選挙研究会ニュースレター

@選挙研究会 会員向け
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Vol.123
発行日:2016/07/07
@選挙研究会ニュースレター
ハイライト
・舛添前都知事のニュースが加熱した本当の理由
【発行元】選挙用品ドットコム 編集:河合
・テレビ放映の露出度は視聴者の関心の高さに比例する
横浜市神奈川区台町 16‐6 不二ビル 3F
TEL 045-314-2840 ・政治家には攻め以上に守りが必要
E-mail [email protected]
舛添知事問題でアクセス集中
都議会ネット中継が初ダウン
舛
添
氏
公
私
混
同
疑
惑
政治資金支出問題に
﹁怒りの声が2万5000件﹂
2016年6月のニュースはテレビ、新聞、雑誌、
インターネットそこかしこのメディアで舛添前東京
都知事の公費問題がニュースになりました。公用車
の私的利用に端を発し、次々と判明する公金流用疑
惑・・・メディアは一斉にこのニュースを報じました。
結局、知事の辞任で詳細はお蔵入りという結末に
なったわけですが、しかし、現実には、連日、朝か
ら晩までどのメディアも一斉に舛添前知事の資金使
途をテーマにメディアをにぎわせたのです。首都東
京とはいえ、いち地方政治家の資金使途にそれほど
のニュース性があったのか、冷静に振り返ると疑問
が残ります。しかし、なぜここまで報道が過熱した
のか…?参議院選挙を前に、小さな嘘を暴露して、
大きな嘘を覆い隠すという側面もあったのかもしれ
ません。そこにはある明確な理由が存在するのです。
時を同じくして、6月と言えば、参院選挙の準備で
弊社にも TV 等含むマスコミの方の出入りが多いタ
イミングで、都知事の資金問題のニュースについて、
ある民放のマスコミの方は「“都知事の資金問題は
数字(視聴率)が取れる”から流さざるを得ない。
私もそんなに大きな問題ではないと認識するが数字
が取れるし、うちがやらないと他局に数字が流れて
しまうから……」とコメントしていました。
﹁最後まで大人げない﹂
舛添氏に冷ややかな声
■舛添前都知事のニュースが加熱した本当の理由
実際にある民放 TV 局では、都知事の資金問題を放
送しなくなったら数字が一気に落ちて、あわてて報
道を戻し集中放映した……というエピソードもある
ほどです。良し悪しに関係なく、視聴者は“異性や
お金のスキャンダルと言うニュースが好き”な傾向
は否めません。
■テレビ放映の露出度は視聴者の関心の高さに比例する
繰り返しになりますが、首都東京とはいえ、いち地
方政治家の資金使途にそれほどのニュース性があっ
たのか?あそこまで加熱して連日放送される必要が
あるほどのニュースだったのか?は冷静に振り返れ
ば振り返るほど疑問であり、その幕切れが象徴する
ようにひょっとすると他愛の無い事件だったのかも
しれません。それでもやはり、テレビ局側の視聴率
至上主義という都合で、ひとつの局が報道して視聴
率がとれると他局も競い合うように報道するという
ループで露出が増幅されるのです(弊社にも多くの
メディアから政治家とお金についての質問、問合せ
が相次ぎました)。
この一連の加熱したニュースや昨今の政治家がらみ
のニュースから見えることは、「国会議員や地方議
員といった政治家のお金の使い道に、国民、視聴者
が並々ならぬ関心を持っていて、ひとたび、マスコ
ミがターゲットにすると一気に加熱して数字の取れ
るニュースにすることができる」と言う事実です。
国政議員はもとより地方議員の個人資金や後援会な
どの政治資金、また政務調査費などの公金の使途に
まで国民、市民の関心の高さが伺え、それを報道す
れば数字が取れることを知っているマスコミ……お
茶の間のニュースに政治家のお金の疑惑はとても良
いネタを提供することになってしまいます。実際、
都知事の問題の後では、議会の出張費に影響をうけ
たという声も聞いています。当然、各地方の議会も
同じように出張などの制限は、その中身にかかわら
ず皆が否定的になり、本来の政務活動・調査業務に
多大な悪影響を与えていると言えます。
■「なぜ視聴者は関心を寄せたのか?」から私たちは何を学ぶべきか
なぜここまで政治家の資金使途が加熱するほどの
ニュースになったのかの理由を理解するには、この
報道に関心を寄せた市民、国民の共通の感情を理解
する必要があります。その共通の感情を一言で表現
すると「みんなで集めたお金で一人だけ良い思いを
している」。つまり、「公金というみんなのお金で自
分だけ良い思いをしてずるい、許せない……」とい
う感情が人々の関心の源泉となっているのです。政
治家が給料をもらうのは当然です。
選挙では公的な資金を使うことも許可されていま
す。しかし、舛添氏は公金で良い思いをしたのがず
るいという感情にひもづいて、マスコミという装置
