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2008
7月号
印刷版
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全国農業機械化研修連絡協議会
総会と研究会を開催
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本会が事務局を務める全国農業機械化研修連絡協議会(佐久間孝会長)は6月 26 日、都内の馬事畜産会
館で第 41 回通常総会を開催し、19 年度の事業報告や 20 年度の事業計画を決めるとともに、新役員を決定。
また、総会終了後は農業機械化研修担当者研究会が開かれ、
「農業大学校における乗用トラクター研修の事
例紹介」
(群馬県立農林大学校就農支援係長・毛利弘氏)と「機械化研修に関連する通達等の解説」
(本会専
務理事・松本訓正)が行われた。
研修を進め人材輩出を
総会では最初に佐久間会長が挨拶。「農業行政
は大変厳しい中ではあるが、意欲ある農業者の育
成や、農作業事故の防止など研修部門が担ってい
る課題は大変意義のあるものと考えている。一方
でいろいろな悩みを抱えている県も多いと思う。
また、燃料の高騰により、燃料費の増大、予算的
にも厳しい時代となってきている。このように大
きな課題があるが、全国研修協として各県の研修
業務が今後とも円滑に実施できるよう、お互いに
知恵を出し合って検討していくことが重要だと
考えている。この総会を期に、研修業務が活発に
行われ、研修機関から我が国の農業を支える人材
がこれまで以上に多く養成され、輩出できるよう
願っている」と述べた。
また、来賓として、農林水産省生産局・資材対
策室の町口課長補佐が祝辞。「我が国の農業に対
して、これまでとは違ったベクトルがかかってき
ている。その1つは、国際的な穀物価格の上昇、
2つ目は原油の高騰、3つ目は飼料・肥料など資
材価格の上昇である。これらの、我が国農業への
影響を最小限にしていく対策が求められている。
-1-
また、引き続き担い手の育成確保、生産コストの
縮減、農産物の高品質化等を通じて、我が国農業
の体質強化を図るという重要な課題もある。そう
いった中で農業機械については、魅力ある農業を
築く重要な役割を担っている。このため、20 年度
から新たな緊プロ事業で 11 機種を開発するとと
もに、農作業安全の確保に向けた事故実態の把握
や、機能を絞った低価格農業機械の供給や効率的
な利用を進めることにしている。機械化研修につ
いては、新たに開発された緊プロ機の迅速な普及、
あるいはオペレータの集落営農等への配置、現場
における農作業の安全確保を進めていく上で非
常に重要である。国としては緊プロ機をベースと
した基礎技術導入研修や農作業安全研修の内容
の充実を図っており、参加をお願いしたい。この
協議会が今一度、設立された原点に戻っていただ
き、活動を活発化していただきたい。また、農業
機械士の県組織に対しても、バックアップをお願
いしたい」と語った。
農業技術研修館の井川館長は、「県の皆さんと
は連携を図っており、国と都道府県が役割分担を
しながら、効果的な研修をしていかなくてはなら
ないと思っている。協議会のブロック会議に参加
させていただき、意見交換や研修の紹介をさせて
もらっている。国の研修機関としては、2つを重
点にしている。1つは、農作業事故の死亡者が 400
人前後いるということが続いているので、農作業
安全、特に農業機械に関わる安全作業、安全操作
ということを重点においた研修を昨年から拡充
した。2日程度と参加しやすくしており、是非皆
様方の参加をお願いしたい。2つ目は、新たな機
械化体系技術の普及である。国と県の研修機関両
者が相まって、農業機械化に関する効果的な研修
ができるということで、これからもお互いに切磋
琢磨し、推進に当たっていただきたい」と述べた。
表彰状
▽三木秀雄氏(北海道農業開発公社講師)
▽吉田敏政氏(神奈川県環境農政部農業振興課技幹)
▽神田昇一氏(大分県立農業大学校研修部技師)
感謝状
▽田中力夫氏(北海道農業開発公社講師)
▽中井譲氏(滋賀県高島県事務所農産普及課副主幹)
20 年度事業は研修テキストの作成など
引き続き佐久間会長を議長に議事に入り、19 年
度事業報告並びに収支決算、20 年度事業計画並び
に収支予算案など一連の議案を可決した。
20 年度の事業計画としては、第 35 回農業機械化
技能者養成関係功労者表彰の実施、農業機械化研
修担当者研究会の開催、農業機械士組織育成対策
の推進、農業機械利用技能者の養成、研修用テキ
ストの改定検討、農作業安全ポスターの企画、ブ
ロック会議の開催などを行う。特に重点事項とし
て、[1]研修教材等の充実(テキストの作成)
、[2]
道府県研修体制維持強化のための取組み、[3]研修
協議会の運営に関する検討―を行う。
また、20 年度の役員選出が行われ、新会長に岡
山健夫氏(奈良県農業大学校農業機械化研修所校
長)が就任した。
新役員は次の各氏(敬称略)。
会長
岡山健夫(奈良県農業大学校農業機械化研修所校長)
副会長
福田昭二郎(山口県立農業大学校校長)
米良弥 (宮崎県立農業大学校校長)
高橋正和(千葉県農業大学校校長)
理事
岩橋博幸(青森県営農大学校校長)
里村孝一(新潟県農業大学校校長)
和仁外雄(岐阜県農業大学校校長)
松本訓正(事務局長、本会専務理事)
監事
田村万
農業機械化技能者養成関係功労者を表彰
次いで、第 35 回農業機械化技能者養成関係功
労者表彰が行われた。今回の表彰者は次の各氏。
(福島県立農業総合センター農業短期大学校校長)
橋本和博(群馬県立農林大学校校長)
特別表彰状
▽中川清志氏
(滋賀県農業技術振興センター農業大学校技術員)
▽高橋実氏(山形県最上総合支庁農林業務員)
-2-
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全国農業機械化研修連絡協議会・研究会
