着させていきたいと考えていま す。
どうか、 この趣 旨を 御理解 いただ いて、 親子共 々、生活 の中に 読書を取り
入れてい きましょう。
玉野市立大崎保育園
園長
柏﨑由美子
玉野市立大崎小学校
校長
高田
玉野市立八浜保育園
園長
三宅眞理子
玉野市立八浜小学校
校長
牧野
恭
米美
( 平 成2 3 年度 )
-4-
2 読書に夢中になる保育園や小学校の創造を
( 1 ) 八浜保育園 の 取組
~ 豊 かな 心 を 育 む 絵本 の 読 み 聞 かせ ~
子ども達が最初に出会う絵本は、おとうさんやおかあさんに読んでも
らう絵本でしょう。子どもは本を読んでもらった時、その言葉や絵を通
してイメージを広げたりファンタジーな世界を楽しんだりします。そし
て、絵本を楽しむことで情緒が安定し、感動することにより子どもの心
が満たされ、より絵本が好きになり豊かな心を育むきっかけとなるでし
ょ う。
保育園では、絵本の読み聞かせの時間を大切にしています。少人数で
個 別に 関わ る 時間 を もっ たり 、集団 で 読ん だり と 子ど も 達が 絵本 に 触れ 、
絵本のおもしろさ、楽しさを感じられるような環境作りを工夫し取り組
ん でい ます 。
子ども達を見ていると絵本が大好きだということがよく分かり
ます。玄関の絵本コーナーからお気に入りの本を取り出し床に座り
込んで見入る子、何度も読んでもらった本を、一人でじっと眺めて
ページをめくり集中している子、機嫌が悪く怒ったり泣いたりして
いてもお話が始まると友だちの傍へ座りお話に聞き入る子等、一人
ひとりが絵本の世界に入り込んでいる姿が見られます。
1歳・2歳児が自分で選んで借りた
絵本を見ています
毎週の貸出絵本日が楽しみだね!
-5-
今年度より『おはなしひろば』と名付け、町野弘美さん(愛称:ひろみちゃ
ん)に絵本の読み聞かせボランティアで毎月来て頂いています。
乳児組と幼児組に分かれて、楽しいひと時を過ごしています。子ども達は、
毎回、いろいろな絵本との出会いや楽しさに引き込まれ“今度はいつ~!”
“ま
た来てね~!”と心待ちにしています。
「今日は、こんな絵本を持って来まし
たよ」とひろみちゃん。
家庭でも
家庭でもどんどん
でもどんどん読
どんどん読み聞かせをしましょう。
かせをしましょう。
-6-
( 2 ) 八浜小学校 の 取組
図書館入 り 口 の 掲示板
月毎に司書と図書委員会の子どもたちで、作り
替 え て い ま す 。『 図 書 館 は 楽 し く て 、 何 か お も し ろ
い発見があるところ』をイメージして、子どもた
ちの心を引きつける魅力的な掲示を目指していま
す。
入 り 口左 の 展示書架
季節にあった本・読み聞かせボランティア
の方が朝の読書の時間に読んでくださった本
を 展 示し て いま す 。
コーナーを作って、本を紹介したり、表紙
を 見せたりすることで、手に取ってもらえる
環 境 作 り をし て いま す 。
PTA の 方 々 より ステキ な プレゼント
平成20年度の保護者の方々が8つの展示用
本立てを作って下さいました。表紙を出して展
示することが出来て、子どもたちにも分かりや
す いの で 、借 り やす く なり ま した 。
図 書 館 だ け で な く 、「 手 元 に い つ も 本 が あ る
環境作り」を考えて、学級文庫・二階多目的ホ
ールの図書コーナーの整備・充実を進めていま
す。
ホッ と 落 ち 着 く 畳 コーナー
絵本 書 架の 前 に四 畳 半の 畳 を敷 き、丸 テ ーブ ル を置 き、
読 み聞 か せや 休 み時 間 の憩 い の場 に なっ て いま す 。
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図書委員会 の 取組
春 ・ 夏 の 二 回 の 読 書 週 間 に は 、 図 書 委 員会 が ク ラ
ス へ 読 み 聞 か せ ・ お す す め の 本 ス タ ン プ カー ド ・ 影
絵 の 上 演 ・ 読 書 郵 便 ・ し お り コ ン ク ー ル ・わ く わ く
