「安全」を第一に!農作業事故にご注意を! 豊穣な出来秋を迎え、組合員の皆様におかれましては、日々収穫作業等でご多忙のことと存じます。 本年に入り、当管内において農作業中の事故が頻繁に発生している傾向にあります。 作業中の危険は日常作業のいたる所に潜んでおり、慣れた作業においても大きな落とし穴があるかもしれま せん。事故の要素・原因となりうる行動を今一度知り、事故はいつでも誰にでも起こりうること、そして、 それを防ぐのは自分自身であることを忘れずに、安全な農作業を心がけましょう。 農作業事故の発生は、後の農家経済や日常生活に大きな支障・影響を及ぼします。 効率的な作業で、事故を未然に防ぐよう、家族全員で安全意識を高めましょう。 「農作業事故安全原則」 ○体にぴったり合った服装で、足元も滑らないものを選びましょう。 ○倉庫内は常に整理整頓を心がけましょう。圃場内においては、常に足場が不安定な状態にありますので、 足下には十分気を付けましょう。これらの場所において、特に人が往来する箇所への農具類や物品等の放 置は、作業者がつまずいたり、転倒することによって、より危険な箇所へ投げ出される危険性があります ので、十分に注意しましょう。 ○高所における作業では、転落防止のため、命綱をつける等の対策を施しましょう。 はしご等を用いて高所での作業(特に果樹系の剪定作業、収穫作業など)を行う場合は、はしご等の足場 がしっかり固定されているかを確認した上で登るようにしましょう。どうしても足場が不安定な場所で行 わなければならない場合は、他の作業者にしっかり支えてもらうなど、補助をしてもらいましょう。 ○動力機械等の使用にあったっては「危険を伴う作業」であるという認識を持って、安全意識を高め、「基 本を守って」作業しましょう。万一に備えて、エンジンまたは電源の止め方、非常停止ボタンの位置など を家族全員で確認し、理解し合いましょう。 ○機械装置類による作業前後には各部の点検・調整を行いましょう。その際は、必ずエンジンまたは電源を 切り、その動力や駆動が完全に停止してから行いましょう。点検の結果、異常が確認された場合は、調整 や部品等の交換、必要に応じ販売メーカーや修理業者等へ連絡し、速やかに修理を依頼しましょう。 ○機械装置類の運転・起動に際しては、作動・駆動する部分に作業者や農具類、物品等が触れてないかを確 認した上で、エンジンや電源を起動して下さい。作業の状況によっては、事前に周辺作業者への声掛けや 合図をするなどの注意喚起を促しましょう。 ○機械装置類の作動中は、可動する部分、動力伝達部分等には絶対に手を入れてはいけません。挟まれ、巻 き込まれ災害の多くは、機械装置が作動中に原料の詰まりを取り除いたり、不具合を直すため、可動部分 や動力伝達部分等へ直接手を入れることにより、指や腕の切断、骨折するなどの災害が発生しています。 どうしても、それらの部分に直接手を入れる必要が生じた場合は、必ずエンジンまたは電源を切り、その 動力や駆動が完全に停止してから行いましょう。 また、完全に停止した状態でも、素手における処置は非常に危険です。必ず軍手等で手を保護した上で行 って下さい。必要に応じて、適切な用具等を使用して取り除いたり、不具合を直す処置を施して下さい。 ○「PTOジョイント」や「Vベルト」などには、必ず安全カバーなどの安全装置を設置しましょう。動力 機械類を使用する作業では、動力伝達部分等による身体や衣類等の挟まれ、巻き込まれによる死亡事故や 切断等の身体障害を伴う重大な災害となってしまいます。作業者に危険を及ぼす恐れのある箇所には、必 ず安全カバー等を取り付けて下さい。 また、作業の効率が落ちるからといって、安全カバー等を取り外して使用している場合が見受けられます が、作業者の「安全」と「命」を守る観点からあってはならないことです。絶対にやめましょう ○大型の機械装置(特にハーベスターなどの収穫作業機械類)を使用または運転して移動する際は、その構 造上、オペレーター側から確認出来ない「死角」となる部分が多いため、周囲には十分に気を配り、事前 に周辺作業者への声掛けや合図をするなどの注意喚起を促しましょう。特に旋回や後退する際には、状況 に応じて他の作業者の指示を仰ぎ、誘導してもらうようにしましょう。 また、大型機械装置使用時には、機械の作動音により作業者間の声が届かないため、あらかじめ作業者間 で手信号を決めるなど、騒音の中でも相手に意志が正しく伝えられるようにして下さい。 ○周辺作業者が使用している機械装置に何らかの異常を感じた際は、直ちにエンジンや電源を停止し、その 動力や駆動が完全に停止したのを確認した上で、機械類の点検、調整や部品等の交換を行うなど、適宜対 処しましょう。 また、異常や不具合の程度によっては、必要に応じ販売メーカーや修理業者等へ連絡し、速やかに修理を 依頼しましょう。 ○収穫期を迎え、収穫物等をフレコンバックやスチールコンテナへ入れて、トラクターのフロントローダー やフォークリフトなどで運搬する作業が増えております。そのような場合は落下事故を防止するために、 吊り上げたフレコンバックやスチールコンテナの下には、絶対に作業者が入らないよう事前に声掛けする などの注意喚起を促しましょう。 ○無理な作業、特に長時間の単一作業は集中力の低下により事故につながりますので、必ず時間を決めて休 憩をとりましょう。 ○秋期は日没が早まります。日没後にも農作業を行う際は、早めにトラクターの前照灯や作業灯を点灯して 農作業の安全に努めるとともに、道路上を移動する際には後方から来る車両が気付きやすいように、作業 機に低速車マーク・反射板・反射シール・回転灯などを取り付けてください。 ○無理のない作業計画を立てましょう。また、作業の遅れによる焦りは、注意力が低下し、事故につながり やすくなります。過度な労働を防ぎましょう。 「万が一、事故にあわれたときは・・・」 ○負傷または事故にあわれた際は、速やかに適切な救急措置と応急措置を行いましょう。 ※負傷箇所から心臓に近い位置で止血を行い、負傷箇所が汚れている場合は、化膿防止のためにきれいな 水などで洗浄しましょう。 ※必ず病院へ行き処置を行いましょう。負傷の状況(切断や骨折、出血過多など)に応じ、速やかに救急 車(状況によりドクターヘリ)を要請しましょう。 ※負傷者が、機械類に「挟まれたままの状態」や「巻き込まれたまま状態」または「作業機械等の下敷き になった状態」の際は、救急車(状況によりドクターヘリ)の要請と併せてレスキューの要請も行って 下さい。特に事故の状況が深刻な状態では、むやみに救出しようとすると、負傷の悪化、最悪の場合は 二次災害につながることがあります。 ○労災保険に加入している方で、万が一、農作業中に事故が発生し負傷をされた場合は、病院・薬局の受付 (または医師・薬剤師) に「労災保険で手続き」する旨を申し出て下さい。(健康保険を使用しないよう に気をつけて下さい)そして、速やかにご本人または家族の方がJAまで給付申請する旨の連絡をして下 さい。JAで給付請求書を作成し、病院・薬局へ提出いたします。 また、負傷されたその日のうちに病院に行くようにして下さい。どうしても都合の悪い場合は次の日に受 診するようにして下さい。日数が経てば経つ程、労働基準監督署において労災事故と認定されにくくなり ます。負傷日と病院での初診日を空けないようにして下さい。
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