「農業大学校における乗用トラクター研修の事例紹介」
群馬県立農林大学校就農支援係長 毛利 弘氏
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3種類の農業機械研修を行う
が7回、牽引が2回、限定解除が4回ですが、
群馬県は研修部就農支援係となっていますが、
限定解除はトラクター基礎研修と一緒に行って
一部一係です。平成 16 年までは、農業の就農支
います。
援をする、農業研修をする課と機械研修をする
研修日数は基礎研修が 10 日、牽引が 10 日、
課と2課あったのですが、組織整備があり、1
限定解除が7日です。定員は基礎研修が 15 名、
グループという形になって、農業研修も機械研
牽引が 20 名、限定解除は5名です。以前は 15
修も同じグループになりました。
名でしたが、コースの研修車両が一杯になって
この就農支援係で、農業機械を担当する職員
大変なことがありましたので大型特殊自動車の
は、専任担当職員が2名います。農業研修と機
限定解除については、5名と大幅に減らしてい
械の両方を所管しており、実際に機械を動いた
ます。また、限定解除研修については農業機械
りしますので、定員の関係もあって、どうして
士に限っています。
も3名、特に運転操作に関する研修には3名必
使用するトラクターは5台、限定解除に使う
要ということもあって私がそちらを兼任してい
ショベルが2台あります。それから牽引に使う
ます。ですから、実質2名半となっています。
トレーラーが3台あります。
もう1人、嘱託職員、嘱託教師という名前で農
ヰセキ、フォード、マッセイ・ファーガソン、
業機械の全般の保守・点検を見る職員がいます。
三菱、インターナショナルの5機種を使ってい
それを含めると、3.5 名でやっています。
ます。インターナショナルが一番古く、人数が
群馬県の農林大学校における農業機械研修に
多くて5台使うときには使っていますが、通常
ついて、免許取得に限って紹介しますと、大型
は使っていません。
トラクターの基礎研修と、大型トラクター牽引、
それから、大型特殊自動車(農耕車)の限定解
学生対象の基礎研修
除の3種類をやっています。
大型トラクター基礎研修は、農林大学校の学
生を対象に、共通専門科目の農業機械論という
位置付けでトラクター研修をやっています。こ
の科目は4単位 60 時間で、この中で学生は免許
を取るというかたちです。
農業機械論は、まず4月に、全員で合同開校
式をします。この時、開校式の後に全員、農業
機械論を取る学生を集めて、農業機械安全です
とか、道路交通法等の説明の授業をします。そ
れから、集中講義をし、次に、班別で大型トラ
クターの基礎研修を行います。ここで免許を取
得するのですが、大体 15 名ぐらいずつ4班にし
て班ごとに研修をします。
試験は、出張試験をお願いしており、年間9
回出張試験をしています。トラクター基礎研修
-3-
この中の集中講義は、7月 17 日に農業機械の
構造、機能、エンジン、トラクターの基礎知識、
こういった講義を集中して行います。
最後に作業機研修をします。実際に作業機を
扱えなければ、大型トラクターの免許を取った
意味がありませんので研修するのですが、これ
は 10 月中頃、ロータリーの着脱、畑での実習を
します。
農林大学校は、平成 19 年から、森林環境学科
と農業経営学科と2つに分かれました。農業経
営学科は、従来の、農業をやるという学生が入
ってくる、そういったカリキュラムが組まれて
いますが、森林環境学科はどちらかというと農
業関係に就職を希望するような学生が入ってき
ます。農林大学校といっても 100%就農するわ
けではなく、就職の専門学校のひとつとして考
えている学生がいます。そういった学生が森林
環境学科に来るのですが、農業機械の扱いも、
今後使う比重が違うということもありますので、
作業機研修は、農業をやろうという学生、ある
いは農業機械のメーカーなどに就職を希望する
学生に比重をおいて研修するようにしています。
以降はひたすら、その練習をするということに
なります。
翌週に入って、模擬試験をします。本番と同
じような形で、緊張しますので、緊張に慣れる
という意味と、農業機械論というコースの中に
あるので、成績の評価をしなくてはならないの
で、模擬試験という形でやっています。
6日目に模擬試験の1コース、7日目に2コ
ースをやります。8日目は試験の結果を踏まえ
て、また練習に戻ります。模擬試験で指摘され
たことを直す意味も含めて、8日目は実習。9
日目に最後の本試験といっていますが、1 コー
ス1回、2コース1回、改めて試験します。試
験というのは本番同様にやってみるということ
です。そして受験手続きをして、最終日に試験
と閉講式となっています。
終わりの時間が4時 15 分となっていますが、
実際には、例えば 15 名で受けるとすると、3台
使います。そうすると1台5名になりますので、
半日だと、コースを覚えても4、5回しか乗れ
ません。慣れない学生がいると進み具合も遅く
なりますので、時には5時半、遅いときには6
時ぐらいまでかかることになります。ですから
通常のカリキュラムとは違う時間帯でやってい
ます。
10 日間で免許を取得
学生を対象とした大型トラクターの基礎研修
は、10 日間の日程で行っています。時間は午後
1時から4時 15 分です。研修経費として 5000
円もらっています。この 5000 円は、公安委員会
に出す免許の申請料とか、免許の取得費の実費
です。
研修日程ですが、まず、初日に開講式をしま
す。その後適性検査で、本人の視力をあらかじ
め測ります。視力が出ない者は、最終日までに
直してくるように伝えます。それが終わった後
に基本ということで前後進をします。
2日目も基本で方向変換をします。3日目も
基本で、外周走行です、外周、内周の走行の練
習をします。4日目から、応用として、総合コ