読 書 ・ 読 書 ク イ ズ な ど 多 彩 な イ ベ ン ト を 考え 、 実 施
し てい ま す。
ファミリー 読書 の 子 どもたちの 感想
・家族と一緒に読むと楽しかった。会話がはずんだ。
朝 の 読書
・本を読んだ後に親子で感想を言い合ったりする事も、
「いいなぁ」と思った。
・ファミリー読書を通して、絵本のおもしろさを実感
した。
・テレビをつけないで静かな部屋で
読めたので、内容がよく分かった。
・本が好きになった。
・いつも仕事でいないお父さんとも、一緒に読め
みんなの202かいだてのいえ
て嬉しかった。
・ファミリー読書が終わってもまだまだ続けた
い。
・難しい漢字が出てきたけれど、おばあちゃんに
教えてもらって読んだ。とてもおもしろかった。
・1人で読むより、みんなで読んだら、
すごく楽しかった。
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読 み 聞 かせ ボランティア の 皆様 より
読 み 聞 か せ ボ ラ ン テ ィ ア に 参加 で き て 、 絵 本 を 選 ぶ 難し さ は あ
り ま す が 、 自 分 が 共 感 で き て 感動 し 、 好 き に な れ る 本 を選 ぶ よ う
に して い ます 。
絵 本 は 、 年 齢 や 立 場 を 越 え 、一 緒 に 楽 し め る も の だ と思 う の で
忙 し い 世 の 中 だ か ら こ そ 、( 保 護 者 の 皆 様 に は ) 少 し の 時 を 子 ど
も た ち と 過 ご し て ほ し い で す 。子 ど も 時 代 の 楽 し さ は 心に 残 る と
思 いま す。
( 山 本美 知 子様 )
読み聞かせボランティアをさせていただき、絵本のすばらしさおも
しろさ、そして、絵と文が同時に楽しめることを改めて強く感じまし
た。いろ い ろな ジ ャン ル の本 を 読む の も勉 強 にな り 楽し い こと で すが 、
ま ず 、 絵 本 か ら 。 感 動 し ま す よ 。( 笑 え ま す 。 泣 け ま す ) 書 店 、 図 書
館にあふれている本、是非一冊でも多く読まれることを、そして、子
どもさんたちに読んであげることをお願いします。決してむずかしい
ことではありません。忙しい日々の中、絵本を見ることで心が穏やか
に なり 癒 され ま す。
( 山 崎 かほ る 様)
本って不思議。控えめでひっそりと図書館や家の本棚に並ん
でいるのに、心のずっと残ったり、励まされたり、すばらしい
力を秘めています。この年になっても小さい頃に読んだ本、あ
るいは、読んでもらった本を時々思い出して、温かい気持ちに
な り ま す 。 子 ど も の 頃 お も ち ゃ は 滅 多 に 買 っ て も ら え ず 、「 本
な ら い く ら で も 買 っ て あ げ る よ 。」 と 言 わ れ 育 ち ま し た 。 子 ど
も 心 に 「 ○ ○ ち ゃ ん が も っ て い る 人 形 ほ し い な 。」 と 思 っ た も
の で す 。 でも 、 こ の 年 に な っ て 「 本を い っ ぱ い 与 え て も らっ て 良 か っ た ! 」 と思 い ます 。
皆さんも、本を読んで心の栄養、心の元気をもらってくださいネ。
(宮内秀美様)
読み聞かせのご縁をいただいて、月2回八浜小学校の皆さんと会
えることが私(マッコロおばちゃん)にとって、楽しみな時間とな
りました。目を輝かせて真剣に聞いてくれるので、元気勇気をいた
だ い てお り ます 。
お父さん、お母さん多忙な昨今ですが、是非一日10分でも読書
時間を共有してほしいと思います。読書は想像力がグ~ンと増しま
す 。人 生に お いて 、と って も 大切 だ と思 い ます 。( 長 谷井 ま つえ 様)
読み聞かせのボランティアをさせてもらって、改めて、語って
伝えるということは、喜びや悲しみ、また、言葉の温かさを子ど
もに伝える、大切な大人の役割だと思いました。これからも、物
語 に自 分 の思 い を託 し て、 語 って 行 きた い と思 い ます 。
(岩部美代子様)
-9-