でさらし者にされる罰を追い、視聴者はその罰は当
然の報いであり、結果辞任に追い込まれるのも当然
だ。と深層心理は語っているのではないでしょう
か?前知事の公金の使途説明もそのような視聴者の
感情を理解せず、そのような視聴者の怒りの感情に
向きあえていない内容だったからこそ、不調に終
わったのだと思います。PR や攻めに強い政治家は
たくさんいますが、こういうダメージコントロール
や守りの対応を得意とする政治家はなかなかいませ
ん。前知事の攻撃に対する防御も稚拙なもの以上に、
完全な戦略ミスで沈静化の機会を生かせなかったと
いわざるを得ません。
■政治家には攻め以上に守りが必要
政治家の“守り”と言われると、メディア対応だっ
たり、選挙での合法違法を含んだ攻撃に対する防御
だったりを指します。選挙 PR というと攻めだけの
ものと言われがちですが、選挙用品ドットコムでは
守りを重要視しています。メディア対応でどういう
ことを言うべきで、絶対に言ってはならないキー
ワードはこれ。と攻撃された場合、マスコミの沈静
化を狙う戦略を構築することは必要なことです。逆
に多くの政治家がこの点に無策で無謀な記者会見が
多いことをいつも残念に思います。また、守りと言
う意味では、今回、資金使途疑惑がなぜ発覚したの
か?誰が、何の目的で?とその発端は迷宮入りして
おります。しかし、ネット等の情報を鵜呑みにする
ことはできませんが、使途に業を煮やした側近の行
動による、内部からのリークだったとインターネッ
トでは言われています。身内・側近しか知りえない
内容であることなどがその理由とされていますが、
ここから学ぶべきことは、身内・側近に造反者がい
つ出ても大丈夫なように普段、心がけ、そして実践
する必要があります。多くの難攻不落を誇った要塞
が滅びるときは、外からの攻撃ではなく中からの攻
撃によってもろく崩れ去るものです。身内・側近な
ればこそ「このくらいは分かってほしい……」とつ
い甘えてしまうものですが、表面上のリアクション
はさておき、身内・側近がそれを良く思っているか
どうかは別の話です。側近・身内に恨まれる、嫉妬
されるなどがある行動をとってはいないだろうか?
今一度自身の行いを考えることが、守りに強い政治
家の一歩です。政治家は名誉職であり、まぶしい仕
事です。同じ釜の飯を食ったチームでも候補者一人
だけは最後、バッチをもらい、地元の要職に叙せら
れるのですが、他のメンバーは基本的に解散か、私
的な秘書になる方法しかありません。あなたの成功
をうらやましく思われることもねたまれることも理
解しなくてはなりません。また、政治家になった場
合は、給与の他に政務調査費などの公金も自らの裁
量で使えることになります。公金はみんなのお金で
す。当然、モラルをもった資金使途をすべきと言う
価値観が一般的です。「資金使途にモラルが見えな
いんじゃないの?」というような今回の前東京都知
事の使途疑惑は、多くの関心を持っており、あなた
の自治体であれば市民オンブズマンの目線を意識し
なければなりません。ただでさえ嫉妬されやすい職
責に加え、みんなのお金を私的に利用で一人だけ良
い思いしている……と見えるような行動は必要以上
に気をつけなければなりませんし、常にそう見られ
る可能性を考えながら慎重に見え方を考えなければ
いけません。政治家の守りの基本は外からの攻撃に
備えると考えるだけでは足りません。内側の敵にも
注意が必要です。外を見る以上に内側に気を配る。
“リークされるようなことはしない”では足りず嫉
妬を招くように見えることは控えると言うことをし
ましょう。身内といっても選挙の中では特に情報漏
えいはおこりやすいです。それは選挙のチームは急
造で寄せ集めのチームであり、親友から関係の薄い
人までが一枚岩になって候補者の当選を支えると言
う目的を持ったプロジェクトチームだからです。い
ろいろな人が混じるのは仕方の無い状況だといえま
す。嫉妬やねたみも普段は影を潜めています。しか
し、お金の使い道などスキャンダルになりそうな事
案では、一気に表面化して気付けば全員が敵!?と
いう状況になりかねません。つまらない事でつまず
いてしまうとみなさんの志もくじかれてしまいま
す。政治家として防御の重要性、まずは身内に嫉妬
されない。特に、お金を使うときはよくよく注意し
なければなりません。そして、本当に怖いのは市民
オンブズマンやマスコミなどではなく、身内・側近
と言う内側の味方に気を抜かないようにしなければ
なりません。今日はちょっとネガティブな話になり
ましたが、攻め以上に重要な守りの話をすることが
できました。一読いただき、この機会に気をつけよ
うというきっかけになりましたら幸いです。
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