ースになります。群馬県では、1コース、2コ
ースを設けており、これが試験のコースになる
のですけれども、そのコースの説明をして4日
細かくポイントを示す
研修の様子を紹介しますと、開講式と視力検
査が終わった後にすぐ、現場に行きまして、使
うトラクターの操作の説明をします。5台あり
ますが、全部メーカーが違いますので5台それ
ぞれについて説明することになります。
それから、仕業点検の説明、これも、エンジ
ンオイルを確認する場所とか、冷却水の確認を
する場所とか、直接目視しないと分からないと
ころ、あるいはゲージで分かるところと色々あ
りますので、これを説明します。トラクターの
ギアポジションについてもトラクターごとに、
ギアの変え方、主変速、副変速、どういうギア
配置になっていて研修中は何番のギアを使うか
を紙に書いてパウチがしてあり、これを全員に
渡して、覚えてもらいます。覚えないと乗車の
手順とか、ギアが間違っているか、合っている
かなかなか分からないからです。
基本の前後進では、路上に出た教官が操作を
詳しく説明します。乗車の仕方、発進の仕方、
停車の仕方、降車の仕方、及び前後進の手順を
説明して、この後すぐ学生にやってもらうとい
うことになります。
操作の手順を書いた紙があり、それを覚える
ように渡しています。
方向変換は、同じように乗車の手順から始ま
-4-
ります。前後の確認、乗車の手順を踏んで、安
全確認して、ポケットへの出し入れをします。
これまででは乗車の手順を覚えることと、半ク
ラッチを覚えることが主眼になります。
トラクターは一般乗用車のようにカーブを切
ってハンドルを放せばまた戻るというものでは
ありませんので、コーナーを切った後には、し
っかり戻さないとふらついたりする原因になり
ます。学生の中には、ハンドルを切って切り戻
すことがなかなかできない学生もいます。その
練習もします。
2日目は外周、内周の走行の説明になります。
前後進は3回ぐらい、ポケットの出し入れも3
回くらいやって、内周、外周に入ります。現場
教室に行って、まず図面で使う記号の説明を 30
分ぐらいして、外に出て、職員が内周走行、外
周走行のやり方を実際に乗って模範をみせます。
どこでウィンカーを出すとか、どこで安全確
認するとか、コーナーの速度はどれくらいかと
か、わかってもらうために実際に乗ってみせま
す。その後分かれて練習します。
マニュアルは学生には配りませんが、用意し
てあり、これに基づき、ハンドル操作、外周の
場合はコーナーが大きいので持ちかえなくても
いいとか、内周はアールがきついので持ちかえ
なさいとか、アクセル操作は直線の時はどれど
れを踏みなさいとか、コーナーの手前のどれく
らいでアクセルを緩めて、一定の速度でコーナ
ーを抜けなさいとかそういったことをいいます。
キープレフトといいますが、具体的には路肩か
ら 70cm を走りなさいというような数字をあげ
てやっています。
3日目の前半は、内周外周を練習します。こ
こでしっかり直線のスピードが出せるようにな
らないと総合コースに入っても難しいので、こ
こでしっかり練習をさせます。それからハンド
ル操作も持ちかえるということもなかなか難し
いようです。ウィンカーも入れたら車のように
自動的に戻りませんので、入れたら手で戻さな
くてはいけません。ハンドルで切ったときに手
が片方空いたときにウィンカーを操作しなさい
といっているのですが、それがなかなかハンド
ルが切れないとウィンカーが出せないんですね、
そんなこともあってハンドル操作の練習もさせ
ています。
説明を書き取らせてチェック
3日目の後半は、総合コースの説明になりま
す。現場教習に行って、スライドを使って説明
します。右、左折、徐行方向指示器の操作や、
どういったことをするんですよということを説
明して、実際の練習コースの説明をします。
細かい説明を、スライドでは紹介しますが、
印刷したものは渡しません。コース上にそれぞ
れの操作が書いてあります。右左折の場合は徐
行でしなさい、トラクターで徐行はどういうこ
とかというとアクセルから足を離した状態をい
います。そんなことも書いてあります。
学生に説明して書き取らせます。全部口でし
ゃべって学生に書き込ませるようなかっこうを
しています。初日は、書いたものを指導者が見
て、ちゃんと書き写されているかどうかをチェ
ックしています。
4日目はいよいよ実際に乗るという格好にな
ります。最初に指導員が乗って走ってみせます。
一番見通しの利く真ん中に学生が集まって、ど
んなふうに、右に寄る、左に寄るのはどんな感
じかとか、ウィンカーを出すのはどの辺かとか、
どの辺でアクセルを緩めるとか、この信号を過
ぎたら後ろを見るとか、こういった植込みが来
たら、右を見るとか、そうしたことを実際にや
ってみせます。そして、実際に学生に乗ってや
らせます。無線で、監視塔から見ながら指示を
します。
5日目は、1コース、2コースを説明して乗
りましたので、後はひたすら自分たちで練習す
るということになります。監視塔から私も含め
-5-
て3名で対応しています。コースはなかなか図
面だけでは覚えられませんので実際にコースを
歩いてもらっています。
2週間目に入って、模擬試験になります。指
導員の指示に従い本試験と同様に模擬試験をし
ます。終わったら監視塔に上ってきてもらって、
図面上に学生が間違った箇所、うまくいった箇
所を示して、個別に指導します。
7日目は2コースについて同様な形で行いま
す。
8日目はできないところの総合練習をします。
9日目は本試験という名前で呼んでいます。
この日は、練習をやった1コース、2コースそ
れぞれ1回ずつ、当日の試験と同じようなスタ
イルでやります。本試験同様に、監視塔からの
外部スピーカーだけで、乗車、発車といった簡
単な指示だけで、間違えてもそのままにして、
というような格好で本試験同様の試験をやりま
す。
験が受からなくて、当日試験が受けられないと
いう学生は過去に1名ほどいたということです
が、ほとんどいません。終わった後に2週間の