私 が 小 さ い 頃 は 、 テ レビ も 白 黒 で ぐ ら い し か ない 時 代 で
娯 楽 と い う と 映 画 と 本 ぐ ら い し か な い 時 代 で し た。 そ の 分
絵 本 や 本 の 占 め る 割 合 は 高 く 桃 太 郎 や 一 寸 法 師 、カ チ カ チ
山 や サ ル カ ニ 合 戦 等 昔 話 な ど は 、 何 度 も 聞 か さ れて 耳 に タ
コ と い う 状 態 で し た 。 し か し 、 そ の 分 シ ン デ レ ラや 白 雪 姫
の お話 に 胸が わ くわ く し想 像 力を わ かせ た もの で した 。
今 子 ど も た ち は 、 テ レビ や D V D で 話 が 即 映 像と し て 入
っ て く る の で 、 想 像 力 を 働 か せ る こ と が 苦 手 な よう な 気 が
し て な り ませ ん 。 ハ リ ー ポ ッ タ ー の本 を 読 ん だ と き 挿 絵 が全 然 な い の で 、 い ろい ろ と場 面
や 登 場 人 物を 想 像 し て い た の で す が、 映 画 を 見 て 自 分 の 想像 と の 違 い に 愕 然 とし た 記憶 が
あります。
お 気に 入 り の 本 を 3 , 4 冊決 め て お 子 さ ん が 寝 る 前に ふ と ん の 中で 少 しず つ
で も 読 ん であ げ た ら と 思 い ま す 。 お話 を 聞 い て 、 想 像 の 世界 で 遊 ぶ 経 験 は き っと 子 ども さ
ん の 心 を 育て る 手 助 け に な る と 信 じて い ま す 。
( 藤原 仁 子様 )
「 本 を 読 ん で く れ た ら 寝 る ! 」 娘 が 小 学 校3 年 生 頃 ま
で は , 毎 晩 寝 る 前 に せ が ま れ て 絵 本 や 童 話 など の 本 を 一
緒 に 読 ん で い ま し た 。 仕 事 で 疲 れ た 日 な ど は「 自 分 で 読
ん だ ら ー 」 と , 自 分 の こ と や 家 事 を 優 先 し てし ま う こ と
も あ り , 今 に し て 思 え ば な ん て も っ た い な いこ と を し た
の か な と 思 い ま す 。 子 ど も と 一 緒 に 本 を 読 める な ん て 素
敵な 時 間は , あの 時 しか な かっ た ので す よ ね。
今 年 , 久し ぶ り に 読 み き か せ の 機会 を い た だ い て 絵 本 を手 に し た と き , あ の頃 の 温か い
気 持 ち が よみ が え り , な つ か し さ でい っ ぱ い に な り ま し た。 お 父 さ ん , お 母 さん , 今し か
味 わえ な い幸 せ なひ と とき を ,ぜ ひ お子 さ んと 一 緒に 大 切に 過 ごし て くだ さ いね 。
( 佐藤 綾 子様 )
小学生の頃「怪盗ルパン」の活躍にわくわくし,新し
い本が図書室に来るのが待ち遠しかったことを思い出し
ます。ことばの力を育むためには,幼少期から本に親し
み本を読んで心を揺り動かしたり,作品の世界に浸って
想 像の つ ばさ を 広げ る 体験 を 重ね る こと が 大切 で す。
保護者の皆様も積極的に本を読んで感想を話し合うな
ど して ,家 庭 での 会 話を 増 やし て みま せ んか ?「 子 ども は 大人 に より て 良き 社 会人 に なる 」
ですから。
( 浅野 文 美様 )
八 浜 小学 校 では 毎 週木 曜 日の 朝 8時 2 5分 か ら8 時 45 分 まで の 20 分 間を 朝 読書
の 時 間に 設 定し て いま す 。そ の うち 、 月2 回 は読 み 聞か せ ボラ ン ティ ア の方 々 が各 学
級に 入 って く ださ り 、読 み 聞か せ をし て くだ さ って い ます 。
大 型 絵本 を 使っ て 読み 聞 かせ を して く ださ っ たり 、 教材 提 示装 置 を使 っ てテ レ ビの