現場研修をしますので、現場教室を掃除したり、
使ったトラクターの燃料を満タンにしたり、掃
除してもらって、終わりにします。最後に申請
書を作成します。説明して技能試験の申請書を
作成して、9日目は終了になります。
最終日は、群馬県の場合は、出張試験をして
もらっています。大体2名来ていただいていま
す。
来てもらってすぐ、2階に上がってもらって
試験官が当日の諸注意をします。終わるとすぐ
適性検査、視力検査をします。これが終わって
現場に出て、また走行時の注意を警察官の方か
らいただいて、実際の技能試験をします。終わ
ったら教室に戻って、結果の発表になります。
結果の発表が終わった後に閉講式で、校長が来
て、皆さんおめでとうございます、という格好
です。
翌週の火曜日に交通安全センターに行って全
員新しい免許が交付されます。
70 点以上を目標に試験
この試験で 70 点を取れた者だけが、最終の技
能試験を受けられます。そう言って学生に緊張
感を持たせてやっています。現在のところ本試
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18 年の農作業死亡事故は 391 件、前年4件減
農林水産省生産局生産技術課資材対策室
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農林水産省生産局生産技術課資材対策室(春日健二室長)はこのほど、平成 18 年の農作業死亡事故の調
査結果を発表した。18 年の死亡事故は 391 件で前年より4件減少した。65 歳以上の高齢者の事故が 305 件
と 78%を占め、特に 70 歳以上は 252 件、64%であった。男女別では男性 330 件、84%、女性 61 件、16%
となっている。
このうち農業機械作業に係る事故は 242 件で 62%を占め、農業用施設作業に係る事故が 26 件、7%、そ
れ以外の事故が 123 件、31%だった。農業機械に係る事故の状況をみると、機種別では乗用型トラクター
によるものが 115 件で機械に係る事故の 48%を占め、次いで農用運搬車が 53 件、同 22%、歩行型トラク
ターが 26 件、同 11%、自脱型コンバイン6件、動力防除機3件、動力刈払機1件、その他が 38 件であっ
た。
農業機械作業に係る事故の発生原因をみると、乗用型トラクターでは「機械の転落・転倒」が 84 件で 73%
を占め、
「道路上での自動車との衝突」が9件、
「回転部等への巻き込まれ」が8件、
「機械からの転落」が
5件などとなっている。
-6-
農用運搬車では、
「機械の転落・転倒」が 20 件で 38%、
「道路上での自動車との衝突」が9件、17%、そ
の他 11 件、21%など。
歩行型トラクターでは、
「機械の転落・転倒」が 10 件、39%、「挟まれ」が9件、35%、「回転部等への
巻き込まれ」が4件、15%。
機械全体では、
「機械の転落・転倒」が 128 件、53%で最多。
「回転部等への巻き込まれ」が 24 件、10%、
「挟まれ」が 23 件、10%、
「道路上での自動車との衝突」が 21 件、9%などとなっている。
「機械の転落・
転倒」のうち、圃場内は 64 件、道路からは 64 件と同数だった。
農業用施設に係る事故では、
「高所からの墜落・転落」が最多で 10 件。
「COガス等による中毒」、
「酸素
欠乏によるもの」がともに4件。
それ以外の事故では「作業中の病気によるもの」が 23 件、次いで「木などの高所からの転落」、
「稲わら
等焼却中に火にまかれる」
、
「溺水」がそれぞれ 20 件、「圃場、道路からの転落」が 18 件だった。
詳細は
http://www.maff.go.jp/j/press/seisan/sizai/pdf/080620-01.pdf
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自脱コンバインと運搬車両に関する事故実態
生研センターが農業者調査結果を発表
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生研センターでは、乗用型トラクター、歩行
クターの転落・転倒のように、どれかが突出し
型トラクターの事故実態に関する農業者調査結
ているということはなく、2~3割という割合
果に続き、自脱コンバインと運搬車両に関する
で各部で事故が起きている。
調査の結果を発表した。この調査は、平成 18
事故の程度は、コンバインの作用部による事
年度に全国 23 道府県から得られたデータに基
故と、転落・転倒事故では異なった傾向が見ら
づき、事故の状況や原因、受傷程度などをまと
れる。転落・転倒事故では、無傷が多いが、死
めたもの。自脱コンバインでは、作業部での事
亡事故もある。それに対して、作用部の事故で
故と転落・転倒が2~3割を占め、運搬車両で
は、通院以上の比較的重い負傷事故が半数程度
は約半分が転落・転倒であった。
を占めているが、この調査では死亡事故はみら
調査対象は 2300 戸で、回答は自脱コンバイン
れなかった。
が 902、運搬車両が 1214。ヒヤリ・ハットも含
また、事故のうち、無傷を除いた負傷以上に
み、
「回答者自身と家族及び知り合い」での事故
ついて、発生部位を調べると、負傷事故が多い
事例を収集している。なお、運搬車両は運搬車
ということで、作用部の事故が9割を占めてい
と農業用のトラックをいう。
る。
次に、転落・転倒事故がどういう状況で起こ
自脱コンバイン
っているかをみると、
「アユミ板からの落下」が
-「転落・転倒」と作用部の事故がほとんど
17%、「トレーラから転落」が 17%と、コンバ
自脱コンバインにおける事故の発生部位は、
インをトレーラ等に積載する時の事故が3分の
「刈取・搬送部」が 27%、
「脱穀部」が 21%、
1を占めている。特に、積み降ろし時には死亡
「排わら処理部」が 17%、
「転落・転倒」が 30%
事故も発生しており、注意が必要である。
と、4つの部位がほとんどを占めており、トラ
コンバインの安全装備の効果について、その
-7-
代表的な例として、手こぎ部に装着を求めてき
た緊急停止ボタンについてみると、装備してい
るものでは無傷が増えてケガが減っている。
「挟まれ」8%などであった。
事故の形態と程度をみると、転落・転倒事故
が入院6、死亡事故3あり、事故の程度の点に
おいてもウエートが高い。
また、運搬車両のタイプごとに事故の形態を
みると、各タイプとも転落・転倒が多い。また、
「挟まれ」については歩行型、歩行・乗用兼用
型、トレーラ型など、歩行が可能なもので起き
ている。
「運搬車両からの転落」については、荷
台からの転落が最も多かったことから、荷台へ
の乗車禁止を徹底すべきである。
運搬車両
-「転落・転倒」は2割、歩行型では「挟まれ」も
運搬車両の所有状況は、8割がトラックを使
っており、運搬車はほぼ3分の1の所有で、そ
のほとんどはトラックと両方を所有していた。
トラックが主役で、それを使いにくいところで
運搬車が活用されている。
事故の形態は、
「転落・転倒」が 47%を占め
た。
「衝突」が 18%、
「運搬車両からの転落」15%、
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農業機械の省エネ性能に関する研究会を開催
農林水産省生産局生産技術課資材対策室
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原油価格の高騰で農業機械の燃料などが値上
がりし、農家の経営を圧迫したり生産コストへ
の影響が懸念されるようになっているが、農林
水産省生産局生産技術課資材対策室では7月9
日、省内で「農業機械の省エネ性能に関する研
究会」を開催し、農業機械の省エネ性能につい
て効果的に情報提供していくための方策につい
て検討を開始した。
策室より説明があり、次いで農業機械の省エネ
性能を巡る情勢について報告があった。この中
では、原油価格の動向、農業用A重油や軽油、
ガソリン価格などの動向、農業分野の燃料使用
量と燃料価格が農業経営に及ぼす影響、温暖化
ガスの削減などについて示された。
農業分野での主な燃料の使用量を平成 18 年
度の「エネルギー消費統計」でみると、施設園
芸のハウス加温に用いる「A重油」が 53%を占
め、穀物乾燥機で利用される「灯油」が 14%、、
農業機械やトラックで使用される「軽油」が
第1回の会合では委員の紹介の後、この研究
会の開催要領について、事務局を務める資材対
-8-
15%、
「ガソリン」が 18%とほぼ同じ比率とな
っている。また、燃料価格が農業経営に及ぼす
影響については、稲作経営では 18 年産で動力燃
料費が 10a当たり 3082 円となっており、生産
費に占める割合は3%未満と大きくはないもの
の、生産コスト縮減の観点からは幅広く取り組
んでいく必要があるとした。
一方、原油高騰対策と地球温暖化対策として、
農業機械については、軽油、灯油等の燃料を使
用するため、原油価格の高騰による経営への影
響が懸念されることから、
「直ちに効果が期待で
きる対策」を講じつつ、
「燃料への依存度を抑制
するための構造転換対策」についても総合的に
推進していくことが必要とし、前者として免税
措置の利用促進、燃料の節減に資する利用方法
の普及啓発、後者として燃料の節減に資する機
械の普及促進、バイオディーゼル燃料の利用促
進、燃料の節減に資する新たな機械の開発促進
などがあるとして、その進捗状況が示された。
燃料の節減に資する農業機械の省エネ性能に
関する現状と課題としては、
「燃料の節減に資す
る機械」には様々なタイプがあるが、現状で省
エネ性能が明らかになっているのは、遠赤外線
乾燥機など公的試験のデータ等により燃料節減
効果が説明できるごく一部の機種のみに限られ
ていることに加え、同様の機構を持つ機種の場
合は型式ごとの省エネ性能を相対的に比較する
ことができず、このため「燃料の節減に資する
機械」のうち、可能なものから省エネ性能に関
する情報提供を行いうる仕組みを構築すること
が必要とした。
来年2月頃にとりまとめ
次いで、研究会における当面の検討対象につ
いて説明があり、第1「省エネ性能をもつ機械
の分類化と情報提供の対象とする分類の検討」、
第2「省エネ性能の情報提供を行いうる対象機
種の検討」
、第3「省エネ性能の情報提供方法の
検討」
、第4「情報提供時期の検討」の4つのテ
ーマに対して一定の方向性をとりまとめること
で合意した。
第1については、低燃費型農業機械、低電力
型農業機械、生産工程省力型農業機械などの分
類化の例が示された。第2では対象機として、
トラクター、田植機、コンバイン、乾燥機、防
除機、農用運搬車、刈払機などがあげられた。
第3では省エネ性能の確認項目や確認方法、
データの示し方、情報提供を行う主体などにつ
いての検討が必要とした。第4では、先行的な
情報提供を何年から行うか、確認制度の運用を
何年から行うか、対象機種を何年に拡大するか
などを検討していく。
また、検討の方法は研究会が枠組みの検討と
方針についてとりまとめを行うこととし、機械
の製造メーカーを中心に技術検討会を構成し、
具体的な検討は技術検討会で進めることとした。
この技術検討会を毎月1回程度開催し検討を進
め、次回の研究会を 10 月頃に開き、当面の情報
提供内容を打ち出し、明年の2月頃までに効果
的な情報提供方策を取りまとめる。
・研究会の配付資料はこちらから(農水省のホームページ)
http://www.maff.go.jp/j/study/syoene_nouki/index.html
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Dr.文 武 の 農 作 業 安 全
平成 18 年の農作業死亡事故が公表されました (今月は少し長い!)