画 面 に映 し 出し た りと 工 夫を し て絵 本 のお も しろ さ を伝 え てく だ さっ て いま す 。子 ど
もた ち も楽 し みに し てい ま す。
- 10 -
3
子どもたちの読書を支える環境作り
(1 )
八浜市民 センター 図書室 の 紹介
身近 な と こ ろ に 図 書 室 があ る の は う れ し い も の です 。 市 立 図 書 館 ま で 行か な く ても 本
を 借り る こ と が で き ま す 。八 浜 市 民 セ ン タ ー の 図 書室 に は 、 八 浜 独 自 の 固定 本 の 他に 市
立 図書 館 か ら 回 っ て く る 本も 並 ん で い ま す 。 週 二 日は 貸 出 員 の 方 が 来 ら れて い ま す。 気
軽に 利 用で き ます 。
1
開館 日
毎 週火 ・ 水・ 木 曜日
1 3: 0 0~ 1 7: 0 0
2
蔵書 数
4 ,3 3 5冊
( うち 児 童書
3
1, 3 21 冊
)
利用 の 仕方
図 書室 で 読ん だ り、 調 べ物 を した り する こ とが で きま す 。
読 みた い 本を 借 りる こ とも で きま す 。
リ クエ ス トが あ れば 市 立図 書 館か ら 借り る こと が でき ま す。
家読(うちどく)を始めませんか
玉 野 市立 八 浜小 学 校
校長
牧野 米 美
人 は 、 自分 の 人 生 し か 生 き ら れな い が 、 読 書 の 中 で は 、作 品 を 通 し て た くさ ん の人 生
を 追体 験 す る 。 人 の 気 持 ち を思 い や る 心 や 想 像 力 はそ の 中 で 養 わ れ て い く もの な のだ ろ
う。
先日 あ る 心 理 学 者 の 文 章 を読 む 機 会 が あ っ た 。 最近 の 若 者 達 が 起 こ す 凶 悪犯 罪 につ い
て 評論 す る 文 章 だ っ た が 、 想像 力 の 欠 如 が 犯 罪 多 発の 一 因 だ と 述 べ て お ら れ、 妙 に納 得
し てし ま っ た 。 ど の よ う に 追い 詰 め ら れ た 状 況 に なっ て も 、 豊 か な 想 像 力 があ れ ば犯 罪
に つな が る こ と は な い 。 犯 罪を 犯 す こ と で 起 こ り うる 状 況 や 、 関 わ る 人 た ちの 辛 い気 持
ちが 容 易に 想 像で き るた め 、犯 罪 を犯 す 気に な れな い のだ と いう 。
パソ コ ン や ゲ ー ム 、 3 D 映像 が 見 え る テ レ ビ な ど、 子 ど も た ち を 取 り 巻 く状 況 は日 々
進 化し て い る 。 し か し 、 幼 い頃 か ら パ ソ コ ン や ゲ ーム ・ テ レ ビ と い っ た デ ジタ ル 映像 に
ど っぷ り つ か っ て 育 つ と 、 その 子 の 想 像 力 は 育 た ない だ ろ う 。 な ぜ な ら 、 活字 を 脳で 理
解 して 、 想 像 力 を 働 か せ イ メー ジ 化 し て 理 解 す る 過程 は デ ジ タ ル 映 像 で は 必要 が ない か
らだ 。
我が 子 を 真 に 人 間 と し て 育て る た め に は 、 活 字 文化 を 与 え て や り た い も ので あ る。 し
かし 、活 字 文化 の 世界 へ 我が 子 を取 り 戻す た めに は、親 と教 師 の協 力 体制 が 必要 で ある 。
う れし い こ と に 、 今 年 は 国 民読 書 年 だ 。 そ れ ぞ れ の家 庭 で テ レ ビ を 消 し て 、家 読 (う ち
どく ) のス タ ート を 切る に はふ さ わし い 年だ ろ う。
* 家 読 ( う ち ど く )・ ・ ・ 家 族 で 読 書 の 時 間 や 習 慣 を 共 有 し 、 読 ん だ 本 に つ い て 会 話 を
し まし ょ うと い う取 組
- 11 -
一年生必読図書
二年生必読図書
ほ ん のな ま え
1あ い うえ お うさ ま
ほん の なま え
てら む らて る お
1足 は なん ぼ ん?