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6 月 20 日に標題の数値が農林水産省から公表さ
れました。プレスリリースされた資料から筆者な
りの分析をします。
総数は平成 17 年に比べわずか減少しました。し
かし図1のように就業者10万人当たりでみると
上昇しています。17 年までの傾向から、近いうち
に建設業とクロスするのではないかと心配してい
ましたが、かろうじて小さい数値となりました。
どの産業でも事故減少に必死ですので、建設業も
農業も、一般産業並みの傾向になることが期待さ
れます。そのためには、ハード、ソフト、システ
しての強力な支援を復活させる必要性を感じてい
ム各面からの努力を支援するための、政策課題と
ます。
-9-
の重厚な歩行型ではなく、管理機が多くなり、そ
れらによる事故が少なくなっているためと類推で
きます。一方、運搬車による死亡件数は増加傾向
にあるようです。平成 18 年は平成 10 年、12 年並
みです。農業は大半が物を動かす運搬ですが、運
搬車や軽トラックなどによる運搬は、季節や時間
などを配慮し、安全な運行を第一に考えねばなり
ません。
図2は年齢階層別の死亡事故の割合を見たもの
です。平成 18 年の 60 歳以上の方の割合は 85%で
すが、これは、昭和 60 年前後の 40 歳以上の方の
割合とほぼ同じということがわかります。当時の
農業の主力がそのまま高齢化していることがわか
ります。高齢者の比率が高い背景として、心身諸
機能の低下があることは確かです。しかし、現場
の農業者がどれだけ自覚しているかは不明ですし、
「トラクターに乗ればまだ若い者には負けない
よ」という方もいますが、いろいろとお話しして
いくと、
「そういえば思い当たるよ、無理はいけな
いな」という結論になることも多くなっています。
次に目立つことは、乗用トラクターの死亡件数
が減っています。平成 9 年の 152 件から 115 件に
減っています。これは、キャブ/フレームといった
ROPS の装着率がしだいに上がっている成果と考
えられます。一方、定年帰農者などは、今後の営
農年数や規模などを考慮して、中古農機を購入し
ようしている事例が多くみられます。中古農機の
場合は、ほとんどがいわゆる「裸のトラクター」
でかつ適正な研修を受けずに作業することによる
事故に遭遇する例を耳にします。中古トラクター
に後付けで ROPS を装着するには製造物責任の問
題もあるでしょうが、正しい使い方をするととも
に、農業大学校などで営農研修を受けることで危
険を予知する能力もつきますので、安全確保のた
めの時間を作ることをお奨めします。
次に、事故件数の多い歩行型トラクターと農用
運搬車についてみます。歩行型トラクターの死亡
件数は減少しているといってよいでしょう。従来
平成 18 年の特徴は、機械・施設以外の作業での
死亡件数が増加していることです。高齢者が増え
ていることとも関係しますが、熱中症、高所から
の転落、やけど、溺水などの事例が多くなってい
ます。体調管理をしっかりするとともに、心身諸
機能の低下を自覚して作業計画を立てることが重
要ですし、大雨や台風接近時の圃場見回りはしな
い/させないようにすることも事故を減らす一つ
になります。
平成 20 年度は、高齢者等を対象とした農作業事
故を減らすことを念頭に置いた事業が始まります。
パソコン時代を活用して、高齢化に伴う心身諸機
能の自覚を促したり、危険予測の訓練のためのプ
ログラムを作る一方、協力分担関係にある生研セ
ンターでは、個別の機械について適正な使い方等
を学べるソフトを開発していく予定です。安全の
問題は瞬時に答えが出るものではありません。し
かし、一人一人が安全意識を強く持つことによっ
て、事故を起こす確率も低くなっていくと信じて
います。
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業 界 短 信
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「農」
、環境を守る「農山漁村」
』。応募締め切りは
ヤンマーが第 19 回学生懸賞論文・作文を募集
ヤンマーでは6月1日から、「第 19 回ヤンマー学
10 月 31 日。平成 21 年1月下旬に東京都内で開催
生懸賞論文・作文」の募集を開始した。今回のテー
する入選発表会で入選者を発表、表彰する。論文の
マは、
『農が変わる農が応える今未来への布石を』。
部・大賞には賞金 100 万円、作文の部・金賞には
サブタイトルは『生命を育む「食」
、食を生み出す
50 万円など総額 625 万円の賞金が贈られる。
-10-
任期満了に伴う取締役、監査役の選任では、取締
ササキコーポレーションがにんにく植付機を発表
5月に青森県が主催したにんにく植付機実演会で、
役会長に阿部修司氏(ヤンマー農機代表取締役社
長)が就任した。