2あめがふる ときちょうち ょはどこへ
ゲアリック
2 ア ンナの赤いオ ーバー
3お め でと う がい っ ぱい
神沢 利 子
3う み をあ げ るよ
4か さ どろ ぼ う
ウェ ッ タシ ン ハ
5か に むか し
木下 順 二
仮 倉聖 宣
ジ ィ-フェルト
や まし た はる お
4 王 さまと九人の きょうだい
5お し いれ の ぼう け ん
ふる た たる ひ
6ガラスめだ まときんのつ ののヤギ 白ロ シア民話
6お ば あさ ん のひ こ うき
7か わ
7く さ いろ の マフ ラ ー
8き い ろい ば けつ
加古 里 子
もり や まみ や こ
9こ ん とあ き
林
10 三 びき の こぶ た
11 1 4ひ き のお つ きみ
イ ギリ ス 昔話
い わ むら か ずお
12 ずーっ とずっとだい すきだよ
13 ち から た ろう
明子
ウイ ルヘルム
い ま えよ し とも
14 ち びね こ ミッ シ ェル
15 ね ずみ の すも う
16 は ちう え はぼ く にま わ せて
東 君平
君島久子
佐 藤 さと る
後 藤竜 二
8 こんこんさまにさしあげそうろう
9 さ っちゃんのま ほうのて
10
森 はな
た ばたせいいち
ざりがにのおおさままっからん おおともやすお
11 し ま ふく ろ う
山 本純 郎
12 じめ んのうえとじ めんのした
ウ ェバ ー
13 十 二 支の は じま り
14 ス イ ミー
谷真 介
レオ ・ レオ ニ
大 川 悦生
15 ち い さい お うち
バ ート ン
ジ オン
16 月 夜 のみ み ずく
ヨ ーレ ン
17 は はは の はな し
加 古 里子
18 ピ ータ ー のい す
キ ーツ
19 ぶ な森 の キッ キ
今 村 葦子
17
トビウオのぼうやはびょうきです
18 ど ん どん の びる 草
19 ばあ ちゃんのなつ やすみ
い ぬい と みこ
村 山 幸三 郎
梅田俊 作/佳子
20 ふんふ んなんだかい いにおい に しま きかやこ
20 ふ た りは と もだ ち
ロ ーベ ル
21 ぼ くは 一 ねん せ いだ ぞ
21 や ま んば の にし き
ま つた に みよ こ
22 虫 のひ げ
23 ろ くべ え まっ て ろよ
24 き つね や まの よ めい り
ふ くだ い わお
高 塚 博成
灰谷 健 次郎
わ かや ま けん
- 12 -
22 先 生 のお と おり だ い
中野 み ち子
三年生必読図書
四年生必読図書
ほん の なま え
ほん の なま え
1雨 の にお い 星の 声
赤 座憲 久
1 糸 で 生き る 虫た ち
2あ め んぼ が とん だ
高 家博 成
2
3あ ら し
ポ ー ラン ド
松 山史 郎
火よう日のごちそうはひきがえる
3 が ん ばれ ヘ ンリ ー くん
エリク ソン
クリ ア リー
4エ ル マー の ぼう け ん
ガ ネッ ト
4 が ん ばれ ! 盲導 犬 サー ブ
5オ イ ノ島 が きえ る
三 谷亮 子
5 く ま のパ デ ィン ト ン
ボン ド
6お こ りじ ぞ う
山 口勇 子
6 車 の いろ は 空の い ろ
あま ん きみ こ
7お じ いち ゃ んの ま ち
8 お ば あち ゃ んの す てき な おく り も の
9キ ャ ベツ 畑 で夢 を みた
10 くじ ら の 歌声
11 さ んね ん 峠
手 島悠 介
野村 た かあ き
7
スティーブンズ
8
龍 の子 太 郎
松 谷 みよ こ
最 上一 平
9
だ れも し らな い
灰 谷 健次 郎
シ ェル ダ ン
雑草のくらし;あき地の5年間
10 ち びっ こ カム の ぼう け ん
李錦玉
甲斐 伸 枝
神 沢利 子
11 ながい ながいペンギ ンの話 いぬいとみこ
12 小 さな ス プー ン おば さ ん ブリ ョイセン
12 長 くつ 下 のピ ッ ピ
13 ち いち ゃ んの か げお く り あま んきみこ
13 2 本足 と 4本 足
香 原志 勢
14 て んぷ ら ぴり ぴ り
14 ひ との か らだ
毛 利子 来
15 1人 でもやるぞ! と旅に出た
木村 研
16 ぼ くっ て だれ
依 田省 吾
15 に おい 山 脈
16 猫 は生 き てい る
17 ぼ くの じ しん え にっ き
ま どみ ち お
椋鳩十
早 乙女 勝 元
八起 正 道
リ ンド グ レー ン
17 マザ ー・グースの 歌第 1 集 谷川俊 太郎
18 ほ しに な った り ゅう の きば 君島 久 子
18 ゆ めみ る トラ ン ク
安 房直 子
19 夕 やけ 色 のト ン ネル で
19 わ すれ る もん か !
佐 藤州 男
北原 宗 積
20 ゆ きと ト ナカ イ のう た ハ グブリング
21 ロ ミラ の ゆめ
22 恐 竜に あ いに い こう
金田 卓 也
アリ キ
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五年生必読図書
六年生必読図書
本 の 名前
1 あ なた が うま れ るま で
本 の 名前
北 沢杏 子
1大 き な木 下 で
ベス
2 い くじ な し
カ ー リッ ク
2お ど る牛
川 重 茂子
3 大 きな 森 の小 さ な家
ワ イ ルダ ー
3 蚊 も 時計 を 持っ て いる
千 葉 義彦
4 子 犬の 裁 判は じ めま す
今 関信 子
4 キ ュ リー 夫 人
5 白 旗の 少 女
比 嘉富 子
5 き ん いろ の 木
6 新 ちゃ ん がな い た
佐 藤州 男
6 ジ ャ ング ル の少 年
7 生 物の 消 えた 島
大 谷 美和 子
セケ リ
7 少 年 の海
横 山充 男
8 だ れも 知 らな い 小さ な 国 佐 藤 さと る
8 た た かい の 人; 田 中正 造
田 中正 造
9 津 波も の がた り
9 二 分 間の 冒 険
岡田
10 ど きん
11 飛 びた て シマ フ クロ ウ
12 ドリト ル先 生アフリカ ゆき
13 に じ色 の ガラ ス びん
田 川 日出 夫
ソ ーン
山 下文 男
灰 谷健 次 郎
高田
淳
10 橋を かける;川と 水とくらし 大竹三郎
勝
11 走 り ぬけ て 、風
12 は な はな み んみ 物 語
ロフティング
ビグ マ ル
伊 沢 由美 子
わた り むつ こ
13 ひと りぼっちのロ ビンフッド
飯田栄彦
14 灰 色や し きの ネ ズミ た ち フ ェア マ ン
14 風 雲 祖谷 の かず ら 橋
原 田一 美
15
15 ふ た つの 家 のち え 子
今 村葦 子
パパさんの庭;洋平バンクーバー日記 三輪裕子
16 ふ くろ う のい る 教室
国松 俊 英
16 ふ た りの 星
ロ ーリ ー
17 ぼ くら の 地図 旅 行
那須 正 幹
17 ぼ く たち の 宝島
ア ドラ ー
18 魔 術 師の く だも の づく り
岡 本文 良
19 床 下 の小 人 たち
ノ ート ン
18 マ ヤの 一 生
椋鳩十
19 ル ドル フ とイ ッ パイ ア ッテ ナ 斉 藤 洋
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( 2 ) 家庭 での 読書 の 取組 ( 家読 )
家族の絆をとりもどす
家読を始めよう!
家 読 は 、「 家 庭 読 書 」 の 略 語 で 、「 家 族 ふ れ あ い 読 書 」 を 意 味 し て い ま す 。 最 近 、 子 ど
も の い じ めや 自 殺 と い っ た 心 の 問 題は 、 忙 し す ぎ る 親 の 生活 や 、 家 族 の 会 話 やコ ミ ュニ ケ
ー シ ョ ン の不 足 が 深 く 影 響 し て い ると い わ れ て い ま す 。 また 、 子 ど も だ け で なく 大 人の 読
書 不足 と も因 果 関係 が ある と もい わ れて い ます 。
こ の よ うな 社 会 背 景 を 踏 ま え 、 家族 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン を 図 る 一 つ の 手 段と し て「 家
読 」 が と て も 効 果 的 で す 。「 家 読 ( う ち ど く )」 は 自 由 な 読 書 で す 。 ど ん な や り 方 で も O
K 。 で も 、「 ど ん な や り 方 が い い か な ? 」 と 迷 っ た ら 、 こ こ に 書 い て あ る こ と を 参 考 に し
て み ま し ょう 。 家 族 で ル ー ル を 決 めて 、 と に か く み ん な で始 め ま し ょ う 。 き っと い ろん な
発 見が あ るは ず です 。
家読マニュアル
1
家庭で話し合って「家読の日」を決めよう。
2
我が家の家読スタイルを話し合って決めよう。
3
家族で話し合って読む本を決めよう。
4
ノーテレビ・ノーゲームで家読しよう。
5
年齢にあったスキンシップをとりながら
家読をしよう。
6
我が家の家読の記録を残そう。
7
家族の読書体験を語ろう。
8
家庭文庫を作ろう。
9
図書館に行こうデーをつくろう。
10 家読の輪を広げよう。
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