新製品「青森にんにくスペシャルN300」
(愛称・ロ
ボニン)を発表し披露した。命名通り県の栽培方式
トラクターメーカー4社が値上げを発表
に合わせた仕様で、植え付け作業の軽労化を願う生
産現場待望の省力機。品質確保の上で欠かせない、
クボタは7月から、一般の農業機械で 106%、担
タネ(りん片)の垂直植え付け、一定の植え付け深
い手向け大型機とコンバイン「ラクティー」
は 103%
さ維持などをマイコン制御で確実に行う。植え付け
とし、トラクターM30 シリーズは据え置く。ヤン
は株間 15、17cm から選択できる。無孔マルチ上面
マー農機は8月から一般農業機械は5~7%、担い
を機械のテーブルが押さえながら穴をあけ、その位
手向け大型機は一部を除き3~5%値上げする。井
置にタネを垂直に打ち込む。タネの供給は後部座席
関農機は8月から一般農機6~7%、低コスト農業
に腰掛けた2人作業で、回転目皿方式のため供給が
応援機は一部を除き3~4%値上げ。三菱農機は9
ラクな上、茎葉の向きを揃えることができる。足回
月から一部を除き3~8%値上げする。鋼材や石油
りはHST油圧によるクローラ走行方式、自動直進
製品など原材料価格が高騰し、各社とも合理化努力
センサー機構を装備しているため、畝に沿って安定
ではコストを吸収できないためとしている。
して直進する。
井関農機が 20 年度下期新商品 11 品目 18 型式を発表
発表したのは担い手向けのトラクタ「ジアスAT
日農工がバイオ燃料で報告書
平成 19 年度事業で実施した「農業機械におけるバ
K56」
、TジャパンTJWシリーズの最上級機「T
イオ燃料の利用促進に向けた取組手法の調査・分析
JW107」同 117」、乗用4条田植機「さなえPPZ
に関する調査」報告書をまとめるとともに、BDF
4」、欧州向け多目的トラクタ「ICT50」など。
の「農業機械への利用ガイドライン」を作成した。
このうち、
「さなえPPZ4」は小型・簡単操作・
調査結果によると、BDF使用時の問題点として、
充実装備・低価格を実現。このクラスでは業界初の
燃料ホースの溶融、燃料フィルターの詰まり、燃料
「疎植株間」(37 株/1坪)を標準装備した。これ
配管系統の劣化や腐食、冬季の始動性不良などが明
により同社の乗用田植機は 10 条から4条植えまで
らかになり、今後、農家への啓発活動、農機販売者
全機種、同社が省エネ・低コスト稲作として提案す
への支援などが必要だと提言した。この調査研究は、
る 37 株疎植対応機となり、疎植の普及に向け一段
農林水産省の公募事業で採択され実施したもの。
と勢いを加速する。トラクターはBIG―Tに 130
~200 馬力、TJWに 107、117 馬力、低コスト農
業応援機・ATK56 を追加。BIG―TとTJW
新農機株式会社が株主総会、経営改善策を示す
第 16 期定時株主総会では、15 期の事業報告、新
のエンジンは、環境に配慮したコモンレール式噴射
たな事業・経営改善策の報告を受けるとともに、取
装置を搭載、キャビン内騒音は 70dB(BIG―
締役 11 名、監査役2名の選任、役員退職慰労金制
T)を実現している。操作面ではクラッチペダルを
度の廃止に伴う打ち切り支給についてなどを決議
踏むことなく手元のクラッチボタンにより右手一
した。このうち、新たな事業・経営改善策は、第4
本で主変速8段、副変速3段の計 24 段の変速がで
次の緊プロ事業がスタートするに当たり、より効率
きる(TJW)
。
的な事業運営と将来を見据えた経営改善を目的と
サタケが米粉製造ができる小型製粉機を発売
するもので、
1. 役員退職慰労金制度の廃止、事務所の移転等を
小型製粉機SRG10Aで、1時間当たり 10kg(白
米)の米粉作りが行え、手軽な製粉作業を実現して
通じて支出を削減
2. 新規実用化機種のマーケット開発業務の強化
と新料金体系
いる。米パンの原料となる米粉は細かな粒子が要求
され、専門の製粉メーカーに委託するのが一般的で
3. 既実用化機種では、従来の料金体系を継続しつ
つ財政基盤強化に向けた緊急措置
あるが、この「小型製粉機」により手軽に自家製粉
が可能。地元産米使用や自家製粉を売り物とした農
-をポイントとしている。
家や道の駅、小規模なパン工場などの商業施設向け
に販売を予定している。機械の構造は、米を初めに
-11-
静岡製機が玄米貯蔵庫「楽らく菜庫」の新型発売
粗く砕く「粗砕機」と、さらに細かく粉砕する「高
玄米低温貯蔵庫の新型「楽らく菜庫」GBシリー
速粉砕機」、
「ふるい」が一体となっており、コンパ
ズは4型式(収納袋 14~32 袋)あり、業界初のス
クトながら、良質の米粉が製造できる。
ライド棚機能を装備、棚が前後に移動するため、後
列(奥)の玄米袋などの積載物の出し入れが楽にで
IHIスターがラッピングマシンの新型を発売
モデルチェンジした「SWM0830」と「MWM/
きる。また、同社独自の可倒式中仕切のドア「左右
1060S・1060W」
、ラジコンオート仕様のニューモ
おまかせドア」を採用。常に庫内をクリーンな状態
デル「MWR1060W」
。ハイスピードラッピングが
に保つ、抗菌・脱臭フィルターを搭載。加えて、省
可能で、高品質なサイレージづくりに貢献する。
「エ
電力・低騒音を追求した、環境にやさしい保冷庫と
ンジン付き定置タイプ」1型式、「トラクター用」
なっている。設定温度が従来の4度Cから2度C~
7型式、
「トラクター用定置ラジコンオートタイプ」
16 度Cに広がり、より多くの品目に対応。大きな
3型式があり、希望のタイプを選べる。定置式のS
ドア取っ手を採用しており、開閉も楽に行える。
WM0830 の主な特徴は、フィルムに一定の張りを
与えるストレッチローラにアルミニウム製を採用、
農林水産省が 20 年の農業動態統計調査発表
2層巻・4層巻・6層巻の切り替えは、ピンの差し
・販売農家数 175 万戸
替えで簡単、オートストップ機構を標準装備―など。
今年2月1日現在の農業経営体数は 180 万 4000
アルミ製シングルストレッチを採用したエコノミ
で、前年に比べ6万 3000、3.4%減少した。うち販
ータイプのMWM1060Sは、コントロールボックス
売農家は 175 万戸で同6万 3000 戸(3.5%)の減と
でフィルム巻数を設定すると、巻付け終了時に自動
なった。また、全国の販売農家1戸当たりの経営耕
的にターンテーブルが停止する。
地面積は 1.87ha となり、
前年に比べ 0.04ha(2.2%)
拡大した。北海道では、前年に比べ農家数が 2000
戸減る中、15ha 以上の階層は 1000 戸(5.0%)増
山本製作所がペレット温風暖房機を新発売
木質ペレット(木を微細し、乾燥して圧縮形成し
加。都府県も農家数が 6 万 1000 戸減少する中で5
た固形燃料)を使用し、高騰する石油に頼ることな
ha 以上の階層は 2000 戸(3.7%)増えており、規
くハウス経営農家を支援するペレット温風暖房機
模拡大が引き続き進んでいる。
「PWH-580」を開発、先に東京ビッグサイトで
開催された環境展へ出品、本格的な発売を開始した。
クボタが 20 年度下期新製品8機種 16 型式を発表
同機は、使用状況に応じて、4ヵ所の温風吹出口か
新製品は、トラクターの中型「キングアイマック
ら2ヵ所を選択でき、斜流式送風機により、毎分
スシリーズ」、42 馬力「L4305V商社向け」、小型
90 立方mの風量を送風できる。最大出力熱量は 58
限定機「ブルスターシリーズ」
、管理機が「ニュー
kW(毎時5万kcal)。電源はAC200V・3相。
ミディシリーズ」
「ベジライト」
「ウネマスタージュ
ニア」
、乗用田植機「ニューウエルスターポップシ
リーズ」と普通型コンバイン「エアロスターGP」
。
筑水キャニコムが芝刈機「芝耕作」シリーズ発売
乗用タイプのフロントモアーR13AWDは、刈取
このうち、トラクター「キングアイマックスシリー
部が機体前部にあり、芝の刈り残しがなく、植え込
ズ」は、ホイル(21~30 馬力)とパワクロ仕様(21
み・樹木周辺の芝刈りも簡単に行える。人間工学に
~28 馬力)とがあり、ジャストサイズな機体に大
基づいた設計デザインにより、オペレーターは最適
排気量エンジンを搭載し、余裕の作業が行える。そ
なポジションで作業が可能なのが特徴。ミッドマウ
れに加え、軽快なフットワークや高精度な作業性能、
ント式の乗用型LTH151 は、HST機構を搭載、
操作のしやすさ、快適な居住空間も追求している。
操作が簡単。刈刃の回転による風で寝ている芝を起
また、旋回時に自動で作業機を上昇させるおまかせ
こしてカットする「エアーインダクション機構」に
オートアップを新採用。オペレータが行うハンドル
より刈りムラが非常に少ない。シリーズには他に、
操作を、旋回動作か方向修正かマイコンが状況判断
歩行タイプの自走式R152SVH―BBC、リール
し、作業機を上昇させるタイミングを2段階で自動
式の手押し式芝刈機 540Nもある。
的に設定。頻繁に方向修正を行う小区画・変形田で
も使い易い。
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圃場、講演会、座談会、疎植栽培技術指導を、順次
井関農機が低コスト農業応援室を新設
7月1日付で営業推進部に設置した。近い将来、
全国展開。ガイドブックや、地域別の栽培マニュア
日本の稲作の主流となりうる栽培技術として、同社
ルを作成する。さらに疎植栽培技術を推進し、対応
が積極的に提唱し、現在グループをあげて意欲的に
分野(飼料米・加工米・バイオ米)を拡大する。
啓蒙活動に取り組んでいる「疎植栽培」の普及をさ
らに加速させるのが狙い。ハードに加え、同社が開
発した疎植栽培技術、並びに技術指導というソフト
も提供する。そのために一部地域で行っていた実証
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